JPH10202185A - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JPH10202185A
JPH10202185A JP1249997A JP1249997A JPH10202185A JP H10202185 A JPH10202185 A JP H10202185A JP 1249997 A JP1249997 A JP 1249997A JP 1249997 A JP1249997 A JP 1249997A JP H10202185 A JPH10202185 A JP H10202185A
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JP
Japan
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coating film
acid
melamine resin
ratio
film
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JP1249997A
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English (en)
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Takeshi Nomoto
健 野本
Katsuya Yamamoto
勝也 山本
Hideki Nakasuji
英樹 中筋
Takayuki Abiko
高之 安孫子
Nobuyuki Suzuki
信之 鈴木
Goro Nagao
五郎 長尾
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Nissan Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 下地隠蔽性、耐チッピング性、上塗り外観、
光沢などの中塗塗膜性能を損なわないで薄膜化してなる
塗膜形成方法を提供する。 【解決手段】 (1)素材に電着塗膜を形成する工程
(2)下記(a)〜(d)を主成分とする中塗塗膜を乾
燥膜厚で15〜25μm形成する工程、(a)ポリエス
テル樹脂(b)ブチル化メラミン/メチルブチル混合型
メラミン(c)エポキシ樹脂(d)顔料成分の二酸化チ
タン、硫酸バリウム(3)上塗塗膜を形成する工程を順
次経ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の中塗塗膜を
形成することにより、中塗塗膜が薄膜でも良好な塗膜性
能を得ることのできる塗膜形成方法に関する。そして、
本発明は、自動車車体の塗装に好適に提供できる塗膜形
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体の塗装工程は、基本的に
は、下塗り(電着塗装、前処理を含んでいても良い)、
中塗り、上塗りの3工程からなる。このうち、中塗り工
程で形成する中塗塗膜には、上塗塗膜を平滑にし、外観
の良好な塗膜とするための下地として機能し、電着塗膜
と上塗塗膜とを密着させ、上塗塗膜を通じて到達する紫
外線や水による塗膜の劣化に対する抵抗性が要求され
る。
【0003】こうした要求を満足させるものとしては、
例えば、特開昭63−218774号公報には、中塗塗
料組成物に固形分重量比で0.5〜20%の焼成カオリ
ンを含有させることにより、良好な耐チッピング性、電
着塗膜の隠蔽性および上塗り外観の向上が達成できると
するものである。
【0004】こうした中塗塗膜に特有の効果を具備させ
るには、中塗塗膜の乾燥膜厚を35〜40μmとする必
要があった。
【0005】同様に、特開平2−228382号公報に
は、(A)数平均分子量が500〜1500、水酸基価
が100〜200、酸価が5〜20のポリエステル樹脂
またはウレタン変性ポリエステル樹脂の1種以上からな
る固形分20〜50重量%の樹脂、(B)メチル/ブチ
ル混合アルキルエーテル化メチロールメラミンまたはブ
チルエーテル化メラミン樹脂の1種以上からなる固形分
中5〜30重量%の硬化剤、(C)平均粒子径0.6〜
2μmの硫酸バリウムを固形分中3〜20重量%を含
み、総量が固形分中25〜60重量%の顔料、とする上
記の樹脂(A)、硬化剤(B)および顔料(C)を主要
成分とすることを特徴とする中塗塗料組成物が開示され
ており、これにより、得られる中塗塗膜では優れた耐チ
