JPH10143672A - 画像輪郭線データの作成方法および装置 - Google Patents

画像輪郭線データの作成方法および装置

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JPH10143672A
JPH10143672A JP8311330A JP31133096A JPH10143672A JP H10143672 A JPH10143672 A JP H10143672A JP 8311330 A JP8311330 A JP 8311330A JP 31133096 A JP31133096 A JP 31133096A JP H10143672 A JPH10143672 A JP H10143672A
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JP
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contour
image
processing
line
guide
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JP8311330A
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English (en)
Inventor
Shigeaki Shimazu
茂昭 嶋津
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザの負担を軽減しつつ良好な輪郭線を作
成する技術を提供する。 【解決手段】 対象画像の所望の輪郭線を求める際に使
用され、所望の輪郭線よりも粗い輪郭を表すガイド輪郭
線を設定する。このガイド輪郭線に沿って、対象画像を
含む画像平面上に複数の処理ウィンドウをほぼ連続的に
設定する。そして、各処理ウィンドウ内の部分画像を表
す部分画像データに基づいて、各処理ウィンドウを、1
本の境界線で比較的暗い第1の領域と比較的明るい第2
の領域とに2分割する。さらに、複数の処理ウィンドウ
の境界線を順次接続することによって、所望の輪郭線を
表す輪郭線データを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像の輪郭線デ
ータを作成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】写真などの自然画像を切り抜く際には、
その画像内の一部分(例えば人物)の輪郭線を作成する
処理が行われる。画像の輪郭線を作成する方法として
は、閾値を用いて画像を2値化し、2値化画像の境界を
検出することによって輪郭線を作成する方法が知られて
いる。このような方法の1つとして、例えば本出願人に
より開示された特公平8−20725号公報に記載され
た方法がある。この方法では、輪郭線に沿って複数の領
域を設定し、各領域ごとにユーザ(オペレータ)が閾値
を設定しながら2値化を行うことによって、インタラク
ティブに輪郭線を作成する。望ましい輪郭線が得られな
い場合には、ユーザが閾値を設定し直して再度輪郭線を
作成する。こうして、望ましい輪郭線が得られるまで、
インタラクティブな操作が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術で
は、所望の輪郭線を作成するために、ユーザが複数の領
域ごとに異なる閾値を設定しなければならないので、ユ
ーザの負担が大きいという問題があった。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、ユーザの負担を
軽減しつつ良好な輪郭線を作成する技術を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、第1の発明
は、画像の輪郭線データを作成する方法であって、
(a)対象画像の所望の輪郭線を求める際に使用され、
前記所望の輪郭線よりも粗い輪郭を表すガイド輪郭線を
設定する工程と、(b)前記ガイド輪郭線に沿って、前
記対象画像を含む画像平面上に複数の処理ウィンドウを
ほぼ連続的に設定する工程と、(c)各処理ウィンドウ
内の部分画像を表す部分画像データに基づいて、各処理
ウィンドウを、1本の境界線で比較的暗い第1の領域と
比較的明るい第2の領域とに2分割する工程と、(d)
前記複数の処理ウィンドウの境界線を順次接続すること
によって、前記所望の輪郭線を表す輪郭線データを求め
る工程と、を備えることを特徴とする。
【0006】各処理ウィンドウを比較的暗い第1の領域
と比較的明るい第2の領域に2分割することによって、
所望の輪郭線の一部を構成する境界線を得ることができ
る。従って、複数の処理ウィンドウの境界線を順次接続
することによって、所望の輪郭線を表す輪郭線データを
容易に求めることができる。
【0007】上記第1の発明において、前記工程(c)
は、各処理ウィンドウの前記境界線を、前記第1の領域
の平均濃度と前記第2の領域の平均濃度の分散が実質的
に最大になるように決定する工程を含むことが好まし
い。
【0008】こうすれば、各処理ウィンドウを比較的暗
い第1の領域と比較的明るい第2の領域に2分割するよ
うな適切な境界線を求めることができる。
【0009】また、前記工程(b)は、各処理ウィンド
ウの形状を、前記ガイド輪郭線を構成する各線分に平行
な第1組の辺と、前記ガイド輪郭線の各線分とは垂直な
所定の幅を有する第2組の辺とを有する長方形に設定す
る工程を含み、前記工程(c)は、(1)前記第1組の
辺が水平となるように、各処理ウィンドウをアフィン変
換して正立させる工程と、(2)正立した各処理ウィン
ドウに対する前記境界線を、鉛直方向の各列ごとに上下
に分割するように階段状に設定する工程と、(3)前記
階段状の境界線に対して、前記アフィン変換の逆変換を
