JPH10206354A - 薄膜の密度測定方法 - Google Patents

薄膜の密度測定方法

Info

Publication number
JPH10206354A
JPH10206354A JP9010507A JP1050797A JPH10206354A JP H10206354 A JPH10206354 A JP H10206354A JP 9010507 A JP9010507 A JP 9010507A JP 1050797 A JP1050797 A JP 1050797A JP H10206354 A JPH10206354 A JP H10206354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
thin film
ray
angle
density
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9010507A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kudo
喜弘 工藤
Kosuke Ryu
光佑 劉
Seiji Kawato
清爾 川戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP9010507A priority Critical patent/JPH10206354A/ja
Publication of JPH10206354A publication Critical patent/JPH10206354A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜の膜厚の制限を受けることなく、且つ、
フィッテング等の複雑な手法を必要とせず、測定すべき
パラメータの少ない薄膜の密度測定方法を提供する。 【解決手段】 基板結晶の表面に薄膜を形成している試
料と薄膜を形成していない試料の全反射X線強度分布と
回折X線強度分布を測定し、その分布特性よりそれぞれ
の試料の全反射臨界角とブラッグピークとなる角度を求
め、これらより薄膜の密度を算出する。 【効果】 測定における誤差要因が少なく、精度の高い
薄膜の密度の値が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基板結晶上の薄膜の
密度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】VLSI/ULSIデバイスなどのシリ
コンデバイスには、酸化膜や窒化膜などの薄膜の利用が
不可欠となっている。シリコン酸化膜は、選択拡散マス
ク、絶縁分離膜、MOS用ゲート絶縁膜などに利用さ
れ、窒化膜については、その高い絶縁性や誘電率を生か
してゲート絶縁膜や埋め込み絶縁膜などに用いられてい
る。これら薄膜の絶縁耐圧などの電気的特性は、これを
利用したデバイスの特性に直接影響するため、その電気
的特性を把握することはデバイスの特性向上や不良率の
低減に結びつく。さらに、その電気的特性の発現する仕
組みを解明するためには、薄膜の膜質を評価する必要が
ある。この膜質の評価項目は、膜厚、膜表面の粗さ、膜
基板界面の粗さ、膜応力など様々あるが、その中でも膜
の密度は、薄膜を構成する原子の比率や稠密度(膜中の
原子の詰まり具合)を反映し、膜の完全性を知る上で有
用な物理量と考えられている。薄膜の密度は、バルク
(十分厚い状態)のそれとは異なる場合があり、特に膜
厚が数nm〜十数nmと薄い場合には、バルクの値から
外れる。従来から、薄膜の密度を測定する専用測定装置
というのは存在せず、その値を知るのは容易ではない
が、次に述べるような三つの方法によって、実験室等で
測定されている。
【0003】一つはエリプソメトリー(偏光解析法)に
よるもので、これは、偏光の2成分であるP偏光および
S偏光の複素振幅反射率の絶対値の比と、反射の際のそ
れら2成分の位相差から、薄膜の屈折率と膜厚が求めら
れる。膜を構成する原子の組成比が既知であれば、それ
らの光学定数を使って、屈折率から密度を求めることが
できる。しかし、実験値である反射率の比と位相差か
ら、直接、屈折率が求められるのではなく、複雑な数値
解析によるフィッティングを用いなければならない。さ
らに、エリプソメトリーでは、膜厚10nmまでの精度
は一般的に保証されているが、それ以下の厚さの膜につ
いては、実験上の特別の配慮をしなければ、膜厚10n
m以上の場合と同程度までに測定誤差を抑えられない。
しかるに、エリプソメトリーでは、入射光に対する入射
角および反射光に対する出射角の他に、入射光および出
射光の振幅をも測定しなければならず、誤差要因が多く
あり、求められる密度の値の確度(確からしさ)は低く
なる虞がある。
【0004】二つ目の方法にX線を利用したX線反射率
法がある。この方法は、測定された反射率曲線に対して
非線形の最小二乗法によるフィッティングを実行し、膜
厚、密度、粗さの全てを同時に求める方法である。フィ
ッティングを用いているので、得られる密度の値の確度
は低い。さらに、求められる物理量は互いに線形独立で
はないので、密度の誤差は他の膜厚や粗さの絶対値に依
存し、実験条件だけからは決められないという欠点があ
