JPH10104992A

JPH10104992A - プリンタ用融着装置

Info

Publication number: JPH10104992A
Application number: JP9244195A
Authority: JP
Inventors: Craig Smith; クレイグ・スミス; H Erwin Grellman; エッチ・アーウィン・グレルマン; Leonard Guan; レオナルド・グアン; David D Martenson; デェビッド・ディー・マーテンソン
Original assignee: Tektronix Inc
Current assignee: Tektronix Inc
Priority date: 1996-09-12
Filing date: 1997-09-09
Publication date: 1998-04-24
Anticipated expiration: 2017-09-09
Also published as: US5761597A; JP3066389B2; EP0829777A1

Abstract

(57)【要約】【課題】相変化インクにより印刷媒体に印刷の後、融
着ホイールがこの印刷媒体に圧力を加えて融着をする際
に、印刷画像が持ち上げられたりオフセットされるのを
防止する。【解決手段】相変化インクが付着された印刷媒体２９
が、背面プレート５０及びキャリッジ３０の間を通過す
る。この際、キャリッジが往復運動をして、融着ホイー
ル３１により印刷媒体を加圧して、印刷画像を印刷媒体
に融着させる。オイリング・ローラ４４が、融着ホイー
ルの接触面にオイルを供給して、この接触面が印刷画像
に粘着するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、プリンタ
に関し、特に、シート状媒体に印刷した画像に、融着ロ
ーラ又はホイールにより、圧力を加え、この画像を媒体
に融着させる圧力による融着、即ち、固着の装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】プリンタにおいて、画像が固定又は現像
されるシート状媒体が高圧（高い圧力）のニップ（間
隙）を通過することは、周知である。融着として知られ
ているこの処理により、画像を画像受け媒体に安定して
融着して、耐久性及び高品質画像を確実にする。固形イ
ンク、即ち、相変化インクを用いる場合、融着処理は、
印刷（プリント）した画像（以下、印刷画像と呼ぶこと
もある）の上面を平らに又は平滑にして、高品質の画像
を得る。

【０００３】高圧ニップを用いる場合、このニップは、
１対のローラで定義できる。一般的に、ローラのジャー
ナル（回転軸の軸受内の部分）端部には、ローラの軸に
垂直な方向であり、且つ、２個のローラを互いにバイア
スしてニップを形成する方向に供給された力による負荷
を受ける。この方法により負荷を加える結果、負荷を受
けたローラにたわみモーメントが生じる。このたわみモ
ーメントにより、ローラの中央がそるか又は曲がるの
で、ニップの中央における固着用、即ち、現像用圧力が
低下するか、最小となる。シート状媒体がニップに挿入
された際、ローラの中央でのたわみが増加する。その結
果、印刷媒体へのトナー及びインクの固着が不均一とな
る。ニップの中央での固着圧力を適切にするためには、
トナー及びインクを固着するのに必要な圧力よりも高い
圧力がニップの端部に必要となる。

【０００４】これら既存の２個のローラ・システムは、
典型的には、単部に非常に高い負荷を必要とする。ある
場合には、１０インチ（２５．４ｃｍ）の長さのローラ
に、１０００ｌｂｓ（約４５４Ｋｇ）の力を加えなけれ
ばならない。代表的なローラ・システムは、本願出願人
に譲渡されたライズのアメリカ合衆国特許第５１９５４
３０号（特開平３−７３９３号に対応）公報に記載され
ている。これらローラ用の構造上の支持体は、非常に高
い圧力に耐えて、これらローラ間の線接触に沿った所望
の線負荷を加えられなければならないので、典型的に
は、比較的重く、かさばる。さらに、これらシステム
は、処理すべき印刷媒体の幅に等しいか、それよりも長
いローラを用いる。長いローラは、小型ではなく、典型
的には、これら装置を用いるシステムを非常に重くする
と共に、コストがかさむ。

