JPH10130048A - セラミック焼結体とその製造方法 - Google Patents

セラミック焼結体とその製造方法

Info

Publication number
JPH10130048A
JPH10130048A JP8281175A JP28117596A JPH10130048A JP H10130048 A JPH10130048 A JP H10130048A JP 8281175 A JP8281175 A JP 8281175A JP 28117596 A JP28117596 A JP 28117596A JP H10130048 A JPH10130048 A JP H10130048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
chlorine
weight
less
ceramic sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8281175A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3038673B2 (ja
Inventor
Kazutoshi Ishioroshi
和年 石下
Hideo Igami
英雄 居上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ISHIGE KK
Original Assignee
ISHIGE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ISHIGE KK filed Critical ISHIGE KK
Priority to JP8281175A priority Critical patent/JP3038673B2/ja
Publication of JPH10130048A publication Critical patent/JPH10130048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3038673B2 publication Critical patent/JP3038673B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市ゴミ焼却灰等を原料としてセラミック焼
結体を製造するに際し、灰中に含まれる塩素成分、特
に、ダイオキシン類を周辺環境に放射することなく、無
害化された化合物として固定するセラミック焼結体とそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 以上の目的を達成するために、ゼオライ
ト鉱物である大谷石の特性を活用し、残留炭素に吸着さ
れて存在するダイオキシンを焼成過程において大谷石へ
移転吸着させて低温度域での放出を防止し、更にNa2
O成分と反応させてNaClを生成させて無害化する。
以上により、都市ゴミ焼却灰をセラミックス分野でリサ
イクルするために未解決であった塩素ガス、特にダイオ
キシン類の合理的な無害化処理技術が開発されたのであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近時環境改善問題
として困難視されている都市ゴミ焼却灰など、有害揮発
成分、特にダイオキシン類を含む原料を用いてリサイク
ルされたセラミック焼結体製品を造るに際して、これ等
有害成分を無害化する技術に係り、特に公衆の衛生上、
広くは公益上必要な新技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミ焼却灰において焼却処理の際に
発生する有害揮発成分の中和,或はダイオキシン粒のバ
グフィルターによる除去などの方法が数多くの自治体な
いし研究所等で開発されているが、焼却灰を再利用する
ものの開発は殆どなされていない。セラミック焼結体と
して高温度で再焼成されると、重金属類の溶出は十数分
の一に減少し無害化されるが、これ等の製造技術は本願
発明者による特許として公告決定された特公平7−88
248号が唯一の公開技術である。然し乍ら、これ等の
技術を用いてセラミック焼結体を製造するに際し、焼成
過程に於いて揮発するダイオキシン類のような有害ガス
が焼成灰の排気ガス中に含まれるため、これ等の除去処
理には大きな設備投資を要するのみならず、処理品は再
び有害廃棄物となって産出されるため、そのままでは公
衆の衛生を害するので更に無害化処理が必要になるが、
その処理方法は開発されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】都市ゴミ焼却灰など、
合成樹脂材料が含まれるものは焼却する際に自己発熱に
よって局部的な高温度となり、炉材や機材の消耗が著し
くなるため、1000[℃]以下の低温度に制御しなが
ら、短時間で焼却される。消石灰などの中和剤を加える
ことにより塩素分は塩化カルシウム、硫黄分は硫酸カル
シウムとして焼却灰の中に混入して生成される。ダイオ
キシン類は排ガスを適度の温度に制御してバグフィルタ
ーによって集収除去される。ダイオキシンは有機塩素化
合物として毒性の高いものであり、未燃炭素に吸着され
て残留し排出された焼却灰中に残っているといわれてい
る。また、これ等ダイオキシンは250[℃]以下の温
度では再生成しないが、300〜470[℃]で残留炭
素が燃焼を始める際再発生するものである。本発明はか
かる残留有害物を無害化し、リサイクルして有価,有益
の材料に再生する方法とその製品とを創出するもので、
新規なセラミック焼結体とその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダイオキシン
が800[℃]以上の温度では滞留時間が僅か数秒で消
失する性質とその現象からヒントを得たものである。即
ち、その手段としての特徴は、都市ゴミ焼却灰などのよ
うに塩素化合物およびダイオキシン類を含む組成物を含
むセラミック焼結体であって、高シリカ型クリノプチロ
ライトを主成分とする大谷石が5[%]以上35[%]
以下の範囲に含まれるように組成物を調整し、成形し、
焼成してなるセラミック焼結体である。また、その製造
方法としての特徴は、都市ゴミ焼却灰など有害塩素成分
を含む原料に対し粒度500[μm]以下に粉砕した大
谷石を、焼却灰中に含まれる全塩素量の少なくとも2倍
以上配合し、成形助材としての粘土質材料及び焼結調整
材料を加えて組成物を調整し、所望の形状に成形した
後、250[℃]以下の温度で乾燥し、1000[℃]
以上1200[℃]以下の範囲で焼成してなるセラミッ
ク焼結体の製造方法である。また、未燃炭素に吸着され
たダイオキシンが、焼結体組成中で加熱昇温の際、炭素
の燃焼と共に揮発したものをゼオライト質である大谷石
によって再吸着させて高温域まで持ち越した後、大谷石
のイオン交換成分であるナトリウム成分と反応させて食
