JPH10232601A - 顎運動装置 - Google Patents

顎運動装置

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JPH10232601A
JPH10232601A JP3403397A JP3403397A JPH10232601A JP H10232601 A JPH10232601 A JP H10232601A JP 3403397 A JP3403397 A JP 3403397A JP 3403397 A JP3403397 A JP 3403397A JP H10232601 A JPH10232601 A JP H10232601A
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muscle
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actuator
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Atsuo Takanishi
西 淳 夫 高
英 明 ▲高▼信
Hideaki Takanobu
Akihisa Okino
野 晃 久 沖
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Waseda University
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OKINO KOGYO KK
Waseda University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顎モデルの状態が見やすく、観察、保守点
検、調整作業を容易とし、また、アクチュエータ及び全
体フレームと分離結合可能とする。アクチュエータを各
筋モデルに対して同一構成とし全体フレームに集中搭載
して、配置や個数等の変更が容易で、小型、安価とす
る。 【解決手段】 顎モデル部10は、顎関節部13によ
り、下顎部12が上顎部11対して、開閉口、前後及び
左右移動、すりつぶし運動等の多種の運動が可能であ
る。顎モデル部10及び結合部20と収容部60とは別
体として分離できる。運動伝達部30は、9本の筋に相
当するワイヤ31−1〜5等により、生体の筋束を模擬
し、下顎部12の運動を伝達する。駆動部50は、非線
形粘弾性特性を有する弾性部40を介して、運動ワイヤ
31−1〜5を駆動する。収容部60には、各筋に対し
て設けられた弾性部40及び駆動部50が積載される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顎運動装置に係
り、特に、顎部の開閉運動、前後左右運動又はこれらの
組合せ運動等の顎運動を行う顎運動ロボットに関する。
本発明の顎運動装置は、例えば、生態を模擬した冗長自
由度を持つ筋・骨格系についての咀嚼運動等の運動解
析、運動再現の研究開発、運動トレーニング、運動補助
等に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、人の顎運動の再現を目的として、
いくつかの実験装置の開発が報告されている(例えば、
T.Messerman," A means for studying mandibular move
ments",J. Pros. Dent, Janurary, 1967, Volume 17, N
umber 1 、C. H. Gibbs, etal."Functional movements
of the mandible" J. Pros. Dent. Vol.26. No.6.Dec.
1971,等参照)。これは、人の顎運動の位置及び姿勢デ
ータを電気的信号として記録し、それを6自由度のサー
ボモータによって再現する装置である。この装置では、
アクチュエータの配置及び駆動方法は、顎モデルの運動
について着目しているため、生態の筋・骨格系とは全く
異なっている。
【0003】また、従来から、様々な顎モデルの咬合状
態を研究する咬合器が使われている。これは、顎運動を
口腔外において再現するものであるが、その操作は手動
で行なわれ、自動制御されるものはない。
【0004】さらに、顎関節部に作用する力を推定する
ことを目的とした顎関節負荷モデル、ロボット化したシ
ミュレータを目標とする自律顎運動ロボット、また、線
形計画法を利用した顎関節力の軽減を目的とした咀嚼ロ
ボット等が報告されている(例えば、D.C.Hather et a
l."Development of mechanical and mathematic models
to study temporomandibular joint loading" J.Prost
hetic Dent.Vol55,No.3,1986 、青木他「自律顎運動ロ
ボットの顎体と咬合力センサの試作」、信学技報MBE93-
75,1993 、高西、高信、加藤「咀嚼ロボットの開発」日
本咀嚼学会雑誌vol.2、No.1(1992)P
P.71−77等参照)。
【0005】また、従来、顎運動の測定装置としては、
上顎と下顎にフレームを固定し、6個乃至8個の変位及
び角度を検出するセンサにより額運動を測定していた。
そして、上顎が固定された額運動ロボットにおいても上
顎と下顎の両方にフレームを取り付ける必要があり、装
着が難しかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来におい
ては、実際の生体を模擬した顎運動装置は、装置規模、
動作性能、汎用性、操作性及び外観等において、実用に
乏しいものであった。そこで、本発明においては、以下
のような課題を解決する実用的な顎運動装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】本発明では、顎モデルとアクチュエータと
を分離して、筋の両付着点を結ぶ直線上からアイドルプ
