JPH10193757A - インクリボンカセット - Google Patents

インクリボンカセット

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JPH10193757A
JPH10193757A JP35677496A JP35677496A JPH10193757A JP H10193757 A JPH10193757 A JP H10193757A JP 35677496 A JP35677496 A JP 35677496A JP 35677496 A JP35677496 A JP 35677496A JP H10193757 A JPH10193757 A JP H10193757A
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JP
Japan
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ink ribbon
core
sheet
cassette
friction
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Application number
JP35677496A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Hori
芳行 堀
Nobuyuki Motoyama
信之 本山
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Dynic Corp
Original Assignee
Dynic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 インクリボンの走行安定性を著しく改善し
て、優れた印字品位を長期間に亘って持続させることの
できるインクリボンカセットの提供。 【解決手段】 インクリボンカセットにおいて、巻出コ
ア20および巻出コアに巻回されたインクリボン12の
下方側面に対向するカセット本体の底部内面に、インク
リボンの下方側面と接触可能な第1の摩擦手段14およ
び第1の摩擦手段14の内周側に隣接して第1の摩擦手
段14より摩擦係数の小さな材質の第2の摩擦手段18
が設けられる。印字時にインクリボン12が巻出コア2
0から巻き出されるとき、巻出コア20に全巻された状
態から巻き出される初期段階では第1の摩擦手段14と
接触しながら巻き出され、第1の摩擦手段14との接触
が無くなった後は第2の摩擦手段18と接触しながら巻
き出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリンタに装着され
て該プリンタ側の印字ヘッドとの共働により所定の記録
媒体に印字するために用いられるインクリボンカセット
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクリボンカセットとしては、
たとえば特開平6−48003号公報記載のものが知ら
れている。このインクリボンカセットにおいては、巻取
側および巻出側に、インクリボンと接触する表面が摩擦
係数の大きい素材(ゴム様弾性体)で形成された一対の
リボン送りローラが設けられると共に、該リボン送りロ
ーラに対するインクリボンの巻付角度が駆動限界以上と
されている。
【0003】また、走行するインクリボンに対して適切
なバックテンションを与えるために、巻出コアの回転に
対してブレーキをかける摩擦部材をばね付勢により設け
ると共に、インクリボンカセットのケース底部内面とイ
ンクリボンが巻回された巻出コアとの間にシートを介在
させることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
インクリボンカセットにあっては、ローラの摩擦係数が
大きいため、リボン走行中に巻取側のローラにインクリ
ボンが巻き込まれるという問題があった。
【0005】さらに、インクリボンカセットあるいはキ
ャリッジの製造時における精度誤差や経年変化等により
バックトルクにバラツキが生じ、これに起因するバック
テンションのバラツキがインクリボンの走行不良を起こ
し、印字不良を発生させることがあった。
【0006】また、巻出コアから巻き出されるインクリ
ボンに対してシートを接触させることはバックテンショ
ンを与える上で一応の効果を発揮するものの、コアに対
するインクリボンの巻回状態にバラツキがあるとシート
と接触しない部分が生じ、この部分から巻き出されるイ
ンクリボンに対してはバックテンション不足となり、あ
るいは過度の荷重がシートにかかる部分ではバックテン
ション過多となり、いずれにしても印字不良の原因とな