施す工程と、を備えるようにすることが好ましい。
【0010】こうすれば、各処理ウィンドウが各列毎に
上下に分割されるので、比較的単純な形状の境界線を得
ることができる。
【0011】上記第1の発明において、さらに、各処理
ウィンドウに対して、各処理ウィンドウを2分割する複
数の候補境界線を予め準備する工程を含み、前記工程
(c)は、各処理ウィンドウを前記複数の候補境界線で
それぞれ分割した時に、前記第1の領域の平均濃度と第
2の領域の平均濃度の分散を実質的に表す指標値をそれ
ぞれ求める工程と、前記複数の候補境界線の中で、前記
分散が最大となるような指標値を有する候補境界線を選
択する工程と、を含むことが好ましい。
【0012】こうすれば、複数の候補境界線の中から、
第1と第2の領域に2分割するのに最も適した境界線を
容易に選択することができる。
【0013】また、前記工程(a)は、前記対象画像の
縮小画像において、前記所望の輪郭線に近い輪郭を表す
第1の粗輪郭線を設定する工程と、前記第1の粗輪郭線
を前記縮小画像に対する前記対象画像の倍率で拡大する
ことによって第2の粗輪郭線を求め、前記第2の粗輪郭
線を前記ガイド輪郭線として設定する工程と、を含むよ
うにしてもよい。
【0014】こうすれば、ガイド輪郭線を容易に設定す
ることができる。
【0015】前記工程(a)は、さらに、前記第2の粗
輪郭線を比較的少数の線分で近似することによって第3
の粗輪郭線を求め、前記第3の粗輪郭線を前記ガイド輪
郭線として設定する工程を含むことが好ましい。
【0016】こうすれば、ガイド輪郭線を構成する線分
の数が少なくなるので、各処理ウィンドウを2分割する
処理に要する処理時間を短縮することができる。
【0017】上記第1の発明は、さらに、前記工程
(d)で得られた輪郭線を、前記工程(a)における新
たなガイド輪郭線として設定する工程と、この新たなガ
イド輪郭線を用いて前記工程(b)ないし工程(d)を
再度実行する工程と、を備えることが好ましい。
【0018】こうして輪郭線の作成処理を繰り返すよう
にすれば、より好ましい輪郭線を得ることができる。
【0019】前記工程(b)は、各処理ウィンドウの形
状を、前記ガイド輪郭線を構成する各線分に平行な第1
組の辺と、前記ガイド輪郭線の各線分とは垂直な所定の
幅を有する第2組の辺とを有する長方形に設定する工程
を含み、前記工程(b)ないし工程(d)を再度実行す
る際に、前記工程(b)で設定される各処理ウィンドウ
の前記所定の幅が、前記工程(b)ないし工程(d)の
前回の実行時に比べて小さく設定されることが好まし
い。
【0020】こうすれば、輪郭線の作成処理を繰り返す
度に、より細かな望まし輪郭線を得ることができる。
【0021】また、前記工程(b)は、前記各処理ウィ
ンドウの形状を、前記ガイド輪郭線を構成する各線分に
平行で前記線分の長さよりも所定の長さだけ両側にそれ
ぞれ長い第1組の辺と、前記ガイド輪郭線の各線分とは
垂直な所定の幅を有する第2組の辺とを有する長方形に
設定することによって、隣接する処理ウィンドウが互い
に重なり合うように前記各処理ウィンドウを設定する工
程を含み、前記工程(d)は、隣接する処理ウィンドウ
が重なる領域に存在する境界線同士を補間することによ
って、前記複数の処理ウィンドウの境界線を順次接続す
る工程を含むことが好ましい。
【0022】こうすれば、境界線の両端を滑らかに接続
することができる。
【0023】第2の発明は、画像の輪郭線データを作成
する装置であって、対象画像の所望の輪郭線を求める際
に使用され、前記所望の輪郭線よりも粗い輪郭を表すガ
イド輪郭線を設定するガイド輪郭線設定手段と、前記ガ
イド輪郭線に沿って、前記対象画像を含む画像平面上に
複数の処理ウィンドウをほぼ連続的に設定する処理ウィ
ンドウ設定手段と、各処理ウィンドウ内の部分画像を表
す部分画像データに基づいて、各処理ウィンドウを、1
本の境界線で比較的暗い第1の領域と比較的明るい第2
の領域とに2分割する領域分割処理手段と、前記複数の
処理ウィンドウの境界線を順次接続することによって、
前記所望の輪郭線を表す輪郭線データを求める輪郭線接
続手段と、を備えることを特徴とする。
【0024】第2の発明によっても、第1の発明と同様
に、所望の輪郭線を表す輪郭線データを容易に求めるこ
とができる。
【0025】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様は、コンピュータに上記の発
明の各工程または各手段の機能を実行させるコンピュー
タプログラムを記録した記録媒体である。記録媒体とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROMなどのコン
ピュータが読取り可能な携帯型の記憶媒体や、コンピュ
ータシステムの内部記憶装置(RAMやROMなどのメ
モリ)および外部記憶装置、あるいは、これ以外のコン
ピュータプログラムが記録された媒体であってコンピュ
ータシステムが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0026】第2の態様は、コンピュータに上記の発明
の各工程または各手段の機能を実行させるコンピュータ
プログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給
装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。図1は、この発明の第1実施例で
ある画像処理装置の構成を示すブロック図である。この
画像処理装置は、CPU(マイクロプロセッサ)20
と、ROMおよびRAMを含むメインメモリ22と、外
部記憶装置としてのハードディスク装置24と、入力装
置としてのデジタイザ26,キーボード26、および、
マウス30と、表示装置としてのカラーCRT32と、
外部の装置とのインタフェイス34とを備えるコンピュ
