JPH10115003A - 鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接合金物 - Google Patents
鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接合金物Info
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- JPH10115003A JPH10115003A JP30027797A JP30027797A JPH10115003A JP H10115003 A JPH10115003 A JP H10115003A JP 30027797 A JP30027797 A JP 30027797A JP 30027797 A JP30027797 A JP 30027797A JP H10115003 A JPH10115003 A JP H10115003A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 柱への高力ボルトによる締結力を確実に伝え
ることができ、はり端の曲げモーメントと剪断力による
引張力に十分に対抗することができ、はりの吊り込みの
際の仮受けも安定して行える。 【解決手段】 はり3のフランジにボルト結合する水平
板4を底版7上に突設し、この水平板4は水平スリット
8を確保した上下2枚の板の組合せからなり、このうち
下板12bはその基部が底版7から突設し、また、上板12
aは底版7上に重合固定するフランジ13を端に有し、前
記上板12aのフランジ13が重なる部分の底版7の厚さを
他の部分よりも薄く形成した接合金物1を使用し、柱2
の所定位置に下板12bを有する底版7を載置してボルト
止めにより取付け、前記下板12bではり3のフランジ下
面を仮支承し、次いで前記フランジ13を底版7に重ねて
上板12aを柱2に取り付け、これら上板12a・下板12b
ではり3のフランジを挟み込みボルト止めする。
ることができ、はり端の曲げモーメントと剪断力による
引張力に十分に対抗することができ、はりの吊り込みの
際の仮受けも安定して行える。 【解決手段】 はり3のフランジにボルト結合する水平
板4を底版7上に突設し、この水平板4は水平スリット
8を確保した上下2枚の板の組合せからなり、このうち
下板12bはその基部が底版7から突設し、また、上板12
aは底版7上に重合固定するフランジ13を端に有し、前
記上板12aのフランジ13が重なる部分の底版7の厚さを
他の部分よりも薄く形成した接合金物1を使用し、柱2
の所定位置に下板12bを有する底版7を載置してボルト
止めにより取付け、前記下板12bではり3のフランジ下
面を仮支承し、次いで前記フランジ13を底版7に重ねて
上板12aを柱2に取り付け、これら上板12a・下板12b
ではり3のフランジを挟み込みボルト止めする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木や建築物等の
部材の接合として、鉄骨構造の柱とはりの接合方法およ
び接合金物に関する。
部材の接合として、鉄骨構造の柱とはりの接合方法およ
び接合金物に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄骨構造の柱2とはり3の接合方法とし
て、特公昭56-23015号公報にも記載されているスプリッ
トテイのかわりに鋳造または鍛造によって一体に製造し
た特殊形状の接合金物1を使用したものを図7,図8に
示す。
て、特公昭56-23015号公報にも記載されているスプリッ
トテイのかわりに鋳造または鍛造によって一体に製造し
た特殊形状の接合金物1を使用したものを図7,図8に
示す。
【0003】この接合金物1は、はり3の上フランジ3
aや下フランジ3bに重合するとともに、これをボルト
結合し得るボルト孔を有する水平板4を底版7上に突設
したものであり、この底版7は前記水平板4の基部から
外方へ向って次第に厚さを薄くするとともに、台座5を
有するボルト孔6を設けた。
aや下フランジ3bに重合するとともに、これをボルト
結合し得るボルト孔を有する水平板4を底版7上に突設
したものであり、この底版7は前記水平板4の基部から
外方へ向って次第に厚さを薄くするとともに、台座5を
有するボルト孔6を設けた。
【0004】柱2の所定位置に底版7を載置して接合金
物1をボルト結合し、水平板4をはり3の上フランジ3
aや下フランジ3bに重合して高力ボルト10で結合す
る。
物1をボルト結合し、水平板4をはり3の上フランジ3
