JPH10138360A - 動力伝動用ベルトの製造方法 - Google Patents

動力伝動用ベルトの製造方法

Info

Publication number
JPH10138360A
JPH10138360A JP31297396A JP31297396A JPH10138360A JP H10138360 A JPH10138360 A JP H10138360A JP 31297396 A JP31297396 A JP 31297396A JP 31297396 A JP31297396 A JP 31297396A JP H10138360 A JPH10138360 A JP H10138360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber layer
mold
transmission belt
manufacturing
power transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31297396A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Yamamoto
祐二 山本
Hiroshi Ikeda
寛 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP31297396A priority Critical patent/JPH10138360A/ja
Publication of JPH10138360A publication Critical patent/JPH10138360A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コグ部を正確に出現させ、更にベルトを作製
する際の作業工数を低減して、母型の使用回数を増加さ
せた動力伝動用ベルトの製造方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも一
方のゴム層にコグ部を配し、心線を接着ゴム層内に埋設
するように形成した動力伝動用ベルトの製造方法であ
り、モールド1上に伸張ゴム層、心線、そして圧縮ゴム
層を積層した成形体15を作製し、この成形体15の外
側に設けたゴム層に、円周方向に沿って所定の間隔で凸
状部32と凹状部31を交互に有するとともに該凸状部
32と凹状部31の表面に歯部帆布36を被覆した円筒
状の母型30を挿入設置した後、加硫することによって
該母型30によりゴム層の表面を型付けし、コグ部を正
確に出現させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力伝動用ベルトの
製造方法に係り、コグ部を正確に出現させ、上コグ部と
下コグ部の位置を狙い通りにして位置ずれを防止し、更
にベルトを作製する際の作業工数を低減するとともに、
母型の使用回数を増加させたローエッジシングルコグベ
ルトやローエッジダブルコグベルトのような動力伝動用
ベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の成形体の外周面にコグ部を付けた
ローエッジコグベルトの製造方法として、プリフォーム
製法やスパンコグ製法がその代表的なものである。プリ
フォーム製法では、予め用意したベルト周長よりも長い
平面状のゴク付母型の上に未加硫ゴムシートを設置し、
プレスにより加熱加圧して予備成形体を作製する。モー
ルドにゴム層、心線を巻き付けた後に、上記予備成形体
をこの上から巻き付けて突き合わせ、ガムテープでジョ
イントして成型を終え、加硫工程へ移行していた。ここ
で使用されたゴク付母型は、表面に所定の間隔で凸状部
と凹状部を交互に有し、その裏面に補強用帆布を積層し
ていた。
【0003】また、スパンコグ製法としては、例えば米
国特許第4,106,966号明細書に開示されている
ように、モールドに補強布、未加硫ゴムシート、心線、
