JPH10201086A - 太陽光発電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散電源毎に設置する機器収納箱（キュービ
クル）を１個にして分散電源型の太陽光発電装置の省ス
ペース化を図るとともにコスト及び工事ミスの低減を図
る。 【解決手段】 複数の分散電源２ａ〜２ｄの太陽電池３
の近傍それぞれに集電箱１６を設け、各集電箱１６に、
太陽電池３の電池接続の開閉手段，電サージ対策回路部
等の太陽電池接続回路部２８と、電力変換装置（インバ
ータ２５）を有し，制御装置２３からの運転制御情報に
基づく電力変換装置の分散電源２ａ〜２ｄ間の同期運転
により太陽電池接続回路部２８を介した太陽電池３の出
力を交流電力に変換して配電線１４に出力する集電回路
部２９とを収容する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池構成の複
数の分散電源を有する太陽光発電装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、工場，ビル或いは一般住宅等にお
いて、いわゆる分散電源として太陽光発電装置を備える
場合、それらの屋根や側壁等に大型，大電力出力の大規
模の太陽電池を設置できないときは、この大規模の太陽
電池を複数の小規模，小型の太陽電池に分散し、これら
の小型の太陽電池と，静止型の電力変換装置としての小
型，小容量のインバータとを組合せた太陽電池構成の複
数の分散電源を前記の屋根や側壁に分散して設置するこ
とが行われる。

【０００３】このとき、各分散電源のインバータをそれ
ぞれの制御装置により別個独立に運転すると、分散電源
毎に制御装置が必要になって発電装置が大型化するだけ
でなく、つぎのような種々の不都合がある。

【０００４】まず、系統電源との連系運転において、発
電量の増加に伴う連系点電圧の上昇を各分散電源の進相
運転で抑制する際、抑制判定の基準電圧が分散電源によ
ってばらつき、各分散電源の進相運転量のばらつきが生
じ、極端な場合は基準電圧の最も低い分散電源のみが進
相運転されてしまう。

【０００５】また、一般に進相運転が力率０．８５でク
リップされるため、分散電源によっては、力率０．８５
になっても連系点電圧の上昇が続く場合、その出力（発
電出力）を実際に絞り込んで低減するものもあり、この
場合は、進相運転量のばらつきが生じるだけでなく、全
体の発電効率が悪化（低下）する。

【０００６】さらに、連系運転中にインバータ出力と負
荷容量とがつり合って各分散電源が単独運転状態になる
ときにも適正な運転を継続するため、能動方式の検出と
して広く採用されている無効電力方式で単独運転状態を
検出しようとすると、この検出が無効電力の可変を周期
的にくり返して連系点電圧等の変動から系統停電等によ
る単独運転への移行を検出するものであるから、この検
出を各分散電源が非同期の状態で別個独立に行うことに
より、無効電力の可変による効果が分散電源間で相殺さ
れて検出困難になり、場合によっては単独運転への移行
を検出できない事態も生じる。

【０００７】つぎに、系統停電により自立運転に移行し
たときに、非同期運転による弊害を防止するため、１台
の分散電源のみを自立運転すると、十分な電力を確保す
ることができない。

【０００８】そこで、各分散電源を共通の１台の制御装
置で運転制御し、前記の各不都合の解消等を図ることが
考えられる。この場合、太陽光発電装置は図４に示すよ
うに構成される。

【０００９】この図４は工場等の比較的広い屋根を有す
る建物１に設ける場合を示し、４個の分散電源２ａ，２
ｂ，２ｃ，２ｄの太陽電池３は建物１の屋根に分散配置
される。

【００１０】各分散電源２ａ〜２ｄの太陽電池３は例え
ば数ＫＷ程度の比較的小規模の太陽電池アレイにより形
成され、この太陽電池アレイは数十Ｗ程度の太陽電池モ
ジュールを直並列接続して形成される。

