JPH10138691A - ホワイトボード用シート - Google Patents

ホワイトボード用シート

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JPH10138691A
JPH10138691A JP30456096A JP30456096A JPH10138691A JP H10138691 A JPH10138691 A JP H10138691A JP 30456096 A JP30456096 A JP 30456096A JP 30456096 A JP30456096 A JP 30456096A JP H10138691 A JPH10138691 A JP H10138691A
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JP
Japan
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layer
whiteboard
adhesive layer
sheet
writing
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JP30456096A
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English (en)
Inventor
Takehisa Kimura
剛久 木村
Masaaki Kitaguchi
雅章 北口
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Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】筆記性に優れ、貼着作業性のよいホワイトボー
ド用シートを提供する。 【解決手段】ホワイトボード用シートは、可撓性のある
基材1の表面に熱硬化型樹脂或いは光硬化型樹脂を含む
架橋硬化被膜から成る筆記層2を形成し、基材1の裏面
に粘着層3を形成してなり、粘着層3はその表面から突
出する多数の小凸部が形成されている。このような粘着
層3を介して既存のホワイトボードや板等の被貼着材に
シートを貼着してホワイトボードを構成する。粘着層3
の小凸部以外の部分と被貼着材に隙間があることから、
貼着時に空気等がたまる「ふくれ」を生じることがない
ので、広面積のものも容易に貼着でき、またこの隙間に
よってクッション性が付与され、筆記性が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホワイトボードと
して用いられる筆記用シートに関し、特に筆記性及び貼
着の作業性の向上を図ったホワイトボード用シートに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、従来の黒板の代りに、いわゆるホ
ワイトボードと称される、水性又は油性インキのフェル
トペン等で書き、拭取りにより消去できる筆記板が多用
されている。この筆記板のうち巻取のできる軟質のもの
は、例えば電子写真複写装置と組み合わされて、記載し
た文字、図形等を直ちに複写できるようにした製品にも
用いられている。このような軟質ホワイトボードはポリ
エステル、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂等の可撓性合
成樹脂フィルムのような基材の表面にメラミン系樹脂や
含フッ素系樹脂から成る筆記層を設けた積層構造のシー
トから成る。
【0003】また硬質のものとしては、鉄、ステンレス
等の金属板から成る基材に直接上述した材料からなる筆
記層を設けて、磁石片を付けた筆記具やマグネットクリ
ップなどを吸着できるようにしたものがある。
【0004】更にホワイトボードとしては基材と筆記層
との間に方眼や罫線等のパターンが形成されているもの
も広く用いられており、このようなホワイトボードでは
パターンは基材上に印刷により施されていた。
【0005】一方、このような既存のホワイトボードと
は別に、透明な可撓性プラスチックシートからなる基材
の片面に、ホワイトボードと同様の筆記性を有するハー
ドコート層を設け、他面に再剥離性粘着材の層を設けた
再剥離性シートが提案されている(特開平1−1452
