JPH10165411A - 脱毛針 - Google Patents

脱毛針

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JPH10165411A
JPH10165411A JP32853096A JP32853096A JPH10165411A JP H10165411 A JPH10165411 A JP H10165411A JP 32853096 A JP32853096 A JP 32853096A JP 32853096 A JP32853096 A JP 32853096A JP H10165411 A JPH10165411 A JP H10165411A
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JP
Japan
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coating film
hair
needle
hair removal
glass
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JP32853096A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Asai
秀之 浅井
Tatsuji Nakano
竜次 中野
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易に形成され得て絶縁不良に起因する不具合
や衛生上の問題が生じ難い絶縁被覆膜を備えた脱毛針を
提供する。 【解決手段】脱毛針30は、毛穴20内に挿入される部
分のうち先端部36を除く部分を覆うガラス製被覆膜3
8を備えて構成される。そのため、合成樹脂に比較して
高い絶縁性を有するガラス製被覆膜38は、金属製の脱
毛針30と化学的に結合させられることから強固に固着
されるため、使用当初はもちろん、繰り返し使用される
間にも絶縁不良に起因する不具合が生じ難い。また、ガ
ラスは合成樹脂に比較して硬質且つ滑らかであって耐熱
性や耐薬品が高いことから、挿入容易性が損なわれ難
く、雑菌等が付着し難いことと相俟って殺菌・消毒処理
も容易である。しかも、脱毛針30に対するガラス製被
覆膜38の形成は電気泳動電着法で為し得ることから、
その形成が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電圧や高周波
出力等の電気エネルギを利用して脱毛するための脱毛針
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】脱毛すべき毛の毛球部付近に直流電圧お
よび高周波出力の少なくとも一方を印加することによ
り、電気エネルギによってその毛を脱毛する形式の電気
脱毛器が知られている。直流電圧が印加される場合にお
いては毛根部組織中の塩分が電気分解されてそれにより
生じたアルカリ性液によって、高周波出力が印加される
場合においてはその発熱作用によって、何れも脱毛すべ
き毛の周囲の毛包組織が破壊されることから、永久的な
脱毛作用が得られるものと考えられている。毛は蛋白質
の一種であってアルカリと熱に弱いケラチンを主成分と
することから、上記のような脱毛処理が可能なのであ
る。
【0003】このような電気脱毛器においては、例えば
ステンレス鋼やクロム鋼等の金属製の脱毛針を毛穴に挿
入することにより毛包組織に電気エネルギが印加される
が、このとき、永久脱毛の目的を果たすためには必ずし
も毛包組織全体を電気エネルギで破壊する必要はないこ
とが知られている。すなわち、図1に断面構造を示すよ
うに、毛10は、皮膚表面12に露出している毛幹部1
4と、皮膚16内に位置する毛根部18とから構成され
ており、毛穴20の開口である毛口22から生えてい
る。毛根部18の先端にはやや膨らんだ毛球24があっ
てその毛球24の先端面にあるくぼみ内には毛包組織か
ら成る毛乳頭26が形成されており、皮膚表面12近傍
には皮脂腺28が毛穴に開口している。毛10の成長に
関連するのは上記のうち毛乳頭26を含む毛球24と皮
