JPH10212372A - 発泡マスターバッチ及びその製造方法 - Google Patents

発泡マスターバッチ及びその製造方法

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JPH10212372A
JPH10212372A JP2969197A JP2969197A JPH10212372A JP H10212372 A JPH10212372 A JP H10212372A JP 2969197 A JP2969197 A JP 2969197A JP 2969197 A JP2969197 A JP 2969197A JP H10212372 A JPH10212372 A JP H10212372A
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Japan
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temperature
foamed
polyethylene
microsphere
base material
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JP2969197A
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Inventor
Teruhiro Nakamura
彰宏 中村
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Kishimoto Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Kishimoto Sangyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低融点でベタツキ成分の少なく、かつ成形母
材に対する混合性・親和性に優れたベース材を用い、発
泡成形性に優れた使い勝手のよい発泡マスターバッチを
提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる殻とこの殻の内部
に閉じ込められた熱膨張性物質とで構成される熱膨張性
マイクロスフェアと、シングルサイトを用い合成された
ポリエチレン系熱可塑性ポリマーを主成分とするベース
材とを、混練温度を前記ポリエチレン系熱可塑性ポリマ
ーのDSCピーク温度以上であり、かつ前記マイクロス
フェアの膨張開始温度以下の範囲の温度に加熱して混練
し混合物となす混練工程と、前記混合物を押し出し機か
ら押し出しながらホットカットしてペレット状に加工す
る発泡マスターバッチペレット作製工程と、を備える発
泡マスターバッチの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱膨張性マイクロ
スフェアを主成分とする発泡マスターバッチ、及びその
ような発泡マスターバッチの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高温タイプの熱膨張性マイクロス
フェアが開発されたため、熱膨張性マイクロスフェアを
用いた発泡成形方法が広く利用されるようになった。こ
の発泡成形方法は、成形母材中に分散したマイクロスフ
ェアを加熱成形と同時に膨張させ一層粗な中空球体とす
ることにより、結果として低密度の成形物を得ようとす
るものである。
【0003】つまり、この方法は、母材中に直接発泡空
隙を形成するものではない。よって、化学発泡剤や高圧
ガスを用いて母材中に発泡空隙を形成する方法における
ような問題、すなわち気泡サイズのバラツキや気泡の連
通といった問題を生じない。また、この方法では、好適
な膨張開始温度や膨張度を有するマイクロスフェアを選
択し、かつマイクロスフェアの粒径や添加量を好適に選
択することにより、成形品の密度や性状を任意に制御で
きる。よって、歩留り良く所望の発泡成形品が得られる
という利点がある。しかしながら、この方法においても
次のような問題がある。
【0004】すなわち、マイクロスフェアが母材中に充
分に分散混合されていないと、中空球体(発泡マイクロ
スフェア)の分布が不均一になるので、発泡成形品の機
械的強度や断熱性等の特性が悪くなる。また、マイクロ
スフェアは膨張開始温度付近の温度に長く晒されると、
事前膨張し粒子同志がくっつき合う現象が起きるので、
均一分散が困難になる。更に、膨張ピーク温度以上の温
度に晒されると、殻が破れ中空球体としての機能を失
う。このため、良質な発泡成形品を得るためには、マイ
クロスフェアと母材との混合を充分に行なう必要があ
り、また混合時の温度管理を適正に行うと共に、加熱成
形に至るまでの一連の操作を速やかに完了させる必要が
ある。
【0005】然るに、マイクロスフェアは微小な球状粒
子(15μm前後)であり、母材(熱可塑性ポリマー)
は通常2〜3mmの比較的大きいペレット状粒であるの
で、両者を個体状態で均一に混合することは困難であ
る。また、発泡成形品の母材となる樹脂の融点は一般に
高く、溶融粘度も大きい。よって、マイクロスフェアの
事前膨張を伴うことなしに、マイクロスフェアを溶融状
態の母材に均一混合することは容易でない。そこで、母
材とマイクロスフェアとの混合性の向上を図る等を目的
