JPH10219531A - シルクウール調複合混繊糸 - Google Patents

シルクウール調複合混繊糸

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JPH10219531A
JPH10219531A JP2237497A JP2237497A JPH10219531A JP H10219531 A JPH10219531 A JP H10219531A JP 2237497 A JP2237497 A JP 2237497A JP 2237497 A JP2237497 A JP 2237497A JP H10219531 A JPH10219531 A JP H10219531A
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wool
silk
feeling
irregular
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Masayuki Fujiwara
正幸 藤原
Masaki Nishimura
雅樹 西村
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製編織して得られる布帛に,シルク様の毛羽
感のあるソフトな風合,嵩高性,ドライ感,ウール様の
軽量感,さらには膨らみがあって,芯のない優れた弾力
性を付与することができるシルクウール調複合混繊糸を
提供する。 【解決手段】 熱収縮性の異なる2本以上のポリエステ
ルマルチフィラメント糸が交絡した複合混繊糸であり,
混繊糸を構成する高収縮性糸条Aは捲縮を有している。
また,低収縮性糸条Bは熱伸長性で,単フィラメントの
表面に凹凸形状もしくは微細孔が存在し,かつ,間歇的
に捲縮を有する異形断面繊維であって,単フィラメント
の一部又は全部が単位長さ当たりの長さや並びが不揃い
の不整フィラメントとなっており,不整フィラメントに
よる毛羽指数が70〜 250である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,軽量感に富み,膨
らみがあって,弾力性や反発等に優れ,かつ表面に毛羽
感とドライ感を有するシルクウール調風合の布帛となる
シルクウール調複合混繊糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィラメント糸による布帛
の着心地や外観を改善するために数多くの差別化素材が
開発され,紹介されている。しかし,これらの素材は,
シルクと比較して毛羽感のあるソフトな風合,軽量感,
嵩高性に欠けると共にドライ感に欠け,強いぬめり感を
有しており,また,ウールと比較して,軽量感,弾力
性,ソフトな毛羽感に欠けるものである。
【0003】これらの欠点を解消するために,例えば,
特開昭62-45717号公報, 特開平4−65506 号公報や特開
平4-91213号公報には,断面をシャープにした異形断面
糸が提案されている。これらの糸条を用いて布帛にした
場合,単糸断面のエッジ部がシャープなため,従来には
見られないドライ感を付与することはできるが,これら
の布帛はドライ感があまりにも強調されすぎてペーパー
ライクな風合となり,ソフト感に欠けたものであった。
【0004】また,ウールのもつぬめり感を表現する手
段として,触れば動くことのできる毛羽,いわゆる自由
度の高い毛羽を形成するために糸長差を有するポリエス
テルフィラメント糸が開発され,また,ウールの膨らみ
を表現する手段として,捲縮糸の膨らみを利用する方法
が開発されてきた。
【0005】しかし,これらの方法で得られる布帛は,
依然としてポリエステルフィラメント糸特有の硬さを有
し,膨らみが不十分,軽量感が少ない,弾力性に欠け
る,ソフトな毛羽感かない等,改善されるべき多くの欠
点を有しており,満足のいく布帛は得られていないのが
現状である。
【0006】一方,糸条の膨らみを表現する方法とし
て,例えば,特公平4-18051号公報,特公平3-42334号
公報,特開平2−293410号公報等では,低収縮性糸条と
して加熱すると伸長する性質を有するフィラメントを用
い,このフイラメントと高収縮性糸条とを複合した異収
