JPH101476A - 効力が向上したチフルザミド - Google Patents

効力が向上したチフルザミド

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JPH101476A
JPH101476A JP6007197A JP6007197A JPH101476A JP H101476 A JPH101476 A JP H101476A JP 6007197 A JP6007197 A JP 6007197A JP 6007197 A JP6007197 A JP 6007197A JP H101476 A JPH101476 A JP H101476A
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JP
Japan
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thifluzamide
water
tifluzamide
organic solvent
crystal form
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Withdrawn
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JP6007197A
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English (en)
Inventor
Norihito Hayakawa
法仁 早川
Masanori Baba
正紀 馬場
Norihiro Suwa
典広 諏訪
Kazuhiro Yamagishi
和宏 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lomb & Haasu Japan Kk
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Lomb & Haasu Japan Kk
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チフルザミドの水中への溶出速度を速め、農
薬の効力を向上させる。 【解決手段】 結晶形を転移させたチフルザミドおよび
同チフルザミドを有効成分として含有する農薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶形を転移させ
たN−(2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメトキシ
フェニル)−2−メチル−4−トリフルオロメチル−5
−チアゾールカルボキシアミド(一般名:チフルザミ
ド)、その製造方法および同チフルザミドを有効成分と
して含有する農薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】チフルザミドは紋枯れ病に高
い殺菌活性を有する化合物である。水稲栽培における稲
紋枯れ病防除剤の使用時期は田面水が少ない時期にあた
るため、有効成分の溶出拡散速度が防除効果に大きく影
響する。しかしながら、チフルザミドにおいては、水溶
解度が1.6mg/l(20℃)と非常に小さいため、
水中への溶出速度を速め、効力を向上させる方法の開発
が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、通常の製
造方法に従って合成されたチフルザミドを、有機溶剤に
溶解した溶液と水を混合して結晶化させることによりチ
フルザミドの結晶形が転移すること、および結晶形転移
後のチフルザミドを用いて農薬組成物を製造すると、チ
フルザミドの水中溶出性が改善されることを見出し、以
下の本発明を完成した。
【0004】(1) 示差走査熱量測定において175
〜180℃に吸熱ピークを示し、それ以下の温度に他の
吸熱ピークを有しないチフルザミド。 (2) 粉末X線回折で2θ=17.68、20.0
4、23.04、28.88および29.52にピーク
を有するチフルザミド。 (3)チフルザミドを有機溶剤に溶解した溶液と水を混
合して結晶化させることにより(1)または(2)記載
のチフルザミドを製造する方法。 (4) チフルザミドを有機溶剤に溶解した溶液を水中
に入れることによりチフルザミドを結晶化させる(3)
記載の方法。 (5) チフルザミドを有機溶剤に溶解した溶液に水を
入れることによりチフルザミドを結晶化させる(3)記
載の方法。 (6) 有機溶剤の20℃における水溶解度が水溶液に
対して10重量部以上である(3)、(4)または
(5)記載の方法。 (7) 有機溶剤が水と任意に混合する溶剤である
(3)、(4)または(5)記載の方法。 (8) 有機溶剤がアルコール類、ケトン類、エーテル
類、エステル類、ニトリル類、N−アルキルピロリドン
類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスル
ホキシドの中から選ばれる1種または2種以上を表す