ータシステムである。これらの各構成要素は、バス40
を介して互いに接続されている。
【0028】CPU20は、メインメモリ22に記憶さ
れたプログラムを実行することによって、ガイド輪郭線
作成部52と、処理ウィンドウ作成部54と、領域分割
処理部56と、輪郭線結合部58と、の各機能を実現す
る。
【0029】なお、これらの各部の機能を実現するコン
ピュータプログラム(アプリケーションプログラム)
は、フロッピディスクやCD−ROM等の携帯型の記録
媒体(可搬型の記録媒体)からコンピュータシステムの
メインメモリ22またはハードディスク装置24に転送
される。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装
置からコンピュータシステムに供給するようにしてもよ
い。
【0030】なお、この発明において、「記録媒体」と
は、上述した携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAM
やROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハード
ディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装
置も含んでいる。すなわち、この発明の「記録媒体」
は、コンピュータが読取り可能な媒体であって、コンピ
ュータプログラムを記録した種々の媒体を含んでいる。
【0031】メインメモリ22の内部には、画像メモリ
60と、輪郭線データメモリ62と、部分画像バッファ
64と、部分輪郭線バッファ68と、パラメータバッフ
ァ70と、の各メモリ領域が設定されている。
【0032】図2は、実施例の処理手順を示すフローチ
ャートである。ステップS1では、粗輪郭線の入力モー
ドを選択する。予め作成された粗輪郭線を使用するモー
ドを選択すると、ステップS2において、与えられた粗
輪郭線データが輪郭線データメモリ62内に取り込まれ
る。この粗輪郭線としては、例えばハードディスク装置
24に予め格納されていたものや、インタフェイス34
を介して他の装置から与えられたものを利用できる。ま
た、後述するように、実施例において作成された輪郭線
を新たな粗輪郭線として用いることもできる。
【0033】一方、ステップS1において、ユーザが対
話処理によって粗輪郭線を入力するモードを選択する
と、以下に説明するステップS3,S4が実行される。
図3は、処理対象となる実画像の例と、この実画像から
ガイド輪郭線(後述する)を作成するまでの処理内容を
示す説明図である。実画像としては、人物を含む写真画
像を用いている。図3(A)において、斜線が付された
部分を囲む輪郭線が、最終的に得たい所望の輪郭線であ
る。
【0034】ステップ3では、ガイド輪郭線作成部52
が、処理対象となる実画像を1/mに(面積比で1/m
2 に)間引くことによって、図3(B)に示す粗画像を
作成する。なお、実画像データはハードディスク装置2
4に格納されている。また、粗画像を表す粗画像データ
は画像メモリ60に格納される。この粗画像データは、
図示しないフレームメモリにも書き込まれて、カラーC
RT32に表示される。なお、表示用画像として粗画像
が予め与えられている場合には、この表示用画像をその
まま粗画像として利用することも可能である。
【0035】ステップS4では、ユーザがデジタイザ2
6やマウス30などのポインティングデバイスを用い
て、カラーCRT32上で粗輪郭線の座標を指定する。
図3(C)には、入力された粗輪郭線を太い一点鎖線で
示している。なお、この実施例のように、粗画像上で粗
輪郭線を入力するようにすれば、実画像上で粗輪郭線を
入力する場合に比べて、画像メモリ60の容量が少なく
て済み、また、処理時間も短縮できるという利点があ
る。
【0036】図2のステップS5では、ユーザが、輪郭
線の作成処理に使用されるパラメータを入力し、パラメ
ータバッファ70(図1)に格納する。パラメータとし
ては、以下のものが含まれる: (1)粗輪郭線指定誤差k[画素]:ユーザが粗輪郭線
を指定する際に、粗輪郭線が望ましい輪郭線からずれ得
る最大量の推定値。 (2)画像倍率m:粗画像に対する実画像の倍率であ
り、これは間引き率の逆数に等しい。 (3)ガイド輪郭線近似誤差d[画素]:ガイド輪郭線
の多数の線分を、比較的少数の線分で近似する際の近似
誤差(元の線分と近似された線分との距離の許容差)。
【0037】図2のステップS6では、ガイド輪郭線作
成部52が、粗輪郭線からガイド輪郭線を作成する。図
4は、粗輪郭線からガイド輪郭線を作成する処理の内容
を示す説明図である。まず、ステップS2またはステッ
プS3,S4で入力された第1の粗輪郭線CC1(図4
(A))をm倍に拡大することによって、図4(B)に
示す拡大された第2の粗輪郭線CC2を求める。図4の
例では、第1の粗輪郭線CC1を3倍することによっ
て、第2の粗輪郭線CC2を求めている。なお、この拡
大によって、粗輪郭線を構成する各点(輪郭点)の間の
距離がm倍となる。例えば、第1の輪郭線CC1におい
て、1画素の距離だけ離れた2つの輪郭点は、第2の輪
郭線CC2においてはm画素の距離だけ離れる。ガイド
輪郭線作成部52は、さらに、図4(B)に示す第2の
粗輪郭線CC2を比較的少数の線分で近似して、図4
(C)に示すガイド輪郭線GC(第3の粗輪郭線)を求
める。
【0038】図5は、拡大された粗輪郭線CC2を少数
の線分で近似してガイド輪郭線GCを求める手順を示す
説明図である。図5(A)に示すように、対象となる粗
輪郭線は9つの輪郭点Pi 〜Pi+8 を線分で順次接続し
たものと仮定している。粗輪郭線の近似処理は、近似誤
差dの範囲内で、可能な限り少数の線分で輪郭線を近似
する処理である。この近似誤差dの値は、前述したステ
ップS5で設定されている。近似処理では、まず、近似
の開始点(図5(A)の例では最初の輪郭点Pi )と、