縮混繊糸が提案されている。
【0007】これらの異収縮混繊糸からの布帛は,例え
ば,低収縮性糸条として熱収縮性のフィラメントを用い
た異収縮混繊糸による膨らみに比べるとソフトな膨らみ
が得られ,また,伸長し,突出したフィラメントで形成
されるループにより適度なぬめり感が付与される等,一
定の効果は得られるものの,依然としてウールのもつ優
れた膨らみ,芯のない弾力性(芯がなく,軽い力で弾力
を感じられること),反発性,軽量感が得られず,ま
た,ウールのもつ自然な斑感の表現もできないため,ポ
リエステルフィラメント布帛と評される領域からは抜け
出せないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記の問題
を解決し,製編織して得られる布帛に,シルク様の毛羽
感のあるソフトな風合,軽量感,嵩高性,ドライ感,さ
らにはウール様の軽量感,膨らみがあって,芯のない優
れた弾力性及びソフトな毛羽感を付与できるシルクウー
ル調複合混繊糸を提供することを技術的な課題とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果,本発明に到達し
た。すなわち,本発明は,熱収縮性の異なる2本以上の
ポリエステルマルチフィラメント糸が交絡した複合混繊
糸であって,混繊糸を構成する少なくとも1本の高収縮
性糸条Aは捲縮を有し,他の少なくとも1本の低収縮性
糸条Bは熱伸長性で,単フィラメントの表面に凹凸形状
もしくは微細孔が存在し,かつ,間歇的に捲縮を有する
異形断面繊維であって,単フィラメントの一部又は全部
が単位長さ当たりの長さや並びが不揃いの不整フィラメ
ントとなっており,前記不整フィラメントによる毛羽指
数が70〜 250であることを特徴とするシルクウール調複
合混繊糸を要旨とするものである。なお,毛羽指数は,
毛羽測定機Fーインデックス(敷島紡績社製)を用い,
ゲージを0.3mm に設定して測定し,得られる糸長1m当
たりの毛羽数である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下,本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明の複合混繊糸は,熱収縮性の異なる
2本以上のポリエステルマルチフィラメント糸が交絡し
て形成されているが,少なくとも1本の高収縮性糸条A
(以下,糸条Aという。)は捲縮を有していることが必
要である。
【0012】すなわち,糸条Aとともに複合混繊糸を構
成する低収縮性糸条B(以下,糸条Bという。)は熱伸
長性を有しているので,染色,仕上げ工程で受熱する
と,糸条Bが伸長し,複合混繊糸の外層を形成する。こ
のときに糸条Aは内層を形成するが,重要な点は,この
内層部が集束し,図4に示すような2層中央管状構造を
形成させないことである。このような構造が形成される
と,布帛に糸長差によるぬめり感や膨らみ感を与えるこ
とはできるが,ドレープ性が増し,重み感が出て,ウー
ル特有の軽量感,芯のない弾力性を付与することができ
ない。
【0013】本発明では,糸条Aが捲縮を有しているた
め,複合混繊糸が染色仕上げ工程で受熱すると糸条Bが
伸長し,複合混繊糸の外層を形成するとともに,糸条A
は顕在クリンプに加えて潜在クリンプを顕在化させ,集
束することなく膨らんで図2で示すような内層非集束無
隙間2層構造を形成するため,膨らみが極めて大きくな
り,軽量感が得られるとともに,芯を構成する内層が集
束していないため,芯のない弾カ性,すなわち,軽い力
で弾力を感じる布帛とすることができる。
【0014】このような特性を得るためには,糸条Aの
捲縮は堅牢性のよい,強固なものが好ましく,例えばJ
IS−L−1090にいう伸縮伸長率(湿熱処理)で55
%以上,捲縮弾性率で80%以上の捲縮が好ましい。この
ような捲縮としては,例えば,ザイドバイサイド型コン
ジユゲートヤーンを熱処理して得られる捲縮や,仮撚
法,押込法等の機械的操作で得られる捲縮がある。伸縮
伸長率が55%末満,伸縮弾性率が80%未満の捲縮では,
十分な内層非集束無隙間2層構造を形成することができ
ず,軽量感,膨らみ,反発性や芯のない弾力性は得られ
ない。また,糸条Aは,染色や仕上げ工程等で受熟して
も集束させないために熱収縮率が5%未満,特にl〜4