ッピング性と良好な下地隠蔽性並びに上塗外観を併せて
付与することができるとするものである。
【0006】こうした中塗塗膜に特有の効果を具備させ
るにも、中塗塗膜の乾燥膜厚を35±5μmとする必要
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、従来、
中塗塗膜の乾燥膜厚は、30〜40μmを確保しないと
下地隠蔽性、耐チッピング性、上塗り外観、光沢などの
点で性能が得られなかったが、使用量の削減、VOC低
減、コスト低減の点より、塗膜性能を損なわないで薄膜
化が望まれており、本発明は、中塗塗膜の樹脂と顔料を
工夫することにより、こうした課題を解決したものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の目的
は、下記(1)〜(3)の工程を順次経ることを特徴と
する塗膜形成方法により達成される: (1)素材に電着塗膜を形成する工程、 (2)下記(a)〜(d)を主成分とする中塗塗膜を乾
燥膜厚で15〜25μm形成する工程、 (a)多塩基酸としてアジピン酸/イソフタル酸/ヘキ
サヒドロフタル酸=25〜35/50〜60/25〜5
(モル比)を含むポリエステル樹脂成分、 (b)ブチル化メラミン樹脂/(メチル/ブチル混合型
メラミン樹脂)=80〜65/20〜35(重量比)で
あるメラミン樹脂成分、 (c)エポキシ樹脂成分、 (d)下記(d−1)および(d−2)の条件を有する
顔料成分、(d−1)二酸化チタン/粒径の異なる2種
以上の硫酸バリウム=40〜75/60〜25(重量
比)(d−2)硫酸バリウムの平均粒径が小粒径のもの
/大粒径のものの混合比率が85〜50/15〜50
(重量比) 前記(a)/(b)=85〜65/15〜35(重量
比) 前記(c)/(a)=2〜5/100(重量比) 前記(d)/((a)+(b)+(c))=40〜10
0/100(重量比) (3)上塗塗膜を形成する工程。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の塗膜形成方法に関
し、各工程毎に詳細に説明する。
【0010】(1)素材に電着塗膜を形成する工程 まず、本発明に用いることのできる素材としては、特に
制限されるものでなく、鋼材、めっき鋼材、合金化めっ
き鋼材など、電着塗装可能な素材であれば良い。
【0011】次に、素材に電着塗膜を形成する工程で
は、上記素材に対して電着塗装を行うが、電着塗料とし
ては、アニオン型樹脂系、カチオン型樹脂系のものがい
ずれも使用できる。
【0012】電着塗料の主成分となる樹脂をその構造か
らみると、(i)乾性油またはポリブタジエンなどの液
状ゴム系、場合によりそれらをエポキシ化した樹脂を主
骨格とするもの、例えば、マレイン化油樹脂やマレイン
酸変性ポリブタジエン樹脂およびアミンエポキシ化ポリ
ブタジエン樹脂など、(ii)樹脂状ポリオールの脂肪酸
を主骨格とするもの、およびその変性誘導体、例えば、
エポキシ樹脂、エステル化樹脂など、(iii)アルキド樹
脂を主骨格とするもの、(iv)アクリル樹脂を主骨格と
する樹脂などがある。
【0013】上記した電着塗料用樹脂が酸性樹脂の場合
は、アンモニア、アミン、無機アルカリなどの塩基で中
和して、これを水に溶解または分散させるのが好まし
い。また、塩基性樹脂の場合は、酢酸、乳酸、ほう酸、
リン酸などの酸で中和して水に溶解または分散させるの
が好ましい。
【0014】電着塗料中には、さらに、架橋剤(例え
ば、メラミン樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物
等)、顔料、溶剤などの常用の原料を適宜配合すること
ができる。
【0015】電着塗膜は、通常、焼き付け後の膜厚が1
0〜40μmになるように設けるのが好ましい。電着塗
装におけるその他の条件は、従来の電着塗装工程におけ
る条件に準じて良い。
【0016】なお、この電着塗装の前には、通常の化成
処理を行うのが好ましい。
【0017】(2)下記(a)〜(d)を主成分とする
中塗塗膜を乾燥膜厚で15〜25μm形成する工程 (a)ポリエステル樹脂成分 本発明のポリエステル樹脂成分は、耐チッピング性と下
地の隠蔽並びに表面平滑性などの付与に機能する基本樹
脂成分であって、下記3種の酸成分を含む多塩基酸と多
価アルコールとの重合体または共重合体である。
【0018】このうち本発明では、多塩基酸として、ア
ジピン酸/イソフタル酸/ヘキサヒドロフタル酸=25
〜35/50〜60/25〜5(モル比)を含むことを