塩として無害化するという手段を用いる。
【0005】
【発明の実施の形態】大谷石は高シリカ型クリノプチロ
ライト鉱物として(Na2,K2)O,Al23.10S
iO2.8H2Oの化学成分をもつゼオライトであり、3
乃至10[Å]の微細気孔により各種のガス成分に対し
て高い吸着能力を示し脱臭剤としても広く使用されてい
る。また、多量の化学結合水を持ち、熱分析をすると2
00[℃]から連続的に結合水の放出が起こり、750
[℃]〜900[℃]の間で非晶質化する。また、その
吸着作用に関しては、結合水の放出と共に周辺気体を吸
着し、600[℃]付近で最大の吸着能を発揮する作用
がある。更に、大谷石の持つ数オングストロームの気孔
は、気体分子を吸着内蔵したまま非晶質化し焼結するこ
とも本発明者による特願平5−230633号により開
発されている。大谷石に含まれるナトリウム,カリウム
成分はイオン交換性成分として知られる様に反応活性の
高いものであり、ダイオキシンのような酸性ガスとは容
易に反応して塩化ナトリウム(NaCl)が生成される
と考えられるものである。
【0006】都市ゴミ焼却灰に含まれる化学成分の一例
を以下に示すと、Ig.loss17[%](残留炭素
11[%]),SiO2 38[%],Al23
3[%],CaO 18[%],Fe22 6[%],
MgO 3[%],K2O2[%],Na2O 3[%]
であり、特に、揮発有害ガス成分はCl2 0.4
[%],SO4 0.6[%]であり、セラミック焼結
体組成物としてこれらダイオキシン類を吸着した未燃炭
素が混合されたものは、加熱昇温過程に於いて酸素によ
り燃焼し始める350[℃]以上になるとダイオキシン
が再生成され、焼成炉の排気ガス中に含まれて放出され
ることになるが、揮発したダイオキシンは活性炭の約1
/5という微細な気孔を持つ大谷石によって再吸着され
ると揮発放出されることなく高温サイドへ移行すること
ができる。800[℃]以上の温度域で放出されたとし
てもすでにダイオキシンとしての毒性は失われるが、本
発明は更に化学反応によってより無害化の方向を求めて
いる。即ち、大谷石中にはNa2O成分が3〜4[%]
含まれていて塩素ガスを吸着すると、2Na2O+2C
2→4NaCl+O2の反応が起こるものと推定され、
これらを理論的に計算するとNa2Oが1.0[%]当
り約1.34[%]のCl2を反応固定できることにな
る。従って、大谷石の配合率は5[%]〜35[%]で
十分である。また、反応生成したNaClは理論的には
融点である776[℃]を越えると食塩蒸気として揮発
を始めるが、セラミック焼結体として高圧力で圧縮成形
された中では1100[℃]を越えないと容易に揮発す
ることがないものであった。特に、大谷石は約80
[%]に近いSiO2を含み900[℃]を越えて非晶
質化した時に生成する活性SiO2は塩焼瓦の技術理論
として知られるようにSiO2・Al23と反応して
1.0Na2O,0.5〜1.0Al23,2.8〜
5.5SiO2の組成を持つガラスが生成されるもので
ある。ダイオキシン類に対する無害化効果はゴミ焼却炉
などでは排ガス中からサンプリングして測定が行われ、
0.5ng/Nm3という極めて微量の測定値で示され
るため、本発明の効果の測定には十分な判定をすること
が困難であるため、本発明ではダイオキシンの起因物質
の1つとされる塩化ビニール樹脂を粉末として大谷石粉
末と混合して1000[℃]に焼成した焼結体中にNa
Clの生成をみて効果を判定した。
【0007】(実施例) (1)原料は大谷石を<0.5[%]の粒度に粉砕した
粉末と塩化ビニール樹脂粉および粘土を用いてサンプル
サイズ100[mm]×50[mm]×10[mm]の
金型で加圧成形した。 (2)配合率 大谷石70[%],塩化ビニール樹脂10[%],粘土
20[%] (3)焼成はガス炉を用いて10[℃]/[分]の昇温
速度で1000[℃]で焼成した。 (4)X線回折によるNaClの生成 焼成試料を微粉砕して粉末としX線回折をしたところ明
らかなNaClの結晶を確認した。 (5)煮沸テストによる観察 焼成試料を0.5[mm]〜1.0[mm]の粒度とし
清水中に入れて煮沸したところ、粒子表面から多量の泡
を発生し、ゼオライト気孔中にガス成分が封入されたま
ま焼結していることを確認した。
【0008】
【発明の効果】
1)本発明によれば、都市ゴミ焼却灰をセラミックス焼
結体としてセラミックス分野でリサイクルするために未
解決であった塩素ガス、特にダイオキシン類の合理的な
無害化処理をすることができるようになる。 2)従来技術では、ダイオキシン或は塩素を含む有害ガ
スが、処理工程で発生する排気ガス中に含まれるため、
更にその処理に多額の設備費を必要としていたが、本発
明によれば、排気ガスも有害性がなくなるので設備費は
少なくて済む。従って、本発明による経済性は莫大であ
るという効果もある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化合物及び/又はダイオキシン類化
    合物を含む組成物65以上95以下[重量%]と高シリ
    カ型クリノプチロライトを主成分とする大谷石5以上3
    5以下[重量%]とが、均一に含有されており、所望の
    形状に成形,焼成されていることを特徴とするセラミッ
    ク焼結体。
  2. 【請求項2】 有害塩素成分を含む原料、例えば、都市
    ゴミ焼却灰に対し、粉粒度500[μm]以下に粉砕し
    た大谷石を、前記焼却灰中に含まれる全塩素量の少なく
    とも重量で2倍以上配合し、成形助材として粘土質材料
    及び焼結調整材料を加え、必要ならば加水し、混練して
    均一な組成物に調整し、所望の形状に成形した後250
    [℃]以下の温度で乾燥し、1000[℃]以上120
    0[℃]以下の温度範囲で焼成することを特徴とするセ
    ラミック焼結体の製造方法。
JP8281175A 1996-10-24 1996-10-24 セラミック焼結体とその製造方法 Expired - Lifetime JP3038673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8281175A JP3038673B2 (ja) 1996-10-24 1996-10-24 セラミック焼結体とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8281175A JP3038673B2 (ja) 1996-10-24 1996-10-24 セラミック焼結体とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10130048A true JPH10130048A (ja) 1998-05-19
JP3038673B2 JP3038673B2 (ja) 2000-05-08

