JPH10226973A - 防錆被覆の低リラクセーションpcストランドとその製造方法 - Google Patents

防錆被覆の低リラクセーションpcストランドとその製造方法

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JPH10226973A
JPH10226973A JP4284497A JP4284497A JPH10226973A JP H10226973 A JPH10226973 A JP H10226973A JP 4284497 A JP4284497 A JP 4284497A JP 4284497 A JP4284497 A JP 4284497A JP H10226973 A JPH10226973 A JP H10226973A
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Kazuyoshi Chigiri
一芳 千桐
Yukihiro Azuma
幸弘 東
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HIEN DENKO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 PCストランドを高温加熱によってリラクセ
−ション値を上げることなく、かつ緩解せずに撚りの安
定性を害することなく、PCストランドの空隙部までを
完全に被覆した、防錆被覆の低リラクセーションPCス
トランドとその製造方法を提供する。 【解決手段】 芯線Aの外周に複数の側線B16を撚り
合わしたPCストランド2の内部空隙部と外周面を、常
温硬化型液状樹脂からなる防錆材をクロスヘッド付き低
粘度押出機などでで被覆して内部防食層E1 を形成した
防錆被覆のPCストランドと、芯線の外周に複数の側線
を撚り合わしたPCストランドの内部空隙部を、常温硬
化型液状樹脂からなる防錆材で被覆して内部防食層E2
を形成し、上記PCストランドの外周面を熱可塑性樹脂
からなる防錆材をクロスヘッド付き押出成形機などで被
覆して外部防食層Gを形成した防錆被覆の低リラクセー
ションPCストランドを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレストレストコンク
リ−ト(以下「PCコンクリ−ト」という)の緊張用に
使用するPC鋼より線(以下「PCストランド」とい
う)であって、直接コンクリ−ト内の埋め込みを行なう
プレテンションボンド法に用いる防錆被覆の低リラクセ
ーションPCストランド及び各種構造体の緊張材として
使用される防錆被覆の低リラクセーションPCストラン
ドとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PCコンクリ−トの緊張材として用いら
れるPCストランドや、各種構造体の緊張材として用い
られるPCストランドは、中心にある芯線の周囲に複数
の側線を撚り合わせた構成になっている。このようなP
Cコンクリ−トに緊張力を掛けるような方式が取られて
きているが、近年防食機能を持つ防錆被覆PCストラン
ドを緊張した後、直接コンクリ−ト内に埋め込むプレテ
ンションボンド法が開発され、その有用性からこの方法
が使用範囲を広げつつある。
【0003】プレテンションボンド法は、予め緊張させ
たPCストランドの周囲にコンクリ−トを打設して養生
させることにより、コンクリ−トにプレストレスを導入
する方法であり、直接コンクリ−トとPCストランドが
接触するため、コンクリ−トの成分や水分等に由来する
PCストランドの腐食進行が、特に問題になる。
【0004】また各種構造体の緊張材として用いられる
PC鋼ストランドも布設場所の環境条件による腐食促進
要因(酸性雨、含塩水霧雨、SOX 、NOX ガス、日
光、摩擦、微生物等)により、緊張状態で腐食が生じる
と急激に破断の起こる危険性もあるため、緊張材として
使用するPCストランドの防食対策は、極めて重要なテ
−マになっている。
【0005】一方、緊張材として用いられるPCストラ
