JPH10142792A - 感光材料 - Google Patents

感光材料

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JPH10142792A
JPH10142792A JP30864496A JP30864496A JPH10142792A JP H10142792 A JPH10142792 A JP H10142792A JP 30864496 A JP30864496 A JP 30864496A JP 30864496 A JP30864496 A JP 30864496A JP H10142792 A JPH10142792 A JP H10142792A
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layer
group
image
photosensitive
silver halide
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JP30864496A
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Inventor
Kentaro Shirato
健太郎 白土
Junichi Yamanouchi
淳一 山之内
Seiya Sakurai
靖也 桜井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化部の強度を低下させることなく硬化性層の
硬化部と未硬化部との区切りを明確にして、鮮明かつ充
分な強度を有する硬化画像を形成する。 【解決手段】支持体上に剥離促進層、硬化性層と感光性
層とが設けられ、更に還元剤を含み、画像露光工程、加
熱により露光部分と未露光部分に対応する硬化部と未硬
化部とを硬化性層に形成する工程、そして硬化性層の未
硬化部を感光性層と共に支持体および剥離促進層から剥
がし取り、硬化部からなる残留画像を支持体上に形成す
る工程を有する画像形成方法に用いる感光材料であっ
て、該硬化性層に一般式(1)で表される繰り返し単位
からなる架橋性ポリマー等を有する感光材料。 【化1】 式中R1 は水素、炭素原子1〜4のアルキル基;P1
一価のエチレン性不飽和基、L1 は単結合又は二価の有
機連結基;Aはエチレン性不飽和モノマー繰り返し単
位;a、bは重量%でaは 0.5以上99.5以下、b は 0.5
以上99.5以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀、還
元剤および重合性化合物または架橋性ポリマーを用い
て、支持体上に硬化画像を形成するための感光材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀、還元剤および重合性化合
物を含む感光材料を画像露光し、加熱によりハロゲン化
銀を現像して、これにより画像状に重合性化合物を重合
させてポリマー画像を形成する方法が、特公平3−12
307号および同3−12308号の各公報(米国特許
4629676号および欧州特許0174634号各明
細書)に記載されている。この方法においては、ハロゲ
ン化銀を還元した還元剤の酸化体ラジカル(還元剤の酸
化体の分解によって生じるラジカルであってもよい。以
下、単に酸化体ラジカルと呼ぶ。)によって重合が開始
される。
【0003】上記の画像形成方法は、印刷版やカラープ
ルーフの製造に応用することができる。例えば、印刷版
の製造に適した画像形成方法が、特開昭64−1704
7号公報(米国特許4985339号および欧州特許公
開番号0298522A号各明細書)、特開平5−24
9667号公報(米国特許5122443号および欧州
特許公開番号0426192A号各明細書)および特開
平4−191856号公報に記載されている。また、カ
ラープルーフの製造に適した画像形成方法が特開平4−
338955号公報、特開平5−6003号公報(米国
特許5304454号明細書)および特開平6−148
892号公報に記載されている。印刷版またはカラープ
ルーフの作成では、重合性化合物に加えて、または代え
て架橋性ポリマーを用いてもよい。また、そのような画
像形成に用いる感光材料は、ハロゲン化銀を含む感光性
層と重合性化合物を含む硬化性層が別々に設けられてい
る場合が多い。
【0004】以上のような画像形成方法では、感光材料
の画像露光および熱現像により硬化性層に硬化部と未硬
化部とを形成する。この硬化部と未硬化部との物理的あ
るいは化学的な性質の違いを利用して最終的な画像を得
る。例えば、上記特開昭64−17047号、同4−1
91856号および同5−249667号の各公報に記
載の方法では、未硬化部をアルカリ性の溶出液を用いて
除去し、硬化部からなる硬化画像を形成する。また、上
記特開平5−6003号公報記載の方法では、硬化性層
の上に除去シートを密着させて、未硬化部を除去シート
に付着させて除去し、硬化部からなる硬化画像を形成す
る。さらに、上記特開平6−148892号公報記載の
方法では、硬化性層をその下に設けられている剥離層と
共に受像材料に転写して、転写された未硬化部にトナー
を付着させてトナー画像を受像材料上に形成する。
【0005】さらに、特開平6−242618号公報に
は、支持体上に剥離促進層が設けられており、その上に
硬化性層および感光性層が設けられており、硬化性層が
重合性化合物または架橋性ポリマーを含み、感光性層が
ハロゲン化銀を含み、そして硬化性層または感光性層が
還元剤を含む感光材料を用いる画像形成方法が開示され
ている。この方法は、感光材料を画像露光する工程、感
光材料を加熱して硬化性層に硬化部と未硬化部とを形成
する工程、そして硬化性層の未硬化部を感光性層と共
に、支持体および剥離促進層から剥離して硬化部からな
る画像を形成する工程を有する。上記公報記載の方法に
よると、液体処理を全く行なうことなく感光材料上に硬
化画像を形成することができる。ただし、この方法で
は、硬化部と未硬化部との区切りが不充分で、未硬化部
のみを選択的に剥離することが難しかった。従って、得
られる硬化画像の画質に問題があった。具体的には、得
られた画像にギザつきや変形が観察された。特開平7−
295223号公報では、上記の硬化画像の画質の問題
を解決するため、硬化性層のバインダーと同量以上の着
色剤を硬化性層に添加することを提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したように従来提
案されている方法において硬化性層の硬化部と未硬化部
との区切りを明確にするためには硬化性層に架橋性ポリ
マーを添加することが有効である。このような架橋性ポ
リマーとしては、アリル(メタ)アクリレートの(共)
重合体、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イ
ソプレン、天然および合成ゴム、ポリ−1,2−ブタジ
エンおよびポリ−1,2−イソプレン重合性化合物、エ
チレン性不飽和基を側鎖に有するアクリル酸またはメタ
クリル酸のエステルまたはアミドのポリマーなどがこれ
までに報告されている。このような重合性化合物は、例
えば、特願平5−28105号、特開平5−24966
7号、特開昭64−17047号を参照することができ
る。しかしながら、これらのポリマーを硬化層に添加し
た形態では硬化が不十分であることが多く、また硬化性
層の硬化部と未硬化部との区切りが不十分なため、鮮明
かつ充分な強度を有する硬化画像を形成できないという
問題があった。硬化画像を印刷版として使用する場合、
機械的な強度は特に重要である。しかし、従来提案され
ている架橋性ポリマーを硬化性層に添加して形成した硬
化画像は、印刷版として使用するには、耐刷性が不十分
であった。本発明の目的は、硬化部の強度を低下させる
ことなく、硬化性層の硬化部と未硬化部との区切りを明
確にして、鮮明かつ充分な強度を有する硬化画像を形成
することができる感光材料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
感光材料により達成された。支持体上に剥離促進層、そ
して重合性化合物または架橋性ポリマーを含む硬化性層
とハロゲン化銀を含む感光性層とが設けられており、さ
らに還元剤を含み、画像露光する工程、加熱して露光さ
れた部分または露光されない部分に対応する硬化部と未
硬化部とを硬化性層に形成する工程、そして硬化性層の
未硬化部を感光性層と共に支持体および剥離促進層から
剥がし取り、硬化部からなる残留画像を支持体上に形成
する工程を有する画像形成方法に用いる感光材料におい
て、該硬化性層が下記一般式(1)および/又は(2)
で表される繰り返し単位からなる架橋性ポリマーを含有
する事を特徴とする感光材料。 一般式(1)
【0008】
【化3】
【0009】式中R1 は水素原子もしくは炭素原子数1
以上4以下のアルキル基を表す。P1はエチレン性不飽
和基を含む一価の基であり、L1 は単結合もしくは二価
の有機連結基である。Aはエチレン性不飽和モノマーか
ら誘導される繰り返し単位を表す。aおよびbは重量%
を表し、aは 0.5以上99.5以下、bは 0.5以上99.5以下
である。 一般式(2)
【0010】
【化4】
【0011】式中、R3 は(i)水素原子、(ii)−O
3 基がエステル基もしくはエーテル基のような一価の
有機基、(iii)P2 −L2 −のいずれかであるが、R3
が同時に全て水素原子であることはない。ここでP2
エチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L2 は二価
の有機連結基である。P2 −L2 −で表される置換基の
一般式(2)中における重量%は0.01重量%以上80重量
%以下である。nは20以上1000未満の数である。
【0012】
【発明の効果】本発明の架橋性ポリマーを硬化性層に添
加すると、硬化性層の硬化部と未硬化部の区切りが明確
となり、鮮明な画像が形成される。また、硬化部の機械
的強度が向上するため、本発明に従って形成した硬化画
像は印刷板として使用する場合にも充分な耐刷性を有す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の感光材料では硬化性層は
下記一般式(1)および/もしくは(2)で表される繰
り返し単位からなる架橋性ポリマーを含有している。以
下に本発明の架橋ポリマーについて詳細に説明する。一
般式(1)の式中R1 は水素原子もしくは炭素原子数1
以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子も
しくはメチル基である。P1 はエチレン性不飽和基を含
む一価の基であり、L1 は単結合もしくは二価の有機連
結基であり、好ましくは単結合、−CO−、−CONH
−、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基であ
る。P1 はエチレン性不飽和基を含む一価の有機基であ
る。好ましいP1 としては、アクリロイル基、メタクリ
ロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ス
