JPH10156139A - 有害ガス吸着処理方法および装置 - Google Patents

有害ガス吸着処理方法および装置

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JPH10156139A
JPH10156139A JP8331597A JP33159796A JPH10156139A JP H10156139 A JPH10156139 A JP H10156139A JP 8331597 A JP8331597 A JP 8331597A JP 33159796 A JP33159796 A JP 33159796A JP H10156139 A JPH10156139 A JP H10156139A
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JP
Japan
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gas
adsorption
concentration
warehouse
harmful
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Application number
JP8331597A
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English (en)
Inventor
Akio Tanaka
明雄 田中
Tomonobu Yoshizawa
知展 吉沢
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Hitachi Plant Technologies Ltd
Original Assignee
Hitachi Plant Technologies Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 くん蒸室とガス吸着処理部との間で確実に有
害ガス吸着を行うとともに、活性炭を有効に活用できる
有害ガス吸着処理方法および装置を提供する。 【解決手段】 くん蒸倉庫12からは送気管16が引き
出され、開閉バルブ26を介して並列に配置された複数
の活性炭吸着塔24へと接続されており、還流管28
は、再びくん蒸倉庫12へと接続される。ここで吸気弁
14、吸気口弁18、排気口弁30を開き、排気ファン
22を稼働させることにより、選択された活性炭吸着塔
24に臭化メチルが送気され、当該臭化メチルの吸着処
理が行われる。そして送気管16と還流管28の途中に
設けられた臭化メチル濃度センサ20A、20Bの値に
より、濃度解析装置32が個々の開閉バルブ26を切り
替えていけば、相互の活性炭吸着塔24に影響されるこ
となく、効率のよい吸着作業を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、倉庫内の有害ガス
吸着処理方法および装置に係り、特にくん蒸室内で青果
物等をくん蒸処理した後の臭化メチル等といった有害ガ
スの吸着処理方法および有害ガス吸着処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、青果物等への付着害虫駆除のた
めに、くん蒸処理が行われる。このくん蒸処理には臭化
メチルを含む有害ガスが使用されるため、くん蒸処理後
のガス処理が問題となる。従来のくん蒸処理装置の構成
図を図8に示す。同図に示すように、くん蒸装置1を用
いたくん蒸処理手順は、まず臭化メチルボンベ2から気
化装置3を介してくん蒸倉庫4に臭化メチルガスを供給
し、くん蒸庫4内に臭化メチルガスを充満させて被くん
蒸物に付着した害虫等の駆除を行う。そして、くん蒸処
理が終了した後は、倉庫からの排ガス流路に設けられた
希釈バルブ5を開放操作して大気側より希釈空気の導入
しつつ排気ファン6の作動により、くん蒸倉庫4に充満
している臭化メチルガスを、新鮮な空気で人体に問題の