aや下フランジ3bに重合して高力ボルト10で結合す
る。
【0005】このようにすれば、水平板4の底版7の部
分を含めて基部が外方へ向って次第に厚さを薄くしてあ
るので、従来のスプリットテイや溶接テイを使用する接
合方法に対して金物のモーメントに比する耐力が著しく
大であるから、柱とはりの接合効率を飛躍的に高めるこ
とにより高い固定度を期待することができるとともに連
梁効果を向上させることができる。また、現場における
溶接作業を必要としないから、柱とはりの接合作業を容
易かつ迅速に行うことができる。
分を含めて基部が外方へ向って次第に厚さを薄くしてあ
るので、従来のスプリットテイや溶接テイを使用する接
合方法に対して金物のモーメントに比する耐力が著しく
大であるから、柱とはりの接合効率を飛躍的に高めるこ
とにより高い固定度を期待することができるとともに連
梁効果を向上させることができる。また、現場における
溶接作業を必要としないから、柱とはりの接合作業を容
易かつ迅速に行うことができる。
【0006】しかし、前記図7,図8に示すものは高力
ボルト10による1面せん断接合であるため、はり3の上
フランジ3aや下フランジ3bと水平板4との接合長さ
が長くなり、デッキプレート敷設等のさまたげとなって
いた。
ボルト10による1面せん断接合であるため、はり3の上
フランジ3aや下フランジ3bと水平板4との接合長さ
が長くなり、デッキプレート敷設等のさまたげとなって
いた。
【0007】これに対して、特公昭54-3526 号公報に示
すように2面接合することで接合金物におけるはりフラ
ンジとの接合長さを短くできる鉄骨構造の柱とはりの接
合方法および接合金物を出願人等は提案し、特許権を得
ている。
すように2面接合することで接合金物におけるはりフラ
ンジとの接合長さを短くできる鉄骨構造の柱とはりの接
合方法および接合金物を出願人等は提案し、特許権を得
ている。
【0008】この特公昭54-3526 号公報の柱とはりの接
合方法および接合金物を図4〜図6に示すと、接合金物
1ははり3の上フランジ3aや下フランジに重合すると
ともに、これをボルト結合し得るボルト孔を有する水平
板4を底版7上に突設し、この底版7は図5に示すよう
に前記水平板4の基部から外方へ向って次第に厚さを薄
くするとともに、台座5を有するボルト孔6を設けた。
合方法および接合金物を図4〜図6に示すと、接合金物
1ははり3の上フランジ3aや下フランジに重合すると
ともに、これをボルト結合し得るボルト孔を有する水平
板4を底版7上に突設し、この底版7は図5に示すよう
に前記水平板4の基部から外方へ向って次第に厚さを薄
くするとともに、台座5を有するボルト孔6を設けた。
【0009】前記接合金物1の水平板4は、2股の一体
物として形成して、中央にはり3のフランジが挿入する
水平スリット8を長さ方向にかつ先端に開口するように
設けた。さらに、2股となり上下に分かれる片のうち、
一方の片にはり3のウエブ3cが通過する切り込み溝9
を形成しておく。
物として形成して、中央にはり3のフランジが挿入する
水平スリット8を長さ方向にかつ先端に開口するように
設けた。さらに、2股となり上下に分かれる片のうち、
一方の片にはり3のウエブ3cが通過する切り込み溝9
を形成しておく。
【0010】このようにして、柱2の所定位置(はり3
の上フランジ3aおよび下フランジ3bに対応する位
置)に底版7を載置して高力ボルト10で止めることで接
合金物1を上下に取り付ける。
の上フランジ3aおよび下フランジ3bに対応する位
置)に底版7を載置して高力ボルト10で止めることで接
合金物1を上下に取り付ける。
【0011】さらに、水平板4の水平スリット8内には
り3の上フランジ3aおよび下フランジ3bを差し入れ
て高力ボルト10で止める。
り3の上フランジ3aおよび下フランジ3bを差し入れ
て高力ボルト10で止める。
【0012】はり3端には曲げモーメントと剪断力が作
用し、はり3の上フランジ3aの位置においては引張力
が、下フランジ3bの位置においては圧縮力が作用す
る。従って上フランジ用の接合金物1及びそれを柱2に
取りつける高力ボルト10には引張力が作用する。そして
はり3のフランジ3aと接合金物1は高力ボルト10で摩
擦接合する。すなわち、はり3のフランジ3aは接合金
物1の水平板4に挾まれるので、はり3と接合金物1は
2面の摩擦接合となるので、所要の摩擦力を発生させる
ためには、従来の一面摩擦の場合の半分のボルト本数で
すみ、水平板4の長さも半分程度で良いため接合金物1
の重量を軽減させることができる。
用し、はり3の上フランジ3aの位置においては引張力