%のものが好ましい。
【0015】次に,糸条Aとともに複合混繊糸を構成す
る糸条Bは,熱処理後に捲縮により膨らんだ糸条Aを布
帛表面で被覆するように外層を形成するため,熱収縮率
が0%未満であり,熱処理後の糸長が処理前に比べて長
くなる熱伸長性であることが必要である。
【0016】本発明でいう熱収縮率は,通常熱水処埋
(処理温度約 100℃)での収縮率を意味するが,熱水中
では自発伸長性を示さなくても,染色仕上げ加工等の後
工程で受ける熱処理により熱伸長性を示す糸条であれ
ば,糸条Bとして採用することができる。糸条Bは,い
ずれの処理温度においても,熱収縮率が0%未満である
ことが必要であり,特に−5%以下が好ましい。
【0017】また,本発明の特徴は,糸条Bを構成する
単フィラメントの一部又は全部が単位長さ当たりの長さ
や並びが不揃いの不整フィラメントとなっていることで
ある。すなわち,図3で示すように,少なくとも一部の
単フィラメントには長手方向に捲縮が斑状に発現し,さ
らに,曲がり,ねじれ,単フィラメント間で錯綜交絡し
ている部分としていない部分が存在している。このた
め,複合混繊糸はアーチ状ループによって毛羽指数が70
〜 250の値を有し,製編織して得られる布帛の風合はき
わめてソフトな手触り感とぬくもり感を有するものとな
る。さらに,不整フィラメントの存在により,複合混繊
糸の外観は自然な形態斑を呈する。
【0018】また,糸条Bを構成する単フィラメント
は,表面に微細な凹凸形状もしくはマイクロクレータ状
の微細孔を有している。本発明でいう凹凸形状もしくは
マイクロクレータ状の微細孔とは,単なる異形断面糸
(三角断面,六角断面等)の断面形状をいうものではな
く, 単フィラメントの径に比較して微小なものをいう。
なお,上記した単フィラメントの表面形状は,複合混繊
糸の段階で存在してもよいが, 製編織した後,布帛の状
態で形成してもよい。
【0019】複合混繊糸の表面に位置する糸条Bを構成
する単フィラメントが上記の表面形状を呈するので,こ
の混繊糸で構成された布帛では,摩擦に対して突起部が
独立の動きをするので,毛羽を有しているような風合と
なり,また,凹凸の効果によってドライ感を有するよう
になる。
【0020】図1は,糸条Aと糸条Bで構成された本発
明の複合混繊糸の一実施態様を示す模式図であり,イの
部分が不整フィラメントによるアーチ状やループ状の毛
羽である。本発明において,目的とするシルクウール調
の風合を得るためには,毛羽指数は70以上が必要である
が,250を超えると製編織時の稼働効率が低くなり,ま
た,着用中に切れ毛羽ができて製品の品位が低下するの
で好ましくない。
【0021】本発明の複合混繊糸は,糸条Bの不整フイ
ラメントの存在で毛羽様外親と自然な形態斑を有するも
のとなるが,捲縮が強いとウールの持つ適度なぬめり感
が表現し難いので,糸条Bに部分的な捲縮を付与する場
合には,熱的操作により,弱い捲縮と不整フィラメント
を同時に形成させる方法を採用するのが好ましい。
【0022】すなわち,不整フィラメントと間歇的な捲
縮を有する糸条Bは,緩和されるべき歪を内在した高配
向未延伸糸を高度の弛緩率で熱処理するか,あるいは通
常の高配向未延伸糸を一旦低温,低倍率で延伸した後,
高温,高速下で高弛緩率で不均一に熱処理することによ
り得ることができる。
【0023】本発明の複合混繊糸は,糸条Aと糸条Bと
が混繊絡合して形成されており,その混繊絡合の形態
は,糸条全体が軽く絡合しているもの,あるいは間歇的
に絡合しているもののいずれでもよいが,本発明の特徴
を効果的に表現するためには,準備工程や製編織工程で
支障を生じない範囲で集束性の低いものが好ましい。
【0024】本発明において,糸条Aと糸条Bを構成す
るポリエステルとしては,ポリエチレンテレフタレート
(PET)に代表されるホモポリエステルや第3成分を
含む共重合ポリエステルが好適に用いられる。
【0025】次に,本発明のシルクウール調複合混繊糸
の製法例を図面を用いて説明する。
【0026】図8は,本発明のシルクウール調複合混繊
糸の一製法例を示す概略工程図である。図8において,
相対粘度の異なるPETをサイドバイザイド型に複合紡
糸して得られたポリエステル高配向未延伸糸1は,スプ