ない濃度まで希釈させた状態で大気中に放出させてい
る。
【0003】しかしこうした方法では、大気中に放出さ
れる臭化メチルの総量を低減したことにはならず、十分
な処理方法とは言いがたい。そして臭化メチルは、フロ
ンと同様にオゾン層破壊物質の一因とされており、大気
への放出量を極力低減することが望まれていた。
【0004】このため排出ガス中の臭化メチルを活性炭
によって吸着させ、排ガス中から臭化メチルを除去する
活性炭吸着方法の採用が一部で検討されている。しかし
活性炭に臭化メチルを吸着させる方法は、臭化メチルの
特性によって種々の問題点が存在していた。
【0005】図9には臭化メチルの濃度と活性炭の平衡
吸着量を示す。臭化メチルは、沸点が約4℃と低いこと
から、同図に示すように、平衡吸着量が小さく、また濃
度が薄い場合の平衡吸着量が極端に小さい特性を持って
おり、人体に問題のない濃度まで吸着処理をするために
は、必要活性炭量が多大となる。さらにくん蒸倉庫内の
臭化メチル排出ガスは、排気に伴って吸気弁14から外
気が導入されて希釈排気されるため図10に示すよう
に、時問とともに急激に濃度が低下する。このため図1
1に示すように、高濃度の臭化メチルを活性炭に吸着し
ても低濃度の臭化メチルが流入してくると、臭化メチル
は吸着された活性炭から離れ、下流の活性炭へと移動し
たり活性炭層から放出されてしまう性質があった。この
ことから一塔の活性炭吸着塔を設けた方式では、処理ガ
ス濃度を維持するために必要な活性炭量が膨大になると
ともに、一回の吸着処理毎に活性炭の再生処理または交
換をする必要があり、設備費、運転費が大きくなる問題
点が発生していた。
【0006】こうした問題点を解決するために、臭化メ
チルを直列多段の活性炭吸着塔で各濃度の飽和吸着量ま
で吸着する方法を提案した(特開平8−24572
号)。この方法は、くん蒸倉庫からの臭化メチル排ガス
の濃度に応じて多段の吸着塔の排ガス導入場所を切り替
えるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述した直列多
段の吸着方法にあっても、活性炭吸着塔の切り替えタイ
ミングを、活性炭吸着塔へ流入する臭化メチルの濃度の
時間変化や飽和吸着量を既存データからあらかじめ予測
をしておく必要があり、くん蒸倉庫の大きさや排気の風
量が変化すると、その都度吸着塔に流入する臭化メチル
の濃度変動を予測し、運転スケジュールを決定しなくて
はならなかった。したがって、排ガス濃度を所定濃度以
下に維持するには、事前検討を厳密に行い、安全を見込
んで活性炭を余分に吸着塔に充填しておく必要があっ
た。また活性炭が平衡まで十分吸着される以前に再生処
理するという不都合があった。
【0008】本発明は前記従来技術の間題点に着目し、
くん蒸倉庫とガス吸着処理部との間で確実に臭化メチル
に代表される有害ガスの吸着を行うとともに、吸着手段
となる活性炭を有効に利用して必要活性炭量を大幅に低
減することができる有害ガス吸着処理方法および装置を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る有害ガス吸着処理方法は、第1に、倉
庫内の有害ガスを吸着処理する方法であって、前記倉庫
内ガスをガス吸着処理部に送給するとともに、前記ガス
吸着処理部からの処理ガスを倉庫内に還流させて有害ガ
ス吸着をなさしめることを特徴とするものである。
【0010】第2には、倉庫内の有害ガスを吸着処理す
る方法であって、前記倉庫内ガスをガス吸着処理部に送
給して前記ガス吸着処理部からの処理ガスを倉庫内に還
流させて有害ガス吸着をなすとともに、前記ガス吸着処
理部を複数併設しておき前記倉庫の出口ガス濃度と還流
ガス濃度を検出しその濃度比によって吸着対象処理部を
順次切替使用するように構成した。
【0011】第3には、倉庫内の有害ガスを吸着処理す
る方法であって、前記倉庫内ガスをガス吸着処理部に送
給して前記ガス吸着処理部からの処理ガスを倉庫内に還
流させて有害ガス吸着をなすとともに、前記ガス吸着処