その特徴とするものである。
【0019】上記3種の酸成分の比率が上記範囲を外れ
ると柔軟性、可撓性が不十分となり薄膜(15〜25μ
m)での耐チッピング性が得られない。
【0020】なお、その他の多塩基酸も用いることがで
きるが、上記3種の酸成分は多塩基酸の90モル%以上
であることが好ましい。上記3種以外の多塩基酸として
は、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット
酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメ
リット酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、コハク酸、無水コハク酸、乳酸、ドデセニルコハク
酸、ドデセニル無水コハク酸、シクロヘキサン−1,4
−ジカルボン酸および無水エンド酸などが挙げられる。
【0021】また、多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
ブチレンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレ
ングリコールなどのグリコール類、水素化ビスフェノー
ルA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル、
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトールおよび2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒ
ドロキシプロピオネート(以下、単にHPNとも称す)
などが適宜使用できるものであり、1種または2種以上
を適当に用いることができる。
【0022】また、上記多塩基酸と多価アルコールとの
重合体または共重合体である本発明のポリエステル樹脂
成分は、数平均分子量が1000〜3000、好ましく
は1000〜2500であり、酸価が5〜25、好まし
くは5〜15であり、水酸価が50〜150、好ましく
は80〜120である。数平均分子量が1000未満の
場合には、耐チッピング等の物性が劣化する一方、30
00を超える場合には、下地の隠蔽機能が後退して良好
な表面平滑性を得ることが困難となる。また、酸価が5
未満の場合には、硬化性が不良となり、25を超える場
合には、耐水性が後退する。さらに、水酸基価が50未
満の場合には、硬化性が不良となり、150を超える場
合には、弾性が低下して耐チッピング性が劣化する傾向
を招く。
【0023】(b)メラミン樹脂成分 本発明のメラミン樹脂成分は、得られる塗膜に適正な硬
度、耐チッピング性、表面平滑性等の十分な塗膜性能を
付与するための硬化剤的な役割を果たすものとして用い
られるものである。
【0024】本発明では上記メラミン樹脂成分が、ブチ
ル化メラミン樹脂/(メチル/ブチル混合型メラミン樹
脂)=80〜65/20〜35(重量比)の構成比率に
調節することをその特徴とするものである。上記メラミ
ン樹脂の両成分の構成比率が80/20を越えると外観
不良を生じやすく、他方、65/35未満の場合には、
低温硬化性が不良となるため好ましくない。
【0025】このうち、上記ブチル化メラミン樹脂とし
ては、メラミン核1個当たり、平均3〜5個の結合ホル
ムアルデヒドを有することが好ましい。平均3個未満で
は、樹脂に濁りが生じ、平均5個を越えると硬化性が劣
る。また、該ブチル化メラミン樹脂は、メラミン核1個
当たりブチルエーテル基を平均1〜3個有する。平均1
個未満では塗膜が脆くなり、平均3個を越えると硬化性
が劣る。
【0026】本発明における上記ブチル化メラミン樹脂
は、例えば、メラミン1モルとブチルアルコール8〜1
2モル、ホルムアルデヒド3〜6モルを塩基性触媒の存
在下で75℃、15分間付加反応を行い、シュウ酸など
の酸性触媒を用い、酸性下で50〜75℃、1〜10時
間ブチルエーテル化を行い、その後、再び塩基性触媒を
用い、アルカリ性下で、減圧濃縮をして得ることができ
る。
【0027】一方、上記メチル/ブチル混合型メラミン
樹脂としては、メラミン核1個当たり平均5個未満の結
合ホルムアルデヒド、平均1.0〜3.5個のメチルエ
ーテル基、平均0.5〜3.0個のブチルエーテル基、
平均0.5〜3.0個のイミノ基、平均0.5個未満の
メチロール基を有し、かつメラミン核の平均重合度が
1.5〜3.5のメチル/ブチル混合型メラミン樹脂が
効果的に使用される。この理由は、該メチル/ブチル混