チリル基等を含む一価の有機基である。P1 −L1 −で
表される置換基の好ましい例を以下に列挙する。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】Aはエチレン性不飽和モノマーから誘導さ
れる繰り返し単位を表す。Aの好ましい例としては、ア
クリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタク
リル酸など)類から誘導されるエステル類もしくはアミ
ド類(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−
n−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメ
タクリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルア
ミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホ
リン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブ
チルアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ペン
チルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、
2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシメトキ
シエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチ
ルアクリレート、2,2−ジメチルブチルアクリレー
ト、3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビト
ールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、n
−ペンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、
オクタフルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルア
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペン
チルアクリレート、セチルアクリレート、ベンジルアク
リレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチル
アクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレー
ト、n−オクタデシルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、2,2,2−トリフルオロエチルエチルメタクリ
レート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキ
サフルオロプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタク
リレート、n−オクチルメタクリレート、2−メトキシ
エチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデ
シルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレー
ト、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニ
ルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イル
メチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニル
メチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリ
レートなど)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル
酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビ
ニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸また
はフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、
マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナト
リウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジ
エン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソ
プレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−
クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチ
レン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルアキサゾリドン、N−ビニルサク
シンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N
−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−
ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニルイミダゾ
ール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニル
スルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、
メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンクロライ
ド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエ
ーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
テン、N−フェニルマレイミド等が挙げれる。これらの
ビニルモノマーは組み合わせて使用してもよい。これら
以外のビニルモノマーはリサーチディスクロージャーN
o.1955(1980年、7月)に記載されているもの
を使用することができる。本発明ではアクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸エステルおよび芳香族ビニル化合物
が好ましく用いられるビニルモノマーである。
【0017】aおよびbは重量%を表し、aは 0.5以上
99.5以下、bは 0.5以上99.5以下であり、さらに好まし
くはaは1以上95以下、bは5以上99以下である。
【0018】一般式(1)で表される繰り返し単位から
なる架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は数平均分子
量で1000以上200万以下、さらに好ましくは30
00以上80万以下である。
【0019】一般式(1)で表される繰り返し単位から
なる架橋性ポリマーは、一般的なラジカル重合法で生成
したポリマーに対して高分子反応でエチレン性不飽和二
重結合を導入することによって合成することが好まし
い。具体的なラジカル合成法としては、溶液重合法、乳
化重合法、分散重合法および懸濁重合法を用いることが
できる。高分子反応はポリビニルアルコールのようなポ
リオールの水酸基に対して反応性を有する有機イソシア
ネート、酸クロライド、酸無水物、ハロゲン化アルキ
ル、アルデヒド等を用いてウレタン化、エステル化、エ
ーテル化、アセタール化する方法が好ましい。
【0020】本発明の高分子反応はポリビニルアルコー
ルに対して行われることが好ましい。ポリビニルアルコ
ールは種々のケン化度のものが使用できるが、ケン化度
50%以上が好ましく、80%以上がさらに好ましい。
【0021】また、本発明の高分子反応は共重合変性ポ
リビニルアルコールを用いて行うこともできる。共重合
変性は、酢酸ビニルと他のモノマーとの共重合体をケン
化して、変性ポリビニルアルコールを合成する方法であ
る。共重合するモノマーは、一般式(1)の繰り返し単
位Aを誘導する前述のエチレン性不飽和モノマーを使用
することができる。
【0022】以下に一般式(1)で表される繰り返し単
位からなる架橋性ポリマーの好ましい例を列挙する。
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】次に一般式(2)で表される繰り返し単位
からなる架橋性ポリマーについて説明する。一般式
(2)の式中、R3 は(i)水素原子、(ii)−OR3
基がエステル基もしくはエーテル基のような一価の有機
基、(iii) P2 −L2 −のいずれかであるが、R3 が同
時に全て水素原子であることはない。ここで、P2 はP
1 と同じエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、好
ましい例もP1 と同じである。L2 は二価の有機連結基
である。好ましいL2 は、−NHCO−、−COO−、
アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基である。
3 が(ii)−OR3 基がエステル基もしくはエーテル基
のような一価の有機基の場合、好ましい−OR3 基はア
セチル基、ブチリル基、メチル基、エチル基、ベンジル
基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシメチル基、カルボ
キシメチル基である。P2 −L2 −で表される置換基の
一般式(2)中における重量%は0.01重量%以上80重量
%以下であり、好ましくは 0.1重量%以上50重量%以下
である。nは20以上1000未満の数であり、好ましくは50
以上800 未満の数である。一般式(2)で表される架橋
性ポリマーは、セルロース誘導体に対し一般的なウレタ
ン化、エステル化、およびエーテル化の手法を適用する
ことにより合成することができる。例えば、下に示すよ
うな、イソシアネート、あるいは酸ハライド等を用いる
ことにより容易に合成することができる。
【0026】
【化9】
【0027】ここでL3 は置換もしくは無置換の炭素原
子数1以上20以下のアルキレン基、アリーレン基、ア
ラルキレン基を表わす。R4 は水素原子もしくは炭素原
子数1以上4以下のアルキル基を表わす。nは0または
1を表す。セルロースの水酸基にエチレン性不飽和基を
導入する方法としては、この他に、A. A. Berlinetc;J.
Gen. Chem. USSR., 21,1383(1951)USP 2,789,030 Temi
netc; Ind. and Eng.Chem. Product, Rand d, 11, Nr.