Family

ID=17635402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8281175A Expired - Lifetime JP3038673B2 (ja) 1996-10-24 1996-10-24 セラミック焼結体とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3038673B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103551358A (zh) * 2013-09-30 2014-02-05 天津壹鸣环境工程有限公司 一种垃圾焚烧飞灰烧结无害化资源化处理系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103551358A (zh) * 2013-09-30 2014-02-05 天津壹鸣环境工程有限公司 一种垃圾焚烧飞灰烧结无害化资源化处理系统
CN103551358B (zh) * 2013-09-30 2015-06-10 天津壹鸣环境工程有限公司 一种垃圾焚烧飞灰烧结无害化资源化处理系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP3038673B2 (ja) 2000-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE4034417C2 (de) Hochreaktive Reagentien und Zusammensetzungen für die Abgas- und Abwasserreinigung, ihre Herstellung und ihre Verwendung
KR100187307B1 (ko) 폐기물 소각방법
Fan et al. A comparative study on characteristics and leaching toxicity of fluidized bed and grate furnace MSWI fly ash
KR101459990B1 (ko) 슬러지 소각재를 이용한 블록 조성물 및 블록 제조방법
JP3038673B2 (ja) セラミック焼結体とその製造方法
JP2004526555A (ja) 灰分を不活性にする方法、該方法によって得られた人工ポゾラン
JPH01151984A (ja) 有害且つ有毒な工業廃棄物の処理方法
JPH1129346A (ja) 人工骨材・軽量骨材等として用いる吸着酸化触媒材及びその製造方法
JP2006263635A (ja) 高比表面積の無機質固化体及びその製造方法
JPH10137716A (ja) 廃棄物処理材および廃棄物処理方法
JPH11347343A (ja) 排ガス浄化用薬剤
JP2757074B2 (ja) 焼却場からの含塩ダストの処理方法
JPH09110514A (ja) 石綿原料焼結体とその製造方法
JP3692443B2 (ja) 石炭ガス化スラグを用いたハイドログロシュラーの製造方法
Deng et al. Killing two birds with one stone: Preparation of ceramsite high-strength lightweight aggregate via co-sintering of dredged sediment and municipal solid waste incinerated fly ash
JP3724062B2 (ja) 廃棄物処理材および廃棄物処理方法
JP3360974B2 (ja) 人工骨材・軽量骨材等として用いる吸着酸化触媒材及びその製造方法
JP2004323287A (ja) 揮発性物質を含有する物質の処理方法
JP3420081B2 (ja) ゴミ焼却灰からの吸着剤の製造方法
JP5599574B2 (ja) 焼却灰からの土壌改良材およびその製造方法
JP2004269822A (ja) 硫化カルシウム系重金属固定化剤の製造方法
JP5583359B2 (ja) アスベスト製品の無害化処理装置
KR101324769B1 (ko) 인공토양 제조방법 및 고함수 슬러지 고화재
JP3037688B1 (ja) 多孔性焼成体を用いたダイオキシンの吸着除去方法
JP5378901B2 (ja) アスベストの無害化処理物を原料にした耐火煉瓦の製造法および耐火煉瓦