JPH10201499A - 環境微生物からのdnaの直接抽出方法および細菌の検出方法 - Google Patents

環境微生物からのdnaの直接抽出方法および細菌の検出方法

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JPH10201499A
JPH10201499A JP927297A JP927297A JPH10201499A JP H10201499 A JPH10201499 A JP H10201499A JP 927297 A JP927297 A JP 927297A JP 927297 A JP927297 A JP 927297A JP H10201499 A JPH10201499 A JP H10201499A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 無機塩または有機塩を含む弱酸性の水溶
液、または尿素水溶液で洗浄する第一の洗浄工程と、粉
乳の水溶液で洗浄する第二の洗浄工程とを含む、糞、活
性汚泥、陸水および海水からなる群から選ばれる環境サ
ンプル中の微生物からのDNAの直接抽出方法、および
上記直接抽出方法により直接抽出したDNAを鋳型と
し、細菌の16S rRNA のユニバーサルプライマーを使用
してPCRを行い、ここで増幅されたDNA量を指標と
して細菌を検出する、細菌の検出方法を提供する。 【効果】 環境中の微生物のDNAを直接抽出すること
によって、高感度で簡便に、環境中の微生物を検出する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陸水、海水、活性
汚泥、ヘドロ、糞などの各種環境中における細菌のDN
Aの直接抽出方法、およびここで抽出されたDNAを鋳
型とし、細菌のユニバーサルプライマーを使用して増幅
されたDNA量を指標として検出を行う環境中の細菌の
検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、環境中に棲息する特定の微生物を
検出する方法としては、短期間で結果が得られ、かつ遺
伝子レベルでの検出が可能なPCR法が用いられてき
た。微生物を検出するために使用するサンプルは様々な
環境から採取されるが、こうした微生物をPCR法で検
出するためには、DNAの抽出が必須である。
【0003】こうしたDNAの抽出法には、サンプル中
に棲息するグラム陽性菌、グラム陰性菌、放線菌その他
の細菌、または酵母などの微生物を培養せず、直接環境
中の前記微生物からDNAを抽出する直接抽出法と、一
度微生物を培養してその後にDNAを抽出する間接抽出
法とがある。直接抽出法は、間接抽出法に比べて一度微
生物を培養する必要がないため、操作が簡便であるとい
う利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
直接環境中の微生物から直接DNAを抽出する方法にお
いては、陸水、海水、活性汚泥、ヘドロ、糞などの環境
サンプル中に様々な有機物や無機物が含まれているた
め、通常微生物を培養した後に行われるのと同様なDN
A抽出操作を行っても、DNAがうまく抽出されない
か、または抽出はされても十分に回収されず、DNAの
回収率に再現性がないといった問題点があった。
【0005】一方、一度環境中の微生物を培養してその
後にDNAを抽出する間接抽出法においては、以下のよ
うな問題がある。すなわち、液体培養された微生物をリ
ゾチームやラウリル硫酸ナトリウム(SDS)で溶菌
し、フェノール処理を行った後にエタノール沈殿処理し
てDNAを分離するという方法では、液体培地中で増殖
した微生物から回収されるDNAの純度や回収率は良い
が、培養に使用する培地によって増殖する微生物が限定
され、かつ培養可能な微生物のみが検出されるにすぎな
い。このため、PCRから得られた細菌の棲息状況の結
果に対する信頼性の点で問題があった。
【0006】したがって、PCRによる検出結果の信頼
性を考慮に入れると、環境中に棲息する微生物から直接
にDNAを抽出する直接抽出法が望ましい。しかしなが
ら、このような方法で純度の高いDNAを回収率良く抽
出する方法は、これまでのところ報告されていない。
【0007】本発明は、従来知られているよりも優れた
環境中の微生物からのDNAの直接抽出方法、具体的に