ンドには、高度で信頼性のある物理特性(引張強度、降
伏強度、靭性、低リラクセ−ション値等)の保持が求め
られている。ここでリラクセ−ションとは、応力弛緩の
ことである。このうち防食機能を持たせた防錆被覆のP
Cストランドからなる緊張材については、リラクセ−シ
ョン値のレベルが、防錆被覆をしていない裸PCストラ
ンドよりも大きくなる傾向を持つことが、最近クロ−ズ
アップされ、その改善が必要になっている。
【0006】PCストランド緊張材の防食機構は、特開
平8−302904号公報記載の代表例の如く、PCス
トランドの表面に「エポキシ樹脂被膜、ポリエチレン被
膜、又はこれ等の組合せによる」被膜の被覆層を形成す
ることによって賦与されているか、これを若干モディフ
ァイした方式で実用化されている。また被膜の被覆加工
工程では、加熱処理によるPCストランドの附随的な加
熱昇温が、リラクセ−ション値を大きくする一因になっ
ている。即ちPCストランド表面に、エポキシ樹脂やポ
リエチレン樹脂の被覆層を形成する時の温度は、200
〜300℃にも達し、この温度まで昇温させないと、防
食特性の優れた防錆被覆PCストランドは製造出来ない
からである。
【0007】PCストランドは、中心の芯線と周囲の側
線との間に空隙部が存在する。この空隙部を完全に被覆
しないと、腐食性成分を含んだ水分やガスが浸入して、
PCストランドを腐食させることが、問題となってい
た。この点、特開平5−200825号公報や特開平8
−226191号公報等には、このような問題を解決す
るために、PCストランドの芯線や各側線間を、互いに
離れた状態に撚りを一旦解して拡げた状態(緩解)に
し、高温に保ったPCストランドに、エポキシ樹脂やポ
リエチレン樹脂を200〜350℃に加熱して粉末塗装
を行い、空隙部を埋めるという技術を開示している。但
しこの種の技術の基本特許は、昭和56年5月7日に公
開された、オ−ストラリア公開公報AU−AI−63,
876/80であり、緩解することによつて撚り戻しに
よる歪み(残留応力)を発生させることが欠点となつて
いた。
【0008】また本発明の出願人は、先に特開平7−9
0786号公報でPCストランドを緩解させずに、ポリ
エチレン樹脂等の防錆材を押出成形被覆法で、空隙部ま
で完全に充填する方法を開示した。これは、ポリエチレ
ン樹脂等の溶融物の樹脂圧力を、100Kgf/cm2
以上の高圧状態に保てるクロスヘッド成形ダイスを使用
し、しかもPCストランドを予め加熱して200℃程度
の高温に保つことによって、なし得たものであった。従
って、リラクセ−ションの面では、さらに改良を必要と
したものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、本
発明は、PCストランドを高温加熱によってリラクセ−
ション値を上げることなく、かつ緩解せずに撚りの安定
性を害することなく、PCストランドの空隙部までを完
全に被覆した、防錆被覆の低リラクセーションPCスト
ランドとその製造方法の提供を目的としてなされるもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決するために、本発明は芯線の外周に複数の側線を撚
り合わしたPCストランドの内部空隙部と外周面を、常
温硬化型液状樹脂からなる防錆材で被覆して内部防食層
を形成した防錆被覆のPCストランドと、芯線の外周に
複数の側線を撚り合わしたPCストランドの内部空隙部
を、常温硬化型液状樹脂からなる防錆材で被覆して内部
防食層を形成し、上記PCストランドの外周面を熱可塑
性樹脂からなる防錆材を被覆して外部防食層を形成した
防錆被覆の低リラクセーションPCストランドを構成し
たものである。
【0011】また、芯線の外周に複数の側線を撚り合わ
したPCストランドを予熱工程なしで、室温下で常温硬
化型液状樹脂からなる防錆材をクロスヘッド付き低粘度
押出機で被覆して内部防食層を形成する工程と、必要に
応じて該内部防食層の表面に熱可塑性樹脂からなる防錆
材をクロスヘッド付き押出成形機で被覆して外部防食層
を形成する工程からなる、防錆被覆の低リラクセーショ
