JPH10130285A - 有機金属化合物の精製法 - Google Patents

有機金属化合物の精製法

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JPH10130285A
JPH10130285A JP8290491A JP29049196A JPH10130285A JP H10130285 A JPH10130285 A JP H10130285A JP 8290491 A JP8290491 A JP 8290491A JP 29049196 A JP29049196 A JP 29049196A JP H10130285 A JPH10130285 A JP H10130285A
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distillation
monoalkylarsine
monoalkylphosphine
organic solvent
dihalide
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JP8290491A
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Masao Murakoshi
正男 村越
Toshiharu Matsueda
敏晴 松枝
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Furukawa Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/50Organo-phosphines
    • C07F9/505Preparation; Separation; Purification; Stabilisation
    • C07F9/5095Separation; Purification; Stabilisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/66Arsenic compounds
    • C07F9/70Organo-arsenic compounds
    • C07F9/72Aliphatic compounds

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体薄膜製造用原料に適した高純度のモノ
アルキルアルシンおよびモノアルキルホスフィンを製造
する。 【解決手段】 モノアルキルアルシンあるいはモノアル
キルホスフィンの製造にあたり、まず有機溶媒中のマグ
ネシウムにアルキルクロライドを滴下してグリニアル試
薬を調製し、つぎに三ハロゲン化砒素あるいは三ハロゲ
ン化燐をグリニアル試薬と反応させて二ハロゲン化アル
キルアルシンあるいは二ハロゲン化アルキルホスフィン
を合成し、有機溶媒に分散させた還元剤で還元してモノ
アルキルアルシンあるいはモノアルキルホスフィンを生
成させた後、蒸留によりモノアルキルアルシンあるいは
モノアルキルホスフィンの純度を高くしてからゼオライ
トを浸漬して不純物を吸着・除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MOCVD(Me
tal Organic ChemicalVapor
Deposition)法等により、化合物半導体薄
膜を製造する際の原料となるモノアルキルアルシンおよ
びモノアルキルホスフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガリウム−砒素等のIII−V族化合物
半導体薄膜は、電子デバイス、オプトデバイス等の製造
に必須の材料である。このような化合物半導体薄膜を形
成する方法としては、LPE(Liquid Phas
e Epitaxy)、ハライドCVD、MBE(Mo
lecular Beam Epitaxy)、MOM
BE(Metal Organic Molecula
r Beam Epi−taxy)、MOCVDなどが
ある。これらの方法の中でもMOCVDやMOMBE
は、結晶成長系内を高真空に保つ必要がなかったり、多
層構造を作りやすいなどの理由から多用されている。そ
れらの装置による薄膜製造時のIII族あるいはV族原
料にはバブラーに詰めた有機金属化合物、またはボンベ