っていた。
【0007】さらに、従来技術では、巻出コアに巻回さ
れたインクリボンの最大巻径範囲に亘ってその下方側面
と接触するように摩擦シートがカセット底部内面に設け
られているが、両面印字タイプのインクリボンカセット
にこの構成を採用すると、巻取コアとされている他方の
コアの頂部内面にも同様に摩擦シートが設けられること
になる。このため、カセット内部における巻出コアおよ
び巻取コアのガタが不十分となり、インクリボン走行が
不安定となっていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような従来技術においてインクリボンがローラに巻き込
み、あるいはバックテンションにバラツキを生ずるため
にインクリボンの走行安定性が大きく損なわれることを
解消するべく実験と研究を重ねた結果、巻出コアに巻回
されたインクリボンが印字時に巻き出されるとき、その
初期の間には大きな摩擦抵抗を受け、その後は小さな摩
擦抵抗を受けて巻き出されるように構成することによ
り、上記問題が解決されることを知見し、本発明に至っ
たものである。
【0009】すなわち、本発明は、カセット本体内に一
対の回転自在なコアが収納され、これらコア間にインク
リボンが巻回されて一方が巻出コア、他方が巻取コアと
され、上記インクリボンのパスラインの略中間において
上記インクリボンは上記カセット本体の外部に導出され
ており、上記カセット本体の前端部分には上記外部に導
出されたインクリボンとの共働により記録媒体に印字す
る印字ヘッドを挿入するための凹部が設けられ、上記凹
部と上記巻出コアおよび上記巻取コアとの間にそれぞれ
少なくとも一のガイドローラが設けられてなるインクリ
ボンカセットにおいて、上記巻出コアおよび該巻出コア
に巻回された上記インクリボンの下方側面に対向する上
記カセット本体の底部内面に、上記巻出コアに巻回され
た上記インクリボンの下方側面と接触可能な第1の摩擦
手段および該第1の摩擦手段の内周側に隣接して該第1
の摩擦手段より摩擦係数の小さな材質の第2の摩擦手段
が設けられ、印字時に上記インクリボンが上記巻出コア
から巻き出されるとき、上記インクリボンは上記巻出コ
アに全巻された状態から巻き出される初期段階では上記
第1の摩擦手段と接触しながら巻き出され、該第1の摩
擦手段との接触が無くなった後は上記第2の摩擦手段と
接触しながら巻き出されるよう構成されてなることを特
徴とする。
【0010】本発明の好適な一態様によれば、上記第1
の摩擦手段はリボンカセットの底部内面に固定されたシ
ートである。これにより両面印字が可能となる。
【0011】上記シートは、動摩擦係数と静摩擦係数の
比が1/2以上である材質で形成されることが好適であ
る。このような材質としてはたとえば羊毛フェルト、ポ
リウレタン発泡体等を挙げることができるが、毛羽立ち
による印字およびサーマルヘッドへの悪影響を考慮する
とポリウレタン発泡体が特に好適である。
【0012】本発明の他の好適な一態様によれば、上記
シートの厚さは0.3〜1.0mmである。
【0013】また、上記第2の摩擦手段は上記カセット
本体の底部内面と一体に設けることができる。この第2
の摩擦手段の好適な一例はABS(アクリルニトリルブ
タジエンスチレン)である。
【0014】本発明の他の好適な一態様によれば、上記
巻出コアに巻回されたインクリボンの側面高さ位置変動
がリボン幅に対して4%以内とされる。インクリボンが
巻かれた巻出コアをスムーズに回転させるためには少な
くともインクリボンの位置変動+2%のガタ(巻出コア
とカセット本体内面との間隔)を確保する必要がある
が、このガタが過大となるとインクリボンの安定した走
行に支障を来し、印字不良を招く恐れがある。そこで、
インクリボンの走行安定性を良好に維持しながら巻出コ
アをスムーズに回転させるためには、インクリボンの位
置変動をリボン幅に対して4%以内とすることが好まし
い。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例によるイ
ンクリボンカセット10が示されている。このインクリ
ボンカセット10は図示の状態から裏返して装着するこ
とが可能とされている両面印字タイプのものであり、し
たがって図において左右対称に構成されている。また、
図1はケースおよびカバーを接合してなるカセット本体
からカバーを取り除いた状態としてインクリボンカセッ
ト10を示す上面図である。
【0016】ケース11内にはインクリボン12が巻回
された一対のコア20、30が収容されており、図示の
状態においてはコア20が巻出コア、コア30が巻取コ
アとされている。インクリボン12は巻出コア20から
ガイドローラ21、22、23および24によって案内