3,325 礪波宏明;織学誌、14,100(1958)などに記載され
ている方法を参考にすることができる。本発明に用いら
れるセルロース誘導体としては、セルロースのアセチル
化物、アセチルブチリル化物、アセチルプロピオニル化
物、ニトロ化物、カプロイル化物、ラウロイル化物、ベ
ンゾイル化物、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フ
タル酸との半エステル化物などのエステル化物、またエ
チル化物、エチルヒドロキシエチル化物、ヒドロキシプ
ロピル化物、メチル化物、ベンジル化物、シアノエチル
化物などのエーテル化物などが挙げられるがこれに限定
されるものではない。この中でアセチル化物、アセチル
ブチリル化物、アセチルプロピオニル化物およびエチル
化物が好ましい。各種置換基の置換度(D.S.:Degree o
f substitution)は、セルロースを有機溶剤可溶ならし
めるならば、0<D.S.<3.0 の範囲で如何なる値であっ
てもかまわない。以下に一般式(2)で表される繰り返
し単位からなる架橋性ポリマーの好ましい構成例を列挙
する。
【0028】
【表1】
【0029】本発明の画像形成方法では前述の架橋性ポ
リマーを硬化性層に添加することが好ましいが、剥離促
進層に添加しても構わない。但し、架橋性ポリマーは、
硬化性層と剥離促進層以外の層(例、感光性層、中間
層)には添加しない。また、本発明の架橋性ポリマーは
二種類以上を組み合わせて使用してもよい。架橋性ポリ
マーの使用量は、添加する硬化性層または剥離促進層の
全量に対して、1乃至90重量%の範囲であることが好
ましく、3乃至80重量%の範囲であることがさらに好
ましい。
【0030】次に、図面を引用しながら、本発明の感光
材料を説明する。図1は、本発明の感光材料の好ましい
態様を示す断面模式図である。図1に示されるように、
支持体(1)の上に、剥離促進層(2)、硬化性層
(3)、中間層(4)、感光性層(5)およびオーバー
コート層(6)が順次設けられている。剥離促進層
(2)は、重合性化合物(11)、親水性ポリマー(1
2)、を含む。硬化性層(3)は、重合性化合物(1
4)、本発明の架橋性ポリマー(15)、顔料(16)
を含む。中間層(4)は、親水性ポリマー(18)を含
む。感光性層(5)は、ハロゲン化銀(19)、還元剤
(20)および親水性ポリマー(21)を含む。オーバ
ーコート層は、塩基プレカーサー(22)および親水性
ポリマー(23)を含む。また剥離促進層もしくは硬化
性層には、硬化性層の未硬化部と剥離促進層との接着力
を低下させ、分離を促進させるため、特願平8−106
304号(平成8年4月3日出願)に記載のポリマー
(13,17)が添加されていてもよい。
【0031】図2は、画像形成方法の画像露光の工程を
示す断面模式図である。図2に示されるように、感光材
料を画像露光(24)すると、露光部のハロゲン化銀に
潜像(25)が形成される。これに対して、未露光部の
ハロゲン化銀(19)には変化がない。図3は、画像形
成方法の熱現像の工程を示す断面模式図である。図3に
示されるように、感光材料を加熱(26)すると、次の
3種類の反応が連続して進行する。 (a)オーバーコート層(6)に含まれる塩基プレカー
サーから塩基(27)が放出される。塩基は、感光性層
(5)に移動して、感光性層の雰囲気を塩基性にする。 (b)露光部の感光性層内で、還元剤の作用により潜像
が形成されたハロゲン化銀が現像され、その結果として
銀画像(28)が形成される。それに伴い、還元剤の酸
化体ラジカル(29)が形成される。酸化体ラジカル
は、中間層(4)を経て、硬化性層(3)や剥離促進層
(2)に移動する。 (c)酸化体ラジカルの作用で、露光部の硬化性層に含
まれる重合性化合物が重合し、かつ架橋性ポリマーが架
橋して、硬化部(30)が形成される。同時に、露光部
の剥離促進層に含まれる重合性化合物も重合する(3
1)。その結果として、露光部において、硬化性層と剥
離促進層が接着する。これに対して、未露光部の硬化性
層と剥離促進層には実質的な変化はない。
【0032】図4は、画像形成方法の剥離の工程を示す
断面模式図である。図4に示されるように、オーバーコ
ート層(6)、感光性層(5)および中間層(4)を、
支持体(1)および剥離促進層(2)から剥離すると、
硬化性層の未硬化部が中間層に付着し、硬化性層の硬化
部が剥離促進層に付着する。以下、画像形成方法の各工
程、感光材料の層構成および感光材料の各成分について
順次説明する。
【0033】〔画像露光工程〕画像露光は、光センサー
であるハロゲン化銀(増感色素)の分光感度に応じた波
長の光を放出する光源を用いて行う。光源の例として
は、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンラ
ンプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、カーボ
ンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導
体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオン
レーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAGレーザ
ー)、発光ダイオード、陰極線管などを挙げることがで
きる。露光波長は、可視光、近紫外光、近赤外光が一般
的であるが、X線、電子ビームを用いてもよい。露光量
は、一般に、0.01乃至10000erg/cm2
より好ましくは0.1乃至1000erg/cm2 の範
囲である。なお、支持体が透明である場合は、支持体の
裏側から支持体を通して露光することもできる。
【0034】〔熱現像工程〕熱現像は、感光材料を加熱
した物体(例えば、金属の板、ブロック、ローラー)に
密着する方法、加熱した液体に浸漬する方法や赤外線を
照射する方法によって行うことができる。加熱温度は、
好ましくは70乃至200℃、より好ましくは100乃
至150℃の範囲である。加熱時間は1乃至200秒、
より好ましくは5乃至60秒の範囲である。還元剤また
はその酸化体の重合禁止作用を利用して硬化画像を形成
する場合は、重合開始剤から均一にラジカルを発生させ
る必要がある。熱重合開始剤を用いた場合は、熱現像時
の加熱でラジカルを発生させることができるので、加熱
は一回でよい。光重合開始剤を用いた場合は、ラジカル
を発生させるために、熱現像後に、全面露光する必要が
ある。この際の光は、光重合開始剤の吸収する波長を有
していなければならない。光源としては、前記の画像露
光に用いる光源として例示したものから、適宜、選択す
ることができる。露光量は103 乃至107 erg/c
2 の範囲である。
【0035】〔剥離工程〕剥離工程では、硬化性層の未
硬化部を感光性層と共に、支持体および剥離促進層から
剥離して硬化部からなる画像を形成する。剥離工程は、
通常の方法により簡単に実施できる。
【0036】〔感光材料の層構成〕感光材料は、支持体
上に、剥離促進層、硬化性層および感光性層を有する。
層の配列順序は、支持体、剥離促進層、硬化性層そして
感光性層の順であるか、あるいは、支持体、剥離促進
層、感光性層そして硬化性層の順である。前者の方が好
ましい。感光材料には、オーバーコート層や中間層を設
けてもよい。最も好ましい感光材料の層配列は、図1で
説明した支持体、剥離促進層、硬化性層、中間層、感光
性層そしてオーバーコート層の順である。
【0037】〔支持体〕支持体の材料としては、紙、合
成紙、合成樹脂(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン)をラミネートした紙、プラスチックフイ
ルム(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテー
ト)、金属板(例、アルミニウム、アルミニウム合金、
亜鉛、鉄、銅)、これらの金属がラミネートあるいは蒸
着された紙やプラスチックフイルムを用いることができ
る。感光材料を平版印刷版の製造に用いる場合、好まし
い支持体の材料は、アルミニウム板、ポリエチレンテレ
フタレートフイルム、ポリカーボネートフイルム、紙お
よび合成紙である。また、ポリエチレンテレフタレート
フイルム上にアルミニウムシートがラミネートされた複
合シートも好ましい。特に、寸度安定性の優れた材料を
用いることが好ましい。プラスチックフイルムを用いる
場合、プラスチックは、高いガラス転移温度を有するこ
とが好ましい。アルミニウム支持体は、必要に応じて、
表面粗面化処理(砂目たて処理)、酸またはアルカリに
よる化学的なエッチング、表面親水化処理、陽極酸化処
理やアルカリ金属シリケート処理を実施してもよい。
【0038】〔剥離促進層〕剥離促進層は、親水性ポリ
マーおよび重合性化合物を含むことが好ましい。剥離促
進層の厚さは、0.05乃至10μmであることが好ま
しい。
【0039】〔硬化性層〕硬化性層は本発明の架橋性ポ
リマーを含有する。硬化性層は、本発明の架橋性ポリマ
ーの重合架橋により硬化する。硬化性層の厚さは、0.