は、高い回収率で、簡便に、かつ再現性のあるDNAの
抽出方法を提供すること、そしてここで抽出されたDN
Aを用いて環境中の細菌を検出する方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、環
境中の微生物から直接DNAを抽出する優れた方法を開
発すべく鋭意検討を行った結果、2つの洗浄工程を用い
ることによってDNAの回収率が著しく向上すること、
そしてこのようにして抽出されたDNAを鋳型としてP
CRを行うことにより環境中の細菌を検出できることを
見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、無機塩または有機塩
を含む弱酸性の水溶液、または尿素水溶液で洗浄する第
一の洗浄工程と、粉乳の水溶液で前記サンプルを洗浄す
る第二の洗浄工程とを含むことを特徴とする、陸水、海
水、活性汚泥、ヘドロ、および糞からなる群から選ばれ
る環境サンプル中の環境微生物からのDNAの直接抽出
方法である。
【0010】本発明の第一の洗浄工程において用いられ
る無機塩としては、硝酸ナトリウムおよび塩化アンモニ
ウムなどを挙げることができ、有機塩としては、酢酸ア
ンモニウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウムなどを挙げ
ることができる。
【0011】これらの塩は水に溶解させたときに水溶液
が弱酸性とならない場合には、適当な濃度の塩酸または
水酸化ナトリウムなどを用いてpHを調整するとよい。
ここで、弱酸性とは、pH6.5 以上7.0 未満の範囲をい
い、より好ましくはpH6.7〜6.9 の範囲であり、さら
に好ましくはpH6.8 付近である。
【0012】また、上記弱酸性の水溶液中の化合物の濃
度は、0.05M〜5Mであることが好ましい。尿素水溶液
の尿素濃度は、0.5 〜2%であることが好ましく、より
好ましくは、0.5 〜1.5 %である。
【0013】さらに、上記第二の洗浄工程における粉乳
としては、スキムミルクまたは育児用粉ミルクなどを挙
げることができる。粉乳の水溶液の濃度は、1%(w/v)
以下、好ましくは0.4 %(w/v) 付近である。
【0014】上記第一の洗浄工程および第二の洗浄工程
を行う順序は特に限定されず、上述の弱酸性の水溶液ま
たは尿素水溶液と粉乳の水溶液とを同時に添加して一の
洗浄工程として行ってもよい。しかし、土壌中の微生物
からDNAを検出する検出感度の面から、第一の洗浄工
程で洗浄したサンプルを第二の洗浄工程で処理すること
が好ましい。
【0015】また、上記第一および第二の洗浄工程に加
えて、環境中の微生物を溶菌させる溶菌工程と、タンパ
ク質を変性し除去する変性除去工程と、DNAを沈殿さ
せる沈殿工程とをさらに含んでもよい。前記環境中の微
生物を溶菌させる溶菌工程は、例えば、ラウリル硫酸ナ
トリウム(SDS)を用いて行われ、前記タンパク質を
変性し除去する変性除去工程は、例えば、フェノールを
用いて行われ、そして前記DNAを沈殿させる沈殿工程
は、例えば、エタノールを用いて行われるものである。
【0016】本発明は、また、上述した方法により各種
環境中の微生物からDNAを直接抽出して鋳型とし、一
方が配列表の配列番号1に記載の5'-GGAKSATGTGGWTTAAT
TCG-3'(塩基配列1)、他方が配列表の配列番号2に記
載の5'-ACAAGRCCYGGGRACGTATT-3'(塩基配列2)で表さ
れる塩基配列をプライマーとしてPCRを行い、ここで
増幅されたDNA量を指標として環境中の細菌を検出す
ることを特徴とする細菌の検出方法である。
【0017】ここで、塩基配列1中、KはGまたはTを
表し、SはCまたはGを表し、WはAまたはTを表す。
また、塩基配列2中、RはGまたはAを表し、YはCま
たはTを表し、RはAまたはGを表す(図1)。これら
の塩基配列は、定法によって作製することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明においては、通常の土壌や石油などによって
汚染されている汚染土壌その他の各種土壌に加え、砂、
泥、陸水、海水、活性汚泥、ヘドロ、糞などの各種環境
中からサンプリングを行い、これらをサンプルとして使
用することができる。ここで、陸水とは、地球上に分布
する水のうち、海水を除いたものの総称であり、湖沼、