理部を複数併設しておき、前記ガス吸着処理部毎に切替
濃度を段階的に設定して記憶させ、前記倉庫の出口ガス
濃度が検出して前記記憶された切替濃度と比較し、検出
濃度と一致する切替濃度に設定された吸着処理部への流
路切替をなすように設定した。
【0012】第4には、複数の倉庫内の有害ガスを吸着
処理する方法であって、対象倉庫内ガスをガス吸着処理
部に送給して前記ガス吸着処理部からの処理ガスを倉庫
内に還流させることにより有害ガス吸着をなすととも
に、前記ガス吸着処理部を複数併設しておき、前記倉庫
の出口ガス濃度と還流ガス濃度を検出しその濃度比によ
って吸着対象処理部を順次切替使用し、処理対象倉庫の
切替時には前回の吸着作業時の初段吸着処理部に続く次
段吸着処理部から有害ガスの吸着をなさしめることを特
徴としている。
【0013】また、本発明に係る有害ガス吸着処理装置
は、倉庫内の有害ガスの吸着処理を行う有害ガス吸着処
理装置であって、倉庫に設けられたガス出口部とガス還
流口とに複数のガス吸着処理部を並列接続するとともに
各ガス吸着処理部へのガス流路切替手段を設け、前記ガ
ス出口部とガス還流口にはガス濃度検出手段を備え、こ
のガス濃度検出手段からの濃度信号を入力し出口ガス濃
度と還流口ガス濃度との濃度比により前記複数のガス吸
着処理部を選択切替する濃度解析手段を設けたものであ
る。
【0014】
【作用】上記構成によれば、くん蒸庫などの倉庫内有害
ガスはガス吸着処理部に排出されるが、一方的に排出さ
せずに再度倉庫側に還流させ、ガス吸着処理部での吸着
機能が残存している場合にこれを有効活用することがで
きる。これにより、吸着剤の使用効率を高めるととも
に、ガスが有害状態のまま大気へと放出されることはな
い。このため活性炭等の吸着剤の使用効率が高められる
とともに、確実に有害ガスを吸着処理することが可能に
なる。
【0015】また、倉庫と並列に設置した複数のガス吸
着処理部に、倉庫内の有害ガスを流路を切り替えながら
順次流入させるため、吸着剤の必要量を大幅に低減する
ことができる。また、倉庫の1倉分の有害ガスを処理し
た時に低濃度の有害ガスを吸着処理して吸着能力のある
ガス吸着処理部が再使用されるため、吸着剤を有効利用
することができ、同様に必要吸着剤の使用量を大幅に低
減することができる。
【0016】並列配置された吸着処理部の切替は、倉庫
のガス出口および還流口に配置したガス濃度センサによ
り濃度比を求め、吸着剤の吸着処理能力を処理前後のガ
ス濃度で検出判定することで行うか、あるいは各吸着処
理塔における切替濃度をあらかじめ設定して記憶させて
おき、その切替濃度に各吸着処理塔の検出濃度が達した
ことを検出して行うため、事前の飽和吸着量の予測等の
判断が不要となり、現実の処理能力に即した切替使用に
より、効率的にガス吸着処理能力を活用することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る有害ガス吸
着処理方法および装置の好適な具体的実施例を図面を参
照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る有害ガス
吸着処理装置の構成図である。同図に示すように、有害
ガス吸着処理装置10は、青果物等に付着する害虫駆除
を行うためのくん蒸室となるくん蒸倉庫12に接続され
ており、くん蒸処理が終了した後の有害ガスとなる臭化
メチルを吸着処理可能にしている。
【0018】くん蒸倉庫12には、図示しない臭化メチ
ルボンベと気化装置とが接続されており、くん蒸倉庫1
2には気化された臭化メチルが導入可能になっていると
ともに、くん蒸倉庫12内部へ外気を導入可能にする給
気口に吸気弁14が設けられている。そして、このよう
なくん蒸倉庫12からは内部の臭化メチルを含むガスを
排出する送気管16が引き出され、当該送気管16に
は、くん蒸倉庫12側から順に送気管の開閉をなす吸気
口弁18と、臭化メチルの濃度を計測する臭化メチル濃
度センサ20Aと、後述するガス吸着処理部へ臭化メチ