そして未加硫ゴムシートを順次巻き付けて成形体を作製
した後、ベルトの外周長に見合った筒状のコグ付母型を
成形体に上から被せ、次にこの上からジャケットを挿入
して加硫することによって母型に設けたコグによりゴム
層の表面を型付けするものであった。加硫後は、作業者
によりジャケットから母型付の成形体を抜き、そして母
型を除去していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プリフォーム製法で
は、補強布と未加硫ゴムシートとを予め形成しているた
めに正確なゴク部が成形されるが、プリフォームする工
程が付加されることから、コスト高になる問題があっ
た。しかも、作業者が平面状のゴク付母型の上に未加硫
ゴムシートを設置してプレスにより加熱加圧して得た母
型付きシート体をカッターにより所定長さに切断する時
には、シート体のコグ部が外から見えないために、コグ
山中央部を正確に切断していくことが困難であった。切
断した母型付きシート体を成形体の周りに巻き付けて突
き合わせてガムテープでジョイントしても、ジョイント
部に位置するコグ部の体積が他のコグ部と相違するた
め、得られたベルトも振れ、発音、回転変動等の品質異
常を起こすことがあった。また、母型は加硫時に補強用
帆布の熱収縮により変形することがあって、再使用が不
可能であり、母型の使用回数も限定されていた。
【0005】一方、スパンコグ製法では、プリフォーム
製法のもつ問題点は解決されたが、成形体と母型間に内
在する空気が残留して性格なコグ形状が成型されない問
題があった。
【0006】更に、ダブルコグベルトの製造方法におい
ては、作業者が外側の母型を挿入する際に、外側の母型
の位置が内側の母型からずれることがあり、上コグ部と
下コグ部の位置が合致しない問題が発生した。特に、最
近のスノーモービル等の駆動装置に使用される変速ベル
トは、寿命を高めるうえで耐側圧性と可撓性が強く要求
されており、上コグ部と下コグ部の位置を正確に合わせ
る必要があった。
【0007】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、コグ部を正確に出現させ、上コグ部と下コグ部
の位置を狙い通りにして位置ずれを防止し、更にベルト
を作製する際の作業工数を低減するとともに、母型の使
用回数を増加させた動力伝動用ベルトの製造方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも一
方のゴム層にコグ部を配し、心線を接着ゴム層内に埋設
するように形成した動力伝動用ベルトの製造方法におい
て、モールド上に伸張ゴム層、心線、そして圧縮ゴム層
を積層した成形体を作製し、この成形体の外側に設けた
ゴム層に、円周方向に沿って所定の間隔で凸状部と凹状
部を交互に有するとともに該凸状部と凹状部の表面に歯
部帆布を被覆した円筒状の母型を挿入設置した後、加硫
することによって該母型によりゴム層の表面を型付けす
ることにより、母型と成形体間に内在する空気の抜けを
良くして正確なコグ部の出現を可能とし、またスパンコ
グ製法であるためにベルトを作製する際の作業工数を低
減し、母型の使用回数を増やすことができる。
【0009】本願の請求項2記載の発明では、円筒状の
母型の歯部帆布として接着処理をしていないものを使用
するため、母型と成形体間の空気抜けをより良くして正
確なコグ部の出現を可能にする。
【0010】本願の請求項3記載の発明では、円筒状の
母型を成形体の外側に設けたゴム層に挿入して位置を合
わせするため、上コグ部と下コグ部の位置を狙い通りに
して位置ずれを防止することができる。
【0011】本願の請求項4記載の発明では、1つ以上
のガイド棒を成形体の表面でモールドの軸方向と平行に
配置し、その後円筒状の母型を上記ガイド棒に沿って挿
入して位置を合わせし、上記ガイド棒を除去した後で加
硫する方法であり、母型の位置を固定する治具を使用す
るために、特にダブルコグベルトの製法において圧縮ゴ