脂腺28であるが、硬毛は毛球24から、毳毛(ぜいも
う)は皮脂腺28から生えてくる。そのため、硬毛を永
久脱毛するためには毛球24を、毳毛を永久脱毛するた
めには皮脂腺28をそれぞれ処理すればよいのであり、
他の部分に電気エネルギを印加することは何らの脱毛効
果をもたらさず、却って被脱毛者に過度の疼痛を与える
と共に、特に皮膚表面12近傍が加熱される場合には火
傷による赤斑を生じさせる原因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の知見から、処理
が不要な部分に電気エネルギが注入されることを防止す
る目的で、毛穴20内に挿入する脱毛針の軸心方向の一
部の外周面を電気絶縁性の被覆膜で覆うことが提案され
ている。例えば、実公昭62−2006号公報や特公平
3−3486号公報等に記載されている脱毛針がそれで
ある。前者の公報に記載された脱毛針は、金属製の脱毛
針の全長のうち毛球24相当長の先端部分を除く部分が
電気絶縁材料で被覆されて構成されている。そのため、
この脱毛針によれば、毛球24近傍のみに電気エネルギ
が注入されて硬毛の永久脱毛が為される。また、後者の
公報に記載された脱毛針は、毛球24に対応する領域と
皮脂腺28に対応する領域とが金属製の脱毛針が露出さ
せられることにより導電性領域とされる一方、それらの
間の領域が電気絶縁材料で被覆されることにより絶縁領
域とされている。そのため、この脱毛針によれば、毛球
24近傍および皮脂腺28近傍の領域のみに電気エネル
ギが注入されて硬毛および毳毛の永久脱毛が為される。
したがって、何れの脱毛針においても、脱毛処理の際に
毛球24および皮脂腺28以外の不要な部分に電気エネ
ルギが注入されないことから、被脱毛者の過度の疼痛を
与えることや赤斑の発生を抑制できるのである。
【0005】しかしながら、前記従来の脱毛針の電気絶
縁性の被覆膜は、一般に、毛穴20内への挿入性が損な
われないように、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチ
レン:PTFE)等の合成樹脂から可及的に薄くなるように
構成されていた。そのため、合成樹脂の電気絶縁性が低
いことから絶縁不良を起こし易く、また、合成樹脂と導
電性の本体部とは物理的に接着しているだけであって接
合強度が小さいことから通電が繰り返されると剥離し易
いという問題がある。したがって、被覆膜が設けられて
いるにも拘わらず、不要な部分に電気エネルギが注入さ
れることによって被脱毛者に過度の疼痛を与えると共に
赤斑を生じさせるおそれがある。更に、合成樹脂製の被
覆膜はそのプロセス上の理由により表面が凹凸に形成さ
れて隙間が生じ易いことから雑菌等が付着し易いが、合
成樹脂の耐熱温度の制限から脱毛針の殺菌・消毒が困難
であるため衛生上の不安もある。
【0006】これに対して、例えば、前記特公平3−3
486号公報等に記載されているように、金属製の脱毛
針を表面酸化処理して被覆膜を形成すれば、強固で緻密
な高い電気絶縁性を有する被覆膜が得られるため、絶縁
不良に起因する不具合が抑制される。しかも、全体が金
属およびその酸化物から構成されることから樹脂に比較
して高い耐熱性を有するため、脱毛針の殺菌・消毒が容
易である。しかしながら、このような表面酸化処理は、
部分的に施すことが困難であり、また、同公報に記載さ
れているように全体を表面酸化させた後に導電性が必要
な部分の表面を研削除去する方法によって形成する場合
にも、脱毛針が通常ステンレス鋼やクロム鋼等の難削材
から構成されることから除去厚みの設定が難しく製造工
程が煩雑になるという問題がある。
【0007】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、容易に形成され得て絶縁
不良に起因する不具合や衛生上の問題が生じ難い絶縁被
覆膜を備えた脱毛針を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、脱毛すべき毛の毛穴
にその毛の毛球部付近まで挿入して電気エネルギを少な
くともその毛球部付近に印加することによりその毛を脱