1乃至20μmであることが好ましく、0.3乃至7μ
mであることがさらに好ましい。
【0040】〔中間層〕各層の間に、中間層を設けるこ
とができる。特に感光性層と硬化性層の間に設けること
が好ましい。中間層は、親水性ポリマーを含むことが好
ましい。中間層の厚さは、0.05乃至10μmである
ことが好ましい。
【0041】〔感光性層〕感光性層はハロゲン化銀を含
み、画像露光および熱現像によってラジカルを発生させ
る。発生したラジカルは拡散して硬化性層へ侵入し、硬
化性層を硬化させる。感光性層の厚さは、0.1乃至2
0μmであることが好ましく、0.5乃至10μmであ
ることがさらに好ましい。
【0042】〔オーバーコート層〕オーバーコート層
は、感光材料を保護するとともに、空気中の酸素の侵入
を防いで硬化性層の硬化度を高める機能を有する。オー
バーコート層に画像形成を促進する成分(例、塩基性調
整剤、還元剤、熱現像促進剤)を添加して、保護機能に
加えて、画像形成を促進する機能を付加してもよい。ま
た、オーバーコート層にマット剤を添加してもよい。オ
ーバーコート層は、一般に親水性ポリマーを用いて形成
する。オーバーコート層の層の厚さは、0.3乃至20
μmであることが好ましく、0.5乃至10μmである
ことがさらに好ましい。
【0043】〔ハロゲン化銀〕ハロゲン化銀としては、
塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、あるいは塩臭化銀、塩ヨウ
化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀のいずれの粒子も用い
ることができる。ハロゲン化銀粒子の形状は好ましくは
立方体または14面体であるが、規則的な結晶形を有す
るものに限らず、変則的な結晶形を有するもの、あるい
は、それらの複合形でもよい。変則的な結晶形には、じ
ゃがいも状、球状、板状および平板状の結晶形が含まれ
る。平板状粒子では、一般に粒子径が粒子厚の5倍以上
の値になる。
【0044】ハロゲン化銀の粒子サイズについて特に制
限はない。0.01μm以下の微粒子も利用可能であ
る。一方、10μm程度の大粒子も利用できる。粒子サ
イズ分布に関しては、単分散粒子の方が多分散乳剤より
も好ましい。単分散乳剤については、米国特許3574
628号、同3655394号および英国特許1413
748号各明細書に記載がある。ハロゲン化銀粒子の結
晶構造は、均一でも、内部と外部とが異質なハロゲン組
成からなるものでもよい。層状構造を有していてもよ
い。また、エピタキシャル接合によって組成の異なるハ
ロゲン化銀が接合されていてもよい。さらに、ハロゲン
化銀以外の化合物と接合していてもよい。ハロゲン化銀
以外の化合物の例には、ロダン銀および酸化鉛が含まれ
る。
【0045】ハロゲン化銀粒子には、他の元素の塩が含
まれていても良い。他の元素の例としては、銅、タリウ
ム、鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛、カルコゲン
(例、硫黄、セレニウム、テルリウム)、金および第VI
II族貴金属(例、ロジウム、イリジム、鉄、白金、パラ
ジウム)を挙げることができる。これらの元素の塩は、
ハロゲン化銀の粒子形成時または粒子形成後に添加し
て、粒子内に含ませることができる。具体的な方法は、
米国特許1195432号、同1951933号、同2
448060号、同2628167号、同295097
2号、同3488709号、同3737313号、同3
772031号、同4269927号各明細書およびリ
サーチ・ディスクロージャー(RD)誌、第134巻、
No.13452(1975年6月)に記載がある。ハロ
ゲン化銀乳剤の調製時に、イリジウム化合物の水溶液を
乳剤に添加することで、イリジウムイオンをハロゲン化
銀粒子に導入することができる。水溶性イリジウム化合
物の例としては、ヘキサクロロイリジウム(III)酸塩お
よびヘキサクロロイリジウム(IV)酸塩を挙げることが
できる。同様に、ロジウム化合物の水溶液を乳剤に添加
することで、ロジウムイオンをハロゲン化銀粒子に導入
しても良い。水溶性ロジウム化合物の例としては、ロジ
ウムアンモニウムクロライド、ロジウムトリクロライド
およびロジウムクロライドを挙げることができる。
【0046】イリジウム化合物またはロジウム化合物
を、ハロゲン化銀粒子形成のためのハロゲン化物の水溶
液に溶解して用いてもよい。また、イリジウム化合物ま
たはロジウム化合物の水溶液を、粒子が形成される前に
添加しても、粒子が形成されている間に添加してもよ
い。さらに、粒子形成から化学増感処理までの間に添加
してもよい。粒子が形成されている間に添加することが
特に好ましい。イリジウムイオンまたはロジウムイオン
は、ハロゲン化銀1モル当たり10-8乃至10-3モル用
いることが好ましく、10-7乃至10-5モル用いること
がさらに好ましい。なお、ロジウム化合物とイリジウム
化合物を併用する場合、前者の使用は、後者の使用より
前段階であることが好ましい。ハロゲン組成、晶癖、粒
子サイズが異なった2種以上のハロゲン化銀粒子を組み
合わせて用いることもできる。ハロゲン化銀は乳剤とし
て用いることが好ましい。ハロゲン化銀乳剤は、リサー
チ・ディスクロージャー(RD)誌、No.17643
(1978年12月)、22〜23頁、“I.乳剤製造
(Emulsion preparation and types) ”、および同No.
18716(1979年11月)、648頁に記載され
た方法を用いて調製することができる。
【0047】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成後に
化学増感を行なうが、化学増感を行なわなくてもよい。
比較的低いカブリ値のハロゲン化銀粒子を用いることが
好ましい。このような工程で使用される添加剤はリサー
チ・ディスクロージャー誌、No.17643および同N
o.18716に記載されている。化学増感剤について
は、No.17643(23頁)および No.18716
(648頁右欄)に、それぞれ記載されている。また、
上記以外の公知の添加剤も上記の2つのリサーチ・ディ
スクロージャー誌に記載されている。例えば、感度上昇
剤については、No. 18716(648頁右欄)に、か
ぶり防止剤および安定剤については、No. 17643
(24〜25頁)およびNo.18716(649頁右
欄)にそれぞれ記載されている。
【0048】ハロゲン化銀乳剤は、通常、分光増感を行
ってから使用する。感光材料に使用する増感色素は、写
真技術等において公知のハロゲン化銀の増感色素を用い
ることができる。増感色素の例としては、シアニン色
素、メロシアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポ
ーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素
およびヘミオキソノール色素を挙げることができる。増
感色素とともに、それ自身、分光増感作用を持たない色
素あるいは可視光を実質的に吸収しない化合物であって
強色増感を示す化合物(強色増感剤)を乳剤に添加して
もよい。
【0049】〔有機金属塩〕感光材料の感光性層には、
ハロゲン化銀とともに有機金属塩を添加することができ
る。このような有機金属塩としては、有機銀塩を用いる
ことが特に好ましい。有機銀塩を形成するのに使用され
る有機化合物としては、トリアゾール類、テトラゾール
類、イミダゾール類、インダゾール類、チアゾール類、
チアジアゾール類、アザインデン類、メルカプト基を置
換基として有する脂肪族、芳香族または複素環化合物を
挙げることができる。また、カルボン酸の銀塩やアセチ
レン銀も有機銀塩として用いることができる。有機銀塩
は2種以上を併用してもよい。有機銀塩は、ハロゲン化
銀1モルあたり、10-5乃至10モル、好ましくは10
-4乃至1モル使用される。また、有機銀塩の代わりに、
それを構成する有機化合物を感光性層に加え、感光性層
中でハロゲン化銀と一部反応させて有機銀塩に変換して
もよい。
【0050】〔還元剤〕還元剤は、ハロゲン化銀を還元
する機能または重合性化合物の重合を促進(または抑
制)する機能を有する。上記機能を有する還元剤として
は、様々な種類の物質がある。上記還元剤には、ハイド
ロキノン類、カテコール類、p−アミノフェノール類、
p−フェニレンジアミン類、3−ピラゾリドン類、3−
アミノピラゾール類、4−アミノ−5−ピラゾロン類、
5−アミノウラシル類、4,5−ジヒドロキシ−6−ア
ミノピリミジン類、レダクトン類、アミノレダクトン
類、o−またはp−スルホンアミドフェノール類、o−
またはp−スルホンアミドナフトール類、2,4−ジス
ルホンアミドフェノール類、2,4−ジスルホンアミド
ナフトール類、o−またはp−アシルアミノフェノール
類、2−スルホンアミドインダノン類、4−スルホンア
ミド−5−ピラゾロン類、3−スルホンアミドインドー
ル類、スルホンアミドピラゾロベンズイミダゾール類、
スルホンアミドピラゾロトリアゾール類、α−スルホン
アミドケトン類および ヒドラジン類が含まれる。
【0051】上記の還元剤は、特開昭61−18364
0号、同61−188535号、同61−228441
号、同62−70836号、同62−86354号、同
