JPH10102176A - 溶融亜鉛浴用ロール部材の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛浴用ロール部材の製造方法

Info

Publication number
JPH10102176A
JPH10102176A JP25562696A JP25562696A JPH10102176A JP H10102176 A JPH10102176 A JP H10102176A JP 25562696 A JP25562696 A JP 25562696A JP 25562696 A JP25562696 A JP 25562696A JP H10102176 A JPH10102176 A JP H10102176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
alloy
molten
surface layer
casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25562696A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Hineno
実 日根野
Takeshi Shinozaki
斌 篠崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP25562696A priority Critical patent/JPH10102176A/ja
Publication of JPH10102176A publication Critical patent/JPH10102176A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融亜鉛に対する腐食抵抗性にすぐれたW−
Co合金からなる溶融亜鉛浴用ロール部材の製造方法を
提供する。 【解決手段】 W40〜50%を含有するW−Co合金
を遠心力鋳造に付し、Wを比重差により表層領域に遠心
移行させることにより、Wを高濃度(約60〜70%)
を含有する表層を有する中空円筒体鋳造体を得る。 【効果】表層の高W含有組成により溶融亜鉛に対する高
腐食抵抗性および高耐摩耗性が確保される。表層と内側
層とが冶金的な連続性を有する一体物であり、溶射膜に
よる被覆保護構造のような亀裂・剥離による表面損傷が
なく、健全な表面状態を安定に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続溶融亜鉛めっ
き装置のめっき浴中に配置されるシンクロール等のロー
ル部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続溶融亜鉛めっきラインのめっき浴槽
内には、シンクロールやサポートロールが配置される。
めっき浴中に導入される鋼板は、シンクロールの胴部表
面に沿って浴中を通過し、浴面付近のサポートロールに
押圧挟持されてめっき浴上に導出される。これらのロー
ル類は、使用過程で溶融亜鉛浴による腐食反応や鋼板の
接触による摩耗等を生じ、表面状態が劣化していく。ロ
ール表面が劣化すると、その凹凸粗面がめっき鋼板に転
写され、めっき品質を損なうので、定期的にロール表面
を平滑面に修復するための研削加工が施されて反復使用
される。従来より、上記ロールとして、耐溶融亜鉛腐食
性や耐摩耗性の良好な13Crステンレス鋼製ロールが
使用されてきた。近時は、そのロール表面を、60W−
40Co等に代表される溶射膜で被覆保護することによ
り、ロールの耐久性を高めると共に、めっき品質を向上
安定化することが図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記溶射被膜を構成す
る60W−40Co合金は、溶融亜鉛に対する卓抜した
腐食抵抗性を有し、被めっき鋼板の接触に対する耐摩耗
性にもすぐれている。しかし、溶射膜は、基材表面に対
する密着強度が低く、基材との熱膨張率の相違等により
剥離損傷を生じ易い。膜厚を厚くする程、その傾向が大
きくなるので、膜厚はせいぜい2mm程度に抑制される。
このため、半年〜1年程度の周期で溶射施工を繰り返す
必要があり、耐久性の改善効果はそれ程期待し得ない。
60W−40Co合金の溶射膜でロール表面を被覆保護
する上記構造に代え、ロール胴部自体を、60W−40
Co合金からなる鋳造体として形成することとすれば、
溶射施工の煩瑣を解消することができると共に、剥離等
の問題もなくなり、ロールの耐久性の飛躍的な向上を期
待することができる。しかしながら、60W−40Co
合金は著しく高融点の合金(融点: 約1600℃)であ
るため、健全な鋳造体を得ることは困難である。本発明
は、鋳造体として、耐溶融亜鉛腐食性にすぐれた60W
−40Co合金からなる表層を有するロール部材を鋳造
体として製造する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、遠心鋳造保を
利用して、ロール部材としての中空円筒体を製造するも
のであり、W40〜50%を含有し、残部実質的にCo
からなる合金溶湯を、遠心力鋳造に付し、合金溶湯中の
Wを比重差により遠心移行させることにより、Wが濃化
された表層部を有する中空円筒体を形成するようにした
ことを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】Wの比重は19.2(g/cm 3 )
と、Coの比重8.9(g/cm 3 ) に比し著しく大きい。
このため、W−Co合金溶湯を遠心力鋳造に付すると、
WはCoとの比重差により溶湯中を遠心移行し、比較的
短時間で表層領域に濃化する。図1は、横型遠心力鋳造
を模式的に示している。(1)は鋳型、(2)は駆動ロ
ールである。鋳型(1)は、駆動ロール(2)に水平担
持され、自身の軸心を中心とする回転運動が与えられ
る。(M)は鋳型(1)内に鋳込まれたW−Co合金溶
湯であり、合金溶湯(M)は鋳型の回転運動による遠心
力の作用を受けて鋳型の内周面に押付けられ、図示のよ
うに鋳型内周面に沿ったシリンダ状の溶湯層(10')を
形成する。溶湯(M)中のWは、Coとの比重差により
溶湯中を、溶湯層(10')の外側表層領域に向って遠心
移行する。この遠心回転状態を維持して溶湯を凝固させ
ることにより、図2に示すように、表層(11)にWが
濃化した円筒状鋳造体(10)が形成される。Wが濃化
した鋳造体(10)の表層(11)とその内側層(1
2)とは、むろん明確な境界面を有するわけではなく、
その層厚方向にW量の連続的な濃度勾配を有する冶金的
一体物であり、「表層」というのは、所望のW濃度を有
する領域を指称している。
