JPH10146562A - 金属帯に表面処理液を均一塗布する方法及び装置 - Google Patents

金属帯に表面処理液を均一塗布する方法及び装置

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JPH10146562A
JPH10146562A JP30927496A JP30927496A JPH10146562A JP H10146562 A JPH10146562 A JP H10146562A JP 30927496 A JP30927496 A JP 30927496A JP 30927496 A JP30927496 A JP 30927496A JP H10146562 A JPH10146562 A JP H10146562A
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JP
Japan
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roll
surface treatment
treatment liquid
roping
pickup roll
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Toshihiro Kikuchi
利裕 菊地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロールコータを用いて塗布する方法におい
て、塗布面に、原理的にいわゆるローピング欠陥が発生
しやすく、表面外観を損ねる等の欠点があった。 【解決手段】 この発明の方法は、貯留槽2 内の表面処
理液8 に部分浸漬したピックアップロール3 の回転に伴
って引き上げたピックアップロール表面に付着した表面
処理液を、その回転とは反対方向10に回転するアプリケ
ーターロール4 の表面に転移・付着させ、さらに、アプ
リケーターロール表面に付着した表面処理液を一方向に
走行する金属帯7 に転写させることによって、金属帯7
に表面処理液を塗布するにあたり、ピックアップロール
3 及びアプリケーターロール4 のうちの少なくとも一方
を定常波で加振し、定常波の波長が、加振しない場合の
ローピングピッチL0のn分の1(n=2,3,4,----, nは
整数 )であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属帯に、液体
塗料又はクロメートなどの表面処理液を塗布する方法及
び装置に関するものであり、特に、金属帯の塗布面に金
属帯の走行方向に沿って生じがちな縞状の塗装むら欠
陥、いわゆるローピング欠陥を抑制することができる方
法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属帯に、液体塗料又はクロメートなど
の表面処理液を塗布する有効な手段として、ロールコー
ターを用いて塗布する方法がある。ロールコーターを用
いて塗布する方法は、ロール押付圧やロール周速比の制
御によって、高速生産時でもμm オーダーで塗布膜厚を
制御することが比較的容易であること、及び、塗布液の
利用率が良い等の点から、スプレー法やカーテンフロー
コート法、及び浸漬法等よりも優れている。
【0003】しかし、ロールコーターを用いて塗布する
方法は、図4に示すように、原理的に金属帯の塗布面に
金属帯の走行方向に沿って生じがちな平行な縞状の塗布
むら欠陥、いわゆるローピング欠陥15を生じやすいとい
う欠点がある。
【0004】ここで、ローピング欠陥は、一般に以下に
示す機構から生じるものと考えられる。すなわち、ロー
ピング欠陥は、塗布液の静圧が回転するロールの出側で
大気圧よりも低下し、その部分で塗布液のメニスカスの
曲率に依存した表面張力が大気圧との差を補償して力学
的均衡が保たれ、この圧力差が塗布液の粘度及びロール
周速の増加に伴って大きくなり、その結果、負圧を支え
る表面張力が上昇してメニスカスの曲率半径は減少し、
メニスカスの曲率半径が小さくなるにつれて表面張力で
先端が分裂し、この液膜変動が被塗装物に転写すること
によって生じるものと考えられる。
【0005】そのため、ローピング欠陥は、通常、塗布
液の粘度、表面張力の調整、及びロール周速の制御等を
行うことによって抑制するのが一般的であった。
【0006】しかし、ローピング欠陥を抑制するため、
前述のように塗布液の粘度、表面張力の調整、及びロー
