JPH10201819A - 医療用複室容器 - Google Patents

医療用複室容器

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JPH10201819A
JPH10201819A JP9009238A JP923897A JPH10201819A JP H10201819 A JPH10201819 A JP H10201819A JP 9009238 A JP9009238 A JP 9009238A JP 923897 A JP923897 A JP 923897A JP H10201819 A JPH10201819 A JP H10201819A
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JP
Japan
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polystyrene
component
bag
resin
ethylene
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JP9009238A
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English (en)
Inventor
Fujio Inoue
冨士夫 井上
Masamitsu Izumi
雅満 泉
Ryuichi Tokunaga
隆一 徳永
Osamu Nakao
修 中尾
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Otsuka Pharmaceutical Factory Inc
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Factory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性,低温強度イージーピールシール性,耐ブ
ロッキング性及び剥離開封時の安全性のいずれもを満足
し得る高品質,高性能の複室容器を提供する。 【解決手段】少なくとも薬剤に直接接触する側の層が、
A成分、B成分及びC成分との樹脂混合物から構成さ
れ、A成分がポリプロピレン系樹脂、B成分がポリスチ
レン系樹脂、C成分がA成分,B成分及びエラストマー
を除く他の熱可塑性樹脂であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医療用複室容器、詳
しくは同時に配合すると経時変化を起こすような不安定
な各種薬剤(液剤、粉末剤もしくは固形剤)を個別に収
容する複数の室を備え、各室間を仕切っている弱シール
部を剥離開封することにより、各室内に収容されている
薬剤を無菌状態で且つ異物を発生させることなしに混合
できる医療用複室容器に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品に於いて、加水分解や配合変化に
より使用直前まで溶解乃至混合できない固体又は液体状
の薬剤が多く、そのため、使用直前に固体の場合には溶
解液を注入し溶解して薬液を調製したり、液体の場合に
は連結管や注射筒を用いて混合調製し調剤されることが
多かった。これらの調剤作業には無菌の担保や異物の混
入を避けるための器具、設備、環境の整備に多くの投資
と維持費用が必要であり、医療機関には大きな負担とな
っていた。
【0003】一方、これらの問題を解決するために、所
謂「キット製品」が知られている。
【0004】それらキット製品の中で2種以上の薬剤の
用時調製に関連したもので欧米を含め市場で知られてい
るものは次の通りである。
【0005】(1)1つのポリ塩化ビニル製容器を熱シ
ールで仕切り、2室の接する部分の中央部に中空のピン
部分を設け、使用直前にピンを折ることにより用時調製
を可能としたもの。
【0006】(2)熱可塑性プラスチック容器を金属又
は金属と熱可塑性エラストマー等を用いたクランプで外
側から挟むことで複室を形成したもの。
【0007】(3)溶解液容器に溶解連結に用いる用具
を予め装着したキット製品や2種類の薬剤が別々に収容
されているもの。
【0008】(4)2つの容器間に用時連通可能な用具
が2つの容器を繋ぐように接続装着されたもの。
【0009】(5)ポリエチレンとポリプロピレンとの
樹脂混合物から構成した層を有するプラスチック容器に
剥離可能に熱シールを施し複室容器を形成したもの。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の(1)乃至
(5)の製品の中で、(1)は容器素材からの溶出物
(特に可塑剤)の問題があり、(2)は製造時或いは輸
送・保管時での仕切の担保に於いて問題があり、
(3),(4)は無菌の担保の安全性と異物に於いて危
惧がある。
【0011】而して、これら製品の中では、一応、
(5)の製品が品質的に最も優れているが、耐熱性(高
圧蒸気滅菌)と低温強度に於いて充分な品質,性能を備
えているとは言えなかった。例えば121℃・20分に
代表されるF0=20以上の高圧蒸気滅菌を行う場合に
温度保証のために、品温は123℃以上となり、滅菌後
の強度が幾分低下することがあった。そのような時に、
内容物の重量が300g以上で120cm付近の高さから
落下した場合に容器のシール部が切れることがある。ま
た、0℃付近の温度で保存されたとき、やはり120cm
付近の高さから落下した場合に容器のシール部が切れる
ことがあった。
【0012】このような容器強度面の解決策としてポリ
プロピレン系樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーと
の樹脂混合物を用いた複室容器(例えば特開平8−22