とし、混合し易いベース材に予めマイクロスフェアを混
合してマスターバッチとなし、このマスターバッチを成
形直前に母材に添加する方法が採用されている。この方
法によると、母材に直接マイクロスフェアを混合分散す
るのに比べ混合し易いので、極短時間(数分程度)の混
練の後、成形を行うことが可能になる。
【0006】ところが、この種のマスターバッチのベー
ス材としては、従来よりエチレン・ビニル・アセテート
(EVA)が用いられている。EVAは、比較的低温で
溶融するので、マイクロスフェアの事前膨張を伴うこと
なく均一混合が可能だからである。しかし、EVAはベ
トツキが強いので、マスターバッチ作製時における混合
性が充分ではない。また、マスターバッチと母材との混
合性も充分ではない。更に、EVAが混合機等に粘着す
るため、機械の清掃に多大な労力を必要とする。加え
て、マスターバッチを保存すると、ブロッキングが起き
取扱性が悪くなるという問題がある。
【0007】他方、従来ではEVAに代替しうる適当な
ベース材が見出されていなかった。例えば、従来タイプ
のポリエチレンやポリプロピレン等は、融点が高いので
溶融状態でマイクロスフェアを混合することができ難
い。また、従来タイプのポリエチレン等は分子量分布及
び組成分布が広く、低分子量域にベタツキ成分を含んで
いる。よって、このベタツキ成分が発泡成形品の機械的
強度等を低下させる原因となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
なされたものであり、低融点でベタツキ成分が少なく、
かつ成形母材に対する混合性・親和性がよいベース材を
選択し、このベース材を用いて発泡成形性に優れた使い
勝手のよい発泡マスターバッチを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、狭い分子
量分布と組成分布を持つ特殊なポリエチレン系熱可塑性
ポリマーをベース材とし、このベース材に熱膨張性マイ
クロスフェアを均一混合することにより達成することが
できる。具体的には、以下の構成により達成できる。
【0010】請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂から
なる殻とこの殻の内部に閉じ込められた熱膨張性物質と
で構成される熱膨張性マイクロスフェアと、シングルサ
イト触媒を用い合成されたポリエチレン系熱可塑性ポリ
マーを主成分とするベース材とを混練して混合物となす
混練工程と、前記混合物を押し出し機から押し出しなが
らホットカットしてペレット状となす発泡マスターバッ
チペレット作製工程と、を備える発泡マスターバッチの
製造方法であることを特徴とする。
【0011】シングルサイト触媒を用いて合成したポリ
エチレン系熱可塑性ポリマーは、従来タイプの触媒、す
なわちマルチサイト触媒を用い合成したものに比べ、分
子量分布が狭く、またコモノマーが各分子鎖に均一に分
布した組成分布の狭いものとなっている。したがって、
従来にない低融点のものを作製でき、低融点のものであ
ってもベタツキ原因となる低分子量成分が少ない。
【0012】よって、このようなポリエチレン系熱可塑
性ポリマーをベース材として使用すれば、EVA等の従
来タイプの低融点ポリマーのようなベタツキ成分に起因
する問題点、すなわち攪拌混合器機への粘着、貯蔵時の
ブロッキング、成形母材との混合不良、成形品の機械的
強度の低下等の問題点、を解消できる。また、EVA等
の従来タイプの低融点ポリマーに比べマイクロスフェア
との混合性が良く、かつオレフィン系樹脂等からなる成
形母材との親和性にも優れる。よって、このような発泡
マスターバッチを用いると、発泡成形品の性能が格段に
向上する。
【0013】更に、本発明では、このようなポリエチレ
ン系熱可塑性ポリマーを用いた発泡マスターバッチを、
ホットカット法によりペレット状に加工する。ペレット
状の発泡マスターバッチであると、簡便に使用できると
共に、一般に成形母材となる樹脂もペレット状に加工さ
れたものであるので、成形母材とのドライブレンド性が
よい。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
泡マスターバッチの製造方法において、前記混合工程に
おける混合物を、前記ポリエチレン系熱可塑性ポリマー
のDSCピーク温度以上であり、かつ前記マイクロスフ
ェアの膨張開始温度以下の温度内に加熱することを特徴
とする。
【0015】この構成であれば、マイクロスフェアの事
前膨張を伴うことなく、溶融ポリマーとマイクロスフェ
アとを均一に混合できる。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記ベ
ース材が、前記マイクロスフェアを湿らせることができ
る量の流動パラフィンを含むことを特徴とする。
【0017】ポリエチレン系熱可塑性ポリマーにマイク
ロスフェアを混合分散させる場合、混合初期において微
小粒子であるマイクロスフェアが空気中に舞い上がる現
象が生じる。ここにおいて、マイクロスフェアが湿る程
度に流動パラフィンを存在させると、攪拌混合時におけ
るマイクロスフェアの舞い上がりが防止でき、かつ流動
パラフィンがマイクロスフェアとポリエチレン系熱可塑
性ポリマーとの親和性を向上させるように作用する。よ
って、ポリエチレン系熱可塑性ポリマーとマイクロスフ