る。
【0005】他の測定方法として、本発明でも採用して
いる極微小角入射X線回折法と呼ばれる方法がある。こ
の方法で、シリコンの熱酸化膜の密度を測定した秋本、
長谷川両氏の報告がある(応用物理Vol.62,N
o.11,pp.1128−1131)。この報告で
は、酸化膜の密度を算出する際に、熱酸化膜の密度は酸
化膜形成法が同一ならば、酸化膜の厚さによらず、一定
であるという前提を置いている。そして、熱酸化膜の形
成されたシリコンウェハの基板からのブラッグピークの
強度を測定し、膜厚の異なる試料で得られた複数の強度
値から、一つの酸化膜密度をフィッティングで求める。
この方法では、ブラッグピークの強度は、X線の酸化膜
による吸収で、膜厚に応じて変化するという現象を利用
している。この方法には、問題点が三つある。一つは、
同じ条件で形成された膜は厚さが異なっても同一の密度
を持つという前提が、成り立たない場合がしばしばあ
る。次に、密度算出の際に膜厚の値を必要とすることが
あるが、膜厚が数nm程度になると膜厚を精度良く求め
るのは難しくなる。最後に、複数の実験値を基にフィッ
ティングで密度を得ており、高い精度は保証されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題を解決するためになされたもので、基板結晶上の薄
膜の密度の測定において、薄膜の膜厚の制限を受けるこ
となく、また、従来手法で用いられたフィッティングを
必要とせず、測定すべきパラメータを少なくして測定の
誤差要因を減らし、精度の高い薄膜の密度の値が得られ
る薄膜の密度測定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の薄膜の密度測定方法は、X線を低角度で試
料に入射し、この試料で反射および回折したX線を検出
して、試料表面の薄膜の密度を求める薄膜の密度測定方
法において、X線を所定の入射角で試料表面に入射し、
この入射X線に対して得られる回折X線よりこの試料の
ブラッグピークとなる角度θoと、入射X線に対して得
られる反射X線よりこの薄膜の全反射臨界角θcを求め
る。次に、上述の試料と同一の試料で、表面に上述の薄
膜のみを有しない試料を作成し、X線を所定の入射角で
この試料表面に入射し、この入射X線に対して得られる
回折X線よりこの試料のブラッグピークとなる角度θ
o′と、入射X線に対して得られる反射X線よりこの試
料の全反射臨界角θc′を求める。このようにして得ら
れたブラッグピークの角度と全反射臨界角の情報を用い
て、試料表面の薄膜の密度ρを求める演算式に基づき、
この試料表面の薄膜の密度ρを算出することを特徴とし
ている。
【0008】さらに、上述の薄膜の密度ρを求める演算
式として、下記の(1)式を用いて試料表面の薄膜の密
度ρを算出することを特徴としている。
【数1】 但し、(1)式において、複号は、θc≧θc′のとき
+、θc<θc′のとき−、となる。また、λは上述のX
線の波長、reは古典電子半径、NAはアボガドロ数、x
nは薄膜を構成するn番目の原子種の構成比、Mtnは薄
膜を構成するn番目の原子種の原子量、Ztnとftn′は
薄膜を構成するそれぞれn番目の原子種の原子番号と原
子散乱因子の異常分散項の実部、νbは試料基板を構成
する結晶の単位胞の体積、Zbjとfbj′は試料基板を構
成する結晶の単位胞中のj番目の原子の電子数(原子番
号)と原子散乱因子の異常分散項の実部である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。図1に本発明の実
施の形態に係る薄膜の密度測定方法の構成の概略を示
す。本実施の形態例では、図示のように、光源(図示せ
ず)から出射したX線1をモノクロメータ4およびスリ
ット5で構成する光学システムを使用して低角度で試料
10に入射し、スリット6と検出器7にて試料10から
の反射X線2を検出し、その強度分布より試料の全反射
臨界角を求める。また、スリット8および検出器9によ
り、試料10からの回折X線3を検出し、その強度分布
よりこの試料のブラッグピークの角度を求める。図2に
視射角をパラメータに測定されたX線の強度曲線の一例
を示す。上述のような光学測定系から得られた角度デー
タから薄膜の密度を算出する。
【0010】次に、測定方法および算出式について述べ
る。図1に示すような光学システムにおいて、先ず、光
源から発生されたX線1をモノクロメータ4で、測定す
べき薄膜と基板結晶からなる試料10に適した波長(通
常0.lnm前後)に、単色化する。単色化されたX線
1はスリット5によって試料10へ入射する形状に整え
られる。通常、全反射条件下でX線を物質に入射させる
と、物質表面で屈折したX線は、物質の深さ方向に指数
関数的に減衰し、表面から極く微かしか入り込まない。
この表面から極く微かしか入り込まない電磁波(X線を
含む)を一般にエバネッセント波と呼ぶ。ここで、全反
射条件下とは、試料に対するX線の視射角が試料の全反
射臨界角近傍にある状況を指す。また、試料の全反射条
件下においては、試料基板のブラッグ条件を満たすX線
の波長と、試料基板の反射面の組み合わせは極く限られ
ている。従って、本実施の形態例では、波長を任意に変
化させることができるシンクロトロン放射光をX線源と