ーリ等を採用して駆動部に導くようにすることにより、
顎モデルの状態が見やすく、観察、保守点検、調整作業
が容易とすることを目的とする。
【0008】また、本発明において、顎モデルは、結合
部によりアクチュエータ及び全体フレームと分離結合可
能とし、顎モデルの比較実験、観察等のために交換を簡
単とし、また、顎モデルを、小形化及び軽量化すること
を目的とする。
【0009】また、本発明においては、アクチュエータ
を、各筋モデル部に対して同一構成とすることにより、
安価とし、小形化、軽量化することを目的とする。ま
た、アクチュエータをフレームにビルディングブロック
形式で集中搭載することにより、模擬筋束(筋モデル
部)の配置や個数等の変更が容易とし、さらに、アクチ
ュエータの保守点検、追加削除等が容易とすることを目
的とする。
【0010】本発明においては、アイドルプーリは、顎
モデルと一体の連結フレームに取りつけることにより、
顎モデルを調整された一体のものとして扱い、顎モデル
の交換後の調整を容易とすることを目的とする。
【0011】さらに、本発明においては、非線形粘弾性
部を、アクチュエータの直線移動部に受動的に滑動可能
な状態で取りつけることにより、生体の筋束を適切に模
擬し、安定した動作とし、さらに運動を観察・解析する
場合の障害とならないようにすることを目的とする。
【0012】また、本発明の顎運動装置を、顎運動トレ
ーニング又は顎運動測定装置との関連動作に適用するこ
と等、様々な応用を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の解決手段
によると、上顎部、下顎部、顎関節部、及び取付け及び
取外し可能な支持部を有する顎モデル手段と、生体の下
顎を運動させるための複数の筋束をそれぞれ模擬し、前
記顎モデル手段の前記下顎部を運動させる筋モデル部
と、分離結合部とをそれぞれ有する複数の運動伝達手段
と、各々の前記運動伝達手段が前記分離結合部により分
離可能に取り付けられ、前記筋モデル部を非線形粘弾性
特性に従いそれぞれ駆動する複数の駆動手段と、前記顎
モデル手段が前記支持部により分離可能に取り付けら
れ、前記駆動手段を収容する収容手段と、複数の前記駆
動手段を制御する制御手段とを備えた顎運動装置を提供
する。
【0014】また、本発明の第2の解決手段によると、
一端を前記上顎部及び前記下顎部に固定し、他端をトレ
ーニング者の上顎及び下顎に固定することにより、前記
顎モデル手段の運動を前記トレーニング者に伝達するイ
ンタフェース手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】さらに、本発明の第3の解決手段による
と、前記顎モデル手段又は被測定者の顎運動を検出する
ために前記上顎部又は前記下顎部又はこれら近傍に検出
点が固定され、複数方向に対して前記検出点の位置移動
量をそれぞれ検出する複数の検出部と、複数の前記検出
部の検出結果を演算して、2次元又は3次元的な顎運動
及び/又は顎位置を演算する演算部とを含む顎運動セン
サをさらに備えたことを特徴とする。
【0016】また、前記運動伝達手段は、左右一対の咬
筋、側頭筋、外側翼突筋、及び/又は、ひとつの開口筋
をそれぞれ模擬して、これら筋の付着点間で弛緩又は収
縮動作を行う咬筋モデル部、側頭筋モデル部、外側翼突
筋モデル部、及び/又は、開口筋モデル部を備えたこと
を特徴とする。
【0017】さらに、前記運動伝達手段は、プーリ及び
ワイヤ、蛇管、ピストン及びシリンダ、又はロットによ
り構成され、前記結合手段に略垂直に設けられた複数の
軸を備え、それぞれの前記軸の先端両側に前記固定端を
設けるようにしたこと特徴とする。
【0018】また、前記駆動手段は、前記制御装置の命
令により横方向に移動するリニア駆動部を備え、前記リ
ニア駆動部により前記弾性手段の一端を移動させること
により、前記運動伝達手段に移動運動を伝達することを
特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下順に、1.顎運動ロボットの
ハードウェア構成、2.各種センサ、3.駆動制御系の
構成、4.顎運動ロボットの制御ソフトウェア、5.顎
運動ロボットの応用例、について詳細に説明する。 1.顎運動ロボットのハードウェア構成 図1に、本発明による顎運動ロボットの側面構成図を示
す。また、図2に、本発明による顎運動ロボットの上面
構成図を示す。本発明の顎運動ロボットは、顎モデル部
10、結合部20、運動伝達部30、弾性部40、駆動
部50、収容部60、制御部70等を含む。
【0020】顎モデル部10は、上顎部11、下顎部1
2、顎関節部13、頭蓋骨14を備える。顎関節部13
により、下顎部12が上顎部11対して、開口、前後及
び左右移動、すりつぶし運動等の多種の運動が可能なよ
うに構成されている。頭蓋骨14は、ここでは、頭蓋骨
上部と下部とが分割式になっている形状のモデルの例を
示しているが、外観形状はどのようなものでもよいし、
また、具備されていなくても良い。
【0021】ここで、図3に、顎関節部13の構成図の
一例を示す。このような顎関節機構では、下顎の回転中
心に回転中心軸135があり、そこに作業側球138及
び平衡側球139が回転できるように貫通して取り付け
られている。作業側球138は、回転のみ可能で軸方向
は拘束されており、一方、平衡側球139は、回転及び
軸方向の移動の両方が可能であるように構成される。
【0022】下顎部12が開閉口動作をする場合は、作
業側球138及び平衡側球139が回転中心軸135に
対して回転する。前後方向(X方向)に併進する場合
は、2つの球138及び139が、回転しながら作業側
軸受136及び平衡側軸受137の溝をそれぞれ移動す
る。
【0023】また、切歯(下顎部12先端部の前歯)点
が左右に動く動作をする場合は、上下軸(Z軸)回りの
回転運動となる。
【0024】また、左右方向(Y方向)の回転を伴わな
い併進方向の力が発生した場合は、作業側球138が回