他の輪郭点(図5(A)の例では3番目の輪郭点Pi+3
)とを結ぶ線分Lを仮想的に描き、この線分Lから、
線分Lの両端点の間に存在する他の輪郭点(図5(A)
の例では3番目の輪郭点Pi+3 )までの距離Dsをそれ
ぞれ算出する。線分Lの両端点の間に複数の輪郭点が含
まれる時には、その距離Dsの最大値を求める。この距
離Dsの最大値が近似誤差d以下であれば、その両端点
の間にある輪郭線部分を、一本の線分Lで近似できるも
のと判断する。なお、この近似誤差dは片側誤差であ
り、両側に近似誤差dだけそれぞれ離れた範囲内に各輪
郭点が含まれるように近似が行われる。こうして、開始
点Pi から数えて3番目の輪郭点Pi+3 以降の輪郭点に
ついて、線分Lで近似できるか否かを順次判定してい
く。こうして各輪郭点を線分Lの終点に設定して、近似
可能か否かを判定していくと、5番目の輪郭点Pi+4 ま
では一本の線分Lで近似できるものと判定される。
【0039】図5(B)は、6番目の輪郭点Pi+5 を線
分Lの終点とした場合を示している。このとき、線分L
と5番目の輪郭点Pi+4 との間の距離Dsが、近似誤差
dよりも大きくなっている。このように、一本の線分L
では近似できないことが判明すると、その1つ手前の輪
郭点Pi+4 までが線分Lで近似可能であると決定され
る。従って、図5(C)に示すように、1番目の輪郭点
Pi と5番目の輪郭点Pi+4 とを両端点とする一本の線
分L1によって、5つの輪郭点の間の輪郭線部分を近似
することができる。同様に、5番目の輪郭点Pi+4 と9
番目の輪郭点Pi+8 とを両端点とする一本の線分2によ
って、他の5つの輪郭点の間の輪郭線部分を近似するこ
とができる。この結果、9つの輪郭点Pi 〜Pi+8 で構
成されていた粗輪郭線が、3つの輪郭点Pi ,Pi+4 ,
Pi+8 で近似できたことになる。換言すれば、図4
(B)に示す8本の線分で構成されていた粗輪郭線CC
2が、図4(C)に示す2本の線分で構成されたガイド
輪郭線GCによって近似できる。こうして得られたガイ
ド輪郭線GCを表す輪郭線データは、輪郭線データメモ
リ62に格納される。
【0040】なお、上述した粗輪郭線の近似処理を行わ
ずに、第2の粗輪郭線CC2をそのままガイド輪郭線と
して用いて、図2のステップS7以降の処理を実行する
ことも可能である。但し、上述したような粗輪郭線の近
似処理を行えば、輪郭線を構成する線分の数が少なくな
るので、ステップS7以降の処理をより高速に、短時間
で行うことができるという利点がある。
【0041】図2のステップS7では、ガイド輪郭線G
Cに沿って複数の処理ウィンドウがほぼ連続的に作成さ
れる。図6は、ガイド輪郭線GCに沿って設定された複
数の処理ウィンドウW1〜W12を示す説明図である。
図6(A)において、ガイド輪郭線GCは、一点鎖線で
描かれた12本の線分L1〜L12で構成されている。
図6(B)は、線分L5に沿って設定された処理ウィン
ドウW5を示している。これから解るように、処理ウィ
ンドウW5は、ガイド輪郭線GCを構成する線分L5に
平行な第1組の辺と、線分L5に垂直で所定の幅{2
(d+mk)}を有する第2組の辺とを有する長方形の
形状を有している。なお、線分L5は、幅{2(d+m
k)}の中心を通っている。ここで、d,m,kは、ス
テップS5で設定されたパラメータであり、dはガイド
輪郭線の近似誤差、mは粗画像に対する実画像の倍率、
kは粗輪郭線指定誤差である。
【0042】処理ウィンドウの片側幅(d+mk)を示
す3つのパラメータd,m,kは、以下のことを考慮し
て決定されている。粗輪郭線指定誤差k[画素]は、ユ
ーザが第1の粗輪郭線CC1を指定する際に、第1の粗
輪郭線CC1が望ましい輪郭線からずれ得る最大量の推
定値である。ガイド輪郭線GCは、この第1の粗輪郭線
CC1をm倍した第2の粗輪郭線CC2から得られるの
で、このズレの最大量はmk[画素]になる。さらに、
第2の粗輪郭線CC2からガイド輪郭線GCを求める際
には、近似誤差dが発生する。従って、ガイド輪郭線G
Cが、望ましい輪郭線からずれている最大のズレ量は、
片側で(d+mk)[画素]以下であると考えられる。
従って、ガイド輪郭線GCの両側に、(d+mk)[画
素]の幅で処理ウィンドウを設定しておけば、望ましい
輪郭線が、この処理ウィンドウの中に含まれるようにす
ることができる。従って、後述するように、各処理ウィ
ンドウの中を領域分割することによって、各処理ウィン
ドウの中で望ましい輪郭線(境界線)を求めることがで
きる。なお、ガイド輪郭線の近似誤差dは例えば約5画
素、粗輪郭線指定誤差kは約5画素程度の値が好まし
い。
【0043】図2のステップS8では、処理ウィンドウ
作成部54が、各処理ウィンドウ内の画像(「部分画
像」と呼ぶ)を元の実画像から抽出し、その部分画像デ
ータが部分画像バッファ64に登録(格納)する。ほと
んどの処理ウィンドウは、図6(B)に示すように傾い
ている。そこで、処理ウィンドウ作成部54は、各部分
画像を登録する前に、その傾き角θだけ部分画像をアフ
ィン変換し、図6(C)に示すように、輪郭線の線分
(この例では線分L5)に平行な辺が水平を向くように
正立させる。このように、部分画像を正立させるのは、
次の領域分割処理を実行しやすいようにするためであ
る。
【0044】ステップS9では、領域分割処理部56
が、各処理ウィンドウ内の部分画像を、1本の境界線に
よって比較的暗い第1の領域と比較的明るい第2の領域
に2分割する。この境界線は、画像全体の輪郭線の一部
を構成する部分輪郭線である。この部分輪郭線を表す部
分輪郭線データは、部分輪郭線バッファ68に格納され
る。ステップS9の処理の具体的な方法を説明する前
に、以下ではまず、領域分割処理の結果として得られる
境界線の性質について説明する。
【0045】図7は、領域分割処理の例を示す説明図で
ある。図7(A)には、3×8画素領域を有する処理ウ