00号)。この再剥離性シートは、カレンダー等の任意
の場所に貼着することにより、被貼着物にホワイトボー
ドと同じようにフェルトペンによる書込や消去を行うこ
とを可能にする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
ホワイトボードには以下のような問題がある。まず硬質
の基材上に筆記層を設けたものは、基材が金属板である
ため一般に重く、またクッション性がないので書き味が
よくない。また硬質、軟質いずれのホワイトボードも印
刷によってパターンを設ける場合には、例えば特注品の
ように1つしか製造しない場合、そのために製版するこ
とになるので、製造コストが高騰するという問題があ
る。また特開平1−145200号に記載されるような
再剥離性シートをホワイトボード用シートに転用しよう
とした場合、ホワイトボードのような広面積のものに貼
付するときに被貼着材と再剥離性シートとの間に空気が
入ってしまい、密着して貼付することができない。また
この場合にも被貼着材が金属のような硬質の板の場合に
はクッション性は改善されない。
【0007】本発明は、かかる問題を解決し、クッショ
ン性が良好で書き味がよく、既存のホワイトボードや任
意の基材を利用して容易にホワイトボードを構成するこ
とができるホワイトボード用シートを提供することを目
的とする。また本発明は少量多品種に対応できる、パタ
ーンを備えたホワイトボード用シートを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明のホワイトボード用シートは、可撓性のある基
材と、該基材の一方の面に形成された筆記層と、基材の
他方の面に形成された粘着層とから成り、粘着層はその
層表面から突出する多数の小凸部又は細凸条が形成され
ているものである。また本発明のホワイトボード用シー
トは、可撓性のある基材と、該基材の一方の面に形成さ
れた筆記層と、基材の他方の面に形成された金属薄膜層
と、該金属薄膜層に設けられた粘着層とから成り、粘着
層はその層表面から突出する多数の小凸部又は細凸条が
形成されているものである。
【0009】粘着層を備えることにより任意の被貼着材
に貼着してホワイトボードを構成することができ、この
際、多数の小凸部又は細凸条が形成された粘着層を備え
ることにより、筆記面にクッション性を与え、書き味を
よくすることができる。また基材の他方の面に金属薄膜
層が設けられていることにより、マグネット等を吸着さ
せることができ、しかも金属板よりも軽量化を図ること
ができる。
【0010】これらホワイトボード用シートは、好適に
は基材の少なくとも筆記層の設けられる面が白色であ
る。
【0011】また本発明のホワイトボード用シートは、
基材に予め罫線、符号、模様等の画像(パターン)が形
成されていてもよく、この場合パターンは、基材の筆記
層が形成される表面に、露光・現像処理による方法、静
電転写記録方法、インクジェット記録方法及び感熱転写
記録方法から選ばれるいずれか一の記録方法により形成
される。パターンを印刷によって形成するのではないの
で、印刷版等を不要とし、低コストで少量多品種のホワ
イトボードを製造できる。
【0012】基材にパターンが形成されたホワイトボー
ド用シートでは、筆記層は、透明プラスチックフィルム
表面に架橋硬化被膜を有し、裏面に粘着層を有し、該粘
着層が画像に重なるように基材にラミネートされている
ことが好ましい。これにより任意のパターンを形成した
後、筆記層をラミネートすることにより容易にホワイト
ボード用シートを構成することができる。この粘着層
も、基材裏面に形成される粘着層と同様に層表面から突
出する多数の小凸部又は細凸条が形成されている粘着層
とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のホワイトボード用
シートを図面に示す実施例を参照して更に具体的に説明
する。図1は本発明のホワイトボード用シートの一実施
例を示す断面図で、基本的な構成要素として可撓性のあ
る基材1と、基材1の表面に形成される筆記層2と、基
材1の裏面に形成される粘着層3とを備えている。粘着
層3には剥離シート4が貼着されている。
【0014】基材1としては、ポリエステル、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、AB