ール2から引き出され,ガイド3を通り,フィードロー
ラ4,デリべリローラ6の間でヒータ5により熱延伸が
施され,強固な捲縮を有する糸条Aとなる。この熱延伸
条件は,伸縮伸長率が55%以上,伸縮弾性率が80%以上
となるように,温度や延伸倍率を適宜選定しなければな
らない。
【0027】一方,弛緩熱処理を施せば熱伸長性を示す
ように, 常法の紡糸工程で結晶化度が好ましくは5%以
上になるように紡糸時の速度,温度,冷却固化点を調整
して得られた,図7で示すような真直で整列した形態の
単フィラメントで構成されたポリエステル高配向未延伸
糸11はスプール12から引き出され,ガイド13を通り,フ
ィードローラ14とデリベリローラ16の間でヒータ15によ
り弛緩熱処理が施される。その際,供給糸は,紡糸時に
受けた歪みを緩和しようとして単フィラメント相互が不
規則に収縮するため,図3で示すように間歇的な捲縮を
有し,長さや並びが不揃いの不整フィラメントを形成し
た熱伸長性の糸条Bとなる。
【0028】デリべリローラを出た糸条Aと糸条Bは,
空気交絡器7により混繊交絡されて本発明のシルクウー
ル調複合混繊糸となり,捲取装置8によりパッケージ9
に捲き取られる。
【0029】次に,図9は,本発明のシルクウール調複
合混繊糸の他の製法例を示す概略工程図である。図9に
おいて,ポリエステル高配向未延伸糸21は,スプール22
から引き出され,カイド23を通り,フィードローラ24,
テリベリローラ27間でヒータ25と仮撚施撚体26により仮
撚が施され,強固な捲縮を有した糸条Aとなる。
【0030】一方,ポリエステル高配向未延伸糸31は,
スプール32から引き出され,ガイド33を通り,第1フィ
ードローラ34と第2フィードローラ36との間で冷延伸あ
るいはヒータ35を用いて熱延伸が施され,糸条に延伸歪
が与えられる。次いで,第2フィードローラ36とデリベ
リローラ38間のヒータ37により,高度の弛緩率下で高速
度の不均一な収縮熱処理が施され,前記歪を緩和するよ
うにフィラメント相互を不規則に収縮させ,糸長差や間
歇的な捲縮を有する不整フィラメントを形成した熱伸長
性の糸条Bとなる。
【0031】デリべリローラを出た糸条Aと糸条Bは,
空気交絡器28で混繊交絡され,捲取装置29でパツケージ
30に捲き取られる。上記で使用する空気交絡器として
は,公知のインターレーサーノズルやタスランノズルと
呼ばれるエアージェットノズルを使用することができ
る。
【0032】本発明のシルクウール調複合混繊糸は,そ
のまま製編織してもよいが,撚糸して布帛とすれば,形
態斑をより自然なものとすることができる。また,製編
織して得られる布帛を,染色加工工程でアルカリ減量処
理することもできる。
【0033】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお,相対粘度は,フェノールと四塩化エタンとの
等重量混合溶媒を用い,濃度0.58g/dl,温度20℃で測定
した。
【0034】実施例1 糸条A用の供給糸(糸条1)として,相対粘度1.385 と
1.258 のPETを1:1のサイドバイサイド型に複合紡
糸して得た 80d/12fの高配向未延伸糸を用いた。また,
難溶成分にPET,易溶出成分に5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸を2.5モル%と平均分子量が7000のポリエ
チレングリコールを12重量%共重合したPETを用い,
単フィラメントの断面形状が図6で示すように,繊維の
円周上にアルカリ等の溶剤に対する溶解性の異なる易溶
成分αが難溶成分βをギヤ状に複数分割し,減量処理で
図5に示す断面となる芯鞘構造糸になるように設計した
紡糸口金で上記PETを3100m/分の速度で複合紡糸し
て得た70d/24f の高配向未延伸糸を糸条B用の供給糸
(糸条11)として用いた。
【0035】上記した糸条1と糸条11を供給糸とし,図
8の工程に従い,本発明のシルクウール調複合混繊糸を
製造した。その際,糸条lに,非接触ヒータ温度 285
℃,延伸倍率1.5倍,デリべリローラ速度 600m/分で
熱延伸を施し,熱収縮率 4.0%,伸縮伸長率87.5%,伸
縮弾性率85%の捲縮糸条Aを得た。一方,糸条11に,非
接触ヒータ温度 425℃,弛緩率27.5%,デリベリローラ