9100号公報参照)が提案されている。この複室容器
によれば、耐熱性及び低温強度面の問題点は無くなるか
もしれないが、次の点で尚解決しなければならない多く
の問題点を有していた。
【0013】イ 剥離可能な所謂弱シール部と実質的に
剥離できない所謂強シール部を形成するとき、両者の間
にはヒートシール温度としてせいぜい2℃程度の温度差
しかとれず、金型は通常2℃程度の温度誤差を生ずるこ
とを考慮すると弱シール部形成時の温度並びに圧力制御
が極めて難しくなり、いわゆるイージピールシール性を
備えておらず、工業的生産に適さない。
【0014】ロ フィルム同士の付着力が強く、ブロッ
キングを生じやすい。尚、ブロッキングは容器の生産性
を低下させ、且つまた薬剤充填後に行われるヒートシー
ル時に、液噛み等によるシール不良を発生させる原因に
なり、好ましくない。
【0015】ハ 弱シール部の剥離開封時にヒゲを発生
しやすく、輸液中にヒゲが異物として混入する危険性が
あり、剥離開封時の安全性に欠ける。
【0016】本発明は、上記従来の問題点を一掃するこ
とを目的としてなされたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記従来の
問題点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、複室容器
の少なくとも薬剤と直接接触する側の層が、ポリプロピ
レン系樹脂及びスチレン系樹脂の2成分に加え、これら
2成分及びエラストマーを除く他の熱可塑性樹脂を第3
成分として含んでいるときは、耐熱性及び低温強度の問
題点はもとより上記イ〜ハの問題点をも悉く解消し得る
ことを見出し、茲に本発明を完成し得るに至ったもので
ある。
【0018】即ち、本発明は、少なくとも薬剤に直接接
触する側の層が、A成分、B成分及びC成分との樹脂混
合物から構成され、A成分がポリプロピレン系樹脂、B
成分がポリスチレン系樹脂、C成分がA成分,B成分及
びエラストマーを除く他の熱可塑性樹脂であることを特
徴とする医療用複室容器に係る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態を添付
図面に基づき説明すると次の通りである。
【0020】図1は本発明複室容器、図2は図1の2〜
2線に沿う拡大断面図を示している。
【0021】本発明複室容器1は従来品と同様に周縁部
が強シール部2によりシールされ、内部は弱シール部3
により2つの室4,5に仕切られ、用事に弱シール部3
を剥離開封することにより室4,5内を相連通し得るよ
うになっている。
【0022】複室容器1は図2に示すように単層フィル
ム6から構成される場合と、図3に示すように多層フィ
ルム7から構成される場合とがあり、収納薬剤aと直接
接触する側の層、即ち、図2タイプでは単層フィルム6
全体が、また図3タイプでは内層7aが下記に詳述する
A,B及びCの3成分からなる樹脂混合物から構成され
ている。
【0023】上記樹脂混合物中、A成分はポリプロピレ
ン系樹脂(非晶性を含む)であり、プロピレンのホモポ
リマー、ランダム共重合体及びブロック共重合体のいず
れであってもよく、共重合体としてはプロピレンとエチ
レン又は1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの
α−オレフィンとの共重合体を例示できる。
【0024】ポリプロピレン系樹脂の密度、MI及び融
点は特に制限されないが、密度:0.850〜0.91
0g/cm3、MI=0.2〜30g/10分(190
℃)、融点:107〜162℃程度のものが適当であ
る。
【0025】また、B成分はスチレン系樹脂であり、特
に常温で弾性に富むブロック共重合体が適当であり、以
下に例示のブロック共重合体群の内から選択される。
尚、下記共重合体に於いて、共重合体中に占めるスチレ
ンの割合は、5〜70重量%、特に10〜65重量%程
度が適当である。
【0026】スチレン系樹脂(ブロック共重合体):ポ
リスチレン−ビニルポリイソプレン、ポリスチレン−水
素添加ビニルポリイソプレン、ポリスチレン−ビニルポ
リイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−水素添加
ビニルポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−
エチレンブテン、ポリスチレン−エチレンブテン−ポリ
スチレン、ポリスチレン−エチレンプロピレン、ポリス
チレン−エチレンプロピレン−ポリスチレン、ポリスチ
レン−プロピレンブテン、ポリスチレン−プロピレンブ
テン−ポリスチレン、水素添加ポリスチレン−ブタジエ
ン、水素添加ポリスチレン−ブタジエン−水素添加ポリ
スチレン、ポリスチレン−エチレンブチレン、ポリスチ
レン−エチレンブチレン−ポリスチレン、ポリスチレン
−エチレンブチレン−ポリエチレン、ポリスチレン−エ
チレンブチレン−ポリプロピレン、ポリスチレン−エチ
レンプロピレン−ポリエチレン、ポリスチレン−エチレ
ンプロピレン−ポリプロピレン、ポリスチレン−エチレ
ンブテン−ポリエチレン、ポリスチレン−エチレンブテ
ン−ポリプロピレン、ポリスチレン−プロピレンブテン
−ポリエチレン、ポリスチレン−プロピレンブテン−ポ
リプロピレン。
【0027】またC成分は上記A成分,B成分及びエラ
ストマーを除く他の熱可塑性樹脂であり、好ましい樹脂
として、ポリエチレン、ポリブテン1(ポリブチレ
ン)、ポリ−4−メチルペンテン1(メチルペンテン樹
脂)、環状炭化水素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−アクリレート、エチレン−メタクリル酸共重合体を
例示でき、これら樹脂群の内から選択すればよい。
【0028】A,B及びCの3成分からなる樹脂混合物
に於いて、A成分であるポリプロピレン系樹脂は主とし