(3)、(4)または(5)記載の方法。 (9) (1)または(2)記載のチフルザミドを有効
成分として含有する農薬組成物。 (10) (3)、(4)、(5)、(6)、(7)ま
たは(8)記載の方法により製造されたチフルザミドを
有効成分として含有する農薬組成物。
【0005】
【発明の実施の形態】チフルザミドの融点は177.9
〜178.6℃(ペスチサイド・マニュアル(Pesticide
Manual),1994)であることが知られているが、後
述する参考例によって合成したチフルザミドの示差走査
熱量測定(DSC)では178℃付近に吸熱ピークを示
す他、161℃付近に2.0〜2.5cal/gの吸熱
量の吸熱ピークを示す。また粉末X線回折においては第
1図の様な回折パターンを示す。以下この様な結晶形で
あるチフルザミドをα結晶形と称する。
【0006】本発明の結晶形転移したチフルザミドは、
後述する実施例1によって得られたチフルザミドで示さ
れるように、DSC、粉末X線回折においてα結晶形と
は異なる結晶構造を有する。具体的には、DSCにおい
ては178℃付近にのみ吸熱ピークを示し、それ以下の
温度には吸熱ピークを有しない。また、粉末X線回折に
おいては、第2図に示す様な回折パターンを示し、2θ
=17.68、20.04、23.04、28.88お
よび29.52にピークを有する。以下この様な結晶形
であるチフルザミドをβ結晶形と称する。
【0007】本発明のβ結晶形チフルザミドは、チフル
ザミドを有機溶剤に溶解した溶液と水を混合して結晶化
させることにより製造することができる。この際、チフ
ルザミドを有機溶剤に溶解した溶液を水中に入れること
によりチフルザミドを結晶化してもよいし、チフルザミ
ドを有機溶剤に溶解した溶液に水を入れることによりチ
フルザミドを結晶化してもよい。本発明に用いられる有
機溶剤は特に限定されないが、好ましくは20℃におけ
る水溶解度が水溶液に対して10重量部以上である有機
溶剤であり、さらに好ましくは水と任意に溶解する有機
溶剤である。例えばアルコール類、ケトン類、エーテル
類、エステル類、ニトリル類、N−アルキルピロリドン
類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスル
ホキシドの中から選ばれる1種または2種以上が好適に
使用される。具体的には下記のものが上げられるが、こ
れらのみに限定されるものではない。
【0008】アルコール類では、アリルアルコール、イ
ソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エタノ
ール、テトラヒドロフルフリルアルコール、s−ブタノ
ール、t−ブタノール、フルフリルアルコール、プロパ
ルギルアルコール、1−プロパノール、メタノール、3
−メチル−1−ペンチン−3−オール、エチレングリコ
ール、エチレングリコールジアセタート、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、エチレングリコールモノ
アセタート、エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
タート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテ
ル、エチレンクロロヒドリン、グリセリン、グリセリン
1,3−ジメチルエーテル、2−クロロ−1,3−プロ
パンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールク
ロロヒドリン、ジエチレングリコールジアセタート、ジ
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコールモノエチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリメチレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、プロピレングリコール、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、1,5−ペンタンジオールなどがあげられ
る。
【0009】エーテル類およびアセタール類では、ジエ
チルエーテル、1,4−ジオキサン、ジプロピルエーテ
ル、ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、テトラヒ
ドロフラン、フルフラール、メチラールなどがあげられ
る。
【0010】ケトン類ではアセトン、ジアセトンアルコ
ール、およびメチルエチルケトンなど、エステル類で
は、ギ酸エチル、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸メチ
ル、乳酸エチル、乳酸メチル、およびγ−ブチロラクト
ンなど、カルボン酸類では、イソ酪酸、ギ酸、酢酸、お
よびジクロロ酢酸などがあげられる。
【0011】ニトリル類としては、アセトニトリルおよ
びプロピオニトリルがあげられる。N−アルキルピロリ
ドン類では、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−エチル−2−
ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロ
リドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−イ
ソプロピル−2−ピロリドン、N−(n−ブチル)−2
−ピロリドン、N−(t−ブチル)−2−ピロリドン、
N−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドン、N
−(2−メトキシエチル)−2−ピロリドン、およびN
−(3−メトキシプロピル)−2−ピロリドンなどがあ
げられる。
【0012】その他の溶剤としては、アリルアミン、N
−エチルエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチ
ルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチ
ルアミン、トリメチルアミン、ピペコリン、ピペリジ
ン、プロピレンジアミン、ヘキサメチルホスホルトリア
ミド、モノエタノールアミン、およびジメチルスルホキ
シドなどがあげられる。
【0013】好ましくは、アルコール類では、イソプロ
ピルアルコール、エタノール、1−プロパノール、メタ
ノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノメトキシメチルエーテル、ジエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコ
ール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルがあげられ、エー
テル類では、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン
があげられ、ケトン類ではアセトン、ジアセトンアルコ
ール、メチルエチルケトンがあげられ、ニトリル類では
アセトニトリルおよびプロピオニトリルがあげられ、そ
の他として、乳酸メチル、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シドがあげられる。
【0014】さらに好ましくは、メタノール、エタノー
ル、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、
N−メチル−2−ピロリドンがあげられる。
【0015】本発明における水中での結晶化させる時の
制御条件は、チフルザミド溶液を水中に投入後、または
チフルザミド溶液中に水を投入後にすみやかに結晶化す
る条件であれば、チフルザミド溶液の温度、チフルザミ
ド溶液の水への投入速度、水温、水量、攪拌速度などは
特に限定されない。例えば、上記の有機溶剤の中から、
アセトンやメタノールなどの室温でチフルザミドを溶解
する溶剤を選定すると、チフルザミド溶液を水中に投入
して結晶化させる際において室温でもβ結晶形への完全
な転移が容易に起こるため、製造条件の制御が容易であ
るとともに、製品の品質安定化の面で有用である。
【0016】本発明におけるβ結晶形チフルザミドを有
効成分として用いた農薬組成物の剤型に関しては特に限
定されないが、例えば、粉剤、水和剤、粒剤、錠剤、顆
粒水和剤、懸濁剤などがあげられる。それぞれ一般的な
方法で製造されるが、本発明の農薬組成物に添加される
β結晶形チフルザミド以外の添加物に関しては特に限定
されない。さらに、本発明の農薬組成物には、有効成分
としてβ結晶形チフルザミド以外に他の有効成分を添加
することもできる。本発明によって得られたβ結晶形チ
フルザミドを有効成分として用いた農薬組成物からのチ
フルザミドの水中溶出性および殺菌効力は、α結晶形チ
フルザミドを用いた場合に比べて向上する。なお、本発
明の農薬組成物にはα結晶形とβ結晶形のチフルザミド
が混在している場合も含まれるが、水中溶出性の改善と
いう観点から、その混合比はβ結晶形が20〜100%
が好ましく、50〜100%がより好ましい。
【0017】
【実施例】以下本発明を参考例および実施例および試験
例をあげて具体的に説明するが、本発明は以下の例のみ
に限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較
例中の部は重量部を意味する。また、参考例および実施
例中のDSCおよび粉末X線回折の測定は以下に示す測
定条件で行った。
【0018】
【表1】 DSC測定(空気中で測定) 機種 マックサイエンス社製 DSC3100 サンプル重量 3mg サンプルパン アルミ サンプリング速度 1.0sec 昇温速度 5.0゜C/min 粉末X線回折測定 機種 日本電子(株)社製 JDX−8200T タ−ゲット Cu2θ=5゜〜50゜ ステップ角度 0.04゜ 計数時間 0.5sec 管電圧 30.0kV 管電流 100.0mA
【0019】〔参考例〕 α結晶形チフルザミドの合成 2−メチル−4−トリフルオロメチル−5−クロロカル
ボニルチアゾール6.47gおよび2,6−ジブロム−
4−トリフルオロメトキシアニリン8.91gをアセト