が、下フランジ3bの位置においては圧縮力が作用す
る。従って上フランジ用の接合金物1及びそれを柱2に
取りつける高力ボルト10には引張力が作用する。そして
はり3のフランジ3aと接合金物1は高力ボルト10で摩
擦接合する。すなわち、はり3のフランジ3aは接合金
物1の水平板4に挾まれるので、はり3と接合金物1は
2面の摩擦接合となるので、所要の摩擦力を発生させる
ためには、従来の一面摩擦の場合の半分のボルト本数で
すみ、水平板4の長さも半分程度で良いため接合金物1
の重量を軽減させることができる。
【0013】しかし、この特公昭54-3526 号公報の柱と
はりの接合方法および接合金物では、底版上に突設する
水平板は2股の一体物として構成しているので、該水平
板の水平スリットはこれに挿入するはりのフランジの厚
さ寸法とほとんど同一のものとなり、接合金物は柱に先
付けするものであるが、その取付け位置に少しでも誤差
があると、はりのフランジを差し入れることができない
という事態が生じ得る。
はりの接合方法および接合金物では、底版上に突設する
水平板は2股の一体物として構成しているので、該水平
板の水平スリットはこれに挿入するはりのフランジの厚
さ寸法とほとんど同一のものとなり、接合金物は柱に先
付けするものであるが、その取付け位置に少しでも誤差
があると、はりのフランジを差し入れることができない
という事態が生じ得る。
【0014】これに対して、接合金物の柱への取付け位
置に多少の誤差があっても、はりのフランジを差し入れ
ることができる接合金物として、特開平4-203133号公報
に示すものがある。
置に多少の誤差があっても、はりのフランジを差し入れ
ることができる接合金物として、特開平4-203133号公報
に示すものがある。
【0015】これは図9,図10に示すように、柱2に重
合して高力ボルト10で結合する底版7からはり3の上下
フランジ3a,3bに重合して高力ボルト10で結合する
第1の水平板12cを突設した略T字形の板と、この底版
7に重合固定するフランジ13を端に有し、上下フランジ
3a,3bに重合して高力ボルト10で結合する第2の水
平板12dによる略L字形の板の2枚の板の組合せからな
る接合金物1である。
合して高力ボルト10で結合する底版7からはり3の上下
フランジ3a,3bに重合して高力ボルト10で結合する
第1の水平板12cを突設した略T字形の板と、この底版
7に重合固定するフランジ13を端に有し、上下フランジ
3a,3bに重合して高力ボルト10で結合する第2の水
平板12dによる略L字形の板の2枚の板の組合せからな
る接合金物1である。
【0016】図9では略T字形の板ははり3の外側に、
略L字形の板ははり3の内側に配設した場合、図10では
逆に略T字形の板ははり3の内側に、略L字形の板はは
り3の外側に配設した場合で、いずれも第1の水平板12
cと第2の水平板12dが上下フランジ3a,3bの厚さ
分だけ間隔を存する水平スリット8を確保した水平板4
を構成し、これらで上下フランジ3a,3bを挟み込み
固定する。
略L字形の板ははり3の内側に配設した場合、図10では
逆に略T字形の板ははり3の内側に、略L字形の板はは
り3の外側に配設した場合で、いずれも第1の水平板12
cと第2の水平板12dが上下フランジ3a,3bの厚さ
分だけ間隔を存する水平スリット8を確保した水平板4
を構成し、これらで上下フランジ3a,3bを挟み込み
固定する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特開平4-
203133号公報で開示された接合金物1では、底版7とフ
ランジ13の重なり部分は底版7のみの場合の2倍程度の
厚さになり、柱1への高力ボルト10での締結は底版7の
上下でバランスを欠くものとなる。しかも締結するため
の高力ボルト10の長さも異なるものを用いなければなら
ない。
203133号公報で開示された接合金物1では、底版7とフ
ランジ13の重なり部分は底版7のみの場合の2倍程度の
厚さになり、柱1への高力ボルト10での締結は底版7の
上下でバランスを欠くものとなる。しかも締結するため
の高力ボルト10の長さも異なるものを用いなければなら
ない。
【0018】また、図9,図10のいずれも、はりのフラ
ンジのうち上下いずれか一方のみの下面でしか下板12b
で仮支承しておらず、支持力が弱くて、重量の大きな鉄
骨であるはりを十分に支持することができないおそれが
ある。このように、はり3を吊り込む際の仮支承も十分
に行うことができない。
ンジのうち上下いずれか一方のみの下面でしか下板12b