合型メラミン樹脂による硬化剤成分が低縮合度であるた
めハイソリッド化を向上させ、反応開始速度が遅いにも
拘わらず自己縮合率が低く塗膜性能に優れていること、
反応開始速度が遅いため加熱時のフロー度合いが大きく
なり表面平滑性を高めることなどによる。
【0028】(c)エポキシ樹脂成分 本発明では、中塗塗膜中にエポキシ樹脂成分を含有する
構成とすることで付着性を付与することができ、これに
より耐チッピング性の向上が図られることから、耐チッ
ピング性の向上を図るべくエポキシ樹脂成分を必須成分
としたものである。
【0029】上記エポキシ樹脂成分としては、特に制限
されるものでなく、従来の自動車車体の中塗塗膜に用い
られている従来既知のエポキシ樹脂を適宜利用すること
ができるものであり、例えば、エピクロルヒドリン・ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂、β−メチルエピクロ型エポキシ樹脂、ハロゲン化
ビスフェノール型(臭素化ビスフェノール型、塩素化ビ
スフェノール型)エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、環状脂肪族型(環状オキシラン型、グリシ
ジルエーテル型、グリシジルエステル型など)エポキシ
樹脂、非環状脂肪族型(ポリグリコールエーテル型、グ
リコールエーテル型、エポキシ化ポリブタジエンなどの
脂肪族不飽和化合物のエポキシ化型など)エポキシ樹
脂、エポキシ化脂肪酸エステル(エポキシ化大豆油など
のエポキシ化天然油脂)、多価カルボン酸エステル型エ
ポキシ樹脂、アミノグリシジル型エポキシ樹脂、レゾル
シン型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルエタン
型エポキシ樹脂およびポリオレフィン型エポキシ樹脂な
どが挙げられる。
【0030】(d)顔料成分 本発明の顔料成分では、主に塗膜の着色による下地隠蔽
性を付与し、電着肌の粗面を穴埋めして平滑面に矯正す
べく、下記(d−1)および(d−2)の条件を満たす
顔料成分を用いることにその特徴を有する。
【0031】まず、(d−1)の条件としては、二酸化
チタン/粒径の異なる2種以上の硫酸バリウム=40〜
75/60〜25(重量比)とすることである。上記成
分の構成比率が75/25を越えると、下地隠蔽性が不
良となり、一方、40/60未満の場合には、外観不良
となるため好ましくない。
【0032】次に、(d−2)の条件としては、異なる
硫酸バリウムの平均粒径が小粒径のもの、好ましくは平
均粒径0.3±0.2μmのもの/大粒径のもの、好ま
しくは平均粒径1±0.4μmのものの混合比率が85
〜50/15〜50(重量比)とすることである。該成
分の構成比率が、85/15を越えると、耐チッピング
性が不良となり、一方、50/50未満の場合には、外
観不良となるため好ましくない。
【0033】本発明では、十分な中塗塗膜性能を付与す
るために、さらに上述した(a)〜(d)の各成分間で
以下に挙げる3つの要件を全て満たす必要がある。
【0034】(i)上記(a)のポリエステル樹脂成分
/上記(b)のメラミン樹脂成分=85〜65/15〜
35(重量比)である。これら(a)と(b)の両成分
の構成比率が85/15を越えると、硬化不足となり、
他方、65/35未満の場合には、塗料の貯蔵安定性不
良となるため好ましくない。
【0035】(ii)上記(c)のエポキシ樹脂成分/上
記(a)のポリエステル樹脂成分=2〜5/100(重
量比)である。これら(c)と(a)の両成分の構成比
率が2/100未満の場合には、エポキシ樹脂による作
用効果が十分でなく、耐チッピング性不良を生じ、他
方、5/100を越える場合には、外観不良となるなど
好ましくない。
【0036】(iii)前記(d)の顔料成分/((a)+
(b)+(c))=40〜100/100(重量比)で
ある。該成分の構成比率が、40/100未満の場合に
は、耐チッピング性が不良となり、一方、100/10
0を越えると、外観不良となるため好ましくない。
【0037】上述した(a)〜(d)を主成分とする中
塗塗膜を得るための中塗塗料を得るためには、中塗塗料
組成物を適宜溶剤に溶解して所望の中塗塗料を調整する
ものであることから、該中塗塗料組成物の各成分を良好
に分散、混合する必要がある。それには、通常、塗料の
製造に用いられているペイントシェーカー、ディゾルバ
ー、ボールミル、サンドグラインドミルなどの混合・分