転中心軸135に対して拘束されているため、動くこと
はなく、作業側軸受136で支持される。開口筋以外の
筋に対応するワイヤ31−1〜4は下顎部12を上へ引
き上げる方向に張力を発生させるため、軸受にも下方か
ら力がかかる。その反力を受けるために、軸受136及
び137は、図示のように、溝を下向きにした形で上顎
側のフレームに固定されている。
【0025】このような顎関節機構によって、下顎12
は開閉運動の他に前後方向の併進、左右方向の回転(上
下方向を中心とした回転)等の様々な運動を行うことが
できる。
【0026】つぎに、結合部20は、顎モデルフレーム
21、取付部材22及び軸23−1〜4を含む。顎モデ
ルフレーム21の一端は、頭蓋骨14及び上顎部11に
固定され、頭蓋骨14の後方に延びている。また、顎モ
デル部10は、顎モデルフレーム21及び取付部材22
により、収容部60の全体フレーム61に取りつけられ
る。このような取付けに用いられる取付部材22は、例
えば、容易に取外し及び結合可能なように、ネジ、ボル
ト、フック、溝等の周知の手段を備える。また、顎モデ
ルフレーム21には、4本の軸23−1〜4が各々垂直
に設けられている。なお、これら軸は、必ずしも垂直に
設けられていなくてもよい。
【0027】収容部60は、本体フレーム61、基板6
2、支持体63等を備え、駆動部50を、例えば、ビル
ディングブロック形式に搭載する。収容部60には、搭
載可能な駆動部50の個数は適宜可変とできるように十
分な棚が設けられている。さらに、各駆動部50毎に、
アイドルプーリ64及び位置調整部65が設けられ、駆
動引っ張り方向を、上下左右に調整できる。また、アイ
ドルプーリ64は、ひとつの駆動部50に対して複数設
けて、上側又は下側のいずれからでも引っ張ることがで
きるようにしたり、角度を変えて構成しても良い。
【0028】制御部70は、CPU部71、伝送部72
及び入出力部73等を備える。入出力部73の操作又は
CPU部71の自動制御により、各駆動部50に所定の
駆動命令等を伝送して顎運動ロボットの動作を制御す
る。
【0029】つぎに、本発明に係る顎運動ロボットにお
ける、運動伝達部30、弾性部40及び駆動部50に係
る構成を詳細に説明する。運動伝達部30は、生体を模
擬した複数の各筋モデル部を含む。また、各筋モデル部
の弛緩又は収縮動作を行うアクチュエータが、主に弾性
部40及び駆動部50により構成される。
【0030】運動伝達部30は、ワイヤ31−1〜5、
張力センサ32、連結部材33、移動端34−1〜5、
固定端35−1〜5等を備える。ワイヤ31−1〜5
は、顎モデル部10とアクチュエータ(弾性部40及び
駆動部50等)とを接続するものであり、ミニチュアワ
イヤー等で構成される。各ワイヤ31−1〜5には、分
離及び結合できるように、途中に連結部材33が設けら
れ、また、必要に応じて、ワイヤの途中には張力センサ
32が取りつけられる。張力センサ32は、駆動部40
側又は顎モデル部10側の適宜の場所に備えることがで
きる。
【0031】また、ワイヤ31−1〜5には、一端が下
顎部12に結合されて移動端34−1〜5を構成し、そ
の張力方向を調節するための固定端35−1〜5が設け
られている。移動端34−1〜5は、下顎部12の生体
を模擬した適宜の位置に接続される。固定端は、結合部
20の軸23−1〜4のそれぞれの先端に、1対のアイ
ドルプーリ35−1〜4が設けることにより構成され
る。また、収容部60の基板62にもアイドルプーリ3
5−5が設けられている。各アイドルプーリ35−1〜
5は、ワイヤ31−1〜5の張力方向を考慮して、垂直
及び/又は平面方向に適宜角度をつけて取り付けられて
いる。
【0032】本発明の顎運動ロボットにおいては、9本
の筋に相当するワイヤ31−1〜5により、下顎の位置
及び運動等を制御している。すなわち、咬筋に相当する
一対のワイヤ31−1、側頭筋前部筋束に相当する左右
一対のワイヤ31−2、側頭筋後部筋束に相当する左右
一対のワイヤ31−3、外側翼突筋に相当する左右一対
のワイヤ31−4と、開口筋(開口筋群)に相当する一
本のワイヤ31−5という、合計9本のワイヤが筋束を
模擬する手段である。主に、各ワイヤ31−1〜5の移
動端34−1〜5と固定端35−1〜5の間が、各筋モ
デル部に相当し、弛緩又は収縮動作を行う。
【0033】これらの中で、歯列にかかる咬合力の位置
(切歯側、臼歯側等)を制御しない場合には側頭筋前部
筋束ワイヤ31−2と側頭筋後部筋束ワイヤ31−3を
まとめることは可能である。また、顎の前後、左右の動
きを省略すれば、外側翼突筋ワイヤ31−4を省くこと
も可能である。また、開口時の動作あるいは顎運動の剛
性に注目しなければ、開口筋ワイヤ31−5に対するア
クチュエータを省略して、バネによる張力で置きかえる
ことも可能である。その他、必要に応じて、所望のワイ
ヤを適宜付加又は省略することができる。
【0034】また、ここでは、移動端34−1〜5及び
固定端35−1〜5による筋肉を模擬した構成は、ワイ
ヤとアイドルプーリにより構成されているが、この他に
も、油圧、空圧、水圧等のピストン及びシリンダによる
構成、蛇管又はロットによる構成、又はリニアモータに
よる構成等に適宜置換することができる。アイドルプー
リによる構成では、顎モデル部10の外側に固定端が突
出してしまうが、これらの構成を採用することにより、
外側に突出しなくでも所定方向に張力を加えることが可
能である。
【0035】このように、下顎部12は、ワイヤ31−
1〜5により顎モデル部10の後方に設けられたアクチ
ュエータユニットに接続されており、上顎部12との間
で、回転、併進等の多種の運動が可能となる。
【0036】つぎに、図4に、弾性部40の説明図を示
す。図4(a)に示すように、弾性部40は、各ワイヤ
31毎に設けられ、非線形特性及び粘弾性特性を備え
る。これにより、生体の筋肉収縮を模擬することができ
る。
【0037】弾性部40の、非線形粘弾性機構は、粘性