で仮支承しておらず、支持力が弱くて、重量の大きな鉄
骨であるはりを十分に支持することができないおそれが
ある。このように、はり3を吊り込む際の仮支承も十分
に行うことができない。
【0019】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、柱への高力ボルトによる締結力を確実に伝えること
ができ、はり端の曲げモーメントと剪断力による引張力
に十分に対抗しうるものであり、しかも、高力ボルトで
の均一な締結を得て、構造的なバランスを欠くことがな
いようにし、鉄骨組みの際のはりの仮受けも安定して行
える鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接合金物を提
供することにある。
し、柱への高力ボルトによる締結力を確実に伝えること
ができ、はり端の曲げモーメントと剪断力による引張力
に十分に対抗しうるものであり、しかも、高力ボルトで
の均一な締結を得て、構造的なバランスを欠くことがな
いようにし、鉄骨組みの際のはりの仮受けも安定して行
える鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接合金物を提
供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、鉄骨構造の柱とはりの接合方法としては、は
りの上下フランジに重合するとともに、これをボルト結
合し得るボルト孔を有する水平板をボルト孔を有する底
版上に突設し、この水平板は上下2枚の板の組合せから
なり、このうち下板はその基部が底版から突設し、ま
た、上板は底版上に重合固定するフランジを端に有し、
前記上板のフランジが重なる部分の下板の底版の厚さは
下板の突設箇所よりも下部に位置する部分の厚さよりも
薄く形成し、これら上板・下板間に水平スリットを確保
する接合金物を使用し、柱の所定位置に下板を有する底
版を載置してボルト止めにより取付け、前記下板ではり
のフランジ下面を仮支承し、次いで前記フランジを底版
に重ねて上板を柱に取り付け、これら下板・上板ではり
の上下フランジを挟み込みボルト止めすること、およ
び、接合金物ははりの上下フランジの両方に配設するも
のであり、下板をはりの上下フランジの下側に、上板は
はりの上下フランジの上方に配置させることを要旨とす
るものである。
するため、鉄骨構造の柱とはりの接合方法としては、は
りの上下フランジに重合するとともに、これをボルト結
合し得るボルト孔を有する水平板をボルト孔を有する底
版上に突設し、この水平板は上下2枚の板の組合せから
なり、このうち下板はその基部が底版から突設し、ま
た、上板は底版上に重合固定するフランジを端に有し、
前記上板のフランジが重なる部分の下板の底版の厚さは
下板の突設箇所よりも下部に位置する部分の厚さよりも
薄く形成し、これら上板・下板間に水平スリットを確保
する接合金物を使用し、柱の所定位置に下板を有する底
版を載置してボルト止めにより取付け、前記下板ではり
のフランジ下面を仮支承し、次いで前記フランジを底版
に重ねて上板を柱に取り付け、これら下板・上板ではり
の上下フランジを挟み込みボルト止めすること、およ
び、接合金物ははりの上下フランジの両方に配設するも
のであり、下板をはりの上下フランジの下側に、上板は
はりの上下フランジの上方に配置させることを要旨とす
るものである。
【0021】また、鉄骨構造の柱とはりの接合金物とし
ては、はりの上下フランジに重合するとともに、これを
ボルト結合し得るボルト孔を有する水平板をボルト孔を
有する底版上に突設し、この水平板は上下2枚の板の組
合せからなり、このうち下板はその基部が底版から突設
し、また、上板は底版上に重合固定する上下フランジを
端に有し、この上板・下板間に水平スリットを確保する
接合金物において、前記上板のフランジの重なる部分の
底版の厚さを前記下板の突設箇所よりも下部に位置する
部分の厚さよりも薄く形成したことを要旨とするもので
ある。
ては、はりの上下フランジに重合するとともに、これを
ボルト結合し得るボルト孔を有する水平板をボルト孔を
有する底版上に突設し、この水平板は上下2枚の板の組
合せからなり、このうち下板はその基部が底版から突設
し、また、上板は底版上に重合固定する上下フランジを
端に有し、この上板・下板間に水平スリットを確保する
接合金物において、前記上板のフランジの重なる部分の
底版の厚さを前記下板の突設箇所よりも下部に位置する
部分の厚さよりも薄く形成したことを要旨とするもので
ある。
【0022】請求項1及び請求項3記載の本発明によれ