河川、地下水、温泉、雪氷などを含む。また、糞は、い
かなる動物から得られるものであってもよい。
【0019】通常の土壌、石油などによって汚染されて
いる土壌、上記の各種環境中には、これらの中に含まれ
る微生物から直接DNAを抽出する際に、抽出効率を低
下させたり、PCR反応を阻害するような阻害物質が存
在する。そのため、検出感度を上げ、得られる結果の信
頼性を高めるためにはこれらの阻害物質を除去すること
が必要である。
【0020】本発明においては、無機塩または有機塩を
含む弱酸性の水溶液、または尿素水溶液を土壌サンプル
に添加して洗浄する第一の洗浄工程において上記の阻害
物質を除去する。各種環境のサンプルの洗浄に使用する
上記弱酸性の水溶液の調製に用いる塩は、無機塩として
は硝酸ナトリウムや塩化アンモニウムなど、有機塩とし
ては酢酸アンモニウム、酢酸カリウムや酢酸ナトリウム
などを挙げることができる。酢酸アンモニウム溶液を使
用することが、各種環境中の微生物からDNAを検出す
る際の検出感度の面から最も好ましい。上記弱酸性の水
溶液のpHは、6.5 以上7.0 未満であることが好まし
く、6.8とすると最も阻害物質の除去効果が高い。
【0021】上記弱酸性の水溶液中の化合物の濃度は、
0.05〜5Mであることが好ましく、0.05〜1Mであるこ
とがさらに好ましい。0.5 Mの酢酸アンモニウム溶液を
用いると、阻害物質を十分に除去することができる。尿
素水溶液を用いる場合には、尿素の濃度を1%前後とす
ると阻害物質の除去効果が高い。
【0022】上記弱酸性の水溶液または尿素水溶液の添
加量は、固体サンプルでは100mg 、液体サンプルでは10
0 μL に対して、200 〜500 μL であることが好まし
い。添加量が200 μL 未満では阻害物質が十分に除去さ
れず、500 μL を越えると1回に処理する容量が大きく
なるため操作上不便になり、さらに環境中の微生物から
のDNAの回収率も低下することによる。300 μL の酢
酸アンモニウム溶液を添加して洗浄すると、阻害物質が
十分に除去され、DNAの回収率も高い。
【0023】各種サンプルは、例えば、上記第一の洗浄
工程において、上記の量の0.5 M酢酸アンモニウム水溶
液を添加した後、室温でボルテクスミキサーにより激し
く混合して洗浄する。ボルテクスミキサーによる混合
は、通常3〜10分程度、好ましくは10分程度行う。混合
時間が3分以下では上記阻害物質を十分に除去すること
ができず、逆に10分以上にわたって混合しても上記阻害
物質をそれ以上除去することができないためである。
【0024】第一の洗浄工程において上記弱酸性の水溶
液または尿素水溶液で洗浄したサンプルに、第二の洗浄
工程において粉乳の水溶液を添加してさらに洗浄する。
上記粉乳の水溶液で洗浄することにより、微生物がサン
プル中に含まれる固形分に付着している場合には付着し
ている微生物を遊離状態にすることができる。このた
め、サンプル中の微生物からDNAを直接抽出する場合
にDNAの回収率を著しく向上させることができる。
【0025】下記の実施例の第二の洗浄工程において使
用する粉乳の水溶液の濃度は、従来法を参考に0.4 %(w
/v) とした。上記粉乳としては、スキムミルクまたは育
児用粉ミルクを挙げることができる。
【0026】0.4 %の粉乳の水溶液の添加量は、固体サ
ンプルでは100mg 、液体サンプルでは100 μL に対し
て、200 〜500 μL である。添加量が200 μL 未満では
サンプルの洗浄が不十分になる。また、500 μL を越え
ると1回に処理する容量が大きくなるため操作上不便に
なり、さらにサンプル中の微生物からのDNAの回収率
も低下する。より好ましくは、200 μL である。
【0027】第二の洗浄工程においては、粉乳の水溶液
を上述のように添加し室温でボルテクスミキサーによ
り、10分程度、激しく混合して洗浄する。ボルテクスミ
キサーによる混合の終了後、サンプルを冷却遠心して上
清を得る。
【0028】得られた上清に、例えば、所定の濃度のS
DSを添加し、室温でボルテクスミキサーを用いて一定
時間激しく混合して、微生物を溶菌させる(溶菌工
程)。添加するSDSの終濃度は、菌を十分に溶菌さ
せ、最終的なDNAの回収率を確保するためには、0.2
〜0.5 %が適当である。
【0029】SDSを上述のように添加し、室温でボル