され、さらに、ケース10の前端中央部に形成される凹
部13の両側に突出して形成される略三角形状の突出部
25、35の一方25の先端部に案内された後、凹部1
3に向けてカセット外部に導出される。他方の突出部3
5の先端部に案内されて再度カセット内部に導入された
インクリボン12は、ガイドローラ34、33、32お
よび31に案内され、巻取コア30に巻き取られる。
【0017】インクリボンカセット10が熱転写プリン
タのキャリッジに装填された状態において、該キャリッ
ジ上の一対の回転軸が巻出コア20および巻取コア30
に嵌入係合する。そして、巻取コア30に嵌入係合され
た回転軸が適当な駆動源により回転駆動されることによ
り、インクリボン12が前述のパスラインを通って巻出
コア20から巻取コア30に向けて送出され、これに伴
って巻出コア20も巻取コア30の回転駆動方向と同方
向に従動回転する。また、キャリッジと共にプラテンに
沿って往復移動可能に設けられるサーマルヘッドは、イ
ンクリボンカセット10の前端中央部に形成された凹部
13に挿入され、印字時には図において上方に移動して
インクリボンカセット10の外部に導出されている部分
のインクリボン12を引き上げ、インクリボン12の走
行に同期して搬送される所定の記録媒体に対して所定の
印字を行うものである。
【0018】かかるプリンタ側の構成および熱転写方式
による印字メカニズムは公知であるので、図示省略して
以上の簡単な説明に止める。
【0019】巻出側のガイドローラ21〜24および巻
取側のガイドローラ31〜34のうち、巻取側のガイド
ローラ32は駆動ローラである。すなわち、この駆動ロ
ーラ32には、インクリボンカセット10が前記キャリ
ッジに装填された状態において該キャリッジ上に設けら
れる駆動軸(図示せず)が嵌入係合され、適当な駆動源
により駆動軸が回転駆動されたときにその駆動力を受け
て駆動ローラ32が図において反時計方向に回転し、イ
ンクリボンの走行を積極的に補助する。
【0020】一方、このガイドローラ32に対向して巻
出側に設けられるガイドローラ22には、インクリボン
カセット10が前記キャリッジに装填された状態におい
て該キャリッジ上に回転自在に設けられる回転軸(図示
せず)が嵌入係合されるが、該回転軸には何ら駆動源が
連結されず、空転可能であるにすぎない。そして、本実
施例においては、後述するように、この巻出側のガイド
ローラ22はインクリボン12走行中も実質的に回転す
ることなく静止状態に維持される。
【0021】他のガイドローラ21、23、24および
31、33、34はいずれも回転自在に設けられ、それ
ら周面とインクリボン12のバックコート(BC)面と
の間の摩擦によりインクリボン12の走行に伴って回転
する。
【0022】図2は巻出コア20および該巻出コア20
に巻かれたインクリボン12を含む部分の拡大縦断面図
である。図2に示されるように、巻出コア20に巻回さ
れるインクリボン12が印字時に全巻状態(図2に示さ
れる最大巻径の状態)から少なくとも略半巻状態(巻出
コアと巻取コアの巻径が略同一となる状態)まで巻き取
られる間、該インクリボンの下方側面と接触するように
第1の摩擦手段を構成するシート14がケース11の底
部内面に貼着されている。図示実施例におけるシート1
4は厚さ0.5mmの発泡ウレタンシートである。
【0023】なお、本実施例においては、シート14が
インクリボン12の半巻程度の巻径範囲において該イン
クリボンの下方側面を支持するように設けられている
が、これは、後に図5ないし図8を参照して作用説明す
るように、両面印字タイプのインクリボンカセットにお
いては他方のコア30の上方にも同様にシート15が設
けられるため、一方のコアに全巻されたインクリボン1
2の外周端部分が他方のコアに関して設けられるシート
と緩衝することを防止し、コアとカセット本体との間の
クリアランスを確保するためである。しかしながら、ケ
ース11側面に近接する側(図2において右側)の略半
円領域では、全巻状態のインクリボン12の外周側略半
分の領域にわたってシート14を貼着しても他方のシー
ト15との緩衝には影響しないので、図2に示されるシ
ート14のケース側面側の外周端を、全巻状態のインク
リボン12の外周端と同一またはより外側にまで延長さ
せて貼着してもよい。
【0024】すなわち、シート14の最大形状は図10
に示すようなものとなり、円弧状の切欠部14’がケー
ス11の中央側となるようにして巻出コア20のまわり
においてケース11の底部内面に貼着されると共に、同
様の形状のシート15が該切欠部を中央側として巻取コ
ア30のまわりにおいてカバー17の頂部内面に貼着さ
れる。これらシート14、15に切欠部14’が設けら