【０００５】また、従来、融着ローラのたわみを補償す
るために、湾曲した１対のローラ、即ち、長手方向の軸
が互いに平行でなく維持された１対のローラを具えた装
置もある。ローラが湾曲していることにより、これらロ
ーラが負荷によりたわむと、ローラの端部が互いに巻き
込まれ、その結果、ニップに沿って一層均一な圧力が得
られる。しかし、これらローラの湾曲により、印刷媒体
が移動する経路に略垂直な方向に、この印刷媒体に作用
する力が生じる。印刷媒体がニップを通過中、これら横
方向の力は、印刷媒体をしわにしたり、折り目を付けた
りする傾向がある。また、かかる装置では、一般に、１
つの線に沿った負荷の値に固定された圧力に限定され
る。例えば、より大きな負荷が、ローラにより大きなた
わみを生じさせ、ニップに沿って不均一とするのを避け
るためには、一層大きな湾曲角が必要となる。

【０００６】ローラの端部に力を加える際の融着ローラ
のたわみの問題を解決しようとする他の手段も提案され
ている。大きな直径の融着ローラは、たわみを減らす
が、除去はしない。しかし、大きいな直径の融着ローラ
により、装置が重くなり、コストが上昇し、かさばる。
圧力融着及び現像ローラに圧着した１個又は複数のバッ
クアップ・ローラを用いて、圧力融着ローラを互いにニ
ップに沿って進める。かかるバックアップ・ローラは、
典型的な２ローラ・システムに比較して、これらバック
アップ・ローラ用の余分な空間を必要とする欠点がある
と共に、余分な部品を必要とする。

【０００７】従来、提案されている他の方法は、負荷に
よるたわみを補償するために、中央を凸状にしたローラ
を用いる。しかし、凸状ローラでは、表面速度が、それ
らの端部よりも中央部で早くなる。表面速度のこの差
は、印刷媒体にしわを作り、種々の形式のサブストレー
ト（印刷媒体）を扱う際に、プリンタ装置の融通性を制
限する。

【０００８】ジオギニのアメリカ合衆国特許第４３６３
８６２号公報は、従来の特定例として、シート媒体上に
トナー粉末の画像を融着する装置を記載している。この
アメリカ合衆国特許においては、コンプライアンスのな
い圧力ローラと、コンプライアンスのあるバックアップ
・ローラとを湾曲した長手方向軸により支持している。
圧力ローラは、外側層を有するクロムなどのスチールで
もよく、不規則な表面には、不揃いの大きさの複数のド
ーム状突起がある。また、バックアップ・ローラの中央
コアを覆うコンプライアンス材料の覆いを設ける点も記
載されている。有機重合体物質には、特に、ナイロン６
／６、ガラスの詰まったナイロン、堅いゴム、アセター
ル樹脂の覆いが適切であるとも記載している。

【０００９】ベリーのアメリカ合衆国特許第４７６８０
５０号公報は、「ミード（Mead）」描画処理と結合した
１対の圧力ローラを用い、これらローラで、光反応マイ
クロカプセルを破裂させて画像を得ることを記載してい
る。中央シャフトを有し、窪んだ外皮のローラも示して
いる。

【００１０】ハウガンのアメリカ合衆国特許第４３５６
７６４号公報は、各々が中央コア及び外側の窪んだ外皮
を有する１対のローラを記載している。圧力伝搬ローラ
が、夫々のコア上に外皮を支持する。

【００１１】印刷媒体上にホット・メルト（熱溶融）イ
ンクを融着又は広げる圧力融着ローラを使用することも
既知である。モリグチ等の提案、及びガーステンメイア
のアメリカ合衆国特許第４７４５４２０号公報は、これ
ら形式の装置例を２つ開示している。他の例としては、
本願出願人に譲渡されたティテリングトンのアメリカ合
衆国特許第４８８９７６１号公報に記載されている。ロ
ーラを含む従来の画像融着装置の他の例は、ストウエル
のアメリカ合衆国特許第３２９３０５９号、ファンツゾ
のアメリカ合衆国第３５６６９７６号、ムラナカのアメ
リカ合衆国特許第４５６８９４９号、フューズのアメリ
カ合衆国特許第４８４５５１９号の公報に記載されてい
る。アメリカ合衆国特許第４８４５５１９号公報は、エ
ンドレス・ベルトに取り付けられた可動キャリッジ上に
設けた融着ユニットを有するプリンタを開示しており、
可動キャリッジは、画像形成材料の前面にわたって往復
運動を行う。また、画像形成材料は、乾燥粉末トナーで
あり、有機光導電ベルト上に先ず形成され、次に、紙の
最終受け媒体に転送する。