に詰めた水素化物が使用されている。
【0003】有機金属化合物か水素化物かの選択では、
水素化物のほとんどが猛毒の気体であって化合物半導体
薄膜の量産に伴いそれらを大量に取り扱う上で不安が存
在することから、有機金属化合物が注目されている。例
えば、砒素源としては、水素化物であるアルシンに代わ
って有機金属化合物であるモノアルキルアルシン、特に
アルキル基がターシャリーブチル基のターシャリーブチ
ルアルシン(TBA)が、また、燐砒素源としては、水
素化物であるホスフィンに代わって有機金属化合物であ
るモノアルキルホスフィン、特にアルキル基がターシャ
リーブチル基のターシャリーブチルホスフィン(TB
P)が、それぞれ液体で毒性が比較的弱くまたこれらを
使用してもアルシンおよびホスフィンを原料として成長
させたものと遜色のない化合物半導体薄膜が得られるこ
とから注目されている。
【0004】モノアルキルアルシンおよびモノアルキル
ホスフィンの製造方法としては、次の如き方法が公知で
ある(Rec.Trav.Chim.82,(198
2)p202参照)。 ア.モノアルキルハロゲン化物を有機溶媒下でマグネシ
ウムと反応させてグリニヤル試薬を作る。 イ.このグリニアル試薬と三ハロゲン化砒素あるいは三
ハロゲン化リンをモル比1対1で有機溶媒中で反応させ
て二ハロゲン化アルキルアルシンあるいは二ハロゲン化
アルキルホスフィンを得る。 ウ.副生するハロゲン化マグネシウムを除去し、二ハロ
ゲン化アルキルアルシンあるいは二ハロゲン化アルキル
ホスフィンを単離精製する。 エ.この二ハロゲン化アルキルアルシンあるいは二ハロ
ゲン化アルキルホスフィンが常温で固体の場合、適当な
有機溶媒に溶解し、これを還元剤、例えばリチウムアル
ミニウムハイドライドで還元し、モノアルキルアルシン
あるいはモノアルキルホスフィンを得る。 オ.合成したモノアルキルアルシンあるいはモノアルキ
ルホスフィンを蒸留により精製する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような方法でモノ
アルキルアルシンあるいはモノアルキルホスフィンを製
造する場合、原料となるモノアルキルハロゲン化物、三
ハロゲン化砒素および三ハロゲン化燐には微量の無機や
有機不純物が含有されている。さらに原料間の反応で生
成する中間体や未反応原料も不純物になる。
【0006】これら不純物、工程で使用する溶媒さらに
は未反応物や反応中間体などの目的物以外の化合物が製
品に混在することは製品品質を著しく悪化させ、受光素
子のような不純物を嫌悪する化合物半導体薄膜には使用
することができない。
【0007】製品中の不純物量を低減させるため、
(a)高純度の原料や溶媒を使用する、(b)各工程で
の反応率を可能なかぎり高くして未反応物や中間体の残
留量を減らす、あるいは(c)蒸留分離しやすい溶媒を
選択するなどの方策が取られている。
【0008】しかし、これらの方法に障害や欠点があ
る。(a)の高純度の原料や溶媒を使用する方法では、
純度が高くなるに従ってその価格が高騰し、製造コスト
を押し上げる。(b)の各工程での反応率を可能なかぎ
り高くして未反応物や中間体の残留量を減らす方法で
は、通常の有機反応で反応率が95%を超越することは
稀であり、まして99%を超える反応率は期待できな
い。また、高い反応率を実現するには温度コントロール
を厳密にする、雰囲気を不活性にする、あるいは系内を
真空するなど反応条件が厳しくなり、製造コストのアッ
プとなる。(c)の蒸留分離しやすい溶媒を選択する方
法では、分留された溶媒中に必然的に製品が同伴し収率
の低下に繋がるばかりでなく、系内の成分間で平衡が成
立していることから分離の精度には限界が存在する。
【0009】このような困難を回避するために、コスト
に見合う純度の原料と溶媒を使用しハロゲン化アルキル
とマグネシウム間の反応、グリニヤル試薬と三ハロゲン
化物のグリニアル反応と二ハロゲン化アルキル化合物の
還元反応を最適にして収率を高め、それにもかかわらず
必然的に随伴してくる不純物や中間体は繰り返し蒸留分
離することで精製する努力がなされているが、蒸留を繰
り返す工程は煩雑である。
【0010】本発明は、モノアルキルアルシンあるいは
モノアルキルホスフィンの製造における上記問題を解決
するものであって、煩雑な蒸留工程を部分的に省略して
単純な操作で高純度化を可能とする有機金属化合物の精
