JPH10103231A - 負圧発生装置 - Google Patents

負圧発生装置

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JPH10103231A
JPH10103231A JP27559796A JP27559796A JPH10103231A JP H10103231 A JPH10103231 A JP H10103231A JP 27559796 A JP27559796 A JP 27559796A JP 27559796 A JP27559796 A JP 27559796A JP H10103231 A JPH10103231 A JP H10103231A
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JP
Japan
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negative pressure
pressure
clutch
chamber
clutch plate
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Application number
JP27559796A
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English (en)
Inventor
Koji Takahashi
孝治 高橋
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Nabco Ltd
Original Assignee
Nabco Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構造で、かつ、負圧を所定値まで供給
した後、確実にクラッチ板部の係合状態を解消して負圧
ポンプを停止させることができる負圧発生装置を提供す
ること。 【解決手段】 負圧ポンプ部13cの出力ポート33a
とクラッチ機構部13Bの変圧室B内とを接続する管路
12aに絞り通路43を設け、更にこの絞り通路43と
並列に、上記出力ポート33a側から変圧室B側への空
気の流れのみを許容するチェック弁44を設ける。これ
により出力ポート33a側の圧力と変圧室Bの内圧との
間に差圧が生じるので、負圧消費回路内に負圧を所定値
まで供給した後、変圧室B内に所定値まで負圧を供給す
ることができ、クラッチ機構部13Bにおけるクラッチ
係合状態を完全に解消して負圧ポンプ部13Cのポンプ
作用を停止させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両のブレーキ装置
等に利用される負圧発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキ装置等においては、負圧
をブレーキ倍力装置に利用しており、通常、内燃機関を
備えた車両では、インテークマニホールドにより負圧を
発生させている。しかし、ターボ車両では、インテーク
マニホールドにより発生する負圧が低く、その他に負圧
発生装置を搭載してブレーキ倍力装置等の負圧消費機器
に必要な負圧発生を補っている。また、電気自動車で
は、内燃機関を搭載していないので、負圧発生装置を搭
載し、これにより負圧消費機器に必要な負圧を発生させ
ている。
【0003】この種の従来技術として特開平8−727
00号公報が挙げられ、以下、その詳細について説明す
る。
【0004】図5は従来の負圧発生装置1の配管系統を
示している。負圧消費機器としての負圧式ブレーキ倍力
装置3にはブレーキペダル4の駆動ロッドが結合されて
おり、このブレーキペダル4を踏み込むことにより、ブ
レーキ倍力装置3の助勢作用を受けながらマスタシリン
ダ部5内の2つの液圧発生室に液圧を発生させる。発生
した液圧は管路7、8を介してそれぞれ図示しない左右
前輪のホイールシリンダおよび左右後輪のホイールシリ
ンダに伝達されるようになっている。6は、マスタシリ
ンダ部5に一体的に固定された作動液貯蔵用のリザーバ
である。
【0005】負圧式ブレーキ倍力装置3に負圧を供給す
る負圧源として、図示しないエンジンのインテークマニ