ィンドウ内の部分画像が示されている。各画素の中に記
された数字は、画像データ(画素データ)の値であり、
各画素の濃度を示している。この実施例においては、画
像データは濃度を示しているので、画像データの値が大
きいほど暗い画素である。図7(A)の部分画像は、画
像データの値が180以上の比較的暗い領域と、画像デ
ータの値が60以下の比較的明るい領域とに分割される
ことが解る。領域分割処理では、この部分画像を、1本
の境界線BR1によって2つの領域に分割する。この境
界線BR1は、鉛直方向(y方向)に並ぶ8つの列を、
それぞれ上下に2分割するように階段状に設定されてい
る。図7(A)の例では、境界線BR1の上方が比較的
暗い領域であり、境界線BR1の下方が比較的明るい領
域である。これとは逆に、境界線の上方が比較的明るい
領域であり、境界線の下方が比較的暗い領域であるよう
に分割されることもある。
【0046】すなわち、境界線は、部分画像を比較的暗
い第1の領域と比較的明るい第2の領域に上下に2分割
するように形成される。また、各列は境界線によって上
下に2分割されるだけであり、3つ以上に分割されるこ
とはない。
【0047】図7(B)は、他の部分画像について得ら
れた境界線BR2を示している。この部分画像では、左
端から3列目ないし5列目の下端に、画像データの値が
約100の画素が3つ並んでいる。これらの画素は、比
較的暗い領域とされてもおかしくないように見える。し
かし、この実施例では、境界線は部分画像を比較的暗い
領域と比較的明るい領域に上下に2分割するだけなの
で、これらの3つの画素は比較的明るい領域に含まれる
ように境界線BR2が決定される。
【0048】図8は、領域分割処理における演算処理の
内容を示す説明図である。ここでは簡単のために、図8
(A)に示すような3×3画素領域を有する処理ウィン
ドウ内の部分画像を処理する例を示している。部分画像
内の境界線を決定する際には、図8(B)に示すような
分割パターンPiを用いる。この分割パターンPiは、
部分画像と同じ形状の領域を有しており、境界線BRに
よって第1の領域R0と第2の領域R1とに上下に2分
割されている。この分割パターンPiでは、第1の領域
R0の画素数n0 が3であり、第2の領域R1の画素数
1 が6である。なお、第1の領域R0が比較的暗い領
域であれば、第2の領域R1は比較的明るい領域とな
る。一方、第1の領域R0が比較的明るい領域であれ
ば、第2の領域R1は比較的暗い領域となる。このよう
に、2つの領域R0,R1は、一方が比較的暗い領域と
なり、他方が比較的明るい領域となればよく、どちらが
暗い領域であり、どちらが明るい領域であるかは、領域
分割の際には問題とならない。
【0049】図9は、3×3画素領域を有する処理ウィ
ンドウを上下2つの領域に分割するすべての可能な分割
パターンを示す説明図である。図9において、n0 は上
方の領域の画素数である。これらの分割パターンは、3
×3画素領域を有する処理ウィンドウを2分割するよう
な複数の候補境界線を表している。領域分割処理では、
このような複数の分割パターンの中から、部分画像を分
割するのに最も適したパターンが、以下のように選択さ
れる。
【0050】領域分割処理部56は、まず、図8(A)
の部分画像D(p)について、各分割パターン(例えば
図8(B)の分割パターンPi)に対する分散VPiを、
以下の数式1〜数式4に従って算出する。
【0051】
【数1】
【0052】
【数2】
【0053】
【数3】
【0054】
【数4】
【0055】ここで、D(p0 )は、分割パターンPi
の第1の領域R0に属する画素における部分画像の画像
データ値であり、D(p1 )は、分割パターンPiの第
2の領域R1に属する画素における部分画像の画像デー
タ値である。数式1で与えられるμ0 は、第1の領域R
0における画像データの平均値であり、数式2で与えら
れるμ1 は、第2の領域R1における画像データの平均
値である。また、数式3で与えられるμは、部分画像の
全体における画像データの平均値である。従って、数式
4で与えられる分散VPiは、第1の領域R0の平均濃度
μ0 の画素がn0 個存在し、第2の領域R1の平均濃度
μ1 の画素がn1 個存在すると仮定した時に、これらの
平均濃度を確率変数とする統計的な分散に相当してい
る。このような分散VPiは、「クラス間分散」とも呼ば
れる。図8の例では、その下部に示すように、分散VPi
の値は28800となる。
【0056】領域分割処理部56は、処理対象となって
いる部分画像と同じ形状を有する可能なすべての分割パ
ターンPiに関して上記の分散VPiを算出し、分散VPi
が最大である分割パターンを選択する。そして、選択さ
れた分割パターンにおける境界線が、その処理ウィンド
ウにおける部分輪郭線として登録される(図2のステッ
プS10)。分散VPiが最大となる分割パターンが好ま
しい境界線であることは、以下のようにして理解でき
る。
【0057】図10は、部分画像内の画像データの分布
と、境界線で区分された2つの領域R0,R1の画像デ
ータの平均値μ0 ,μ1 の違いを示すグラフである。図
10は、境界線BRによって2つの領域R0,R1に分
割された場合の各領域の画像データの平均値μ0 ,μ1
を示している。部分画像全体の画像データの平均値μ
は、境界線の設定には無関係であり、一定の値となる。
【0058】一般には、図10のように、画像データの
分布が2つの領域に分割できる時に、その望ましい境界
線に近い位置で分割するほど、上述した数式4で与えら
れる分散VPiの値が大きくなる傾向がある。従って、例
えば、3×3画素領域の部分画像の望ましい境界線を求
めるためには、図9に示すすべての分割パターンの中
で、分散VPiの最も大きなものを選択すればよい。
【0059】なお、図6からも解るように、処理ウィン
ドウの幅は一定値{2(d+mk)}であるが、処理ウ
ィンドウの長さは一定ではなく、対応する線分の長さに