62−86355号、同62−206540号、同62
−264041号、同62−109437号、同63−
254442号、特開平1−267536号、同2−1
41756号、同2−141757号、同2−2072
54号、同2−262662号、同2−269352号
各公報に記載されている(現像薬またはヒドラジン誘導
体として記載のものを含む)。また、還元剤について
は、T.James 著“The Theory of the Photographic Pro
cess”第4版、291〜334頁(1977年)、リサ
ーチ・ディスクロージャー誌、Vol.170、第1702
9号、9〜15頁、(1978年6月)、および同誌、
Vol.176、第17643号、22〜31頁、(197
8年12月)にも記載がある。また特開昭62−210
446号公報記載の感光材料のように、還元剤に代えて
加熱条件下あるいは塩基との接触状態等において還元剤
を放出する還元剤プレカーサーを用いてもよい。
【0052】これらの還元剤のうち、酸と塩を形成する
塩基性を有するものは、適当な酸との塩の形で使用する
こともできる。これらの還元剤は、単独で用いてもよい
が、上記各公報にも記載されているように、二種以上の
還元剤を併用してもよい。二種以上の還元剤を併用する
場合における、還元剤の相互作用としては、第一に、い
わゆる超加生性によってハロゲン化銀(および/または
有機銀塩)の還元を促進すること、第二に、ハロゲン化
銀(および/または有機銀塩)の還元によって生成した
第一の還元剤の酸化体が共存する他の還元剤との酸化還
元反応を経由して重合性化合物の重合を引き起すこと
(または重合を抑制すること)が考えられる。ただし、
実際の使用時においては、上記のような反応は同時に起
り得るものであるため、いずれの作用であるかを特定す
ることは困難である。還元剤はハロゲン化銀1モル当た
り0.1乃至10モルの範囲で使用することが好まし
く、0.25乃至2.5モルの範囲で使用することがさ
らに好ましい。
【0053】上記還元剤の種類や量等を調整すること
で、ハロゲン化銀の潜像が形成された部分あるいは潜像
が形成されない部分のいずれかの部分の重合性化合物を
選択的に重合させることができる。還元剤はハロゲン化
銀を現像し、自身は酸化されて酸化体になる。この還元
剤の酸化体が層内で分解してラジカルを生成する場合、
ハロゲン化銀の潜像が形成された部分において重合が起
こる。このような還元剤の例としては、ヒドラジン類を
挙げることができる。一方、酸化体がラジカルを発生せ
ず(または発生させにくく)、還元剤自身または酸化体
が重合抑制機能を有する場合、重合開始剤(ラジカル発
生剤)を還元剤とともに含ませておくことでハロゲン化
銀の潜像が形成されない部分(還元剤より、その酸化体
の方が重合抑制機能が強い場合)または潜像が形成され
た部分(還元剤の方が、その酸化体より重合抑制機能が
強い場合)に重合が起こる。上記のような機能を有する
還元剤の例としては、1−フェニル−3−ピラゾリドン
類およびハイドロキノン類を挙げることができる。この
場合、以下に述べるような熱重合開始剤または光重合開
始剤を感光材料中に添加しておく必要がある。
【0054】〔重合開始剤〕熱重合開始剤は、加熱時に
分解して重合性化合物または架橋性ポリマーに付加しう
るフリーラジカルを発生することができる化合物であ
る。熱重合開始剤については、高分子学会・高分子実験
学編集委員会編「付加重合・開環重合」(1983年、
共立出版)の6〜18頁および特開昭61−24344
9号公報に記載がある。熱重合開始剤の例としては、ア
ゾ化合物(例、アゾビス(イソブチロニトリル)、1,
1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)
および過酸化物を挙げることができる。光重合開始剤
は、露光によって重合性化合物または架橋性ポリマーに
付加しうるフリーラジカルを発生することができる化合
物である。光重合開始剤については、Oster 他著「Chem
ical Review 」第68巻(1968年)の125〜15
1頁、Kosar 著「Light-Sensitive System」(John Wil
ey& Sons,1965年)の158〜193頁、特開昭6
1−75342号公報および特開平2−207254号
公報に記載がある。光重合開始剤の例としては、カルボ
ニル化合物、含ハロゲン化合物、光還元性色素と還元剤
とのレドックスカップル類、有機硫黄化合物、過酸化
物、光半導体および金属化合物を挙げることができる。
重合開始剤は重合性化合物1g当り、0.001乃至
0.5gの範囲で用いることが好ましく、0.01乃至
0.2gの範囲で用いることがさらに好ましい。
【0055】〔重合性化合物〕重合性化合物としては、
フリーラジカルによって付加重合しうる化合物、特にエ
チレン性不飽和基を有する化合物(モノマーまたはオリ
ゴマー)が用いられる。重合性化合物については、特開
平5−249667号公報に記載がある。エチレン性不
飽和基を有する化合物の例としては、アクリル酸および
その塩、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メ
タクリル酸およびその塩、メタクリル酸エステル類、メ
タクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステ
ル類、イタコン酸エステル類、スチレン類、ビニルエー
テル類、ビニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリ
ルエーテル類、アリルエステル類およびそれらの誘導体
を挙げるとができる。アクリル酸エステル類もしくはメ
タクリル酸エステル類が好ましい。アクリル酸エステル
類の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリエス
テルアクリレートおよびポリウレタンアクリレートを好
ましく用いることができる。重合性化合物は硬化性層中
に、層の全量に対して3乃至90重量%の範囲で含まれ
ていることが好ましく、15乃至60重量%の範囲で含
まれていることがさらに好ましい。二種類以上の重合性
化合物を併用してもよい。
【0056】〔硬化性層に含まれるポリマー〕硬化性層
には、本発明の架橋性ポリマー以外のポリマーをバイン
ダーとして添加することができる。追加的に添加するポ
リマーは架橋性を有していても、有していなくてもよ
い。このようなポリマーの例としては、ポリ−1,4−
ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレン、天然および合
成ゴム、ポリ−1,2−ブタジエンおよびポリ−1,2
−イソプレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸アリル、ポリメタクリ
ル酸、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ
メタクリロニトリル、ポリエチレン、ポリビニルピリジ
ン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、塩素化ポリエチレン、塩素ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ
カーボネート、エチルセルロース、トリアセチルセルロ
ース、ジアセチルセルロースおよびセルロースアセテー
トブチレートを挙げることができる。これらのポリマー
の繰り返し単位のうち共重合可能であるものは任意に組
み合わせて、コポリマーとして用いることができる。上
述のポリマーは二種類以上組み合わせて使用してもよ
い。本発明の架橋性ポリマーを含めた硬化性層中のポリ
マーの含有量は、硬化性層全体の1〜90重量%である
ことが好ましく、3〜80重量%であることがさらに好
ましい。
【0057】〔親水性ポリマー〕感光材料の感光性層や
オーバーコート層のような親水性層は、親水性ポリマー
をバインダーとして含む。親水性ポリマーとは、分子構
造内に親水性基または親水性結合を有する高分子化合物
である。親水性基の例としては、カルボキシル、アルコ
ール性水酸基、フェノール性水酸基、スルホ、スルホン
アミド基、スルホンイミドおよびアミドを挙げることが
できる。親水性結合の例としては、ウレタン結合、エー
テル結合およびアミド結合を挙げることができる。親水
性ポリマーとして、水溶性ポリマーまたは水膨潤性ポリ
マーを用いることが好ましい。水膨潤性ポリマーとは、
水に対して親和性を有するが、ポリマーの架橋構造のた
めに、水には完全には溶解しないものを言う。水溶性も
しくは水膨潤性のポリマーとしては、天然、合成または
半合成の高分子化合物が使用できる。親水性ポリマーに
ついては、特開平5−249667号公報に記載があ
る。ポリビニルアルコールが特に好ましい親水性ポリマ
ーである。ポリビニルアルコールは一般的な架橋剤を用
いて架橋して使用することもできる。架橋剤としては、
アルデヒド、メチロール化合物、エポキシ化合物、ジイ
ソシアネート、ジビニル化合物、ジカルボン酸類あるい
は無機系架橋剤(例、ホウ酸、チタン、銅)を使用する
ことができる。親水性ポリマーの分子量は、3000〜
50万の範囲が好ましい。親水性ポリマーの使用量は、
0.05乃至20g/m2 であることが好ましく、0.