S、ナイロン、ポリプロピレン等のプラスチック材料か
ら成る可撓性のあるプラスチックシートが用いられ、こ
れら基材は透明であっても白色であってもよい。
【0015】白色の基材としては、上述のようなプラス
チック材料に白色顔料を練り込んだプラスチックシー
ト、無数のボイドを有する発泡フィルム、基材1の筆記
層2が設けられる面に白色顔料を含む塗料を塗布したも
のなどを用いることができる。基材として白色のものを
用いた場合には、既存のホワイトボード、黒板、壁等に
貼着してホワイトボードと同じように用いることができ
る。また基材として透明な材料を用いた場合には、ホワ
イトボード用シート全体として透明なシートとすること
ができ、予め罫線、符号、模様等の画像が形成されたホ
ワイトボードに貼着して用いることができる。
【0016】基材1は、図2に示すように予め筆記層2
との間に罫線、符号、模様等の画像10が形成されてい
てもよい。画像10は印刷によって形成することも可能
であるが、好適には基材となる材料として露光・現像処
理による方法、静電転写記録方法、インクジェット記録
方法及び感熱転写記録方法から選ばれるいずれか一の記
録方法により画像形成可能な層を形成してなる画像形成
材料を用い、この画像形成層に所定の方法で画像10を
形成したものを基材1とする。画像10の形成方法とし
て印刷ではなく画像形成材料を用いることにより、製版
工程を不要とし、画像形成の作業時間、製造コストを低
減することができる。
【0017】このような画像形成材料としては、図3
(a)に示すようにプラスチックフィルム11上に、露
光・現像処理により当該露光部分あるいはそれ以外の部
分が染色若しくは発色する層又は溶解若しくは膨潤剥離
する層を有する感光層、PPC、レーザープリンター若
しくは静電プロッター等の静電転写記録に適したインク
易接着層、インクジェットプリンター等のインクジェッ
ト記録による画像形成可能なインク受容層、感熱転写記
録層等からなる画像形成可能な層12を有する画像形成
フィルム等が挙げられる。
【0018】これら画像形成材料は、必要に応じてプラ
スチックフィルムと画像形成可能な層との間に下引き
層、着色層等のその他の層を有するものであってもよ
い。
【0019】また画像形成可能な層を形成する前にプラ
スチックフィルムに罫線や方眼等の定形パターンを薄い
緑色等のインクで印刷しておいてもよい。図3(b)に
このような基材1の一例を示した。この基材1は、予め
パターン13が印刷されたプラスチックフィルム11上
に画像形成可能な層12が形成された画像形成材料の層
12に、露光・現像処理による方法、静電転写記録方
法、インクジェット記録方法、感熱転写記録方法等によ
り罫線等の画像10を形成したもので、このような基材
1の画像10が形成された面に後述する筆記層2を形成
し、他面に粘着層3を形成することにより、ホワイトボ
ード用シートが得られる。このようにプラスチックフィ
ルムに汎用性のあるパターンを形成した画像形成材料を
用いて基材1を作成した場合には、最終的にパターン1
3と所望の画像10が形成されたホワイトボード用シー
トを得ることができる。また画像を形成しない場合で
も、パターン13のみが形成されたホワイトボード用シ
ートを得ることができる。
【0020】尚、画像形成材料の厚さは特に限定されな
いが、可撓性を必要とする観点から25〜188μmの
範囲のものを使用する。
【0021】次に、基材1の裏面に形成される粘着層3
について説明する。本発明のホワイトボード用シートに
おいて粘着層3は、図4に示すように層表面から突出す
る多数の小凸部31又は細凸条32が形成されているも
の(以下、マトリックス粘着層と称する。)を用いる。
このような粘着層3を設けることにより、サイズの大き
なシートであっても他の部材に容易に貼着でき、しかも
貼着した際に被貼着部材と粘着層3との間に空気が入っ
たり、被貼着部材からガスが発生したりしても、小凸部
31以外の部分と被貼着部材との隙間から気体が抜ける
ため所謂「ふくれ」が発生することない。また貼着後、
この隙間がホワイトボード用シートにクッション性を与
え、筆記性を改良することができる。
【0022】粘着層3の材質としては、小凸部或いは細
凸条を形成できる程度の粘性を有するものであればよ
く、例えばアクリル系、ポリエステル系、ゴム系、シリ