ルの送気をなす排気ファン22とが設けられている。そ
して排気ファン22から先の送気管16には、ガス吸着
処理部となる5塔の活性炭吸着塔24が並列に接続され
ている。
【0019】当該活性炭吸着塔24の内部には、臭化メ
チルの吸着剤としての活性炭が充填されており、くん蒸
倉庫12内部の気体から臭化メチルを吸着し、気体の浄
化作用を行うことを可能としている。すなわち活性炭吸
着塔24の片側端部から内部へと導入された気体は、活
性炭吸着塔24内部の活性炭層を通過する際に、臭化メ
チルが吸着され、活性炭吸着塔24の他方端部から排出
されるようになっている。
【0020】またこのように構成された個々の活性炭吸
着塔24と送気管16との間には、活性炭吸着塔24へ
有害ガスの送気、閉止を行うための切替手段となる開閉
バルブ26が設けられている。そしてこれらの開閉バル
ブ26は、後述する濃度解析装置の指令により開閉可能
とされ、流通する吸着塔24を選択切替できるようにし
ている。
【0021】そして個々の活性炭吸着塔24からは、吸
着処理後の処理ガスを排出しくん蒸倉庫12に接続され
る還流管28が引き出されており、吸着処理ガスを再び
くん蒸倉庫12に還流可能としている。ここで還流管2
8においては、くん蒸倉庫12側から順に排気口弁30
と臭化メチル濃度センサ20Bとが設けられている。
【0022】送気管16と還流管28とに設けられた臭
化メチル濃度センサ20は、くん蒸倉庫12の出口ガス
濃度および還流口ガス濃度を検出し、それぞれ濃度信号
を濃度解析装置32に出力するものとなっている。当該
濃度解析装置32によって送気側および排気側での臭化
メチルの濃度比を算出し記憶できるようになっている。
そしてこの臭化メチルの濃度比があらかじめ設定された
濃度比に達すると、それに応じて個々の活性炭吸着塔2
4に設けられた開閉バルブ26の開閉を行うようにして
いる。これは基本的にはくん蒸倉庫12からの出口ガス
濃度に対し、吸着処理された後にくん蒸倉庫12に還流
される処理ガス濃度が近似することにより、現用活性炭
吸着塔24が飽和状態に達したものと判断できる。した
がって、倉庫出口ガス濃度と還流処理ガス濃度の比が一
致もしくは近似した場合に、使用する活性炭吸着塔12
を次段の吸着塔に切り替えるようにするのである。
【0023】このように構成された有害ガス吸着処理装
置10を用いて、くん蒸倉庫12で使用した臭化メチル
を吸着する処理手順を説明する。くん蒸倉庫12内部に
充填されている臭化メチルを有害ガス吸着処理装置10
へと送り込むため、まず送気管16および還流管28に
設けてある吸気口弁18と排気口弁30とを開く。次い
で排気ファン22を稼働させ、くん蒸倉庫12内部の臭
化メチルを、有害ガス吸着処理装置へと送り込む。ここ
で当該有害ガス吸着処理装置10に設けられている5塔
の活性炭吸着塔24に対応する開閉バルブ26のうち1
つを選択するとともに当該開閉バルブ26を開く。そし
て排気ファン22によって送り出された臭化メチルを、
選択された開閉バルブ26に対応する活性炭吸着塔24
に導入させる。
【0024】このように有害ガス吸着処理装置10を設
定することにより、臭化メチルは、第1の活性炭吸着塔
24へと導入され、当該活性炭吸着塔24内部の活性炭
によって吸着がなされる。そして第1の活性炭吸着塔2
4を通過した処理後の処理ガスは、還流管28を経由し
て、再びくん蒸倉庫12へと戻される。このようにくん
蒸倉庫12内部の臭化メチルは、外部に漏れることな
く、当該くん蒸倉庫12と活性炭吸着塔24との間を循
環し、吸着されていく。
【0025】ここで第1の活性炭吸着塔24での吸着作
業が進み、当該第1の活性炭吸着塔24が飽和状態に近
くなると、臭化メチルの吸着作業を第1の活性炭吸着塔
24への送気を停止させ、第2の活性炭吸着塔24に切
り替える。そしてこの活性炭吸着塔24の吸着能力の把
握、および活性炭吸着塔24間の切り替えは、濃度解析
装置32によって行われる。
【0026】濃度解析装置32には、送気管16と還流