【００１２】多くの細長いロール状圧力発生及び融着装
置が知られているが、印刷媒体上のホット・メルト・イ
ンク又は相変化インクにより定まる画像も含だ画像を、
シート状媒体に融着又は現像する改善された機構が望ま
れている。画像受け媒体又はサブストレートが融着領域
又は装置よりも大きな印刷である大きなフォーマットの
印刷を行う際、大型フォーマット・サブストレートに画
像を融着できるようなシステムを設けなければならな
い。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】大型フォーマットの印
刷に適用できる他のアプローチは、圧力供給面を有する
少なくとも１つの比較的小さな幅の圧力アプリケータを
具えており、印刷媒体及び圧力アプリケータが相対的に
移動すると、印刷媒体に印刷を行うための圧力を供給す
る。圧力アプリケータは、約１インチ（約２．５４ｃ
ｍ）以下の幅の１個以上の圧力ホイールの形式でもよ
い。しかし、このシステム及び上述した他のシステムに
は、融着ホイールが描画面を横切って移動すると、画像
受けサブストレートから、配置した画像が持ち上げられ
たりオフセットされて、印刷した画像品質を破壊した
り、損傷したりするという問題がある。

【００１４】本発明は、これらの問題を解決するもので
あり、印刷媒体上に画像形成材料を融着、即ち、固着す
る改良された画像融着装置、又は、画像固着装置を提供
する。

【００１５】本発明の概念は、潤滑剤をさした（潤滑）
表面又はオイルを塗った（オイリング）表面をアプリケ
ータと移動圧力とを一体にして画像を融着、即ち、固着
する改良された装置を提供することである。

【００１６】本発明の他の概念は、大型フォーマット・
プリンタと共に用いて、印刷した画像が印刷媒体用の支
持装置よりも実質的に大きくできる改良された画像融着
装置又は画像固着装置を提供することである。

【００１７】本発明の更に他の概念は、印刷媒体にしわ
をつけることなく、種々の形式、厚さ及び幅の印刷媒体
に印刷された相変化インク画像を融着できる装置の提供
にある。

【００１８】本発明の特徴によれば、融着ホイールが画
像受け媒体上の印刷画像を横切って移動する際にオイリ
ング・ローラが融着ホイールと接触して、粘着力低下オ
イルの被覆を融着ホイールに設けて、融着期間中に、サ
ブストレートから印刷画像が持ち上がるのを阻止するの
を助ける。

【００１９】本発明の他の特徴によれば、オイリング・
ローラ及び融着ホイールを設けて、印刷媒体を相対移動
させ、画像受けサブストレートに融着される印刷画像の
各部分を覆って、融着ホイールがタブって通過する。

【００２０】本発明の更に他の特徴によれば、融着ホイ
ール及びオイリング・ローラを支持キャリッジに取り付
けて、融着動作期間中、この支持キャリッジは、画像受
けサブストレート、即ち、印刷媒体を横切って、前後に
往復運動を行う。

【００２１】本発明の別の特徴によれば、融着ホイール
及びオイリング・ローラは、画像受けサブストレート、
即ち、印刷媒体に対して移動し、画像受けサブストレー
トに融着される印刷画像の各部分の上を融着接触面がダ
ブって通過する。

【００２２】さらに本発明の他の特徴によれば、印刷媒
体に圧力を加えて画像受けサブストレート、即ち、印刷
媒体に画像を融着させる小型で軽量の装置を提供する。

【００２３】更に、本発明の別の特徴によれば、融着ホ
イールは、粘着力低減オイルを維持する窪み又は空隙の
ある粗い表面を有する。この粘着力低減オイルは、融着
期間中に、印刷画像が持ち上がったりオフセットされる
のを防止する。

【００２４】本発明の他の特徴によれば、融着期間中に
画像受け媒体が加圧されるのに対向して、背面プレート
が選択的に加熱されて、選択した媒体との融着動作を助
ける。