コーン系等の公知の粘着剤が使用可能である。小凸部の
形状は図示する円錐形や四角錐形などの定形のものの
他、雲型等任意の形状にすることができ、上記効果を得
るために、小凸部31の高さ寸法は、3μm〜50μm
の範囲程度、好適には15μm〜25μm程度とし、小
凸部31間の間隔は50μm〜1000μm、好適には
100μm〜500μmとする。小凸部31の高さが5
0μmを超えるか、間隔が1000μmを超えると金属
板に貼り合わせた場合に磁石がつきにくくなり、粘着層
3の凹凸が筆記層2の表面形状に影響を与えるだけでな
く、クッション効果が大きすぎることに起因して書込み
にくくなる。また小凸部31の高さが3μmより少ない
か、又は間隔が50μmより少ないと、クッション性を
付与することができない。
【0023】また細凸条32は図示する線状の形状の
他、波状、格子状、蜂の巣状等の形状にすることがで
き、この場合には上記効果を得るために、凸条の幅寸法
を0.1mm〜2.0mm程度とし、条間の相互間隔を3mm
〜20mm程度とすることが好ましい。
【0024】このマトリックス粘着層3は、図5(a)
に示すようにエンボスや印刷により小凸部31或いは細
凸条32に対応する凹部41或いは溝が形成された離型
シート4に粘着剤を塗布し、乾燥させて粘着層3を形成
した後、この粘着層3上に、筆記層2が形成される前或
いは形成された後の基材1の他面を接着させることによ
り形成することができる。或いは図5(b)に示すよう
に離型シート4に粘着剤を塗布・乾燥させて粘着層3を
形成したものを、プラスチックフィルムや不織布等の支
持体33に両面に接着させた両面タイプの粘着層材料を
用いて、一方の離型シート4を剥離して、ホワイトボー
ド用シートの基材1の裏面に貼着してもよい。残った離
型シート4は、そのままホワイトボード用シートのセパ
レータとして利用できる。
【0025】筆記層2は、水性又は油性インキのフェル
トペン等で書き、拭取りにより消去できる材料、具体的
には熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂を含む架橋硬化被
膜から成る。筆記層2を構成する樹脂として、作業性の
点から光硬化型樹脂、特に紫外線或いは電離放射線硬化
型の樹脂が好ましい。電離放射線硬化型樹脂としては、
不飽和ポリエステル、ポリエーテルアクリレート、ポリ
エステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタ
ンアクリレート、スピロアセタールアクリレート等のア
クリル基を有するもの、ポリブタジエン樹脂、ポリチオ
ールポリエン樹脂等を用いることができる。
【0026】上記の電離放射線硬化型樹脂は単独でも使
用可能であるが、硬化性、硬化塗膜の硬度を向上させる
ため、多官能モノマーを加えることが好ましい。このよ
うな多官能モノマーとして、トリメチルオールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、もしくはジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート等の3官能モノマー、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、もしくは1,6−ヘキサンジオールアクリ
レート等の2官能モノマー、又は4官能モノマー、5官
能モノマーもしくは6官能モノマーのうちから適宜選択
して用いることができる。
【0027】この他、電離放射線硬化型樹脂には種々の
添加剤を添加しうるが、硬化の際に紫外線を用いるとき
は光開始剤、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタ
ール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシロキシムエス
テル、もしくはチオキサンソン類等、或いは紫外線の増
感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、も
しくはトリ−n−ブチルホスフィン等を添加することが
できる。
【0028】更に電離放射線硬化型樹脂を主体とする組
成物には、硬化後の塗膜の艶を調整する意味で艶消剤を
含有させることができる。艶消剤としては、シリカ、炭