散装置を用いることができる。これら装置を用いて、塗
装適性粘度となるよう溶剤を用いて希釈し、噴霧、塗布
などの方法により塗装する。この際の粘度は、フォード
カップ#4で10〜30秒/20℃に調製される。
【0038】また、塗装機としては、霧化式塗装機を用
いるのが好ましく、例えば、エアースプレー、エアレス
スプレーおよび各種静電塗装機などが挙げられる。
【0039】(3)上塗塗膜を形成する工程 中塗塗膜上に上塗塗膜を形成するが、そのための上塗塗
料としては、従来の自動車車体に用いる上塗塗料を用い
ることができる。
【0040】上塗塗膜としては、(i)光輝剤、必要に
応じて着色顔料含有塗膜または(ii)光輝剤を含有しな
い着色顔料含有ソリッド塗膜による形成が行われる。上
記(i)または(ii)の塗膜を形成する方法とも、上記
中塗塗膜形成後に1コート1ベーク方式により形成する
仕上げ方法がとられるほか、さらに(iii)光輝剤および
/または着色顔料をほとんど含有しないクリヤー塗膜を
上記(i)または(ii)の塗膜上に少なくとも1層を2
コート2ベーク、2コート1ベーク、3コート3ベー
ク、3コート2ベーク、3コート1ベークなどで形成す
る仕上げ方法により行われる。
【0041】上塗塗膜に用いる樹脂としては、[アクリ
ル樹脂および/またはポリエステル樹脂および/または
フッ素樹脂]/[メラミン樹脂および/または(ブロッ
ク)ポリイソシアネート化合物]を用い、着色顔料とし
ては、有機および/または無機着色顔料を用い、光輝剤
としては、アルミフレークなどの各種金属箔、パールマ
イカなどの各種マイカ顔料などを用いることができる。
【0042】上塗塗料の形態としては、有機溶剤型、水
系型、粉体型のいずれであっても良い。
【0043】上塗塗膜の乾燥膜厚は、上記(i)の光輝
剤、必要に応じて着色顔料含有塗膜または上記(ii)の
ソリッド塗膜が10〜40μm、上記(iii)のクリヤー
塗膜が20〜60μmである。
【0044】
【作用】中塗塗膜を構成する主成分を所望の塗膜性能を
すべて発揮し得るように最適化することにより、以下の
(1)〜(3)に示す作用を発現することができるもの
である。
【0045】(1)特定の多塩基酸を用いたポリエステ
ル樹脂成分とエポキシ樹脂成分により付着性が向上し、
耐チッピング性が得られる。
【0046】(2)顔料成分の特定組成により、下地隠
蔽性と塗膜の平滑性が付与される。
【0047】(3)メラミン樹脂成分をブチル化メラミ
ン樹脂とメチル/ブチル混合型メラミン樹脂とを用いる
ことにより塗膜の平滑性が得られる。
【0048】
【実施例】
実施例1 300mm×300mm×0.8mmの寸法を有する梨
地鋼板(SPC−1鋼板)をリン酸亜鉛処理し、カチオ
ン電着塗料(「パワートップ U−600M」日本ペイ
ント株式会社製)により250ボルトで3分間電着塗装
し、水洗、水切り、乾燥後170℃で30分間焼き付け
を行い、膜厚20μmの電着塗膜を形成した。
【0049】中塗塗料としては、所望の構成成分を有す
る中塗塗膜を形成することができるように、各成分(表
1に示すポリエステル樹脂成分を含む)を表2に示す配
合割合(重量%)で調製したものを用いた。シンナーに
より中塗塗料のフォードカップ#4の粘度を24秒に調
製した。
【0050】岩田塗装機工業株式会社製のワイダー−S
A−61塗装用スプレーガンを用いて、表2に示すよう
に、中塗塗膜の乾燥膜厚が20、25および35μmと
なるようにそれぞれ中塗塗装を行った。塗装後、140
℃で20分間焼き付けを行い、中塗塗膜の乾燥膜厚が2
0、25および35μmのものを得た。ここで得られた
各試料について平滑性を評価した。それぞれの結果を表
2に示す。
【0051】次に、ポリエステル樹脂系上塗塗料とし
て、オルガG−75 ホワイト(日本ペイント株式会社
製)を乾燥膜厚が40μmとなるようにそれぞれの中塗
塗膜の乾燥膜厚を有する試料に塗布し、140℃で20
分間焼き付けを行った。得られた各試料についてチッピ
ング性を評価した。結果を表2に示す。
【0052】実施例2〜10および比較例1〜7 実施例1の中塗塗料に代えて、各成分(表1に示すポリ
エステル樹脂成分を含む)をそれぞれ表2または表3に
示す配合割合(重量%)で調製したものを用いた以外
は、実施例1と同様にして素材の梨地鋼板にリン酸亜鉛
処理し、電着塗膜、中塗塗膜(乾燥膜厚が20、25お
よび35μmのもの)、上塗塗膜を形成した。
【0053】中塗塗膜を形成し得られた各試料について
平滑性を評価し、上塗塗膜を形成し得られた各試料につ