1乃至10g/m2 であることがさらに好ましい。な
お、ハロゲン化銀を含む層において、ゼラチンと他の親
水性ポリマーを併用する場合は、ハロゲン化銀を含む層
のpHをゼラチンの等電点よりも1.2以下または1.
2以上の値に調整することが好ましい。
【0058】〔熱現像促進剤〕本発明に用いる感光材料
は、熱現像を促進し、熱現像処理をより短時間で行うた
めに、熱現像促進剤をいずれかの層に含有してもよい。
熱現像促進剤としては、感光材料のいずれかの層に用い
られるバインダーに対して室温もしくは加熱時に可塑化
作用を有する化合物や、可塑化作用はないが加熱によっ
て層内で溶融しうる化合物であればいずれも使用可能で
ある。感光材料のいずれかの層に用いられるバインダー
に対して室温もしくは加熱時に可塑化作用を有する化合
物としては、高分子化合物の可塑剤として知られている
公知の化合物がすべて使用可能である。このような可塑
剤としては、「プラスチック配合剤」大成社、P21-63;
「プラスチックス・アディティブズ第2版」(Plastics
Additives, 2nd Edition )Hanser Publishers, Chap.
5 P251-296;「サーモプラスティク・アディティブズ」
(Thermoplastics Additives)Marcel Dekker Inc. Cha
p.9 P345-379 ;「プラスティク・アディティブズ・ア
ン・インダストリアル・ガイド」(Plastics Additives
An Industrial Guide)Noyes Publications, Section-
14 P333-485 ;「ザ・テクノロジー・オブ・ソルベンツ
・アンド・プラスティサイザーズ」(The Technology o
f Solvents and Plasticizers)John Wiley & Sons In
c. Chap.15 P903-1027);「インダストリアル・プラス
ティサイザーズ」(Industrial Plasticizers, Pergamo
n Press );「プラスティサイザー・テクノロジー第1
巻」(Plasticizer Technology Vol.1, Reinhold Publi
shing Corp. );「プラスティサイゼーション・アンド
・プラスティサイザー・プロセス」(Plusticization a
nd Plusticizer Process, American Chemistry)に記載
の可塑剤が使用できる。
【0059】好ましい熱現像促進剤としては、グリコー
ル類(例、ジエチレングリコール、ジポリプロピレング
リコール)、多価アルコール類(例、グリセリン、ブタ
ンジオール、ヘキサンジオール)、糖類、ギ酸エステ
ル、尿素類(例、尿素、ジエチル尿素、エチレン尿素、
プロピレン尿素)、尿素樹脂、フェノール樹脂、アミド
化合物(例、アセトアミド、プロピオンアミド)、スル
ファミド類およびスルホンアミド類を挙げることができ
る。また、上記の熱現像促進剤を2種以上組み合わせて
使用することもできる。また、2つ以上の層に分割して
添加することもできる。熱現像促進剤の添加量は0.0
5乃至2g/m2 であることが好ましく、0.1乃至1
g/m2 であることがさらに好ましい。
【0060】〔着色剤〕硬化性層に添加する本発明の顔
料はハレーション防止の目的にも有用である。また、ハ
レーションおよびイラジエーション防止、または硬化画
像の着色を目的として、本発明の顔料以外の着色剤を感
光材料に添加することもできる。かかる着色剤として
は、硬化性層の硬化反応を著しく妨げたり、ハロゲン化
銀の感光性や現像性を著しく妨げたりしない限り、公知
の本発明の顔料以外の顔料や染料を使用することができ
る。着色剤をハレーション防止または画像の着色の目的
で使用する場合は、硬化性層に添加するのが好ましい。
また、イラジエーション防止の目的で使用する場合は、
感光性層に添加するのが好ましい。ハレーションおよび
イラジエーション防止のために着色剤を添加する場合
は、ハロゲン化銀の感光波長領域の光を吸収できるもの
が好ましい。着色剤としては、特開平5−249667
号公報、「カラーインデックス便覧」、「染料便覧(有
機合成化学協会編、昭和45年)に記載の本発明の顔料
以外の顔料または染料を用いることもできる。ハロゲン
化銀の感度への影響が少ないイラジエーション防止用の
染料は、特公昭41−20389号、同43−3504
号、同43−13168号および特開平2−39042
号各公報、および米国特許3697037号、同342
3207号、英国特許1030392号および同110
0546号各明細書に記載がある。着色剤の含有量は、
本発明の顔料を含めて0.01乃至2g/m2 の範囲が
好ましく、0.05乃至1g/m2 の範囲がさらに好ま
しい。
【0061】〔かぶり防止剤、現像促進剤、安定剤〕写
真特性を改良するために、かぶり防止剤、銀現像を促進
する銀現像促進剤、安定剤等の添加剤をいずれかの層に
含有させてもよい。それらの例としては、アゾール類や
アザインデン類(リサーチ・ディスクロージャー誌N
o.17643、24〜25ページ(1978年)記
載)、窒素を含むカルボン酸類およびリン酸類(特開昭
59−168442号公報記載)、環状アミド(特開昭
61−151841号公報記載)、チオエーテル(特開
昭62−151842号公報記載)、ポリエチレングリ
コール誘導体(特開昭62−151843号公報記
載)、チオール(特開昭62−151844号公報記
載)、アセチレン化合物(特開昭62−87957号公
報記載)およびスルホンアミド(特開昭62−1782
32号公報記載)を挙げることができる。芳香族環(炭
素環または複素環)メルカプト化合物も、かぶり防止剤
または現像促進剤として好ましく用いられる。芳香族複
素環メルカプト化合物、特にメルカプトトリアゾール誘
導体が好ましい。メルカプト化合物は、メルカプト銀化
合物(銀塩)として感光材料に添加してもよい。これら
の化合物の使用量はハロゲン化銀1モル当り10-7モル
乃至1モルの範囲である。
【0062】〔現像停止剤〕本発明において、熱現像時
の処理温度および処理時間に対し、常に一定の画像を得
る目的で種々の現像停止剤を用いることができる。ここ
でいう現像停止剤とは、適正現像後、速やかに塩基を中
和または塩基と反応して層中の塩基濃度を下げ現像を停
止させる化合物または銀および銀塩と相互作用して現像
を抑制させる化合物である。具体的には、加熱により酸
を放出する酸プレカーサー、加熱により共存する塩基と
置換反応を起こす親電子化合物、または含窒素ヘテロ環
化合物、メルカプト化合物およびその前駆体等が挙げら
れる。熱現像停止剤については、特開昭62−2531
59号公報、特開平2−42447号および同2−26
2661号各公報に記載がある。
【0063】〔界面活性剤〕本発明においては、界面活
性剤をいずれかの層に添加することができる。界面活性
剤は、公知のものが使用できる。例としては、ノニオン
活性剤、アニオン活性剤、カチオン活性剤、フッ素活性
剤、特開平2−195356号公報に記載の界面活性剤
を挙げることができる。特に、ソルビタン類、ポリオキ
シエチレン類、含窒素界面活性剤が好ましい。
