JPH10138128A - バニシング装置およびバニシング方法 - Google Patents

バニシング装置およびバニシング方法

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JPH10138128A
JPH10138128A JP29415296A JP29415296A JPH10138128A JP H10138128 A JPH10138128 A JP H10138128A JP 29415296 A JP29415296 A JP 29415296A JP 29415296 A JP29415296 A JP 29415296A JP H10138128 A JPH10138128 A JP H10138128A
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JP
Japan
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annular groove
ball
burnishing
holding member
guide groove
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Application number
JP29415296A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Tanaka
中 一 彦 田
Mitsuo Uchiyama
山 光 夫 内
Hisashi Sakata
田 尚 志 坂
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの円弧状断面を有する環状溝にバニシ
ングを行う装置において、従来では、装置全体が大掛り
なものになったり、環状溝の内面に対するバニシングが
不均一になったりする問題があった。 【解決手段】 ワークWの円弧状断面を有する環状溝G
にバニシングする装置において、ワークW側に設けたガ
イド溝1に複数のバニシング用ボール3を転動自在に保
持した保持部材4と、保持部材4をワークW側に押圧す
る押圧手段であるばね5を設けたホルダ6を備え、ガイ
ド溝2が、ボール3が転動するにつれて環状溝Gの内面
に対するボール3の接触位置を環状溝Gの幅方向に変化
させる閉曲線形状を成しているバニシング装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークの円弧状断
面を有する環状溝の内面にバニシングを行うのに用いら
れるバニシング装置に関し、さらに、そのバニシング装
置を利用したバニシング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、ワークの円弧状断面を有
する環状溝の内面にバニシングを行う装置としては、例
えば図9および図10に示すようなものがあった。な
お、各図に示すワークWは、いずれも円弧状断面を有す
る環状溝Gを有している。
【0003】図9に示すバニシング装置は、軸上に流路
101aを有するホルダ101と、流路101aに連通
する圧力室102aを有するシリンダ102を同軸状態
に備えると共に、シリンダ102には、保持部材103
がその先端側を突出させた状態で設けてある。保持部材
103は、先端部に、バニシング用のボール104を回
転自在に保持した保持部103aを有すると共に、基端
部に、シリンダ102の圧力室102a内で摺動するピ
ストン103bを有している。なお、ボール104は、
環状溝Gの断面の円弧よりも小さい曲率半径を有してい
る。
【0004】上記のバニシング装置では、ホルダ101
の流路101aからシリンダ102の圧力室102a内
に流体を加圧供給して、保持部材103を介してボール
104を環状溝Gの内面に圧接させ、さらに、ワークW
を環状溝Gの中心軸C回りに回転させると共に、ホルダ
101、シリンダ102、保持部材103およびボール
104を全体的に中心軸に対して揺動させることによ
り、環状溝Gの内面にバニシングを行う。
【0005】また、図10に示すバニシング装置は、環
状溝Gの180度異なる位置に対応する2つのボール2
01,201を回転自在に設けた保持部材202と、図
示しないばねにより付勢されて保持部材202をワーク