て、複室容器として必要な透明性、柔軟性、耐衝撃性と
更にヒートシール性を得るためのものであり、全重量の
少なくとも25重量%を占めていることが必要であり、
通常は25〜90重量%の範囲内から適宜選択される。
【0029】またB成分であるスチレン系樹脂は主とし
て複室容器の耐熱性及び低温強度の向上を計るためのも
のであり、少なくとも5重量%、より好ましくは少なく
とも20重量%が必要であるが、その占める割合があま
り大きくなりすぎると成形性に悪影響を与える恐れがあ
るので最大でも70重量%に止めるべきであり、通常は
5〜70重量%の範囲内から適宜選択される。
【0030】またC成分は主として、従来技術として述
べた問題点イ〜ハを解消するためのものであり、少なく
とも5重量%、より好ましくは少なくとも20重量%が
必要であるが、その占める割合が余り大きくなりすぎる
と複室容器としての透明性、柔軟性、耐衝撃性に悪影響
を与える恐れがあるので、通常は5〜50重量%の範囲
内から適宜選択される。
【0031】図3タイプの複室容器に於いては、多層フ
ィルム7の内、収納薬剤aと直接接触する内層7aは上
記3成分の樹脂混合物から構成されていることが必要で
あるが、外層7b側を構成する樹脂は複室容器として望
まれる物性を備えている限り特に制限されない。外層7
b側を構成する好ましい樹脂として、例えば、A成分2
5〜90重量%、B成分0〜70重量%及びC成分0〜
30重量%の割合で含む樹脂混合物を例示できる。
【0032】本発明によれば、複室容器の内、収納薬剤
aと直接接触する側の層例えば図2タイプでは単層フィ
ルム6を、また図3タイプでは多層フィルム7のうち内
層7aを上記の3成分樹脂混合物から構成したので、耐
熱性及び低温強度はもとよりイージーピールシール性、
耐ブロッキング性、剥離開封時の安全性のいずれもを満
足し得る複室容器を提供できる。。
【0033】本発明に於いて、耐熱性並びに低温強度の
向上には、主としてB成分であるスチレン系樹脂が寄与
し、また従来技術の問題点イ〜ハの解消にはC成分であ
るA,B成分以外の熱可塑性樹脂が寄与しているものと
考えられる。
【0034】因みに、収容薬剤と直接接触する側の層を
上記の3成分樹脂混合物から構成するときは、強シール
部と弱シール部の形成時に、両者の間にヒートシール温
度として20〜30℃程度の温度差を取ることが可能に
なる。この温度差の拡大により、弱シール形成時の温度
並びに圧力制御が容易になり、いわゆるイージーピール
シール性が得られる。
【0035】また、弱シール部の剥離開封時にヒゲが発
生することが無くなり、輸液時に異物が混入する恐れが
無くなる。これは、弱シール部のシール強度が均一化
し、これによりヒゲの発生を防止できるものと考えられ
る。因みに、上記A成分とB成分との2成分樹脂混合物
からフィルムを成形するときは、A,B両成分の相溶性
は樹脂の種類にもよるが通常あまり良くないので、均質
なフィルムを成形することが難しくシール強度にばらつ
きを発生させる原因になるが、このA,B2成分にC成
分を加えるときはC成分の働きで、A,B及びCの3成
分が均一に混合された均質なフィルムを成形することが
可能となり、その結果、弱シール部のシール強度が各部
均一となり、剥離開封をヒゲの発生なしに行い得るもの
と推定される。
【0036】以下に本発明の実施例及び実験例を上げ、
対照例1,2と比較すると次の通りである。
【0037】
【実施例】
「実施例1」高密度ポリエチレン〔商品名:ネオゼック
ス、三井石油化学工業(株)製、密度:0.960g/
cm3、MI=15(190℃)〕(以下、HDPE−
1とする)、ポリプロピレン〔商品名:ハイポール、グ
ランドポリマー(株)製、密度:0.910g/c
3、MI=4(190℃、以下省略)〕(以下、PP
−1とする)及びスチレン系エラストマー〔商品名:ハ
イブラー、(株)クラレ製、密度:0.940g/cm
3、MI=0.7〕(以下、SE−1とする)の3種類
の樹脂を重量比3:6:1で混合して得られた樹脂混合
物をTダイ法(温度160〜180℃)で幅480mm、
厚さ184μmの単層フィルムとした。このフィルムを
引き取り方向にそれぞれ約1100mmの長さにカットし
た。このフィルムを長さ500mmの袋を作るようにフィ
ルムの引き取り方向に垂直の折り目を付け二つ折りし、
シール幅10mmとなるように上下の金型を温度条件17
5〜190℃で折った部分を含め、三箇所をヒートシー
ルした。これによって、三方向が溶着した外寸横方向4
50mm、縦方向500mmの袋(バッグ)を作った。そし
て、折り返し溶着部分に密度0.910g/cm3のポ
リプロピレンで作製したポート部を熱溶着した。尚、バ
ッグの開口部はそのままとし、このバッグのポート溶着
基部より200mmの部分に、幅20mmの弱シール部(以
下、EPSとする)を温度条件145〜155℃でバッ
グを二分するように設けた。EPS部分をゴムパッド付
金型で押さえながら、バッグ開口部より注射用水を50
0ml充填し、その後、該開口部を180〜190℃で熱
シールした。そして、EPS部分をゴムパッド付き金型
で押さえながら、ポート部より注射用水400mlを充填
し、日本薬局方(第13改正)に合格したゴム栓をはめ
込んだポリプロピレン製キャップ(密度0.910g/
cm3)を熱溶着した。このバッグを121℃・20分
の高圧蒸気滅菌後24時間室温に放置して、以下の実験
1、2に共し、製造したバッグの適格性を判定した。そ
の結果、下表1〜3から明らかなように、本条件で製造
したEPS付きバッグの性能が十分実用に耐え得る性能
を有していることが明らかとなった。
【0038】「実施例2」3種3層水冷インフレーショ
ンフィルム成型機にて次の単層フィルムを成膜した。押
し出し機3台共に同じ樹脂混合物を入れた。樹脂混合物
の組成は、直鎖状低密度ポリエチレン〔商品名:ウルト