依存する。種々の長さの部分画像に関して図8のように
領域分割処理を行うためには、種々の長さの部分画像に
対する複数の分割パターンを予め準備しておけばよい。
例えば、部分画像の長さが最大で20画素と考えられる
場合には、部分画像の長さが1画素から20画素までの
20種類の形状に関して、実現可能な複数の分割パター
ンをそれぞれ準備しておけばよい。この場合に、例え
ば、図6(A)の3つの処理ウィンドウW6〜W8のよ
うに、部分画像の最大長さ(例えば20画素)を超える
処理ウィンドウが設定されることも考えられる。この場
合には、1つの処理ウィンドウ内の部分画像を、最大長
さ以下の複数の部分画像に分割し、分割された各部分画
像に関して上述した領域分割処理を行うようにすればよ
い。
【0060】ところで、前述した図9の例からも理解で
きるように、上記のようにして得られた境界線(部分輪
郭線)は、部分画像を階段状(ステップ状)に上下に2
つに分割するものである。従って、境界線はつねに一筆
書きで描けるものであり、境界線が自分で輪(ループ)
を作成するようなことはない。
【0061】図2のステップS10では、こうして得ら
れた部分輪郭線を表す部分輪郭線データが部分輪郭線バ
ッファ68に登録される。なお、部分画像はステップS
8でアフィン変換によってθ度回転しているので、部分
輪郭線は、−θ度回転するように逆変換された後で、部
分輪郭線バッファ68に登録される。
【0062】ステップS11では、ガイド輪郭線GCを
一周したか否かが判断される。一周していなければ、ガ
イド輪郭線GCを構成する次の線分を対象として、上述
したステップS7〜S10の処理を繰り返し、それぞれ
の処理ウィンドウについて部分輪郭線を登録する。一
方、ガイド輪郭線GCを一周すると、ステップS12に
おいて、輪郭線結合部58が複数の部分輪郭線を結合し
て、最終的な輪郭線を作成する。
【0063】図11は、部分輪郭線の結合方法を示す説
明図である。図11(A)に示すように、隣接する部分
輪郭線BRa,BRbの端点同士が離れている場合に
は、それらの端点が直線CL1で接続される。図11
(B)に示すように、隣接する部分輪郭線BRa,BR
bが交差する場合には、その交点INTで2つの部分輪
郭線BRa,BRbが接続される。また、図11(C)
に示すように、隣接する部分輪郭線BRa,BRbが互
いに交差はしていないが、他方の処理ウィンドウの枠と
は交差しているような場合も考えられる。この場合に
は、一方の部分輪郭線BRaと他方の処理ウィンドウW
bの枠との交点Qaと、他方の部分輪郭線BRbと一方
の処理ウィンドウWaの枠との交点Qbとが、直線CL
2で接続される。なお、図11(A)や(C)の接続線
CL1,CL2は、直線の線分でなく、曲線でもよい。
【0064】図12は、部分輪郭線の他の結合方法を示
す説明図である。この方法では、処理ウィンドウWa,
Wbが互いに重なり合うように、図12(B)に示すよ
うに、各処理ウィンドウの両側をそれぞれ所定の長さ△
Lだけ延長する。図12(B)の処理ウィンドウW
a’,Wb’では、各部分輪郭線BRa,BRbが、隣
接する処理ウィンドウの枠と交差する。そこで、各部分
輪郭線BRa,BRbと、それぞれの隣接処理ウィンド
ウとの交点Qa,Qbが、接続線CLで接続される。こ
の接続線CLは、図12(B)のように滑らかな曲線で
もよく、また、直線でもよい。
【0065】交点Qa,Qbを曲線で滑らかに接続する
方法としては、本出願人により開示された特公平8−2
0725号公報の第5図および第13図に記載された方
法を利用することができる。この場合には、まず、処理
ウィンドウが重なり合う領域に存在する輪郭線部分を同
じ数に等分割する。そして、分割された2つの輪郭線部
分を、それぞれの交点Qa,Qbからの距離に比例した
重みで平均化すると、図12(B)に示すような滑らか
な接続線CLが得られる。
【0066】図2のステップS13では、こうして結合
された輪郭線を表す輪郭線データが出力される。ここ
で、「出力」とは、ハードディスク装置24に格納した
り、カラーCRT32上に表示したり、インタフェイス
34を介して外部の装置に転送したりする操作を含む広
い意味を有している。例えば、カラーCRT32に、得
られた輪郭線と元の実画像とを同時に表示すれば、所望
の輪郭線が得られたか否かを判断することができる。
【0067】ステップS14では、再帰的な処理を実行
するか否かをユーザが指定する。ここで、「再帰的な処
理」とは、ステップS6〜S12の手順に従って得られ
た輪郭線を、ガイド輪郭線(あるいは粗輪郭線)として
用い、再度ステップS5〜S12の処理を実行すること
を意味する。
【0068】図13は、再帰的な処理の一例を示す説明
図である。図13(A)は実画像を示し、図13(B)
は、1回目の処理で得られた輪郭線CR1を示してい
る。この輪郭線CR1は、実画像の凹部を忠実には再現
していないことが解る。再帰的処理では、この輪郭線C
R1をガイド輪郭線として用いることになる。図13
(C)は、再帰的処理で設定された処理ウィンドウを示
している。このように、再帰的処理を行えば、ガイド輪
郭線がより細かくなるので、より滑らかな望ましい輪郭
線を得ることができる。なお、再帰的処理を繰り返す際
には、ステップS5で入力されたパラメータセットを次
第に小さな値に設定してゆき、処理ウィンドウの幅{2
(d+mk)}が次第に小さくなるようにすることが好
ましい。
【0069】この実施例では、このように再帰的処理が
可能なので、例えば実画像を変倍した場合にも、変倍後
の画像に適した輪郭線を容易に得ることができる。すな
わち、元の実画像で得られていた輪郭線を粗輪郭線とし
て用いてステップS5〜S11の処理を実行すれば、ユ
ーザが変倍率mを含むパラメータを指定するだけで、変
倍後の画像に適した輪郭線を自動的に得ることができ
る。
