JPH10119884A - 滑走ボ−ド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作時の人間の自由度を大きく保持し、滑走
するボ−ドのエッジに意図するように人間の体重を加え
ることが出来且つ初心者でも意図するように自由に操縦
することの出来る滑走ボ−ドを提供する。 【解決手段】 幅広のボ−ド１と、該ボ−ド１の前部に
おいて上下或いは左右横方向に回動自在に枢着したポ−
ル３と、該ポ−ル３の横方向の回動に伴って一体に回転
し且つ左右横方向に延ばしたブランチバ−５ａ、５ｂを
固定したシャフト５と、前記ポ−ル３とシャフト５との
横方向の一体回転を許容し且つ該ポ−ル３の上下回転時
シャフト５は回転不可とした連結具４と、で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、雪の上だけでな
く海や湖等の水上でも滑走することのできる滑走ボ−
ド、特にエッジをよくきかせて雪上や水上を比較的楽に
操縦することのできる滑走ボ−ドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のスキ−は、人の身長に合わせた細
長いスキ−板二枚を対としてその上にスキ−靴を固定し
て滑走するように出来ている。滑走時は直進或いはサイ
ンカ−ブのシュプ−ルを適当に描きながら走行するが、
特に進行方向に対するカ−ブの操作は両手で持ったスト
ックとスキ−板のエッジを利用して行う。スキ−板とス
キ−板に固定する靴及び両手で持つストックといったス
キ−の道具について発明や考案等が生まれるとしても精
々スキ−板や靴の材料、靴の固定金具の構造、或いは靴
の固定方法といった程度である。また、如何にスキ−を
上達させるかという技術的問題があっても身長、体重、
人体各部の構造的特徴から人間の動作を研究してスキ−
道具の形状、重量、長さ等が決められる。しかし基本的
にはスキ−の道具は細長い二枚の板、板に固定する靴、
操作用ストックといったパタ−ンは昔から変化していな
い。

【０００３】また、上記するスキ−以外でゲレンデ等を
滑走する道具としては人の身長より少し長く幅広の板に
人が座り、前部に繋いだロ−プを持って操作するスノ−
ボ−ドやボブスレ−のようなものがあり、近年スノ−ボ
−ドが見直され注目されているが、形状、構造的特徴は
昔から知られている道具である。そこで、発明者は幅広
のボ−ドの前部に滑らかな曲折部を形成し、該曲折部の
上端部にハンドルを設けたポ−ルを回動自在に枢着して
なることを特徴とするスキ−ボ−ド、或いは、ハンドル
を設けたポ−ルは幅広のボ−ドの中央部より少し前部へ
回動自在に枢着したことを特徴とするスキ−ボ−ドを提
案した（特願平６−０９５８８７号）。

【０００４】なお、駆動源を載せない板状の乗物として
は、主として夏のスポ−ツの一種である水上スキ−は、
両手をロ−プの先端のハンドルで持ちながらモ−タ−ボ
−トにこのロ−プを引いて貰って高速で水面上を滑走す
るものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記する発明者が提案
したスキ−ボ−ドは、試作して走行した結果極めて良好
な走行感があり且つ乗り心地も良くスポ−ツとして大き
な可能性を秘めていることが判明した。しかし、制動
（ブレ−キ）手段としてボ−ドの両側或いは後部に地面
に爪をたてる方式のブレ−キ装置を装備したが、このよ
うなブレ−キではブレ−キ操作が困難であることも判明
した。また、走行中、特にカ−ブをきったり方向を変更
するためにはある程度ポ−ルを横に倒さなければならな
いが、地面に爪をたてる方式のブレ−キ装置では無理が
あり、どうしてもボ−ドのエッジを利用しければならな
いこともわかった。

【０００６】一方、実際にカ−ブをきったり、制動操作
する際ボ−ドのエッジを利用すると、エッジが旨く効か
ず横方向へ大きく流れることが判った。即ち、ボ−ドの
エッジ部分に体重がうまくかからずブレ−キングしにく
いのである。従って、滑走する際前後或いは左右への体
重移動或いはエッジ部への体重を意図するように掛ける
ことができれば滑走ボ−ドとして従来のスキ−やスノ−
ボ−ドのような道具とは異なったスポ−ツとして更に楽
しいスキ−用具を提供することが出来る。