酸カルシウム、沈降性炭酸バリウム等の無機物粒子、も
しくはフッ素系粒子、ポリエチレン粒子、アクリル粒子
等の有機物粒子を用いることができる。但し、基材1上
に画像が形成されたものである場合、その添加量は下の
画像が透視できる程度の量、具体的には全光線透過率が
80%以上となる量である必要がある。
【0029】筆記層2は、上述した熱硬化型樹脂又は光
硬化型樹脂を主成分とする組成物を、通常のコーティン
グ方法により基材1表面にコーティングした後、熱硬化
させるか或いは紫外線もしくは電子線を用いて電離放射
線照射を行ない、塗膜を架橋硬化させることにより形成
できる。或いは筆記層2は、図6(a)、(b)に示す
ようにポリエステルフィルム等の透明プラスチックフィ
ルム20上に熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂を含む架
橋硬化被膜21を形成した材料を基材1に粘着層(第2
の粘着層)22を介してラミネートすることにより形成
することができる。粘着層22を介したラミネートによ
り貼り合わせて筆記層2を形成する方法は、シート全体
に可撓性を付与できる点で、また例えば粘着層22に紫
外線吸収剤を添加した場合に耐候性を付与できる点で好
ましい。
【0030】筆記層2の裏面に形成される粘着層22
は、透明プラスチックフィルム20の全面に粘着剤を平
滑に塗布して形成したものであってもよいが、基材1の
裏面に形成される粘着層3と同様に、マトリックス粘着
層としてもよい(図6(b))。この場合、粘着層22
の材質、小凸部或いは細凸条の形状、サイズ等は粘着層
3と同様であり、マトリックス粘着層22とすることに
より、基材への貼着が容易となり、しかも貼着した際に
基材1と筆記層2との間に「ふくれ」が発生することな
い。また貼着後、ホワイトボード用シートにクッション
性を与え、筆記性を改良することができる。
【0031】尚、図6では基材1としてプラスチックフ
ィルム11上に画像10が形成されているもの或いは直
接画像10が形成されているものを示したが、筆記層2
と基材との組合せは図示するものに限定されるものでは
なく、画像の形成されていない基材等前述した構成を任
意に組合せることができる。
【0032】更に本発明のホワイトボード用シートに
は、帯電防止処理を施すことも有効である。特に、複写
をとる際、若しくは回転して裏面を使用する際にシート
を移送させるために、摩擦による電荷がたまりやすく、
かかる電荷を逃がすために基材1上の筆記層2側もしく
はその反対面、または筆記層2上のいずれか一層以上を
帯電防止処理しておくとよい。
【0033】帯電防止処理は種々の方法により達成され
うるが、例えば、帯電防止剤をコーティングするか、シ
ート中に練り込む等によればよい。帯電防止剤としては
カチオン性、アニオン性、ノニオン性、両性の各種界面
活性剤、金属粉、カーボン粉もしくはグラファイト等の
無機物、又はシロキサン系コーティング剤を使用するこ
とができる。
【0034】以上のように構成される本発明のホワイト
ボード用シートは、剥離シート4を粘着層3から剥離し
た後、粘着層3を図7に示すように鉄、ステンレス、亜
鉛等の金属板5に貼着することにより、磁石の吸着が可
能なホワイトボードを構成することができる。この場
合、金属板に直接ホワイトボードの筆記層を構成する樹
脂組成物をコーティングして製造する従来のホワイトボ
ードに比べ、製造が容易でまた金属板5と筆記層2との
間にクッション性のあるマトリックス粘着層3が存在す
ることにより、筆記性を改善することができる。本発明
のホワイトボード用シートは、金属板のみならず既存の
ホワイトボードや黒板、壁、家具等に貼着して使用する
こともでき、同様の効果を得ることができる。ホワイト
ボード用シートが不要になった場合でも、被貼着材から
の剥離が容易で、被貼着材に粘着剤が残ることがない。
【0035】次に本発明のホワイトボード用シートの他
の態様を説明する。図8に示すホワイトボード用シート
は、基本的な構成要素である基材1と筆記層2とマトリ
ックス粘着層3とは図1のホワイトボード用シートと同
様であるが、基材1の裏面1bとマトリックス粘着層3
との間に金属薄膜層6が形成されている。基材1と筆記
層2とマトリックス粘着層3の構成については、上述し
た各層の種々の構成を任意に組合せて採用できる。