ホールドと、負圧発生装置本体13とがあり、インテー
クマニホールド側からの負圧は管路50、逆止弁9およ
び管路11を介してブレーキ倍力装置3に供給されるよ
うになっている。負圧発生装置本体13は、発電機部1
3Aと、クラッチ機構部13Bと、負圧ポンプ部13C
とから成り、この負圧ポンプ部13Cの出力ポートから
逆止弁10および管路12を介して負圧式ブレーキ倍力
装置3に負圧が供給されるようになっている。
【0006】負圧発生装置本体13は図示しないエンジ
ンからの回転力が伝達されるプーリ15を有し、取付部
材16、17により車体の一部へ取り付けられる。プー
リ15には負圧発生装置13の発電機部13Aを貫通す
る駆動軸18が固定されており、この駆動軸18の他端
部には図6に示すように固定クラッチ板部21が固定さ
れている。この固定クラッチ板部21はベアリング19
を介して発電機ケーシング20により回転可能に支持さ
れており、また発電機部13Aは図示せずとも交流発電
機を含み、駆動軸18の回転により発電された交流電流
は直流電流に整流され、車体側の充電回路へ供給される
ようになっている。
【0007】図6を参照して、駆動軸18に固定される
固定クラッチ板部21には、これと係合可能な可動クラ
ッチ板部22が対向しており、これら固定クラッチ板部
21および可動クラッチ板部22の係合により駆動軸1
8の回転力を受ける被駆動軸32が、負圧ポンプ部13
Cのロータ35に固定されている。すなわち、負圧ポン
プ部13Cは、図示しないエンジンを駆動源として作動
するように構成されており、その駆動力の伝達、遮断は
後述するクラッチ機構部13Bにより行われるようにな
っている。
【0008】クラッチ機構部13Bは、ボルト14によ
り発電機ケーシング20に一体的に固定されるクラッチ
ケーシング28内に摺動自在に挿入され、定圧室Aと変
圧室Bとを区画するピストン23と、このピストン23
の移動に応じて係合、離脱する上記固定クラッチ板部2
1および可動クラッチ板部22と、ピストン23を発電
機部13Aの方向(図6において右方)に付勢するばね
30とから成る。
【0009】ピストン23はクラッチケーシング28の
内孔壁面28a、およびケーシング28内に形成された
円筒状突出部29の内壁面29aに対して、シールリン
グ26、27を介して摺動自在に挿入されており、その
中央に形成された孔23aに遊嵌する上記被駆動軸32
が、クラッチケーシング28にベアリング31により支
持されている。この被駆動軸32の発電機部13A側端
部(図6において右端部)は可動クラッチ板部22とス
プライン結合しており、これにより可動クラッチ板部2
2が、被駆動軸32の回転中、その軸方向に移動可能と
なっている。すなわち、可動クラッチ板部22は上記ピ
ストン23にベアリング25を介して支持されており、
可動クラッチ板部22がピストン23の移動に伴って被
駆動軸32の軸方向に移動でき、このときに固定クラッ
チ板部21との係合、離脱が行われるようになってい
る。
【0010】ピストン23はクラッチケーシング28内
を定圧室Aと変圧室Bとに区画しており、定圧室Aは装
置本体13の外部(大気圧)に、一方、変圧室Bはクラ
ッチケーシング28に形成された通孔28c及び管路1
2aを介して負圧式ブレーキ倍力装置3に連絡する管路
12に、それぞれ連通している。したがって、ピストン
23は定圧室A側では大気圧を、また変圧室B側では負
圧消費回路内の負圧とばね30のばね力を受けることに
より、これら定圧室Aおよび変圧室Bの両側における力
の差によりピストン23が移動するようになっている。
すなわち、変圧室B内の圧力とばね30のばね力との総
和が、定圧室A内の圧力(大気圧)よりも大きければ、
図6に示すようにピストン23が右方へ移動して固定ク
ラッチ板部21および可動クラッチ板部22が相係合
し、その逆では、両クラッチ板部21、22が離脱する
ようになっている。
【0011】次に、負圧ポンプ部13Cについて説明す
ると、図6および図7を参照して、被駆動軸32に取付
ねじ37、38で固定されるロータ35は、このロータ
35の中心に対し偏心した筒状内周面を有するポンプケ
ーシング33内に配設されており、その外周部に等間隔
に形成した溝35aにはベーン34が摺動自在に挿入さ