抵抗トルクを発生するダンパ43と、ねじりコイルバネ
42と駆動回転軸45を回転中心として回転する1対の
レバー41等で構成される。また、1対のレバー41
は、回動可能なヒンジで一端が連結され駆動回転軸45
を構成し、他端にはワイヤ31が取りつけられている。
レバー41は、ねじりコイルバネ42で一定の角度に広
げられている。
【0038】図4(b)に、伸び方向変位に対する張力
の関係を示す特性図を示す。このような非線形粘弾性機
構において、ワイヤ31と駆動回転軸45との間を引き
伸す方向に張力がかかると、伸びれば伸びるほどレバー
間の角度θが小さくなり、張力が大きく(剛性が高く)
なる。この例では、角度θが約180°のときバネ効果
最大となり、角度θがほぼ0になるとバネとしての作用
がなくなる(バネ効果なし)。
【0039】このように、1対のレバー41はダンパー
43で結合され、バネと下顎によって形成されるバネ・
質点系の振動を防ぎ、より生体に近い特性を得る。な
お、実際のロボットにおいては、ダンパーはレバー間の
回転角速度に比例して減衰力を発生するロータリーダン
パーを使用すると良い。また、コイルバネ42又はダン
パ43のいずれか一方のみを備えることにより、非線形
特性又は粘弾性特性のいずれか一方を具備するようにし
ても良い。
【0040】つぎに、図5に、アクチュエータの機構構
成図を示す。ここで、顎モデル部10からのワイヤ31
は、連結部33及び張力センサ32が取りつけられ、本
体フレーム側のアイドルプーリ64を介して弾性部40
に接続される。弾性部40のダンパ43の具体的部材と
しては、ここではロータリーダンパを採用している。弾
性部40の駆動軸45は、さらに駆動部50に接続され
る。また、駆動部50は、複数個が収容部60の全体フ
レーム61の上に並べられている。以下の例では9個の
駆動部50により、9本のワイヤ31−1〜5を駆動す
ることにより、顎モデル部10を運動制御する構成とし
ているが、ワイヤ数を減らすこと、又はアクチュエータ
の代りにバネ等で張力をかけておくことも可能である。
【0041】図5(a)において、駆動部50は、リニ
ア運動機構を実現し、サーボモータ51により直線的に
駆動される。すなわち、駆動部50では、制御用計算機
の指令によってサーボモータ51が位置制御で駆動さ
れ、減速機52を介してタイミングベルトプーリ53が
回転され、タイミングベルト54に固定された非線形粘
弾性特性を有する弾性部40を直線的に駆動する。リニ
ア運動機構としては、タイミングベルト54に固定され
たリニアブシュ55が、リニアシャフト56によってガ
イドされ、ワイヤ31の張力によって発生するモーメン
トが支持されている。図5(b)に、駆動機構の他の構
成図を示す。図5(b)において、非線形粘弾性部40
は図5(a)と同様であるが、リニア機構部としては、
非線形粘弾性部40の取り付け板である基板部57、ネ
ジ部58及びシャフト部59等により構成したものであ
る。
【0042】2.各種センサ 図6に、張力センサ及び歯根咬合力センサの構成図の一
例を示す。まず、図6(a)に、各ワイヤーに取りつけ
られた張力センサ32の構成図の一例を示す。張力セン
サ32は、ワイヤ31に設けられたもので、張力によっ
て曲げ歪を発生させる金属板61と、その金属板61に
貼られた歪ゲージ62を備えることにより、ワイヤ31
の張力を測定するものである。
【0043】また、図6(b)に、歯にかかる咬合力を
測定する歯根咬合力センサの断面図の一例を示す。歯根
咬合力センサは、例えば、上顎部11又は下顎部12の
歯根位置に適宜設けることができる。このセンサは、小
型の圧力センサ68を使用して、これを顎モデル部10
の上顎部11又は下顎部12の骨にあたる部分66に、
例えば、圧力を検出する部位を上にして固定する。ここ
に硬化すると接着作用のある硬度の低いゴム状材料67
等を充填して、歯のモデル65を、これらセンサ68及
びゴム状材料67に合わせて、上顎部11又は下顎部1
2の骨の部分46の外部に適当な高さに突出するように
加工・接着する。また、歯ぐきと同様の形状をしている
接着作用のないゴム状材料を充填することにより、入れ
歯・差し歯等の挿入及び抜出を可能とすることができ
る。
【0044】このようにして、歯に加わった力は、微小
な変異は粘性に近い挙動をする低硬度のゴム67によっ
て圧力センサ68に伝えられ、圧力として検出すること
ができる。
【0045】つぎに、図7に、顎関節13にかかる力を
測定するための顎関節力センサの構成図を示す。これ
は、図3に示した顎関節の構成図において、軸受136
又は137自体がセンサとなっているものである。
【0046】図7(a)は、作業側軸受136にセンサ
を設けたものである。作業側軸受136では、顎による
Z方向の咬合力と、回転軸の軸方向に拘束された球のY
方向の力を検出する構造となっている。
【0047】Z方向の外力は取付金具74と軸受金具7
0によってはさまれた歪発生板71が外力で曲げられる
ことによって、歪発生板71に貼られた歪ゲージ73が
歪を検出するものである。歪発生板71は中央部を取付
金具74によって支えられ、両端を軸受金具70によっ
て押さえられるので、曲げ歪が発生する。また、Y方向
の外力は、軸受金具70を歪が発生し易い形状にし、歪
ゲージ75を貼ることによって測定する。
【0048】図7(b)は、平衡側軸受137にセンサ
を設けたものである。平衡側では、Z方向のみの測定の
ため、作業側軸受136からY方向の力測定部の構成部
を除いた形状であり、軸受金具76の形状が図示のよう
になっている。Z方向の外力は、歪み発生板77に貼ら
れた歪ゲージ78で測定する。
【0049】3.駆動制御系の構成 図8に、本発明の顎運動ロボットの駆動制御系の構成図
を示す。アクチュエータ回路801−1〜nは、駆動部
50に対応し、顎モデル部10を制御するための各模擬
筋モデル数に対応した所定個数(n個)設けられる。な
お、予備として多めに設けておいても良い。制御部70
の制御用コンピュータ805は、所望のアクチュエータ