ば、はりのフランジに重合する水平板を2面接合するこ
とで理想的には1面せん断から2面せん断になるのでボ
ルト本数は1/2、すなわち、接合金物におけるはりフ
ランジとの接合長さを半分にできる。また、水平板は上
下2枚の板の組合せからなるので、はり建方時の仮受け
は下板側の接合金物を先付けしてこれではりの上下のフ
ランジを支えることができ、また、はりのフランジをこ
の上下2枚の板で挟み込めば足りるので寸法合わせが不
必要で、セット作業が楽になる。
ば、はりのフランジに重合する水平板を2面接合するこ
とで理想的には1面せん断から2面せん断になるのでボ
ルト本数は1/2、すなわち、接合金物におけるはりフ
ランジとの接合長さを半分にできる。また、水平板は上
下2枚の板の組合せからなるので、はり建方時の仮受け
は下板側の接合金物を先付けしてこれではりの上下のフ
ランジを支えることができ、また、はりのフランジをこ
の上下2枚の板で挟み込めば足りるので寸法合わせが不
必要で、セット作業が楽になる。
【0023】しかも、底版は、上板のフランジの重なる
部分の厚さを、下板を突設した箇所の下部に位置する部
分の厚さよりも薄く形成したので、この底版に上板を取
付けるべくフランジを重ねても、その厚さは、下板を突
設した箇所の下部であってボルト取付け箇所の厚みとほ
ぼ同一となり、全体として図4に示すようなはりフラン
ジを挟み込む水平板に対して両側に均等厚さに底版が突
き出るような形状となる。その結果、高力ボルトによる
底版の柱への取付けを、この底版の上下でほぼ同一の均
等な締付力で行うこととなり、かかる高力ボルトでの締
結力をバランスよく柱へ伝えることができる。
部分の厚さを、下板を突設した箇所の下部に位置する部
分の厚さよりも薄く形成したので、この底版に上板を取
付けるべくフランジを重ねても、その厚さは、下板を突
設した箇所の下部であってボルト取付け箇所の厚みとほ
ぼ同一となり、全体として図4に示すようなはりフラン
ジを挟み込む水平板に対して両側に均等厚さに底版が突
き出るような形状となる。その結果、高力ボルトによる
底版の柱への取付けを、この底版の上下でほぼ同一の均
等な締付力で行うこととなり、かかる高力ボルトでの締
結力をバランスよく柱へ伝えることができる。
【0024】とくに、柱へのボルトによる締結力を伝え
る上で、底版のうち下板を突設した箇所の下部で高力ボ
ルトを締結する箇所の厚みと、上板のフランジを重ねた
部分で高力ボルトと締結する箇所の厚みとをほぼ同一と
することは、ボルト止めをする上で重要なことであり、
このようにすることで、はり端の曲げモーメントと剪断
力による引張力に十分に対抗することができる。
る上で、底版のうち下板を突設した箇所の下部で高力ボ
ルトを締結する箇所の厚みと、上板のフランジを重ねた
部分で高力ボルトと締結する箇所の厚みとをほぼ同一と
することは、ボルト止めをする上で重要なことであり、
このようにすることで、はり端の曲げモーメントと剪断
力による引張力に十分に対抗することができる。
【0025】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、接合金物は上下のはりのフランジの両方に配
設するものであり、上板は上下のものがいずれもはりの
フランジの上方に配置させているので、予め上下の下板
が柱の所定箇所に取付けられており、はりは上下フラン
ジをその下面をこの下板に載置するようにすることでは
りの上下フランジを同時に仮支承することができるので
より一層安定した仮受け状態を維持することができる。
に加えて、接合金物は上下のはりのフランジの両方に配
設するものであり、上板は上下のものがいずれもはりの
フランジの上方に配置させているので、予め上下の下板
が柱の所定箇所に取付けられており、はりは上下フラン
ジをその下面をこの下板に載置するようにすることでは
りの上下フランジを同時に仮支承することができるので
より一層安定した仮受け状態を維持することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明の鉄骨構造の柱
とはりの接合方法および接合金物の第1実施形態を示す
要部の側面図で、前記従来例を示す図4〜10に対応する
ものであり、前記従来例と同一構成要素には同一参照符
号を付した。
の形態を詳細に説明する。図1は本発明の鉄骨構造の柱
とはりの接合方法および接合金物の第1実施形態を示す
要部の側面図で、前記従来例を示す図4〜10に対応する
ものであり、前記従来例と同一構成要素には同一参照符
号を付した。
【0027】先に接合金物1について説明すると、はり
3の上フランジ3aや下フランジ3bに重合するととも