ル周速等のパラメータを制御する方法では、工業的製造
条件等の制約から、大きく変更することは実質的に困難
であるという問題があり、かかる問題を解決すること
が、ロールコーターを用いて塗布する方法では、生産技
術上の重要な課題であった。
【0007】従って、ロールコーターを用いて塗布する
方法の場合、原理的に生じがちなローピング欠陥を、工
業的製造条件等の制約を受けないで抑制するための新た
な手段を開発する必要があった。
【0008】新たな手段を開発した例としては、例えば
特開昭62-149375 号公報に記載がある。この公報の記載
によれば、塗布ロールに適正な周波数( 好適には5 〜20
kHz)の超音波振動を与えることによって、塗布直後の塗
膜を形成する液剤にキャビテーションを生じさせ、液剤
の粘度を低下させて凹凸の平坦化を促進して、これによ
って、塗膜の縞模様、すなわちローピング欠陥の防止を
図ったものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発明者がこの
公報の記載内容について検討を行ったところ、塗膜内で
のキャビテーションの発生は、塗布する表面処理液によ
っては、ピンホールを誘起する原因となる場合があり、
この公報記載の方法を使用することができない場合があ
り、加えて、超音波振動子の周波数をこの公報でいう適
正範囲( 好適には5 〜20kHz)に設定したときにも、ロー
ピング欠陥を十分に抑制できない場合があった。
【0010】そして、発明者は、更なる検討を行った結
果、塗膜内にピンホールが発生する要因となるキャビテ
ーションを発生させずに、ピックアップロール及びアプ
リケーターロールのうちの少なくとも一方を、これらの
ロールを加振しない場合のローピングにおける縞状欠陥
の間隔L0( 以下「ローピングピッチ」という。)との関
係から求めた適正な波長の定常波で加振することによっ
て、粘度等の物性が異なる表面処理液であっても、ロー
ピング欠陥を効果的に抑制できることを見出した。
【0011】この発明の目的は、前記ロールを加振しな
い場合のローピングピッチL0との関係から求めた適正な
波長の定常波で、ピックアップロール及びアプリケータ
ーロールのうちの少なくとも一方を加振することによっ
て、粘度等の物性が異なる種々の表面処理液をそれぞれ
金属帯に塗布する場合であっても、上述した工業的製造
条件等の制約を受けずに、ローピング欠陥を効果的に抑
制することができ、具体的には、目視では認定できない
レベルにまでローピングピッチを小さくして、ローピン
グ欠陥を抑制することができる、金属帯に表面処理液を
均一塗布する方法及び装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、ローピング
ピッチL0(図4)が、ロール出側の塗布液表面波の波長
λ0 (図3)に一致することに着目したものであり、こ
の表面波の波長を積極的に制御することで、ローピング
欠陥を実質的に目視では認定できないレベルにまでロー
ピングピッチの低減を図ったものである。
【0013】すなわち、この発明の方法は、貯留槽内の
表面処理液に部分浸漬したピックアップロールを回転さ
せて、ピックアップロール表面に付着した表面処理液を
前記回転に伴って引き上げ、この引き上げたピックアッ
プロール表面に付着した表面処理液を、ピックアップロ
ールに近接配置し、その回転とは反対方向に回転するア
プリケーターロールの表面に転移・付着させ、さらに、
アプリケーターロール表面に付着した表面処理液を一方
向に走行する金属帯に転写することによって、金属帯に
表面処理液を塗布するにあたり、ピックアップロール及
びアプリケーターロールのうちの少なくとも一方を定常
波で加振し、定常波の波長が、加振しない場合のローピ
ングピッチ(L0 ) のn分の1(n=2,3,4,----, nは整
数 )である。
【0014】また、この発明の装置は、金属帯に塗布す
る表面処理液を貯留する貯留槽と、この貯留槽内の表面
処理液に部分浸漬して、表面に付着した表面処理液を回
転によって引き上げるピックアップロールと、ピックア
ップロールに近接配置し、この回転とは反対方向に回転
してピックアップロールに付着した表面処理液を転移・
付着させるアプリケーターロールとを有する装置におい
て、ピックアップロール及びアプリケーターロールのう
ちの少なくとも一方に、定常波を発生する発振機を設
け、定常波の波長が、加振しない場合のローピングピッ