ム層と伸張ゴム層に設けるコグ部の位置を狙い通りにす
ることができる。
【0012】本願の請求項5記載の発明では、支持台が
中心部に設けた主突起部と、主突起部を中心とした同心
円上に設けた係止穴と、主突起部の中心から離れた位置
に隣接した位置合わせ突起を有しているため、モールド
を目的位置に正しく設置することができる。
【0013】本願の請求項6記載の発明では、モールド
の片方もしくは両方の側壁が中心部に設けた保持穴と、
円周方向に沿って設けた係止穴と、中心部から離れた部
位に設けた位置合わせ突起を有しており、請求項5記載
の発明と同様にモールドを設置するのが容易になる。
【0014】本願の請求項7記載の発明では、モールド
の保持穴を支持台に設けた主突起部に挿入するととも
に、モールドの位置合わせ突起を支持台の隣接した位置
合わせ突起の間に嵌入することにより、請求項5記載の
発明と同様にモールドを短時間に設置することができ
る。
【0015】本願の請求項8記載の発明では、複数のガ
イド棒が一定のピッチで配置されているため、母型を位
置に設置することができる。
【0016】本願の請求項9記載の発明では、ガイド棒
の折り曲がった一方の端部をモールドに設けた側壁の係
止穴に、また他方の端部を支持台に設けた係止穴に挿入
するため、ガイド棒の設置と抜き取りが容易で短時間に
作業を完了することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の動力伝動用ベル
トのうちのダブルコグベルトの製造方法を示す。図1は
ダブルコグベルトの製造方法においてモールド上で圧縮
ゴム層、心線、そして伸張ゴム層からなる成形体の作製
状態を示す図である。まず、歯部2と溝部3を交互に有
するモールド1を準備する。更に、1〜数枚の補強布5
と圧縮ゴム層になる未加硫ゴムシート6と接着ゴム層に
なる未加硫ゴムシートを積層し、これを別に準備した歯
部と溝部とを交互に配した平坦な金型の上に設置し、加
圧することによってコグ部8を型付けしたコグパッド9
を成型する。無論、本発明では、上記歯部2と溝部3を
交互に有するモールド1に代えて、円周方向に沿って所
定の間隔で溝部を設けた内母型を装着したモールドを使
用することもできる。
【0018】成形機(図示せず)にモールド1を装着
し、モールドの溝部3にコグパッドのコグ部8を嵌合し
ながら、所定長さのコグパッド9をモールド1に一周巻
き付けて端部を接触させた後、ポリエステル繊維、アラ
ミド繊維、ガラス繊維等のコードからなる心線10をス
パイラルに巻き付ける。その上に0〜数枚の補強布12
と伸張ゴム層の未加硫ゴムシート13の積層物を巻き付
けて、成形体15を作製する。
【0019】上記圧縮ゴム層および伸張ゴム層になるゴ
ムは、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ア
リキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニト
リルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属
塩との混合ポリマー等のゴム材の単独、またはこれらの
混合物に、例えばパラ系アラミド繊維(商品名:トワロ
ン、ケブラー、テクノーラ)、ナイロン、ポリエステ
ル、ビニロン、綿等の短繊維をベルト幅方向へ配向して
いる。この短繊維の添加量は、ゴム100重量部に対し
て5〜40重量部である。接着ゴム層には、上記短繊維
を含めてもよいが、好ましくは含めない。
【0020】補強布5、12は綿、ポリエステル繊維、
ナイロン等からなり、平織、綾織、朱子織等に製織した
布で、経糸と緯糸との交差角が90〜120°程度の広
角度帆布でもよい。上記補強布5、12は、RFL処理
した後、ゴム組成物をフィリクション・コーチングして
ゴム付帆布とする。RFL液はレゾルシンとホルマリン
との初期縮合物をラテックスに混合したものであり、こ