【００２５】本発明の利点によれば、印刷媒体の厚さ、
印刷媒体の幅、印刷媒体上のインクの厚さと関係なく、
所望圧力を加えて、印刷画像を印刷媒体に融着する融着
装置が得られる。

【００２６】本発明の他の利点によれば、画像受けサブ
ストレートから印刷画像を持ち上げたり、オフセットす
ることなく、印刷媒体に比較的高い供給圧力を加えるの
に必要な負荷力を最小とする融着装置が得られる。

【００２７】さらに本発明の他の利点によれば、印刷媒
体にしわを付けることなく、種々の形式、厚さ及び幅の
印刷媒体に相変化インク画像を融着できる融着装置が得
られる。

【００２８】

【課題を解決するための手段】本発明の改良された融着
装置は、上述及びその他の観点、特徴及び利点を達成す
るものである。本発明は、融着手段を有するオイリング
手段を具えており、印刷画像を持ち上げたり破損するこ
となく、画像受けサブストレート（印刷媒体）上の印刷
画像を横切って前後移動を往復させることにより、画像
受けサブストレートに印刷画像を融着、即ち、固着させ
る。融着手段は、支持体に回転可能に取り付けられた圧
力ホイールを具えてもよい。この支持体は、印刷画像を
形成するインク滴に対してホイールの圧力供給表面を位
置決めし、画像に圧力を加えて、画像受けサブストレー
トに画像を融着させる。一方、オイルの如き粘着力低減
媒体を与えて、印刷媒体から画像が持ち上げられたりオ
フセットされるのを防止すると共に、融着処理を容易に
する。

【００２９】

【発明の実施の形態】本発明の上述の及びその他の観
点、特徴及び利点は、添付図を参照した以下の説明から
明らかになろう。

【００３０】図１は、参照番号１０で示す幅広フォーマ
ットの固形インク・プリンタの斜視図である。このプリ
ンタ１０は、参照番号１１で示すインク・スティック供
給アセンブリと、参照番号１２で示す媒体供給アセンブ
リとを具えている。プリンタ１０は、可動プリンタ・ス
タンド２０に取り付けられている。また、プリンタ１０
は、図２に最良に示すように開いた、即ち、持ち上げら
れた位置に旋回（蝶番回動）するアクセス・カバー１４
を具え、プリンタの動作部品にアクセスできるようにな
っている。参照番号１３は、制御パネルを示す。

【００３１】幅広フォーマット・プリンタの上側動作部
分を示す斜視図である図２に示すように、支持ドラム１
５は、印刷動作期間中、その外側周辺に印刷媒体用の支
持表面を与える。ドラム１５は、任意の適切な材料で形
成できるが、好ましくは、アルミニウムの如き金属材料
で形成し、ゴムで被覆する。印刷媒体送りアセンブリ１
２は、印刷媒体が周囲に取り付けられた媒体供給スピン
ドル１６を有する。印刷媒体は、通常、紙であるが、同
様に、カンバス、透明媒体、又は後ろから光を当てるの
に適する他のプラスティック材料でもよい。スピンドル
１６は、支持プレート１７に対向して適切に取り付けら
れる。これら支持プレート１７は、シート状金属パン２
１内に収まったプリンタ取り付けシャーシ２３に固定さ
れる。

【００３２】プリント・ヘッド１８は、ヘッド支持シャ
フト２２に沿って前後に往復移動するように取り付けら
れる。プリント・ヘッド１８は、支持ドラム１５のゴム
被覆面の上を印刷媒体が引っ張られる際に、往復運動、
又は印刷媒体２９（図４）を越えたシャトル（往復）移
動をするように駆動される。モータ（図示せず）によっ
て回転駆動される金属バンド２４が、プリント・ヘッド
１８を移動させる。プリント・ヘッド１８から噴射した
インクにより、画像受けサブストレート、即ち、画像受
け媒体（印刷媒体）２９に描画されると、印刷媒体２９
は、引っ張られ、支持ドラム１５の周りで駆動され、ド
ラム１５の幅に及ぶ複数の剥離フィンガ（指）２５によ
り、支持ドラムから剥がされる。これで、融着アセンブ
リ１９が融着を行うために必要な印刷画像の準備ができ
た。この融着アセンブリ１９は、ゴム・ベルト２６によ
り前後に往復駆動される。ゴム・ベルト２６は、参照番
号２８（図４）で示す適切なモータ駆動プリー・システ
ム（駆動手段）により駆動される。