毛するための金属製の脱毛針において、(a) その脱毛針
の前記毛穴内に挿入される部分のうち軸心方向の一部の
外周面を覆うガラス製被覆膜を備えたことにある。
【0009】
【発明の効果】このようにすれば、脱毛針は、毛穴内に
挿入される部分のうち軸心方向の一部の外周面を覆うガ
ラス製被覆膜、すなわちガラス製の絶縁被覆膜を備えて
構成される。そのため、合成樹脂に比較して高い絶縁性
を有するガラス製被覆膜は、金属製の脱毛針と化学的に
結合させられることから強固に固着されるため、使用当
初はもちろん、繰り返し使用される間にも絶縁不良に起
因する不具合が生じ難い。また、ガラスは合成樹脂に比
較して硬質且つ滑らかであって耐熱性や耐薬品が高いこ
とから、挿入容易性が損なわれ難く、雑菌等が付着し難
いことと相俟って殺菌・消毒処理も容易である。しか
も、脱毛針に対するガラス製被覆膜の形成は電着法、ス
プレーコーティングやディップコーティング等で為し得
ることから、形成が容易である。したがって、容易に形
成され得て絶縁不良に起因する不具合が生じ難い絶縁被
覆膜を備えた脱毛針が得られる。
【0010】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記ガラス製被
覆膜は、10乃至80 (μm)の厚さに設けられているもので
ある。このようにすれば、十分な電気絶縁性の確保され
る範囲でガラス製被覆膜が十分に薄くされているため、
被脱毛者に過度の苦痛を与えることなく絶縁不良の発生
を一層確実に抑制できる。脱毛処理の繰り返し中におけ
る絶縁破壊を抑制して十分な電気絶縁性を確保するため
には、ガラス製被覆膜の厚さが10 (μm)以上とされるこ
とが望ましい一方、ガラス製被覆膜が設けられる部分と
設けられない部分との境界によって脱毛針の外周面に形
成される段差を小さくして、毛穴へ挿入する際に被脱毛
者の受ける苦痛を可及的に小さくするためには、ガラス
製被覆膜の厚さが80 (μm)以下とされることが望ましい
からである。
【0011】また、好適には、前記ガラス製被覆膜は、
電気泳動電着法によって設けられたものである。このよ
うにすれば、電気泳動電着法では、金属製の脱毛針の外
周面のうちその金属が露出している部分に優先的にガラ
ス粉末が固着されていくことから、スプレーコーティン
グやディップコーティング等の方法でガラス製被覆膜を
設ける場合に比較して、ガラス製被覆膜を均一な厚さで
安価に設けることができる。
【0012】また、前記脱毛針の製造方法は、好適に
は、(a) 金属製の脱毛針の軸心方向の所定位置に電気絶
縁性材料でマスキングを施すマスキング工程と、(b) ガ
ラス粉末が電解質溶液中に分散させられた電着液中に前
記マスキングが施された前記脱毛針と所定の対向電極と
を浸漬して、それら脱毛針および対向電極間にその電解
質溶液中を通る経路で直流電圧を印加することにより、
その電解質溶液中のガラス粉末をその脱毛針の外周面の
うち前記マスキングが施されていない部分に付着させる
電着工程と、(c) そのガラス粉末が付着させられた脱毛
針を所定温度で加熱処理することによりそのガラス粉末
からガラス製被覆膜を形成する加熱処理工程とを、含む
ものである。
【0013】このようにすれば、マスキング工程におい
て脱毛針の所定位置に電気絶縁性材料でマスキングが施
され、電着工程においてガラス粉末が電解質溶液中に分
散させられた電着液中に脱毛針および対向電極が浸漬さ
れた状態で通電されることにより、電気泳動電着法によ
って脱毛針の外周面のうちマスキングが施されていない
部分にガラス粉末が付着させられ、加熱処理工程におい
て、脱毛針を所定温度で処理することによってガラス粉
末からガラス製被覆膜が形成される。そのため、ガラス
製被覆膜が電気泳動電着法によって脱毛針の所定位置に
形成されることから、金属製の脱毛針の外周面のうちそ
の金属が露出している部分に優先的にガラス粉末が固着
されるため、脱毛針の所定位置にガラス粉末が均一な厚
みに付着させられ、これを加熱処理することによって被
覆膜が均一な厚さで設けられる。したがって、スプレー
コーティングやディップコーティング等の方法でガラス