製法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】ハロゲン化アルキルとマ
グネシウムでグリニアル試薬を合成し、該グリニアル試
薬と三ハロゲン化砒素あるいは三ハロゲン化燐とをモル
比1対1で有機溶媒中で反応させて二ハロゲン化アルキ
ルアルシンあるいは二ハロゲン化アルキルホスフィンと
し、この時に副生するハロゲン化マグネシウムをろ過で
除去、続いて有機溶媒を蒸留で留去して二ハロゲン化ア
ルキルアルシンあるいは二ハロゲン化アルキルホスフィ
ンを分離する。二ハロゲン化アルキルアルシンあるいは
二ハロゲン化アルキルホスフィンをこれらよりも沸点が
高い有機溶媒に分散させた還元剤(例えばリチウムアル
ミニウムハイドライド)で還元してモノアルキルアルシ
ンあるいはモノアルキルホスフィンとし、蒸留で主にモ
ノアルキルアルシンあるいはモノアルキルホスフィンを
留出させて蒸留釜に主としてそれらより沸点が高い有機
溶媒や中間体および無機物からなる不揮発性物質を残留
させてモノアルキルアルシンあるいはモノアルキルホス
フィンの精製を行う。次に、モノアルキルアルシンある
いはモノアルキルホスフィンに吸着剤であるゼオライト
を長時間浸漬し、蒸留で除去れなかったそれらよりも沸
点の低い有機溶媒や不純物を吸着除去させることにより
さらに精製する。
【0012】この有機金属化合物の精製法により、煩雑
な蒸留工程を部分的に省略して、ゼオライト吸着剤を浸
漬するという単純な操作で、蒸留を繰り返すことでは到
達できなかった程度まで精製した高純度のモノアルキル
アルシンあるいはモノアルキルホスフィンを得ることが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】ハロゲン化アルキルとマグネシウ
ムでグリニアル試薬を合成し、該グリニアル試薬と三ハ
ロゲン化砒素あるいは三ハロゲン化燐とをモル比1対1
で有機溶媒中で反応させて二ハロゲン化アルキルアルシ
ンあるいは二ハロゲン化アルキルホスフィンとし、この
時に副生するハロゲン化マグネシウムをろ過で除去、続
いて有機溶媒を蒸留で留去して二ハロゲン化アルキルア
ルシンあるいは二ハロゲン化アルキルホスフィンを分離
する。二ハロゲン化アルキルアルシンあるいは二ハロゲ
ン化アルキルホスフィンを有機溶媒に分散させた還元剤
リチウムアルミニウムハイドライドで還元してモノアル
キルアルシンあるいはモノアルキルホスフィンとし、蒸
留で主にモノアルキルアルシンあるいはモノアルキルホ
スフィンを留出させて蒸留釜に主としてそれらより沸点
が高い有機溶媒や中間体および無機物からなる不揮発性
物質を残留させてモノアルキルアルシンあるいはモノア
ルキルホスフィンの精製を行う。
【0014】この蒸留時に、モノアルキルアルシンある
いはモノアルキルホスフィンより沸点の低い溶媒を始め
とする有機不純物を蒸発、分離した後、主にモノアルキ
ルアルシンあるいはモノアルキルホスフィンを留出させ
て蒸留釜に主として高沸点の有機溶媒や中間体および無
機物からなる不揮発性物質を残留させてモノアルキルア
ルシンあるいはモノアルキルホスフィンの精製を行って
もよい。
【0015】この段階の精製度合いが高いほど次の吸着
剤による高次精製が容易になる。しかし、低沸点分を留
出さる初留は、実施しなくても吸着剤による精製には支
障にはならない。その理由は、初留分の成分である低沸
点有機化合物はゼオライトで吸着除去することが可能で
あることによる。そのため、初留を過度に行うことは、
初留分に目的物が必然的に含有されることから収率の低
下が避けられない。初留をどの時点まで行うかは、要求
される製品品質のレベルで一義的に決定されるべきであ
るが、経済的に成立しない生産は存立しえないことから
収率を加味して判断する。一般的には、製品の沸点近傍
で比較的含有量の多い不純物に着目し、留出物中のその
不純物濃度の曲線の変曲点を通過したら直ちに初留から
目的製品を採取する本留に切り替えるのが好ましい。切
り替えがこれより早ければ不純物濃度が高く次工程の精
製が困難になり、切り替えが遅延すると収率が低下する
ことになる。また、蒸留釜に高沸点分を残留させる釜残
の量を増やすことも釜残分に目的物が必然的に含有され
ることから収率の低下が避けられない。蒸留の停止は、
蒸留釜の温度が目的製品の沸点より1〜2°高い温度に