ゼックス、三井石油化学工業(株)製、密度:0.94
0g/cm3、MI=2(190℃)〕(以下、L−L
DPE−1とする)、ポリプロピレン〔商品名:ハイポ
ール、グランドポリマー(株)製、密度:0.910g
/cm3、MI=6〕(以下、PP−2とする)及びS
E−1を重量比で3:5:2とした。押し出し機の温度
設定は140〜180℃、金型温度は160〜230
℃、フィルム引き取り速度は7〜9分で成型した。フィ
ルムの厚みは200μm、折り径は330mmであった。
このフィルムを用い、シール幅10mmとなるように上下
の金型を温度条件175〜190℃で折った部分を含
め、三箇所をヒートシールした。これによって、三方向
が溶着した外寸横方向300mm、縦方向450mmの袋
(バッグ)を作製した。そしてバッグの折り返し溶着部
に実施例1に準じポート部を熱溶着した。なお、バッグ
の開口部はそのままとし、このバッグのポート部溶着基
部より200mmの部分に、幅10mmのEPSを温度条件
140〜155℃でバッグを二分するように設けた。E
PS部分をゴムパッド付き金型で押さえながら、バッグ
開口部より注射用水を400mm充填し、その後、該開口
部を170〜190℃で熱シールした。そして、EPS
部分をゴムパッド付き金型で押さえながらポート部より
注射用水400ml充填し、その後、ポート部に実施例1
に準じポリプロピレン製キャップを熱溶着した。このバ
ッグを実施例1と同じ条件で以下の実験1、2に共した
ところ、この実施例2もまた下記の表1〜3に示すよう
に実用に十分耐え得る性能を有していた。
【0039】「実施例3」3種3層水冷インフレーショ
ンフィルム成型機にて次の3層フィルムを成膜した。最
内層の樹脂混合物の組成は、HDPE−1、PP−1及
びSE−1を重量比で3:6:1とした。中間層の樹脂
混合物の組成は、ポリプロピレン(商品名:ハイポー
ル、グランドポリマー(株)製、密度:0.910g/
cm3、MI=8)(以下PP−3とする)とSE−1
とを重量比で5:5とした。最外層の樹脂混合物の組成
は、PP−2とSE−1を重量比で7:3とした。押し
出し機の温度設定は150℃〜190℃、金型温度は1
70℃〜250℃、フィルム引取り速度は7〜10m/
分で成型した。フィルムの厚みは200μm、折り径は
330mmであった。このインフレーションフィルムを
用いて、シール幅10mmとなるように上下の金型を温
度条件175℃〜190℃で三箇所をヒートシールし、
外寸で横方向300mm、縦方向450mmの袋(バッ
グ)を作製した。そして、折り返し溶着部に実施例1に
準じポート部を熱溶着した。なお、バッグの開口部はそ
のままとし、このバッグのポート部溶着基部より200
mmの部分に、幅10mmのEPSを温度条件140〜
155℃でバッグを二分するように設けた。EPS部分
をゴムパット付金型で押さえながら、バッグ開口部より
注射用水を400ml充填し、開口部分を170〜19
0℃で熱シールした。そして、EPS部分をゴムパット
付金型で押さえながら、ポート部より注射用水400m
lを充填し、その後、実施例1に準じポリプロピレン製
キャップを熱溶着した。このバッグを118℃・40分
の高圧蒸気滅菌後24時間室温に放置して、以下の実験
1、2に供し、製造したバッグの適格性を判定した。そ
の結果、本条件て製造したEPS付きバッグの性能が表
1〜3に示すように十分実用に耐え得る性能を有してい
ることが明らかとなった。
【0040】「実施例4」3種3層水冷インフレーショ
ンフィルム成型機にて次の3層フィルムを成膜した。最
内層の混合樹脂の組成は、L−LDPE−1とPP−1
とSE−1を重量比で、3:6:1とした。中間層の樹
脂混合物の組成は、PP−1とSE−1を重量比で7:
3とした。最外層の樹脂混合物の組成は、PP−1とS
E−1を重量比で9:1とした。押し出し機の温度設定
は140℃〜190℃、金型温度は170℃〜230
℃、フィルム引取り速度は7〜9m/分で成型した。フ
ィルムの厚みは180μm、折り径は330mmであっ
た。このインフレーションフィルムを用いて、シール幅
10mmとなるように上下の金型を温度条件175℃〜
190℃で三箇所をヒートシールし、外寸で横方向30
0mm、縦方向450mmの袋(バッグ)を作製した。
そして、折り返し溶着部に実施例1に準じポート部を熱
溶着した。なお、バッグの開口部はそのままとし、この
バッグのポート部溶着基部より200mmの部分に、幅
10mmのEPSを温度条件140〜155℃でバッグ
を二分するように設けた。EPS部分をゴムパット付金
型で押さえながら、パッグ開口部より注射用水を400
ml充填し、開口部分を170〜190℃で熱シールし
た。そしてEPS部分をゴムパット付金型で押さえなが
ら、ポート部より注射用水400mlを充填し、その
後、実施例1に準じポリプロピレン製キャッブを熱溶着
した。このバッグを121℃・20分の高圧蒸気滅菌後
24時間室温に放置して、以下の実験1、2に供し、製
造したバッグの適格性を判定した。その結果、本条件で
製造したEPS付きバッグの性能が表1〜3に示すよう
に十分実用に耐え得る性能を有していることが明らかと
なった。
【0041】「実施例5」3種3層水冷インフレーショ
ンフィルム成型機にて次の3層フィルムを成膜した。最
内層の樹脂混合物の組成は、HDPE−1とPP−3と
スチレン系エラストマー(商品名:ダイナロン、日本合
成ゴム(株)製、密度:0.890g/cm3、MI=
3.5)(以下SE−2とする)を重量比で40:5
5:5とした。中間層の樹脂混合物の組成は、PP−3
とSE−2を重量比で6:4とした。最外層の樹脂混合
物の組成は、PP−3とSE−2を重最比で9:1とし
た。押し出し機の温度設定は140℃〜190℃、金型
温度は160℃〜210℃、フィルム引取り速度は7〜
12m/分で成型した。フィルムの厚みは180μm、
