JPH10146768A - 内周刃砥石 - Google Patents

内周刃砥石

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JPH10146768A
JPH10146768A JP30331196A JP30331196A JPH10146768A JP H10146768 A JPH10146768 A JP H10146768A JP 30331196 A JP30331196 A JP 30331196A JP 30331196 A JP30331196 A JP 30331196A JP H10146768 A JPH10146768 A JP H10146768A
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JP
Japan
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base metal
layer
plating layer
inner peripheral
reinforcing plating
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JP30331196A
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Inventor
Tsutomu Takahashi
務 高橋
Noriyuki Takaoka
則幸 高岡
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 台金を薄肉化した場合にも、実質的な台金強
度を向上して、安定な切断が可能な内周刃砥石を提供す
る。 【解決手段】 台金10の内周縁部に全周に亙って一定
幅の電着砥粒層12が形成され、電着砥粒層12の外周
側に隣接して台金10の両側面に補強めっき層18が形
成されている。電着砥粒層12は、金属めっき相16に
より超砥粒14を単層状または多層状に固着させたもの
である。補強めっき層18の硬さはビッカース硬度(H
v):300〜650であり、台金10の厚さ方向にお
ける補強めっき層18の最大厚さT1は、台金10の肉
厚の3%以上、かつ超砥粒14の平均粒径の1/2以下
である。台金半径方向における補強めっき層18の幅W
2は、電着砥粒層12の台金半径方向における幅W1の
1〜20倍にされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体インゴット
等をスライスしてウェーハを製造する用途に使用される
内周刃砥石に関し、特に、台金を薄肉化した場合にも切
断の安定性を高めて砥石寿命を延長するための改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】この種の内周刃砥石は、薄肉の円環板状
をなす台金1の内周縁の全周に亙って電着砥粒層2を形
成するとともに、台金1の外周部に多数の取付孔3を形
成したものである。電着砥粒層2は、金属めっき相によ
って、ダイヤモンド等の超砥粒を台金の内周縁部の内周
端面および両側面に固着させたものである。
【0003】このような内周刃砥石を使用するには、台
金1の外周部を円環状の治具に固定して張り上げ、この
治具を高速回転させつつ、半導体インゴット等の被削材
を内周刃砥石の中心孔に通して電着砥粒層2を被削材に
切り込ませる。これにより、被削材を薄く切断してウェ
ーハを切り出すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体イン
ゴットの歩留まりを向上するため、内周刃砥石による切
断代(カーフロス)を低減することがさらに強く求めら
れる傾向にある。切断代を小さくするには、電着砥粒層
2の厚さを小さくすればよいのであるが、台金1の厚さ
を変えずに電着砥粒層2の厚さのみを小さくしたので
は、被削材と台金1とが接近し、研削液の供給性および
切粉の排出性が悪くなるばかりか、被削材と台金1との
接触が生じやすくなり、切断が不安定になって歩留まり
を向上することができない。したがって、電着砥粒層2
を薄くするには、併せて台金1を薄くすることが必須で
ある。
【0005】台金1の材質として、現在一般には高強度
の析出硬化型ステンレス鋼が用いられており、最近で
は、材質の改良により引張強度を200kg/mm2
度にまで高め、台金厚さを0.13〜0.18mm程度
にまで薄くしたものが使用されるに至っている。しか
し、材質による強度向上は現状では限界に達しており、
さらなる薄肉化を図ろうとすると、台金の剛性が不足
し、切断中に台金がふらついて被削材と接触したり、治
具による張力および切り込み力に耐えられず切断中に破
断したり、電着砥粒層2の真円度が悪化して高精度の切