回路801−1〜nに対して、インタフェース部804
を介して命令を送信する。各アクチュエータ回路801
−1〜nは、自己の命令の場合、インタフェース回路8
15を介してその命令を受信し、サーボドライバ811
によりサーボモータ812を制御する。エンコーダ81
3は、その各筋モデル又はアクチュエータ等の位置(角
度)等を検出してコード化し、サーボドライバ811に
出力する。サーボドライバ811及びカウンタ814、
インタフェース回路815を介して位置(角度)等の検
出データを制御部70にフィードバックする。制御部7
0では、インタフェース部804を介して制御用コンピ
ュータ805でその検出データを受信する。
【0050】また、各ワイヤーに設けられている張力セ
ンサ802−1〜nの値も、インタフェース部804を
介して制御用コンピュータ805に伝送される。また、
検出部803は、関節力センサ831、歯根咬合力セン
サ832等の各種センサを含み、これらの検出値はイン
タフェース部804を介して制御用コンピュータ805
に伝送される。さらに、操作スイッチ806は、コンピ
ュータプログラムの制御のためのキーボード、マウス等
の他に、手元のスイッチによる操作を行なうための入力
機能等を備えている。操作スイッチ806による操作命
令等もインタフェース部804を介して制御用コンピュ
ータ805に伝送される。
【0051】このような制御系の構成により、制御用コ
ンピュータ805は、各アクチュエータ回路801−1
〜nのサーボドライバ811の出力、張力センサ802
−1〜n、検出部803の出力、及び操作スイッチ80
6の操作出力等の値により、適宜アクチュエータ回路8
01−1〜nのサーボモータ812等を制御する。
【0052】4.顎運動ロボットの制御ソフトウェア つぎに、本発明の顎運動ロボットの制御動作について述
べる。以下の説明において、図1又は図2に示した構成
との関係については、咬筋アクチュエータはワイヤ31
−1、弾性部40−1及び駆動部50−1等に係る構成
に対応し、それぞれの構成が左右一対設けられている。
同様に、側頭筋前部筋束アクチュエータ、側頭筋後部筋
束アクチュエータ及び外側翼突筋アクチュエータは、そ
れぞれ、添え字「−2」、「−3」及「−4」の各ワイ
ヤ31、弾性部40及び駆動部50等に係る構成に対応
し、それぞれの構成が左右一対設けられている。また、
開口筋アクチュエータは、ワイヤ31−5、弾性部40
−5及び駆動部50−5等に係る構成に対応し、ひとつ
設けられている。
【0053】側頭筋前部筋束アクチュエータ及び咬筋ア
クチュエータは、下顎部12を前方外側上方向に張力が
作用するように配置される。一方、開口筋アクチュエー
タは、下顎部12を後方下方向に張力が作用するように
配置される。
【0054】また、図9に、下顎部と各アクチュエータ
に関する動作の説明図を示す。咬筋アクチュエータ95
L,95R及び側頭筋前部筋束アクチュエータ94L,
94R及び側頭筋後部筋束アクチュエータ91L、91
R及び外側翼突筋アクチュエータ92L、92Rは、下
顎部12の所定箇所に対して、左右にそれぞれ一対設け
られる。また、開口筋アクチュエータ96は、下顎部1
2の所定箇所に一個設けられる。側頭筋後部筋束アクチ
ュエータ91L、91Rは、下顎部12を後方上方向に
張力が働くようになっており、一方、外側翼突筋アクチ
ュエータ92L、92Rは、下顎部12の前方内側下方
向に張力が働くようになっている。
【0055】これら各アクチュエータの張力の組合せに
より、下顎部12の左右、上下及び前後運動等が実行さ
れる。また、咬筋アクチュエータ95L,95Rと側頭
筋前部筋束アクチュータ94L,94Rは、下顎部12
を回転中心軸93を中心に上方へ引き上げる方向に張力
が働くようになっており、一方、開口筋アクチュエータ
96は、その反対に下顎部12を下方へ引き下げる方向
に張力が働くようになっている。これらの各アクチュエ
ータの張力の組合せにより、下顎部12は開閉口運動、
前後移動運動、左右への運動等や、これらの組合せ運動
など様々な運動を実現することが出来る。 (1)基本的な顎運動の制御動作 顎運動ロボットの顎部分の運動は、主に、3つの基本運
動を含む。すなわち、1)開閉口運動、2)前後移動運
動、3)左右へのすりつぶし運動から構成される。ま
た、これら3つの基本運動を適宜組み合わせることによ
り、任意の顎運動を行うことができる。以下、図9を参
照して、各基本運動の詳細を述べる。 1)開閉口運動 顎運動ロボットによる開閉口運動は、主に咬筋アクチュ
エータ95L,95Rと開口筋アクチュエータ96との
拮抗駆動により実行される。すなわち、開口時は、咬筋
アクチュエータ95L,95Rを弛緩させ、開口筋アク
チュエータ96を収縮させる。一方、閉口時は、逆に、
咬筋アクチュエータ95L,95Rを収縮させ、開口筋
アクチュエータ96を弛緩させる。ここで、咬筋アクチ
ュエータ95L,95Rと同期・連動して、側頭筋前部
筋束アクチュエータ94L,94Rを収縮・弛緩するこ
ともできる。
【0056】図10に、開閉口運動の基本的なフローチ
ャートを示す。まず、プログラムがスタートされると、
目標開口角を生成する(S001)。次に、この目標開
口角に応じて、咬筋アクチュエータ95L,95R及び
開口筋アクチュエータ96の目標位置を算出する(S0
03)。算出された値に基づいて、咬筋アクチュエータ
95L,95Rの位置制御及び開口筋アクチュエータ9
6の位置制御・力制御を行う(S005、S007)。
この際、咬筋アクチュエータ95L,95Rと連動し
て、側頭筋前部筋束アクチュエータ94L,94Rの目
標算出及び位置制御・力制御を行うこともできる。これ
ら複数のアクチュエータの制御、又は、目標値の算出と
制御とは、同時に実行するようにしても良い。これら制
御を目標位置になるまで繰り返し、目標位置に達したら
(S009)、終了する。 2)前後移動運動 顎運動ロボットによる前後移動運動は、主に、左右の側
頭筋後部筋束アクチュエータ91L,91Rと外側翼突