達した時点とするのが好ましい。製品の沸点で蒸留を停
止すると収率が低下し、切り替えが遅延すると不純物濃
度が高くなり次工程の精製が困難になる。
【0016】以上の様に蒸留の操作をすることにより、
蒸留物中の全ての不純物濃度を数百ppm以下にするこ
とが可能である。収率を勘案しながら不純物濃度を可能
なかぎり低減させてもそのままでは製品になりえないの
で、ゼオライト吸着剤で不純物を吸着除去してさらに精
製する。蒸留せずに直接ゼオライト吸着剤で不純物を吸
着・除去して精製する方法もあるが、どちらの方法を採
用するかは吸着・除去する不純物量に依存する。不純物
濃度が低い時は、直接吸着・除去して精製する方法がコ
スト的に優れている。
【0017】吸着剤は系内で微粒子化するとその分離が
困難になることから本来の目的である精製が達成でき
ず、また吸着剤が金属元素を溶出することは本末転倒で
あり、さらに吸着剤が吸着した不純物を脱着し易いのは
本目的に合致せず、そのうえ系内にはハロゲン化物が存
在することから吸着剤には耐酸性も要求される。吸着剤
としては活性白土、活性アルミナ、シリカゲル、活性
炭、ゼオライトなどがあるが、これらの諸要求に適性を
示す吸着剤がゼオライトである。
【0018】ゼオライトは被吸着物質濃度が低くても吸
着能力が高く、吸着能力にたいする温度の影響が小さ
く、さらに極性物質や不飽和化合物を優先的に吸着する
ことからも適当である。
【0019】ゼオライトとしては、天然と合成を合わせ
て100種以上のものが知られているが、天然ゼオライ
トは細孔分布が広範囲で不純物をシャープに吸着除去す
る性能を保有していない。細孔分布が揃っていることか
ら不純物をシャープに吸着し、目的の不純物を吸着除去
するのに適当な細孔径を選択できる合成ゼオライトが好
ましい。合成ゼオライトの種類としては、3A,4A,
5A,10X,および13X型が代表的である。3A型
は水の吸着が可能であるが他の物質に対しては吸着能を
示さないこと、細孔径の関係で吸着速度が遅いことから
好ましくない。それ以外の4A,5A,10X,および
13X型いずれも使用できる。特に、13X型が吸着速
度が速く、吸着能を示す物質の範囲が広いことから好ま
しい。
【0020】ゼオライトの添加量は、蒸留物中の不純物
の種類と濃度および吸着剤を浸漬する時間よって調節す
る。吸着剤の添加量が多ければ浸漬時間は短縮すること
ができるが製品の回収率が低下する。浸漬時間を1週間
とすると、ゼオライトの添加量は蒸留物の重量の30〜
35%が適している。
【0021】不純物の種類によりゼオライトの吸着速度
が異なり、吸着平衡濃度も異なる。吸着速度は温度を調
節することで可変であり、あるいは浸漬時間を長くする
ことにより低い吸着速度をカバーすることができる。吸
着平衡濃度は系の温度、ゼオライトの種類により決定す
るので、特に除去する不純物に適したゼオライトの種類
を選定することが肝要である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。実
施例および比較例における操作は、全て不活性雰囲気下
で行った。
【0023】〔実施例1〕 A.グリニアル試薬の合成 マグネシウム57.8g(2.4mol)にジエチルエ
ーテル1200mlを入れ、ターシャリーブチルクロラ
イド264ml(2.4mol)を滴下した。滴下終了
後、上澄みを滴下管に移送し1350mlの黒色の液体
を得た。力価を測定したところ1.42mol/lであ
り、ここでの収率は80%であった。
【0024】B.ターシャリーブチルジクロロホスフィ
ンの合成 三塩化燐261g(1.91mol)にジエチルエーテ
ル1000mlを加え、これにグリニアル試薬としての
ジエチルエーテル1350ml(1.91mol)を反
応容器温度が−10°C以下になるように冷却しながら
滴下した。滴下終了後、液温を室温まで戻し、直径28
5mmの3Gガラスフィルターを使用して窒素で100
mmH2 Oに加圧し、ろ過を行った。得られたろ液を分
留器と還流器付きの蒸留器を使用して30°Cの温度で
50Torrの減圧蒸留で有機溶媒を留去した後、蒸留
釜の温度を65°Cにあげてから10Torrに減圧し
て蒸留を行い白色固体218gを回収した。主にターシ
ャリーブチルジクロロホスフィンからなる白色固体をジ
エチレングリコールジメチルエーテル(以下ジグライム
という)60mlを添加して溶解し、ガスクロマトグラ