【００１１】そして、太陽電池モジュールの直列接続回
路は直列系統（ストリング）と呼ばれ、太陽電池３の各
ストリングは設置試験や保守点検等のために、電池接続
の開閉手段としてのスイッチを介して連結される。

【００１２】これらのスイッチは各太陽電池３の近傍に
設けられた各太陽電池３の集電箱４に収容される。

【００１３】この集電箱４には、前記の各スイッチ及び
落雷時の雷サージ対策回路部，各ストリングの発生電圧
差に基づく逆流を防止する逆流防止回路部等の太陽電池
接続回路部が設けられる。

【００１４】この太陽電池接続回路部の具体的結線を、
本発明の実施の１形態の図３を参照して説明すると、太
陽電池３の各ストリングの正，負端に電池接続の開閉手
段としてのスイッチ５ａ，５ｂの一端が接続され、スイ
ッチ５ａの他端は逆流防止手段としてのストリング毎の
ダイオード６のアノードに接続される。

【００１５】また、各ダイオード６のカソード，各スイ
ッチ５ｂの他端が遮断器７ａ，７ｂを介して雷サージ対
策回路部としての落雷サージキラー部８に接続され、こ
のキラー部８から太陽電池３の出力が取出される。

【００１６】なお、落雷サージキラー部８は、例えば、
遮断器７ａ，７ｂの端部間，遮断器７ａ，７ｂと大地間
それぞれにサージキラー８ａ，８ｂ，８ｃを設けて形成
される。

【００１７】そして、集電箱４を介した各太陽電池３の
出力は各太陽電池３の近傍の建物１の外側壁に取付けら
れた各分散電源２ａ〜２ｄのインバータ収納箱９に取込
まれる。

【００１８】各インバータ収納箱９には分散電源２ａ〜
２ｄそれぞれの静止型の電力変換装置としての例えば電
圧型のインバータ等が収容され、このインバータにより
太陽電池３の出力が例えば３相の交流電力に変換され
る。

【００１９】このとき、各インバータ等は建物１内の監
視所等に設けられた制御盤１０の共通の１台の制御装置
からの運転制御情報にしたがって連系運転，自立運転が
同期して制御される。

【００２０】さらに、各インバータ収納箱９のインバー
タから出力された交流電力は、建物１の外壁面又は点検
のし易い場所に取付けられた系統連系保護リレー１１を
介して建物１の受電盤室１２に取込まれ、この受電盤室
１２により引込線１３の系統電力とともに配電線１４を
介して建物１の各系統負荷に給電される。

【００２１】この場合、分散電源２ａ〜２ｄ毎の制御装
置が省けるとともに各分散電源２ａ〜２ｄの制御が同期
して統一され、従来の各分散電源の非同期運転に伴う弊
害，すなわち連系運転の際の分散電源間の進相運転量の
ばらつき，単独運転状態の検出ミス，自立運転の際の電
力不足等を防止し得る。

【００２２】なお、図４の１５は建物１外のバッテリー
盤であり、各分散電源２ａ〜２ｄの太陽電池３の出力を
補う２次電池等が収納されている。

【００２３】

【発明が解決しようとする課題】前記図４の太陽光発電
装置の場合、分散電源２ａ〜２ｄ毎に太陽電池３ととも
に集電箱４及びインバータ収納箱９の２つの機器収納箱
（キュービクル）を設置する必要があり、省スペース化
及びコストの低減を図ることができず、しかも、集電箱
４とインバータ収納箱９との間の配線作業が必要にな
り、工事ミス（配線ミス）が発生し易い問題点がある。

【００２４】本発明は、分散電源毎に設置する機器収納
箱（キュービクル）を１個にして分散電源型の太陽光発
電装置の省スペース化を図るとともにコスト及び工事ミ
スの低減を図ることを目的とする。