ンPCストランドの製造方法を構成したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づいて、さらに詳しく説明するが、本発明は勿論これ等
の実施例に限定されるものではない。図1は、本発明の
製造方法の一実施例を示す略示側面図である。また図2
は、PCストランドを説明するための断面図である。
【0013】先ず繰り出し装置1から、PCストランド
2が連続して繰り出しできるようにする。PCストラン
ド2は、単素線である芯線Aの外周に6本の複数からな
る単素線である側線B1 …B6 を撚り合わせた構成にな
っている。従って芯線A周りの側線B1 …B6 との間に
は、完全な被覆を必要とする内部空隙部C1 …C6 が存
在する。しかし、側線B1 …B6 よりも芯線Aは、少な
くとも0.03〜0.08mm程度大きい直径のものを
使用しているので、各側線B1 …B6 間には僅かな外周
面の隙間部D1 …D6 が生じている。そのため本発明の
方法は、PCストランド2を緩解することなく、この隙
間部D1 …D6 を通して内部空隙部C1…C6 を充填
し、両隙間C1 …C6 とD1 …D6 を完全に防錆材で被
覆させるものである。なおPCストランド2は、上述の
7本撚りの他、3本撚り又は19本撚り等の多重撚りの
ものも使用できる。
【0014】しかしながら、内部空隙部C1 …C6 に至
る隙間部D1 …D6 はかなり狭いので、粘度の高い防錆
材では、到底この部分を通過して内部の空隙部C1 …C
6 を埋めることは困難である。そのため従来は、セット
されているPCストランド2を、一旦わざわざ撚りを解
してから粘度の高い防錆材を充填したり、或いはPCス
トランド2の材料温度を高温に維持して、溶融流動する
防錆材の粘度を低くしたり、更に高圧力を掛けて、隙間
部D1 …D6 を通過させるようにしてきたため、撚りの
安定性は乱れ、何れにしてもリラクセ−ション値の上が
ることが最大の欠点となっていた。
【0015】これに対して本発明で使用する防錆材は、
常温硬化型の液状樹脂なので、溶融押出しの熱可塑性樹
脂からなる防錆材に比べて、粘度がはるかに低いため、
撚りを緩解したりPCストランドを高温に保たずとも、
内部空隙部C1 …C6 へ完全に充填することができる。
【0016】本発明の常温硬化型液状樹脂としては、次
のような三種に分類される、アクリル系等からなる二液
性樹脂を使用することが好ましい。 (1)反応型アクリル系接着剤に分類される第二世代ア
クリル接着剤(SGA)、変性アクリル系接着剤、ハニ
ム−ン接着剤と呼ばれる接着剤のうち、無溶剤タイプで
アクリル系常温硬化型液状の接着剤に属するものが使用
できる。例えばアクリレ−トモノマ−とメタアクリレ−
トモノマ−と各種エラストマ−を主成分とし、硬化剤
(有機過酸化物)と硬化促進剤(還元剤)とによって、
レドックス重合反応型の硬化現象を示すものが使用でき
る。 (2)常温硬化型無溶剤アクリル系反応性液状組成物
で、通常アクリルシラップと呼ばれる反応性液状材料も
使用できる。例えばアクリレ−ト系モノマ−とアクリレ
−ト系オリゴマ−とアクリレ−ト系ポリマ−等を主成分
とし、硬化剤(有機過酸化物)と硬化促進剤(還元剤)
とによってレドックス重合反応型の硬化現象を示すもの
も使用できる。 (3)常温硬化型無溶剤アクリル系反応性液状組成物
で、アクリレ−ト系モノマ−を主成分とし、硬化剤(有
機過酸化物)と硬化促進剤(還元剤)によってレドック
ス重合反応型の硬化現象を示すものも使用できる。
【0017】これ等の組成物には、必要に応じて熱可塑
性樹脂粉末、熱硬化性樹脂粉末、無機質材粉末や屑材等
の粉粒体を混合し、被覆時の流動粘度の調整や、接着性
の向上や、止水性の向上や、熱安定性の向上等をはかる
こともできる。そして、主成分と硬化剤、硬化促進剤を
均一に混合し、加圧状態で押出して被覆する。
【0018】繰り出し装置1に載架されたPCストラン
ド2は、二液混合型のクロスヘッド付き低粘度押出機
3,4に通され防錆材で被覆される。本発明の場合、図