こで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレ
ン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化
ニトリル、NBRなどである。
【0021】しかして、本発明では、成形機から取り出
したモールド1を支持台20上に設置するが、上記モー
ルド1の片方もしくは両方の側壁16は、図1に示すよ
うに中心部に保持穴17と、円周方向に沿って設けた複
数の係止穴18と、中心部から離れた部位に設けた小さ
な位置合わせ突起19とを有している
【0022】一方、支持台20は図2に示すように中心
部に設けた主突起部21と、主突起部21を中心とした
同心円上に設けた係止穴23と、主突起部の中心から離
れた位置に隣接した1組の位置合わせ突起22とを有し
ている。
【0023】モールド1を支持台20上に設置する時、
モールド1の保持穴17を支持台20に設けた主突起部
21に挿入するとともに、モールド1の位置合わせ突起
19を支持台20の隣接した位置合わせ突起22の間に
嵌入すれば、モールド1を支持台20上で正しく、迅速
に固定することができる。
【0024】ガイド棒25は金属あるいは合成樹脂から
なり、折り曲がった一方の端部26から垂直に突出した
止め部27を、また他端には直線状の抜け易い形状の止
め部28を有し、設置と抜き取りが容易な形状になって
いる。図3〜図5に示すように、複数のガイド棒25は
両端の止め部27、28を該モールド1に設けた係止穴
18と支持台20に設けた係止穴23に挿入することで
固定される。この時、ガイド棒25は成形体15の表面
に接しているか、あるいはわずかに離れている。
【0025】図6はガイド棒25を成形体15の表面に
装着した後、加硫ゴム製からなる母型30をガイド棒2
5に沿って挿入するところを示している。即ち、母型3
0は、円周方向に沿って所定の間隔で設けた凹状部31
をガイド棒25に嵌入しながら挿入する。上記ガイド棒
25の断面の大きさは、母型30の凹状部31に完全に
嵌まり込む程度の大きさであってやや凹状部31より小
さい程度のものである。断面形状は円形、楕円形、四角
形などであり、特に限定しない。
【0026】続いて、全てのガイド棒25を抜き取った
後、成形体15を加硫缶へ移して通常の方法で加硫を行
う。加硫した後、ジャケット、母型30、続いて円筒状
のスリーブをモールド1から抜き取り、スリーブを所定
幅に切断してダブルコグベルト40を作製する。
【0027】図8は、本発明方法によって得られたダブ
ルコグベルト40の斜視図である。ダブルコグベルト4
0の構成は、接着ゴム層41内に心線42が埋め込ま
れ、接着ゴム層41の上部、下部には、それぞれ伸張ゴ
ム層43、圧縮ゴム層44がある。伸張ゴム層43、圧
縮ゴム層44には、それぞれ一定ピッチでベルト長手方
向に沿ったコグ部45、46が設けられている。本実施
例のベルトでは、伸張ゴム層43に設けたコグ部45の
溝底部と圧縮ゴム層44に設けたコグ部46の溝底部と
が一致している。むろん、本発明方法では、伸張ゴム層
43に設けたコグ部45の溝底部が圧縮ゴム層44に設
けたコグ部46の頂部に一致するように設定することも
できる。
【0028】シングルコグベルトを作製する場合には、
まず平坦面を有するモールドを準備し、この上に1〜数
枚の補強布、伸張ゴム層になる未加硫ゴムシート、接着
ゴム層になる未加硫ゴムシートを積層し、更に心線をス
パイラルに巻き付け、その上に圧縮ゴム層になる未加硫
ゴムシートと0〜数枚の補強布を巻き付けて、成形体を
作製する。この積層方法は、ダブルコグベルト40と全
く逆になっている。
【0029】続いて、母型30とジャケットを、成形体
15へ挿入する。その後、これを加硫缶へ設置して加硫
を行う。加硫した後、ジャケット、母型30、続いて円
筒状のスリーブをモールドから抜き取り、これを所定幅
に切断してシングルコグベルトを作製する。
【0030】母型30は、凹状部31と凸状部32を有