管28とに設けた臭化メチル濃度センサ20A、20B
が接続されているので、吸着作業中はこれら臭化メチル
濃度センサ20A、20Bにて送気管16および還流管
28の中の臭化メチルの濃度を常に監視しておく。ここ
で吸着作業の進行とともに臭化メチルは活性炭吸着塔の
活性炭によって吸着されていくので送気管16側の臭化
メチルの濃度は低下する。そして送気管16側の臭化メ
チルの濃度が低下すると、活性炭の平衡吸着量は小さく
なることから活性炭吸着塔の吸着効率が下がり、還流管
28側の臭化メチルの濃度は、送気管16側の臭化メチ
ルの濃度に近づいていく。送気管16側と還流管28側
との臭化メチルの濃度の差が、あらかじめ設定した濃度
差以内になると、濃度解析装置32は活性炭吸着塔24
の切り替えを行うタイミングであると判断しその濃度を
記憶するとともに、第1の開閉バルブ26を閉じるとと
もに第2の開閉バルブ26を開くのである。そして濃度
解析装置32の判断により、次々と活性炭吸着塔24を
切り替えていけば、くん蒸倉庫12内部に充満した臭化
メチルを効率よく吸着でき、また吸着作業に必要とする
活性炭の使用量も低減させることができる。
【0027】発明者は、本発明に係る有害ガス吸着処理
装置10の活性炭の使用低減効果を、活性炭吸着塔24
を一塔設置した場合と実験的に比較した。ここでは一塔
式の活性炭層内部での状況を把握するため、活性炭吸着
塔22を直列に連結した処理装置34と比較した。これ
を図2に示す。
【0028】同図に示すように、処理装置34は、同一
容量の活性炭吸着塔を5塔準備し、5塔を直列に連結し
ている。そして処理装置34を用いた処理方法では,l
0000ppmに調整した臭化メチルを一気に活性炭吸
着塔24へと導入させる。また本発明に係る有害ガス吸
着処理装置10を用いた処理方法(以下、分割方法と称
す)では、まず最上流の第1の活性炭吸着塔24から流
し始め、処理ガス濃度と入口濃度との濃度差があらかじ
め設定した濃度差以内になった時点で第2の活性炭吸着
塔24に切替え、これを順次、各活性炭吸着塔24にお
いて繰り返した。
【0029】その結果、図3に示すように臭化メチルの
処理濃度によって必要とする活性炭量は異なるが、分割
方法では処理装置34を用いた処理方法と比較して約3
0%の活性炭量を低減でき、分割方法の有効性を確認で
きた。これは活性炭吸着塔24を順次切り替えること
で、図4に示すように前段の活性炭吸着塔24程多くの
臭化メチルを吸着でき、処理装置34を用いた処理方法
のように臭化メチルが後段の活性炭吸着塔24に移行す
る現象を回避できたためである。
【0030】図5は第1実施例における臭化メチルの吸
着状況を排気時間と臭化メチルの濃度とで示したグラフ
である。同図に示すように排気時間の経過に伴い、選択
された活性炭吸着塔24における入口の臭化メチル濃度
は減少し、活性炭吸着塔出口の臭化メチル濃度は増加す
る。そして入口濃度と出口濃度との差が所定の濃度差に
収まると、現在の活性炭吸着24での吸着処理を停止さ
せ、第2の吸着塔24にて吸着処理を開始する。
【0031】ここで第1の吸着塔の平衡濃度(図中ポイ
ントA)と、第2の吸着塔の平衡濃度(図中ポイント
B)とは著しく異なり、第2の吸着塔は高濃度ガスに対
して吸着余裕が十分にあることは明らかである。このた
め第2実施例では、確実に活性炭量を低減できる方法と
して低濃度時に吸着した活性炭を高濃度時に再度使用す
る効果を実験的に確認した。すなわち複数のくん蒸倉庫
があり、この有害ガス吸着処理を行うに際し、最初のく
ん蒸倉庫の吸着は上述の第1実施例と同様に行うが、第
2のくん蒸倉庫のガス処理をなす場合には、前回に高濃
度のガスを通した初段の第1活性炭吸着塔を使用せず、
前回の次段活性炭吸着塔を初段吸着塔として用いるもの
である。このように吸着能力が確実に期待できる第2の
吸着塔から吸着を開始すれば活性炭を有効利用すること
ができる。そしてこのとき第1活性炭吸着塔は、吸着ガ
スの脱着処理や活性炭の交換を行ったり、再生処理等が