【0064】〔マット剤〕感光材料の表面または裏面の
粘着性を低下させ、感光材料を重ねたときの接着を防止
する目的で、感光材料のバック層または最上層にマット
剤を添加することができる。マット剤としては、親水性
ポリマー中に分散が可能な無機または有機の固体粒子が
用いられる。このような粒子は、通常の銀塩写真の技術
分野で公知である。マット剤の素材の例としては、酸化
物(例、二酸化珪素)、アルカリ土類金属塩、天然ポリ
マー(例、デンプン、セルロース)および合成ポリマー
を挙げることができる。マット剤の粒径は1〜50μm
の範囲が好ましい。マット剤は、0.01乃至1g/m
2 の範囲で用いることが好ましく、0.1乃至0.7g
/m2 の範囲で用いることがさらに好ましい。
【0065】〔重合禁止剤〕感光材料の保存中に重合性
化合物が重合するのを防止するために、重合禁止剤を硬
化性層に添加することができる。従来公知の重合禁止剤
が使用可能である。重合禁止剤の例には、ニトロソアミ
ン化合物、尿素化合物、チオ尿素化合物、チオアミド化
合物、フェノール誘導体およびアミン化合物が含まれ
る。
【0066】以下に本発明の架橋性ポリマーの合成例を
記載する。
【0067】合成例1 P−2 攪拌装置、還流冷却管を装着した三ツ口フラスコにポリ
ビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA420;けん化度
79.5%)16g(OH基0.304mol)、ジメチルスルホキ
シド144ml、ジブチル錫ジラウレート100mg、ニ
トロベンゼン100mgを加え、窒素気流下で攪拌しな
がら72℃に昇温した。ポリビニルアルコールが完全に
溶解したのを確認した後、メタクリロイルエチルイソシ
アネート5.64g(36.35mmol)をジメチルスルホキシ
ド30mlに溶解した液を2時間かけて滴下した。滴下終
了後さらに攪拌を4時間継続し反応を終了させた後、反
応液を冷却し、酢酸エチル2リットルとアセトン0.2
5リットルの混合液に投入し沈澱させた。沈殿物をろ過
して取り出し、室温で真空乾燥して標記化合物を得た
(収率87%)。
【0068】合成例2 Q−4 攪拌装置、還流冷却管を装着した三ツ口フラスコにジア
セチルセルロース(ダイセル化学(株)製、D.S.=2.4
2、酢化度55%)30g(66.5mmol)、メチルエチルケトン
300ml、ジブチル錫ジラウレート100mg、ニト
ロベンゼン100mgを加え、窒素気流下で攪拌しなが
ら72℃に昇温した。ジアセチルセルロースが完全に溶
解したのを確認した後、メタクリロイルエチルイソシア
ネート30.94g(200mmol)をジメチルスルホキシド
50mlに溶解した液を2時間かけて滴下した。滴下終了
後さらに攪拌を4時間継続し反応を終了させた後、反応
液を冷却し、純水10リットルの混合液に投入し沈澱さ
せた。沈殿物をろ過して取り出し、室温で真空乾燥して
標記化合物を得た(収率79%)。
【0069】
【実施例】
〔実施例1〕 感光材料の作成 「プラスチック支持体」ポリエチレンテレフタレート
(PET)フイルムを支持体として用いた。
【0070】「剥離促進層の形成」下記の組成の液をホ
モジナイザーを用いて乳化分散した。分散液の粒子サイ
ズは0.3μm以下であった。この乳化分散液を上記支
持体の上に塗布、乾燥して、乾燥膜厚が0.7μmの剥
離促進層を設けた。
【0071】 ────────────────────────────────── 剥離促進層塗布液 ────────────────────────────────── ポリビニルアルコール(PVA−420、クラレ(株)製、ケン化度:79. 5%)の6重量%水溶液 60g ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 7.2g 下記の界面活性剤の5重量%水溶液 12g 水 15g ──────────────────────────────────
【0072】
【化10】
【0073】「硬化性層の形成」下記の塗布液を、上記
剥離促進層の上に塗布、乾燥して、乾燥膜厚が1.2μ
mの硬化性層を設けた。
【0074】 ────────────────────────────────── 硬化性層塗布液 ────────────────────────────────── ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 0.5g 表2記載の架橋性ポリマーの20重量%プロピレングリコールモノメチルエー テル溶液 10g 下記の顔料分散液 35g メチルエチルケトン 90g ──────────────────────────────────
【0075】 ────────────────────────────────── 顔料分散液 ────────────────────────────────── 顔料(カーボンブラック) 第2表に示す塗布量に調整 アリルメタクリレート/メタクリル酸コポリマー(共重合比=83/17)の 20重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液 54g メチルエチルケトン 108g プロピレングリコールモノメチルエーテル 105g ──────────────────────────────────
【0076】「中間層の形成」下記の組成の液をホモジ
ナイザーを用いて乳化分散した。分散液の粒子サイズは
0.3μm以下であった。この乳化分散液を上記硬化性
層の上に塗布、乾燥して、乾燥膜厚が0.5μmの中間
層を設けた。
【0077】 ────────────────────────────────── 中間層塗布液 ────────────────────────────────── ポリビニルアルコール(PVA−420、クラレ(株)製、ケン化度:79. 5%)の6重量%水溶液 60g 下記の界面活性剤の5重量%水溶液 12g 水 15g ──────────────────────────────────
【0078】「ハロゲン化銀乳剤の調製」水60ml中
にゼラチン24gと臭化カリウム1.0gとを加えて7
5℃に保温し、硝酸銀40gとを含有する水溶液300
mlと、臭化カリウム28gおよいびIrCl6 0.0
6mgとを含有する水溶液260mlとを同時に15分
間添加した。さらに、硝酸銀80gを含有する水溶液6
00mlと、臭化カリウム56gを含有する水溶液52
0mlとを同時に20分間添加した。この乳剤を沈降水
洗し、脱塩処理した後、チオ硫酸ナトリウム1.6mg
および塩化金酸2mgを加え化学増感を行なった。さら
に、増感色素として、3,3’−ジスルホプロピルナフ
ト〔1,2−d〕チアゾールナトリウム塩500mgを
加えた。次にゼラチンを加え、pH6.2、pAg9.
3に調整して、ハロゲン化銀乳剤を得た。
【0079】「還元剤分散液の調製」下記の還元剤の粉
末10gをダイノミル分散器を用いてポリビニルアルコ
ールの3重量%水溶液90g中に分散した。還元剤の粒
子サイズは約0.4μm以下であった。
【0080】
【化11】
【0081】「感光性層の形成」下記の塗布液を調製
し、上記中間層の上に塗布、乾燥して、乾燥膜厚が1.