に、これをボルト結合し得るボルト孔を有する水平板4
を底版7上に突設する点は前記従来例と同じである。
3の上フランジ3aや下フランジ3bに重合するととも
に、これをボルト結合し得るボルト孔を有する水平板4
を底版7上に突設する点は前記従来例と同じである。
【0028】接合金物1は図2に示すように、水平板4
は上板12aと下板12bの上下2枚の板の組合せからな
り、このうち下板12bはその基部が底版7から突設する
ようにする。
は上板12aと下板12bの上下2枚の板の組合せからな
り、このうち下板12bはその基部が底版7から突設する
ようにする。
【0029】また、上板12aは前記底版7上に重合固定
するフランジ13を端に形成するように端をほぼ直角に曲
成した。このフランジ13が重なる部分の底版7の厚さ
は、該フランジ13の厚さを考慮して、前記下板12bを突
設した箇所の下部に位置する部分の厚さよりも薄く形成
する。
するフランジ13を端に形成するように端をほぼ直角に曲
成した。このフランジ13が重なる部分の底版7の厚さ
は、該フランジ13の厚さを考慮して、前記下板12bを突
設した箇所の下部に位置する部分の厚さよりも薄く形成
する。
【0030】さらに、図2ははり3の上フランジ3a用
の、図3は下フランジ3b用の接合金物1であるが、図
2では下板12bに、図3では上板12aにはり3のウエブ
3aが通過する切り込み溝9を形成した。特に、図3で
の上板12aはこの切り込み溝9により左右に分割する2
枚の板で構成する。
の、図3は下フランジ3b用の接合金物1であるが、図
2では下板12bに、図3では上板12aにはり3のウエブ
3aが通過する切り込み溝9を形成した。特に、図3で
の上板12aはこの切り込み溝9により左右に分割する2
枚の板で構成する。
【0031】図1に示すように、柱2の所定位置(はり
3の上フランジ3aおよび下フランジ3bに対応する位
置)に下板12bを有する底版7を載置して高力ボルト10
で止めて取付ける。
3の上フランジ3aおよび下フランジ3bに対応する位
置)に下板12bを有する底版7を載置して高力ボルト10
で止めて取付ける。
【0032】そして、この下板12bではり3の上フラン
ジ3aおよび下フランジ3bのそれぞれの下面を仮支承
し、次いで、前記フランジ13を底版7に重ねて上板12a
を柱2に取り付け、下板12b・上板12a間には水平スリ
ット8を確保するようにする。このように下板12b・上
板12aで上フランジ3aおよび下フランジ3bを挟み込
み、高力ボルト10でボルト止めするものである。
ジ3aおよび下フランジ3bのそれぞれの下面を仮支承
し、次いで、前記フランジ13を底版7に重ねて上板12a
を柱2に取り付け、下板12b・上板12a間には水平スリ
ット8を確保するようにする。このように下板12b・上
板12aで上フランジ3aおよび下フランジ3bを挟み込
み、高力ボルト10でボルト止めするものである。
【0033】なお、前記のようにフランジ13が重なる部
分の底版7の厚さは該フランジ13の厚さを考慮して、前
記下板12bを突設した箇所の下部に位置する部分の厚さ
よりも薄く形成したので、フランジ13と底版7の重なり
厚さは底版7の下側を同じ程度となり、柱2への高力ボ
ルト10も同じ長さのボルトが使用できる。
分の底版7の厚さは該フランジ13の厚さを考慮して、前
記下板12bを突設した箇所の下部に位置する部分の厚さ
よりも薄く形成したので、フランジ13と底版7の重なり
厚さは底版7の下側を同じ程度となり、柱2への高力ボ
ルト10も同じ長さのボルトが使用できる。
【0034】また、このように水平板4を分割型とした
ので、はり3の仮受けができるとともにはり3と接合金
物1のボルト穴のクリアランスを利用することで、はり
長さの微調整が可能となる。
ので、はり3の仮受けができるとともにはり3と接合金
物1のボルト穴のクリアランスを利用することで、はり
長さの微調整が可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように本発明の鉄骨構造の柱
とはりの接合方法および接合金物は、2面接合すること
で高力ボルトの本数が約半分となり、接合金物における
はりフランジとの接合長さを短くできるようにするの
に、接合金物とはりとの結合を簡単かつ容易に行えるよ
うにして、高所作業での安全性を高めることができるも
のである。
とはりの接合方法および接合金物は、2面接合すること
で高力ボルトの本数が約半分となり、接合金物における
はりフランジとの接合長さを短くできるようにするの
に、接合金物とはりとの結合を簡単かつ容易に行えるよ