して利用している。
【0011】スリット5を通過したX線1を全反射条件
下で試料10の表面に所定の視射角で入射させる。そし
て、この試料10へ入射したX線1のうち、試料表面で
全反射された反射X線2は、検出器7の方向に進む。一
方、エバネッセント波は、試料10の格子面とブラッグ
条件を満たし、検出器9の方向に回折する。このとき、
視射角と出射角(試料表面と回折X線とのなす角)は等
しくないので、生じる反射は非対称反射である。スリッ
ト6は、試料10に照射されないで試料後方に通過した
X線をカットし、試料表面で全反射された反射X線2の
みを通す。スリット6を通過した反射X線2は、検出器
7でその強度を測定される。一方、検出器9は、試料1
0のブラッグ回折による回折X線3の強度を測定し、ス
リット8は、その回折X線3のみを通し、ノイズの原因
となる空気などによる散乱X線をカットする。なお、こ
こでいう回折とは、結晶に入射したX線が、結晶格子の
ある特定の面とブラッグ条件を満たし、ブラッグ角の方
向に強め合って散乱される干渉現象を指す。
【0012】上述の測定系において、回折強度が最大と
なるブラッグピークの周りで、試料10を微小回転させ
て、試料10へ入射するX線1の視射角を変化させる。
その視射角の変化に応じて、検出器7および検出器9に
よりそれぞれのX線強度を測定し、図2に示すような全
反射曲線と回折強度曲線(ロッキングカーブ)を得る。
全反射強度は、ある視射角を越えると急激に低下する。
その視射角を全反射臨界角θcというが、これは図2に
示すように、全反射曲線の変曲点を与える角度である。
また、同時に測定された試料10からの回折X線強度が
最大となる角度(ブラッグピーク)をθoとする。
【0013】次に、試料10の表面に形成された薄膜を
除去する。薄膜除去後に、再び図1と同一の測定系を使
用して、同様の測定を行い、図2と同様の全反射曲線と
回折強度曲線を求める。薄膜のない状態で測定された全
反射臨界角と回折強度曲線のピークを与える角度をそれ
ぞれθc′およびθo′とする。
【0014】上述の測定で得られる角度θcとθoおよび
θc′とθo′から、薄膜の密度を算出する方法につい
て、以下に述べる。薄膜を有しない試料の表面でのX線
の屈折の模様を図3に示す。スネルの法則から、下記
(2)式が導かれる。
【数2】 ここで、θo′は試料基板の表面に対する視射角、θ′
は試料基板の表面での屈折角、θc′は試料基板の全反
射臨界角である。通常、これらの角度は数mradと非
常に小さいので、角度について(2)式は次のように展
開でき、 θo′2=θ′2+θc′2 …(3) となる。ここで、3次以上の微小量は無視した。
【0015】同様に、薄膜を有する試料の場合には、図
4に示すように、試料内でX線は屈折する。図4の薄膜
表面において、スネルの法則から下記(4)式が成立す
る。
【数3】 ここで、θoは試料の薄膜表面に対する視射角、θtは試
料の薄膜表面での屈折角、θcは薄膜表面の全反射臨界
角である。(2)式と同様に、(4)式は角度について
下記(5)式に展開できる。 θo2=θt2+θc2 …(5)
【0016】一般に、物質の屈折率nは、複素数で
(6)式のように表される。 n=1−δ−iβ …(6) ここで、iは複素数の虚部の項を示す記号である。δお
よびβは、それぞれ下記(7)、(8)式で表される。
【数4】
【数5】 但し、reは古典電子半径、νcは単位胞の体積、Zjは
単位胞中のj番目の原子の電子数(原子番号)である。
また、fj′およびfj″は原子散乱因子の異常分散項の
実部と虚部であり、波長に依存する。本方法では、屈折
したX線や回折X線の強度の値自体を使用することはな
く、視射角や屈折角のみを問題とする。また、全反射曲
線は吸収の効果を表すβに影響を受けるが、通常の測定
条件では、β=l0-7〜l0-8となって十分小さく、こ
のとき全反射臨界角は全反射曲線の変曲点から求められ
ることが保証されている。従って、この二つの理由か
ら、屈折率の虚部は無視する。
【0017】そこで試料基板の屈折率を nb=1−δb …(9) とし、薄膜の屈折率を nt=1−δt …(10) とする。δb≧δtのとき、薄膜と試料基板との界面で
は、スネルの法則より、下記(11)式が成り立つ。
【数6】 但し、θは薄膜と試料基板との界面における屈折角であ
る。ここで、(11)式の左の等号から、 θt2=θ2+θt/b2 …(12) となる。但し、θt/bは薄膜と試料基板との界面での全
反射臨界角である。他方、(11)式の右の等号から、 θt/b2=2(δb−δt) …(13) となる。但し、(9)(10)の2式を用い、さらに、
通常の測定条件ではδ=l0-5〜l0-6となるので、δ
bおよびδtは十分小さく、2次以上の微小量を無視し
た。
【0018】図2において、回折強度曲線のピークを与
える視射角では、試料基板においてブラッグ条件が満足
されており、また、試料基板でのブラッグ条件は、薄膜
の有無に関わらず一定であるので、ブラッグピークにお
いては、 θ=θ′ …(14) といえる。従って、(3)(5)(12)(13)(1
4)の5式を用いて、 δt=δb±(1/2){(θo2−θo′2)−(θc2−θc′2)} …(15) (複号は、δb≦δtのとき+、δb>δtのとき−)とな