製被覆膜を設ける場合に比較して、ガラス製被覆膜を均
一な厚さで安価に設けることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において
各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0015】図2は、本発明の一実施例の脱毛針30が
保持部材32に取り付けられた状態における要部外観を
示すであり、図3はその要部断面を拡大して示す図であ
る。図において、脱毛針30は、例えば直径0.2(mm) 程
度、長さ30(mm)程度の寸法に形成されたステンレス鋼や
クロム鋼等の金属材料から成るものである。脱毛針30
の軸心方向において例えば2 (mm)程度の長さの先端部3
6を除く保持部材32側の範囲には、その外周面34を
覆う例えば10〜80 (μm)程度の厚さのガラス製被覆膜3
8が固着されている。脱毛針30の先端部36は、先細
にされると共に先端が半球状に形成されている。また、
上記保持部材32は、例えばステンレス鋼やクロム鋼等
の導電性を有する材料から成るものである。脱毛針30
は、上記先端部36とは反対側の基部側において保持部
材32に設けられた嵌込穴40内に嵌め込まれてカシメ
固定されており、その保持部材32から露出した部分の
長さは例えば17(mm)程度である。なお、上記ガラス製被
覆膜38は、保持部材32の嵌込穴40側の一部の外周
面および端面にも設けられている。また、図において
は、ガラス製被覆膜38の厚み等が誇張して描かれてい
る。
【0016】上記の脱毛針30は、例えば、図示しない
絶縁性の把持部材に取り付けられた状態で、図4に示さ
れるように電気脱毛器の高周波出力装置42に接続され
て用いられる。高周波出力装置42は、図示しない発振
器や増幅器等を備えたものであって、例えば、5 〜10(M
Hz) 程度で150(W)程度の高周波を数(mA)程度以下の電流
値で脱毛針30に印加するようになっている。脱毛処理
を施すに際しては、被脱毛者に高周波出力装置42に接
続された電極板44を素手で保持させる一方、脱毛者が
図示しない把持部材において把持した脱毛針30を、図
5に示されるように脱毛すべき毛10の毛口22から毛
穴20に沿って挿入し、先端部36が毛球24に接触さ
せられた状態で図示しないスイッチを操作することによ
り高周波出力を脱毛針30に印加する。これにより、毛
球24近傍に高周波電流が流されて発熱させられ、組織
が破壊されて永久的な脱毛効果が得られる。なお、脱毛
針30には、先端部36とガラス製被覆膜38が設けら
れている部分との境界部において外周面34に段差が生
じているが、その段差の大きさはガラス製被覆膜38の
厚さに等しい10〜80 (μm)程度であって十分に小さいこ
とから、脱毛針30の挿入時にその段差に起因して被脱
毛者に過度の苦痛を与え、或いは正しい位置への挿入が
困難になることがない。
【0017】このとき、金属製の脱毛針30は、図3に
示されるように2 (mm)程度の長さの先端部36のみにお
いて外周面34が露出させられ、他の部分がガラス製被
覆膜38によって覆われていることから、毛球24の近
傍のみに高周波電流が流されて他の部分には通電されな
い。そのため、被脱毛者に過度の疼痛を与え或いは皮膚
表面12近傍に火傷に起因する赤斑を生じさせることな
く、脱毛処理が為される。すなわち、脱毛針30におい
て、保持部材32から露出させられている長さは毛穴2
0の長さ程度となるように17(mm)程度とされており、ガ
ラス製被覆膜38が設けられない先端部36の長さは、
毛球24の長さ程度となるように2 (mm)程度とされてい
るのである。このような必要な部分以外には通電しない
絶縁機能は、フッ素樹脂等の合成樹脂から絶縁被覆膜が
形成されていた従来の脱毛針よりも確実に得られ、しか
も、高周波電流を繰り返し印加して使用する間にも、そ
のような合成樹脂から成る絶縁被覆膜で問題となる膜剥
離や絶縁破壊に起因する絶縁不良は殆ど生じない。ま
た、このような脱毛針30を用いて脱毛処理を施すに際
しては、細菌感染等を防止する目的で使用前に殺菌・消