【0070】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
【0071】(1)上記実施例では、3つのパラメータ
d,k,mによって処理ウィンドウの幅{2(d+m
k)}を規定していたが、この代わりに、処理ウィンド
ウの幅を直接指定するようにしてもよい。
【0072】(2)図14は、領域分割処理の他の方法
を示す説明図である。図14は、ガイド輪郭線に基づい
て設定された1つの処理ウィンドウW10を示してい
る。この処理ウィンドウW10は、幅が3画素で長さが
8画素の領域を有している。上述した実施例では、例え
ば1画素から20画素までの長さの処理ウィンドウに関
して、考えられるすべての分割パターンを予め準備して
いた。これに対して、図14(B)の方法では、処理ウ
ィンドウW10を、長さが3画素の処理ウィンドウW1
1,W12,W13に区切ってゆく。最初の2つの処理
ウィンドウW1,W2は、互いに隣接するように設定さ
れる。3番目の処理ウィンドウW13は、2番目の処理
ウィンドウW12と一部(1列分)重なり合っている。
これらの3つの処理ウィンドウについて、上述した実施
例と同様に、領域分割を行って境界線(部分輪郭線)を
決定する。2つの処理ウィンドウW12,W13の重な
り合う部分は、前述した図12で説明した方法で補間す
ればよい。
【0073】図14の方法では、少数の種類(少なくと
も1種類)の処理ウィンドウに関する分割パターンを準
備しておけばよいので、多数の分割パターンを準備する
手間を省略することができる。また、長い処理ウィンド
ウを一度に領域分割処理の対象とすることがなく、比較
的短い処理ウィンドウを対象とすればよいので、処理時
間を短縮することができる。
【0074】(3)領域分割処理のさらに他の方法とし
て、情報処理学会研究報告、95−AL−45、41〜
48頁の「イメージ切り出しに関するアルゴリズム」
(1995年5月12日発行)に記載された方法を利用
することも可能である。この方法では、処理ウィンドウ
内の複数の画素列を、1列ずつ順次に対象として領域分
割処理を実行する。この方法によっても、上記実施例と
ほぼ同様な輪郭線を得ることができる。
【0075】(4)上記実施例では、領域分割処理の際
に、2つの領域の平均濃度の分散が最大となるように境
界線を設定していたが、分散の代わりに、これと同等で
実質的に分散を表すような他の指標値を使用することが
できる。例えば、上述した数式4の右辺に存在する「平
均値の差の2乗」の代わりに、「平均値の差の絶対値」
を使用することも可能である。なお、実質的に分散を表
すような指標値としては、分散に対して単調な関数であ
るものを使用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である画像処理装置の構
成を示すブロック図。
【図2】実施例の処理手順を示すフローチャート。
【図3】実画像からガイド輪郭線を作成するまでの処理
内容を示す説明図。
【図4】粗輪郭線からガイド輪郭線を作成する処理の内
容を示す説明図。
【図5】第2の粗輪郭線CC2からガイド輪郭線GCを
求める手順を示す説明図。
【図6】ガイド輪郭線GCに沿って設定された処理ウィ
ンドウを示す説明図。
【図7】領域分割処理の例を示す説明図。
【図8】領域分割処理の演算内容を示す説明図。
【図9】3×3画素領域の分割パターンを示す説明図。
【図10】部分画像内の画像データの分布と、境界線の
違いによる2つの領域R0,R1の画像データの平均値
μ0 ,μ1 の違いを示すグラフ。
【図11】部分輪郭線の結合方法を示す説明図。
【図12】部分輪郭線の他の結合方法を示す説明図。
【図13】再帰的な処理の一例を示す説明図。
【図14】領域分割処理の他の方法を示す説明図。
【符号の説明】
20…CPU 22…メインメモリ 24…ハードディスク装置 26…キーボード 26…デジタイザ 30…マウス 32…カラーCRT 34…インタフェイス 40…バス 52…ガイド輪郭線作成部(ガイド輪郭線設定部) 54…処理ウィンドウ作成部(処理ウィンドウ設定部) 56…領域分割処理部 58…輪郭線結合部(輪郭線接続部) 60…画像メモリ 62…輪郭線データメモリ 64…部分画像バッファ 68…部分輪郭線バッファ 70…パラメータバッファ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像の輪郭線データを作成する方法であ
    って、(a)対象画像の所望の輪郭線を求める際に使用
    され、前記所望の輪郭線よりも粗い輪郭を表すガイド輪
    郭線を設定する工程と、(b)前記ガイド輪郭線に沿っ
    て、前記対象画像を含む画像平面上に複数の処理ウィン
    ドウをほぼ連続的に設定する工程と、(c)各処理ウィ
    ンドウ内の部分画像を表す部分画像データに基づいて、
    各処理ウィンドウを、1本の境界線で比較的暗い第1の
    領域と比較的明るい第2の領域とに2分割する工程と、
    (d)前記複数の処理ウィンドウの境界線を順次接続す
    ることによって、前記所望の輪郭線を表す輪郭線データ
    を求める工程と、を備えることを特徴とする画像輪郭線
    データの作成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像輪郭線データの作成
    方法であって、前記工程(c)は、各処理ウィンドウの
    前記境界線を、前記第1の領域の平均濃度と前記第2の
    領域の平均濃度の分散が実質的に最大になるように決定
    する工程を含む、画像輪郭線データの作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の画像輪郭線デー
    タの作成方法であって、前記工程(b)は、各処理ウィ
    ンドウの形状を、前記ガイド輪郭線を構成する各線分に
    平行な第1組の辺と、前記ガイド輪郭線の各線分とは垂