フィー原子発光検出器(以下GC−AEDという)で純
度を測定した結果、収率は72%であった。
【0025】C.モノターシャリーブチルホスフィンの
合成 リチウムアルミニウムハイドライド31g(0.81m
ol)をジグライム690mlに懸濁させた液の温度を
−10°C以下に維持しつつ、上記ジグライム60ml
に白色固体218g(1.37mol)を溶解させた液
を攪拌しながら滴下した。その後、温度70°C、圧力
150Torrで減圧蒸留を行い、無色透明の液体96
gを回収し、その主成分がモノターシャリーブチルホス
フィンであることをGC−AEDで確認、また不純物と
してジグライム9.7%を含有していることが分かっ
た。ここでの収率は78%であった。
【0026】D.モノターシャリーブチルホスフィンの
精製 ジグライム9.7%を含有しているモノターシャリーブ
チルホスフィン96gをビグリューカラム(30cm×
φ1.5cm)付きの蒸留装置で温度60°Cで常圧蒸
留を行い、ジエチルエーテル500ppm,ターシャリ
ーブチルクロライド350ppm,ターシャリーブタノ
ール10ppm,ジグライム70ppmを含有するモノ
ターシャリーブチルホスフィン84gを回収した。ここ
での収率は97%であった。
【0027】これにゼオライト吸着剤として25gのモ
レキュラシーブス13X(ユニオン昭和株式会社製)を
入れ、7日間浸漬して精製されたモノターシャリーブチ
ルホスフィン72gを回収した。この中のジエチルエー
テル,ターシャリーブチルクロライド,ターシャリーブ
タノール,およびジグライムの含有量は、いずれも1p
pm以下であった。ここでの収率は86%であった。
【0028】〔実施例2〕実施例1のA,BおよびCと
同様の操作を行って、ジグライム8.9%を含有してい
るモノターシャリーブチルホスフィン95gを回収し
た。
【0029】つぎに、ラッシッヒリングを充填したカラ
ム(100cm×φ2cm)を有する蒸留装置で温度6
0°Cで常圧蒸留を行い、ジエチルエーテル80pp
m,ターシャリーブチルクロライド200ppm,ター
シャリーブタノール5ppm,ジグライム1ppm以下
を含有するモノターシャリーブチルホスフィン60gを
回収した。ここでの収率は69%であった。
【0030】これにゼオライト吸着剤として25gのモ
レキュラシーブス13Xを入れ、4日間浸漬して精製さ
れたモノターシャリーブチルホスフィン52gを回収し
た。この中のジエチルエーテル,ターシャリーブチルク
ロライド,ターシャリーブタノール,およびジグライム
の含有量は、いずれも1ppm以下であった。ここでの
収率は87%であった。
【0031】〔比較例1〕実施例1のA,BおよびCと
同様の操作を行って、ジグライム9.3%を含有してい
るモノターシャリーブチルホスフィン95gを回収し
た。
【0032】つぎに、ラッシッヒリングを充填したカラ
ム(100cm×φ2cm)を有する蒸留装置で温度6
0°Cで常圧蒸留を2回行い、ジエチルエーテル30p
pm,ターシャリーブチルクロライド150ppm,タ
ーシャリーブタノール5ppm,ジグライム1ppm以
下を含有するモノターシャリーブチルホスフィン42g
を回収した。ここでの収率は49%であった。
【0033】〔実施例3〕 A.グリニアル試薬の合成 実施例1と同様に操作した。
【0034】B.ターシャリーブチルジクロロアルシン
の合成 三塩化砒素345g(1.91mol)にジエチルエー
テル1000mlを加え、これに調製したグリニアル試
薬としてのジエチルエーテル1350ml(1.91m
ol)を反応容器温度が−25°C以下になるように冷
却しながら滴下した。滴下終了後、液温を室温まで戻
し、直径285mmの3Gガラスフィルターを使用して
窒素で100mmH2 Oに加圧し、ろ過を行った。得ら
れたろ液を分留器と還流器付きの蒸留器を使用して30
°Cの温度で50Torrの減圧蒸留で有機溶媒を留去
した後、蒸留釜の温度を65°Cにあげてから10To
rrに減圧して蒸留を行い白色固体271gを回収し
た。
【0035】主にターシャリーブチルジクロロアルシン
からなる白色固体をジグライム64mlを添加して溶解
し、GC−AEDで純度を測定した結果、収率は70%
であった。
【0036】C.モノターシャリーブチルアルシンの合
成 リチウムアルミニウムハイドライド31g(0.81m
ol)をジグライム670mlに懸濁させた液の温度を