ェアとの攪拌混合操作が容易になる。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記混
合工程における混合物に冷却用の水を含ませることを特
徴とする。
【0019】ベース材とマイクロスフェアとの混合に際
し、ベース材の溶融温度がマイクロスフェアの膨張開始
温度に近い(またはそれ以上)場合、マイクロスフェア
の事前膨張を防止するために、極短時間(1〜5分前
後)で混合を完了し、速やかに混合物の温度を下げる必
要がある。ここで、混合物に少量の水を含ませると、こ
の水が混合物の熱で気化され、その際気化熱を奪う。よ
って、混合物の温度を速やかに低下させることができ
る。混合物に添加する水の量としては、蒸発気化し混合
物中に残留しない量とするのがよく、その量を混合物の
温度との関連において決定するのが好ましい。即ち、混
合物の温度が高い場合には、蒸発気化量が大きいので、
多めの量とし、混合物の温度が低い場合には、少量とす
る。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記マ
イクロスフェアが、常圧において90℃以上の温度で膨
張を開始し、220℃以上の温度に加熱されると5分以
内に殻が破裂する性質を有するものであることを特徴と
する。
【0021】マイクロスフェアの膨張開始温度が低すぎ
ると、ベース材との混合時における攪拌熱により容易に
膨張してしまう一方、高すぎると加熱成形と同時に発泡
させる本来の使用目的が充分に達成できない。このこと
からして、マイクロスフェアの膨張開始温度は90℃以
上がよい。その一方、高温に加熱されても破裂しないマ
イクロスフェアであれば、温度条件に特段の注意を要し
ない。
【0022】しかし、現実にはこのようなマイクロスフ
ェアは存在しない。本発明は、現実に存在する通常のマ
イクロスフェアの使い勝手性を向上させることを目的と
する。このようなマイクロスフェアは、常圧において9
0℃以上の温度で膨張を開始し、220℃以上の温度に
加熱されると5分以内に殻が破裂する。つまり、本発明
にかかる前記ベース材の構成要件は、90℃以上の温度
で膨張を開始し、220℃以上の温度に加熱されると5
分以内に殻が破裂するマイクロスフェアにおいて特段の
意義を有するのである。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記マ
イクロスフェアの殻が、アクリロニトリルを含むコポリ
マーからなるものであることを特徴とする。
【0024】アクリロニトリルを含むコポリマーである
と、マイクロカプセル化手段において熱膨張性物質を殻
内部に閉じ込めた状態で製膜化でき、かつ常圧において
90℃以上の温度で膨張を開始し、220℃付近の温度
まで安定な被膜とできる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記マ
イクロスフェアの熱膨張性物質が、イソペンタン又はイ
ソブタンであることを特徴とする。
【0026】熱膨張性物質としてイソペンタン又はイソ
ブタンが用いられたマイクロスフェアであると、90℃
〜220℃前後の温度において膨張圧力が大きいので、
好適な発泡マスターバッチが得られる。
【0027】請求項8記載の発明は、請求項1ないし7
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記シ
ングルサイト触媒が、4族遷移金属のメタロセン化合物
とメチルアルミノキサンとを含む複合触媒であることを
特徴とする。
【0028】この構成の複合触媒を用い合成されたポリ
エチレン系熱可塑性ポリマーであると、低融点のものが
得られ、また分子量分布及びコモノマーの組成分布が狭
いものとなる。よって、発泡マスターバッチのベース材
として好適である。
【0029】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8記
載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記ポリ
エチレン系熱可塑性ポリマーが、ポリエチレンであるこ
とを特徴とする。
【0030】シングルサイト触媒で合成されたポリエチ
レンは、結晶性が低く、狭い分子量分布を有するものと
なり、低融点でベタツキ成分が少ないものが得られる。
このようなポリエチレンは、発泡マスターバッチのベー
ス材として特に好適である。
【0031】上記請求項1〜9記載の発泡マスターバッ
チの製造方法により製造された発泡マスターバッチは、
物の発明としても規定できる。
【0032】即ち、請求項10記載の発明は、熱可塑性
樹脂からなる殻とこの殻の内部に閉じ込められる熱膨張
性物質とで構成された熱膨張性マイクロスフェアと、シ
ングルサイト触媒を用いて合成されたポリエチレン系熱
可塑性ポリマーを主材とするベース材とで構成される発
泡マスターバッチである。
【0033】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の発泡マスターバッチにおいて、前記マイクロスフェア
が、常圧において90℃以上の温度で膨張を開始し、か
つ220℃以上の温度においては5分以内に熱膨張性物
質を閉じ込める殻が破裂する性質を有するものである。
【0034】請求項12記載の発明は、請求項10また