【００２５】

【課題を解決するための手段】前記の課題を達成するた
めに、本発明の太陽光発電装置においては、各分散電源
の太陽電池の近傍それぞれに集電箱を設け、各集電箱
に、太陽電池の電池接続の開閉手段，雷サージ対策回路
部等の太陽電池接続回路部と、電力変換装置を有し，制
御装置からの運転制御情報に基づく電力変換装置の分散
電源間の同期運転により太陽電池接続回路部を介した各
太陽電池の出力を交流電力に変換して配電線に出力する
集電回路部とを収容する。

【００２６】したがって、各集電箱それぞれに太陽電池
接続回路部と，静止型の電力変換装置を有する集電回路
部とが収容され、各分散電源の太陽電池それぞれの近傍
に機器収納箱として１個の集電箱を設けてこの種分散電
源型の太陽光発電装置が形成される。

【００２７】

【発明の実施の形態】本発明の実施の１形態について、
図１ないし図３を参照して説明する。全体構成を示した
図１において、図４と同一符号は同一のものを示し、図
４の装置と異なる点は、図４の分散電源２ａ〜２ｄ毎の
集電箱４，インバータ収納箱９を省き、各インバータ収
納箱９の位置に集電箱１６を設けた点である。なお、各
集電箱４の位置に集電箱１６を設けてもよい。

【００２８】そして、図１の具体的な回路結線は図２の
単線系統図に示すようになり、受電盤室１２に引込まれ
た系統電源１７は受電盤室１２の複数の交流遮断器１８
を介して建物１内の一般負荷（系統負荷）１９に給電さ
れる。

【００２９】また、受電盤室１２にコンデンサ分圧型の
零相変圧器（ＺＰＤ）２０及び負荷切換器２１が設けら
れ、系統電圧と零相変圧器２０の検出電圧とに基づき、
系統連系保護リレー１１が受電盤室１２の負荷側の連系
点電圧の過電圧，不足電圧，系統地絡等の異常を検出し
て所要の遮断器１８の開放等を行う。

【００３０】さらに、系統連系保護リレー１１は光通信
機能が付加され、このリレー１１の過電圧，不足電圧，
系統地絡等の検出情報の信号が通信路用の光ファイバ２
２を介して制御盤１０のコンピュータ構成の共通の１台
の制御装置２３に伝送される。

【００３１】この制御装置２３は、制御盤１０に設けら
れた計器用変圧器２４から系統電圧が同期電圧の情報と
して与えられるとともに、各分散電源２ａ〜２ｄの静止
型の電力変換装置としてのインバータ２５及びバッテリ
盤１５の充放電制御部２６に上り，下りの情報伝送用の
光ケーブル２７ａ，２７ｂを介して接続され、外乱の影
響を排除して制御装置２３と各インバータ２４，充放電
制御部２６との間で情報をやりとりする。

【００３２】つぎに、同一に構成された各分散電源２ａ
〜２ｄはそれぞれの太陽電池３が建物１の屋根に分散配
置され、省スペース，コスト低減を図るため、図３のス
イッチ５ａ，５ｂ，ダイオード６，遮断器７ａ，７ｂ及
び落雷サージキラー部８からなる太陽電池接続回路部２
８及びインバータ２５を有する集電回路部２９が配線用
遮断器３０とともにそれぞれの集電箱１６に集約的に収
容される。

【００３３】一方、バッテリー盤１５は２次電池３１及
びこの電池３１を充放電する前述の充放電制御部２６を
有し、この制御部２６により開閉される充電路用の開閉
器３２と逆充電防止用のダイオード３３との並列回路が
２次電池３１に直列に接続され、２次電池３１が各分散
電源２ａ〜２ｄの共通の直流電源（補助電源）を形成す
る。

【００３４】なお、系統連系保護リレー１１は日本電気
協会発行の分散電源系統連系技術指針に準拠した保護要
素のリレーであって系統過電圧，不足電圧，系統地絡等
の異常を検出し、各分散電源２ａ〜２ｄをすみやかに停
止する。

【００３５】つぎに、動作モードには連系運転（個別連
系運転）モード，自立運転（並列自立運転）モード及び
充電運転モードの３モードがあり、その選択は制御装置
２３の動作モードスイッチ（図示せず）により行われ
る。

