JPH10196907A - ボイラの支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボトムサポート型のボイラの支持装置におい
て、水ドラム又は管寄せ側の熱がコンクリート製の基礎
に伝わって強度を低下させることを防止し、かつ、ボイ
ラ構成機器の熱膨張による支持台水平方向の移動を吸収
できるようにする。 【解決手段】 コンクリート製の基礎１上にボイラの構
成機器荷重を受けるベースプレート２を設置し、ボイラ
の構成機器荷重を受けつつ熱膨張による水平移動を可能
とする滑り板３を前記ベースプレート２とボイラの構成
機器を支持する支持台４との間に介装したボトムサポー
ト型ボイラの支持装置において、ボイラの構成機器荷重
を受けると共に同ボイラの構成機器からの伝熱を防止す
る断熱板１１を前記ベースプレート２と滑り板３との間
に介装すると共に、前記支持台４の上面に接して水平移
動を許容しながら上下移動を制限する鉤状のストッパー
１２をベースプレート２上の複数個所へ立設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラの構成機器
の荷重を基礎上に支持するボイラの支持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ボイラの構成機器の荷重を基礎上に支持
するボイラの支持装置は、例えば図３に示すように、コ
ンクリート製の基礎１とボイラ構成機器の水ドラム又は
管寄せ７との間に支持装置９が配置され、ボイラ１０の
構成機器荷重を支持するようになっている。

【０００３】図４は、そのような型式の支持装置９の従
来のものの要部断面図である。同図４に示すように、支
持装置９は、コンクリート製の基礎１の上に、鋼板製の
ベースプレート２が配置され、ボイラ１０の構成機器の
水ドラム又は管寄せ７は支持脚５を介して支持台４によ
って支持されており、支持台４の下部とベースプレート
２との間には、滑り板３が介装され、この滑り板３は図
示しない部材によって水平移動が制限されている。この
滑り板３の上面と支持台４の下面との間は摺動可能とな
っており、ボイラ１０の熱膨張に伴って水ドラム又は管
寄せ７が水平方向に移動できるようになっている。

【０００４】また、ベースプレート２は同ベースプレー
ト２を貫通する基礎ボルト６によって水平方向の動きが
制止され、支持台４は基礎ボルト６によって上下方向の
動きが制限されているが、支持台４は水平方向には前記
熱膨張による若干の移動が可能なように基礎ボルト６が
支持台４に遊嵌されている。

【０００５】そして、水ドラム又は管寄せ７の外周は、
所定厚さの保温材８によって被覆され、支持台４の近傍
まで保温材８が被覆され保温されている。

【０００６】前記のような従来のボイラの支持装置で
は、例えば、２５０℃〜３５０℃の水ドラム又は管寄せ
７からの熱が、支持脚５を介し支持台４へ伝わり、同支
持台４から滑り板３、ベースプレート２を経てコンクリ
ート製の基礎１へ伝わり、さらに、支持台４からの熱が
基礎ボルト６を介して基礎１へ伝わることにより、コン
クリート製の基礎１の温度が、１２０℃〜１５０℃程度
まで上昇する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前記のように、滑り板
３を介してベースプレート２に支持されている支持台４
を基礎ボルト６によって遊嵌支持している従来のボイラ
の支持装置では、高温の水ドラム又は管寄せ７の熱が、
コンクリート製の基礎１へ伝わり、コンクリートの温度
が常温よりもかなり高くなり、コンクリートの劣化、ヒ
ビ割れ等を起こし、耐久性が落ちるという問題があっ
た。このため、大きな荷重が加担されるボイラの支持装
置では、基礎の強度が低下しボイラ設備の信頼性が低下
するという問題があった。

【０００８】本発明は、これらの問題点を解消し、コン
クリート製基礎の温度上昇を低減することによって、基
礎の強度低下を防止し、耐久性を維持できるボイラの支
持装置を提供しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、コンクリート
製の基礎上にボイラの構成機器荷重を受けるベースプレ
ートを設置し、ボイラの構成機器荷重を受けつつ熱膨張
による水平移動を可能とする滑り板を前記ベースプレー
トとボイラの構成機器を支持する支持台との間に介装し
たボイラの支持装置において、ボイラの構成機器荷重を
受けると共に同ボイラ構成機器からの伝熱を防止する断
熱板を前記ベースプレートと滑り板との間に介装すると
共に、前記支持台の上面に接して水平移動を許容しなが
ら上下移動を制限する鉤状のストッパーをベースプレー
ト上の複数個所へ立設して構成したものである。