る。屈折率の実部の1からのずれは、試料基板について
下記(16)式で表される。
【数7】 但し、νbは試料基板を構成する結晶の単位胞の体積、
Zbjとfbj′は試料基板についてのZjとfj′である。
一方、薄膜については、薄膜の密度をρとすると、下記
(17)式で表される。
【数8】 ここで、nについての和は、薄膜を構成する原子の種類
について取る。NAはアボガドロ数、xnはn番目の原
子種の構成比、Mtnはn番目の原子種の原子量、Ztnと
ftn′は、それぞれn番目の原子種の原子番号と原子散
乱因子の異常分散項の実部である。
【0019】最終的に、(15)(16)(17)の3
式より、薄膜の密度ρは下記(1)式で表される。
【数1】 但し、複号は、θc≧θc′のとき+、θc<θc′のとき
−、となる。試料基板となる結晶については既に良く調
べられているものを利用するから、単位胞の体積や構成
する原子の種類や、その原子の単位胞中に占める数は既
知の数値を代入する。また、薄膜についても、構成原子
とその構成比が既知の値であり、(1)式中の物理量
は、測定で得られる角度の値以外は全て既知である。従
って、測定で得られたブラッグピークの角度と全反射臨
界角を(1)式に代入すれば、薄膜の密度を解析的に求
めることができる。
【0020】但し、測定で得られる角度を、厳密に視射
角0度を基準として測定するのは非常に困難なので、理
論的に求められる試料基板の全反射臨界角θc″で、密
度の計算の前に予め全ての測定値を補正しておく必要が
ある。理論的には、下記(18)式で表される。
【数9】 すなわち、(1)式において、 θc′→θc″、θc→θc+(θc″−θc′)、θo→θo+
(θc″−θc′)、θo′→θo′+(θc″−θc′) とそれぞれ変更する。
【0021】以上の説明で明らかなように、本発明の薄
膜の密度測定に使用する試料基板は、基板におけるX線
の回折現象を利用するので、必ず結晶でなければならな
い。さらに、その試料基板の結晶および薄膜の組成につ
いては既知でなければならない。但し、特別な場合に
は、薄膜の組成比が正確でなくとも、密度の値を求める
ことができる。例えば、シリコンウェハ上に形成したシ
リコン酸化膜を考える。酸化膜の平均した組成をSiO
xとする。SiおよびOの添字をシリコンと酸素に関わ
る量とすると、MSi=〜2ZSi、Mo=〜2Zoであり、
波長0.1nm前後ではfSi′=ZSi/70、fo′=
〜Zo/20である。よって、xの取り得る範囲0〜4
の間では、xの値がいくつであっても、3桁の有効数字
の範囲で算出される密度の値に影響はない。一般に、こ
のことは、原子量が原子番号の2倍で表せる軽元素から
なる薄膜で成り立つ。但し、この場合でも、薄膜を構成
する原子種は既知でなければならない。
【0022】また、試料上の測定位置を限定する場合、
薄膜を除去する前後で、同一試料上の同一の位置にX線
を照射して測定する必要があるが、試料基板の完全性が
十分広い範囲で保証されるならば、試料として、薄膜が
部分的に形成されたものを用い、薄膜の除去後の実験を
薄膜が形成されていない部分での測定に置き換えること
ができる。この方法を使えば、エピタキシャル膜のよう
に、試料基板から除去することが困難な試料についても
測定可能となる。なお、本実施の形態例では、X線源と
してシンクロトロン放射光を用いたが、実験室等で用い
られる金属ターゲットからの特性X線を利用することも
可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法によれ
ば、基板結晶の表面に薄膜を形成している試料と薄膜を
形成していない試料の全反射X線強度分布と回折X線強
度分布から求められるそれぞれの試料の全反射臨界角と
ブラッグピークとなる角度から、薄膜の密度を算出で
き、従来から用いられているフィッティングのような複
雑な手法を必要とせず、また、膜厚の如何に拘わらず求
めることができ、精度の高い値が得られる。本発明方法
は、同一の組成で形成条件を変えた複数の薄膜試料の膜
質を比較検討するのに適しており、また、シリコン酸化
膜やシリコン窒化膜などシリコンウェハ上の薄膜を対象
とすれば、シリコンデバイスの電気的特性(酸化膜耐圧
など)の改善に対する指針を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る薄膜の密度測定方法
の構成を示す概略図である。
【図2】本発明方法による全反射X線および回折X線の
強度特性を示す特性図である。
【図3】実施の形態例の試料基板における光学測定系を
説明する説明図である。
【図4】実施の形態例の薄膜と試料基板における光学測
定系を説明する説明図である。
【符号の説明】
1…X線、2…反射X線、3…回折X線、4…モノクロ
メータ、5,6,8…スリット、7,9…検出器、10
…試料。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を低角度で試料に入射し、該試料で
    反射および回折したX線を検出して、試料表面の薄膜の
    密度を求める薄膜の密度測定方法において、 前記X線を所定の入射角で該試料表面に入射し、 該入射X線に対して得られる回折X線より該試料のブラ