【００３６】そして、制御装置２３は計器用変圧器２４
により同期電圧として検出された系統電圧（連系点電
圧）を分周して単独運転能動検出の外乱発生用の例えば
６．２５Hz／７．５Hzのタイミング信号（同期信号）を
形成する。

【００３７】また、系統電圧の実効値から進相運転の開
始の有無を判定し、系統電圧の実行値が設定値（例えば
定格の１０５〜１１０％）以上のときにハイレベルの進
相運転開始信号を発生する。

【００３８】さらに、自走発振出力により自立運転時の
各インバータ２５の出力周波数，位相のデータを形成
し、これらのデータの信号を自立運転時の系統周波数
（５０Hz又は６０Hz）の同期制御のタイミング信号とし
て出力する。

【００３９】また、連系運転時は、各分散電源２ａ〜２
ｄの個別連系運転モードの信号を形成し、自立運転時
は、各分散電源２ａ〜２ｄを同期させて自立運転する並
列自立運転モードの信号を形成し、充電運転時は、各分
散電源２ａ〜２ｄのコンバータ出力で２次電池３１を充
電する充電（運転）モードの信号を形成する。

【００４０】そして、動作モードの信号及び後述の各受
信信号に基づき、制御装置２３は予め設定された各動作
モードのプログラムにしたがって動作し、選択された動
作モードに応じてタイミング信号，位相運転開始信号及
び運転切換信号等の光信号を形成し、これらの信号を運
転制御情報として下りの各光ファイバ２７ａを介して分
散電源２ａ〜２ｄのインバータ２５及びバッテリー盤１
５の充放電制御部２６に伝送する。

【００４１】一方、各動作モードの運転中に制御装置２
３は運転制御情報としてつぎの各信号を受信する。

【００４２】まず、光ファイバ２２を介した系統連系運
転保護リレー１１のリレー動作信号，不足電圧動作等の
連系異常信号等を受信する。

【００４３】また、上りの光ファイバ２７ａを介した各
分散電源２ａ〜２ｄのインバータ２５の運転準備完了の
通知信号発電量の信号等を受信する。

【００４４】さらに、上りの光ファイバ２７ａ及びバッ
テリ盤１５の充放電制御部２６を介して２次電池３１の
充電状態の通知信号も受信する。

【００４５】なお、連系異常信号等により系統停電を検
知したときは、制御装置２３から負荷切換器２１に通常
負荷１９への給電から非常負荷３４への給電に切換える
負荷切換信号も供給される。

【００４６】また、受信した各通知信号や発電量の信号
等に基づき、制御装置２３は例えば点消灯により各分散
電源２ａ〜２ｄの運転準備の完了の有無を表示するとと
もに、各分散電源２ａ〜２ｄの発電量（出力）を数字表
示する。

【００４７】つぎに、各分散電源２ａ〜２ｄの動作につ
き、分散電源２ａの構成を示した図３を参照して説明す
る。まず、インバータ２５は昇降圧用のＤＣ／ＤＣコン
バータ部３５と電力変換用のＤＣ／ＡＣインバータ部３
６の２段縦列回路により形成されてインバータ機能及び
コンバータ機能を有し、シーケンス回路３７によるイン
バータ部３６の運転に基づき、通常はインバータとして
動作して太陽電池３の直流の出力電力を交流電力に変換
し、バッテリ盤１５の２次電池３１の充電時はコンバー
タとして動作して系統電力を直流電力に変換する。

【００４８】なお、コンバータ部３５は入力電圧範囲を
拡大して広い電圧範囲の直流に適用させるために設けら
れ、入力電圧がインバータ部３６とマッチング等してい
れば省くことも可能である。

【００４９】そして、コンバータ部３５を介した太陽電
池３の出力電圧，出力電流はインバータ部３６の直流側
の計器用変圧器３８，計器用変流器３９により監視され
て検出され、それらの検出信号が電力計測部４０及び最
大電力制御演算部４１に供給される。