チ(L0)のn分の1(n=2,3,4,----, nは整数 )であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、この発明に従う金属帯表面
への表面処理液の塗布方法について図面を参照しながら
詳細に説明する。図1は、前記塗布方法の実施に使用し
た代表的な装置の一例を示す。図1に示す塗布装置1
は、貯留槽2と、ピックアップロール3と、アプリケー
ターロール4と、バックアップロール5と、発振機6と
で構成されている。
【0016】貯留槽2は、金属帯7に塗布する表面処理
液8を貯留する槽であり、この槽の形状や寸法等につい
ては、ピックアップロール3の表面の一部が表面処理液
8に浸漬できるのであれば特に問わない。
【0017】金属帯7、例えば亜鉛めっき鋼帯に塗布す
る表面処理液8は、大気との境界面で流動性を有し、実
質的に表面処理液として取り扱え、金属帯7を塗布する
ことを目的に構成したものであればよく、具体的には、
エポキシ、ウレタン等のような有機樹脂の液体塗料や、
クロメートなどの表面処理液を用いることが好ましい。
【0018】ピックアップロール3は、貯留槽2とアプ
リケーターロール4の間に位置する中間ロールであり、
貯留槽2内の表面処理液8をアプリケーターロール4の
表面に移送するため配置したものであり、貯留槽2内の
表面処理液8に部分浸漬して、表面に付着した表面処理
液を回転方向9の回転によって引き上げて、アプリケー
ターロール4の表面への表面処理液8の転移・付着に備
える。ピックアップロール3には、クロムめっき鋳鉄ロ
ールやステンレスロールを用いることが好ましい。
【0019】アプリケーターロール4は、ピックアップ
ロール3に近接配置し、この回転方向9とは反対方向10
に回転してピックアップロール3に付着して引き上げら
れた表面処理液8を転移・付着させる。アプリケーター
ロール4には、ウレタンロール等のゴムまたは樹脂被覆
ロールを用いることが好ましい。
【0020】そして、アプリケーターロール表面に付着
させた表面処理液を、一方向に走行する金属帯7に転写
する。金属体7を一方向に走行させる手段としては、ア
プリケーターロール4と近接する位置で金属帯7を一方
向に走行させることができる構成を有していれば、どの
ような手段でもよいが、特に、金属帯7の走行方向を転
換させる必要がある場合には、図1に示すように、アプ
リケーターロール4と対向する位置に回転方向の切替可
能なバックアップロール5を近接配置し、金属帯7を、
バックアップロール5の表面と部分的に密着させて、こ
の表面移動に追随走行させる構成にすることが好まし
い。
【0021】かかる場合において、バックアップロール
5の回転方向12は、図1に示すようにアプリケーターロ
ール4の回転方向10と同一方向であっても(リバースコ
ータ)、反対方向であってもよく(ナチュラルコー
タ)、特に限定はしないが、ローピングピッチを極力小
さくする必要がある場合には、リバースコータに設定す
ることが好ましい。
【0022】バックアップロール5には、金属ロール又
はゴム若しくは樹脂被覆ロールを用いることが好まし
い。
【0023】尚、塗布装置1の各構成部材2〜5は、一
般的にロールコーターとして用いられるものであれば、
特にその材質、形状、配置は問わない。また、塗布装置
の塗布厚及び塗布速度を制御する制御装置その他、品質
管理上必要なセンサ類、制御系装置及びアクチュエータ
類についても、特にその種類、数量は問わない。
【0024】そして、この発明の特徴は、ピックアップ
ロール3及びアプリケーターロール4のうちの少なくと
も一方を、発振機6によって加振し、定常波の波長が、
加振しない場合のローピングピッチL0のn分の1(n=
2,3,4,----, nは整数 )であることにあり、この構成を
採用することによって、上記目的の達成が可能になった
のである。
【0025】発振機6は、ピックアップロール3及びア
プリケーターロール4のうちの少なくとも一方に、図2
に示すように、該ロール3及び/又は4の軸方向14に振
動を付与することができる位置に配設すればよく、具体
的には、該ロールの軸上に設けることが好ましいが、ロ
ール表面又はこれに近接した位置に設けてもよい。
【0026】発振機6は、所定波長の定常波による振動
をピックアップロール3及びアプリケーターロール4の
うちの少なくとも一方に付与することができるものであ
れば、その動作原理は、電気的なものであっても、機械
的なものであってもよく、特にその振動方式は問わない