ニトリル16.8mlの中に加え、6.5時間加熱還流
した。反応液から減圧下溶媒を留去し、酢酸エチル42
0mlおよび水300mlを加えて撹拌した。静置後、
酢酸エチル層を分取し、水、飽和重曹水、水各300m
lで順次洗浄した。次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下溶媒を留去して、チフルザミド13.9gを
得た。なお、原料の2−メチル−4−トリフルオロメチ
ル−5−クロロカルボニルチアゾールおよび2,6−ジ
ブロム−4−トリフルオロメトキシアニリンは、特開平
2−184680号公報の実施例1に従って合成した。
得られた結晶は、DSCでは161℃付近に2.1ca
l/gの吸熱ピークおよび178℃付近に9.0cal
/gの吸熱ピークを示し、また粉末X線回折では図1に
示すように、2θ=17.7゜の相対ピーク強度がI/
0=12、2θ=23.0゜の相対ピーク強度がI/
0=11であった。本参考例によって得られた結晶を
α結晶形とした。
【0020】〔実施例1〕 β結晶形チフルザミドの合
成 参考例にて得られたα結晶形チフルザミド15gをアセ
トン30gに室温で溶解し、これを滴下ロートで1Lビ
ーカー内の500mlの蒸留水中に300rpmで撹拌
しながら約5分間かけて滴下した。水中で結晶化した原
体を500mlの水で洗浄しながら1μmの濾紙で吸引
濾過した。得られたチフルザミドの結晶を約60℃下で
2時間減圧乾燥した。得られた結晶はDSCでは178
℃付近に10.2cal/gの吸熱ピークを示し、16
1℃付近にはピークを示さなかった。また粉末X線回折
では図2に示すように、2θ=17.68、20.0
4、23.04、28.88および29.52にピーク
を有し、2θ=17.6゜の相対ピーク強度がI/I0
=75、2θ=23.0゜の相対ピーク強度がI/I0
=100であり、α結晶形とは別の結晶形であった。本
実施例で得られた結晶をβ結晶形とした。
【0021】〔実施例2〕 β結晶形チフルザミドの合
成 アセトン30gをメタノール60gに代えて、実施例1
と同様に行った。得られたチフルザミドの結晶形は、D
SC、粉末X線回折からβ結晶形であった。 〔実施例3〕 α+β混合結晶形チフルザミドの合成 アセトン30gをテトラヒドロフラン30gに代えて、
実施例1と同様に行った。得られたチフルザミドの結晶
形は、DSC、粉末X線回折からα結晶形とβ結晶形の
混合物であった。 〔実施例4〕 α+β混合結晶形チフルザミドの合成 アセトン30gをN−メチルピロリドン15gに代え
て、実施例1と同様に行った。得られたチフルザミドの
結晶形は、DSC、粉末X線回折からα結晶形とβ結晶
形の混合物であった。
【0022】〔実施例5〕 粒剤1(β結晶形) 実施例1にて得られたβ結晶形チフルザミドをジェット
粉砕機(A−Oジェットミル:(株)セイシン企業製)
により粉砕した。この粉砕物2.0部、リグニンスルホ
ン酸ナトリウム5.0部、アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム0.5部、ポリアクリル酸ナトリウム1.0
部、トリポリリン酸ナトリウム2.0部、ベントナイト
40部、炭酸カルシウム49.5部、水16部を万能混
合機((株)ダルトン製)で混合混練し、口径0.8m
mのスクリーンを装着した押出し式造粒機(不二パウダ
ル(株)製BR−200)を用いて造粒した。この造粒
物を50℃で乾燥して、粒剤1(β結晶形)を得た。
【0023】〔実施例6〕 粒剤2(α+β結晶形) 参考例にて得られたチフルザミド(α結晶形)35部
と、実施例1にて得られたチフルザミド(β結晶形)6
5部の割合で、ジェット粉砕機(A−Oジェットミル)
により混合粉砕した。この混合粉砕したチフルザミドは
DSCでは161℃付近に0.7cal/g、178℃
付近に9.1cal/gの吸熱ピークを示した。また、
X線回折では、α結晶形とβ結晶形の混合物であること
が確認された。この混合粉砕したチフルザミド(α結晶
形:β結晶形=35:65の混合物)2.0部に、実施
例5と同様な操作をすることにより粒剤2(α+β結晶
形)を得た。
【0024】〔実施例7〕 粒剤3(β結晶形) 実施例2にて得られたチフルザミド(β結晶形)のジェ
ット粉砕物2.0部に、実施例5と同様な操作をするこ
とにより粒剤3(β結晶形)を得た。 〔実施例8〕 粒剤4(α+β結晶形) 実施例3にて得られたチフルザミド(α+β結晶形)の
ジェット粉砕物2.0部に、実施例5と同様な操作をす
ることにより粒剤4(α+β結晶形)を得た。 〔実施例9〕 粒剤5(α+β結晶形) 実施例4にて得られたチフルザミド(α+β結晶形)の
ジェット粉砕物2.0部に、実施例5と同様な操作をす
ることにより粒剤5(α+β結晶形)を得た。
【0025】〔比較例〕 比較粒剤(α結晶形) 参考例にて得られたチフルザミド(α結晶形)のジェッ
ト粉砕物2.0部に、実施例5と同様な操作をすること
により比較粒剤(α結晶形)を得た。
【0026】〔試験例1〕 粒剤の溶出試験 粒剤1〜5および比較粒剤各45mgを水温30℃に保