1の如く、繰り出し装置1の次には、予熱工程が設けら
れていない。これは、本発明の方法によると、リラクセ
−ション値を上げてしまう予熱工程を設けなくても、内
部空隙部まで完全に被覆しうるからである。次の3は、
空気加圧式二液混合型のクロスヘッド付き低粘度押出機
であり、4はポンプ加圧式二液混合型のクロスヘッド付
き低粘度押出機である。
【0019】空気加圧式二液混合型のクロスヘッド付き
低粘度押出機3は、圧力が1Kgf/cm2 以下で、5
00〜1000cpsの超低粘度の樹脂用に使用され
る。また、二液混合型のクロスヘッド付き低粘度押出機
4は、圧力が1〜10Kgf/cm2 で、3000〜5
000cpsの低粘度の樹脂用に使用される。本実施例
の場合は共に二液混合型になっており、両液はエア−圧
またはポンプによって、夫々一定量吐出されて混合され
る。また両低粘度押出機3,4は、先端にクロスヘッド
・ダイを付けており、PCストランド2を通し断面が花
びら状のダイスによって、余分に塗布した液はしごき取
るようにしている。
【0020】図3(イ)は、本発明の常温硬化型液状樹
脂からなる防錆材で被覆して内部防食層を形成し、その
外周面に熱可塑性樹脂からなる防錆材で被覆して外部防
食層を形成した防錆被覆のPCストランドの実施例を示
す断面図である。また図3(ロ)は、内部防食層を二層
構造に形成し、その外周面に熱可塑性樹脂からなる防錆
材で被覆して外部防食層を形成した防錆被覆のPCスト
ランドの実施例を示す断面図である。さらに図3(ハ)
は、内部防食層と外部防食層の中間に吸水ポリマ−の粉
体を介在さした実施例を示す断面図である。
【0021】二液をアプリケ−タ−で混合し、クロスヘ
ッド付き低粘度押出機3に通したが、これは超低粘度の
二液性常温硬化型液状樹脂の防錆材用であり、図3
(イ)の如く、E1 の内部防食層を形成させる。また図
3(ロ)の如く、内部防食層を二層にする場合は、次の
低粘度の二液性常温硬化型液状樹脂の防錆材用のクロス
ヘッド付き低粘度押出機4を使用して、内部防食層E1
の表面に内部防食層E2 を形成させる。特に4は加圧状
態にして液を吐出させるので、何れの場合も液はPCス
トランドの内部空隙部C1 …C6 にまで十分に浸透し
て、完全な被覆を行なうことができる。この常温硬化型
液状樹脂からなる防錆材で被覆したものは、そのままで
或いはその表面に各種の被覆をして製品化することがで
き、これが本発明の請求項1であり、この単独に就いて
は特に図示してはいない。この内部防食層E1 とE
2 を、室温下で常温硬化型液状樹脂からなる防錆材を使
用して、クロスヘッド付き低粘度押出機で被覆する工程
が、本発明の内部防食層を形成する工程である。
【0022】常温硬化型液状樹脂からなる防錆材で被覆
した内部防食層E1 またはE1 とE2 を形成した防錆被
覆のPCストランド5は、必要に応じて次の吸水ポリマ
−粉体の塗布装置6にて、図3(ハ)の如く、内部防食
層E1 またはE2 の表面に、吸水ポリマ−粉体Fがまぶ
される。吸水ポリマ−粉体Fとしては、澱粉系、セルロ
−ズ系、合成ポリマ−等が使用できる。これは、アクリ
ル系等の常温硬化型液状樹脂の硬化反応時に生成する若
干の揮発物を吸収させると同時に、防水層を形成させる
役割りをも持っている。
【0023】次に本発明の方法は、必要に応じて内部防
食層E1 またはE2 の表面に、熱可塑性樹脂からなる防
錆材をクロスヘッド付き押出成形機7で被覆して、図3
(イ)、図3(ロ)、図3(ハ)の外部防食層Gを形成
する工程へと入る。本実施例の方法の場合は、押出成形
機7にて熱可塑性樹脂からなる防錆材を約200℃で溶
融させ押し出される。そのため、内部防食層E1 または
2 と外部防食層Gとは、緊密に一体化された二層構造
が形成される。
【0024】この工程の次には、冷却装置9がある。先
の外部防食層Gを形成する熱可塑性樹脂は、約200℃
と高温ではあるが、直接は内部防食層E1 またはE2
表面であり、しかも冷却装置9に入るまでの時間は、3
秒以下で直ちに冷却される。そのためPCストランド表
面は、100℃以上に達することがないので、リラクセ