するコグ形成ゴム層37の表面に歯部帆布36を被覆し
ている。
【0031】歯部帆布36としては、経糸(長手方向)
に6ナイロン、6・6ナイロン、4・6ナイロン、6・
10ナイロン、12ナイロン等のポリアミド繊維、ポリ
エステル繊維、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、
ポリプロピレンのフィラメント糸や綿等の紡績糸であ
る。このフィラメント糸の構成は1本が10〜50デニ
ールのモノフィラメントを3〜25本引き揃えて、5〜
30回/10cmの撚りをSまたはZ方向に与えて経糸
としたものである。あるいは1〜6デニールのアラミド
繊維のフィラメントを10〜200本集束し、もしくは
これを撚り合わせたマルチフィラメント糸を用いること
ができる。一方、緯糸(円周方向)は伸縮性に富んだ糸
であり、例えばウレタン弾性糸、ポリアミド繊維の捲縮
加工糸、紡績糸等を組み合わせた構成からなっている。
そして、歯部帆布36は、平織、綾織、朱子織等に製織
した布であって、特に制限がない。
【0032】歯部帆布36では、必ずしもRFL処理、
エポキシ処理、イソシナネート処理、ソーキング処理な
どの接着処理をする必要はない。これは歯部帆布36の
構成糸内、また構成糸間の空気流れをよくしてゴム層の
表面を型付けする際の空気抜けをよくするためである。
【0033】コグ形成ゴム層37のゴムは、天然ゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アリキ
ル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニトリル
ゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩と
の混合ポリマー等のゴム材の単独、またはこれらの混合
物であって、特に制限がないが、これらは同質のゴムで
耐熱性に富んだものが好ましい。
【0034】母型30の製造方法としては、別に準備し
た歯部と溝部とを交互に配した平坦な金型の上に歯部帆
布36とコグ形成ゴム層37の未加硫ゴムシートを設置
し、加熱プレスして凹状部と凸状部を交互に有する加硫
したシート状の積層体を作製する。この積層体の所定距
離を置いた2つの凹状部の底部を切断した後、これを円
筒状になるように各端部面にゴム糊を塗布して突き合わ
せ、接合部分の平坦な背面にゴム引きした所定幅の帆布
を積層した後、加熱したプレスして加圧して円筒状の母
型30にする。母型30は、内周面に一定間隔で凸状部
32と凹状部31を交互に有するとともに該凸状部32
と凹状部31の表面に歯部帆布36を被覆している。母
型30の内周長は、成形体の外周長より10〜25mm
長くなっている。
【0035】母型30の他の製造方法としては、例えば
円周面に長手方向に延びる溝状部と歯状部とを円周方向
に沿って交互に設けた彫刻ドラムに、ミシンジョイント
やホットメルトジョイントした円筒状の歯部帆布を被
せ、その上にコグ形成ゴム層37になる所定厚みの未加
硫ゴムシートを巻き付けた後、これを通常の方法で加硫
して後、加硫した成形体を彫刻ドラムから脱型して母型
30とする。
【0036】尚、上記の方法はガイド棒25を用いた実
施態様であるが、本発明ではガイド棒25を使用する必
要はない。ガイド棒25を使用しない場合には、母型3
0を自由にモールド上に伸張ゴム層、心線、そして圧縮
ゴム層を積層した成形体15へ挿入することができる。
また、他の方法としては、支持台20と母型30のマー
クを付け、互いのマークが合致するように母型30を挿
入することもできる。
【0037】
【実施例】以下、更に具体的な実験例により本発明の効
果を確認する。 実施例1 6.6ナイロンからなる210デニールの経糸と6.6
ナイロンの140デニールと6.6ナイロンのスパンデ
ックス140デニールを撚り合わせた緯糸からなる綾織
物の歯部帆布の上にコグ形成ゴム層になる厚さ5mmの