−25°C以下に維持しつつ、上記ジグライム64ml
に白色固体271g(1.33mol)を溶解させた液
を攪拌しながら滴下した。その後、温度80°C、圧力
150Torrで減圧蒸留を行い、無色透明の液体15
7gを回収し、その主成分がモノターシャリーブチルア
ルシンであることをGC−AEDで確認、また不純物と
してジグライム7.3%を含有していることが分かっ
た。ここでの収率は82%であった。
【0037】D.モノターシャリーブチルアルシンの精
製 ジグライム7.3%を含有しているモノターシャリーブ
チルホスフィン157gをビグリューカラム(30cm
×φ1.5cm)付きの蒸留装置で温度72°Cで常圧
蒸留を行い、ジエチルエーテル300ppm,ターシャ
リーブチルクロライド260ppm,ターシャリーブタ
ノール12ppm,ジグライム35ppmを含有するモ
ノターシャリーブチルアルシン133gを回収した。こ
こでの収率は91%であった。
【0038】これに45gのモレキュラシーブス13X
を入れ、7日間浸漬して精製されたモノターシャリーブ
チルアルシン116gを回収した。この中のジエチルエ
ーテル,ターシャリーブチルクロライド,ターシャリー
ブタノール,およびジグライムの含有量は、いずれも1
ppm以下であった。ここでの収率は87%であった。
【0039】〔実施例4〕実施例3のA,BおよびCと
同様の操作を行って、ジグライム7.0%を含有してい
るモノターシャリーブチルアルシン150gを回収し
た。
【0040】つぎに、ラッシッヒリングを充填したカラ
ム(100cm×φ2cm)を有する蒸留装置で温度7
2°Cで常圧蒸留を行い、ジエチルエーテル20pp
m,ターシャリーブチルクロライド35ppm,ターシ
ャリーブタノール6ppm,ジグライム1ppm以下を
含有するモノターシャリーブチルアルシン105gを回
収した。ここでの収率は75%であった。
【0041】これに35gのモレキュラシーブス13X
を入れ、2日間浸漬して精製されたモノターシャリーブ
チルアルシンン90gを回収した。この中のジエチルエ
ーテル,ターシャリーブチルクロライド,ターシャリー
ブタノール,およびジグライムの含有量は、いずれも1
ppm以下であった。ここでの収率は86%であった。
【0042】〔比較例2〕実施例3のA,BおよびCと
同様の操作を行って、ジグライム7.2%を含有してい
るモノターシャリーブチルアルシン151gを回収し
た。
【0043】つぎに、ラッシッヒリングを充填したカラ
ム(100cm×φ2cm)を有する蒸留装置で温度7
2°Cで常圧蒸留を2回行い、ジエチルエーテル5pp
m,ターシャリーブチルクロライド9ppm,ターシャ
リーブタノール3ppm,ジグライム1ppm以下を含
有するモノターシャリーブチルアルシン69gを回収し
た。ここでの収率は49%であった。
【0044】上記の結果から、精製時に蒸留を1回行っ
た後ゼオライト吸着剤を浸漬するだけで、高純度のモノ
ターシャリーブチルホスフィンあるいはモノターシャリ
ーブチルアルシンが得られ、かつ収率が向上しているこ
とがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機金属
化合物の精製法によれば、煩雑な蒸留工程を部分的に省
略して、ゼオライト吸着剤を浸漬するという単純な操作
で、蒸留を繰り返すことでは到達できなかった程度まで
高純度化が可能となり、蒸留品では使用できなかった分
野にも製品が使用できるようになる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化アルキルとマグネシウムでグ
    リニアル試薬を合成し、該グリニアル試薬と三ハロゲン
    化砒素あるいは三ハロゲン化燐とを有機溶媒中で反応さ
    せて二ハロゲン化アルキルアルシンあるいは二ハロゲン
    化アルキルホスフィンとし、その際に副生するマグネシ
    ウム塩を分離、除去後、有機溶媒に分散させた還元剤で
    還元してモノアルキルアルシンあるいはモノアルキルホ
    スフィンを生成させ、粗蒸留で高沸点化合物を除去した
    留出物にゼオライト吸着剤を浸漬して不純物を吸着・除
    去することを特徴とする有機金属化合物の精製法。
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