【００５０】そして、電力計測部４０により太陽電池３
の出力電力が演算され、演算結果の信号（電圧信号）が
電圧／周波数変換器４２に供給されて周波数信号に変換
され、この信号が前記の発電量の信号を形成する。

【００５１】この発電量の信号は、例えば各分散電源２
ａ〜２ｄの太陽電池３が５ＫＷ程度の比較的小電力出力
の場合、この出力の−５ＫＷ〜５ＫＷ（−は充電電力量
を示す）の変化により２〜４ＫHzの範囲で変化する。

【００５２】また、インバータ部３６が出力する交流電
力等の電圧，電流は交流側の計器用変圧器４３，計器用
変流器４４により検出され、変圧器４３の検出出力に基
づく出力電圧計測部４５の電圧計測信号は電圧制御部４
６及び電流制御部４７に供給され、変流器４４の電流検
出信号は電流制御部４７に供給される。

【００５３】一方、制御装置２３から下りの光ファイバ
２７ｂを介して伝送された光信号が受光部４８に受光さ
れて電気信号に変換され、この変換により再生されたタ
イミング信号が電圧制御部４６，電流制御部４７に供給
され、進相運転開始信号，運転切換信号等はシーケンス
回路３７に供給される。

【００５４】そして、シーケンス回路３７は各入力信号
に基づくシーケンス制御により、運転切換器４９，５０
に動作モードに応じた切換信号を供給し、個別連系運転
のモードのときは運転切換器４９，５０を連系接点Ｑ
ａ，連系・充電接点Ｒａに切換え、並列自立運転のモー
ドのときは運転切換器４９，５０を自立・充電接点Ｑ
ｂ，自立接点Ｒｂに切換え、充電運転のモードのときは
運転切換器４９を自立・充電接点Ｑｂに切換えて運転切
換器５０を連系・充電接点Ｒａに切換える。

【００５５】また、シーケンス回路３７は動作モードに
応じた運転制御の信号を制御部４６，４７に供給すると
ともに、インバータ２５の内部異常の有無等を通知する
運転準備完了の通知信号を形成し、この通知信号及び発
電量の信号を発光部５１により光信号に変換し、上りの
光ファイバ２７ａを介して制御装置２３に伝送する。

【００５６】そして、個別連系運転のモードになる通常
の連系運転時は、各分散電源２ａ〜２ｄのインバータ２
５が系統電圧に同期して個別にインバータ動作し、この
とき、インバータ２５の運転切換スイッチ４９，５０が
接点Ｑａ，Ｒａに位置し、最大電力制御演算部４１の演
算結果の出力が電流制御部４７に供給され、この電流制
御部４７からインバータ部３６にインバータ駆動信号と
してのスイッチングパルス信号が供給され、それぞれの
太陽電池３から最大電力を取出すように太陽電池３の時
々刻々の最大電力に追従してインバータ部３６が駆動さ
れる。

【００５７】この駆動により、各分散電源２ａ〜２ｄは
系統電圧に同期して個別に連系運転され、各太陽電池３
の時々刻々の最大電力が系統周波数の交流電力に変換さ
れる。

【００５８】このとき、各分散電源２ａ〜２ｄが系統電
圧に同期するため、各分散電源２ａ〜２ｄは同期して連
系運転される。

【００５９】また、連系点電圧の過大な上昇を抑制する
ため、個別連系運転中に制御装置２３から各分散電源２
ａ〜２ｄに進相運転開始信号が供給されると、各分散電
源２ａ〜２ｄのインバータ２５は電流制御により出力電
流の位相が例えば進相運転開始信号の大きさにしたがっ
て電流位相より進相し、進相運転が行われる。

【００６０】このとき、各分散電源２ａ〜２ｄは制御装
置２３の進相運転判定に基づき、共通化された同一の判
定基準の電圧にしたがって進相運転され、分散電源２ａ
〜２ｄ間の進相運転量のばらつきが防止されて各分散電
源２ａ〜２ｄが均等に進相運転され、全体の発電効率の
低下を防止して連系点電圧が抑制される。