筋アクチュエータ92L,92Rとの拮抗駆動により実
行される。すなわち、前方向移動時は、側頭筋後部筋束
アクチュエータ91L,91Rを弛緩させ、外側翼突筋
アクチュエータ92L,92Rを収縮させる。一方、後
方向移動時は、逆に、側頭筋後部筋束アクチュエータ9
1L,91Rを収縮させ、外側翼突筋アクチュエータ9
2L,92Rを弛緩させる。図11に、前後移動運動の
基本的なフローチャートを示す。まず、プログラムがス
タートされると、目標前後位置を生成する(S10
1)。次に、この目標前後位置に応じて、側頭筋後部筋
束アクチュエータ及び外側翼突筋アクチュエータの目標
位置を算出する(S103)。算出された値に基づい
て、これらアクチュエータの位置制御を行う(S10
5、S107)。これら複数のアクチュエータの制御又
は、目標値の算出と制御とは、同時に実行するようにし
ても良い。目標位置になるまで動作を繰り返し、目標位
置に達したら(S109)、終了する。 3)左右へのすりつぶし運動 すりつぶし運動は、前後移動運動時の左右のアクチュエ
ータの位相をずらすことにより実行する。すなわち、左
方向へのすりつぶし運動時は、左側の側頭筋後部筋束ア
クチュエータ91Lを収縮させ、左側の外側翼突筋アク
チュエータ92Lを弛緩させると同時に、右側の側頭筋
後部筋束アクチュエータ91Rを弛緩させ、右側の外側
翼突筋アクチュエータ92Rを収縮させることにより行
う。一方、右方向へのすりつぶし運動時は、逆に、右側
の側頭筋後部筋束アクチュエータ91Rを収縮させ、右
側の外側翼突筋アクチュエータ92Rを弛緩させると同
時に、左側の側頭筋後部筋束アクチュエータ91Lを弛
緩させ、左側の外側翼突筋アクチュエータ92Lを収縮
させることにより行う。
【0057】(2)反射運動 咀嚼運動における反射は、開口反射と脱負荷反射とがあ
る。顎運動ロボットにおけるこれらの各反射運動は以下
のようになる。 1)開口反射運動 開口反射とは、例えば、閉口運動中に異常に堅い食物を
噛みしめた場合、閉口運動を中止して開口動作に移行す
る反射運動である。顎運動ロボットでは、咬合力センサ
の出力が、予め設定された閾値を超えた場合、このよう
な開口反射運動を実行する。 2)脱負荷反射運動 脱負荷反射運動とは、例えば、煎餅などを噛むときに、
閉口運動中に食物が突然破砕することにより急激な閉口
運動が生じた場合、閉口運動を中止する反射運動であ
る。また、その後開口動作に移行することもできる。顎
運動ロボットでは、アクチュエータの角速度センサの出
力が、予め設定された閾値を超えた場合、このような脱
負荷反射運動を実行する。
【0058】図12に、反射運動の動作フローチャート
を示す。まず、プログラムがスタートされると、目標開
口角を生成する(S201)。次に、生成された目標開
口角に応じて、咬筋アクチュエータ95L,95R(必
要に応じて、さらに側頭筋前部筋束アクチュエータ94
L,94R)及び開口筋アクチュエータ96の目標位置
を算出する(S205)。この際、顎運動剛性目標値を
設定することもできる。算出された値に基づいて、咬筋
アクチュエータ95L,95R(必要に応じて、さらに
側頭筋前部筋束アクチュエータ94L,94R)の位置
制御及び開口筋アクチュエータ96の位置制御・力制御
を行う(S207、S209)。なお、これらアクチュ
エータの制御、又は、目標値の算出と制御とは、同時に
実行するようにしても良い。
【0059】次に閉口運動中か否かが判断され(S21
1)、該当しないときは、ステップS201に戻る。一
方、閉口運動中である場合、咬合力センサ出力値と、予
め設定された設定値とを比較する(S213)。咬合力
センサ出力値が設定値以上の場合、開口反射運動と判断
される。一方、咬合力センサ出力値が設定値より小さい
場合、さらに、咬筋アクチュエータ速度を他の予め設定
された設定値と比較する(S215)。咬筋アクチュエ
ータ速度が設定値以上であれば、脱負荷反射運動と判断
される。なお、側頭筋前部筋束アクチュエータ速度に基
づいて、又は、両アクチュエータ速度に基づいて、脱負
荷反射運動を判定することも可能である。閉口運動でな
い場合、または反射運動と判断されない場合、目標値に
なるまでステップS201に戻り所定の動作を繰り返す
(S225)。
【0060】ここで、開口反射運動の場合は、まず、目
標開口角が生成される(S217)。次に、生成された
目標開口角に応じて、咬筋アクチュエータ95L,95
R(必要に応じて、さらに側頭筋前部筋束アクチュエー
タ94L,94R)及び開口筋アクチュエータ96の目
標位置を算出する(S219)。算出された値に基づい
て、咬筋アクチュエータ95L,95R(必要に応じ
て、さらに側頭筋前部筋束アクチュエータ94L,94
R)の位置制御及び開口筋アクチュエータ96の制御を
行う(S221、S223)。なお、これら複数のアク
チュエータの制御、又は、目標値の算出と制御とは、同
時に実行するようにしても良い。
【0061】一方、脱負荷反射運動の場合は、全てのア
クチュエータを停止又は弛緩する(S227)。さら
に、その後、前述したように開口運動を実行することも
できる。 (3)非線形アクチュエータを用いた顎剛性の調節 ワイヤにより拮抗駆動される額運動ロボットのアクチュ
エータは、非線形な特性を有する。そこで同じ下額の位
置と姿勢であっても、拮抗するアクチュエータの特性を
変化させることにより、顎の剛性を調節することができ
る。その際には、例えば、開閉口運動におけるステップ
S003、前後運動におけるステップS103、又は反
射運動におけるステップS205又はS219等の目標
位置算出の際に、顎運動剛性目標値を設定することがで
きる。このほかにも適宜の動作フローにおいて設定する
ことができる。
【0062】具体的には、剛性を小さくする場合は、図
4に示したような弾性部40の非線形粘弾性機構を調整
する。図4(a)において、初期状態としてレバー41
の開き角度を大きくすることにより、張力を小さくする