に向けて押圧する駆動軸203を備えている。なお、ボ
ール201は、環状溝Gの断面の円弧に対応する曲率半
径を有している。
【0006】上記のバニシング装置では、ばねにより駆
動軸203および保持部材202を介して両ボール20
1,201を環状溝Gの内面に圧接させると共に、駆動
軸203、保持部材202および両ボール201,20
1を全体的に環状溝Gの中心軸C回りに回転させること
により、環状溝Gの内面にバニシングを行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来のバニシング装置において、図9に示すよ
うに環状溝Gの断面の円弧よりも小さい曲率半径を有す
る1個のボール104を用いたものでは、装置全体を中
心軸に対して揺動させる手段が不可欠であり、装置全体
が大掛りなものになるという問題があった。また、図1
0に示すように、環状溝Gの断面の円弧に対応する曲率
半径を有するボール201を用いたものでは、各ボール
201を環状溝Gの中心軸C方向のみに押圧することか
ら、環状溝Gの底部中央には充分なバニシングが行われ
るが、それ以外の部分では充分な効果を得ることが難し
く、なお且つ装置全体を図9に示すもののように揺動さ
せようとしても、保持部材202がワークWに干渉しや
すいので揺動手段を採用することが困難であるという問
題あった。そして、従来においては上記した問題を解決
することが課題になっていた。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題に着目して成
されたもので、装置全体の小型化を実現することができ
ると共に、ワークの円弧状断面を有する環状溝の内面全
体に良好なバニシングを行うことができるバニシング装
置およびバニシング方法を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるバニシン
グ装置は、請求項1として、ワークの円弧状断面を有す
る環状溝に対してその内面に接触するバニシング用ボー
ルを備え、ワークまたはボールを環状溝の中心軸回りに
回転させてボールにより環状溝の内面をバニシングする
装置において、ワーク側に設けたガイド溝に複数のバニ
シング用ボールを転動自在に保持した保持部材と、保持
部材をワーク側に押圧する押圧手段を設けたホルダを備
え、ガイド溝が、ボールが転動するにつれて環状溝の内
面に対するボールの接触位置を環状溝の幅方向に変化さ
せる閉曲線形状を成している構成とし、請求項2とし
て、ホルダが、保持部材を中心軸に対して揺動自在に保
持している構成とし、請求項3として、押圧手段が、保
持部材の中心軸回りに環状に配置された複数のばねであ
って、ボールを環状溝の底部中央に接触させるガイド溝
の位置に対してその軸線方向に該当するばねのばね定数
を、他のばねのばね定数よりも小さく設定した構成と
し、請求項4として、押圧手段が、保持部材の中心軸回
りに環状に配置され且つ同一の供給源から加圧用流体が
供給される複数の圧力室と、各圧力室内に摺動自在に収
容され且つ保持部材に当接するピストンを備えており、
ボールを環状溝の底部中央に接触させるガイド溝の位置
に対してその軸線方向に該当するピストンの受圧面積
を、他のピストンの受圧面積よりも小さくした構成とし
ており、上記の構成を従来の課題を解決するための手段
としている。
【0010】また、本発明に係わるバニシング方法は、
請求項1〜4のいずれかに記載の装置を用い、ワークを
環状溝の中心軸回りに回転させると共に、保持部材を中
心軸に対して揺動させながら保持部材で保持したボール
により環状溝の内面にバニシングを行う構成としてお
り、上記の構成を従来の課題を解決するための手段とし
ている。
【0011】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わるバニシング装
置では、ホルダの押圧手段により保持部材を介してバニ
シング用のボールを環状溝の内面に圧接させ、この状態
でワークあるいはホルダ側を環状溝の中心軸回りに回転
させると、ボールを転動自在に保持しているガイド溝
が、ボールが転動するにつれて環状溝の内面に対するボ
ールの接触位置を環状溝の幅方向に変化させる閉曲線形
状を成しているので、環状溝の内面に対するボールの接
触位置がガイド溝の閉曲線に対応する軌跡を描くことと
なり、なお且つ、環状溝の円周の長さ、ガイド溝の1周