は11記載の発泡マスターバッチにおいて、前記ポリエ
チレン系熱可塑性ポリマーが、前記マイクロスフェアの
膨張開始温度よりも低温側にDSCピーク溶融温度を有
するものである。
【0035】請求項13記載の発明は、請求項10ない
し12記載の発泡マスターバッチにおいて、前記マイク
ロスフェアの殻が、アクリロニトリルを含むコポリマー
からなる。
【0036】請求項14記載の発明は、請求項10ない
し13記載の発泡マスターバッチにおいて、前記マイク
ロスフェアの熱膨張性物質が、イソペンタン又はイソブ
タンである。
【0037】請求項15記載の発明は、請求項10ない
し14記載の発泡マスターバッチにおいて、前記シング
ルサイト触媒が、4族遷移金属のメタロセン化合物と、
メチルアルミノキサンとを含む複合触媒である。
【0038】請求項16記載の発明は、請求項10ない
し15記載の発泡マスターバッチにおいて、前記ポリエ
チレン系熱可塑性ポリマーがポリエチレンである。
【0039】請求項17記載の発明は、請求項10ない
し16記載の発泡マスターバッチにおいて、前記発泡マ
スターバッチが、直径1mm〜5mm、長さ1mm〜5
mmのペレット状に加工されてなるものである。
【0040】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明
する。
【0041】先ず、本明細書でいうシングルサイト触媒
とは、共存する活性点の性質が均一であるものをいう。
シングルサイト触媒としては、例えば化1(メタロセン
錯体)が挙げられる。また、化1のメタロセン錯体に化
2に示す化合物(アルミノキサン)を組み合わせた複合
触媒(以下メタロセン触媒というときにはこの複合触媒
を含める)が挙げられる。このようなメタロセン触媒は
公知であり、例えば特開平5−140227号、特開平
5−140228号、特開平5−209019号、特開
平5−209019号等の公報に記載されており、これ
らのメタロセン触媒を用いて合成したポリエチレン系熱
可塑性ポリマーは、分子量分布や組成分布が狭い等の特
徴を有することが知られている。
【0042】
【化1】
【0043】
【化2】
【0044】化1において、M1 はチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナヂウム、ニオブまたはタンタルで
あり、R1 及びR2 は互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のア
ルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原
子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリ
ールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭
素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数7
〜40のアルキルアリール基または炭素原子数8〜40
のアリールアルケニル基であり、R3 およびR4 は互い
に同一か、または異なっていて、中央金属原子M1 とサ
ンドイッチ構造の錯体を形成することができる単核また
は多核炭化水素残基である。
【0045】R5 は=BR6 、=AlR6 、−Ge−、
−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2 、=NR
6 、=CO、=PR6 またはP(O)R6 (但し、R6
は水素原子、ハロゲン原子)である。また、R9 は互い
に同じでも異なっていてもよく、炭素原子数1〜6のア
ルキル基、炭素原子数1〜6のフルオロアルキル基、炭
素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数6〜18の
フルオロアリール基または水素原子であり、nは0〜5
0の整数である。
【0046】化1、化2の化合物からなる複合触媒の例
を化3に示す。化3の左に示すシクロペンタジエンを配
位子とした化合物(二塩化ジルコノセン)と、化3の右
に示すアルミノキサン化合物を組み合わせた複合触媒を
用いて合成されたポリエチレン系熱可塑性ポリマーが、
本発明にかかるベース材として好適である。この複合触
媒を用い合成されたポリエチレン系熱可塑性ポリマー
は、分子量分布が狭く、かつコモノマーが各分子鎖に均
一に分布した(組成分布が狭い)ものとなり、低分子量
成分やベタツキ成分の含有量が少ないので、このポリマ
ーをベース材とし、このベース材にマイクロスフェアを
混合してなる発泡マスターバッチであると、低分子量成
分やベタツキ成分に起因する発泡成形品の機械的強度の
低下が生じないものとできる。
【0047】なお、従来から重合反応触媒として広く用
いられているチーグラー系触媒などのマルチサイト触媒
は、多様な構造の活性点を有する。よって、このような
触媒を用い合成したポリマーは、分子量分布や組成分布
が広いものとなる。よって、このようなポリマーでは、
好適なマスターバッチとなすことができない。
【0048】
【化3】
【0049】本発明にかかるベース材としては、上記し
たシングルサイト触媒を用いて合成されたポリエチレン
系熱可塑性ポリマーを使用し、具体的には例えばダウ・