折り径は500mmであった。このインフレ−ションフ
ィルムを用いて、シ−ル幅10mmとなるように上下の
金型を温度条件175℃〜200℃で三箇所をヒートシ
ールし、外寸で横方向450mm、縦方向500mmの
袋(バッグ)を作製した。そして、折り返し溶着部に実
施例1に準じポ−ト部を熱溶着した。なお、バッグの開
口部はそのままとし、このバッグのポ−ト部溶着基部よ
り250mmの部分に幅10mmのEPSを温度条件1
50〜160℃でバッグを二分するように設けた。EP
S部分をゴムパット付金型で押さえながら、バッグ開口
部より注射用水を400ml充填し、開口部分を175
〜200℃で熱シールした。そして、EPS部分をゴム
パット付金型で押さえながら、ポート部より注射用水6
00mlを充填し、その後に、該ポート部に実施例1に
準じポリプロピレン製キャップを熱溶着した。このパッ
グを119℃・40分の高圧蒸気滅菌後24時間室温に
放置して、以下の実験1、2に供し、製造したバッグの
適格性を判定した。その結果、本条件で製造したEPS
付きバッグの性能が表1〜3に示すように十分実用に耐
えられる性能を有していることが明らかとなった。
【0042】「実施例6」3種3層水冷インフレーショ
ンフィルム成型機にて次の3層フィルムを成膜した。最
内層の混合樹脂の組成は、HDPE−1とPP−2とS
E−2を重量比で3:5:2とした。中間層の樹脂混合
物の組成は、非晶性ポリアルファオレフィン(商品名:
ウベタック、宇部興産(株)製、密度0.860g/c
3、溶融粘度:400cps)とPP−2を重量比で
5:5とした。最外層の樹脂混合物の組成は、PP−2
とSE−2を重量比で9:1とした。押し出し機の温度
設定は140℃〜190℃、金型温度は160℃〜23
0℃、フィルム引取り速度は7〜12m/分で成型し
た。フィルムの厚みは180μm、折り径は500mm
であった。このインフレーションフィルムを用いて、シ
−ル幅10mmどなるように上下の金型を温度条件17
5℃〜200℃で三箇所をヒートシールし、外寸で横方
向450mm、縦方向500mmの袋(バッグ)を作製
した。そして、折り返し溶着部に実施例1に準じポート
部を熱溶着した。なお、バッグの開口部はそのままと
し、このバッグのポート部溶着基部より250mmの部
分に、幅10mmのEPSを温度条件150〜160℃
でバッグを二分するように設けた。EPS部分をゴムパ
ット付金型で押さえながら、バッグ開口部より注射用水
を400ml充填し、開口部分を175〜200℃で熱
シールした。そして、EPS部分をゴムパット付金型で
押さえながら、ポート部より注射用水600mlを充填
し、その後に、実施例1に準じポリプロピレン製キャッ
ブを熱溶着した。このバッグを119℃・40分の高圧
蒸気滅菌後24時間室温に放置して、以下の実験1、2
に供し、製造したバッグの適格性を判定した。その結
果、本条件で製造したEPS付きパッグめ性能が表1〜
3に示すように十分実用に耐え得る性能を有しているこ
とが明らかとなった。
【0043】「対照例1」3種3層水冷インフレーショ
ンフィルム成型機にて次の3層フィルムを成膜した。最
内層の混合樹脂の組成は、L−LDPE−1とPP−3
を重量比で6:4どした。中間層の樹脂混合物の組成
は、非晶性ポリアルファオレフィン(商品名:タフマ
ー、三井石油化学工業(株)製、密度:0.885g/
cm3、MI=5)と低密度ポリエチレン(商品ウルト
ゼックス、三井石油化学工業(株)製、密度:0.92
0g/cm3、MI=1)を重量比で6:4とした。外
層の樹脂はL−LDPE−1を用いた。押し出し機の温
度設定は140℃〜190℃、金型温度は160℃〜2
20℃、フィルム引取り速度は7〜12m/分で成型し
た。フィルムの厚みは180μm、折り径は300mm
であった。このインフレーションフィルムを用いて、シ
ール幅10mmどなるように上下の金型を温度条件16
0℃〜180℃で三箇所をヒートシールし、外寸で横方
向250mm、縦方向500mmの袋(バッグ)を作製
した。そして、折り返し溶着部に密度:0.945g/
cm3のポリエチレンで作製したポート部を熱溶着し
た。なお、バッグの開口部はそのままとし、このバッグ
のポート部溶着基部より250mmの部分に、幅10m
mのEPSを温度条件135〜145℃でバッグを二分
するように設けた。EPS部分をゴムパット付金型で押
さえながら、バッグ開口部より注射用水を300ml充
墳し、開口部分を150〜180℃て熱シールした。そ
して、EPS部分をゴムパット付金型で押さえながら、
ポ−ト部より注射用水200mlを充填し、日本薬局方
(第13改正)に合格したゴム栓を嵌め込んだポリエチ
レン製キャップ(密度=0.945g/cm3)を熱溶
着した。このバッグを121℃・20分の高圧蒸気滅菌
後24時問室温に放置して、以下の実験1、2に供し
た。
【0044】〔実験1〕「加圧試験」 上記のようにして製造した各種バッグをポ−ト側の室が
下になるようにEPS部分で二つ折りにし、東洋精機製
作所製STROGRAPH−M2試験機(加圧モード、
100kg加圧)のワーク受け台中央に置いた。そし
て、ヘッド下降スピ−ド50mm/minでバッグを加
圧、加圧保持5秒と30秒の2条件で試験を行い、バッ
グのシール部分等の破損を調べた。その結果を表1並ぴ
に2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】〔実験2〕「単品落下試験」 上記のようにして製造した各種バッグを二つ折りにし、
ピロータイブ包装を施した。その後、各試料をタバイエ
スペック(株)製低温恒温槽BNC−120(−2℃に
設定)に24時間保存し、品温が0℃以下になっている
ことを確認後、落下試験に供した。落下試験条件は折り
部が下になるようにして120cmの高さから落下させ
た。試験は各試科につき2回繰り返した。単品落下試験