が、経済性及び耐久性からは、ピエゾ発振素子等の圧電
素子、可変回転数電動機等を用いた振動発生装置、極低
周波用から可聴帯域、又は極高周波用を含む音響スピー
カーなどが好ましい。
【0027】発振機6は、塗布装置1の塗布厚及び塗布
速度を制御する制御装置13と一体的に設けても( 図2)
、或いは単独に設けてもよく、また、定常波の周波
数、波長、及び振幅を任意に設定できるものであること
がより好ましい。
【0028】さらに、発振機6によって発生させた定常
波の周波数、波長及び振幅の設定に際しては、あらかじ
め塗布すべき表面処理液について、製造温度範囲で各種
塗布厚、塗布速度についてローピングを最も抑制できる
条件を予め調査した上で、操業条件にあわせて設定する
ことが好ましく、より好ましくは塗布作業時にローピン
グの発生状況を目視あるいは画像解析その他の光学的、
電子光学的手法により監視しつつ、最もローピングが抑
制される状態を維持すべく、発振機によって発生させた
定常波の周波数、波長、及び振幅、さらには振動波形を
制御することができるとよい。その際のローピング検知
手段、ローピング強度の解析回路、発振機へのフィード
バック方式、発振機の制御回路等の形式は特にこれを問
わない。
【0029】以下に、この発明が完成するに至った経緯
を、この発明によって生じる作用とともに説明する。発
明者は、上述したような工業的製造条件等の制約を受け
ずに、すべての塗膜に対してローピング欠陥が抑制でき
る表面処理液の塗布方法について鋭意検討を行ったとこ
ろ、ローピングピッチL0が、金属帯7′のロール4′
(例えばアプリケーターロール)の出側の塗布液8′表
面波の波長λ0 に一致することを見出した(図3及び図
4参照)。そして、この表面波の波長を、ロールを振動
させることによって積極的に制御すれば、ローピングピ
ッチも小さくなると考えた。
【0030】そこでまず、0.01〜10mmの範囲で波長を変
化させた種々の定常波によって、アプリケーターロール
を加振しながら金属帯に表面処理液を塗布し、このとき
のローピングピッチの変化を調べた。このとき、金属帯
は亜鉛めっき鋼帯とし、表面処理液は、粘性等の物性の
異なる有機溶媒系ウレタン変性エポキシ樹脂A,B、及
び水系ウレタン変性エポキシ樹脂C,Dの計4種類の表
面処理液とし、これらの表面処理液についてそれぞれ調
べた。
【0031】その結果、有機溶媒系ウレタン変性エポキ
シ樹脂A,B、及び水系ウレタン変性エポキシ樹脂Cに
ついては、加振しない場合のローピングピッチL0よりも
小さい 5〜0.05mmの範囲の波長の定常波で加振した場合
に、ローピングピッチL1が、加振しない場合のローピン
グピッチL0に比べて小さくなり、ローピング欠陥を抑制
する効果が認められる場合と、加振してもローピングに
変化がない場合があった。
【0032】一方、水系ウレタン変性エポキシ樹脂Dの
表面処理液については、加振しない場合のローピングピ
ッチL0よりも小さい 5〜0.05mmの範囲の波長の定常波で
加振した場合、加振条件によってはローピングピッチL1
を小さくする作用が認められたが、加振によって塗膜内
にはキャビテーションの発生によるピンホール欠陥が生
じ、塗装製品として実用不可能な外観となった。
【0033】このことから、例えば特開昭62-149375 号
公報に記載の方法のように、単に塗布ロールを加振した
だけでは、表面処理液によっては、実際のローピングピ
ッチを小さくする作用は認められずにローピング欠陥を
十分に抑制できない場合があることが判明した。
【0034】そこで、発明者は、表面処理液の種類によ
らず、安定してローピング欠陥を抑制できる塗布方法を
開発するための検討をさらに行った。図5は、加振しな
い場合のローピングピッチ(L0=3mm)のn分の1(n=2,
2.5,3,3.5,4,4.5,5)の波長の定常波でアプリケーターロ
ール4を加振した場合のローピングピッチL1をプロット
したものである。
【0035】図5から明らかなように、加振しない場合
のローピングピッチL0のn分の1のnが整数である場合
の波長(L0/2,L0/3,L0/4,L0/5) の定常波でアプリケータ
ーロール4を加振した場合のローピングピッチL1は、加
振しない場合のローピングピッチL0に比べて大幅に小さ
くなり、ローピング欠陥が十分に抑制されているのに対
して、加振しない場合のローピングピッチL0のn分の1
のnが整数でない場合の波長(L0/2.5,L0/3.5,L0/4.5)の