【００１０】本発明のボイラの支持装置によれば、ボイ
ラの構成機器荷重を支持するベースプレートが、コンク
リート製の基礎上に設置されており、このベースプレー
トとボイラの構成機器を支持する支持台との間には水平
移動を可能とする滑り板と伝熱を防止する断熱板が介装
され、ベースプレート上の複数個所に立設され支持台の
上面に接する鉤状のストッパーによって水平移動を許容
しながらボイラの構成機器を支持する前記支持台の上下
移動が制限されるようになっている。そして、ボイラの
構成機器が熱膨張等によって水平方向の移動が起きる
と、ボイラの機器を支持する前記支持台が滑り板の上を
摺動して水平移動することができる。また、この水平移
動に伴って滑り板及び断熱板が横方向に押し出される力
を受けて移動しても、その移動は、ストッパーの脚部に
当接するまでの若干の移動量に制限されている。

【００１１】一方、ボイラの構成機器からの高温の熱は
前記支持台から滑り板へ伝熱するが、断熱板をベースプ
レートと滑り板との間に介装したことによって断熱さ
れ、ベースプレートを介してコンクリート製の基礎への
伝熱量が減少する。さらに、支持台の上面からストッパ
ーを介してベースプレートへ伝熱する熱は、ストッパー
の脚部が露出し放熱される。これによって、ボイラの構
成機器からの高温の熱のベースプレートへの熱影響を微
小にすることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を、図１及
び図２によって説明する。図１は同実施の形態に係るボ
イラの支持装置の要部断面図、図２は図１のII−II矢視
図である。本実施の形態は、図３に符号９で示される位
置に設置されるボイラの支持装置を次のように構成した
ものである。なお、図１及び図２において、図４に示さ
れる従来のボイラの支持装置におけると同一部分には同
一符号が付されており、重複する説明は省略する。

【００１３】本実施の形態に係る支持装置は、図４に示
される従来のボイラの支持装置と同様に、コンクリート
製の基礎１とボイラ構成機器の水ドラム又は管寄せ７と
の間に配置され、ボイラの構成機器の荷重を支持すると
共にボイラ構成機器からの高温の熱がコンクリート製の
基礎１へ伝達し難いように構成されたものである。

【００１４】２はボイラの構成機器の荷重を支持し矩形
の平面形状を有するベースプレートで、基礎ボルト６に
よってコンクリート製の基礎１へ固定されている。１１
は矩形の平面形状を有する滑り板３と前記ベースプレー
ト２の間に介装された断熱板で、例えば、３５０℃〜４
００℃までの耐熱性及び所定の圧縮強度を持つ材料で形
成されている。

【００１５】１２は、矩形の平面形状を有する支持台４
の上面を抑えるように接しながら水平移動を許容しつつ
上下移動を制限する鉤状のストッパーで、同ストッパー
１２はベースプレート２上の複数個所へ立設されてい
る。前記ストッパー１２は、支持台４の矩形の各辺当り
に２個設けられ、その脚部は断熱板１１と支持台４の外
側を上方へ延び、その鉤状をなす水平の上端部が支持台
４の上面に接してこれを抑えるようになっている。そし
て、断熱板１１及び滑り板３の横方向移動がストッパー
１２の脚部に当接することによって横づれが制限される
ようになっている。

【００１６】本実施の形態の他の構成は、図４に示され
る従来のボイラの支持装置とほぼ同一の構成となってい
る。

【００１７】以上のように構成され配置された本実施の
形態に係るボイラの支持装置によれば、コンクリート製
の基礎１上にボイラの構成機器荷重を支持するベースプ
レート２が設置されており、このベースプレート２の上
面とボイラの水ドラム又は管寄せ７を支持する支持台４
との間には水平方向移動を可能とする滑り板３と伝熱を
防止する断熱板１１が介装され、前記支持台４は鉤状の
ストッパー１２によって水平移動を許容しながら上下移
動が制限されるようになっているので、ボイラの水ドラ
ム又は管寄せ７が熱膨張等によって水平方向の移動が起
きると、水ドラム又は管寄せ７の支持台４が滑り板３の
上を摺動して水平移動することができる。