−ションレベルを増大させないことが実証されている。
【0025】冷却装置9の後には、本実施例の場合はコ
ロナ放電加工機10を通している。これは、外部防食層
Gの表面を親水化し、また適度に荒らすことによってコ
ンクリ−トとの接着性を向上させ、さらに外部防食層G
の表面に特殊機能を賦与させるための各種コ−ティング
層(エポキシ系、弗素系、ウレタン系、アクリル系等の
硬化型重防食層)が接着しやすくするためである。コロ
ナ放電加工機10を出て引取装置11で引き取られた本
発明の防錆被覆のPCストランド12は、巻取装置13
に巻き取られる。
【0026】次に本発明の方法による防錆被覆のPCス
トランドと、従来法で製造したものとの対比試験結果を
示す。試料は、SWPRB7本撚り12.7mmのブル
−イング加熱処理されたPCストランド素材を用いて実
施した。第二世代アクリル系接着剤(AGA)に属する
常温硬化型二液性アクリル系接着剤“ハ−ドロックG−
55”〔電気化学(株)製、粘度3000cps/25
℃〕を二液混合のアプリケ−タ−で均等に混合しなが
ら、クロスヘッド付き低粘度押出機からなるコ−ティン
グ装置〔(株)笠松化工研究所製〕によって、PCスト
ランドは材料温度15℃の低温で被覆コ−トして、内部
防食層を形成した。これは試験に供した試料であって、
勿論最初にこれ以下の超低粘度樹脂での被覆は種々テス
トを繰り返えして実証済みである。
【0027】この内部防食層で外周面まで完全に被覆さ
れたPCストランドを、次に約200℃に溶融されたポ
リエチレン樹脂からなる熱可塑性樹脂を、押出成形機に
より外部防食層Gを形成させた。この時のポリエチレン
樹脂からなる外部防食層Gの厚みは約300ミクロンで
あった。
【0028】一方、比較品である従来法による防食被覆
のPCストランドは、次のようにして製造した。PCス
トランドを、線材温度が200℃になるよう予熱した
後、約200℃に溶融したポリエチレン樹脂を、押出成
形機のクロスヘッドと加圧補助ヘッドを用いて加圧被覆
し、防食層を形成さした。この時のポリエチレン樹脂か
らなる防食層の厚みは、約300ミクロンであった。
【0029】これ等の両試料を使用し、防錆テストは次
のようにして行なった。試験片は、図4の如き試験片I
と、図5の如き試験片IIの二種類にした。試験片I
は、200mm長の試料の両端を、図4の如くカッタ−
で切断したままの試料である。試験片IIの方は、図5
の如く両端の切断面を合成樹脂CR1 ,CR2 で密封
し、中央部に幅3mm、長さ50mmの被覆層切断の窓
Hを設けたものである。試験は、塩水に2000時間浸
漬した後、防食被覆をはぎ取り、側線を解いて各単素線
を一本づつにし、流水に放置後2時間以内に肉眼で錆の
発生状況を観察した。
【0030】一方リラクセ−ション試験は、次のように
して行った。初荷重を降伏点荷重の80%とし、載荷時
間を1分間、保持時間を10時間、温度20℃で測定し
た。両試験結果は、表1の通りであった。
【0031】
【表1】
【0032】防錆テストの結果は、共に良好であった。
しかしリラクセ−ション値は、比較品の場合の場合、
3.6%と高く問題であった。これに対し本発明品は、
リラクセ−ション値が、0.6%と著しく改善され、本
発明の方法が有効であることが実証された。
【0033】
【発明の効果】本発明の防食被覆のPCストランドは、
予熱工程をなしにし、加工中PCストランドに高温加熱
条件下に、直接に接触しないように100℃以下に保よ
う低温加工に徹したので、従来予熱工程で250℃〜3
00℃で加熱していたために、問題となっていた応力弛
緩のリラクセ−ション値を上昇させなくなり、この不可
能とされていた欠点を見事に抑制させることが出来た。
【0034】また本発明の防錆被覆のPCストランド
は、加工中セットされた撚りを解くという緩解工程がな
いので、従来品のような撚りの安定性を乱す恐れが全く
なくなった。
【0035】さらに本発明の防錆被覆のPCストランド
は、防錆効果を下げる原因となる未充填となりやすい内
部空隙部を被覆する内部防食層は、常温硬化型の粘度の