断が行えないといった問題が生じるおそれがあった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、台金を薄肉化した場合にも、実質的な台金強度を向
上して、安定な切断が可能な内周刃砥石を提供すること
を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る内周刃砥石は、薄肉の円環板状をなす
台金と、この台金の内周縁部の全周に亙って形成された
電着砥粒層と、この電着砥粒層の外周縁に隣接して前記
台金の両側面に形成された補強めっき層とを具備し、前
記電着砥粒層は金属めっき相により超砥粒を固着させた
ものであり、台金厚さ方向における前記補強めっき層の
最大厚さは、前記台金の肉厚の3%以上かつ前記超砥粒
の平均粒径の1/2以下にされるとともに、台金半径方
向における前記補強めっき層の幅は、前記電着砥粒層の
台金半径方向における幅の1〜20倍にされていること
を特徴とする。
【0008】本発明に係る内周刃砥石によれば、電着砥
粒層の外周縁に隣接して台金の両側面に補強めっき層を
形成したものであるから、これら補強めっき層により、
電着砥粒層の付け根部分における台金の剛性を向上でき
る。このため、切断中に電着砥粒層に加わる研削力およ
び台金張り上げによる応力をこれら補強めっき層により
支えることができ、台金を薄肉化した場合にも、切断中
に台金がふらついて被削材と接触したり、治具による張
力および切り込み力に耐えられず切断中に破断または座
屈したり、電着砥粒層2の真円度が悪化して高精度の切
断が行えないといった問題が防止できる。
【0009】また、台金厚さ方向における前記補強めっ
き層の最大厚さは、台金肉厚の3%以上かつ超砥粒の平
均粒径の1/2以下にされており、しかも台金半径方向
における補強めっき層の幅が、電着砥粒層の台金半径方
向における幅の1〜20倍にされているから、被削材へ
の超砥粒の切り込みを阻害せず、研削液の供給性や切粉
排出性を阻害しない。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る内周刃砥石
の刃先部分を示す断面拡大図である。図中符号10は薄
肉かつ円環板状の台金であり、この台金10の内周縁部
には全周に亙って一定幅の電着砥粒層12が形成され、
さらに電着砥粒層12の外周側に隣接して台金10の両
側面に一定幅の補強めっき層18が形成されている。
【0011】電着砥粒層12は、金属めっき相16によ
り超砥粒14を単層状または多層状に固着させたもので
ある。この実施形態の電着砥粒層12では、超砥粒14
が刃先側(内周側)で多層状に、外周側で単層状に配置
されている。金属めっき相16としてはNi,Co,C
uまたはこれらの合金などが使用でき、超砥粒14とし
てはダイヤモンドまたはCBN等が使用可能である。た
だし、必要であれば他の材質を使用してもよい。台金1
0の厚さは限定されないが、一般的には0.05〜0.
5mm程度とされる。本発明は特に台金10の薄肉化を
可能とするものであるから、0.05〜0.2mm程度
までにしてもよい。超砥粒14の平均粒径は限定されな
いが、一般的な半導体ウェーハ製造用には20〜100
μm、より好ましくは30〜80μmとされる。
【0012】補強めっき層18は、電着砥粒層12側か
ら台金10の半径方向外方に向けて漸次薄くされてい
る。台金10の半径方向における補強めっき層18の幅
W2は、電着砥粒層12の台金半径方向における幅W1
の1〜20倍にされることが好ましく、しかも台金10
の外径の5%を越えないことが望ましい。W2がW1の
1倍未満では十分な補強効果が得られず、20倍を越え
ると切粉排出性、研削液供給性を阻害するおそれがあ
る。
【0013】なお、補強めっき層18の内周側の端部2
0は、金属めっき相16と一体化されていてよい。台金
10の厚さ方向における補強めっき層18の最大厚さT
1は台金10の肉厚の3%以上、かつ超砥粒14の平均
粒径の1/2以下であることが好ましい。このような寸
法設定によれば、被削材への超砥粒14の切り込みを阻
害することが少なく、研削液の供給性や切粉排出性を阻
害することもない。
【0014】補強めっき層18は、いかなる金属で形成
されていてもよく、さらに単層のみならず複数の金属で
多層状に形成されていてもよい。ただし、補強めっき層
18は、Ni、Ni合金、CoおよびCo合金から選択
される1種または2種以上の材質により、単層状または
多層状に形成されていることがより好ましい。これらの
材質で形成されている場合には、製造コストが安いう
え、リン、硫黄、B、Reなどの添加などにより、析出
硬化させて硬度を広範に亙って調整できる利点を有す
る。
【0015】材質は限定されないが、補強めっき層18
の硬さはビッカース硬度(Hv):300〜650であ