【００６１】さらに、制御装置２３から各分散電源２ａ
〜２ｄに系統電圧に同期したタイミング信号が供給さ
れ、このタイミング信号に基づき、各分散電源２ａ〜２
ｄのインバータ２５が外乱発生タイミングの同期をとっ
て無効電力を可変し、無効電力変動方式で単独運転への
移行を監視して検出する。

【００６２】そのため、各分散電源２ａ〜２ｄの無効電
力の可変による効果が分散電源２ａ〜２ｄ間で相殺され
ず、単独運転になっても、この運転が確実に検出されて
継続される。

【００６３】つぎに、系統停電等が発生して並列自立運
転のモードになる自立運転時は、各分散電源２ａ〜２ｄ
のインバータ２５が自立運転のインバータ動作に切換わ
る。

【００６４】このとき、制御装置２３の自走発振により
形成されたタイミング信号に基づき、各分散電源２ａ〜
２ｄのインバータ２５が同期して運転される。

【００６５】また、各分散電源２ａ〜２ｄのインバータ
２５によりそれぞれの入力用の開閉器５２が閉成され、
各分散電源２ａ〜２ｄの太陽電池３が並列接続されて共
通の直流電源を形成する。

【００６６】さらに、運転切換信号等に基づき、バッテ
リー盤１５の開閉器３２が開放され、前記共通の直流電
源にダイオード３３を介して２次電池２９が接続され、
この２次電池２９が前記共通の直流電源とともに各分散
電源２ａ〜２ｄの入力電源を形成する。

【００６７】したがって、災害等による系統停電時に、
各分散電源２ａ〜２ｄのインバータ２５が同期していず
れも自立運転され、各分散電源２ａ〜２ｄのいずれか１
台を運転する場合より非常負荷３４に給電可能な電力が
大きくなり、非常負荷３４を十分な大きさにすることが
できる。

【００６８】しかも、２次電池３１の併用により、自立
運転時の安定給電の確保，給電電力の一層の増大等を図
ることができる。

【００６９】つぎに、充電運転時は、各分散電源２ａ〜
２ｄのインバータ２５が充電運転に切換わってコンバー
タ動作するとともに、各開閉器５２が閉成される。この
とき、バッテリー盤１５が開閉器３２を閉成して充電制
御を実行する。

【００７０】そして、各分散電源２ａ〜２ｄのインバー
タ２５が定電流制御で直流電力を形成し、この直流電力
が２次電池３１に供給されてこの電池３１が充電され
る。

【００７１】この場合、大型の専用の充電設備等を別途
用意することなく、各分散電源２ａ〜２ｄを用いて２次
電池３１が充電され、しかも、各分散電源２ａ〜２ｄの
いずれか１台のコンバータ出力で充電する場合より充電
容量が大きく，大容量の充電電力で２次電池３１を充電
することができ、太陽光発電装置を大型化することな
く、補助直流電源の容量の増大等を図ることができる。
なお、充電が完了すると、開閉器３２が開放されて充電
が終了する。

【００７２】ところで、各動作モードにおける分散電源
２ａ〜２ｄの状態，発電量等が制御装置２３に集中表示
されるため、工場，ビルの監理所等に１個所で各分散電
源２ａ〜２ｄの運転状態を集中して監視することがで
き、能率のよい運転管理が行える。

【００７３】そして、各分散電源２ａ〜２ｄの太陽電池
３の近傍に集電箱１６を設け、従来は２個の機器収納箱
（集電箱４，インバータ収納箱９）に別個に収納されて
いた太陽電池接続回路部２８とインバータ２５を有する
集電回路部２９とを１個の集電箱１６に集約的に収納し
たため、省スペースを実現できる。

【００７４】また、現地での従来の集電箱４，インバー
タ収納箱９間の接続が不要になり、工事費が低減される
とともに配線ミスを防止することができ、コストの低減
及び工事ミスの低減を図ることができる。