の長さおよびボールの直径などの寸法関係により、ボー
ルがガイド溝を1周する度に環状溝の内面に対するボー
ルの接触位置の軌跡に位相差が生じることとなり、これ
を連続させることにより環状溝の内面全体にバニシング
が行われる。
【0012】本発明の請求項2に係わるバニシング装置
では、ホルダが保持部材を中心軸に対して揺動自在に保
持しているので、装置全体を揺動させる必要がなく、ワ
ークあるいはホルダ側が環状溝の中心軸回りに回転する
のに伴って保持部材とともにボールが揺動し、環状溝の
内面全体に対してボールがより満遍なく接触することと
なる。
【0013】本発明の請求項3に係わるバニシング装置
では、押圧手段として保持部材の中心軸回りに環状に配
置した複数のばねにより、保持部材を介してボールを環
状溝の内面に圧接させている。そして、ボールを環状溝
の中心軸方向に押圧した場合に、環状溝の底部中央に対
する押圧力が大きくなり、それ以外の部分ではボールに
分力が働いて押圧力が小さくなるので、当該バニシング
装置では、環状に配置した複数のばねにおいて、ボール
を環状溝の底部中央に接触させるガイド溝の位置に対し
てその軸線方向に該当するばねのばね定数を、他のばね
のばね定数よりも小さく設定しており、これにより環状
溝の底部中央に対する押圧力とそれ以外の部分に対する
押圧力をほぼ等しくし、環状溝の内面全体に対するボー
ルの押圧力をほぼ均一にしている。
【0014】本発明の請求項4に係わるバニシング装置
では、押圧手段として保持部材の中心軸回りに環状に配
置した複数の圧力室と、各圧力室内に摺動自在に収容し
たピストンを備えており、圧力室に供給した加圧用流体
でピストンを押圧することにより、保持部材を介してボ
ールを環状溝の内面に圧接させている。そして、ボール
を環状溝の中心軸方向に押圧した場合に、請求項3と同
様に環状溝の底部中央とそれ以外の部分とでボールの押
圧力が異なるので、当該バニシング装置では、環状に配
置した複数の圧力室およびピストンにおいて、ボールを
環状溝の底部中央に接触させるガイド溝の位置に対して
その軸線方向に該当するピストンの受圧面積を、他のピ
ストンの受圧面積よりも小さくしており、これにより環
状溝の底部中央に対する押圧力とそれ以外の部分に対す
る押圧力をほぼ等しくし、環状溝の内面全体に対するボ
ールの押圧力をほぼ均一にしている。
【0015】本発明の請求項5に係わるバニシング方法
では、請求項1〜4のいずれかに記載の装置を用い、ワ
ークを環状溝の中心軸回りに回転させると共に、保持部
材を中心軸に対して揺動させながらボールにより環状溝
の内面にバニシングを行うことにより、環状溝の内面全
体に対してボールをより満遍なく接触させ、環状溝の内
面全体に均一なバニシングを行う。
【0016】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わるバニシング装
置によれば、ワークの円弧状断面の環状溝にバニシング
を行う装置において、環状溝の断面の円弧よりも小さい
曲率半径のバニシング用ボールを用い、なお且つ装置全
体を揺動させる手段を用いなくても、環状溝の内面全体
にわたってバニシングを良好に行うことができ、また、
ボールを転動させる閉曲線形状のガイド溝の採用によ
り、バニシングの範囲の拡大に容易に対処することがで
き、さらには、装置全体の揺動手段の廃止に伴って装置
全体の小型化などを実現することができる。
【0017】本発明の請求項2に係わるバニシング装置
によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるう
えに、ホルダにおいて保持部材を中心軸に対して揺動自
在に保持したことから、保持部材の揺動に伴って環状溝
の内面全体に対してボールがより満遍なく接触し、環状
溝の内面全体にわたってバニシングをより充分に行うこ
とができる。
【0018】本発明の請求項3に係わるバニシング装置
によれば、請求項1および2と同様の効果を得ることが
できるうえに、環状に配置したばねにより保持部材を介
してボールを環状溝の内面に圧接させた状態において、
環状溝の底部中央に対する押圧力とそれ以外の部分に対
する押圧力をほぼ等しくして、環状溝の内面全体に対す
るボールの押圧力をほぼ均一にすることができ、これに
より環状溝の内面全体にわたって均一なバニシングを行
うことができる。