【0036】金属薄膜層6は、基材1に鉄、コバルト、
ニッケル等の金属の蒸着、金属箔の貼着或いは金属ペー
ストのコーティング等によって形成することができる
が、特に基材1及び粘着層3との接着性の点からコーテ
ィングが好適である。金属ペーストは、バインダー樹脂
中に上述した金属の粉末を分散させたもので、好適には
バインダー樹脂100重量部に対し300〜500重量
部の金属を含むものを用いる。金属薄膜層の厚さは、特
に限定されないが、得られるホワイトボード用シートに
磁石吸着性をもたせるために100μm〜3000μm
程度が適当である。
【0037】また筆記層2として図6に示すようにプラ
スチックフィルム20上に架橋硬化被膜21を形成した
材料を用いる場合には、その粘着層22を薄い金属板に
直接ラミネートしてもよい。この場合には、プラスチッ
クフィルム20は基材1として機能するので、透明では
なく白色に着色されたものを用いることが好ましい。
【0038】このように金属薄膜或いは薄い金属板を含
む構造のホワイトボード用シートは、剥離シート4を剥
離後、クッション性のある粘着層3を介して任意の被貼
着材に貼着することにより、磁石吸着可能なホワイトボ
ードを構成することができ、しかも基材が金属から成る
ホワイトボードや通常の金属板にホワイトボード用シー
トを貼着する場合に比べ、軽量化することができる。
【0039】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
尚、特に断らない限り下記実施例において「部」は「重
量部」を表す。
【0040】実施例1 1.基材・筆記層の作成 75μmの白色ポリエステルフィルム上に、以下の着色
層塗工液、感光層用塗工液、保護層用塗工液を順次、メ
イヤーバーで塗布し、オーブンで乾燥させることにより
約2μmの着色層、約2μmの感光層及び約0.5μm
の保護層を有する感光性フィルムを得た。
【0041】この感光性フィルムをネガ原稿を使い、2
kW超高圧水銀灯を使用して1mの距離から60秒露光
後、pH12の現像液により現像して着色レリーフ画像
を形成させて図3(a)に示すような構造の基材1を得
た。 〈着色層用塗工液〉 ・カーボンブラック 2部 (MA−100:三菱化学社) ・メタクリル酸メタクリル酸エステル共重合体 4部 (メタクリル酸メチル30モル%、 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル40モル%、 メタクリロニトリル27モル%、 メタクリル酸3モル%、からなる4元共重合体) ・蒸留水 92部 ・28%アンモニア水 1部 ・シリコーン系界面活性剤 1部 (FS−XB−2725:ダウコーニング社) 〈感光層用塗工液〉 ・メタクリル酸エステル共重合体 10部 (メタクリル酸メチル50モル%、 メタクリル酸ブチル10モル%、 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル20モル%、 メタクリル酸ジメチルメチルアミノエチル20モル%、 からなる4元共重合体) ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部 ・ベンゾフェノン 0.5部 ・ミヒラーケトン 0.3部 ・パラメトキシフェノール 0.02部 ・酢酸エチル 54.18部 ・酢酸ブチル 30部 〈保護層用塗工液〉 ・ポリビニルアルコール 4部 (ゴーセノールKH−17:日本合成化学工業社) ・蒸留水 95.6部 ・シリコーン系界面活性剤 0.4部 (FS−XB−2725:ダウコーニング社) 次いで上記基材1の着色レリーフ画像10形成面に、以
下の筆記層用塗工液メイヤーバーにて塗布し、高圧水銀
灯により紫外線を1〜2秒照射して、厚さ4μmの筆記
性硬化型樹脂層2を設けた。 〈筆記層用塗工液〉 ・紫外線硬化型樹脂 26部 (ユニディック17−824−9:大日本インキ化学工業社) ・メチルエチルケトン 17部 ・トルエン 17部 ・エチルセロソルブ 17部 ・開始剤 0.63部 (イルガキュア184:チバガイギー社) 2.マトリックス粘着層の作成 一方、坪量110g/m2の上質紙にポリエチレンを3
0μm厚さにラミネートし、円錐形の凹部を、縦横を1
mm間隔毎に、開口部内径を0.3mmに、かつ深さを
20μmになるようエンボスにより形成して離型シート