れることにより、巻出コア20からのインクリボン巻出
時にインクリボン12が他方のシート15と干渉するこ
とを防止することができる。切欠部14’の形状は円弧
状に限らず、たとえばシート14の中央側の外周端部分
を接戦方向に延びる直線でカットして切欠部としてもよ
い。シート14の外形はインクリボンの最大巻径と略同
一あるいはそれよりも若干大きくても小さくてもよい。
【0025】また、シート14(15)の内周側に隣接
して、該シートよりも若干低いレベルに、該シートより
も摩擦係数の小さな材質の第2の摩擦手段18(19)
がケース11(カバー17)の内面に設けられる。本実
施例ではケース11およびカバー17自体をABS(ア
クリルニトリルブタジエンスチレン)で形成して上記第
2の摩擦手段としているが、ABSその他の任意材質の
シートを所定箇所に貼着して第2の摩擦手段としてもよ
いことは言うまでもない。第2の摩擦手段は、図10に
示されるように略リング状に形成されるシート14の中
央開口から露出して、巻出コア20に巻回されたインク
リボン12の下方側面と接触可能とされる。
【0026】図3はシート14を設けないインクリボン
カセットにおいて巻出コア20に巻回されたインクリボ
ン12の引出力を測定した結果を示す。すなわち、シー
ト14を設けない場合には、インクリボン12が巻出コ
ア20から巻き出される初期段階において、一般に印字
不良が起こると考えられる引出力領域(約20gf以
下)に入ってしまう。この問題を解決するために、巻出
コア20および該巻出コアに巻回されたインクリボン1
2の下方側面と接触するように摩擦抵抗の大なるシート
を設けることは有効であるが、該シートを巻回状態のイ
ンクリボン12の全巻範囲にわたって設けると次のよう
な新たな問題を生じてしまう。
【0027】すなわち、両面印字タイプのインクリボン
カセットにおいては、図1の状態でキャリッジに装着す
るときにはコア20が巻出コア、コア30が巻取コアと
なるが、裏返して装着するときには反対にコア30が巻
出コア、コア20が巻取コアとなる。したがって、図1
の状態で巻出コアとなるコア20の下方にシート14が
設けられると共に、コア30側ではその上方にシートが
設けられており、該コア30が巻出コアとされる場合に
はその下方に該シートが位置することとなって該巻出コ
アから巻き出されるインクリボン12に対して所定の摩
擦抵抗を与える。
【0028】このような両面印字タイプのインクリボン
カセットにおいてシート14を各コア20、30のイン
クリボンの全巻範囲にわたって設けると、一方のコアで
はその下方に、他方のコアではその上方にシート14が
配置されることとなり、カセット内の高さ寸法がその両
側からシート厚み分だけ小さくなり、カセット内におけ
るコアのガタが不十分となる。図2にも示されるように
巻回状態のインクリボンは側面が波打った状態となって
いることが多いが、インクリボンが巻かれた巻出コアを
スムーズに回転させるためには、インクリボン幅に対す
るインクリボンの側面高さ位置変動(%)に少なくとも
2%程度を加えたクリアランスをコアとカセット本体内
面との間のガタとして確保することが必要であるが、カ
セット本体内面の上下にシート14を設けると、このよ
うなガタを確保することが困難となってしまう。
【0029】また、シート14を巻出コア20に巻かれ
たインクリボンの最大巻径範囲にわたって設けた場合、
その摩擦抵抗が過大となり、かえってインクリボンの走
行安定性を損なう恐れがある。
【0030】そこで、本発明では、巻出コア20および
該巻出コアに巻回されたインクリボン12の下方側面に
対向するカセット本体の底部内面に、巻出コア20に巻
回されたインクリボン12の下方側面と接触可能な第1
の摩擦手段(シート)14および該シートの内周側に隣
接してそれよりも摩擦係数の小さな材質の第2の摩擦手
段18を設けたものである。これにより、印字時にイン
クリボン12が巻出コア20から巻き出されるとき、イ
ンクリボン12は、巻出コア20に全巻された状態から
巻き出される初期段階においてはシート14と接触しな
がら巻き出され、シートとの接触が無くなった後は第2
の摩擦手段と接触しながら巻き出される。
【0031】以下、このように構成したことによる作用
を時系列的に図5ないし図8を参照して説明する。
【0032】図5は未使用のインクリボンカセット10
における各コアのインクリボン巻回状態を示しており、
巻出コア20に実質的にすべてのインクリボン12が巻
かれている。この状態では、インクリボン12の下方側
面は第1の摩擦手段であるシート14上に支持されてい
る。
【0033】なお、この状態では巻取コアとなるコア3
0の上方においても同様にカバー17の頂部内面にシー