【００１８】また、支持台４の水平移動に伴って滑り板
３及び断熱板１１が横方向に移動させられる力を受けて
も、ストッパー１２の脚部に当接することによって、滑
り板３と断熱板１１の横づれは若干の移動量に制限され
る。

【００１９】一方、水ドラム又は管寄せ７からの高温の
熱（例えば、２５０℃〜３５０℃）は支持台４から滑り
板３へ伝熱するが、断熱板１１を滑り板３とベースプレ
ート２の間に介装したことによって断熱され、ベースプ
レート２を介しコンクリート製の基礎１への伝熱量が減
少し、基礎１での温度を約７０℃〜９０℃程度に低下さ
せることができる。

【００２０】さらに、支持台４の上面からストッパー１
２を介してベースプレート２へ伝熱する熱は、ストッパ
ー１２の脚部が露出し放熱されることによりベースプレ
ート２への熱影響は微小とすることができる。

【００２１】

【発明の効果】、本発明は、コンクリート製の基礎上に
ボイラの構成機器荷重を受けるベースプレートを設置
し、ボイラの構成機器荷重を受けつつ熱膨張による水平
移動を可能とする滑り板を前記ベースプレートとボイラ
の構成機器を支持する支持台との間に装設したボイラの
支持装置において、ボイラの構成機器荷重を受けると共
に同ボイラの構成機器からの伝熱を防止する断熱板を前
記ベースプレートと滑り板との間に介装すると共に、前
記支持台の上面に接して水平移動を許容しながら上下移
動を制限する鉤状のストッパーをベースプレート上の複
数個所へ立設して構成したので、ボイラの構成機器が熱
膨張等によって水平方向の移動が起きると、ボイラの構
成機器を支持する支持台が滑り板の上を摺動して水平移
動して、ボイラの構成機器の水平方向の移動に対応する
ことができる。

【００２２】また、ボイラの構成機器からの高温の熱が
断熱板によって断熱され、コンクリート製の基礎への伝
熱量が大幅に減少し、コンクリート製の基礎の温度上昇
を防止することができる。このように、コンクリート製
の基礎の温度上昇が防止できるので、コンクリートの劣
化、ヒビ割れ等が防止され、耐久性が維持できる効果が
ある。

【００２３】本発明は以上のように、ベースプレートと
滑り板との間に介装された断熱板によって、コンクリー
ト製の基礎の温度上昇が抑止されて基礎の強度低下を防
止すると共に耐久性が維持され、かつ、ベースプレート
上の複数個所に立設され支持台の上面に接する鉤状のス
トッパーによって支持台の水平移動を許容しながら上下
移動を制限することによってボイラの構成機器の熱膨張
等による水平方向の移動に対応することができ、ボイラ
設備の信頼性を高めることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の第１形態に係るボイラの支持装
置の要部断面図である。

【図２】図１のII−II矢視図である。

【図３】ボイラの支持装置の取付位置を示す概念図であ
る。

【図４】従来のボイラの支持装置の要部断面図である。

【符号の説明】

１ 基礎 ２ ベースプレート ３ 滑り板 ４ 支持台 ５ 支持脚 ６ 基礎ボルト ７ 水ドラム又は管寄せ ８ 保温材 ９ 支持装置 １０ ボイラ １１ 断熱板 １２ ストッパー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート製の基礎上にボイラの構成
   機器荷重を受けるベースプレートを設置し、ボイラの構
   成機器荷重を受けつつ熱膨張による水平移動を可能とす
   る滑り板を前記ベースプレートとボイラの構成機器を支
   持する支持台との間に介装したボイラの支持装置におい
   て、ボイラの構成機器荷重を受けると共に同ボイラの構
   成機器からの伝熱を防止する断熱板を前記ベースプレー
   トと滑り板との間に介装すると共に、前記支持台の上面
   に接して水平移動を許容しながら上下移動を制限する鉤
   状のストッパーをベースプレート上の複数個所へ立設し
   たことを特徴とするボイラの支持装置。