ことができる。一方、剛性を大きくする場合は、レバー
41の開き角度を小さくすることにより、張力を大きく
することができる。これらの調整は、所望のアクチュエ
ータを適宜選択して、その弾性部40、駆動部50等の
設定位置を変更することにより可能である。例えば、下
顎部12を所定方向に張力を加えるひとつ又は複数のア
クチュエータと、この所定方向と反対方向に張力を加え
るひとつ又は複数のアクチュエータとを適宜調整するこ
とにより、所望の剛性に調整することができる。
【0063】5.顎運動ロボットの応用例 (1)顎運動トレーニング 図13に、本発明を顎運動トレーニングに応用するため
の構成図を示す。下顎シャフト301及び上顎シャフト
302は、それぞれ、顎運動ロボット310とトレーニ
ング者311との対応する下顎及び上顎の適宜の箇所に
固定される。固定方法としては、セメント等の歯科治療
的な手段や、顎形状の支持等により、適宜実施しうる。
これら下顎及び上顎シャフト301及び302は、下顎
連結部303及び上顎連結部304により支持されてお
り、下顎連結部303と上顎連結部304は、軸305
の周りを回転可能である。下顎シャフト301は、下顎
連結部303とは回転可能であり、また、フランジ30
6等が設けられることにより横方向の滑動はできないよ
うに構成される。上顎シャフト302は、上顎連結部3
04とは回転可能であり、また、横方向の滑動可能であ
る。このような構造により、下顎シャフト301及び上
顎シャフト302は、平行を保ちながら、これらシャフ
トの両端で左右、上下、前後及び左右の軸回転等につい
て、同様の運動を行うことができる。
【0064】以上のように、このようなインターフェー
ス機構部により、顎運動ロボット310と顎運動トレー
ニング者311とを連結すると、インターフェース機構
部は、顎運動ロボット310の開閉口運動、咀嚼運動等
をそのままトレーニング者311に連動することができ
る。これにより、各筋及び歯根等に無理な力を加えるこ
となく、適当な運動トレーニングを実行することができ
る。また、本発明は、歯科模型形の上顎部や下顎部に適
用することができる。入れ歯、差し歯を適宜挿入及び/
又は抜出可能なように構成することにより、運動特性解
析等に利用することができる。さらに、言語学的にも応
用が可能であり、例えば、発声時の運動動作等について
も、適宜プログラムを実行することにより再現すること
ができる。
【0065】(2)顎運動測定装置 図14に、顎運動測定装置の構成図を示す。検出装置4
02は、3次元的に配置され、ワイヤ401等で顎運動
ロボット又は被測定者の顎の一部に固定される。固定方
法としては、例えば、歯科医療的なセメント、接着剤等
による固定方法を採用することができる。配置関係とし
ては、顎の移動度及び必要な解析度等を考慮して、所定
の角度を持たせるようにすればよい。検出装置402と
しては、例えば、ワイヤー引き出し式エンコーダ等が用
いられ、顎運動によりワイヤーの引き出し及び巻き取り
量を求めることができる。
【0066】また、各々の検出装置402の検出出力
は、必要によりカウンタ403等により集計等の処理が
なされ、演算装置404で顎運動が解析される。必要に
応じて、中央制御装置へ伝送したり、表示装置405に
表示したりする。
【0067】このような顎運動測定装置を被測定者に適
応して運動データを収集し、その運動データに基づいて
顎運動ロボットを動作させることにより、被測定者の運
動解析、治療への応用等が可能となる。なお、このよう
な顎運動測定装置は、顎運動ロボットと組合わせなくと
も、独立に測定装置として機能することもできる。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明においては、顎モデ
ルとアクチュエータとを分離して、筋の両付着点を結ぶ
直線上からアイドルプーリ等を採用して駆動部に導くよ
うにしたため、顎モデルの状態が見やすく、観察、保守
点検、調整作業が容易となる。
【0069】また、顎モデルは、結合部によりアクチュ
エータ及び全体フレームと分離結合可能であるため、顎
モデルの比較実験、観察等のために交換をすることが簡
単となり、また、顎モデルを、小形化及び軽量化するこ
とができる。
【0070】また、アクチュエータを、各筋モデル部に
対して同一構成とすることができ、安価となり、小形
化、軽量化ができる。そして、アクチュエータをフレー
ムにビルディングブロック形式で集中搭載したため、模
擬筋モデル部の配置や個数等の変更が容易である。さら
に、アクチュエータの保守点検、追加削除等が容易とな
る。
【0071】また、アイドルプーリは、顎モデルと一体
の顎モデルフレームに取りつけられているため、顎モデ
ルは調整された一体のものとして扱われるため、交換後
の調整はそれほど要しない。
【0072】さらに、非線形粘弾性部は、アクチュエー
タの直線移動部に受動的に滑動可能な状態で取りつけら
れているため、生体の筋束を適切に模擬することがで
き、安定した動作となり、さらに運動を観察・解析する
場合の障害となることがない。
【0073】本発明における顎運動トレーニング装置
は、ハードウェア構成が小さく、安価で、かつ装着が容
易であり、適切な顎運動トレーニングを実行することが
できる。
【0074】本発明における顎運動測定装置は、ハード
ウェア構成が小さく、安価で、かつ、装着が容易で顎運
動が制限されにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による顎運動ロボットの側面構成図。
【図2】本発明による顎運動ロボットの上面構成図。
【図3】顎関節部13の構成図の一例。
【図4】弾性部40の説明図。
【図5】アクチュエータの機構構成図。
【図6】張力センサ及び歯根咬合力センサの構成図。
【図7】顎関節力センサの構成図。
【図8】本発明の顎運動ロボットの駆動制御系の構成
図。
【図9】下顎部と各アクチュエータに関する動作の説明
図。
【図10】開閉口運動の基本的なフローチャート。