【0019】本発明の請求項4に係わるバニシング装置
によれば、請求項1および2と同様の効果を得ることが
できるうえに、環状に配置した複数の圧力室に加圧用流
体を供給して各圧力室のピストンを押圧し、さらにピス
トンにより押圧される保持部材を介してボールを環状溝
の内面に圧接させた状態において、環状溝の底部中央に
対する押圧力とそれ以外の部分に対する押圧力をほぼ等
しくして、環状溝の内面全体に対するボールの押圧力を
ほぼ均一にすることができ、これにより環状溝の内面全
体にわたって均一なバニシングを行うことができ、さら
には、加圧用流体を用いることから、圧力室やピストン
の寸法を変えずに加圧力を増大させることが可能である
と共に、装置全体のさらなる小型化にも貢献し得る。
【0020】本発明の請求項5に係わるバニシング方法
では、請求項1〜4のいずれかに記載の装置を用いて、
ワークを環状溝の中心軸回りに回転させると共に、保持
部材を中心軸に対して揺動させながらバニシングを行う
ことにより、環状溝の内面全体に対してボールをより満
遍なく接触させて、環状溝の内面全体にわたってバニシ
ングをより充分に行うことができる。
【0021】
【実施例】図1〜図5は、本発明の請求項1および2に
係わるバニシング装置の一実施例と、請求項5に係わる
バニシング方法を説明する図である。
【0022】図1(a)に示すバニシング装置1は、ワ
ークWの円弧状断面を有する環状溝Gに同軸状態で対向
する状態にあり、ワークW側に設けたガイド溝2に複数
のバニシング用ボール3を転動自在に保持した保持部材
4と、保持部材4をワークW側に押圧する押圧手段とし
ての複数のばね5を設けたホルダ6を同軸状態に備えて
いる。
【0023】保持部材4は、概略円柱状の部材であっ
て、ワークW側に環状の突出部4aを有すると共に、反
対側に小径部4bを同軸状に有しており、小径部4b側
の端部の外周には、軸線方向に対して外側へ湾曲した円
弧部4cを全周にわたって有している。他方、ホルダ6
は、開口部をワークW側とした有底円筒状の部材であっ
て、底部に複数のばね5が環状に配置してあり、中空部
6a内に保持部材4の小径部4b側から円弧部4cを含
む範囲を収容する。
【0024】そして、保持部材4およびホルダ6の間で
は、ホルダ6側に環状に配置した各ばね5が保持部材4
の小径部4を中心とする端面4dに当接し、且つホルダ
6の中空部6aの内周面に保持部材4の円弧部4cが接
触した状態となる。つまり、ホルダ6は、中空部6aの
内周面と保持部材4の円弧部4cとの接触により、保持
部材4を中心軸に対して揺動自在に保持している。ま
た、ホルダ6の開口端部には、保持部材4の抜け止めと
してのリング状のストッパ7がボルト8により固定して
ある。
【0025】ガイド溝2は、保持部材4の環状の突出部
4aの先端側において全周に連続して形成してあって、
この実施例では同じ直径を有する3個のボール3を転動
自在に保持しており、ボール3が転動するにつれて環状
溝Gの内面に対するボール3の接触位置を環状溝Gの幅
方向に変化させる閉曲線形状を成している。なお、ボー
ル3は環状溝Gの断面の円弧よりも小さい曲率半径を有
している。
【0026】すなわち、この実施例のガイド溝2は、図
1(b)に正面を示すように、略三角の閉曲線形状を成
すものであって、図1(b)中の矢視P1およびP5に
該当する断面である図1(c)および(g)に示すよう
に、三角形の頂点部分ではボール3を環状溝Gの外周側
に接触させ、さらに、図1(b)中の矢視P3に該当す
る断面である図1(e)に示すように、三角形の辺の中
央部分ではボール3を環状溝Gの内周側に接触させるよ
うになっており、各頂点部分と各辺の中央部分を滑らか
に連続させている。これにより、ガイド溝2は、図1
(b)中の矢視P1〜P5に該当する断面である図1
(c)〜(g)に示すように、ボール3が転動するにつ
れて環状溝Gの内面に対するボール3の接触位置を環状
溝Gの幅方向に変化させる。
【0027】また、ガイド溝2は、底部の断面をV形に
することにより底部側では両側の2点でボール3を支持
していると共に、開口部分にかしめを施すことによりボ
ール3が脱落しないようにしてある。さらに、ガイド溝
2内において、各ボール3の間には、図2に示すスペー
サ9が設けてある。スペーサ9は、ばねやゴムあるいは
プラスチック等の弾性部材から成るものであって、ガイ