終了している場合には最終段の吸着塔として使用すれば
よい。
【0032】実験は第1実施例で示した実験装置を用
い、3倉分のくん蒸倉庫12内部の臭化メチル処理を想
定して行った。この作業手順を図6に示す。直列方式で
は、1倉目の臭化メチルタンク36においてl0,00
0ppmに調整した臭化メチルを一気に流し、分割方式
については、まず最上流となる第1の活性炭吸着塔24
から流し始め、活性炭が破過した時点(実験では、処理
ガスがその時点の入口濃度の5%になった際)で第2の
活性炭吸着塔24に切替える。また2倉目の臭化メチル
タンク38においては第2の活性炭吸着塔24から吸着
作業を行い、3倉目の臭化メチルタンク40においては
第3の活性炭吸着塔24から吸着作業を行い、高濃度時
に吸着した臭化メチルが脱着しないようにした。その結
果、500ppm以下まで処理する場合、図7に示すよ
うに処理倉数が多くなるほど直列方式の必要活性炭量の
増加割合が多くなった。そして3倉処理の場合では、直
列方式と比較して分割方式では約30%の活性炭量を低
減できた。これは第1実施例と同様に直列方式は臭化メ
チルの脱着が進むが、分割方式ではこれを少なくできた
ためである。
【0033】また同一のくん蒸倉庫と有害ガス吸着処理
装置とを用い、同一の作業を繰り返す場合にあっては、
有害ガスの吸着経過は正確に把握できる。このため濃度
解析装置32にあらかじめ個々の活性炭吸着塔24の切
替濃度を記憶させておき、この値と臭化メチルセンサ2
0Bが検出する出口ガス濃度とを比較し、対応する活性
炭吸着塔24に次々と切り替えていってもよい。
【0034】また上記した本実施例においては、特にく
ん蒸用臭化メチルの吸着処理方法について説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、倉庫や容器内
に残留する有害ガスを安定的に処理するためのものであ
れば、いずれにも適用可能である。また本実施例におい
ては5塔の活性炭吸着塔での説明を行ったが、活性炭吸
着塔24の設定数を5塔に限定するものではなく、くん
蒸室の容量、および有害ガスの濃度の条件等により自由
に複数設定できることはいうまでもない。また、倉庫と
してはその規模の大小は問わない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、倉
庫内の有害ガスを吸着処理する方法であって、前記倉庫
内ガスをガス吸着処理部に送給するとともに、前記ガス
吸着処理部からの処理ガスを倉庫内に還流させて有害ガ
ス吸着をなさしめるため、吸着剤の利用効率を高めつ
つ、有害ガスが外部に漏らすことがなく確実にガス吸着
処理部にて吸着作業を行うことができる。
【0036】そして前記ガス吸着処理部を複数併設して
おき前記倉庫の出口ガス濃度と還流ガス濃度を検出しそ
の濃度比が小さくなった場合に吸着対象処理部を順次切
替使用するか、前記ガス吸着処理部毎に切替濃度を段階
的に設定して記憶させ、前記倉庫の出口ガス濃度が検出
して前記記憶された切替濃度と比較し、検出濃度と一致
する切替濃度に設定された吸着処理部への流路切替をな
すこととしたので、ガス吸着処理部は他のガス吸着処理
部からの影響を受けず有害ガスの吸着作業を行えるとと
もに、吸着剤(活性炭)の使用量低減を図ることができ
る。
【0037】さらに複数の倉庫の有害ガス処理するに際
して、前記有害ガスを吸着処理した後の前記ガス吸着処
理部を、異なる倉庫の有害ガス吸着作業時には、前回倉
庫の吸着作業時の初段吸着処理部に続く次段吸着処理部
から吸着処理するようにしたので、ガス吸着処理部の吸
着剤の有効活用が図られ、もって吸着剤の使用量を低減
させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有害ガス吸着処理装置の構成図で
ある。
【図2】活性炭吸着塔24を直列に連結した処理装置3
4と、本処理装置10との構成を示す構成説明図であ
る。
【図3】臭化メチル処理濃度とそれに必要とする活性炭