【０００７】この発明は上記する課題に着目して創案さ
れたものであり、操作時の人間の自由度を大きく保持
し、滑走するボ−ドのエッジに意図するように人間の体
重を加えることが出来且つ初心者でも意図するように自
由に操縦することの出来る滑走ボ−ドを提供することを
目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】即ち、この発明は上記す
る課題を解決するために、滑走ボ−ドが、幅広のボ−ド
と、該ボ−ドの前部において上下或いは左右横方向に回
動自在に枢着したポ−ルと、該ポ−ルの横方向の回動に
伴って一体に回転し且つ左右横方向に延ばしたブランチ
バ−を固定したシャフトと、前記ポ−ルとシャフトとの
横方向の一体回転を許容し且つ該ポ−ルの上下回転時シ
ャフトは回転不可とした連結具と、より成ることをを特
徴とする。

【０００９】前記シャフトに固定したブランチバ−は、
操縦者が立つ位置の近傍に設け且つ該ブランチバ−先端
部には該シャフト方向にバ−を固定してあることを特徴
とする。また、前記連結具は、中央部にシャフトを嵌合
した球体と、該球体と球面接触する外輪と、該外輪に固
定したブラケットと、前記球体の中央部に嵌合させたシ
ャフトの両端部を支持する支持具と、より成り、且つ前
記ブラケットにはポ−ルの端部を上下方向に回動自在に
枢着すると共に、前記外輪には前記シャフトを一体に固
着してあることを特徴とする。該連結具は、ポ−ルを上
下に回動可能に枢着すると共に、シャフトとはスプライ
ン嵌合としてもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の具体的実施の形
態について図面を参照して説明する。図１はこの発明の
滑走ボ−ドの平面図、図２（Ａ）は側面図、図２（Ｂ）
は図２（Ａ）のＡ−Ａ矢視図である。この滑走ボ−ド
は、幅広の一枚のボ−ド（板）１と、該ボ−ド１の前部
において上下或いは左右横方向に回動自在に枢着したポ
−ル３と、該ポ−ル３の横方向の回動に伴って一体に回
転し且つ左右横方向に延ばしたブランチバ−５ａ，５ｂ
を固定したシャフト５と、該ポ−ル３とシャフト５との
横方向の一体回転を許容し且つ該ポ−ルの上下回転時シ
ャフト５は回転不可とした連結具２と、で構成される。

【００１１】前記ボ−ド１は、合成樹脂で製作するが
（勿論木材であってもよい）、その前後の端部１ａ，１
ｂは若干上方向に曲げてある。また、前記ポ−ル３は後
述する図５に示すように下部を径の大きな筒状の下部ポ
−ル３ａとし、上側を該下部ポ−ル３ａに径の小さな上
部ポ−ル３ｂを嵌入させて長さ（高さ）を調節できるよ
うにしてもよい。前記ポ−ル３の上部には、後述するよ
うに操縦者が両手で把持することの出来るハンドル６
（図５（Ａ）参照）を設ける。

【００１２】前記シャフト５に固定したブランチバ−５
ａ，５ｂは、操縦者が立つ位置の近傍に設けるが、これ
はポ−ル３を横方向に倒したとき（連結具２を中心とし
て左右に回動させたとき）ボ−ド１のエッジ部１ｃ，１
ｃに操縦者の体重が良くかかるようにするためである。
これらのブランチバ−５ａ，５ｂの先端部はボ−ド１に
固定してもよいが、自由端としてもよい。更に、これら
ブランチバ−５ａ，５ｂの先端部にはシャフト５と同じ
方向にバ−（図示省略）を固定してもよいし、或いはこ
れらブランチバ−５ａ，５ｂに代えてシャフト５に平た
い板状のものを固定してもよい。

【００１３】前記ボ−ド１やポ−ル３やシャフト５等の
材料は、アルミやチタン合金、合成樹脂、或いはカ−ボ
ン繊維やボロン繊維等の軽量且つ高強度材を用いること
ができる。

【００１４】ボ−ド１の操縦者が載る位置には円板８が
設置されるが、前記ブランチバ−５ａ，５ｂは該円板８
の下部、即ち、操縦者の体重がかかる位置に設けてあ
る。該円板８は、ばねを設置する等によりある程度付勢
力が作用するよう回転可能に設置してもよい。また、円
板８の上には靴を掛けるための靴掛け８ａを設置しても
よいし、該円板８の上には滑り止め８ｂを設けてもよ
い。