れている。ポンプケーシング33はボルト40によりク
ラッチケーシング28に一体的に固定されており、さら
に、これに蓋部材39をボルト41により固定すること
により負圧ポンプの作動空間Sが形成される。この負圧
ポンプ部13Cの駆動により発生した負圧は、出力ポー
ト33a、逆止弁10および管路12を介して負圧式ブ
レーキ倍力装置3に供給されるようになっている。な
お、各ベーン34により圧縮された空気は排出ポート3
3bおよび管路51を介して外部へと排出されるように
なっている。
【0012】以上のように構成される従来の負圧発生装
置1は、その負圧ポンプ部13Cの作動、非作動を次の
ようにして制御するようにしている。
【0013】インテークマニホールドの負圧供給機能が
低下したり、負圧式ブレーキ倍力装置3の使用により負
圧消費回路内の負圧が所定値(又は所定圧)よりも低下
すると、クラッチ機構部13Bにおける変圧室B内の負
圧減少分による圧力とばね30のばね力との総和が、定
圧室A内の圧力よりも大きくなることによりピストン2
3が定圧室A側に移動し、よって、可動クラッチ板部2
2が固定クラッチ板部21に近接し、最終的に図6に示
すように両クラッチ板部21、22が相係合する。これ
により、負圧ポンプ部13Cにてロータ35が図7にお
いて矢印で示す方向に回転し、負圧を負圧消費回路内に
供給する。
【0014】負圧消費回路内の負圧が所定圧まで増大す
るに伴ってクラッチ機構部13Bにおける変圧室B内の
負圧が増大すると、今度は定圧室A内の圧力(大気圧)
によりピストン23が変圧室B側に移動し、よって、可
動クラッチ板部22が固定クラッチ板部21に対して離
脱する方向に移動するので、これにより、負圧ポンプを
停止するようにしている。
【0015】以上のように、クラッチ機構部13Bにお
ける変圧室B内の圧力の増減、すなわち負圧分の増減に
よりピストン23をいずれか一方向に移動させて、負圧
ポンプの作動、非作動を制御するようにしている。な
お、同公報には更に、クラッチ機構部13Bを電磁クラ
ッチで構成すると共に、負圧消費回路内に圧力スイッチ
コントローラを介在させ、このコントローラによりクラ
ッチの係脱を制御する構成が開示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来例では、次のような問題がある。すなわち、クラッチ
機構部13Bのピストン23には変圧室Bの内圧及びば
ね30のばね力と、定圧室Aの内圧とが作用し、これら
の力の関係により両クラッチ板部21、22の係脱制御
が行われているので、負圧消費回路内すなわち変圧室B
の内圧が所定圧に到達する前に、変圧室B内の負圧が増
大する分だけピストン23を変圧室B側に移動させる作
用力が大きくなる。このときの圧力をP0 とすると、圧
力P0 の下ではピストン23がバランス位置(つり合い
位置)へと若干、変圧室B側へ移動するために、固定ク
ラッチ板部21と可動クラッチ板部22との間の係合力
が弱くなり(いわゆる半クラッチ状態)、よって、駆動
軸18から被駆動軸32への回転伝達トルクが減少する
ので、負圧ポンプ部13Cの負圧供給能力が低下してし
まう。このとき、変圧室B内の圧力は未だ所定圧に達し
ていないので、固定クラッチ板部21と可動クラッチ板
部22との間の係合状態が完全には解消されず、引き続
き、両者の半クラッチ状態が継続される。しかも、変圧
室Bの内圧に変動が生じない限りピストン23はそのバ
ランス位置にとどまるため(負圧の消費で再び正常な係
合位置をとるか、又はインテークマニホールドからの負
圧供給で非係合位置をとれば、半クラッチ状態は解除さ
れる)、半クラッチ状態の継続により両クラッチ板部2
1、22の係合面が摩耗してしまうことが考えられる。
【0017】すなわち、本従来例における負圧発生装置
本体13は、それのみでは所定圧まで負圧を発生させる
ことができず、固定クラッチ板部21と可動クラッチ板
部22との係合状態を完全に解消することができない、
という問題がある。よって、この従来の負圧発生装置を
電気自動車に搭載すれば、負圧ポンプは常時、(両クラ
ッチ板部21、22の係合状態、半係合状態を問わず)
作動状態におかれることになりかねない。
【0018】そこで、変圧室B内に配設されるばね30
のばね力を弱くすることにより、上記半クラッチ状態を