【図11】前後移動運動の基本的なフローチャート。
【図12】反射運動の動作フローチャート。
【図13】本発明を顎運動トレーニングに応用するため
の構成図。
【図14】顎運動測定装置の構成図。
【符号の説明】 10 顎モデル部 20 結合部 30 運動伝達部 40 弾性部 50 駆動部 60 収容部 70 制御部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上顎部、下顎部、顎関節部、及び取付け及
    び取外し可能な支持部を有する顎モデル手段と、 生体の下顎を運動させるための複数の筋束をそれぞれ模
    擬し、前記顎モデル手段の前記下顎部を運動させる筋モ
    デル部と、分離結合部とをそれぞれ有する複数の運動伝
    達手段と、 各々の前記運動伝達手段が前記分離結合部により分離可
    能に取り付けられ、前記筋モデル部を非線形粘弾性特性
    に従いそれぞれ駆動する複数の駆動手段と、 前記顎モデル手段が前記支持部により分離可能に取り付
    けられ、前記駆動手段を収容する収容手段と、 複数の前記駆動手段を制御する制御手段とを備えた顎運
    動装置。
  2. 【請求項2】上顎部、下顎部、及び前記上顎部及び前記
    下顎部の開閉運動と開閉方向に直交する前後及び左右の
    移動運動が可能な顎関節部を含む顎モデル手段と、 一端が前記顎モデル手段の前記上顎部と固定され、他端
    が取り外し可能な固定部を備えた結合手段と、 生体の下顎を駆動する複数の筋束を模擬して、各々の前
    記筋束に対応して前記下顎部の複数の所定位置に設けら
    れた移動端と、各々の前記筋束の伸縮方向の所定位置に
    設けられた固定端とを有し、複数の前記移動端及び前記
    固定端の間を伸縮させることにより前記下顎部を運動さ
    せ、分離結合部を含む複数の運動伝達手段と、 各々の前記運動伝達手段に対して前記分離結合部を介し
    て設けられ、移動長と張力との関係が非線形特性及び/
    又は粘弾性特性を有するように運動を伝達する複数の弾
    性手段と、 各々の前記弾性手段に対して設けられ、前記弾性手段を
    介して前記運動伝達手段を駆動する複数の駆動手段と、 前記結合手段の前記固定部により前記顎モデル手段が固
    定され、複数の前記駆動手段を追加及び/又は削除可能
    に収容する収容手段と、 複数の前記駆動手段に対して命令して、前記上顎部及び
    下顎部の開閉運動、及び前記上顎及び下顎の開閉方向に
    直交する前後及び左右の移動運動を実行させる制御手段
    とを備えた顎運動装置。
  3. 【請求項3】各々の前記運動伝達手段及び前記駆動手段
    は、 左右一対の咬筋、側頭筋、外側翼突筋、及び/又は、ひ
    とつの開口筋をそれぞれ模擬して、咬筋アクチュエー
    タ、側頭筋アクチュエータ、外側翼突筋アクチュエー
    タ、及び/又は、開口筋アクチュエータを構成し、 前記制御手段は、 目標前後位置に応じて、前記咬筋アクチュエータと前記
    開口筋アクチュエータによる弛緩又は収縮動作により実
    行する開閉口運動、側頭筋後部筋束アクチュエータ及び
    外側翼突筋アクチュエータによる弛緩又は収縮動作によ
    り実行する前後移動運動又はすりつぶし運動の内、ひと
    つ又は複数の運動を命令することを特徴とする請求項1
    又は2のいずれかに記載の顎運動装置。
  4. 【請求項4】前記上顎部又は前記下顎部に設けられ咬合
    力を検出する咬合力センサ、及び/又は、前記下顎部が
    回転する角速度を検出する角速度センサをさらに備え、 前記制御手段は、 閉口運動の際に、前記咬合力センサの出力値が所定値を
    超えた場合に開口反射運動を実行する反射運動制御、及
    び/又は、前記角速度センサの出力値が所定値を超えた
    場合に脱負荷反射運動を実行することを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の顎運動装置。
  5. 【請求項5】前記駆動手段に設けられた移動距離を検出
    する移動センサ、前記運動伝達手段に設けられ張力を検
    出する張力センサ、前記上顎部又は前記下顎部に設けら
    れ咬合力を検出する咬合力センサ、及び/又は、前記下
    顎部が回転する角速度を検出する角速度センサ、前記顎
    関節に加わる力を検出する顎関節力センサ、又は、前記
    上顎部又は前記下顎部の歯の位置に加わる力を検出する
    歯根力センサの内、所望のひとつ又は複数の各センサを
    さらに備え、 前記制御手段は、前記所望のひとつ又は複数の各センサ
    の出力に応じて前記駆動手段を制御することを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれかに記載の顎運動装置。
  6. 【請求項6】一端を前記上顎部及び前記下顎部に固定
    し、他端をトレーニング者の上顎及び下顎に固定するこ
    とにより、前記顎モデル手段の運動を前記トレーニング
    者に伝達するインタフェース手段をさらに備えたことを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の顎運動装
    置。
  7. 【請求項7】前記顎モデル手段又は被測定者の顎運動を
    検出するために前記上顎部又は前記下顎部又はこれら近
    傍に検出点が固定され、複数方向に対して前記検出点の
    位置移動量をそれぞれ検出する複数の検出部と、 複数の前記検出部の検出結果を演算して、2次元又は3
    次元的な顎運動及び/又は顎位置を演算する演算部とを
    含む顎運動センサをさらに備えたことを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載の顎運動装置。
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