【００７５】なお、共通の１個の制御装置２３により各
分散電源２ａ〜２ｄ等を集中して一括制御するため、各
分散電源２ａ〜２ｄに個別に制御装置を設ける必要がな
く、この点からも小型化等が図れるのは勿論である。

【００７６】また、図１の構成の場合は制御装置２３と
各分散電源２ａ〜２ｄの運転制御情報のやりとりが光フ
ァイバ２７ａ，２７ｂを用いた有線通信で行われるた
め、伝送される情報が外乱の影響を受けることがなく、
信頼性の高い太陽光発電装置を提供することができる利
点もある。

【００７７】そして、集電箱１６は太陽電池３の近傍の
適当な位置に設けてよいのは勿論である。

【００７８】また、分散電源の数や制御装置，各分散電
源の回路構成等は前記実施の形態のものに限定されるも
のではない。

【００７９】そのため、集電箱に収容される太陽電池接
続回路部，集電回路部の構成も図３のものに限定される
ものではない。

【００８０】なお、省スペース化を図るため、集電箱は
極力小型化することが望ましいのは勿論である。

【００８１】つぎに、前記実施の形態においては、バッ
テリー盤１５を設けたが、このバッテリー盤１５を省い
た場合にも同様に適用することができる。

【００８２】さらに、制御装置と各分散電源等との間の
情報のやりとりは、通信ケーブルを介して電気的な有線
通信信号により行うようにしてもよく、無線通信で行う
ようにしてもよい。

【００８３】そして、この種太陽光発電装置の各分散電
源は、建物に設けるだけでなく、例えば高速道路や新幹
線路等の鉄道路の防音壁等の代わりに設けてもよく、こ
の場合、比較的大容量発電の装置であっても設置場所の
問題等なく容易に実現することができる利点がある。

【００８４】なお、分散電源毎に制御装置を設けて各分
散電源を別個に運転する太陽光発電装置についても、本
発明を適用すれば省スペース化等を図ることができる。

【００８５】

【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。各分散電源２ａ〜２ｄの太陽電池３の近傍に集電箱
１６を設け、各集電箱１６それぞれに太陽電池接続回路
部２８と，静止型の電力変換装置（インバータ２５）を
有する集電回路部２９とを集約的に収納したため、各分
散電源２ａ〜２ｄの太陽電池３それぞれの近傍に、機器
収納箱（キュービクル）として、１個の集電箱１６を設
けてこの種分散電源型の太陽光発電装置を形成すること
ができ、省スペース化を図ることができるとともに、コ
スト及び工事ミス（配線ミス）を低減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の１形態の全体構成の説明図であ
る。

【図２】図１の回路結線図である。

【図３】図２の一部の詳細な回路結線図である。

【図４】従来例の説明図である。

【符号の説明】

２ａ〜２ｄ 分散電源 ３ 太陽電池 １４ 配電線 １６ 集電箱 ２３ 制御装置 ２５ インバータ ２８ 太陽電池接続回路部 ２９ 集電回路部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｈ０２Ｎ 6/00 Ｈ０１Ｌ 31/04 Ｋ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 系統に接続された複数の分散電源の静止
   型の電力変換装置の運転を、共通の１台の制御装置によ
   り制御し、前記各分散電源の太陽電池の出力を交流電力
   に変換して系統負荷に給電する太陽光発電装置におい
   て、 前記太陽電池の近傍それぞれに集電箱を設け、 前記各集電箱に、 前記太陽電池の電池接続の開閉手段，雷サージ対策回路
   部等の太陽電池接続回路部と、 前記電力変換装置を有し，前記制御装置からの運転制御
   情報に基づく前記電力変換装置の前記各分散電源間の同
   期運転により前記太陽電池接続回路部を介した前記太陽
   電池の出力を交流電力に変換して配電線に出力する集電
   回路部とを収容したことを特徴とする太陽光発電装置。