SBRからなる未加硫ゴムシートを積層したものを、歯
部と溝部とを交互に配した平坦な金型の上に設置し、1
50°Cに温度調節した加熱プレスして凹状部と凸状部
を交互に有する加硫した積層体を作製した。この積層体
の所定距離を置いた2つの凸状部の頂部を切断した後、
これを円筒状になるように各端部面にゴム糊を塗布して
突き合わせ、接合部分の平坦な背面にゴム引きした所定
幅の帆布を積層した後、加熱したプレスして加圧して円
筒状の母型を作製した。
【0038】心線として、1,100デニールのポリエ
チレンテレフタレート繊維を上撚り数11.4回/10
cm、下撚り数21.0回/10cmで上下逆方向に撚
糸して2×3の撚り構成とし、トータルデニール6,6
00の未処理コードを準備した。次いで、この未処理コ
ードをイソシアネート系接着剤でプレディプした後、約
170〜180°Cで乾燥し,RFL液に浸漬した後、
200〜240°Cで延伸熱固定処理を行なって処理コ
ードとした。
【0039】補強布として、綿の紡績糸を使用し平織帆
布を用いた。これらの帆布をRFL液に浸漬した後、1
50°Cで2分間熱処理して処理帆布とした。その後、
これらの処理帆布にゴム組成物をフリクション・コーチ
ングして、ゴム付帆布とした。
【0040】圧縮ゴム層と伸張ゴム層はアラミドの短繊
維を含んだクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用
い、また接着ゴム層は短繊維を含まないクロロプレンゴ
ムからなるゴム組成物を用いた。
【0041】コグパッドは、1枚の補強布と圧縮ゴム層
の未加硫ゴムシートと接着ゴム層の未加硫ゴムシートを
積層し、歯部と溝部とを交互に配した平坦な金型に設置
し、80°Cで加圧することによってコグ部を型付けし
たコグパッドを形成した。
【0042】これらの材料を用意した後、平坦なモール
ドに装着した内母型にコグパッドを巻き付け、更に心
線、平坦な伸張ゴム層、補強布を順次巻き付けて成形体
を成形体を作製した。続いて、モールドを支持台の所定
位置に設置した後、6本のガイド棒を一定間隔で装着
し、母型をガイド棒にそって挿入した。上記全てのガイ
ド棒を除去した後、ジャケットを被せてモールドを加硫
缶に設置し、加硫してベルトスリーブを得た。このスリ
ーブをカッターによってV状に切断して個々のローエッ
ジダブルコグベルトに仕上げた。
【0043】得られたローエッジダブルコグベルトは、
上幅36.5mm、厚み16.5mm、長さ1310m
m、上コグ部の深さ5.0mm、下コグ部の深さ5.0
mmであり、上下コグ部ピッチ10.7mmであり、上
コグ部が正確し出現し、また上下コグ部の溝底部のずれ
は、最大1.5mmであった。また、上記母型を継続し
て6回使用することができた。
【0044】比較例1 母型として、6.6ナイロンからなる210デニールの
経糸と緯糸から織成した平織物とコグ形成ゴム層になる
厚さ5mmのSBRからなる未加硫ゴムシートを積層し
たものを、歯部と溝部とを交互に配した平坦な金型の上
に設置し、150°Cに温度調節した加熱プレスして凹
状部と凸状部を交互に有する加硫した積層体を作製し
た。この積層体の所定距離を置いた2つの凸状部の頂部
を切断した後、これを円筒状になるように各端部面にゴ
ム糊を塗布して突き合わせ、接合部分の平坦な背面にゴ
ム引きした所定幅の帆布を積層した後、加熱したプレス
して加圧して円筒状の母型を作製した。この母型は、内
面に平織物を有している。
【0045】他は、実施例1と全く同一の材料を用い
て、平坦なモールドに装着した内母型にコグパッドを巻
き付け、更に心線、平坦な伸張ゴム層、補強布を順次巻
き付けて成形体を作製した。続いて、モールドを支持台
の所定位置に設置した後、母型を挿入してジャケットを
被せ、このモールドを加硫缶に設置し、加硫してベルト
スリーブを得た。
【0046】上コグ部には、部分的に残留した空気によ
ると思われる窪みが見られ、正確なコグ部が形成されて
いなかった。また、上記母型を使用し、加硫を2回継続