ケミカル日本 (株) 社製の商品名AFFINITYやE
NGAGE(エチレン・オクテン・コポリマー)を使用
する。
【0050】上記したように、シングルサイト触媒を用
いて合成したポリエチレン系熱可塑性ポリマーである
と、マイクロスフェアの膨張開始温度以下で溶融する低
融点のものが得られる。また、低融点のものであって
も、分子量分布及び組成分布が狭いので、ベタツキ成分
が少ない。更に、溶融時の粘性が小さい一方、硬化時の
強度が強いからである。
【0051】本発明では、上記のようなポリエチレン系
熱可塑性ポリマーであって、かつ熱膨張性マイクロスフ
ェアの膨張開始温度よりも低温側にDSC(differenti
al scanning calorimetry )ピーク温度で定義される融
点を有するものを使用するのが好ましい。ベース材の融
点が、マイクロスフェアの膨張開始温度よりも高いと、
溶融状態でマイクロスフェアを混合した場合、溶融熱に
よりマイクロスフェアが膨張してしまうため、良好な発
泡マスターバッチとできないからである。
【0052】他方、発泡マスターバッチのもう一方の主
材であるマイクロスフェアとしては、各種のマイクロス
フェアが使用可能であるが、一般には殻がアクリロニト
リルを含むコポリマーで形成され、その内部にイソペン
タン又はイソブタンを閉じ込めたマイクロカプセル(マ
イクロスフェア)を使用する。アクリロニトリルを含む
コポリマーは、熱可塑性および強度・伸度の面で優れ、
またイソペンタンやイソブタンは膨張率及び膨張圧力の
面で優れ、この種の発泡マスターバッチの主材として好
適だからである。
【0053】本発明の製造方法は、上記のようなポリエ
チレン系熱可塑性ポリマーをベース材とし、これに熱膨
張性のマイクロスフェアを混練する混練工程と、前記混
合物をダイスから押し出しホットカットしてペレットと
なす発泡マスターバッチペレット作製工程とを備える
が、この製造方法における混練時の温度(混合物の温
度)の下限をベース材のDSCピーク温度とし、上限を
マイクロスフェアの膨張開始温度とするのがよい。この
ように製造時の温度を設定すると、溶融状態のベース材
に対し、マイクロスフェアを混合できるので、均一な混
合がなし得る。また、この混練時の温度がマイクロスフ
ェアの膨張開始温度以下であるので、マイクロスフェア
が事前膨張することもない。
【0054】ところで、熱膨張性マイクロスフェアは、
常圧において90℃以上の温度で膨張を開始し、少なく
とも220℃以上の温度において5分以内に熱膨張性物
質を閉じ込めた殻が破裂する性質を有するものが一般的
である。膨張開始温度が90℃未満であると、混合時に
発生する熱(混合熱)などによっても膨張してしまう恐
れがあるため、膨張開始温度としては90℃以上が適当
であるからであり、他方、発泡成形品の通常の加熱成形
温度を考慮するとき、220℃付近に膨張ピーク温度を
有するものが好ましい。220℃を越えるところに、膨
張ピーク温度を設定すると却って取扱い性が悪くなるか
らである。なお、マイクロスフェアは膨張ピーク温度以
上の温度に長く留まると、内圧により破裂しその機能を
失う。
【0055】他方、マイクロスフェアの特性が上記のよ
うであれば、ベース材であるポリエチレン系熱可塑性ポ
リマーの融点(DSCピーク温度)としては、220℃
以下であり、好ましくは90℃以下がよい。マイクロス
フェアの膨張ピーク温度又は膨張開始温度で溶融しない
ベース材であると、ベース材の溶融温度でマイクロスフ
ェアを混合した場合、マイクロスフェアが破裂又は事前
膨張してしまうからである。
【0056】その一方、ベース材としてのポリエチレン
の融点が低すぎると、夏期などにおいてはマスターバッ
チが軟化し取扱性が悪くなる。また、混合機への付着や
マスターバッチ同志のブロッキングが生じ易くなる。よ
って、ベース材の融点温度としては、50℃以上で22
0℃以下、好ましくは50℃以上で120℃以下、より
好ましくは50℃以上で90℃以下とする。
【0057】なお、120℃を越える温度で事前膨張し
ないマイクロスフェアの入手は容易でないが、120℃
付近に膨張開始温度を有するマイクロスフェアは市販さ
れている。よって、ベース材の融点が120℃以下であ
れば、事前膨張を伴うことなく、発泡マスターバッチが
作製できる。但し、融点120℃のベース材を使用する
場合には、混練を極めて短時間に行う必要がある。
【0058】更に、ベース材は、発泡成形品を構成する
母材との相溶性に優れるものでなければならないが、前
記したシングルサイト触媒を用い合成したポリエチレン
系熱可塑性ポリマーは、低分子量成分が少ないので、例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルア
セテートなどのプラストマーや、ポリプロピレンとEP
Rを混合したオレフィン系熱可塑性エラストマー、更に
はSEBSタイプやSEPSタイプのスチレン系熱可塑
性エラストマーなどの成形母材との相溶性がよい。よっ
て、これらの母材に対し本発明にかかる発泡マスターバ
ッチを用い作製した発泡成形品は、軽量性、断熱性等は
勿論、機械的強度にも優れる。
【0059】次に、本発明にかかる発泡マスターバッチ
の作製方法を説明する。
【0060】先ず、ベース材の主材としての前記ポリエ
チレン系熱可塑性ポリマーをその融点以上(通常50℃