の評価は、(1)ピンホ−ルにつながるバッグの傷の有
無、(2)バッグ並ぴにEPSを含めたシール部の異常
有無、(3)内容液の漏出の有無の以上3点を目視確認
した。その時の成績を表3にまとめた。
【0048】
【表3】
【0049】「実施例7」「実施例1」で製造したフィ
ルム(幅480mm、厚さ184μmの単層フィルム)
を用い、長さ230mmの袋を作るようにフィルムの引
取り方向に垂直の折り目を付け二つ折りしシール幅10
mmとなるように上下の金型を温度条件175℃〜19
0℃で折った部分を含め、三箇所をヒートシールした。
これによって、三方向が溶着した外寸横方向140m
m、縦方向230mmの袋(バッグ)を作った。この三
方向が熱溶着したバッグを用いて以下の実験3に供し
た。また、開口部よりアミパレン(商品名:Amipa
ren (株)大塚製薬工場製)10重量% を含有す
るアミノ酸液200mlを充填する実験4に供した。ま
た、一方、折り返し溶着部分に密度:0.910g/c
3のポリプロピレンで作製したポート部を熱溶着し
た。このバッグのポート部溶着基部より120mmの部
分に、幅10mmのEPS(温度条件145〜155
℃)をバッグを二分するように設けた。EPS部分をゴ
ムパット付金型で押さえながら、ポート部より注射用水
100mlを充填し、日本薬局方(第13改正)に合格
したゴム栓を嵌め込んだポリプロピレン製キャップ(密
度:0.910g/cm3)を熱溶着した。このバッグを
121℃・20分の高圧蒸気滅菌後24時間室温に放置
して、以下の実験5に供した。
【0050】「実施例8」「実施例2」で製造したフィ
ルム(厚さ200μm)を用い、長さ230mmの袋
(シール幅10mm)を作るように上下の金型を温度条
件175℃〜190℃で三箇所をヒートシールし、外寸
で横方向140mm、縦方向230mmの袋(バッグ)
を作った。この三方向が熱溶着したバッグを用いて以下
の実験3に供した。また、開口部よりアミパレン10重
量%含有のアミノ酸液200mlを充填する実験4に供
した。また、一方、折り返し溶着部分に密度:0.91
0g/cm3のポリプロピレンで作製したポート部を熱
溶着した。このバッグのポート部溶着基部より120m
mの部分に、幅10mmのEPS(温度条件140〜1
55℃)をバッグを二分するように設けた。EPS部分
をゴムパット付金型で押さえながら、ポート部より注射
用水100mlを充填し、日本薬局方(第13改正)に
合格したゴム栓を嵌め込んだポリプロピレン製キャップ
(密度:0.910g/cm3)を熱溶着した。このバッ
グを121℃・20分の高圧蒸気滅菌後24時間室温に
放置して、以下の実験5に供した。
【0051】「実施例9」「実施例3」のインフレーシ
ョンフィルムを用いて、シール幅10mmとなるように
上下の金型を温度条件175℃〜190℃で三箇所をヒ
ートシールし、外寸で横方向140mm、縦方向230
mmの袋(バッグ)を作製した。この三方向が熱溶着し
たバッグを用いて以下の実験3に供した。また、開口部
よりアミパレン10重量%含有のアミノ酸液200ml
を充填する実験4に供した。一方、同じ三方熱溶着した
空バッグの折り返し溶着部分に密度:0.910g/c
3のポリプロピレンで作製したポート部を熱溶着し
た。このバッグのポート部溶着基部より120mmの部
分に、幅10mmの弱シール(以下EPS,温度条件1
40〜155℃)をバッグを二分するように設けた。E
PS部分をゴムパット付金型で押さえながら、ポート部
より注射用水100mlを充填し、日本薬局方(第13
改正)に合格したゴム栓を嵌め込んだポリプロピレン製
キャップ(密度:0.910g/cm3)を熱溶着した。
このバッグを118℃・40分の高圧蒸気滅菌後24時
間室温に放置して、以下の実験5に供した。
【0052】「実施例10」「実施例4」のインフレー
ションフィルム(厚み180μm)を用いて、シール幅
10mmとなるように上下の金型を温度条件175℃〜
190℃で三箇所をヒートシールし、外寸で横方向14
0mm、縦方向230mmの袋(バッグ)を作製した。
この三方向が熱溶着したバッグを用いて以下の実験3に
供した。また、開口部よりアミパレン10重量%含有ア
ミノ酸液200mlを充填する実験4に供した。一方、
同じ三方熱溶着した空バッグの折り返し溶着部分に密
度:0.910g/cm3のポリプロピレンで作製した
ポート部を熱溶着した。このバッグのポート部溶着基部
より120mmの部分に、幅10mmの弱シール(以下
EPS,温度条件140〜155℃)をバッグを二分す
るように設けた。EPS部分をゴムパット付金型で押さ
えながら、ポート部より注射用水100mlを充填し、
日本薬局方(第13改正)に合格したゴム栓を嵌め込ん
だポリプロピレン製キャップ(密度:0.910g/cm
3)を熱溶着した。このバッグを121℃・20分の高
圧蒸気滅菌後24時間室温に放置して、以下の実験5に
供した。
【0053】「実施例11」「実施例5」のインフレー
ションフィルム(厚み180μm)を用いて、シール幅
10mmとなるように上下の金型を温度条件175℃〜
200℃で三箇所をヒートシールし、外寸で横方向14
0mm、縦方向230mmの袋(バッグ)を作製した。
この三方向が熱溶着したバッグを用いて以下の実験3に
供した。また、開口部よりアミパレン10重量%含有ア
ミノ酸液200mlを充填する実験4に供した。一方、
同じ三方熱溶着した空バッグの折り返し溶着部分に密
度:0.910g/cm3のポリプロピレンで作製した
ポート部を熱溶着した。このバッグのポート部溶着基部
より120mmの部分に、幅10mmの弱シール(以下
EPS,温度条件150〜160℃)をバッグを二分す
るように設けた。EPS部分をゴムパット付金型で押さ
えながら、ポート部より注射用水100mlを充填し、
日本薬局方(第13改正)に合格したゴム栓を嵌め込ん