毒処理を施すことが望まれるが、脱毛針30はステンレ
ス鋼やクロム鋼等の金属材料およびそれに熱膨張を一致
させられた低軟化点のガラス製被覆膜30から構成され
ていることから、煮沸や薬品処理による殺菌・消毒を繰
り返し施しても殆ど変質しない。したがって、高い耐久
性を有する。
【0018】ところで、上記の脱毛針30のガラス製被
覆膜38は、例えば、電気泳動電着法によって設けられ
たものである。以下、この電気泳動電着法によるガラス
被覆処理方法を図6の工程図に従って処理中の状態を示
す図7を参照しつつ説明する。まず、工程1のマスキン
グ工程において、例えば、保持部材32に嵌め込まれた
脱毛針30の先端部36を厚さtが2 (mm)程度のシリコ
ーンゴム製のマスキング材46に差し込むことにより、
その先端部36を絶縁材料で覆う。次いで、工程2の電
着工程において、電着液48中に脱毛針30および保持
部材32の一部を浸漬する一方、適当な間隔をもって同
様に対向電極50を電着液48中に浸漬し、これらの間
に例えば30(V) 程度の直流電圧を 10(秒) 程度の電流値
で印加する。なお、上記電着液48は、例えばアルコー
ル、アセトン等の有機溶媒と例えば粒径3(μm)程度の大
きさのガラス粉末、エーテルやエステル等の分散剤、お
よび硫酸マグネシウム等の電解質等を混合したものであ
り、電着液48中に分散させられたガラス粉末は正に帯
電させられている。これにより、電着液48中のガラス
粉末が電気泳動させられて負極である脱毛針30表面お
よび保持部材32の一部に均一に付着させられるが、先
端部36はマスキング材46に差し込まれていることか
らガラス粉末が付着させられない。
【0019】上記の電着工程は、ガラス粉末が例えば10
〜80 (μm)程度の所望の厚さに付着させられるように予
め設定された電着時間の間実施される。所定の電着時間
が経過した後、脱毛針30および保持部材32を電着液
48から取り出し、工程3のマスキング除去工程におい
て、マスキング材46を取り外す。そして、例えば600
(℃) 程度の所定温度で熱処理(焼成)することによ
り、付着させられたガラス粉末が脱毛針30および保持
部材32表面で溶融させられて、前記ガラス製被覆膜3
8が形成される。すなわち、脱毛針30には、長さ2 (m
m)程度の先端部36を除く15(mm)程度の範囲の外周面3
4にガラス製被覆膜38が形成され、保持部材32に
も、その脱毛針30側の端面および外周面にガラス製被
覆膜38が形成される。このとき、電着法においては導
体すなわち金属製の脱毛針30が露出させられている部
分に優先的にガラス粉末が付着させられることから、そ
のガラス粉末の付着厚さが脱毛針30の外周面34上で
一様となって、形成されるガラス製被覆膜38が均一厚
さ且つ滑らかになる。
【0020】要するに、本実施例においては、脱毛針3
0は、毛穴20内に挿入される部分のうち先端部36を
除く部分を覆うガラス製被覆膜38を備えて構成され
る。そのため、合成樹脂に比較して高い絶縁性を有する
ガラス製被覆膜38は、金属製の脱毛針30と化学的に
結合させられることから強固に固着されるため、使用当
初はもちろん、繰り返し使用される間にも絶縁不良に起
因する不具合が生じ難い。また、ガラスは合成樹脂に比
較して硬質且つ滑らかであって耐熱性や耐薬品が高いこ
とから、挿入容易性が損なわれ難く、雑菌等が付着し難
いことと相俟って殺菌・消毒処理も容易である。しか
も、脱毛針30に対するガラス製被覆膜38の形成は前
記図6、図7に示すように電気泳動電着法で為し得るこ
とから、その形成が容易である。したがって、容易に形
成され得て絶縁不良に起因する不具合が生じ難いガラス
製被覆膜38を備えた脱毛針30が得られる。
【0021】また、本実施例においては、ガラス製被覆
膜38は、10〜80 (μm)の厚さに設けられている。その
ため、十分な電気絶縁性の確保される範囲でガラス製被
覆膜38が十分に薄くされているため、先端部36とガ
ラス製被覆膜38が設けられている部分との境界部に生
じる外周面34の段差に起因する過度の苦痛を被脱毛者
に与えることなく、絶縁不良の発生を一層確実に抑制で
きる。
【0022】また、本実施例においては、工程1のマス