    直な所定の幅を有する第2組の辺とを有する長方形に設
    定する工程を含み、前記工程(c)は、(1)前記第1
    組の辺が水平となるように、各処理ウィンドウをアフィ
    ン変換して正立させる工程と、(2)正立した各処理ウ
    ィンドウに対する前記境界線を、鉛直方向の各列ごとに
    上下に分割するように階段状に設定する工程と、(3)
    前記階段状の境界線に対して、前記アフィン変換の逆変
    換を施す工程と、を備える、画像輪郭線データの作成方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の画像輪郭線デー
    タの作成方法であって、さらに、各処理ウィンドウに対
    して、各処理ウィンドウを2分割する複数の候補境界線
    を予め準備する工程を含み、前記工程(c)は、各処理
    ウィンドウを前記複数の候補境界線でそれぞれ分割した
    時に、前記第1の領域の平均濃度と前記第2の領域の平
    均濃度の分散を実質的に表す指標値をそれぞれ求める工
    程と、前記複数の候補境界線の中で、前記分散が最大と
    なるような指標値を有する候補境界線を選択する工程
    と、を含む、画像輪郭線データの作成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の画
    像輪郭線データの作成方法であって、前記工程(a)
    は、前記対象画像の縮小画像において、前記所望の輪郭
    線に近い輪郭を表す第1の粗輪郭線を設定する工程と、
    前記第1の粗輪郭線を前記縮小画像に対する前記対象画
    像の倍率で拡大することによって第2の粗輪郭線を求
    め、前記第2の粗輪郭線を前記ガイド輪郭線として設定
    する工程と、を含む、画像輪郭線データの作成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の画像輪郭線データの作成
    方法であって、前記工程(a)は、さらに、前記第2の
    粗輪郭線を比較的少数の線分で近似することによって第
    3の粗輪郭線を求め、前記第3の粗輪郭線を前記ガイド
    輪郭線として設定する工程を含む、画像輪郭線データの
    作成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の画
    像輪郭線データの作成方法であって、さらに、前記工程
    (d)で得られた輪郭線を、前記工程(a)における新
    たなガイド輪郭線として設定する工程と、この新たなガ
    イド輪郭線を用いて前記工程(b)ないし工程(d)を
    再度実行する工程と、を備える画像輪郭線データの作成
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の画像輪郭線データの作成
    方法であって、前記工程(b)は、各処理ウィンドウの
    形状を、前記ガイド輪郭線を構成する各線分に平行な第
    1組の辺と、前記ガイド輪郭線の各線分とは垂直な所定
    の幅を有する第2組の辺とを有する長方形に設定する工
    程を含み、前記工程(b)ないし工程(d)を再度実行
    する際に、前記工程(b)で設定される各処理ウィンド
    ウの前記所定の幅が、前記工程(b)ないし工程(d)
    の前回の実行時に比べて小さく設定される、画像輪郭線
    データの作成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の画
    像輪郭線データの作成方法であって、前記工程(b)
    は、前記各処理ウィンドウの形状を、前記ガイド輪郭線
    を構成する各線分に平行で前記線分の長さよりも所定の
    長さだけ両側にそれぞれ長い第1組の辺と、前記ガイド
    輪郭線の各線分とは垂直な所定の幅を有する第2組の辺
    とを有する長方形に設定することによって、隣接する処
    理ウィンドウが互いに重なり合うように前記各処理ウィ
    ンドウを設定する工程を含み、前記工程(d)は、隣接
    する処理ウィンドウが重なる領域に存在する境界線同士
    を補間することによって、前記複数の処理ウィンドウの
    境界線を順次接続する工程を含む、画像輪郭線データの
    作成方法。
  10. 【請求項10】 画像の輪郭線データを作成する装置で
    あって、対象画像の所望の輪郭線を求める際に使用さ
    れ、前記所望の輪郭線よりも粗い輪郭を表すガイド輪郭
    線を設定するガイド輪郭線設定手段と、前記ガイド輪郭
    線に沿って、前記対象画像を含む画像平面上に複数の処
    理ウィンドウをほぼ連続的に設定する処理ウィンドウ設
    定手段と、各処理ウィンドウ内の部分画像を表す部分画
    像データに基づいて、各処理ウィンドウを、1本の境界
    線で比較的暗い第1の領域と比較的明るい第2の領域と
    に2分割する領域分割処理手段と、前記複数の処理ウィ
    ンドウの境界線を順次接続することによって、前記所望
    の輪郭線を表す輪郭線データを求める輪郭線接続手段
    と、を備えることを特徴とする画像輪郭線データの作成
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013250974A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Fujitsu Ltd 画像処理装置、画像処理方法、スキャナーおよび記憶媒体
CN116740104A (zh) * 2023-06-29 2023-09-12 成都华大九天科技有限公司 一种基于像素轮廓单元生成平滑轮廓的方法

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