【００１５】次に、図３（Ａ）は前記連結具２の縦断面
図であり、図３（Ｂ）は図３（Ａ）のＢ−Ｂ矢視断面図
である。図４はこの連結具２の斜視図である。該連結具
２は、中央部にシャフト２ａを嵌合した球体２ｂと、該
球体２ｂと球面接触する外輪２ｃと、該外輪２ｃに溶接
等により固定したブラケット２ｄと、前記球体２ｂの中
央部に嵌合させたシャフト２ａの両端部を支持する支持
具２ｅ，２ｅと、で構成してある。また、前記ブラケッ
ト２ｄにはポ−ル３の端部が上下方向に回動自在に枢着
してあり、前記外輪２ｃには前記シャフト５が一体に固
着してある。即ち、この連結具２は、操縦者がシャフト
５とは無関係にポ−ル３を上下に回転させることができ
ると共にポ−ル３を横方向に倒す（連結具２を中心とし
て左右に回動させる）ことにより該ポ−ル３とシャフト
５とを一体に回転させることができる。

【００１６】この発明の滑走ボ−ドは以上のような構成
からなるが、次に実際に滑走するときの状態について説
明する。操縦者がハンドル６（図５参照）を持ちポ−ル
３で操縦しながらゲレンデや雪山のスロ−プを滑走する
に際しては、ボ−ド１とポ−ル３と操縦者とは一つの略
三角形を形成し、且つポ−ル３と操縦者との二辺は長さ
及び角度を変化させることが可能となるので滑走中の操
作も臨機応変に行うことが出来る。即ち、操縦者は真っ
直ぐ立ったり屈曲したり、前記ポ−ル３を前方へ倒した
り、後方へ倒したり、或いは左右何れかの横方向に倒し
たりするだけで体重移動（重心移動）が可能となり方向
変換や速度の制御も実に楽々と行うことが出来る。特
に、操縦者が、方向変換や制動操作に際してポ−ル３を
左右の横方向に倒すとシャフト５は連結具２の外輪２ｃ
に固定されているのでポ−ル３と一体となって回転す
る。そして、該シャフト５の回転に伴い、該シャフト５
に連結したブランチバ−５ａ，５ｂの先端部を介してボ
−ド１のエッジ１ｃ，１ｃに操縦者の体重が強くかかる
ため制動力をうまく作用させることができる。即ち、連
結具２は、ポ−ル３を横方向に倒す（回動させる）とき
シャフト５と一体回転させボ−ド１のエッジ１ｃ，１ｃ
に操縦者の体重を作用させるためのものである。また、
エッジング効果の利用、カ−ブする際のハンドル操作、
ジャンピング等の操作を安全に且つ楽に行うことが出来
る。なお、この滑走ボ−ドは水上でも滑走させることが
できる。

【００１７】図５（Ａ）はこの発明の滑走ボ−ドの変形
実施の形態を示す全体斜視図であり、図５（Ｂ）は図５
（Ａ）のＣ−Ｃ矢視断面図である。この滑走ボ−ドは、
ボ−ド１と、上下に回動可能としたポ−ル３と、該ポ−
ル３の横方向（左右方向）の回転と共に該ポ−ル３と一
体回転し且つブランチバ−５ａ，５ｂを固定したシャフ
ト５と、該ポ−ル３とシャフト５とを連結する連結具４
と、で構成される。前記シャフト５の前端部と途中及び
後端部は、軸受９、１０、１１で支持されているが、軸
受１０はなくてもよい。

【００１８】前記ポ−ル３にはハンドル６が設けてあ
る。該ポ−ル３は、径の大きな下部ポ−ル３ａとこの下
部ポ−ル３ａに嵌入出来るよう径を少し小さくした上部
ポ−ル３ｂとから成り、下部ポ−ル３ａは連結具４に上
下方向に回動自在に枢着してある。また、径の若干小さ
な上部ポ−ル３ｂは、下部ポ−ル３ａに出し入れ可能と
して任意の位置で止めねじ７により固定することにより
操縦者の身長に合わせて高さを調整することが出来るよ
うにしてある。従って、前記ポ−ル３は操縦時の上下方
向への回転角度αや長さＬ等を調整して操縦出来るよう
にして操縦者のフィ−リングに合わせることが出来る
（これは図１乃至図４の実施の形態でも同様）。但し、
前記ポ−ル３は予め長さを決めた一本のポ−ルとしても
良い。