ることが好ましく、より望ましくはHv:300〜60
0とされる。補強めっき層18の硬さがHv:300〜
650であれば、台金10の強度を高めつつも、台金1
0の破断を生じないだけの台金10の伸びを許容するこ
とができる。単純に補強めっき層18の硬さを高めすぎ
ると、少なくとも現状の台金材質を使用している限りは
台金10の伸びが制限され、伸びが制限されて衝撃に対
する感受性が高まるおそれがあるが、台金10の材質が
改良されればその問題は改善される可能性もある。ま
た、補強めっき層18の硬さがHv:300以上であれ
ば、補強めっき層18の耐摩耗性が高くなるため、補強
めっき層18が摩耗しにくく、その補強効果が長続きす
る利点がある。
【0016】補強めっき層18は、粒径が0.1〜10
μmでビッカース硬度:1500以上の硬さを有する硬
質粒子を、好ましくは3〜40vol%含んでいてもよ
い。硬質粒子としてはダイヤモンド、CBN、SiC、
Al23などが例示できる。補強めっき層18は、硬質
粒子の代わりに、あるいは硬質粒子と共に、平均粒径が
10〜100オングストロームのダイヤモンドクラスタ
ーを好ましくは1〜30vol%含んでいてもよい。こ
のような硬質粒子やダイヤモンドクラスターを添加すれ
ば、後述するように補強めっき層18の強度を増大でき
る。特に、ダイヤモンドクラスターは、補強めっき層1
8の伸びを損なうことなく、強度および硬さを増大でき
る。
【0017】電着砥粒層12の、台金10の側面におけ
る最大厚さ部の砥粒突出量T2は、超砥粒14の平均粒
径の5〜20%であることが好ましく、より好ましくは
5〜12%とされる。5〜20%の範囲内であれば、切
り粉排出性および切れ味に優れ、保持力も高く、有効切
刃密度も大きい。
【0018】このような内周刃砥石を製造するには、ま
ず図2に示すように、台金10と同程度の内径を有する
円環状の第1スペーサS1を、複数の台金10と交互に
同心状に重ねたうえ、めっき装置(図示略)にセット
し、台金10の内周側に気密的な空間を形成する。第1
スペーサS1の内周面22の幅方向中央には、内周面2
2の全周に亙って内方へ突出する突条部24が形成され
ており、この突条部24の側面と台金10の側面との間
には、一定の間隙Dが開くようになっている。
【0019】間隙Dの値を小さくすると、金属めっき相
16の析出量は間隙Dの奥へ行くほど小さくなる傾向を
増すから、間隙Dの調整により金属めっき相16の断面
形状をコントロールすることが可能である。具体的にい
うと、間隙Dを小さくすれば金属めっき相16は外周側
で肉痩せし、間隙Dを十分に大きくすれば、肉痩せ傾向
が小さくなる。
【0020】次に、台金10および第1スペーサS1の
内側に形成された気密的な空間内に超砥粒14を含む電
解めっき液を注入し、台金10および第1スペーサS1
全体を低速で回転させながら、この空間の中央部に配置
された陽極(図示略)を電源陽極に接続し、各台金10
を電源陰極に接続する。すると、間隙Dの寸法に応じた
断面形状に金属めっき相16が析出し、その析出量分布
に応じた積層数で、台金10の内周端面および側面に超
砥粒14が固着される。
【0021】電着砥粒層12が完成したら、各台金10
を第1スペーサS1から取り外したうえ、図3に示すよ
うに、それぞれの台金10について、電着砥粒層12の
外周縁を除く全面に亙って覆うマスクMを形成する。マ
スクMとしては、粘着テープを電着砥粒層12上に貼付
してもよいし、後で容易に除去できる絶縁性の塗料を電
着砥粒層12に塗布してもよい。
【0022】次に、台金10と同程度の内径を有する円
環状の第2スペーサS2と台金10とを交互に配置した
うえ、めっき装置(図示略)にセットし、第1スペーサ
S1の場合と同様に、台金10の内周側に気密的な空間
を形成する。第2スペーサS2の内周面32の両側に
は、第2スペーサS2の側面に対して一定角度αをなす
テーパー面30が左右対称に形成されており、マスクM
より内周側において、台金10の両側面とテーパー面3
0との間には断面V字状の間隙が空くようになってい
る。
【0023】台金10および第2スペーサS2の内側に
形成された気密的な空間内に電解めっき液を注入し、台
金10および第2スペーサS2全体を定速で回転させ、
この空間の中央部に配置された陽極(図示略)を電源陽
極に接続するとともに、各台金10を電源陰極に接続す
ることにより、電着砥粒層12の外周側に隣接して補強
めっき層18を形成する。この時、テーパー面30と台
金10の側面との角度αを小さくすると、補強めっき層
18の析出量は間隙の奥へ行くほど小さくなる傾向を増
すから、角度αの調整により補強めっき層18の断面形
状をコントロールすることが可能である。
【0024】また、補強めっき層18に硬質粒子やダイ
ヤモンドクラスターを添加する場合には、前記電解めっ