ト15が貼着されているが、シート14、15は全巻状
態のインクリボン12の外周端部分にまでは延長されて
おらず、あるいは図10に示されるように中央側に切欠
部14’が形成されているため、巻出コア20に全巻さ
れたインクリボン12の外周端部分がシート15と緩衝
することなく、必要なクリアランスが確保される。
【0034】この状態から印字が行われるにつれてイン
クリボン12が徐々に巻出コア20から巻き出され、そ
の分が巻取コア30に巻き取られて行く。図6は巻出コ
ア20に巻かれたインクリボン12の外周端がシート1
4の内側端にかろうじて載置されている状態を示す。
【0035】図6の状態からさらに巻き出されると、巻
出コア20に巻かれたインクリボン12の外周端がシー
ト14から離れ、若干低いレベルにある第2の摩擦手段
18に移載される。図7には、巻出コア20に巻かれた
インクリボン12の外周端がシート14から離れて第2
の摩擦手段18上に移載された瞬間の状態が示されてい
る。
【0036】図7の状態以降は第2の摩擦手段18と接
触しながらインクリボン12が巻出コア20から送出さ
れて巻取コア30に巻き取られて行き、全巻の印字が終
了して実質的にすべてのインクリボン12が巻取コア3
0に巻き取られると図8に示されるような状態となる。
【0037】以上に説明したように、シート14、15
はその少なくとも中央側においては全巻状態のインクリ
ボンの外周端部分にまで延長せずに設けられているた
め、巻出コア20に巻回されたインクリボン12が全巻
状態から完全に巻取コア30に巻き取られるまでの間、
巻取コア30上方のシート15との間に所定のクリアラ
ンスを確保することができる。
【0038】本発明者らは、シートをコアの全巻範囲に
わたって設けたもの(比較例)と本発明実施例の2種類
のインクリボンカセットを用いて、全巻印字終了後の巻
取コアとカセット本体内面との間のクリアランスを測定
したところ、前者では0.1mm平均のクリアランスし
か得られず、インクリボン巻出の最後の部分で印字不良
が70〜80%の頻度で多発したのに対し、後者では
0.3〜0.4mmのクリアランスが得られ、全印字工
程において良好な印字がなされた。これにより、本発明
によればカセット内においてコアに十分なガタを確保
し、その回転がスムーズとなり、インクリボン走行を安
定にすることができることが実証された。
【0039】インクリボンカセット10の全巻印字が終
了した後、図8の状態のインクリボンカセットをキャリ
ッジから取り外し、裏返して再度キャリッジに装着する
と、図9の状態となる。この状態において巻出コアとな
るコア30は自重で落下して、該コア30に巻かれたイ
ンクリボン12の下方側面はシート15上に支持され
る。この状態からインクリボン12が巻き出されて行く
ときの作用は図5ないし図8を参照して説明したものと
実質的に同様である。
【0040】なお、本発明によるときは、巻出コア20
からの巻出の後半にはシート14との摩擦接触が無くな
り、第2の摩擦手段15との接触による比較的軽微な摩
擦力を受けながら巻き出されることになる。このように
巻き出されるインクリボン12に対して2段階の摩擦接
触を与えるように構成したことにより、インクリボン1
2に過大な摩擦抵抗が与えられることを防止し、巻出の
全工程においてインクリボン12の引出力を適正に調整
することが容易となる。本発明のインクリボンカセット
において巻出コア20からインクリボン12を巻き出す
際の引出力は図4に示される通りであり、全印字工程に
おいて必要且つ十分な引出力が確保されている。
【0041】以上においては主として本発明の必須要件
について説明したが、以下に本発明の好適な実施形態に
ついて述べる。
【0042】図2に示されるように、インクリボンカセ
ット10の製造時の精度誤差や経年変化等により巻出コ
ア20に巻回されたインクリボン12の下方側面は完全
な水平面ではなく、波打った状態となっていることが多
いが、この巻回状態のインクリボン12の側面高さ位置
変動はリボン幅に対して4%以内に止められることが好
ましい。これにより、巻出コア20に巻かれたインクリ
ボン12の外周側略半分の領域においてシート14の摩
擦力が働き、自重を受けながら送出されるインクリボン
12に対して適切なバックテンションを与えることがで
きる。
【0043】次の表1は、巻出コア20に巻回されたイ
ンクリボン12の側面高さ位置変動をリボン幅に対して
3%〜5%の範囲で異なるものとし、各々の場合におい
てコアのスムーズな回転を確保してインクリボンを安定
して走行させるためにカセット内におけるコアのガタを
+2%持たせて、印字品位を総合的に判断した結果を示
すものである。なお、この試験においても、シート14