うにして、高所作業での安全性を高めることができるも
のである。
【0036】これに加えて、柱への高力ボルトによる締
結力を確実に伝えることができ、はり端の曲げモーメン
トと剪断力による引張力に十分に対抗しうるとともに、
はりの吊り込みの際の仮受けもはりの上下フランジを支
承いて安定して行えるものである。
結力を確実に伝えることができ、はり端の曲げモーメン
トと剪断力による引張力に十分に対抗しうるとともに、
はりの吊り込みの際の仮受けもはりの上下フランジを支
承いて安定して行えるものである。
【図1】本発明の鉄骨構造の柱とはりの接合方法および
接合金物の第1実施形態を示す側面図である。
接合金物の第1実施形態を示す側面図である。
【図2】本発明の鉄骨構造の柱とはりの接合金物の第1
実施形態を示す上フランジ用の斜視図である。
実施形態を示す上フランジ用の斜視図である。
【図3】本発明の鉄骨構造の柱とはりの接合金物の第1
実施形態を示す下フランジ用の斜視図である。
実施形態を示す下フランジ用の斜視図である。
【図4】従来の鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接
合金物の要部の側面図である。
合金物の要部の側面図である。
【図5】従来の鉄骨構造の柱とはりの接合金物の斜視図
である。
である。
【図6】従来の鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接
合金物を示す縦断正面図である。
合金物を示す縦断正面図である。
【図7】第2の従来形態を示す側面図である。
【図8】第2の従来例を示す要部の側面図である。
【図9】第3の従来例を示す側面図である。
【図10】第3の従来例の変形例を示す側面図である。
1…接合金物 2…柱 3…はり 3a…上フランジ 3b…下フランジ 3c…ウエブ 4…水平板 5…台座 6…ボルト孔 7…底版 8…水平スリット 9…切り込み溝 10…高力ボルト 12a…上板 12b…下板 12c…第1の水平板 12d…第2の水平板 13…フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 直樹 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 佐伯 俊夫 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島 建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 松尾 英成 福岡県北九州市若松区北浜一丁目9番1号 日立金属株式会社若松工場内 (72)発明者 鈴木 周衛 東京都江東区東陽四丁目1番13号 日立機 材株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 はりの上下フランジに重合するととも
に、これをボルト結合し得るボルト孔を有する水平板を
ボルト孔を有する底版上に突設し、この水平板は上下2
枚の板の組合せからなり、このうち下板はその基部が底
版から突設し、また、上板は底版上に重合固定するフラ
ンジを端に有し、前記上板のフランジが重なる部分の下
板の底版の厚さは下板の突設箇所よりも下部に位置する
部分の厚さよりも薄く形成し、これら上板・下板間に水
平スリットを確保する接合金物を使用し、柱の所定位置
に下板を有する底版を載置してボルト止めにより取付
け、前記下板ではりのフランジ下面を仮支承し、次いで
前記フランジを底版に重ねて上板を柱に取り付け、これ
ら下板・上板ではりの上下フランジを挟み込みボルト止
めすることを特徴とする鉄骨構造の柱とはりの接合方
法。 - 【請求項2】 接合金物ははりの上下フランジの両方に
配設するものであり、下板をはりの上下フランジの下側
に、上板ははりの上下フランジの上方に配置させる請求
項1記載の鉄骨構造の柱とはりの接合方法。 - 【請求項3】 はりのフランジに重合するとともに、こ
れをボルト結合し得るボルト孔を有する水平板をボルト
孔を有する底版上に突設し、この水平板は上下2枚の板
の組合せからなり、このうち下板はその基部が底版から
突設し、また、上板は底版上に重合固定する上下フラン
ジを端に有し、この上板・下板間に水平スリットを確保
する接合金物において、前記上板のフランジの重なる部
分の底版の厚さを前記下板の突設箇所よりも下部に位置
する部分の厚さよりも薄く形成したことを特徴とした鉄