【００３３】融着アセンブリ１９は、図３（融着装置の
拡大図）及び図４（図３の線４−４に沿った拡大側面
図）に最良に示すキャリッジ（キャリッジ手段）３０を
具えている。キャリッジ３０内には融着ホイール（圧力
手段）３１が設けられ、この融着ホイール３１は、シャ
フト３２の周りに回転可能に取り付けられている。シャ
フト３２は、取り外し可能に配置され、スプリング３４
によるスプリング負荷が加えられている。融着ホイール
３１は、キャリッジ３０の対向側部３５に設けられたス
ロットを介して、取り外し可能である。

【００３４】キャリッジ３０の対向側部は、ネジなどに
より対向側部３５に適切に取り付けられた２対のプラス
ティック案内部３６を有する。これら案内部３６は、へ
こみ且つ突出したアルミニウム・トラック３８に沿っ
て、且つ、その周囲でアセンブリを案内する。ベルト２
６及びキャリッジ３０の間で相対的にわずかな回転移動
を行えるように、ピン及びトラック機構３９によりキャ
リッジ３０に適切に留められたゴム・ベルト２６は、へ
こみ突起トラック３８に沿ってその底部走行路で、突出
トラック３８の上部走行路を通過する。旋回可能なラッ
チ４０を介して、融着アセンブリ・キャリッジ３０にア
クセスできる。このラッチ４０は、突出トラック３８及
びシャーシ２３の接続された側部支持部にピン４１の周
囲で蝶番的に留められている。

【００３５】図４に最良に示されるように、融着アセン
ブリ・キャリッジ３０は、回転可能に取り付けられた融
着ホイール３１と、回転可能に取り付けられたオイリン
グ・ローラ又はホイール（粘着力低減手段）４４とを収
容する。オイリング・ローラ４４は、シャフト４５の周
囲に取り付けられ、キャリッジ３０の対向側部３５のス
ロットから単に持ち上げられて取り外し可能である。オ
イリング・ローラ４４は、好ましくは、オイルが自給式
になるように、膜質材料で覆われた泡沫微孔質構造であ
る。適切な複合オイリング・ウエブが適するが、好まし
いものは、アメリカ合衆国メリーランド州エレクトンの
ダブリュ・エル・ゴア・アンド・アソシエツが市販して
いるゴア（GORE：商標）アキュレート（ACU-RATE：商
標）である。これは、ダウ・コーニング２００（商標）
液状シリコンの如きシリコン・オイルの高い配合、均一
で高い効果を与える微孔質構造、及びシリコン・オイル
のばらつきのないフィルタとを用いている。複合ウエブ
は、異方性であるので、オイルが融着ホイール３１の表
面に運ばれ、ウエブ内には移動しない。オイリング・ウ
エブは、融着ホイール３１の接触面に供給されるオイル
の量を調整するので、印刷画像が印刷媒体から持ち上が
る場所でオイルが少な過ぎることを避け、また、多すぎ
るオイルを供給しないので、オイルが画像品質をじゃま
しない。

【００３６】キャリッジ３０には媒体切断機４６も設け
る。プリント・ヘッド１８による画像処理と、融着アセ
ンブリ１９による画像受けサブストレート又は媒体２９
への画像の融着とが首尾よく完了した後に、この媒体切
断機を用いて、所望の長さに画像受け媒体を切断する。