ド溝2の形状に沿って自在に変形することが可能である
と共に、両端にボール3の当接部9a,9aを各ボール
3の間隔を一定に保持している。
【0028】上記の構成を備えたバニシング装置1は、
ホルダ6をワークW側に前進させることにより、ばね5
の作用により保持部材4を介して各ボール3を環状溝G
の内面に圧接させ、この状態でワークWを環状溝Gの中
心軸C回りに回転させる。
【0029】このとき、バニシング装置1では、ボール
3を転動自在に保持しているガイド溝2が、ボール3が
転動するにつれて環状溝Gの内面に対するボール3の接
触位置を環状溝Gの幅方向に変化させる略三角形の閉曲
線形状を成しているので、環状溝Gの内面に対するボー
ル3の接触位置がガイド溝2の閉曲線に対応する軌跡を
描くこととなる。
【0030】また、環状溝Gの円周の長さ、ガイド溝2
の1周の長さおよびボール3の直径などの寸法関係によ
り、ボール3がガイド溝2を1周する度に環状溝Gの内
面に対するボール3の接触位置の軌跡に位相差が生じる
こととなり、さらにこの実施例では、ガイド溝2の底部
がV形であるため、図3に示す如く環状溝Gの内面に対
するボール3の転がり半径R1よりもガイド溝2に対す
るボール3の転がり半径R2が小さくなり、その結果、
環状溝Gにおけるボール3の転がり長さとガイド溝2に
おけるボール3の転がり長さが異なり、これによっても
図4に示すようにボール3の接触位置の軌跡に位相差が
生じることとなり、この状態を連続させることにより環
状溝Gの内面全体にバニシングが行われる。
【0031】さらに、当該バニシング装置1では、ホル
ダ6が保持部材4を中心軸に対して揺動自在に保持して
いるので、ワークWの回転に伴って保持部材4が図5中
の矢印で示す如く半径方向に揺動する。つまり、当該バ
ニシング装置1を用いたバニシング方法として、ワーク
Wを環状溝Gの中心軸C回りに回転させると共に、保持
部材4を中心軸に対して揺動させながら環状溝Gの内面
にバニシングを行うこととなり、これにより環状溝Gの
内面全体に対してボール3がより満遍なく接触し、環状
溝Gの内面全体にわたって均一にバニシングが行われ
る。
【0032】このように、上記実施例のバニシング装置
1によれば、ワークWの円弧状断面の環状溝Gにバニシ
ングを行うにあたり、環状溝Gの断面の円弧よりも小さ
い曲率半径のバニシング用ボール3を用い、且つ装置全
体を中心軸に対して揺動させる手段を用いなくても、環
状溝Gの内面全体にわたってバニシングが良好に行われ
ることとなる。
【0033】図6は、本発明の請求項1および2に係わ
るバニシング装置の他の実施例を説明する図である。な
お、先の実施例と同一の部位は、同一符号を付して詳細
な説明を省略する。
【0034】この実施例のバニシング装置11は、ガイ
ド溝12が、ボール3が転動するにつれて環状溝Gの内
面に対するボール3の接触位置を環状溝Gの幅方向に変
化させる閉曲線形状として、楕円形状を成している。ガ
イド溝12は、保持部材4の中心軸に対して偏心した位
置にあり、保持部材4の中心軸から最も離れた位置で
は、6(a)中の矢視P1に該当する断面である図6
(b)に示すように、ボール3が環状溝Gの外周側に接
触しており、これと180度異なる保持部材4の中心軸
から最も近い位置では、図6(a)中の矢視P7に該当
する断面である図6(h)に示すように、ボール3が環
状溝Gの内周側に接触する。これにより、ガイド溝12
は、図6(a)中の矢視P1〜P7に該当する断面であ
る図6(b)〜(h)に示すように、ボール3が転動す
るにつれて環状溝Gの内面に対するボール3の接触位置
を環状溝Gの幅方向に変化させる。
【0035】この実施例の場合には、環状溝Gの内面に
おけるボール3の軌跡が図6(i)に示すように楕円形
状になると共に、先の実施例と同様に、ボール3がガイ
ド溝12を1周する度に環状溝Gの内面に対するボール
3の接触位置の軌跡に位相差が生じることとなり、この
状態を連続させることにより環状溝Gの内面全体にバニ
シングが行われる。また、この実施例の場合には、先の
実施例の略三角形状のガイド溝に比べて、回転に伴って
ボール3の接触位置が環状溝Gの幅方向に変化する度合
いが緩やかになり、これによりワークWの回転を速くす
ることが可能になる。
【0036】図7は、本発明の請求項3に係わるバニシ
ング装置の一実施例を説明する図である。