してベルトスリーブを作製したが、加硫時の母型の熱収
縮が激しく、これ以上使用すると更に正確がコグ部を形
成することが困難になった。
【0047】
【発明の効果】以上のように本願の請求項1記載の発明
では、圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも一方のゴム
層にコグ部を配し、心線を接着ゴム層内に埋設するよう
に形成された動力伝動用ベルトの製造方法において、モ
ールド上に伸張ゴム層、心線、そして圧縮ゴム層を積層
した成形体を作製し、この成形体の外側に設けたゴム層
に、円周方向に沿って所定の間隔で凸状部と凹状部を交
互に有するとともに該凸状部と凹状部の表面に歯部帆布
を被覆した円筒状の母型を挿入設置した後、加硫するこ
とによって該母型によりゴム層の表面を型付けすること
により、母型と成形体間の空気抜けを良くして正確なコ
グ部の出現が可能にあり、またスパンコグ製法であるた
めにベルトを作製する際の作業工数を低減し、母型の使
用回数を増やすことができる効果がある。
【0048】本願の請求項2記載の発明では、円筒状の
母型の歯部帆布として接着処理をしていないものを使用
するため、母型と成形体間の空気抜けをより良くして正
確なコグ部の出現が可能になる効果がある。
【0049】本願の請求項3記載の発明では、円筒状の
母型を成形体の外側に設けたゴム層に挿入して位置を合
わせするため、上コグ部と下コグ部の位置を狙い通りに
して位置ずれを防止することができる効果がある。
【0050】本願の請求項4記載の発明では、1つ以上
のガイド棒を成形体の表面でモールドの軸方向と平行に
配置し、その後円筒状の母型を上記ガイド棒に沿って挿
入して位置を合わせし、上記ガイド棒を除去した後で加
硫する方法であり、母型の位置を固定する治具を使用す
るために、特にダブルコグベルトの製法において圧縮ゴ
ム層と伸張ゴム層に設けるコグ部の位置を狙い通りにす
ることができる効果がある。
【0051】本願の請求項5記載の発明では、支持台が
中心部に設けた主突起部と、主突起部を中心とした同心
円上に設けた係止穴と、主突起部の中心から離れた位置
に隣接した位置合わせ突起を有しているため、モールド
を目的位置に正しく設置することができる効果がある。
【0052】本願の請求項6記載の発明では、モールド
の片方もしくは両方の側壁が中心部に設けた保持穴と、
円周方向に沿って設けた係止穴と、中心部から離れた部
位に設けた位置合わせ突起を有しており、請求項5記載
の発明と同様にモールドを設置するのが容易になる効果
がある。
【0053】本願の請求項7記載の発明では、モールド
の保持穴を支持台に設けた主突起部に挿入するととも
に、モールドの位置合わせ突起を支持台の隣接した位置
合わせ突起の間に嵌入することにより、請求項5記載の
発明と同様にモールドを短時間に設置することができる
効果がある。
【0054】本願の請求項8記載の発明では、複数のガ
イド棒が一定のピッチで配置されているため、母型を位
置に設置することができる効果がある。
【0055】本願の請求項9記載の発明では、ガイド棒
の折り曲がった一方の端部をモールドに設けた側壁の係
止穴に、また他方の端部を支持台に設けた係止穴に挿入
するため、ガイド棒の設置と抜き取りが容易で短時間に
作業を完了することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法においてモールド上で成形体
を作製する状態を示す図である
【図2】本発明の製造方法において使用する支持台の断
面図である。
【図3】本発明においてモールドを支持台上に設置した
状態の斜視図である。
【図4】図3におけるA部拡大図である。
【図5】図3におけるB部拡大図である。
【図6】本発明において母型をガイド棒に沿って挿入す
るところの斜視図である。
【図7】図6に示す母型の部分的な横断面図である。
【図8】本発明方法によって得られたダブルコグベルト
の斜視図である.