【００３７】融着装置のキャリッジの一部の拡大部分側
面図である図５に示す如く、オイリング・ローラ４４
は、回転可能に取り付けられているので、印刷媒体２９
の画像表面を横切ってキャリッジ３０が移動する際、オ
イリング・ローラ４４が融着ホイール３１に接触する。
スプリング３４によりシャフト３２へ約１２．６ポンド
（約５．７２Ｋｇ）の力を加えることにより、融着ホイ
ール３１の圧力接触面は、印刷画像に充分な圧力を加え
て、この画像を印刷媒体に融着し、相変化インクの表面
を平坦にする。一方、好ましくは固く薄いステンレス・
スチールである背面プレート（支持手段）５０に対向す
る位置に、印刷媒体２９を保持する。背面プレート５０
に隣接して、アルミニウム・ヒート・シンク５１を設け
る。このヒート・シンク５１は、薄膜印刷抵抗器、即
ち、ヒータ５２と接触しており、絶縁体５４と背中合わ
せになり、プリンタ１０内に熱がたまるのを防止する。
ヒータ５２は、アメリカ合衆国ミネソタ州ウィノナのワ
トロウ・コントロールが市販している如きフレッキシブ
ル・ストリップ・ヒータや、アメリカ合衆国ペンシルバ
ニア州ピッツバーグのクロマロックス・インダストリア
ル・ヒーティング・プロダクツが市販している如きファ
イバーグラス絶縁フレッキシブル・ヒータでもよい。サ
ーミスタ又は熱伝対などの温度検知素子を用いる適切な
制御器が、ヒータ５２を調整する。プリンタ駆動制御
器、即ち、図１のプリンタ制御パネル１３を用いて、背
面プレート５０の加熱を選択的に作動可能である。加熱
された背面プレートを用いる場合、融着温度は、約４０
゜Ｃから約６０゜Ｃの間である。

【００３８】融着ホイール３１の直径は、３インチ
（７．６２ｃｍ）未満であり、代表的には、約１インチ
（２．５４ｃｍ）であり、約０．３８インチ（約０．９
６５ｃｍ）幅の対応加圧面が印刷画像に接触する。融着
ホイール３１は、任意の適切な材料でよいが、折り目の
写った表面に利点のあることが分かった。この表面は、
有効性を与えるので、シリコン・オイルが欠如表面で捕
らえられ、融着動作期間中に非粘着面を与える。この適
切な材料には、酸腐食及び陽極酸化されたアルミニウム
６０６１や、アメリカ合衆国カリフォルニア州ニューバ
ーグ・パークのダブリュ・エス・シャムバン・アンド・
カンパニーのシャムバン・ポリマー・テクノロジーによ
るターサイト（TRUCITE）Ｘプラスチック・ポリマーが
ある。大きさが約１４から約３５マイクロ・インチ（約
３．５５６から約８．８９マイクロメートル）であるピ
ーク又は高い点の間が隙間又は谷となった規則的な粗さ
が所望面である。これよりも大きい面の粗さは、融着ホ
イール面にピークを与え、このピークが、融着ホイール
３１上でインクが積み重なり固まる場所でのインクの粘
着位置となる。これは、融着処理を阻害する。粗さがこ
の表面よりも小さい融着ホイールは、融着動作期間中、
相変化インク印刷画像を持ち上げることを防げるほどに
充分な程、表面を被覆するシリコン・オイルを維持しな
い。

【００３９】融着ホイール３１は、わずかに丸い、又は
丸みを与えられた接触面を有し、シート状媒体２９の上
の印刷画像を横切る前後の往復運動経路に沿った融着ホ
イール３１の全行程の間、印刷画像との接触を確実に維
持する。好適には半径が約３２インチ（約８１．２８ｃ
ｍ）のわずかに曲がった接触面は、ホイール３１の最中
央部からこのホイールの外側エッジまでの印刷画像に漸
次減少する圧力を加え、背面プレート５０に対向する位
置に維持された印刷画像とのホイールのいくらかの接触
が常に維持されるのを確実にする。融着ホイール３１
は、印刷媒体２９の印刷画像領域を横切る多数の経路が
重なり合って、相変化インク滴を平坦にし、且つ印刷媒
体２９に融着する。

【００４０】ヒータ５２を用いて、背面プレート５０は
選択的に加熱可能であり、媒体への融着を容易にして、
かかる加熱が最終画像を強調する。これは、特殊効果が
望ましい場合、カンバス媒体や、特に選択された紙に対
して特に有効である。