解消することが考えられるが、ばね30のばね力を低下
させると、可動クラッチ板部22の固定クラッチ板部2
1に対する圧接力が減少することにより駆動軸18の回
転駆動力が被回転軸32に伝達される効率が低下するの
で、負圧ポンプ部13Cのポンプ作用を低下させてしま
うという問題がある。なお、ばね30を異なるばね定数
を有するばねに置き換えたとしても、結果的には上述し
た問題点を解決するまでには至らない(ピストン23が
バランス位置をとる際の変圧室B内の圧力P0 の値が異
なるだけであり、ばね力が大きければ、ほとんど常時、
ポンプ作用を行う)。
【0019】また、クラッチ機構部を電磁クラッチで構
成し、かつ当該電磁クラッチの制御を上記圧力スイッチ
コントローラで制御するようにすれば、上述した問題点
を解決することができるのであるが、負圧発生装置自体
の構成を複雑化してしまうことが考えれる。
【0020】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、簡素
な構造で、しかも、負圧を所定値まで供給した後、確実
に、固定クラッチ板部と可動クラッチ板部との係合を解
消して負圧ポンプを停止させることができる負圧発生装
置を提供することを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、駆動軸を
回転させる駆動源と、前記駆動軸から被駆動軸に回転力
が伝達されることにより負圧を発生する負圧ポンプと、
前記駆動源と前記負圧ポンプとの間に介在するクラッチ
機構部とを備え、前記負圧ポンプは、その出力ポートを
負圧消費回路に接続されており、前記クラッチ機構部
は、ケーシング内に摺動自在に挿入され変圧室と定圧室
とを区画するピストンと、このピストンの移動に応じて
係脱される一対のクラッチ板と、前記ピストンを前記一
対のクラッチ板が係合する方向に付勢するばねとを有し
ている負圧発生装置において、前記変圧室と前記負圧ポ
ンプの出力ポート側との間を微小流路面積をもつ通路を
介して接続したことを特徴とする負圧発生装置、によっ
て解決される。
【0022】本発明は、負圧消費回路と変圧室との間に
圧力差を生じさせることにより、先に負圧消費回路内に
負圧を所定圧まで供給した後、続いて変圧室内に負圧を
所定圧まで供給するようにする。このとき、クラッチ機
構部の一対のクラッチ板は互いに半クラッチ状態にある
のであるが、このポンプ作用が低下した負圧ポンプの吸
引力と、負圧消費回路内部と変圧室内部との間の差圧と
により、変圧室内部に負圧を供給し上記一対のクラッチ
板の係合状態を完全に解消する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
負圧発生装置について図面を参照して説明する。
【0024】図1は本発明の第1の実施の形態による負
圧発生装置の配管系統を示し、その全体は1’で示され
る。なお、図において図5に対応する部分については同
一の符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
【0025】すなわち、本実施の形態では、負圧発生装
置本体13における負圧ポンプ部13Cの出力ポート3
3aとクラッチ機構部13B内の変圧室B(図6参照)
とを接続する管路12aに、微小流路面積をもたせた絞
り通路43を設け、更にこの通路43と並列に負圧ポン
プ部13Cの出力ポート33a側から変圧室B側への空
気の流れのみを許容するチェック弁44を設けている。
他は従来の負圧発生装置1の構成と同様である。
【0026】以下、図2を参照して本実施の形態の作用
について説明する。
【0027】時間t0 でクラッチ機構部13Bの両クラ
ッチ板部21、22を係合させて負圧ポンプ部13Cを
作動させると、通路43の流路面積が微小なためと、こ
のときの圧力下における空気の粘性が大きいため、負圧
ポンプ部13Cの出力ポート33aの圧力(以下、P1
とする。)と変圧室Bの内圧(以下、P2 とする。)と
の間に圧力差が生じる。
【0028】時間t1 でP2 が上記両クラッチ板部2
1、22を半クラッチ状態にする圧力P0 に達したとき
には、P1 は所定値Paに達しており、この半クラッチ
状態での負圧ポンプ部13Cのポンプ作用と、P1 とP