だポリプロピレン製キャップ(密度:0.910g/cm
3)を熱溶着した。このバッグを119℃・40分の高
圧蒸気滅菌後24時間室温に放置して、以下の実験5に
供した。
【0054】「実施例12」「実施例6」のインフレー
ションフィルム(厚み180μm)を用いて、上下の金
型を温度条件175℃〜200℃で三箇所をヒートシー
ルし、外寸で横方向140mm、縦方向230mmの袋
(バッグ)を作製した。この三方向が熱溶着したバッグ
を用いて以下の実験3に供した。また、開口部よりアミ
パレン10重量%含有アミノ酸液200mlを充填する
実験4に供した。一方、同じ三方熱溶着した空バッグの
折り返し溶着部分に密度:0.910g/cm3のポリ
プロピレンで作製したポート部を熱溶着した。このバッ
グのポート部溶着基部より120mmの部分に、幅10
mmの弱シール(以下EPS,温度条件150〜160
℃)をバッグを二分するように設けた。EPS部分をゴ
ムパット付金型で押さえながら、ポート部より注射用水
100mlを充填し、日本薬局方(第13改正)に合格
したゴム栓を嵌め込んだポリプロピレン製キャップ(密
度:0.910g/cm3)を熱溶着した。このバッグを
119℃・40分の高圧蒸気滅菌後24時間室温に放置
して、以下の実験5に供した。
【0055】「対照例2」3種3層水冷インフレーショ
ンフィルム成型機にて3層とも同一の混合樹脂を用いて
フィルムを成膜した。混合樹脂の組成は、ポリプロピレ
ン(商品名:ハイポール、グランドポリマー(株)製、
密度:0.910g/cm3、MI=8)とスチレン系
エラストマー(商品名:ダイナロン、日本合成ゴム
(株)製、密度:0.890g/cm3、MI=3.
5)を重量比で6:4とした。押し出し機の温度設定は
150℃〜210℃、金型温度は160℃〜220℃、
フィルム引取り速度は7〜9m/分で成型した。フィル
ムの厚みは180μm、折り径は300mmであった。
このインフレーションフィルムを用いて、シール幅10
mmとなるように上下の金型を温度条件175℃〜19
0℃で三箇所をヒートシールし、外寸で横方向140m
m、縦方向230mmの袋(バッグ)を作製した。この
三方向が熱溶着したバッグを用いて以下の実験3に供し
た。また、開口部よりアミパレン10重量%含有アミノ
酸液200mlを充填する実験4に供した。一方、同じ
三方熱溶着した空バッグの折り返し溶着部分に密度:
0.910g/cm3のポリプロピレンで作製したポー
ト部を熱溶着した。このバッグのポート部溶着基部より
120mmの部分に、幅10mmの弱シール(以下EP
S,温度条件135〜145℃)をバッグを二分するよ
うに設けた。EPS部分をゴムパット付金型で押さえな
がら、ポート部より注射用水100mlを充填し、日本
薬局方(第13改正)に合格したゴム栓を嵌め込んだポ
リプロピレン製キャップ(密度:0.910g/cm3
を熱溶着した。このバッグを119℃・40分の高圧蒸
気滅菌後24時間室温に放置して、以下の実験5に供し
た。
【0056】〔実験3〕「開口試験」 上記のようにして製造した三方バッグの未溶着部の外面
側に図4,5に示すようにメンディングテープ8(幅2
4mm、長さ50mm、3M社製)を貼付し、フィルム
引張り試験用の治具(東洋精機製作所製STROGRA
PH−M2試験機)にてテープ8の両端を挟み、500
mm/分の引張り速度で引っ張った時のバッグの開口状
況(n=10)を調べた。判定は、a.良好、b.不
良、c.開口せずの3段階で行った。
【0057】
【表4】
【0058】評価c.の場合にはバッグは開口せず、貼
付したテープがフィルムよりはずれた。
【0059】〔実験3のまとめ〕スチレン系エラストマ
ーとポリプロピレンとの混合樹脂のみからなるフィルム
(対照例2)はフィルム内面間の接着が強く、容器とし
て使用する場合には、この接着力を弱める必要が生じ
る。ところが、今回は医療用容器であることから、接着
力を弱める薬剤の使用には製剤の品質や安全性の問題が
考えられ、医療容器として適当とは考えられない。ま
た、開口に手間取ると生産性に大きな支障が出て、生産
効率や不良率の面からも望ましいものとは言えない。一
方、本発明ではこのような問題は存在せず優れたものと
評価された。
【0060】〔実験4〕「充填試験」 医療用容器では薬剤の収納と密閉性がより十分に担保さ
れる必要があり、その点を確かめるために実際にアミパ
レン10重量%含有アミノ酸液(アミパレンの充填によ
り泡がでる)200mlを充填し、充填終了後のバッグ
のヒートシール部の状況(n=10)を観察しフィルム
の医療容器に対する適合性を調べた。
【0061】なお、観察項目はシール不良(液噛み不
良、シール部発泡、シール部炭化、未着部の存在)とし
た。観察項目の報告は重複を可とした。
【0062】
【表5】
【0063】〔実験4のまとめ〕アミパレン10重量%
含有アミノ酸液はバッグ入りが既に市販されており、市
販に用いられているポリオレフィン製バッグは液充填に
関して全く問題を生じておらず、逆に液充填時にバッグ
フィルムの内面が接着し、液の重さや充填時の液の落下
衝撃で剥離しない場合には充填時に発生した泡がシール
部分まで噴き上がり、そのためヒートシールの完全性が
損なわれることになる。本発明ではそのような問題は生
じなかったが対照例2では全ての試料に異常を認めた。
なお、対照例2は開口時にも実験3の通り問題があった
ので、上部を手で揉み、また細い針を使用して開口し、
それを充填試験に用いた。
【0064】〔実験5〕[EPS開通試験」 東洋精機製作所製STROGRAPH−M2試験機(加
圧モード、100kg加圧)のワーク受け台中央に液を
充填した部分を置いた。そして、ヘッド下降スピード5
0mm/minでバッグを加圧し、20kg以上40k
g/袋未満でEPSが開通するか否かを調べた。試験試
料数は各50袋とした。10kg/袋だとバッグを机の