4を形成した。
【0042】この離型シート4の円錐形の凹部が形成さ
れた面に、シリコン樹脂を塗布して剥離処理を施し、こ
の面に、アクリル系粘着剤(BPS−5160:東洋イ
ンキ製造社)を70g/m2塗布し乾燥して粘着層3を
形成した(図5(a))。 3.基材部と粘着層と積層 この離型シートの粘着層3面と、1.で作成した基材の
筆記層形成面とは反対面とを貼り合わせて、図2に示す
構造のホワイトボード用シートを得た。
【0043】このホワイトボード用シートの離型シート
4を剥離し粘着層3を露出させてみたところ、下端部外
径が300μmで高さ寸法が20μmの独立した粘着剤
の小凸部が縦横に1mm間隔毎に並んで現れた。この粘
着層面を壁に対向させて貼り合わせて、市販のマーカー
ペン(水性:パイロット社)にて筆記層上に書き込みを
したところ、書き味が抜群に良かった。 実施例2 実施例1と同様にして、白色ポリエステルフィルム上に
着色レリーフ画像を形成した後、これに重ねて筆記性硬
化型樹脂層(筆記層)を設けた。
【0044】次に、白色ポリエステルフィルムの筆記性
硬化型樹脂層面とは反対面に、ポリエステル樹脂(バイ
ロン#200:東洋紡績社)10部と鉄粉30部をメチ
ルエチルケトン40部、トルオール30部及びアノン2
0部からなる混合溶媒90部に分散させた金属薄膜層用
塗工液をメイヤーバーにて塗布し、オーブンにて乾燥さ
せて、厚さ μmの金属薄膜層6を形成した。
【0045】また、実施例1と同様にして、離型シート
4上にマトリックス粘着層3を形成し、この粘着層3面
と、上記基材の金属薄膜層6面とを貼り合わせて、図8
に示す構造のホワイトボード用シートを得た。
【0046】このホワイトボード用シートの離型シート
4を剥離し粘着層3を露出させてみたところ、下端部外
径が300μmで高さ寸法が20μmの独立した粘着剤
の小凸部が縦横に1mm間隔毎に並んで現れた。
【0047】このホワイトボード用シートに、市販のマ
ーカーペン(油性:パイロット社)を用いて筆記層上に
書き込みをしたところ、書き味が抜群に良かった。ま
た、直径3cmの市販の円形磁石を吸磁させたところ、
十分に吸磁した。 実施例3 1.筆記層の作成 厚さ50μmの透明ポリエステルフィルムの上に、以下
の塗工液をメイヤーバーにて塗布し、高圧水銀灯により
紫外線を1〜2秒照射して、厚さ4μmの筆記性硬化型
樹脂層を設けた。 〈塗工液〉 ・紫外線硬化型樹脂 26部 (ユニディック17−824−9:大日本インキ化学工業社) ・メチルエチルケトン 17部 ・トルエン 17部 ・エチルセロソルブ 17部 ・開始剤 0.63部 (イルガキュア184:チバガイギー社) 別に実施例1のマトリックス粘着層の作成に記載された
のと同様にして離型シート上にマトリックス粘着層を形
成し、この離型シートの粘着層面と、上記透明ポリエス
テルフィルムの筆記性硬化型樹脂層面とは反対面とを貼
り合わせて、多層構造からなる筆記層を形成した。
【0048】そして、離型シートを剥離し粘着層を露出
させてみたところ、下端部外径が300μmで高さ寸法
が20μmの独立した粘着剤の小凸部が縦横に1mm間
隔毎に並んで現れた。 2.基材の作成 実施例1と同様にして、白色ポリエステルフィルム上に
着色レリーフ画像を有する基材を得た。この基材の着色
レリーフ画像形成面に、上述した多層構造の筆記層の粘
着層を貼り合わせて、表面に筆記性硬化型樹脂層が形成
された基材を得た。 3.マトリックス粘着層の形成 実施例1と同様にして、離型シート上にマトリックス粘
着層を形成した。 4.基材部と粘着層と積層 この離型シートの粘着層面と、基材の筆記性硬化型樹脂
層とは反対面とを貼り合わせて、図6(b)に示すよう
な構造の本発明のホワイトボード用シートを得た。この
粘着層3面を壁に対向させて貼り合わせて、市販のマー
カーペン(水性:パイロット社)にて筆記層上に書き込
みをしたところ、書き味が抜群に良かった。
【0049】
【発明の効果】本発明のホワイトボード用シートは、上
記の構成からなっているので、任意の被貼着材に貼着し
てホワイトボードを構成することができ、その際サイズ
の如何に拘らず貼着作業が容易で、しかも得られるホワ
イトボードの筆記性が良好である。また被貼着材として
鉄板等の金属板を用いることにより、金属板に直接ホワ
イトボード用筆記層を設けたものに比べ容易に磁石吸着