2 との間の差圧とにより、変圧室B内の空気(粘性が小
さくなっている。)は通路43を介して、最終的にP2
とP1 とが同圧となる。そして、クラッチ機構部13B
における両クラッチ板部21、22は完全に離脱し、負
圧ポンプ部13Cのポンプ作用が停止する。
【0029】時間t2 において運転者によりブレーキペ
ダル4が踏み込まれ、負圧式ブレーキ倍力装置3(図1
参照)が作動すると、負圧消費回路内の負圧が消費され
るので、P1 およびP2 がともに所定値Paから低下す
る。このとき、回路内の負圧の減少分はチェック弁44
を介して変圧室B内に伝達される。そして、時間t3
おいてP1 およびP2 が共にP0 にまで低下すると、再
びクラッチ機構部13Bの固定クラッチ板部21および
可動クラッチ板部22が相係合し、負圧ポンプ部13B
を作動させる。すると、P1 は迅速に再上昇するが、P
2 は通路43の作用により遅れて上昇する。時間t4
降、上述と同様な作用を繰り返す。
【0030】このように、本実施の形態による負圧発生
装置1’によれば、簡単な構成で、しかも、負圧消費回
路に負圧を所定値まで供給した後、確実に固定クラッチ
板部21と可動クラッチ板部22とを離脱させ、負圧ポ
ンプを停止させることができるので、半クラッチ状態の
長時間にわたる継続による上記両クラッチ板部21、2
2の係合面の摩耗損傷を抑制することができ、また、従
来よりも真空ポンプの耐久性を一層、高めることができ
る。
【0031】さらに、絞りとしての通路43と並列に設
けたチェック弁44により、負圧消費回路内の負圧減少
信号(空気圧)を迅速にクラッチ機構部13Bの変圧室
Bに供給することができるので、上記回路内の負圧が所
定値より低下した際、迅速に負圧ポンプ部13Cを作動
させることができる。
【0032】図3は本発明の第2の実施の形態による負
圧発生装置の、クラッチ機構部13B’の拡大断面図を
示しており、図6に対応する部分については同一の符号
を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
【0033】駆動軸57に固定される固定クラッチ板部
55は、ベアリング65を介して発電機ケーシング20
に対して回転可能に支持されている。この固定クラッチ
板部55には、これと係合可能な可動クラッチ板部56
が対向しており、これら固定クラッチ板部55および可
動クラッチ板部56の係合により駆動軸57の回転力を
受ける被駆動軸58が、負圧ポンプ部13Cのロータ3
5に固定されている。すなわち、負圧ポンプ部13C
は、図示しないエンジンを駆動源として作動するように
構成されており、その駆動力の伝達、遮断は後述するク
ラッチ機構部13B’により行われるようになってい
る。
【0034】クラッチ機構部13B’は、クラッチケー
シング59内に摺動自在に挿入され、定圧室Aと変圧室
Bとを区画するピストン60と、このピストン60の移
動に応じて係合、離脱する上記固定クラッチ板部55お
よび可動クラッチ板部56と、ピストン60を固定クラ
ッチ板部55の方向(図3において右方)に付勢するば
ね61とから成る。
【0035】ピストン60はクラッチケーシング59の
内孔壁面59aに対して、シールリング62を介して摺
動自在に挿入されており、その中央に形成された孔60
aに遊嵌する上記被駆動軸58が固定クラッチ板部55
およびクラッチケーシング59にそれぞれベアリング6
6、68を介して回転可能に支持されている。この被駆
動軸58の固定クラッチ板部55側端部は可動クラッチ
板部56とスプライン結合しており、これにより可動ク
ラッチ板部56が、被駆動軸58の回転中、その軸方向
に移動可能となっている。可動クラッチ板部56は上記
ピストン60にベアリング67を介して支持されてお
り、可動クラッチ板部56がピストン60の移動に伴っ
て被駆動軸58の軸方向に移動でき、このときに固定ク
ラッチ板部55との係合、離脱が行われるようになって
いる。なお、55aおよび56aは固定クラッチ板部5
5および可動クラッチ板部56の冷却効果を高めるため
に設けられた孔である。
【0036】ピストン60の中央部に形成された凹部6
0bには、環状のリップシール63を装着した同じく環
状のリテーナ部材64が一体的に固定されており、リッ
プシール63の先端リップ部が被駆動軸58の外周面に