2μmの感光性層を設けた。
【0082】 ────────────────────────────────── 感光性層塗布液 ────────────────────────────────── ポリビニルアルコール(PVA−420、クラレ(株)製、ケン化度:79. 5%)の6重量%水溶液 70g 上記の還元剤分散液 12g 下記の添加剤1の0.1重量%メタノール溶液 4g 下記の添加剤2の0.036重量%メタノール溶液 21.6g 下記の添加剤3の0.1重量%メタノール溶液 4.2g 臭化カリウムの0.5重量%水溶液 10g 前記の界面活性剤の5重量%水溶液 4g 上記のハロゲン化銀乳剤 4.2g 水 147g ──────────────────────────────────
【0083】
【化12】
【0084】
【化13】
【0085】
【化14】
【0086】「塩基プレカーサー分散液の調製」下記の
塩基プレカーサーの粉末250gをダイノミル分散器を
用いてポリビニルアルコールの3重量%水溶液750g
中に分散した。塩基プレカーサーの粒子サイズは、約
0.4μm以下であった。
【0087】
【化15】
【0088】「オーバーコート層の形成」以下の塗布液
を調製し、上記感光性層の上に塗布、乾燥して、乾燥膜
厚が約3.7μmのオーバーコート層を設けた。
【0089】 ────────────────────────────────── オーバーコート層の塗布液 ────────────────────────────────── ポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ(株)製、ケン化度:88 %)の10重量%水溶液 200g 上記の塩基プレカーサー分散液 10g 水 10g ──────────────────────────────────
【0090】(画像形成)得られた感光材料を、オーバ
ーコート層側より488nmのアルゴンレーザーを用い
て画像露光を行なった。この時の照射光量は10erg
s/cm2 であった。感光材料の裏面に120℃に加熱
した熱板を押し当てて60秒間加熱し、熱現像した。次
にオーバーコート層の側から剥離を行なった。オーバー
コート層のポリビニルアルコール膜と共に、感光性層、
中間層および硬化性層の未硬化部が剥離され、支持体上
には、硬化性層の硬化部からなる黒色画像が残った。
【0091】(画質の評価)上記のように得られた画像
を100倍ルーペを用いて観察した。硬化性層の未硬化
部が画像(硬化部)に付着して残存していると、画像に
ギザつきや変形が見られる。ギザつきのひどいものは、
小点がつかなかったり大点がつぶれてしまう。これを以
下の4段階で評価した。 A:ギザつきがほとんどなく、良好な画像である。 B:少しギザつきある。 C:画像のギザつきが悪い。 D:画像のギザつきが非常に悪い。
【0092】(耐刷性の評価)上記のように得られた画
像を印刷版として用いて、印刷を行なった。3000枚
印刷後の印刷物を観察した。試料の画像強度の弱いもの
は、10枚目の印刷物と比べて、小点がつかなかった
り、大点の濃度が低下してしまう。これを以下の4段階
で評価した。 A:10枚目の印刷物と同等の良好な画像である。 B:10枚目の印刷物よりも若干劣る。 C:小点のつきが劣化したり、大点の濃度が低下し、1
0枚目の印刷物よりも明らかに劣る。 D:小点がほとんどつかず、大点の濃度も非常に低い。
【0093】以上の結果を第2表に示す。
【0094】
【表2】
【0095】第2表の結果から、本発明の架橋性ポリマ
ーを硬化性層に用いた試料は比較試料と比べ、高強度で
かつ硬化部と未硬化部の区切りが明確で、高画質、高耐
刷性の感光材料が得られる事が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いる感光材料の好ましい態様
を示す断面模式図である。
【図2】本発明の画像形成方法の画像露光の工程を示す
断面模式図である。
【図3】本発明の画像形成方法の熱現像の工程を示す断
面模式図である。
【図4】本発明の画像形成方法の剥離の工程を示す断面
模式図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 剥離促進層 3 硬化性層 4 中間層 5 感光性層 6 オーバーコート層 11、14 重合性化合物 12、18、21、23 親水性ポリマー 13、17 剥離促進ポリマー 15 本発明の架橋性ポリマー 16 高分子化合物がグラフトした顔料 19 ハロゲン化銀 20 還元剤 22 塩基プレカーサー 24 光 25 ハロゲン化銀の潜像 26 熱 27 塩基 28 銀画像 29 還元剤の酸化体ラジカル 30 硬化性層の硬化部 31 剥離促進層の露光部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の感光材料では硬化性層は
下記一般式(1)および/もしくは(2)で表される繰
り返し単位からなる架橋性ポリマーを含有している。以
下に本発明の架橋ポリマーについて詳細に説明する。一
般式(1)の式中R1 は水素原子もしくは炭素原子数1
以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子も
しくはメチル基である。L1 は単結合もしくは二価の有
機連結基であり、好ましくは単結合、−CO−、−CO
NH−、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基
である。P1 はエチレン性不飽和基を含む一価の有機基
である。好ましいP1 としては、アクリロイル基、メタ
クリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド
基、スチリル基等を含む一価の有機基である。P1 −L
1 −で表される置換基の好ましい例を以下に列挙する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】ここでL3 は置換もしくは無置換の炭素原
子数1以上20以下のアルキレン基、アリーレン基、ア
ラルキレン基を表わす。R4 は水素原子もしくは炭素原
子数1以上4以下のアルキル基を表わす。nは0または
1を表す。セルロースの水酸基にエチレン性不飽和基を
導入する方法としては、この他に、A. A. Berlinetc;J.
Gen. Chem. USSR., 21,1383(1951)USP 2,789,030 Temi
netc; Ind. and Eng.Chem. Product, Rand d, 11, Nr.
3,325 礪波宏明;繊学誌、14,100(1958)などに記載され
ている方法を参考にすることができる。本発明に用いら
れるセルロース誘導体としては、セルロースのアセチル
化物、アセチルブチリル化物、アセチルプロピオニル化
物、ニトロ化物、カプロイル化物、ラウロイル化物、ベ
ンゾイル化物、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フ
タル酸との半エステル化物などのエステル化物、またエ
チル化物、エチルヒドロキシエチル化物、ヒドロキシプ
ロピル化物、メチル化物、ベンジル化物、シアノエチル
化物などのエーテル化物などが挙げられるがこれに限定
されるものではない。この中でアセチル化物、アセチル
ブチリル化物、アセチルプロピオニル化物およびエチル
化物が好ましい。各種置換基の置換度(D.S.:Degree o
f substitution)は、セルロースを有機溶剤可溶ならし
めるならば、0<D.S.<3.0 の範囲で如何なる値であっ
てもかまわない。以下に一般式(2)で表される繰り返
し単位からなる架橋性ポリマーの好ましい構成例を列挙
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/032 G03F 7/032 7/06 501 7/06 501

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に剥離促進層、そして重合性化
    合物または架橋性ポリマーを含む硬化性層とハロゲン化
    銀を含む感光性層とが設けられており、さらに還元剤を
    含み、画像露光する工程、加熱して露光された部分また
    は露光されない部分に対応する硬化部と未硬化部とを硬
    化性層に形成する工程、そして硬化性層の未硬化部を感
    光性層と共に支持体および剥離促進層から剥がし取り、
    硬化部からなる残留画像を支持体上に形成する工程を有
    する画像形成方法に用いる感光材料において、該硬化性
    層が下記一般式(1)および/又は(2)で表される繰
    り返し単位からなる架橋性ポリマーを含有する事を特徴
    とする感光材料。 一般式(1) 【化1】 式中R1 は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下の
    アルキル基を表す。P1はエチレン性不飽和基を含む一
    価の基であり、L1 は単結合もしくは二価の有機連結基
    である。Aはエチレン性不飽和モノマーから誘導される
    繰り返し単位を表す。aおよびbは重量%を表し、aは
    0.5以上99.5以下、bは 0.5以上99.5以下である。 一般式(2) 【化2】 式中、R3 は(i)水素原子、(ii)−OR3 基がエス
    テル基もしくはエーテル基となるような一価の有機基、
    (iii)P2 −L2 −のいずれかであるが、R3 が同時に
    全て水素原子であることはない。ここでP2 はエチレン
    性不飽和基を含む一価の基であり、L2 は二価の有機連
    結基である。P2 −L2 −で表される置換基の一般式
    (2)中における重量%は0.01重量%以上80重量%以下
    である。nは20以上1000未満の数である。
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