キング工程において脱毛針30の先端部36の2 (mm)程
度の範囲をシリコーンゴムから成るマスキング材46に
差し込むことでマスキングが施され、工程2の電着工程
において電着液48中に脱毛針30および対向電極50
が浸漬された状態で通電されることにより、電気泳動電
着法によって脱毛針30の外周面34のうちマスキング
が施されていない部分にガラス粉末が付着させられ、工
程4の加熱処理工程において、脱毛針30を例えば600
(℃) 程度の所定温度で処理することによってガラス粉
末からガラス製被覆膜38が形成される。そのため、ガ
ラス製被覆膜38が電気泳動電着法によって脱毛針30
の先端部36を除く部分に形成されることから、金属製
の脱毛針30の外周面34のうちその金属が露出してい
る部分に優先的にガラス粉末が固着されるため、脱毛針
30の先端部36を除く部分にガラス粉末が均一な厚み
に付着させられ、これを加熱処理することによってガラ
ス製被覆膜38が均一な厚さで設けられる。したがっ
て、スプレーコーティングやディップコーティング等の
方法でガラス製被覆膜38を設ける場合に比較して、一
層均一な厚さで安価に設けることができる。
【0023】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、下記の実施例において前述の実施例と共通する部分
には同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】図8は、脱毛針30に備えられるガラス製
被覆膜38の他の形態を示す図であって、前記図2に対
応する図である。図において、脱毛針30は、外周面3
4を覆うガラス製被覆膜38が前記実施例と同様に設け
られているが、本実施例においては、2 (mm)程度の長さ
の先端部36に加えて、例えば、先端から3(mm) 程度か
ら4(mm) 程度の範囲に位置する長さ1(mm) 程度の範囲の
中間部54でも脱毛針30の外周面34が露出させられ
ている。すなわち、ガラス製被覆膜38は、先端部36
とその中間部54との間に設けられたガラス製被覆膜3
8aと、その中間部54と保持部材32との間に設けら
れたガラス製被覆膜38bの2つのガラス製被覆膜38
a、38bから構成されている。上記の中間部54は、
図5に示されるように脱毛針30が毛穴20に差し込ま
れた状態において皮脂腺28に対応する軸心方向位置に
設けられている。そのため、前記実施例と同様に用いて
脱毛処理を施すに際して、毛球24の近傍に加えて皮脂
腺28の近傍にも高周波電流が流されることから、その
皮脂腺28の組織も発熱によって破壊される。したがっ
て、本実施例によれば、硬毛の発生源である毛球24に
加えて毳毛の発生源である皮脂腺28も処理されること
から、一層確実に永久脱毛効果が得られる。
【0025】しかも、毛球24と皮脂腺28に対応する
部分の他はガラス製被覆膜38によって脱毛針30が覆
われていることから、それら毛球24と皮脂腺28との
間の部分、および皮脂腺28よりも表面側の表皮近傍が
加熱されないため、前記実施例と同様に、不要な部分に
高周波電流が印加されることに起因して過度の疼痛が被
脱毛者に与えられ、或いは皮膚表面12近傍が加熱され
て火傷による赤斑が生じることが抑制される。
【0026】なお、上記の脱毛針30も前記図6に示さ
れる工程に従って製造され得る。このとき、ガラス製被
覆膜38が設けられない中間部54を形成するために
は、工程1のマスキング工程において先端部36にシリ
コーンゴムから成るマスキング材46を差し込むことに
加えて、中間部54にシリコーンゴム等から成るテープ
等を巻き付けることによってその中間部分にもマスキン
グを施した状態で、工程2の電着工程を施せばよい。
【0027】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0028】例えば、前述の実施例においては、ガラス
製被覆膜38が図3に示されるように先端部36を除く
部分、或いは図8に示されるように先端部36および中
間部54を除く部分に設けられていたが、ガラス製被覆