テクスミキサーにより激しく混合して洗浄する。ボルテ
クスミキサーによる混合は、菌を十分に溶菌させるため
10分程度行う。
【0030】上述のように処理したサンプルを、例え
ば、通常用いられるフェノール処理法によって処理し、
サンプル中に含まれるタンパク質を変性させて除去する
(変性除去工程)。通常用いられる方法に従い、フェノ
ールは、水相として用いた溶液中の塩等の成分が抽出操
作中に失われ過ぎないように、これらの成分を含む溶液
で予め飽和させておくとよい。転倒混和した後、冷却遠
心して上清を集め、ここに、例えば、2〜2.5 倍容の10
0 %冷エタノールを加えてDNAを沈殿させる(沈殿工
程)。この溶液を冷却遠心すると、抽出されたDNAを
沈殿として得ることができる。
【0031】以上のようにして得られたサンプル中の微
生物のDNAを後述するPCRにおいて鋳型として使用
し、一方が5'-GGAKSATGTGGWTTAATTCG-3'(塩基配列
1)、他方が5'-ACAAGRCCYGGGRACGTATT-3'(塩基配列
2)で表される塩基配列をプライマーとして使用する。
塩基配列1と2とは、細菌の有する16S rRNA上に存在す
る保存性を有する塩基配列に対応するDNAである(図
1)。
【0032】これらの塩基配列は、保存性を有する塩基
配列に対応するものであるため、細菌においてユニバー
サルプライマーとして使用することができる。これらの
塩基配列は、定法に従って調製する。
【0033】塩基配列1は塩基配列2よりも細菌の16S
rRNA上で上流側に位置するため、上記塩基配列1をセン
スプライマーとして、また、上記塩基配列2をアンチセ
ンスプライマーとして使用する。
【0034】上記の鋳型とプライマーとを用いて、通常
の条件でPCRを行うと、ここで増幅されたDNA量を
指標として、環境中の細菌を短期間に高感度で検出する
ことができる。
【0035】PCRの際に本発明で使用したプライマー
と異なるプライマーを調製して使用すると、細菌以外の
微生物を検出することも可能である。例えば、細菌以外
の微生物が保有する所定の遺伝子配列やアミノ酸配列を
使用することにより、所望の微生物を検出測定すること
ができる。このような遺伝子配列としては、芳香族ジオ
キシゲナーゼのラージサブユニットをコードする遺伝子
上の配列などを挙げることができる。また、酵母の16S
様rRNAに対応する塩基配列の一部を使用することもでき
る。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】(実施例1) (1)PCRで使用したプライマーおよびPCR条件 土壌中の微生物から得られたDNAを鋳型とし、以下に
示すプライマーを用いてPCRを行った。抽出効率をP
CR法による増幅結果より判定した。
【0038】(2)PCR法で使用した細菌のプライマ
ー 20mer のセンスプライマーおよび20mer のアンチセンス
プライマーを調製した。これらのプライマーは、以下の
ようにして設計し調製した。まず、細菌10種の16S rRNA
遺伝子の塩基配列をEMBLで検索後、Gene Worksのソフト
ウェアを用いてアライメントをとった。ここで明らかに
なった16S rRNAの塩基配列上に存在する保存性を有する
DNA配列を決定した。決定されたDNA配列を図1に
示す。図1に示す塩基配列からなるセンスプライマーお
よびアンチセンスプライマーは、常法に従い、混合物と
して調製した。
【0039】(3)使用した試薬 2.5 μL の10×PCRバッファー(100mM Tris-HCl(pH
8.3) 、500mM KCl 、15mM MgCl2、0.01%ゲラチン(w/v)
を含む) 0.5 μL のセンスプライマー(100pmol ) 0.5 μL のアンチセンスプライマー(100pmol ) 2.5 μL のdTNPs (2mM) 1 ユニットのTaq ポリメラーゼ 250ng の鋳型DNA 上記の試薬に滅菌水を加え、溶液の全体量を25μL にし
て、以下の反応条件により、PCRを行った。
【0040】(4)反応条件 94℃1分でプレインキュベーション後、94℃30秒、60℃
1分、72℃1分を1サイクルとして30サイクルを行い、
その後72℃で2分間、伸張反応を行った。
【0041】(5)環境サンプル中からのDNAの抽出 環境サンプルとして、表1に示す、ウサギの糞、カニの