弾接している。これにより、クラッチケーシング59内
にピストン60でもって定圧室Aおよび変圧室Bが区画
される。定圧室Aは装置外部(大気)と連通しており、
一方の変圧室Bは、クラッチケーシング59と被駆動軸
との間に僅かに形成された環状の通路69と、クラッチ
ケーシング59とロータ35との間の隙間を介して負圧
ポンプ部13Cの作動空間S(図4参照)と連通してい
る。
【0037】負圧ポンプ部13Cは上述と同様な構成を
有しているのでその説明はここでは省略するが、図4に
示すように出力ポート33aに接続される管路12は、
クラッチ機構部13B’の変圧室Bへと分岐することな
く管路11に接続されている。すなわち、出力ポート3
3aと変圧室Bとは、上述したようにクラッチケーシン
グ59とロータ35との間の隙間、及び通路69を介し
て連通するように構成されている。なお、負圧ポンプ部
13Cの排出ポート33bは管路51を介して外部に連
通しており、この管路51には排出ポート33b側から
装置外部へ向かう空気の流れのみを許容する逆止弁70
が設けられている。
【0038】図3に示すように、固定クラッチ板部55
と可動クラッチ板部56とが係合状態にあるときから本
実施の形態における作用について説明すると、駆動軸5
7の回転駆動力が被駆動軸58に伝達され負圧ポンプ部
13Cのロータ35を回転させる。すると、この負圧ポ
ンプ部13Cの出力ポート33aから負圧式ブレーキ倍
力装置を含む負圧消費回路に負圧を所定値まで供給する
と共に、環状の通路69およびクラッチケーシング59
とロータ35との間の隙間を介して徐々に変圧室B内に
負圧を供給する(変圧室B内の空気を吸引する)。そし
て、上述の第1の実施の形態と同様に、変圧室Bの内圧
2 が両クラッチ板部55、56を半クラッチ状態にす
る圧力P0 に到達するころには負圧ポンプ部13Cの出
力ポート33aの圧力P1 は所定値Paに達し、このと
きのP1 とP2 との差圧による吸引力、および両クラッ
チ板部55、56の半クラッチ状態によってポンプ作用
が低下した負圧ポンプ部13Cの吸引作用により、変圧
室Bの内圧(P2 )を所定値Paに到達させる。これに
より、両クラッチ板部55、56の係合状態は完全に解
消されるので、負圧ポンプ部13Cのポンプ作用が停止
する。
【0039】図示しない負圧式ブレーキ倍力装置の作動
により負圧消費回路内の負圧が減少すると、その信号
(空気圧)がクラッチケーシング59とロータ35との
間の隙間および通路69を介して変圧室Bに供給され、
この圧力P2 が圧力P0 に達すると再び固定クラッチ板
部55および可動クラッチ板部56の両クラッチ板部が
相係合し、負圧ポンプ部13Cを作動させる。そして、
負圧消費回路内に再び所定値Paまで負圧を供給すると
共に変圧室Bにも負圧を所定値Paまで供給し、ポンプ
を停止する。以下、上述と同様な作用を繰り返すことに
より、負圧消費回路内に減少した負圧分を供給する。
【0040】本実施の形態によれば、上述の第1の実施
の形態と同様な効果が得られ、特に、変圧室Bに外部か
ら接続される管路12aを省略することができ、構造を
より簡素にすることができる。
【0041】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、
本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。
【0042】例えば、以上の実施の形態では、インテー
クマニホールドをも負圧源として構成したが、これを省
略してもよい。すなわち、本発明は電気自動車にも適用
可能であり、この場合でも上述した実施形態と同様な効
果を得ることができる。
【0043】また以上の各実施の形態では、クラッチ機
構部13B、13B’における固定クラッチ板部21、
55を発電機部13A側に、また可動クラッチ板部2
2、56を負圧ポンプ部13C側にそれぞれ配設した
が、逆に、固定クラッチ板部21、55を負圧ポンプ部
13C側に、また可動クラッチ板部22、56を発電機
部13A側にそれぞれ配設するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の負圧発生装
置によれば、クラッチ機構部の変圧室と負圧ポンプの出