に厚さ0.5mmの発泡ウレタンシートを用いた170
m巻インクリボンカセットを、カシオ社の熱転写プリン
タGX−710に装着して、普通コピー紙に印字した。
【表1】 この結果より、巻出コア20に巻回されたインクリボン
12の側面高さ位置変動をリボン幅に対して4%以内と
することにより、インクリボン12に適切なバックテン
ションを与え、良好な印字品位を保持し得ることが実証
された。また、本実施例ではシート14に発泡ウレタン
シートを用いたが、各種の材質でシート14を形成した
場合のインクリボン走行安定性および印字品位を比較試
験した結果を表2に示す。
【表2】 表2に示される結果から、動摩擦係数と静摩擦係数の比
が1/2以上である発泡ウレタンおよび羊毛フェルトが
シート14として好適な材料であることが理解される。
炭化水素シートおよびウレタンシートを用いた場合に
は、巻出コア20が回転し始めるときにビビリが生じ、
スムーズにインクリボンが送出されないものであった。
なお、羊毛フェルトシートを用いた場合には、長期間の
使用により生ずる毛羽立ちがインクリボンの走行を不安
定にし、印字およびサーマルヘッドに悪影響を及ぼす恐
れがあるので、発泡ウレタンがシート14の材質として
特に好適である。また、本実施例では発泡ウレタンシー
ト14の厚さを0.5mmとしたが、発泡ウレタンシー
ト14の厚さを変えてインクリボンの走行安定性および
印字品位を比較試験した結果を表3に示す。
【表3】 表3に示される結果から、シート14の厚さは好ましく
は0.3〜1.0の範囲とすべきことが確認された。本
発明の好適な実施例においては、巻出側のガイドローラ
(静止ローラ)22および巻取側のガイドローラ(駆動
ローラ)32は、少なくともその周面が、インクリボン
走行時にこれらが接触するインクリボンBC面との間の
摩擦係数(μ)が0.2〜0.8の範囲内となるような
材質で形成される。かかる材質の好適な一例はABS
(アクリルニトリルブタジエンスチレン)である。イン
クリボンBC面との間に0.2〜0.8の摩擦係数を与
えるような材質でこれらガイドローラ22および32を
形成することにより、巻取側のガイドローラ(駆動ロー
ラ)32にインクリボン12が巻き込まれることが防止
される。また、巻出側のガイドローラ22がこのような
摩擦係数を与える低摩擦材料で形成されることにより、
巻取コア30および駆動ローラ32の反時計方向回転駆
動に伴ってインクリボン12が走行する際に、該ガイド
ローラ22は走行するインクリボン12との間にすべり
を生じさせ、実質的に回転することなく静止状態に維持
される。このため、静止ローラ22を通過するインクリ
ボン12に対してブレーキをかけ、前記したシート14
との接触による摩擦力に加えて、インクリボン12に適
切なバックテンションを与えることができるため、イン
クリボン12の走行がさらに安定し、印字不良を完全に
防止することができる。さらに、従来特に巻出側のガイ
ドローラにおいて問題となっていた付着部の堆積も、イ
ンクリボンBC面との間の摩擦係数を上記範囲内とする
ことによって解決することができる。なお、シート14
および静止ローラ22の材質(摩擦係数)は、用いられ
るインクリボン12の種類に応じて適切に組み合わせて
選択されるものである。以上において本発明の一実施例
について詳述したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、請求項に記載された発明の範囲内において広く
変形態様をとることができる。たとえば、上述の実施例
ではガイドローラ22のインクリボンBC面に対する摩
擦係数を所定範囲とすることによってこれを静止ローラ
としたものであるが、ストッパ等の機械的手段によりガ
イドローラ22の回転を強制的に止めるように構成する
ことも可能である。また、用いられるインクリボン12
の種類によっては、ガイドローラ22を静止ローラとせ
ずにインクリボン走行時に空転するものとして構成して
も、シート14の材質や厚さ等を適切に選択すること
で、巻出コア20に巻回されたインクリボンシート12
の全巻範囲において所定のバックテンションを与えるこ
とが可能である。
【発明の効果】本発明のインクリボンカセットによれ
ば、インクリボンの走行安定性を著しく改善することが
でき、優れた印字品位を長期間に亘って持続させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクリボンカセット
のカバーを除いた状態を示す上面図である。
【図2】図1のインクリボンカセットにおける巻出コア
および該巻出コアに巻かれたインクリボンを含む部分の
拡大縦断面図である。
【図3】巻出コアに巻かれたインクリボンの下方側面と