    ッグピークとなる角度θoと、 該入射X線に対して得られる反射X線より前記薄膜の全
    反射臨界角θcを求めると共に、 前記試料であって、試料表面に薄膜を有しない試料を作
    成し、 前記X線を所定の入射角で該試料表面に入射し、 該入射X線に対して得られる回折X線より該試料のブラ
    ッグピークとなる角度θo′と、 該入射X線に対して得られる反射X線より該試料の全反
    射臨界角θc′を求め、前記測定で得られた角度情報を
    用いて、前記試料表面の薄膜の密度ρを求める演算式に
    基づき、前記試料表面の薄膜の密度ρを算出することを
    特徴とする薄膜の密度測定方法。
  2. 【請求項2】 前記試料表面の薄膜の密度ρを求める演
    算式として、下記の(1)式を用いて前記試料表面の薄
    膜の密度ρを算出することを特徴とする請求項1記載の
    薄膜の密度測定方法。 【数1】 但し、(1)式において、複号は、θc≧θc′のとき
    +、θc<θc′のとき−、となる。また、λは前記X線
    の波長、reは古典電子半径、NAはアボガドロ数、xn
    は薄膜を構成するn番目の原子種の構成比、Mtnは薄膜
    を構成するn番目の原子種の原子量、Ztnとftn′は薄
    膜を構成するそれぞれn番目の原子種の原子番号と原子
    散乱因子の異常分散項の実部、νbは試料基板を構成す
    る結晶の単位胞の体積、Zbjとfbj′は試料基板を構成
    する結晶の単位胞中のj番目の原子の電子数(原子番
    号)と原子散乱因子の異常分散項の実部である。
JP9010507A 1997-01-23 1997-01-23 薄膜の密度測定方法 Pending JPH10206354A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9010507A JPH10206354A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 薄膜の密度測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9010507A JPH10206354A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 薄膜の密度測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10206354A true JPH10206354A (ja) 1998-08-07

Family

ID=11752137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9010507A Pending JPH10206354A (ja) 1997-01-23 1997-01-23 薄膜の密度測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10206354A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006091017A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Jordan Valley Applied Radiation Ltd 組み合わされたx線反射率計及び回折計
US8243878B2 (en) 2010-01-07 2012-08-14 Jordan Valley Semiconductors Ltd. High-resolution X-ray diffraction measurement with enhanced sensitivity
US8437450B2 (en) 2010-12-02 2013-05-07 Jordan Valley Semiconductors Ltd. Fast measurement of X-ray diffraction from tilted layers
DE102011009125B4 (de) * 2010-02-01 2013-08-22 P.N. Lebedev Physical Institute Of Russian Academy Of Sciences (Lpi) Röntgenspektrometer
US8693635B2 (en) 2010-07-13 2014-04-08 Jordan Valley Semiconductor Ltd. X-ray detector assembly with shield
US9726624B2 (en) 2014-06-18 2017-08-08 Bruker Jv Israel Ltd. Using multiple sources/detectors for high-throughput X-ray topography measurement

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006091017A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Jordan Valley Applied Radiation Ltd 組み合わされたx線反射率計及び回折計