速度 600m/分で収縮熱処理を施し,沸水収縮率−2.5
%,160℃における乾熱収縮率−5.5%の熱伸長性を有
し,かつ不整フィラメントを有する糸条Bを得た。な
お,弛緩率(%)は, 供給速度と引取速度との差を引取
速度で除した値を 100倍して算出した。
【0036】次いで,得られた糸条Aと糸条Bに,市販
のインターレーサー(ヘバーライン社製)を用いて弛緩
率 2.0%,圧力3.0kg/cm2 で交絡処理を施し,本発明の
複合混繊糸を得た。この複合混繊糸は180d/36fであり,
毛羽指数は 130であった。
【0037】得られた複合混繊糸を撚数(Z)500T/M
で追撚した糸条を経糸と緯糸に使用して2/2ツイル組
織で製織し,次いで減量率13%となるようにアルカリ減
量処理を施した後,分散染料による常法の染色仕上げ加
工を行った。得られた織物は軽量感に富み,ドライ感,
ソフト感があって,膨らみを有しており,芯のない弾力
性,反発性に優れ,自然な形態斑のあるシルクウール調
風合を有するものであった。
【0038】実施例2 糸条A用の供給糸(糸条1)として,相対粘度1.385 と
1.258 のPETを1:1のサイドバイサイド型に複合紡
糸して得た 80d/12fの高配向未延伸糸を用いた。また,
糸条B用の供給糸(糸条11)として,単フィラメントの
断面が図5で示すように設計した紡糸口金でPETを31
00m/分の速度で複合紡糸して得た65d/24f の高配向未
延伸糸を用い,図8の工程に従い,本発明のシルクウー
ル調複合混繊糸を製造した。
【0039】その際,糸条lに,非接触ヒータ温度 285
℃,延伸倍率1.5倍,デリべリローラ速度 600m/分で
熱延伸を施し,熱収縮率 4.0%,伸縮伸長率87.5%,伸
縮弾性率85%の捲縮糸条Aを得た。一方,糸条11に,非
接触ヒータ温度 425℃,弛緩率20.0%,デリベリローラ
速度 600m/分で収縮熱処理を施し,沸水収縮率−1.5
%,160℃における乾熱収縮率−4.0%の熱伸長性を有
し,かつ不整フィラメントを有する糸条Bを得た。
【0040】次いで,得られた糸条Aと糸条Bに,市販
のインターレーサー(ヘバーライン社製)を用いて弛緩
率 2.0%,圧力3.0kg/cm2 で交絡処理を施し,本発明の
複合混繊糸を得た。この複合混繊糸は175d/36fであり,
毛羽指数は 120であった。
【0041】得られた複合混繊糸を撚数(Z)500T/M
で追撚した糸条を経糸と緯糸に使用して2/2ツイル組
織で製織し,次いで分散染料による常法の染色仕上げ加
工を行った。得られた織物は軽量感に富み,ドライ感,
ソフト感があって,膨らみを有しており,芯のない弾力
性,反発性に優れ,自然な形態斑のあるシルクウール調
風合を有するものであった。
【0042】実施例3 糸条A用の供給糸21として,酸成分として5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸を 1.5モル%共重合したカチオン
可染性PET高配向未延伸糸80d/24f を用いた。また,
難溶成分にPET,易溶出成分に5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸を2.5モル%と平均分子量が7000のポリエ
チレングリコールを12重量%共重合したPETを用い,
フィラメントの断面形状が,図6に示すように,繊維の
円周上にアルカリ等の溶剤に対する溶解性の異なる易溶
成分αが難溶成分βをギヤ状に複数分割し,減量処理で
図5に示す断面となる芯鞘構造糸になるように設計した
紡糸口金で複合紡糸して得た高配向未延伸糸80d/24f を
糸条B用の供給糸31として用いた。
【0043】上記した糸条21と糸条31を供給糸とし,図
9の工程に従い,本発明のシルクウール調複合混繊糸を
製造した。その際,摩擦仮撚デイスク(ポリウレタン1
−7−1)を用い,糸条21に,非接触ヒータ温度 220
℃,延伸倍率 1.5倍,D/Y(ディスク表面速度/糸速
度)2.5,デリべリローラ速度 505m/分で延伸同時仮撚
加工を施し,熱収縮率 3.5%,伸縮伸長率93%,伸縮弾
性率98%の捲縮糸条Aを得た。一方,ヒータ長300mmの
非接触ヒータを用い,糸条31に,ヒータ温度 200℃,延