低い液状樹脂を使用したので、内部空隙部を完全に被覆
し、PCストランド表面を漏れなく防錆被覆することが
出来た。
【0036】そして本発明の製造方法は、従来の防錆被
覆加工ラインに、常温硬化型液状樹脂用のクロスヘッド
付き低粘度押出機を付加して組み合わせるだけで、始め
て従来にない低リラクセ−ションの防錆被覆のPCスト
ランドを製造することを可能にしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防錆被覆のPCストランド製造方
法の一実施例を示す略示断面図である。
【図2】PCストランドを説明するための断面図であ
る。
【図3】本発明に係る各種防錆被覆のPCストランドの
断面図で、3(イ)は内部防食層の外周面に外部防食層
を形成さした一実施例を示す断面図、3(ロ)は内部防
食層を二重にして外周面に外部防食層を形成さした別の
実施例を示す断面図、3(ハ)は内部防食層と外部防食
層の間に吸水ポリマ−の粉体を介在さしたまた別の実施
例を示す断面図である。
【図4】本発明の防錆テストに供された試験片Iの側面
図である。
【図5】本発明の防錆テストに供された試験片IIの側
面図である。
【符号の説明】
1 繰り出し装置 2 PCストランド 3 クロスヘッド付き超低粘度用押出機 4 クロスヘッド付き低粘度用押出機 5 内部防食層被覆の防錆被覆のPCストランド 6 吸水ポリマ−粉体の塗布装置 7 押出成形機のクロスヘッド 9 冷却水槽 10 コロナ放電加工機 11 引取装置 12 本発明の防錆被覆のPCストランド 13 巻取装置 A PCストランドの芯線 B1 PCストランドの側線 B6 PCストランドの側線 C1 PCストランドの内部空隙部 C6 PCストランドの内部空隙部 D1 PCストランドの隙間部 D6 PCストランドの隙間部 E1 内部防食層 E2 内部防食層 F 吸水ポリマ−粉体 G 外部防食層 H 試験片の切断窓 CR1 試験片両端の密封 CR2 試験片両端の密封 I 防錆テスト用試験片 II 防錆テスト用試験片

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯線の外周に複数の側線を撚り合わした
    PCストランドの内部空隙部と外周面を、常温硬化型液
    状樹脂からなる防錆材で被覆して内部防食層を形成した
    ことを特徴とする防錆被覆の低リラクセーションPCス
    トランド。
  2. 【請求項2】 芯線の外周に複数の側線を撚り合わした
    PCストランドの内部空隙を、常温硬化型液状樹脂から
    なる防錆材で被覆して内部防食層を形成し、上記PCス
    トランドの外周面を熱可塑性樹脂からなる防錆材で被覆
    して外部防食層を形成してなることを特徴とする防錆被
    覆の低リラクセーションPCストランド。
  3. 【請求項3】 常温硬化型液状樹脂が、アクリル系等か
    らなる二液性樹脂からなることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の防錆被覆の低リラクセーションPCストラ
    ンド。
  4. 【請求項4】 芯線の外周に複数の側線を撚り合わした
    PCストランドを予熱工程なしで、室温下で常温硬化型
    液状樹脂からなる防錆材をクロスヘッド付き低粘度押出
    機で被覆して内部防食層を形成する工程と、必要に応じ
    て該内部防食層の表面に熱可塑性樹脂からなる防錆材を
    クロスヘッド付き押出成形機で被覆して外部防食層を形
    成する工程とからなることを特徴とする防錆被覆の低リ
    ラクセーションPCストランドの製造方法。
  5. 【請求項5】 内部防食層を形成する工程の低粘度押出
    機が、二液混合型で低粘度樹脂用の空気加圧式と高粘度
    樹脂用のポンプ加圧式との二台からなることを特徴とす
    る請求項4記載の防錆被覆の低リラクセーションPCス
    トランドの製造方法。
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