定常波でアプリケーターロール4を加振した場合のロー
ピングピッチL1は、加振しない場合のローピングピッチ
L0と大差なく、ローピング欠陥が発生していた。
【0036】また、アプリケーターロール4の代わりに
ピックアップロール3を、又はこれらのロール3及び4
の双方を、上記波長をもつ定常波で加振した場合にも、
アプリケーターロール4を加振した場合と同様な結果が
得られることも判明している。
【0037】以上のことから、この発明は、ピックアッ
プロール及びアプリケーターロールのうちの少なくとも
一方を定常波で加振し、定常波の波長を、加振しない場
合のローピングピッチL0のn分の1(n=2,3,4,----,
nは整数 )にすることにより、表面処理液の種類に依ら
ず、ローピング欠陥が目視では認定できないレベルの均
一塗膜を金属帯に安定して付与することが可能になった
のである。尚、この発明でいう整数「n」には、厳密な
意味での整数である場合の他に、n±5%に挟まれた誤差
範囲内にある数値を含むこととする。
【0038】尚、加振しない場合のローピングピッチL0
のn分の1(n=2,3,4,----, nは整数 )の波長を有す
る定常波によって、常に安定してローピング欠陥を抑制
できる理由は明らかではないが、ローピング起点の塗膜
メニスカスをローピングピッチよりも細かく分割する機
能が作用したことによるものと考えられる。加えて、こ
の発明は、特開昭62-149375 号公報のように、キャビテ
ーションを発生させてローピングピッチを小さくするメ
カニズムではないので、ピンホール欠陥の発生が生じや
すいという欠点もない。
【0039】以上、上述したところは、この発明の実施
の形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において、
種々の変更を加えることができる。
【0040】
【実施例】この発明の方法に従い、図1に示す装置によ
って、種々の表面処理液を金属帯に塗布し、このときの
塗膜について、ローピング欠陥とピンホール欠陥の有無
等について調べ、性能を評価したので以下に説明する。
金属帯には、#80ショットダル仕上げの表面粗度を有す
る板厚0.8mm の鋼帯に、亜鉛付着量20g/m2の亜鉛めっき
を施したものを使用した。ピックアップロール3には表
面粗度1.0 μm のクロムめっき鋳鉄ロールを、アプリケ
ーターロール4には表面粗度1.0 μm ウレタンロール
を、そしてバックアップロール5には表面粗度2.0 μm
の硬質クロムめっきロールを用いた。発振機6は、アプ
リケーターロール4の軸上に設置されたピエゾ発振機で
あり、鋳鉄中の音響波伝達速度から波長を算出しローピ
ングピッチの1/4波長の正弦波を、ロール軸方向14に
振動するように出力100Wで付加した。尚、実施例及び比
較例の、塗布液、塗布速度、加振前のローピングピッチ
L0、発振器によって発生させる定常波の波長λC 、 Lo
/λC 比及び加振するロールについては、表1にまとめ
て記載した。
【0041】
【表1】
【0042】ピックアップロール3には表面粗度1.0 μ
m のクロムめっき鋳鉄ロールを、アプリケーターロール
4 ローピングピッチの計測は、塗布鋼帯サンプルの塗
装面について、目視によってローピングピッチを測定す
るとともに、電子線プローブ微小解析装置(EPMA;
Electron Probe Micro Analysis)による鋼帯の走行方向
に直角の方向のCrまたはC付着量線分析による付着量む
らのPEAK TO PEAK長さの測定値から、この長さをローピ
ングピッチとして評価した。表1にこれらの結果を示
す。
【0043】表1の結果から、実施例は、いずれもロー
ピングピッチが目視では認定できないレベルであり、ロ
ーピング欠陥が実用上問題のないレベルにまで抑制され
ており、しかも、ピンホール欠陥の発生も認められなか
った。これに対して比較例は、塗布液によっては、ロー
ピングピッチが目視でも認定できるレベルのものもあ
り、加えて、ピンホール欠陥が発生しているものもあっ
た。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、ローピングの発生
が、塗布液の粘度、表面張力の調整、ロール周速、塗布
速度、アプリケーターロールの押し付け圧、アプリケー
ター/ピックアプロール周速比等に関係なく抑制でき、
これによって、従来法のように、塗布液の種類を問わ
ず、しかも、工業的製造条件の制約を受けないで、実用