可能なホワイトボードを提供できる。更に本発明のホワ
イトボード用シートは、基材の一部に金属薄膜層を備え
ることにより、それ自体に磁石吸着性を持たせることが
できる。
【0050】また本発明のホワイトボード用シートは、
基材として画像形成材料を用いて罫線等の画像を形成し
たものを用いることにより、従来の印刷により罫線や方
眼を形成するものに比べ、少量多品種のオーダーに迅速
に対応することができる。これに加えて、筆記層をラミ
ネートにより形成することとする場合には、最終形態に
おけるホワイトボード用シート全体の可撓性を向上させ
ることができるという効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホワイトボード用シートの一実施例
を示す断面図
【図2】 本発明のホワイトボード用シートの他の実施
例を示す断面図
【図3】 本発明のホワイトボード用シートの基材の一
実施例を示す斜視図
【図4】 本発明のホワイトボード用シートの粘着層を
示す斜視図
【図5】 (a)及び(b)はそれぞれ本発明のホワイ
トボード用シートの粘着層の製造方法の一例を示す図
【図6】 (a)及び(b)はそれぞれ本発明のホワイ
トボード用シートの異なる実施形態を示す断面図
【図7】 図1のホワイトボード用シートの使用例の断
面図を示す。
【図8】 本発明のホワイトボード用シートの他の実施
例を示す断面図
【符号の説明】
1…基材 2…筆記層 3…粘着層 6…金属薄膜層 10…画像 21…架橋硬化被膜 22…粘着層(第2の粘着層) 31…小凸部 32…細凸条

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性のある基材と、該基材の一方の面に
    形成された筆記層と、前記基材の他方の面に形成された
    粘着層とから成り、前記粘着層はその層表面から突出す
    る多数の小凸部又は細凸条が形成されていることを特徴
    とするホワイトボード用シート。
  2. 【請求項2】可撓性のある基材と、該基材の一方の面に
    形成された筆記層と、前記基材の他方の面に形成された
    金属薄膜層と、該金属薄膜層に設けられた粘着層とから
    成り、前記粘着層はその層表面から突出する多数の小凸
    部又は細凸条が形成されていることを特徴とするホワイ
    トボード用シート。
  3. 【請求項3】前記基材は、少なくとも前記筆記層の設け
    られる面が白色であることを特徴とする請求項1又は2
    記載のホワイトボード用シート。
  4. 【請求項4】前記基材は、前記筆記層が形成される表面
    に、露光・現像処理による方法、静電転写記録方法、イ
    ンクジェット記録方法及び感熱転写記録方法から選ばれ
    るいずれか一の記録方法により、罫線、符号、模様等の
    画像が形成されていることを特徴とする請求項1ないし
    3いずれか1項記載のホワイトボード用シート。
  5. 【請求項5】前記筆記層は、プラスチックフィルム表面
    に架橋硬化被膜を有し、裏面に第2の粘着層を有し、該
    第2の粘着層が前記画像に重なるように前記基材にラミ
    ネートされていることを特徴とする請求項4のホワイト
    ボード用シート。
  6. 【請求項6】前記第2の粘着層は、その層表面から突出
    する多数の小凸部又は細凸条が形成されていることを特
    徴とする請求項5記載のホワイトボード用シート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009048176A1 (ja) 2007-10-12 2009-04-16 Lintec Corporation 粘着シート及びその製造方法
JP2014037116A (ja) * 2012-08-20 2014-02-27 Bridgestone Corp 積層体の製造方法
JP2018205499A (ja) * 2017-06-02 2018-12-27 大洋株式会社 壁面表示具および掲示物止め固定用治具
JP2020059262A (ja) * 2018-10-13 2020-04-16 フジコピアン株式会社 ホワイトボードシート

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