骨構造の柱とはりの接合金物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30027797A JPH10115003A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接合金物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30027797A JPH10115003A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接合金物 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5241208A Division JP2753946B2 (ja) | 1993-09-28 | 1993-09-28 | 鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接合金物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10115003A true JPH10115003A (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=17882861
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30027797A Pending JPH10115003A (ja) | 1997-10-31 | 1997-10-31 | 鉄骨構造の柱とはりの接合方法および接合金物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10115003A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002348956A (ja) * | 2001-05-25 | 2002-12-04 | Nippon Steel Corp | 鋼製柱と鋼製梁の高力ボルト接合構造およびその施工方法 |
| CN105672474A (zh) * | 2016-01-28 | 2016-06-15 | 中原工学院 | 十字形铝合金框架结构梁柱节点及其安装方法 |
| JP6019259B1 (ja) * | 2016-02-29 | 2016-11-02 | 幹夫 田代 | 鋼材内蔵型木材の柱−梁の接合構造 |
| CN107761952A (zh) * | 2017-10-18 | 2018-03-06 | 北京工业大学 | 一种装配式钢结构方钢管柱梁柱节点t型盖板夹腹板连接装置 |
| CN114670882A (zh) * | 2022-03-24 | 2022-06-28 | 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 | 一种梁结构、吊挂组件及轨道车辆 |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP30027797A patent/JPH10115003A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002348956A (ja) * | 2001-05-25 | 2002-12-04 | Nippon Steel Corp | 鋼製柱と鋼製梁の高力ボルト接合構造およびその施工方法 |
| CN105672474A (zh) * | 2016-01-28 | 2016-06-15 | 中原工学院 | 十字形铝合金框架结构梁柱节点及其安装方法 |
| JP6019259B1 (ja) * | 2016-02-29 | 2016-11-02 | 幹夫 田代 | 鋼材内蔵型木材の柱−梁の接合構造 |
| CN107761952A (zh) * | 2017-10-18 | 2018-03-06 | 北京工业大学 | 一种装配式钢结构方钢管柱梁柱节点t型盖板夹腹板连接装置 |
| CN114670882A (zh) * | 2022-03-24 | 2022-06-28 | 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 | 一种梁结构、吊挂组件及轨道车辆 |
| CN114670882B (zh) * | 2022-03-24 | 2024-08-09 | 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 | 轨道车辆 |
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