【００４１】融着ホイール３１及びオイリング・ローラ
４４の両方は、寿命が有限であり、交換可能である。融
着アセンブリ・キャリッジ３０を覆うラッチ４０を開け
ると、キャリッジ３０のアクセスが容易となり、融着ホ
イール３１及びオイリング・ローラ４４を外すのも容易
である。オイリング・ローラ４４は、典型的には、融着
ホイール３１の対応摩耗時間において、約１００枚のＥ
サイズのシートに耐えられる。

【００４２】融着アセンブリ・キャリッジ３０及び融着
処理の動作は、プリンタ制御器が制御する。このプリン
タ制御器は、支持ドラム（運搬手段）１５の周囲で媒体
経路に沿って画像媒体を運搬する際、この画像媒体の前
進の時間を合わせる。直流サーボ・モータがドラム１５
をステップ毎に進ませる。これらステップが計数され
て、融着処理は、時間合わせされて、融着する位置に画
像媒体が充分進んだときに、融着アセンブリ・キャリッ
ジ３０の移動を活性化する。

【００４３】動作において、制御パネル１３を介してプ
リンタ１０が活性化される。プリント・ヘッド１８は、
インク・ステック送りアセンブリ機構１１を介して、固
体インク・ステック（図示せず）により満たされる。な
お、このインク・ステック送りアセンブリ機構１１は、
本願出願人に譲渡され、１９９６年９月５日に出願され
たアメリカ合衆国特許出願第０８／７０８７６６号「固
体インク・ステック供給システム」に詳細に記載されて
いる。これらインク・ステックは、プリント・ヘッド１
８内の加熱インク溜内に送られ、溶融する。そして、ゴ
ムで被覆されたドラム１５上にプリント・ヘッドが支持
されて、このプリント・ヘッドが印刷媒体２９を横切っ
て前後に往復運動する際、溶融したインクがプリント・
ヘッドから印刷媒体２９に向かって噴射される。印刷媒
体２９は、支持ドラム１５の支持面の周囲で前進し、剥
離爪２５により表面から剥離され、融着アセンブリ１９
及び背面プレート５０の間のギャップ内に向かって紙
（印刷媒体）経路をたどる。印刷媒体２９の画像受けサ
ブストレート上の印刷画像が融着アセンブリに達する
と、印刷媒体２９上のインク画像及び背面プレート５０
に対向する融着ホイール３１の接触面を加圧する多数の
重なり合った経路において、融着アセンブリは、印刷画
像を横切って、前後の往復移動を開始する。印刷媒体２
９の特性に応じて、背面プレート５０は、融着動作を助
けるために活性化される抵抗ヒータ５２を有する。印刷
領域全体が印刷媒体に固着的に融着され、固体インク滴
が平らにされて画像の高品質を確実にするまで、印刷媒
体２９が融着ステーションを介して前進する際、融着動
作は持続する。

【００４４】本発明の特定の好適実施例を説明したが、
本発明の要旨を逸脱することなく、これら要素及びステ
ップの材料及び配置に種々の変形変更が可能である。例
えば、本発明の融着装置を用いる際、加圧により画像を
印刷媒体に固着、即ち、融着、又は現像するための画像
形成材料は、印刷媒体上に画像を形成する任意の形式の
材料でもよい。いくつかの特定例としては、画像形成液
体のマイクロカプセル、画像形成粉末又はトナーや、好
ましい相変化インクがある。また、２個以上の融着又は
圧力ホイールを１個以上のオイリング・ローラと一緒に
用いて、重なり合った方法で、印刷媒体のシート全体に
集合的に圧力を加えて印刷画像を画像受けサブストレー
トに融着するように圧力を加えてもよい。プリンタのイ
ンク・ジェット・プリント・ヘッドは、印刷期間中、印
刷媒体と相対的に移動する形式でもよく、圧力アプリケ
ータ・マウントをインク・ジェット・プリント・ヘッド
に結合させて、オイリング・ローラ及び融着、即ち、固
着ホイールを支持してもよい。よって、圧力供給融着ホ
イールは、マウントにより支持され、画像受け媒体上に
沈着されたインク滴と係合し、いかなる印刷画像を持ち
上げることなく、インク・ジェット・プリント・ヘッド
の相対的に移動して、沈着したインク滴に圧力を加え
る。