【0006】遠心力鋳造に供されるW−Co合金溶湯
は、Wを40〜50%含有する組成に調製される。この
W−Co合金の融点は、約1480〜1530℃と、6
0%W−40Co合金の融点(約1600℃)に比べて
低く(図4参照)、このため溶製・鋳造操業に特段の困
難を伴うことなく、健全な鋳造品質を有する鋳造材を得
ることができる。W−Co合金溶湯のW含有量の上限を
50%としたのは、上記のように、合金の融点を低く抑
えるためである。合金融点を低くする点からは、W含有
量が低い程有利であるが、40%に満たないと、耐溶融
亜鉛腐食性の確保に必要な高W濃度の表層を形成するこ
とが困難となる。このため、合金溶湯中のW量は40%
以上であることを要する。なお、上記W−Co合金溶湯
は、不純分として、0.2%以下のC,5%以下のC
r,Mo,Ni,Fe,2%以下のSi,Mn等の混在
が許容され、それらの合計量が10%以下であれば、本
発明の趣旨が損なわれることはない。
【0007】W−Co合金溶湯の遠心力鋳造は、一般的
な鋳造条件を適用して行うことができ、鋳型の回転駆動
は、鋳型内周面上の重力倍数が約80〜100G程度と
なるように調整すればよく、合金溶湯の鋳込み温度は、
約1580〜1630℃(融点+約100〜150℃)
に調整して行えばよい。遠心力鋳造体として形成される
W−Co合金からなる中空円筒部材の表層は、溶融亜鉛
に対する腐食抵抗性および鋼板の接触に対する耐摩耗性
をより高いものとするために、W含有量は約60%以上
であるのが好ましく、また構造部材として必要な靱性を
損なわないために、70%以下であることが望ましい。
更に、その表層には、研削加工を反復実施し得る十分な
層厚(例えば、5〜15mm)を与えるのが好ましい。こ
の表層の組成や層厚は、合金溶湯組成、溶湯鋳込み量,
鋳型回転速度等により調整することができる。
【0008】遠心力鋳造体として得られた上記W−Co
合金製中空円筒体は、機械加工により所定のサイズのロ
ール胴部材とし、別途用意した軸部材を組付けることに
より目的とするロールに仕上げられる。また、W−Co
中空円筒体の内側に、他材種の円筒体を焼嵌め等で嵌着
一体化したクラッド部材として使用することもできる。
他材種の部材との積層体とすることは、例えばW−Co
合金鋳造体の肉厚を薄くし、材料コストを節減するのに
有効である。W−Co合金円筒体は、ロールの胴部材と
しての使用に限定されず、ロールの軸部や軸部に取付け
られるスリーブ等としても適用することができる。な
お、W−Co合金部材が中空円筒体であることを要しな
い場合は、その中空部に他材種の金属溶湯を鋳込み、中
実体に仕上げて使用することはむろん任意である。
【0009】
【実施例】
〔1〕供試材の製造 高周波溶解炉で溶製したW−Co合金溶湯を横型遠心力
鋳造に付して中空円筒体を製造し、鋳造体の表面に機械
加工を施して供試材(A1 〜A3 ) を得る(外径: 590,
肉厚: 50, 長さ: 2100, mm)。 (鋳造条件) 鋳型サイズ: 内径 630, 長さ 2500 (mm) 鋳型回転速度: 573 rpm (鋳型内面上の重力倍数: 約 9
0 G) 鋳込み温度: 1610〜1630℃(融点+約140 ℃) 表1に合金溶湯組成を示し、表2に供試材の表層の層厚
(Co濃度60%以上の層厚),表層中間位置における
成分分析結果等を示す。
【0010】比較材として、下記の供試材BおよびCを
用意した。 (供試材B)13Cr系ステンレス鋼(C:0.1,Si: 1.4, M
n: 0.9, Ni: 0.9, Cr: 12.8, Fe: Bal,wt%。JIS G5121
SCS 1 相当)の横型遠心力鋳造材〔鋳型サイズ,鋳型回
転速度: 上記と同一,鋳込み温度: 1600℃(融点+約10
0 ℃)〕。 (供試材C)13Cr系ステンレス鋼(供試材Bと同じ)
の遠心力鋳造材基材とし、表面にガスプラズマ溶射によ
り、60W−40Co合金被膜(膜厚: 150 μm)を形成。
【0011】〔2〕溶融亜鉛腐食試験1 図3に示すように、円板(a)の下面に突設した棒状体
(c)に円柱状試験材(φ6 ×40L,mm)(TP) を取付
け、溶融亜鉛浴(d)中に浸漬し、円板(a)を支軸
(b)を中心に一定時間回転した後、試験材の腐食量
(mm/Hr)を測定する。試験結果を表3に示す。 溶融亜鉛浴: 0.2%Al−Zn(浴温: 500℃) 試験材取付け位置(回転中心からの距離): 86mm 回転速度: 60rpm試験時間: 50Hr
【0012】〔3〕溶融亜鉛腐食試験2 溶融亜鉛浴中に、試験材(φ30×200L, mm)を縦向き姿
勢で一定時間浸漬(浸漬深さ120 mm)した後、浴外に引
き上げ、常温まで放冷する操作を1サイクルとする「浸
漬−放冷」を反復実施し、試験材表面を肉眼観察すると
共に、液体浸透探傷法(カラーチェック)により表面の
亀裂の有無を検出し、表3に示す結果を得た。 溶融亜鉛浴 : 0.2%Al−Zn(浴温: 500℃) 浴中浸漬時間: 20分/回 反復回数 : 10回
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】表2,表3に示したように、発明例のもの
は表面硬度が高く、かつ従来の代表的ロール材である1
3Cr系合金鋼(供試材B)に比べ、溶融亜鉛に対して
著しく高い腐食抵抗性を有している。また、W−Co溶
射被膜で被覆保護した従来材(供試材C)では、被膜の
亀裂・剥離による損傷を生じ易いのに対し、発明例のも
のはそのような表面劣化がなく、健全な表面性状を安定
に保持している。
【0017】
【発明の効果】本発明により製造されるロール部材は、
高W含有Co合金組成の表層を有することにより、13
Cr系ステンレス鋼製部材に比し著しく高い耐溶融亜鉛
腐食性を有し、かつ硬質で良好な耐摩耗性を具備してい
る。しかも、溶射膜で被覆保護した部材と異なって、表
層と内側層は鋳造体として形成された冶金的な連続性を
有する一体物であり、溶射膜の被覆保護構造のような被
膜の剥離・損傷等の問題がなく、長期に亘つて健全な表
面状態を安定に維持することができ、連続溶融亜鉛めっ
き操業の効率化,ロールメンテナンスの軽減、コストダ
ウン等を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】横型遠心力鋳造を示す径方向断面説明図であ
る。
【図2】遠心力鋳造による円筒体の層構造を模式的に示
す径方向断面図である。
【図3】溶融亜鉛腐食試験要領の説明図である。
【図4】W−Co二元合金の状態図である。
【符号の説明】
1: 遠心力鋳造鋳型 2: 回転駆動ロール 10’: 合金溶湯層 10: 遠心力鋳造体 11: 鋳造体の表層 12: 鋳造体の内側層 M: 合金溶湯