き液に硬質粒子やダイヤモンドクラスターを添加してお
けばよい。すると、これら硬質粒子やダイヤモンドクラ
スターは、その添加濃度に対応する密度で、補強めっき
層18に取り込まれていく。台金10を取り外した後、
マスクMを除去して台金10を水洗すれば、内周刃砥石
が完成する。さらに、必要であれば電着砥粒層12に対
してトルーイングまたはドレッシング(目立て)を行っ
てもよい。
【0025】本発明に係る内周刃砥石によれば、電着砥
粒層12の外周縁に隣接して台金10の両側面に補強め
っき層18を形成したものであるから、これら補強めっ
き層18により、電着砥粒層12の付け根部分における
台金10の剛性を向上できる。このため、切断中に電着
砥粒層12に加わる研削力および台金張り上げによる応
力をこれら補強めっき層18により支えることができ、
台金10を薄肉化した場合にも、切断中に台金10がふ
らついて被削材と接触したり、治具による張力および切
り込み力に耐えられず切断中に破断したり、電着砥粒層
12の真円度が悪化して高精度の切断が行えないといっ
た問題を防止できる。
【0026】また、台金厚さ方向における補強めっき層
18の最大厚さT1は、台金10の肉厚の3%以上かつ
超砥粒14の平均粒径の1/2以下にされており、しか
も台金半径方向における補強めっき層18の幅W2が、
電着砥粒層12の台金半径方向における幅W1の1〜2
0倍にされているから、被削材への超砥粒14の切り込
みを阻害せず、研削液の供給性や切粉排出性を阻害しな
い。
【0027】さらに、補強めっき層18へ微小な硬質粒
子またはダイヤモンドクラスターを添加した場合には、
補強めっき層18による台金強化作用を向上することが
可能である。特に、ダイヤモンドクラスターを含有させ
た場合には、補強めっき層18の表面の平滑性を悪化さ
せずに、しかも補強めっき層18の疲労感受性を増大す
ることなく、ある程度の伸びを許容したまま補強めっき
層18を強化することが可能である。また、ダイヤモン
ドクラスターは熱伝導性が高いから、補強めっき層18
ひいては電着砥粒層12の熱を逃して砥石の過熱が防止
できる。さらに、ダイヤモンドクラスターは一般的に球
形であるから、被削材と衝突すれば補強めっき層18内
で回転し、この回転により衝撃を逃して接触抵抗を低減
する効果が得られる。したがって、これら効果の相乗に
より台金10の疲労割れや汚れ付着が防止できる。
【0028】また、この実施形態では、補強めっき層1
8が外周側に向かって薄くなる断面形状を有している場
合には、電着砥粒層12の末端から補強めっき層18の
末端までの剛性が連続的に変化することになり、補強め
っき層18の外周側端縁での応力集中が防止できる。し
たがって、この点からも台金10の破断が防止できる。
【0029】
【実施例】本発明の効果を実証するため、図1(実施例
1)、図2(実施例2)および図8(比較例)に示す構
造の内周刃砥石をそれぞれ10枚ずつ作製して、外径6
インチのシリコンインゴットの切断試験を行い、0〜1
00枚の初期切断中および400〜500枚切断中に反
り、ソーマーク、バースト、および欠けを生じた砥石枚
数を比較した。各砥石の寸法等および実験条件は以下の
通りである。比較結果を表1に示す。表1における反り
発生率は、20μm以上の反りが発生した砥石枚数を示
す。
【0030】 (共通寸法等) 台金外径:690mm 台金内径:240mm 台金厚さ:0.130mm 砥粒:ダイヤモンド(平均粒径:55μm) 砥粒集中度:160 金属めっき相材質:Ni 電着砥粒層の両側面間の最大厚さ(刃厚)T:0.270mm
【0031】(比較例)スルファミン酸ニッケルめっき
液(中濃度浴)を用いて、電着砥粒層を形成した。電着
終了時点での電着砥粒層2の厚さTpを0.095m
m、W1を3mmとした。この砥石の両側面をWA#4
00の砥石でトルーイングして刃厚0.270mm、側
面砥粒層の厚さ0.07mm、側面砥粒突き出し量0μ
m、ボンド硬さHv250の比較例の内周刃砥石を得
た。
【0032】(実施例1)有機光沢剤を含むスルファミ
ン酸めっき液を用いて、W1=3mm、T1=0.01
5mm、めっき硬さHv350の下地めっき層を形成し
た後、比較例と同じスルファミン酸ニッケルめっき液で
電着砥粒層を形成した。この電着砥粒層の両側面をWA
#400の砥石で軽くトルーイングし、T2=0.00
5mm、Tp=0.07mm、W1=3mm、W2=5
mmである実施例1の内周刃砥石を得た。
【0033】(実施例2)実施例1の下地ニッケルめっ
き液に平均粒径50オングストロームのダイヤモンドク
ラスターを10g/l添加し、このニッケルめっき液を
用いてW2=40mm、T1=0.016mm、めっき
硬さHv580で外周側に向かって順次薄くなるように
下地めっき層を形成した。次に、実施例1と同じ手順で
電着砥粒層を形成し、T2=0.010mm、Tp=