【００１９】前記連結具４には、ポ−ル３が上下に回動
自在に枢着されている。そして該連結具４の内周面には
雌スプライン４ａが刻設され、シャフト５に刻設された
スプライン５ｃがこの雌スプライン４ａにスプライン嵌
合されている。従って、この連結具４でも、操縦者がシ
ャフト５とは無関係にポ−ル３を上下に回転させること
ができると共にポ−ル３を横方向（左右方向）に倒すこ
とにより該ポ−ル３とシャフト５とを一体に横方向（左
右方向）に回転させることができる。更に、図５に示す
実施の形態では、ポ−ル３はシャフト５に対して一定距
離前後にも移動させることができる。

【００２０】

【発明の効果】この発明の滑走ボ−ドは以上詳述したよ
うな構成としたので、滑走中腕と足の操作及び体重移動
を利用してバランスをとりながら快適に且つ安全に操縦
者が意図するように走行することが出来る。特に、ポ−
ルを横方向に倒して制動操作を行う際シャフトを同時に
回転させてブランチバ−を介してボ−ドのエッジ部に操
縦者の体重をかけることができるので制動をスム−ズ行
うことができる。このため制動操作が極めて楽になり意
図するような滑走を実現することができる。また、ポ−
ルを上下に倒して滑走中の姿勢を変えたり或いは片足を
スキ−ボ−ドから外して所謂レグタ−ンを行ったりコ−
ナ−リングを行い楽に各種の走行を臨機応変に行うこと
が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の滑走ボ−ドの平面図である。

【図２】図２（Ａ）はこの発明の滑走ボ−ドの側面図で
あり、図２（Ｂ）は図２（Ａ）のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】図３（Ａ）はこの発明の滑走ボ−ドで用いる連
結具の縦断面図であり、図３（Ｂ）は図３（Ａ）のＢ−
Ｂ矢視断面図である。

【図４】この発明の滑走ボ−ドで用いる連結具の斜視図
である。

【図５】図５（Ａ）はこの発明の滑走ボ−ドの変形実施
の形態を示す全体斜視図であり、図５（Ｂ）は図５
（Ａ）のＣ−Ｃ矢視断面図である。

【符号の説明】

１ ボ−ド ２ 連結具 ３ ポ−ル ３ａ 下部ポ−ル ３ｂ 上部ポ−ル ４ 連結具 ５ シャフト ５ａ、５ｂ ブランチバ− ６ ハンドル ８ 円板

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 幅広のボ−ドと、該ボ−ドの前部におい
   て上下或いは左右横方向に回動自在に枢着したポ−ル
   と、該ポ−ルの横方向の回動に伴って一体に回転し且つ
   左右横方向に延ばしたブランチバ−を固定したシャフト
   と、前記ポ−ルとシャフトとの横方向の一体回転を許容
   し且つ該ポ−ルの上下回転時シャフトは回転不可とした
   連結具と、より成る滑走ボ−ド。
2. 【請求項２】 シャフトに固定したブランチバ−は、操
   縦者が立つ位置の近傍に設け且つ該ブランチバ−先端部
   には該シャフト方向にバ−を固定してあることを特徴と
   する請求項１に記載の滑走ボ−ド。
3. 【請求項３】 連結具は、中央部にシャフトを嵌合した
   球体と、該球体と球面接触する外輪と、該外輪に固定し
   たブラケットと、前記球体の中央部に嵌合させたシャフ
   トの両端部を支持する支持具と、より成り、且つ前記ブ
   ラケットにはポ−ルの端部を上下方向に回動自在に枢着
   すると共に、前記外輪には前記シャフトを一体に固着し
   てあることを特徴とする請求項１若しくは請求項２に記
   載の滑走ボ−ド。
4. 【請求項４】 連結具は、ポ−ルを上下に回動可能に枢
   着すると共に、シャフトとはスプライン嵌合であること
   を特徴とする請求項１若しくは請求項２に記載の滑走ボ
   −ド。