〜90℃)に加熱し溶融する。この溶融ポリエチレン系
熱可塑性ポリマーに対し、熱膨張性マイクロスフェアを
10〜70重量%添加しミキサーで1分程度混合する。
ミキサーの攪拌強度としては、マイクロスフェアが剪断
力で破壊されない程度とし、可能な限り攪拌時間を短く
する。攪拌時間が長くなると、マイクロスフェアの殻の
損傷が大きくなり、また攪拌混合熱により事前膨張の恐
れが高まるからである。
【0061】次いで、混合物をダイスから押し出し、適
当な長さにホットカットしてペレットとなす。これによ
り、本発明にかかる発泡マスターバッチペレットが作製
できる。ここで、ペレットサイズとしては、成形母材ペ
レットと同様なサイズにするのが好ましい。母材とサイ
ズが同様であれば、ドライブレンドで均一混合し易いか
らである。一般には発泡マスターバッチペレットのサイ
ズとしては、直径1mm〜5mm、長さ1mm〜5mm
とすればよい。なお、ホットカット直後のペレットはブ
ロッキングし易いので、必要に応じ強制冷却する。
【0062】上記製造方法において、好ましくはベース
材とマイクロスフェアとの混合時に適量の流動パラフィ
ンを添加するのがよい。なぜなら、微小粒子であるマイ
クロスフェアは攪拌に際し空気中に舞い上がる現象を生
じるが、適量の流動パラフィンが存在すると、この流動
パラフィンがマイクロスフェアを湿った状態にするの
で、舞い上がりが防止できるからである。また、流動パ
ラフィンは、マイクロスフェアとポリエチレン系熱可塑
性ポリマーとの親和性を向上させるので、混合効率が高
まり、短時間の攪拌混合で均一混合が実現するからであ
る。
【0063】更に、上記製造方法においては、少量の水
を冷却剤として混合物に添加するのがよい。なぜなら、
ベース材とマイクロスフェア(及び流動パラフィン)と
の混合物に少量の水を添加すると、この水が蒸発・気化
して混合物から熱を奪うので、混合時の剪断熱により混
合物が異常高温になるのを防止できる。これにより、マ
イクロスフェアの事前膨張が抑制できる。なお、混合物
に添加する水の量としては、気化し蒸発してしまう量と
する。適量の水であれば、残留することがないので、成
形品に悪影響を及ぼすことがない。
【0064】ところで、本発明の発泡マスターバッチの
利用形態としては、成形直前に溶融させた成形母材に添
加し短時間の混練の後、例えば170−200℃で金型
内に押し出して同時に発泡させて発泡成形品となした
り、或いは150−180℃で射出成型して発泡成形品
を作製する。ここで使用する成形母材としては、例えば
低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・ブタジエン
・アクリロニトリル、エチレン・酢ビ、ポリスチレン、
可塑化塩化ビニル、スチレンブロックコポリマー、スチ
レンなどが挙げられる。
【0065】なお、マスターバッチ中のマイクロスフェ
アは、膨張開始温度以上に加熱された場合、30秒から
2分位で膨張を終了する。よって、母材との混練・成形
時間が長くなる場合には、温度を低く設定する必要があ
る。他方、混練・成形温度が高い場合には、加熱成形直
前に発泡マスターバッチを添加し、可能な限り速やかに
成形を完了する。但し、押し出し速度等を速め過ぎると
余分な摩擦熱が発生し、却ってマイクロスフェアを破壊
することがあるので注意する。
【0066】本発明の主要構成要素について更に説明す
る。図1及び図2は、シングルサイト触媒(メタロセン
触媒)を用い合成した線状低密度ポリエチレン(LLD
PE)と、マルチサイト触媒(従来触媒)を用いた線状
低密度ポリエチレンにおける分子量分布、及び密度とD
SCピーク溶融温度を模式的に示したものである。
【0067】図1から明らかなごとく、シングルサイト
触媒を用いたポリマーは、従来触媒を用いた場合に比較
し分子量分布が狭い。また、図2から明らかなごとく、
従来触媒を用いた場合では、密度が下がっても融点が殆
ど低下しない傾向があるのに対し、シングルサイト触媒
を用いたポリマーでは、密度の低下に従ってDSCピー
ク溶融温度が低下し、全体的により低い融点を有する。
これらのことから、シングルサイト触媒を用い合成した
ポリマーは、本発明にかかる発泡マスターバッチのベー
ス材として好適であることが判る。
【0068】図3は、本発明で使用する熱膨張性マイク
ロスフェアの温度−膨張曲線の一例示である。図3に示
すように熱膨張性マイクロスフェアの温度−膨張曲線は
放物線を描いている。即ち、熱膨張性マイクロスフェア
は、所定温度以上に加熱されるとマイクロスフェアの殻
が破壊されるので、却って体積が縮小する。このことか
らして、発泡マスターバッチを組成するベース材の融点
は、マイクロスフェアの膨張開始温度及び膨張ピーク温
度(破裂温度)との関係において適正に選択される必要
があり、また成形母材の加熱成形時の温度を考慮して好
適な発泡マスターバッチ組成を決定するのがよいことが
判る。
【0069】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を具体的に説明
する。
【0070】〔実施例1〕熱膨張性マイクロスフェアと
しては、エクスパンセル社製のエクスパンセル092D
U−120(粒度3−50μm、相対密度1.2g/c
c、膨張開始温度118−126℃、破壊温度188−
195℃)を用意した。また、シングルサイト触媒を用