膜38を設ける位置や長さは、脱毛針30の用途等に応
じて適宜変更される。また、先端部36と中間部54と
の間の部分を被覆しなくとも、それによって被脱毛者に
与えられる疼痛が殆ど変化しない場合には、中間部54
よりも保持部材32側の部分のみにガラス製被覆膜38
を設けてもよい。
【0029】また、実施例においては、所定厚さのマス
キング材46に脱毛針30の先端部36を差し込むこと
によってその先端部36のマスキングが施されたが、こ
れに代えて、中間部54をマスキングする場合と同様
に、シリコーンゴム等の絶縁材料から成るテープを先端
部36に巻き付けてマスキングを施してもよい。
【0030】また、実施例においては、電着工程におい
て図7に示されるように、脱毛針30側が負極に、対向
電極50側が正極になるように電圧が印加されていた
が、電圧の印加極性はガラス粉末の帯電により任意に設
定し得ることから、正負を反対としてもよい。
【0031】また、実施例においては、10〜80 (μm)程
度の厚さのガラス製被覆膜38を設けるために電着工程
における電圧、電流、電着時間が前述のように設定され
ていたが、これらは形成するガラス製被覆膜38の厚さ
に応じて適宜変更される。膜厚は電着時の電圧、電流、
電着時間で容易に且つ均一に制御できるのである。
【0032】また、実施例においては、電着工程の後に
マスキング除去工程が設けられていたが、加熱処理によ
ってマスキング材46を焼失させることが可能であれ
ば、電着工程の後にマスキングを施したままで加熱処理
工程を実施してもよい。
【0033】また、実施例においては、脱毛針30に高
周波電流(高周波出力)が印加されることによって脱毛
処理が実施されていたが、高周波電流に代えて、或いは
これと併用して例えば数(mA)程度の直流電流(直流電
圧)を印加して脱毛処理を行う脱毛針にも本発明は同様
に適用される。
【0034】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】毛の断面構造を説明する図である。
【図2】本発明の一実施例の脱毛針の外観を示す図であ
る。
【図3】図2の脱毛針の要部断面を示す図である。
【図4】図2の脱毛針が用いられた電気脱毛器の要部構
成を説明する図である。
【図5】図2の脱毛針が毛穴に挿入された状態を説明す
る図である。
【図6】図2の脱毛針のガラス被覆処理方法を説明する
工程図である。
【図7】図6の工程図の電着工程を説明する図である。
【図8】本発明の他の実施例の脱毛針の外観を示す図で
ある。
【符号の説明】
30:脱毛針 34:外周面 36:先端部 38:ガラス製被覆膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱毛すべき毛の毛穴に該毛の毛球部付近
    まで挿入して電気エネルギを少なくとも該毛球部付近に
    印加することにより該毛を脱毛するための金属製の脱毛
    針において、 該脱毛針の前記毛穴内に挿入される部分のうち軸心方向
    の一部の外周面を覆うガラス製被覆膜を備えたことを特
    徴とする脱毛針。
  2. 【請求項2】 前記ガラス製被覆膜は、10乃至80 (μm)
    の厚さに設けられているものである請求項1の脱毛針。
  3. 【請求項3】 前記ガラス製被覆膜は、電気泳動電着法
    によって設けられたものである請求項1または2の脱毛
    針。
JP32853096A 1996-12-09 1996-12-09 脱毛針 Pending JPH10165411A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009084436A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Mani, Inc. 縫合針及びその製造方法
WO2017126050A1 (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 オリンパス株式会社 処置具

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