上、問題のないレベルにまでローピング欠陥を抑制する
ことが可能になる。以上のことから、この発明によっ
て、生産性が改善され、加えて、塗布液が具備すべき濃
度、表面張力、粘度等の条件制約が大幅に緩和されるこ
とにより、用途に応じた種々の製品を製造することが可
能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う塗布装置の概略側面図である。
【図2】図1の一部を抜き出して下方から眺めた図であ
る。
【図3】ロール4′を加振しない場合の、ロール出側の
塗布液8′の表面波の波長λ0を示す図である。
【図4】ローピング欠陥が発生した場合の、ローピング
ピッチL0を示すための図である。
【図5】定常波の波長とローピングピッチの関係を示す
図である。
【符号の説明】
1 塗布装置 2 貯留槽 3 ピックアップロール 4 アプリケーターロール 5 バックアップロール 6 発振機 7 金属帯 8 表面処理液(又は塗布液) 9,10,12 回転方向 11 金属帯の走行方向 13 制御装置 14 ロール軸方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯留槽内の表面処理液に部分浸漬したピ
    ックアップロールを回転させて、ピックアップロール表
    面に付着した表面処理液を前記回転に伴って引き上げ、
    この引き上げたピックアップロール表面に付着した表面
    処理液を、ピックアップロールに近接配置し、その回転
    とは反対方向に回転するアプリケーターロールの表面に
    転移・付着させ、さらに、アプリケーターロール表面に
    付着した表面処理液を一方向に走行する金属帯に転写す
    ることによって、金属帯に表面処理液を塗布するにあた
    り、 ピックアップロール及びアプリケーターロールのうちの
    少なくとも一方を定常波で加振し、 定常波の波長が、加振しない場合のローピングピッチ(L
    0 ) のn分の1(n=2,3,4,----, nは整数 )であるこ
    とを特徴とする金属帯に表面処理液を均一塗布する方
    法。
  2. 【請求項2】 金属帯に塗布する表面処理液を貯留する
    貯留槽と、この貯留槽内の表面処理液に部分浸漬して、
    表面に付着した表面処理液を回転によって引き上げるピ
    ックアップロールと、ピックアップロールに近接配置
    し、この回転とは反対方向に回転してピックアップロー
    ルに付着した表面処理液を転移・付着させるアプリケー
    ターロールとを有する装置において、 ピックアップロール及びアプリケーターロールのうちの
    少なくとも一方に、定常波を発生する発振機を設け、 定常波の波長が、加振しない場合のローピングピッチ(L
    0)のn分の1(n=2,3,4,----, nは整数 )であること
    を特徴とする金属帯に表面処理液を均一塗布する装置。
JP30927496A 1996-11-20 1996-11-20 金属帯に表面処理液を均一塗布する方法及び装置 Pending JPH10146562A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1479410A2 (en) 2003-05-23 2004-11-24 Techno Link Co., Ltd. Living body stimulating apparatus
EP2644283B1 (de) 2012-03-27 2015-07-08 Achenbach Buschhütten GmbH & Co. KG Auftragwerk

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1479410A2 (en) 2003-05-23 2004-11-24 Techno Link Co., Ltd. Living body stimulating apparatus
EP2644283B1 (de) 2012-03-27 2015-07-08 Achenbach Buschhütten GmbH & Co. KG Auftragwerk
EP2644283B2 (de) 2012-03-27 2018-06-27 Achenbach Buschhütten GmbH & Co. KG Auftragwerk

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