い合成したポリエチレン系ポリマーとしては、ダウ・ケ
ミカル日本(株) 社製のENGAGE SM8400
(密度0.870g/cc、コモノマー重度24%、D
SCピーク融点63.3℃)を用意した。
【0071】上記ENGAGE SM8400を70K
g、流動パラフィンを0.2Kg、エクスパンセル09
2DU−120を30Kgの順に容量500Lのスーパ
ーミキサー( (株) カタワ製)に投入し、60℃以上に
温度上昇しない攪拌速度(約360rpm)で約1分間
の混合を行った。
【0072】次いで、上記で混合したものを2軸スクリ
ュー押し出し機(池貝 (株) 社製;GT−110)に入
れ、スクリュー回転数30rpm、ダイス部の温度90
℃の条件で混練し直径3〜3.5mmに押し出した。そ
して、ダイスから押し出したものは、ダイス出口に取り
付けた回転ハンマーで直ちにホットカットした。更に、
ホットカット直後のペレットは、6角形の回転体を備え
たペレットクーラーに入れ、回転させながら50℃以下
の温度になるまで冷却した。ホットカット直後のペレッ
トの温度は溶融温度に近く、そのままでは相互にくっつ
いてしまうからである。
【0073】以上のようにして、直径3〜3.5mm、
長さ2mm〜4mmの本発明にかかる発泡マスターバッ
チペレットを作製した。なお、発泡マスターバッチペレ
ットのサイズは、発泡成形を行う相手樹脂(母材)のペ
レットサイズに合わせるのがよい。ペレットサイズが同
様であると、ドライブレンドが容易になるからである。
【0074】上記で作製した発泡マスターバッチペレッ
ト1Kgを、マルチサイト触媒を用い合成された従来型
のポリプロピレン樹脂( (株) トクヤマ MS670)
10Kgとをドライブレンドした後、射出成形(ノズル
温度約165℃、金型温度40〜80℃)し発泡成形品
を作製し、その性状を観察した。その結果、外観状態は
良好であり、また破断面のルーペ観察により均一かつ良
好な発泡状態が観察された。
【0075】〔実施例2〕熱膨張性のマイクロスフェア
としては、前記エクスパンセル092DU−120を用
い、他方、シングルサイト触媒を用い合成したポリエチ
レン系ポリマーとしては、前記ENGAGE SM84
00に代えて、ダウ・ケミカル日本 (株)社製のAFF
INITY SM1250(密度0.885g/cc、
コモノマー重度19%、DSCピーク融点85.3℃)
を用い、更にパラフィンオイルおよび水を添加した表1
に示す組成の発泡マスターバッチを作製した。
【0076】
【表1】 組成 配合量(重量%) ──────────────────────────── AFFINITY SM1250 70 エクスパンセル092DU−120 30 パラフィンオイル 2 流動パラフィン 0.5 水 2
【0077】この実施例2の発泡マスタバッチでは、前
記ENGAGE SM8400(DSCピーク融点6
3.8℃)よりも融点の高いAFFINITY SM1
250(DSCピーク融点85.3℃)を用いた。この
ため、ダイス部の温度を100℃(実施例1では90
℃)として混練した。そして、混練時の温度によりマイ
クロスフェアが事前膨張してその性能が劣化するのを防
止するために、混合物に2重量%の水を添加した。この
水は、混合物がダイスより押し出された時に蒸発して気
化熱を奪う。よって、発泡マスターバッチペレットの温
度が急速に低下するので、エクスパンセル092DU−
120の熱劣化(事前膨張)が防止できる。なお、この
水は気化してしまうので、ぺレット中に残留することは
ない。
【0078】このようにして作製した実施例2にかかる
発泡マスターバッチペレットを用い、実施例1と同様に
して発泡成形品を作製し、その性状を調べた。その結
果、良好な発泡成形品が得られることが確認された。
【0079】
【発明の効果】本発明では、シングルサイト触媒を用い
合成された低融点のポリエチレン系熱可塑性ポリマーを
発泡マスターバッチのベース材として用いる。このよう
なポリエチレン系熱可塑性ポリマーであると、分子量分
布や組成分布が狭いので、低融点のものであってもベタ
ツキ成分が少ない。よって、微小なマイクロスフェアを
混合し易く、またベタつかないので混合機等への粘着が
ない。更に、ペレット化してもペレット相互のブロッキ
ングを生じないので、成形母材とドライブレンドできる
使い勝手のよい発泡マスターバッチペレットとできる。
【0080】上記利点に加え、シングルサイト触媒を用
い合成されたポリエチレン系熱可塑性ポリマーは、発泡
成形母材との親和性にも優れる。よって、発泡成形品の
機械的強度等の品質が格段に向上する。
【0081】以上のように、本発明によれば、発泡成形
性(体積膨張性)に優れた使い勝手のよい発泡マスター
バッチペレットが得られ、この発泡マスターバッチペレ
ットを用いることにより、発泡成形品の生産性の改善、
品質の向上等を図ることができる.したがって、本発明
によれば、熱膨張性マイクロスフェア及びこのようなマ
イクロスフェアを構成要素とする発泡性成形品の使用用
途の拡大に貢献できるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分子量分布の及ぼす触媒の影響を説明するため
の説明図である。
【図2】シングルサイト触媒を用い合成したポリマーお
よびマルチサイト触媒を用い合成したポリマーの密度