摩擦接触するシートを設けずに作製した比較例のインク
リボンカセットにおいて巻出コアから巻き出されるイン
クリボンの引出力を測定した結果を示すグラフである。
【図4】本発明のインクリボンカセットにおいて同様に
インクリボンの引出力を測定した結果を示すグラフであ
る。
【図5】本発明の未使用インクリボンカセットをプリン
タのキャリッジに装填した状態を模式的に示す断面図で
ある。
【図6】図5の状態の巻出コアから略半巻分のインクリ
ボンが巻き出された状態を模式的に示す断面図である。
【図7】図6の状態からさらにインクリボンが巻き出さ
れた状態を模式的に示す断面図である。
【図8】全巻印字が終了した状態を模式的に示す断面図
である。
【図9】図8の状態のインクリボンを裏返して装着した
状態を模式的に示す断面図である。
【図10】巻出コアに巻回されたインクリボンの下方側
面と接触可能に設けられる第1の摩擦手段としてのシー
トの好適な形状例を示す図である。
【符号の説明】
10 インクリボンカセット 11 ケース 12 インクリボン 13 凹部 14、15 シート(第1の摩擦手段) 14’ シート切欠部 16 傾斜面 17 カバー 18、19 第2の摩擦手段 20 巻出コア 21〜24 ガイドローラ (22 静止ローラ) 30 巻取コア 31〜34 ガイドローラ (32 駆動ローラ)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カセット本体内に一対の回転自在なコアが
    収納され、これらコア間にインクリボンが巻回されて一
    方が巻出コア、他方が巻取コアとされ、上記インクリボ
    ンのパスラインの略中間において上記インクリボンは上
    記カセット本体の外部に導出されており、上記カセット
    本体の前端部分には上記外部に導出されたインクリボン
    との共働により記録媒体に印字する印字ヘッドを挿入す
    るための凹部が設けられ、上記凹部と上記巻出コアおよ
    び上記巻取コアとの間にそれぞれ少なくとも一のガイド
    ローラが設けられてなるインクリボンカセットにおい
    て、上記巻出コアおよび該巻出コアに巻回された上記イ
    ンクリボンの下方側面に対向する上記カセット本体の底
    部内面に、上記巻出コアに巻回された上記インクリボン
    の下方側面と接触可能な第1の摩擦手段および該第1の
    摩擦手段の内周側に隣接して該第1の摩擦手段より摩擦
    係数の小さな材質の第2の摩擦手段が設けられ、印字時
    に上記インクリボンが上記巻出コアから巻き出されると
    き、上記インクリボンは上記巻出コアに全巻された状態
    から巻き出される初期段階では上記第1の摩擦手段と接
    触しながら巻き出され、該第1の摩擦手段との接触が無
    くなった後は上記第2の摩擦手段と接触しながら巻き出
    されるよう構成されてなることを特徴とするインクリボ
    ンカセット。
  2. 【請求項2】上記第1の摩擦手段が上記リボンカセット
    の底部内面に固定されるシートであることを特徴とする
    請求項1のインクリボンカセット。
  3. 【請求項3】上記シートが、動摩擦係数と静摩擦係数の
    比が1/2以上である材質で形成されることを特徴とす
    る請求項2のインクリボンカセット。
  4. 【請求項4】上記シートがポリウレタン発泡体より形成
    されることを特徴とする請求項2または3のインクリボ
    ンカセット。
  5. 【請求項5】上記シートの厚さが0.3〜1.0mmで
    あることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかのイ
    ンクリボンカセット。
  6. 【請求項6】上記第2の摩擦手段が上記カセット本体の
    底部内面と一体に設けられることを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれかのインクリボンカセット。
  7. 【請求項7】上記第2の摩擦手段がABS(アクリルニ
    トリルブタジエンスチレン)よりなることを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかのインクリボンカセット。
  8. 【請求項8】上記巻出コアに巻回されたインクリボンの
    側面高さ位置変動がリボン幅に対して4%以内とされる
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかのインク
    リボンカセット。
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