【0037】この実施例のバニシング装置21は、ホル
ダ6において保持部材4をワークW側に押圧する押圧手
段が、保持部材4の中心軸回りに環状に配置された複数
(この実施例では12個)のばね25A〜25Lであっ
て、図7(a)の下半分に示すようにボール3を環状溝
Gの底部中央に接触させるガイド溝22の位置に対し
て,その軸線方向に該当するばね25B,25D,25
F,25H,25J,25Lのばね定数k1を、他のば
ね25A,25C,25E,25G,25I,25Kの
ばね定数よりも小さく設定しており、これらのばね25
A〜25Lにより保持部材4を介してボール3を環状溝
Gの内面に圧接させている。
【0038】つまり、ボール3を環状溝Gの中心軸C方
向に押圧した場合、環状溝Gの底部中央に対する押圧力
が大きくなり、それ以外の部分ではボール3に分力が働
いて押圧力が小さくなることから、当該バニシング装置
21では、上記の如く各ばね25A〜25Lのばね定数
を設定することにより、環状溝Gの底部中央に対する押
圧力とそれ以外の部分に対する押圧力をほぼ等しくし、
環状溝Gの内面全体に対するボール3の押圧力をほぼ均
一にしており、これにより環状溝Gの内面全体にわたっ
て良好なバニシングを行うこととなる。
【0039】図8は、本発明の請求項4に係わるバニシ
ング装置の一実施例を説明する図である。
【0040】この実施例のバニシング装置31は、ホル
ダ6において保持部材4をワークW側に押圧する押圧手
段が、保持部材4の中心軸回りに環状に配置され且つ同
一の供給源から加圧用流体が供給される複数(この実施
例では12個)の圧力室35A〜35Lと、各圧力室3
5A〜35L内に摺動自在に収容され且つ保持部材4に
当接するピストン45A〜45Lで構成してある。各圧
力室35A〜35Lはホルダ6内に形成してあって、ホ
ルダ6の背面中心に設けた1つの供給口50に対して各
々の流路51が連通している。
【0041】そして、バニシング装置31は、図8
(a)の下半分に示すようにボール3を環状溝Gの底部
中央に接触させるガイド溝32の位置に対して、その軸
線方向に該当するピストン45B,45D,45F,4
5H,45J,45Lの受圧面積A1を、他のピストン
45A,45C,45E,45G,45I,24Kの受
圧面積A2よりも小さくしている。つまり、圧力室35
A〜35Lとピストン45A〜45Lの径を変えること
により、受圧面積A1,A2を設定している。
【0042】上記のバニシング装置31では、圧力室3
5A〜35Lに供給した加圧用オイル等の流体でピスト
ン45A〜45Lを押圧することにより、保持部材4を
介してボール3を環状溝Gの内面に圧接させており、こ
の際、ボール3を環状溝Gの中心軸C方向に押圧した場
合に、先の実施例と同様に環状溝Gの底部中央とそれ以
外の部分とでボール3の押圧力が異なるので、上記の如
く受圧面積A1,A2を設定することにより、環状溝G
の底部中央に対する押圧力とそれ以外の部分に対する押
圧力をほぼ等しくし、環状溝Gの内面全体に対するボー
ル3の押圧力をほぼ均一にしており、これにより環状溝
Gの内面全体にわたって良好なバニシングを行うことと
なる。
【0043】また、上記実施例のバニシング装置31に
よれば、加圧用流体を用いているので、圧力室35A〜
35Lとピストン45A〜45Lの寸法を変えることな
く、加圧力を変更することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1および2に係わるバニシング
装置の一実施例ならびに請求項5に係わるバニシング方
法を説明する図であって、バニシング装置を説明する断
面図(a)、保持部材のワーク側からの正面図(b)お
よびb図における矢視P1〜P5に該当する各々断面図
(c)〜(g)である。
【図2】ボールおよびスペーサの説明図である。
【図3】環状溝とガイド溝に対するボールの転がり半径
を説明する断面図である。
【図4】環状溝におけるボールの軌跡を示す正面図であ
る。
【図5】保持部材の揺動方向を示すワーク側からの正面
図である。
【図6】本発明の請求項1および2に係わるバニシング
装置の他の実施例を説明する図であって、保持部材のワ
ーク側からの正面図(a)、a図における矢視P1〜P
7に該当する各々断面図(b)〜(h)および環状溝に
おけるボールの軌跡を示す正面図(i)である。
【図7】本発明の請求項3に係わるバニシング装置の一