と、DSCピーク温度(融点)の関係を示すグラフであ
る。
【図3】熱膨張性マイクロスフェアの膨張率と温度との
関係を示すグラフである。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる殻とこの殻の内部
    に閉じ込められた熱膨張性物質とで構成される熱膨張性
    マイクロスフェアと、シングルサイト触媒を用い合成さ
    れたポリエチレン系熱可塑性ポリマーを主成分とするベ
    ース材とを混練して混合物となす混練工程と、 前記混合物を押し出し機から押し出しながらホットカッ
    トしてペレット状となす発泡マスターバッチペレット作
    製工程と、を備える発泡マスターバッチの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記混合工程における混合物を、前記ポ
    リエチレン系熱可塑性ポリマーのDSCピーク温度以上
    であり、かつ前記マイクロスフェアの膨張開始温度以下
    の温度に加熱することを特徴とする、請求項1記載の発
    泡マスターバッチの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ベース材が、前記マイクロスフェア
    を湿らせることができる量の流動パラフィンを含むこと
    を特徴とする、請求項1または2記載の発泡マスターバ
    ッチの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記混合工程における混合物に冷却用の
    水を含ませることを特徴とする、請求項1ないし3記載
    の発泡マスターバッチの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記マイクロスフェアが、常圧において
    90℃以上の温度で膨張を開始し、220℃以上の温度
    に加熱されると5分以内に殻が破裂する性質を有するも
    のである、請求項1ないし4記載の発泡マスターバッチ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記マイクロスフェアの殻が、アクリロ
    ニトリルを含むコポリマーからなるものである、請求項
    1乃至5記載の発泡マスターバッチの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記マイクロスフェアの熱膨張性物質
    が、イソペンタン又はイソブタンである、請求項1乃至
    6記載の発泡マスターバッチの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シングルサイト触媒が、4族遷移金
    属のメタロセン化合物とメチルアルミノキサンとを含む
    複合触媒である、請求項1乃至7記載の発泡マスターバ
    ッチの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ポリエチレン系熱可塑性ポリマー
    が、ポリエチレンである、請求項1乃至8記載の発泡マ
    スターバッチの製造方法。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂からなる殻とこの殻の内
    部に閉じ込められる熱膨張性物質とで構成された熱膨張
    性マイクロスフェアと、シングルサイト触媒を用いて合
    成されたポリエチレン系熱可塑性ポリマーを主材とする
    ベース材とで構成される発泡マスターバッチ。
  11. 【請求項11】 前記マイクロスフェアは、常圧におい
    て90℃以上の温度で膨張を開始し、かつ220℃以上
    の温度においては5分以内に熱膨張性物質を閉じ込める
    殻が破裂する性質を有するものである、請求項10記載
    の発泡マスターバッチ。
  12. 【請求項12】 前記ポリエチレン系熱可塑性ポリマー
    が、前記マイクロスフェアの膨張開始温度よりも低温側
    にDSCピーク溶融温度を有するものである、請求項1
    0または11記載の発泡マスターバッチ。
  13. 【請求項13】 前記マイクロスフェアの殻が、アクリ
    ロニトリルを含むコポリマーからなる、請求項10ない
    し12記載の発泡マスターバッチ。
  14. 【請求項14】 前記マイクロスフェアの熱膨張性物質
    が、イソペンタン又はイソブタンである、請求項10な
    いし13記載の発泡マスターバッチ。
  15. 【請求項15】 前記シングルサイト触媒が、4族遷移
    金属のメタロセン化合物と、メチルアルミノキサンとを
    含む複合触媒である、請求項10ないし14記載の発泡
    マスターバッチ。
  16. 【請求項16】 前記ポリエチレン系熱可塑性ポリマー
    が、ポリエチレンである、請求項10ないし15記載の
    発泡マスターバッチ。
  17. 【請求項17】 前記発泡マスターバッチが、直径1m
    m〜5mm、長さ1mm〜5mmのペレット状に加工さ
    れてなるものである、請求項10ないし16記載の発泡
    マスターバッチ。
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