【符号の説明】
1 モールド 2 歯部 3 溝部 15 成形体 20 支持台 25 ガイド棒 30 母型 31 凹状部 32 凸状部 36 歯部帆布 37 コグ形成ゴム層 40 ダブルコグベルト 41 接着ゴム層 43 伸張ゴム層 44 圧縮ゴム層 45 コグ部 46 コグ部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮ゴム層と伸張ゴム層の少なくとも一
    方のゴム層にコグ部を配し、心線を接着ゴム層内に埋設
    するように形成した動力伝動用ベルトの製造方法におい
    て、モールド上に伸張ゴム層、心線、そして圧縮ゴム層
    を積層した成形体を作製し、この成形体の外側に設けた
    ゴム層に、円周方向に沿って所定の間隔で凸状部と凹状
    部を交互に有するとともに該凸状部と凹状部の表面に歯
    部帆布を被覆した円筒状の母型を挿入設置した後、加硫
    することによって該母型によりゴム層の表面を型付けす
    ることを特徴とする動力伝動用ベルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 円筒状の母型の歯部帆布として接着処理
    をしていないものを使用する請求項1記載の動力伝動用
    ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 円筒状の母型を成形体の外側に設けたゴ
    ム層に挿入して位置を合わせする請求項1記載の動力伝
    動用ベルトの製造方法。
  4. 【請求項4】 1つ以上のガイド棒を成形体の表面でモ
    ールドの軸方向と平行に配置し、その後円筒状の母型を
    上記ガイド棒に沿って挿入して位置を合わせし、上記ガ
    イド棒を除去した後で、加硫する請求項1記載の動力伝
    動用ベルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 支持台が中心部に設けた主突起部と、主
    突起部を中心とした同心円上に設けた係止穴と、主突起
    部の中心から離れた位置に隣接した位置合わせ突起を有
    している請求項4記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 モールドの片方もしくは両方の側壁が中
    心部に設けた保持穴と、円周方向に沿って設けた係止穴
    と、中心部から離れた部位に設けた位置合わせ突起を有
    している請求項4記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
  7. 【請求項7】 モールドの保持穴を支持台に設けた主突
    起部に挿入するとともに、モールドの位置合わせ突起を
    支持台の隣接した位置合わせ突起の間に嵌入する請求項
    5または6記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
  8. 【請求項8】 複数のガイド棒が一定のピッチで配置さ
    れている請求項4記載の動力伝動用ベルトの製造方法。
  9. 【請求項9】 ガイド棒の折り曲がった一方の端部をモ
    ールドに設けた側壁の係止穴に、また他方の端部を支持
    台に設けた係止穴に挿入する請求項4記載の動力伝動用
    ベルトの製造方法。
JP31297396A 1996-11-08 1996-11-08 動力伝動用ベルトの製造方法 Pending JPH10138360A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31297396A JPH10138360A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 動力伝動用ベルトの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31297396A JPH10138360A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 動力伝動用ベルトの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10138360A true JPH10138360A (ja) 1998-05-26

Family

ID=18035715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31297396A Pending JPH10138360A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 動力伝動用ベルトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10138360A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH069828B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法及び該方法に用いる加硫用可撓性ジャケット
JP2843549B2 (ja) ダブルコグベルトの製造方法
JP2001317596A (ja) 動力伝動用ベルトとその製造方法
JPH10323914A (ja) コグドベルトの製造方法とこれに使用する金型
JPH10138360A (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP3172102B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP3222790B2 (ja) マーク入り動力伝動用ベルトの製造方法
JP3168164B2 (ja) ベルトスリーブ作製用ジャケットおよびその製造方法
JP3713436B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP4589136B2 (ja) 伝動用ベルトの製造方法
JP4094976B2 (ja) 伝動用ベルトの製造方法
JP5329613B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP3232276B2 (ja) 動力伝動用ベルト及び両面歯付ベルト
JP4094978B2 (ja) 伝動用ベルトの製造方法
JP4642970B2 (ja) 動力伝動用ベルトとその製造方法
JP3331295B2 (ja) 両面歯付ベルトの製造方法
JP3331296B2 (ja) 両面歯付ベルトの製造方法
JP3833901B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP4772518B2 (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP2628090B2 (ja) Vリブドベルトの製造方法
JP2004181774A (ja) 歯付ベルトの製造方法
JP2007051765A (ja) 動力伝動用ベルトとその製造方法
JP2001041292A (ja) 動力伝動用ベルト
JP2001263432A (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法
JP2006347094A (ja) 動力伝動用ベルトの製造方法