【００４５】よって、特許請求の範囲は、本願明細から
当業者が実現できるかかる総ての変形及び変更を含むも
のである。

【００４６】

【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、オイルな
どの潤滑剤をさした表面であるオイリング表面をアプリ
ケータと移動圧力とを一体にして、印刷媒体にしわをつ
けることなく、種々の形式、厚さ及び幅の印刷媒体に画
像を融着、即ち、固着できると共に、大型フォーマット
・プリンタと共に用いて、印刷画像が印刷媒体用の支持
装置よりも実質的に大きくできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の融着装置を用いた幅広フォーマットの
プリンタの斜視図である。

【図２】相互移動関係で位置決めされる本発明の融着装
置を示すために、幅広フォーマット・プリンタの上側動
作部分を示す斜視図である。

【図３】幅広フォーマット・プリンタでの動作用に取り
付けられた融着装置の拡大図である。

【図４】図３の融着装置及びそのキャリッジの線４−４
に沿った拡大側面図であり、融着ホイール、オイリング
・ローラ及び印刷サブストレートの相対位置を示してお
り、キャリッジが移動するエンドレス・ベルトの部分が
切断されている。

【図５】融着装置のキャリッジの一部の拡大部分側面図
であり、印刷媒体上の印刷画像に対してキャリッジに取
り付けられた融着ホイール及びオイリング・ローラの相
対位置を示す。

【符号の説明】

１０プリンタ１１インク・ステック送りアセンブリ機構１２印刷媒体送りアセンブリ１５支持ドラム（支持ドラム）１７支持プレート１９融着アセンブリ２５剥離爪２６ゴム・ベルト２８モータ駆動プリー・システム（駆動手段）２９印刷媒体３０キャリッジ（キャリッジ手段）３１融着ホイール（圧力手段）３４スプリング３５対向側部３６案内部３８へこみ突起トラック４０ラッチ４４オイリング・ローラ（粘着力低減手段）４５シャフト４６媒体切断機５０背面プレート（支持手段）５１ヒート・シンク５２抵抗ヒータ５４絶縁体

フロントページの続き (72)発明者エッチ・アーウィン・グレルマンアメリカ合衆国オレゴン州 97007 アロアサウスウエストワンハンドレッドエイティース・プレス 7138 (72)発明者レオナルド・グアンアメリカ合衆国オレゴン州 97070 ウィルソンビルサウスウエストタミ・ループ 29087 ナンバー64 (72)発明者デェビッド・ディー・マーテンソンアメリカ合衆国オレゴン州 97267 ミルウォーキサウスイーストマーテンソン・コート 15990

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】印刷媒体上に印刷された画像を融着させ
るために圧力を加えるプリンタ用の装置であって、上記画像に加圧する接触面を有し、上記プリンタに設け
られた圧力手段と、該圧力手段を取り付け、上記印刷された画像を横切って
上記圧力手段を移動させ、上記圧力手段が上記印刷媒体
を横切って移動する際に、上記印刷媒体上の上記印刷さ
れた画像に対して上記圧力手段を位置決めするキャリッ
ジ手段と、上記圧力手段に結合され、粘着力低減物質を上記圧力手
段に供給して、上記接触面及び上記圧力手段が上記印刷
された画像を横切って移動する際に、上記接触面を上記
印刷された画像に粘着させないようにする粘着力低減手
段と、上記キャリッジ手段に接続され、上記印刷媒体を横切る
経路で上記キャリッジ手段を移動させる駆動手段と、上記印刷媒体を支持し、上記プリンタの印刷経路に沿っ
て上記印刷媒体を移動させる運搬手段と、上記印刷媒体が上記印刷経路に沿って移動され、上記圧
力手段が上記印刷媒体に接触して上記印刷された画像を
上記印刷媒体に融着させる際に、上記印刷媒体を適切に
支持して保持する支持手段とを具えたプリンタ用融着装
置。