実施例を説明する図であって、バニシング装置を説明す
る断面図(a)およびばねの配置を示す説明図(b)で
ある。
【図8】本発明の請求項4に係わるバニシング装置の一
実施例を説明する図であって、バニシング装置を説明す
る断面図(a)、圧力室およびピストンのの配置を示す
説明図(b)である。
【図9】従来におけるバニシング装置の一例を示す断面
図である。
【図10】従来におけるバニシング装置の他の例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 11 21 31 バニシング装置 2 12 22 32 ガイド溝 3 ボール 4 保持部材 5 ばね(押圧手段) 6 ホルダ 25A〜25L ばね(押圧手段) 35A〜35L 圧力室(押圧手段) 45A〜45L ピストン(押圧手段) C 環状溝の中心軸 G 環状溝 W ワーク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの円弧状断面を有する環状溝に対
    してその内面に接触するバニシング用ボールを備え、ワ
    ークまたはボールを環状溝の中心軸回りに回転させてボ
    ールにより環状溝の内面をバニシングする装置におい
    て、ワーク側に設けたガイド溝に複数のバニシング用ボ
    ールを転動自在に保持した保持部材と、保持部材をワー
    ク側に押圧する押圧手段を設けたホルダを備え、ガイド
    溝が、ボールが転動するにつれて環状溝の内面に対する
    ボールの接触位置を環状溝の幅方向に変化させる閉曲線
    形状を成していることを特徴とするバニシング装置。
  2. 【請求項2】 ホルダが、保持部材を中心軸に対して揺
    動自在に保持していることを特徴とする請求項1に記載
    のバニシング装置。
  3. 【請求項3】 押圧手段が、保持部材の中心軸回りに環
    状に配置された複数のばねであって、ボールを環状溝の
    底部中央に接触させるガイド溝の位置に対してその軸線
    方向に該当するばねのばね定数を、他のばねのばね定数
    よりも小さく設定したことを特徴とする請求項1または
    2に記載のバニシング装置。
  4. 【請求項4】 押圧手段が、保持部材の中心軸回りに環
    状に配置され且つ同一の供給源から加圧用流体が供給さ
    れる複数の圧力室と、各圧力室内に摺動自在に収容され
    且つ保持部材に当接するピストンを備えており、ボール
    を環状溝の底部中央に接触させるガイド溝の位置に対し
    てその軸線方向に該当するピストンの受圧面積を、他の
    ピストンの受圧面積よりも小さくしたことを特徴とする
    請求項1または2に記載のバニシング装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の装置を
    用い、ワークを環状溝の中心軸回りに回転させると共
    に、保持部材を中心軸に対して揺動させながら保持部材
    で保持したボールにより環状溝の内面にバニシングを行
    うことを特徴とするバニシング方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7685717B2 (en) 2002-05-14 2010-03-30 Jtekt Corporation Method for manufacturing a bearing raceway member
JP2014066361A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Robert Bosch Gmbh 少なくとも1つの間隔要素を備えた蓄積装置
CN105619242A (zh) * 2014-10-28 2016-06-01 沈阳黎明航空发动机(集团)有限责任公司 一种45°分型面密封胶圈模具的碾压抛光装置及工艺

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CN105619242B (zh) * 2014-10-28 2019-03-15 沈阳黎明航空发动机(集团)有限责任公司 一种45°分型面密封胶圈模具的碾压抛光装置及工艺

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