US8243878B2 (en) 2010-01-07 2012-08-14 Jordan Valley Semiconductors Ltd. High-resolution X-ray diffraction measurement with enhanced sensitivity
DE102011009125B4 (de) * 2010-02-01 2013-08-22 P.N. Lebedev Physical Institute Of Russian Academy Of Sciences (Lpi) Röntgenspektrometer
US8693635B2 (en) 2010-07-13 2014-04-08 Jordan Valley Semiconductor Ltd. X-ray detector assembly with shield
US8437450B2 (en) 2010-12-02 2013-05-07 Jordan Valley Semiconductors Ltd. Fast measurement of X-ray diffraction from tilted layers
US9726624B2 (en) 2014-06-18 2017-08-08 Bruker Jv Israel Ltd. Using multiple sources/detectors for high-throughput X-ray topography measurement

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gonçalves et al. Fundamentals and applications of spectroscopic ellipsometry
US5740226A (en) Film thickness measuring and film forming method
US6512815B2 (en) Apparatus for analyzing samples using combined thermal wave and X-ray reflectance measurements
US20040265477A1 (en) Method for analyzing thin-film layer structure using spectroscopic ellipsometer
JP2002512441A (ja) 反射率スペクトル測定を用いた半導体の非破壊分析
JPH08184572A (ja) 全反射x線分析装置
JPH05661B2 (ja)
Aspnes Spectroscopic ellipsometry—A perspective
Yakshin et al. Determination of the layered structure in Mo/Si multilayers by grazing incidence X-ray reflectometry
TW201704729A (zh) 多重振盪器及光學散佈之連續科第-勞侖茲模型
US20060256916A1 (en) Combined ultra-fast x-ray and optical system for thin film measurements
JPH05121509A (ja) シリコン薄膜の結晶性評価方法
JP2004045369A (ja) 多結晶材料の配向性の評価方法
JP3994543B2 (ja) 薄膜の測定方法と薄膜の測定装置
JPH10206354A (ja) 薄膜の密度測定方法
JP2003243467A (ja) 偏光解析方法
Aspnes Interface ellipsometry: An overview
JP3781245B2 (ja) 半導体装置の製造方法
Kozhevnikov et al. Neutron resonances in planar waveguides
Gamsky et al. Infrared reflection absorption spectroscopy of photoresist films on silicon wafers: measuring film thickness and removing interference fringes
Edwards Status and prospects for VUV ellipsometry (applied to high k and low k materials)
Boher et al. Spectroscopic ellipsometry for Si (1− x) Gex characterization: comparison with other experimental techniques
JP3983093B2 (ja) 分光エリプソメータを用いた多結晶化合物半導体の組成決定方法
JP2004101235A (ja) 半導体の歪量を測定する装置及び方法、半導体の歪量分布を測定する装置及び方法、並びに半導体製造装置及び方法
JP2004093436A (ja) 分光エリプソメータを用いた薄膜多層構造の解析方法