上に置き方が悪いとその衝撃でEPSが開通する。40
kg/袋未満は、女性が通常かなり力(両方の手掌で押
さえる時)を入れて押さえる時の実測平均値によった。
また、EPS開通時の異物発生からもこの数字を設定し
た。なお、各フィルムごとにEPS条件は予め同一時製
造のフィルムを用いて条件設定を行っておいた条件で各
々EPSを作製した。但し、生産条件を再現するためE
PSは連続で各々の条件で500袋の試料を処理した後
に製造したサンプルを用いた。成績を表6に示す。
【0065】
【表6】
【0066】〔実験5:EPS開通試験のまとめ〕EP
Sは製造時の管理条件として、温度×圧力×時間である
が、手動の機械で1回1回作製するのにはこれらの条件
はあまり大きな狂いを生じない。ところが、生産機の場
合には処理する数が短時間あたりに非常に多いので、金
型の温度分布や温度のバラツキ等が大きく、使用するフ
ィルムそのものが広い温度範囲でEPSができる必要が
ある。本発明では、設定した温度(実際の温度はそれよ
りはずれていることがある)で規格内に全て収まり、実
生産に合致していることが明らかとなる一方、従来法で
は実生産に問題を生じることが明らかとなった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性,低温強度,イー
ジーピールヒートシール性,耐ブロッキング性及び剥離
開封時の安全性の全てを満足できる高品質,高性能の複
室容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明複室容器の一例を示す平面図である。
【図2】図1の2〜2線に沿う拡大断面図である。
【図3】多層フィルムから複室容器を構成した場合の一
例を示す図2に対応する図である。
【図4】開口試験の状況を示す正面図である。
【図5】同、平面図である。
【符号の説明】
1 複室容器 2 強シール部 3 弱シール部 4 室 5 室 6 単層フィルム 7 多層フィルム 7a 内層 7b 外層 a 収納薬剤

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも薬剤に直接接触する側の層が、
    A成分、B成分及びC成分との樹脂混合物から構成さ
    れ、A成分がポリプロピレン系樹脂、B成分がポリスチ
    レン系樹脂、C成分がA成分,B成分及びエラストマー
    を除く他の熱可塑性樹脂であることを特徴とする医療用
    複室容器。
  2. 【請求項2】樹脂混合物の各成分の混合割合が、A成分
    25〜90重量%、B成分5〜70重量%及びC成分5
    〜50重量%であることを特徴とする請求項1記載の医
    療用複室容器。
  3. 【請求項3】樹脂混合物がB成分及びC成分を、それぞ
    れ少なくとも20重量%含んでいることを特徴とする請
    求項2記載の医療用複室容器。
  4. 【請求項4】A成分が、ポリプロピレンのホモポリマ
    ー、ランダム共重合体、又はブロック共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の医療用複室容器。
  5. 【請求項5】B成分が、ポリスチレン−ビニルポリイソ
    プレン、ポリスチレン−水素添加ビニルポリイソプレ
    ン、ポリスチレン−ビニルポリイソプレン−ポリスチレ
    ン、ポリスチレン−水素添加ビニルポリイソプレン−ポ
    リスチレン、ポリスチレン−エチレンブテン、ポリスチ
    レン−エチレンブテン−ポリスチレン、ポリスチレン−
    エチレンプロピレン、ポリスチレン−エチレンプロピレ
    ン−ポリスチレン、ポリスチレン−プロピレンブテン、
    ポリスチレン−プロピレンブテン−ポリスチレン、水素
    添加ポリスチレン−ブタジエン、水素添加ポリスチレン
    −ブタジエン−水素添加ポリスチレン、ポリスチレン−
    エチレンブチレン、ポリスチレン−エチレンブチレン−
    ポリスチレン、ポリスチレン−エチレンブチレン−ポリ
    エチレン、ポリスチレン−エチレンブチレン−ポリプロ
    ピレン、ポリスチレン−エチレンプロピレン−ポリエチ
    レン、ポリスチレン−エチレンプロピレン−ポリプロピ
    レン、ポリスチレン−エチレンブテン−ポリエチレン、
    ポリスチレン−エチレンブテン−ポリプロピレン、ポリ
    スチレン−プロピレンブテン−ポリエチレン、ポリスチ
    レン−プロピレンブテン−ポリプロピレンからなる群か
    ら選ばれた樹脂であることを特徴とする請求項1記載の
    医療用複室容器。
  6. 【請求項6】C成分が、ポリエチレン、ポリブテン1、
    ポリ−4−メチルペンテン1、環状炭化水素系樹脂、エ
    チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリ
    レート共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、エ
    チレン−メタクリル酸共重合体の群より選ばれた樹脂で
    あることを特徴とする請求項1記載の医療用複室容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001030425A (ja) * 1999-07-19 2001-02-06 Gunze Kobunshi Corp 樹脂積層体
US9004761B2 (en) 2006-05-01 2015-04-14 Baxter International Inc. Multiple chamber container with mistake proof administration system

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