たれた10度硬水1000mlを含むビーカーに加え
た。7日間静置後ビーカーの中央部から溶液の一部を採
取し、チフルザミドの含有量を分析し、次式により溶出
率を算出した。 溶出率(%)=A×100/B A:チフルザミドの水中溶出量(mg) B:ビーカー中に加えた粒剤中のチフルザミド含有量
(mg)
【0027】結果を第1表に示す。 〔試験例2〕 生物効果試験 粒剤1および比較粒剤を、8葉期の稲が植えられている
1/10000アールポットに各300グラム/アール
当量処理した。処理7日後、予めイネ籾殻培地に培養し
ておいた稲紋枯病菌をガーゼに包み、これを1/100
00アールポットの稲株間に挟み込むことで接種を行っ
た。接種後、1/10000アールポットのイネは、気
温25℃・湿度100%湿室に保たれた。接種7日後、
接種原からの進展病斑の最高部分の高さを測定し、これ
を基に防除価を算出した。結果を第1表に合わせて示
す。
【0028】
【表2】 第1表 ──────────────────────────────── 7日目の溶出率 処理7日後接種 (%) 稲紋枯れ病防除価(%) ──────────────────────────────── 粒剤1 (β結晶形) 100 82 粒剤2 (α+β結晶形) 80 − 粒剤3 (β結晶形) 100 − 粒剤4 (α+β結晶形) 70 − 粒剤5 (α+β結晶形) 80 − 比較粒剤(α結晶形) 58 60 ────────────────────────────────
【0029】
【発明の効果】本発明の結晶形に転移させたチフルザミ
ドを農薬活性成分として用いることにより、チフルザミ
ドの水中への溶出速度を速めることができ、農薬として
の効力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例で得られたα結晶形チフルザミドの粉末
X線回折
【図2】実施例1で得られたβ結晶形チフルザミドの粉
末X線回折
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 正紀 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 諏訪 典広 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 山岸 和宏 埼玉県南埼玉郡白岡町大字白岡1470 日産 化学工業株式会社生物科学研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 示差走査熱量測定において175〜18
    0℃に吸熱ピークを示し、それ以下の温度には他の吸熱
    ピークを有しないチフルザミド。
  2. 【請求項2】 粉末X線回折で2θ=17.68、2
    0.04、23.04、28.88および29.52に
    ピークを有するチフルザミド。
  3. 【請求項3】 チフルザミドを有機溶剤に溶解した溶液
    と水を混合して結晶化させることにより請求項1または
    2記載のチフルザミドを製造する方法。
  4. 【請求項4】 チフルザミドを有機溶剤に溶解した溶液
    を水中に入れることによりチフルザミドを結晶化させる
    請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 チフルザミドを有機溶剤に溶解した溶液
    に水を入れることによりチフルザミドを結晶化させる請
    求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 有機溶剤の20℃における水溶解度が水
    溶液に対して10重量部以上である請求項3、請求項4
    または請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 有機溶剤が水と任意に混合する溶剤であ
    る請求項3、請求項4または請求項5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 有機溶剤がアルコール類、ケトン類、エ
    ーテル類、エステル類、ニトリル類、N−アルキルピロ
    リドン類、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチ
    ルスルホキシドの中から選ばれる1種または2種以上で
    ある請求項3、請求項4または請求項5記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載のチフルザミドを
    有効成分として含有する農薬組成物。
  10. 【請求項10】 請求項3、請求項4、請求項5、請求
    項6、請求項7または請求項8記載の方法により製造さ
    れたチフルザミドを有効成分として含有する農薬組成
    物。
JP6007197A 1996-02-28 1997-02-28 効力が向上したチフルザミド Withdrawn JPH101476A (ja)

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