力ポート側との間を微小流路面積をもつ通路を介して接
続することにより上記変圧室と出力ポート側との間に圧
力差を生じさせるようにしたので、負圧ポンプの作用の
みでも負圧消費回路内に負圧を所定値まで供給できると
共に、負圧供給後、クラッチ機構部の係合状態を確実に
解消して負圧ポンプを停止させることができ、よって、
半クラッチ状態の長時間にわたる継続によるクラッチ板
の係合面の摩耗損傷の抑制、および負圧ポンプの更なる
耐久性の向上を実現することができる。加えて、装置自
体も非常に簡素とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による負圧発生装置
の配管系統図である。
【図2】同作用を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による負圧発生装置
のクラッチ機構部の断面図である。
【図4】図3における[4]−[4]線方向の断面図で
ある。
【図5】従来の負圧発生装置の配管系統図である。
【図6】同クラッチ機構部の拡大断面図である。
【図7】図6における[7]−[7]線方向の断面図で
ある。
【符号の説明】
1’ 負圧発生装置 3 負圧式ブレーキ倍力装置 13 負圧発生装置本体 13B クラッチ機構部 13B’ クラッチ機構部 13C 負圧ポンプ部 18 駆動軸 21 固定クラッチ板部 22 可動クラッチ板部 23 ピストン 28 クラッチケーシング 30 ばね 32 被駆動軸 33a 出力ポート 35 ロータ 43 通路 44 チェック弁 55 固定クラッチ板部 56 可動クラッチ板部 57 駆動軸 58 被駆動軸 60 ピストン 61 ばね 69 通路 A 定圧室 B 変圧室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸を回転させる駆動源と、前記駆動
    軸から被駆動軸に回転力が伝達されることにより負圧を
    発生する負圧ポンプと、前記駆動源と前記負圧ポンプと
    の間に介在するクラッチ機構部とを備え、前記負圧ポン
    プは、その出力ポートを負圧消費回路に接続されてお
    り、前記クラッチ機構部は、ケーシング内に摺動自在に
    挿入され変圧室と定圧室とを区画するピストンと、この
    ピストンの移動に応じて係脱される一対のクラッチ板
    と、前記ピストンを前記一対のクラッチ板が係合する方
    向に付勢するばねとを有している負圧発生装置におい
    て、 前記変圧室と前記負圧ポンプの出力ポート側との間を微
    小流路面積をもつ通路を介して接続したことを特徴とす
    る負圧発生装置。
  2. 【請求項2】 前記微小流路面積をもつ通路と並列に、
    前記出力ポート側から前記変圧室側への空気の流れのみ
    を許容するチェック弁を備えたことを特徴とする請求項
    1に記載の負圧発生装置。
  3. 【請求項3】 前記負圧ポンプは、前記駆動軸に結合さ
    れたロータを有し、前記微小流路面積をもつ通路を前記
    ケーシングとロータ、及び前記被駆動軸とケーシングと
    の隙間により形成したことを特徴とする請求項1に記載
    の負圧発生装置。
JP27559796A 1996-09-26 1996-09-26 負圧発生装置 Pending JPH10103231A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000031419A1 (de) * 1998-11-24 2000-06-02 Luk Automobiltechnik Gmbh & Co. Kg Vakuumpumpe
KR100391523B1 (ko) * 2000-12-14 2003-07-12 기아자동차주식회사 차량의 브레이크 배력보상 클러치장치

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WO2000031419A1 (de) * 1998-11-24 2000-06-02 Luk Automobiltechnik Gmbh & Co. Kg Vakuumpumpe
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