糞、ヘドロ、活性汚泥、陸水1(川)、陸水2(温泉
1)、陸水3(温泉2)、および海水を使用した。ヘド
ロは千葉県手賀沼より、また、活性汚泥は大成建設
(株)生物工学研究所内の活性汚泥より採取した。温泉
1は、川治温泉より、温泉2は、日光湯元よりそれぞれ
採取した。
【0042】上記環境サンプル中、ウサギの糞、カニの
糞、ヘドロ、活性汚泥といった固体サンプルについて
は、これら100mg に対して、0.5 Mの酢酸アンモニウム
溶液(pH6.8 )を300 μL 加え、室温にて、ボルテクス
ミキサーで10分間激しく攪拌した。その後、これらの混
合物にさらにスキムミルク溶液(0.4 %(w/v) )200 μ
L を添加して、再度ボルテクスミキサーで10分間、激し
く攪拌した。
【0043】温泉1、温泉2、川、海水といった液体サ
ンプルについては、100 μL に対して同様の操作を行っ
た。このサンプルを、4℃、12,000×g の条件で10分間
遠心して上清を集めた。ここで得られた上清にSDSを
終濃度0.5 %となるように加え、室温で10分間、ボルテ
クスミキサーで激しく混合して微生物を溶菌させた。
【0044】ついで、通常使用されるフェノール処理法
に従い、上記処理を行った上清中に含まれるタンパク質
を変性させた。ここで、2〜2.5 倍容の100 %冷エタノ
ールを加えて沈殿させ、4℃、12,000×g の条件で遠心
してDNAを得た。
【0045】(6)PCR法による細菌の検出 (5)のようにして得たDNAを鋳型として、上述した
条件でPCRを行い、得られたDNAをゲル電気泳動に
かけて、各環境サンプル中における細菌を検出した。結
果を表1および図2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1中、非常に薄いバンドが検出されたも
のを±、また、濃いバンドが検出された場合を+と表示
した。ここで使用したサンプルでは、バンドが検出され
なかったもの(−)はなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法によれば、陸水、海水、活
性汚泥、ヘドロ、糞などの各種環境中から、直接に、効
率よく、簡便に微生物のDNAを抽出し、これを鋳型と
したPCR法を行うことによって、このような環境中に
棲息する微生物を、短期間に、高感度で検出することが
できる。
【0049】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列 GGAKSATGTGGWTTAATTCG 2
【0050】配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:Yes 配列 ACAAGRCCYGGGRACGTATT 20
【図面の簡単な説明】
【図1】PCRで使用したセンスプライマーとアンチセ
ンスプライマーとを示す図である。
【図2】微生物の形態を示すゲル電気泳動の写真であっ
て、糞、ヘドロ、活性汚泥、陸水1〜3、および海水と
いった環境サンプル中の微生物から、本発明の方法によ
ってDNAを直接抽出し、これを鋳型としたPCRのゲ
ル電気泳動結果を示す図面代用写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機塩または有機塩を含む弱酸性の水溶
    液、または尿素水溶液で洗浄する第一の洗浄工程と、粉
    乳の水溶液で洗浄する第二の洗浄工程とを含むことを特
    徴とする、陸水、海水、温泉、活性汚泥、ヘドロおよび
    糞からなる群から選ばれる環境サンプル中の環境微生物
    からのDNAの直接抽出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により環境微生物
    からDNAを直接抽出して鋳型とし、一方が5'-GGAKSAT
    GTGGWTTAATTCG-3'(配列表の配列番号1)、他方が5'-A
    CAAGRCCYGGGRACGTATT-3'(配列表の配列番号2)で表さ
    れる塩基配列をプライマーとしてPCRを行い、ここで
    増幅されたDNA量を指標として細菌を検出することを
    特徴とする細菌の検出方法。
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