の量との関係を示すグラフである。
【図4】個々の活性炭吸着塔24における臭化メチル吸
着量比を示すグラフである。
【図5】第1実施例における臭化メチルの吸着状況を排
気時間と臭化メチルの濃度とで示したグラフである。
【図6】第2実施例の作業手順を示す作業説明図であ
る。
【図7】処理倉数とそれに必要とする必要活性炭量との
関係を示すグラフである。
【図8】従来における青果等のくん蒸処理を行うくん蒸
処理装置の構成図である。
【図9】臭化メチルの濃度と活性炭の平衡吸着量を示す
グラフである。
【図10】臭化メチルの排気濃度変化を示すグラフであ
る。
【図11】臭化メチルの脱落現象を示すグラフである。
【符号の説明】
1 くん蒸装置 2 臭化メチルボンベ 3 気化装置 4 くん蒸倉庫 5 希釈バルブ 6 排気ファン 10 有害ガス吸着処理装置 12 くん蒸倉庫 14 吸気弁 16 送気管 18 吸気口弁 20A 臭化メチル濃度センサ 20B 臭化メチル濃度センサ 22 排気ファン 24 活性炭吸着塔 26 開閉バルブ 28 還流管 30 排気口弁 32 濃度解析装置 34 処理装置 36 第2のくん蒸倉庫

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 倉庫内の有害ガスを吸着処理する方法で
    あって、前記倉庫内ガスをガス吸着処理部に送給すると
    ともに、前記ガス吸着処理部からの処理ガスを倉庫内に
    還流させて有害ガス吸着をなさしめることを特徴とする
    有害ガス吸着処理方法。
  2. 【請求項2】 倉庫内の有害ガスを吸着処理する方法で
    あって、前記倉庫内ガスをガス吸着処理部に送給して前
    記ガス吸着処理部からの処理ガスを倉庫内に還流させて
    有害ガス吸着をなすとともに、前記ガス吸着処理部を複
    数併設しておき前記倉庫の出口ガス濃度と還流ガス濃度
    を検出しその濃度比によって吸着対象処理部を順次切替
    使用することを特徴とする有害ガス吸着処理方法。
  3. 【請求項3】 倉庫内の有害ガスを吸着処理する方法で
    あって、前記倉庫内ガスをガス吸着処理部に送給して前
    記ガス吸着処理部からの処理ガスを倉庫内に還流させて
    有害ガス吸着をなすとともに、前記ガス吸着処理部を複
    数併設しておき、前記ガス吸着処理部毎に切替濃度を段
    階的に設定して記憶させ、前記倉庫の出口ガス濃度が検
    出して前記記憶された切替濃度と比較し、検出濃度と一
    致する切替濃度に設定された吸着処理部への流路切替を
    なすことを特徴とする有害ガス吸着処理方法。
  4. 【請求項4】 複数の倉庫内の有害ガスを吸着処理する
    方法であって、対象倉庫内ガスをガス吸着処理部に送給
    して前記ガス吸着処理部からの処理ガスを倉庫内に還流
    させることにより有害ガス吸着をなすとともに、前記ガ
    ス吸着処理部を複数併設しておき、前記倉庫の出口ガス
    濃度と還流ガス濃度を検出しその濃度比によって吸着対
    象処理部を順次切替使用し、処理対象倉庫の切替時には
    前回の吸着作業時の初段吸着処理部に続く次段吸着処理
    部から有害ガスの吸着をなさしめることを特徴とする有
    害ガス吸着処理方法。
  5. 【請求項5】 倉庫内の有害ガスの吸着処理を行う有害
    ガス吸着処理装置であって、倉庫に設けられたガス出口
    部とガス還流口とに複数のガス吸着処理部を並列接続す
    るとともに各ガス吸着処理部へのガス流路切替手段を設
    け、前記ガス出口部とガス還流口にはガス濃度検出手段
    を備え、このガス濃度検出手段からの濃度信号を入力し
    出口ガス濃度と還流口ガス濃度との濃度比により前記複
    数のガス吸着処理部を選択切替する濃度解析手段を設け
    たことを特徴とする有害ガス吸着処理装置。
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