0.072mm、W1=3mmである実施例2の内周刃
砥石を得た。
【0034】(切断条件) 周速:1150m/min 切り込み速度:50mm/min 切削液:純水 初期張り上げ量:1200μm 被削材:6インチ径シリコンインゴット
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すように、比較例の内周刃砥石に
比して実施例1、2の内周刃砥石は反り発生率、ソーマ
ーク発生率、欠け発生率、バースト発生率などがいずれ
も大幅に低下した。また、実施例2の内周刃砥石は、4
00〜500枚切断時の反り発生率において実施例1よ
りも優れた成績を示した。
【0037】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係る内周
刃砥石においては、電着砥粒層の外周縁に隣接して台金
の両側面に補強めっき層を形成したものであるから、こ
れら補強めっき層により、電着砥粒層の付け根部分にお
ける台金の剛性を向上できる。このため、切断中に電着
砥粒層に加わる研削力および台金張り上げによる応力を
これら補強めっき層により支えることができ、台金を薄
肉化した場合にも、切断中に台金がふらついて被削材と
接触したり、治具による張力および切り込み力に耐えら
れず切断中に破断したり、電着砥粒層2の真円度が悪化
して高精度の切断が行えないといった問題を防止でき
る。
【0038】また、台金厚さ方向における前記補強めっ
き層の最大厚さは、台金肉厚の3%以上かつ超砥粒の平
均粒径の1/2以下にされており、しかも台金半径方向
における補強めっき層の幅が、電着砥粒層の台金半径方
向における幅の1〜20倍にされているから、被削材へ
の超砥粒の切り込みを阻害せず、研削液の供給性や切粉
排出性を阻害しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内周刃砥石の実施形態の刃先の
断面拡大図である。
【図2】 同実施形態の内周刃砥石の製造方法を示す断
面拡大図である。
【図3】 同実施形態の内周刃砥石の製造方法を示す断
面拡大図である。
【図4】 一般的な内周刃砥石の正面図である。
【符号の説明】
10 台金 12 電着砥粒層 14 超砥粒 16 金属めっき相 18 補強めっき層 W1 台金半径方向における電着砥粒層の幅 W2 台金半径方向における補強めっき層の幅

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉の円環板状をなす台金と、この台金
    の内周縁部の全周に亙って形成された電着砥粒層と、こ
    の電着砥粒層の外周縁に隣接して前記台金の側面に形成
    された補強めっき層とを具備し、前記電着砥粒層は金属
    めっき相により超砥粒を固着させたものであり、台金厚
    さ方向における前記補強めっき層の最大厚さは、前記台
    金の肉厚の3%以上かつ前記超砥粒の平均粒径の1/2
    以下にされるとともに、台金半径方向における前記補強
    めっき層の幅は、前記電着砥粒層の台金半径方向におけ
    る幅の1〜20倍にされていることを特徴とする内周刃
    砥石。
  2. 【請求項2】 前記補強めっき層の硬さは、ビッカース
    硬度:300〜650であることを特徴とする請求項1
    記載の内周刃砥石。
  3. 【請求項3】 前記補強めっき層は、Ni、Ni合金、
    CoおよびCo合金から選択される1種または2種以上
    の材質により、単層状または多層状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の内周刃砥石。
  4. 【請求項4】 前記補強めっき層は、粒径が0.1〜1
    0μmでビッカース硬度:1500以上の硬さを有する
    硬質粒子を含んでいることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の内周刃砥石。
  5. 【請求項5】 前記補強めっき層は、平均粒径が10〜
    100オングストロームのダイヤモンドクラスターを含
    んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の内周刃砥石。
  6. 【請求項6】 前記補強めっき層は、台金内周縁から台
    金の半径方向外方に向けて漸次薄くなっていることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内周刃砥石。
JP30331196A 1996-11-14 1996-11-14 内周刃砥石 Withdrawn JPH10146768A (ja)

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