伸倍率 1.1倍,引取速度1010m/分で受熱が不均一とな
るような熱処理を施し,次いで,非接触ヒータ温度450
℃,弛緩率 100%,引取速度 505m/分で熱処理を施
し,沸水収縮率−5.8%,160℃における乾熱収縮率が−1
5.8%の熱伸長性を有し,かつ不整フィラメントを有す
る糸条Bを得た。
【0044】次いで,インターレーサー(デュポン社
製)を用い, 上記で得られた糸条Aと糸条Bとを,弛緩
率 2.1%,圧カ3.0kg/cm2 で交絡処理を施し,本発明の
複合混繊糸を得た。この複合混繊糸は200d/48fであり,
毛羽指数は135 であった。
【0045】得られた複合混繊糸に撚数(Z)1000T/
Mで撚糸したものを経糸と緯糸に用いて変わりサテン組
織に製織し,次いで減量率13%でアルカリ減量を施した
後,分散染料による常法の染色仕上げ加工を行った。得
られた織物は,ドライ感,ソフト感,軽量感があって,
嵩高で膨らみを有しており,しかも柔らかく,軽く握っ
ても芯がなく,放すと弾力性よく瞬時にして元の形に戻
り,しかも外観は太さ斑による自然な斑感のあるシルク
ウール調風合を有するものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明のシルクウール調複合混繊糸を製
編織して熱処理すれば,表面が微細な凹凸形状もしくは
マイクロクレータ状の微細孔を有し,かつ,不揃いの熱
伸長性マルチフィラメントが布帛の表面に膨出すると同
時に,内層を形成するフィラメントが強い捲縮を発現し
て,2層構造糸の内層を隙間なく,かつ含気性高く充填
した構造を呈するため,ぬめり感とドライ感という相反
する風合が適度なバランスで融合されたシルクウール調
風合の布帛を得ることができる。
【0047】また,不整フィラメントが表面の凹凸形状
により毛羽感の強いループを形成するため,ドライ感と
膨らみのあるソフトな風合で,しかも芯のない弾力性,
反発性を発揮することから,従来のポリエステルフィラ
メント使いでは得られなかったシルクウール調風合の布
帛を得ることができる。しかも,不整フィラメントの存
在によって優れた太さ斑を有するため,外観においても
自然な斑効果を付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシルクウール調複合混繊糸の一実施態
様を示す外観模式図である。
【図2】本発明のシルクウール調複合混繊糸を熱処理し
た後の状態の一実施態様を示す断面模式図である。
【図3】本発明のシルクウール調複合混繊糸を構成する
糸条Bの外観模式図である。ある。
【図4】従来の熱伸長性を示す糸条と熱収縮性を示す糸
条を複合した混繊糸を熱処理した後の状態を示す断面模
式図である。
【図5】本発明のシルクウール調複合混繊糸を構成する
糸条Bの単フイラメントの一実施態様を示す横断面図で
ある。
【図6】図5の単フイラメントのアルカリ減量前の状態
を示す横断面図である。
【図7】本発明のシルクウール調複合混繊糸を構成する
糸条B用の供給糸の外観模式図である。
【図8】本発明のシルクウール調複合混繊糸の一製法例
を示す概略工程図である。
【図9】本発明のシルクウール調複合混繊糸の他の製法
例を示す概路工程図である。
【符号の説明】
イ 不整フィラメントによるループ状の毛羽 A 糸条A B 糸条B α 易溶成分 β 難溶成分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱収縮性の異なる2本以上のポリエステ
    ルマルチフィラメント糸が交絡した複合混繊糸であっ
    て,混繊糸を構成する少なくとも1本の高収縮性糸条A
    は捲縮を有し,他の少なくとも1本の低収縮性糸条Bは
    熱伸長性で,単フィラメントの表面に凹凸形状もしくは
    微細孔が存在し,かつ,間歇的に捲縮を有する異形断面
    繊維であって,単フィラメントの一部又は全部が単位長
    さ当たりの長さや並びが不揃いの不整フィラメントとな
    っており,前記不整フィラメントによる毛羽指数が70〜
    250であることを特徴とするシルクウール調複合混繊
    糸。
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