いてチッピング性を評価した。それぞれの結果を表2お
よび表3に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】上記表2および表3中のチッピング性は、
ダイヤモンドショット法により、ショットスピード;1
30km/h、ダイヤモンド重量;8〜10mg、温
度;−20℃とする試験条件下で行い、その結果、剥離
の有無により、次のように評価した。 表中の○印…剥離なし、 表中の×印…剥離あり。 また、上記表2および表3中の平滑性は、素材の梨地鋼
板にリン酸亜鉛処理し、電着塗膜、中塗塗膜を形成し得
られた各試料について、当該中塗塗膜での評価をPGd
計(日本色研)により測定した値を示した。当該測定値
が大きいほど平滑性は良好である。さらに、上記表2お
よび表3中の各成分は以下のものを使用した。 ブチル化メラミン樹脂;ユーバン20N60(三井東圧
化学株式会社製) メチル/ブチル混合型メラミン樹脂;サイメル202
(三井サイアナミット株式会社製) エポキシ樹脂;YD011(東都化学株式会社製) 0.3μm硫酸バリウム;バリエースB−30(堺化学
株式会社製) 1μm硫酸バリウム;バリエースB−54(堺化学株式
会社製)
【0058】
【発明の効果】従来の塗膜形成方法により所期の塗膜性
能を発現するようにして形成された中塗塗膜では、少な
くとも30〜40μmの膜厚を必要とした。本発明の塗
膜形成方法により形成される中塗塗膜では、15〜25
μmの膜厚で中塗塗膜として十分な耐チッピング性、平
滑性および下地隠蔽性を確保できるため、使用量の削
減、VOC低減、コスト低減に寄与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 161/28 C09D 161/28 163/00 163/00 167/03 167/03 (72)発明者 中筋 英樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 安孫子 高之 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 鈴木 信之 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 長尾 五郎 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(3)の工程を順次経るこ
    とを特徴とする塗膜形成方法: (1)素材に電着塗膜を形成する工程、 (2)下記(a)〜(d)を主成分とする中塗塗膜を乾
    燥膜厚で15〜25μm形成する工程、 (a)多塩基酸としてアジピン酸/イソフタル酸/ヘキ
    サヒドロフタル酸=25〜35/50〜60/25〜5
    (モル比)を含むポリエステル樹脂成分、 (b)ブチル化メラミン樹脂/(メチル/ブチル混合型
    メラミン樹脂)=80〜65/20〜35(重量比)で
    あるメラミン樹脂成分、 (c)エポキシ樹脂成分、 (d)下記(d−1)および(d−2)の条件を有する
    顔料成分、(d−1)二酸化チタン/粒径の異なる2種
    以上の硫酸バリウム=40〜75/60〜25(重量
    比)(d−2)硫酸バリウムの平均粒径が小粒径のもの
    /大粒径のものの混合比率が85〜50/15〜50
    (重量比) 前記(a)/(b)=85〜65/15〜35(重量
    比) 前記(c)/(a)=2〜5/100(重量比) 前記(d)/((a)+(b)+(c))=40〜10
    0/100(重量比) (3)上塗塗膜を形成する工程。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004314050A (ja) * 2003-04-03 2004-11-11 Honda Motor Co Ltd アルミ自動車車体の塗膜形成方法
WO2005037941A3 (en) * 2003-10-17 2005-12-29 Du Pont Improved chip resistant primer composition useful for producing two-tone finishes
JP2013053259A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリエステル樹脂組成物及び成形体

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