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 W40〜50%,残部実質的にCoから
    なる合金溶湯を遠心力鋳造に付し、溶湯中のWを比重差
    により遠心移行させることにより、Wが濃化された表層
    部を有する中空円筒状鋳造体を形成することを特徴とす
    る溶融亜鉛浴用ロール部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 表層部のW含有量が60〜70%であ
    り、層厚が5mm以上であることを特徴とする請求項1に
    記載の溶融金属浴用ロールの製造方法。
JP25562696A 1996-09-27 1996-09-27 溶融亜鉛浴用ロール部材の製造方法 Pending JPH10102176A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25562696A JPH10102176A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 溶融亜鉛浴用ロール部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25562696A JPH10102176A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 溶融亜鉛浴用ロール部材の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10102176A true JPH10102176A (ja) 1998-04-21

Family

ID=17281371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25562696A Pending JPH10102176A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 溶融亜鉛浴用ロール部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10102176A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3070757B2 (ja) 連続溶融金属メツキ装置、連続溶融金属メツキ装置の製造方法、連続溶融金属メツキ装置用軸受、及び、連続溶融金属メツキ装置用ロール
KR20120044085A (ko) 도금설비의 포트롤 축부와 포트롤 축부 코팅 방법
US6534196B2 (en) Refractory metal coated articles for use in molten metal environments
JPH10102176A (ja) 溶融亜鉛浴用ロール部材の製造方法
RU2722554C2 (ru) Конструктивный элемент для установки для нанесения покрытия методом погружения в расплав и способ изготовления такого элемента
JPH05195178A (ja) 溶融金属めっき浴中ロール
JPH0570915A (ja) 溶融めつき浴用ロール装置
JP2638397B2 (ja) 連続溶融金属メッキ装置
JP3073721B2 (ja) 軸受部品の製造方法
US6315830B1 (en) Molten metal plating apparatus
JP2006255733A (ja) 連続鋳造用鋳型銅板
JP4466093B2 (ja) Wcサーメット溶射ロール
JP3129648B2 (ja) 溶融金属めっき浴中ロール用軸受
JP3092818B2 (ja) フロートガラス製造用ロール
JPH02125833A (ja) 溶融亜鉛メッキ浴中浸漬部材及びその製造方法
JP2668054B2 (ja) 連続溶融金属メッキ装置用ロール及び連続溶融金属メッキ装置
JP2005248298A (ja) 無駆動溶融金属浴中のサポートロール
JP2001159425A (ja) 軸受部品及びその製造方法
JP2000034552A (ja) 溶融金属めっき装置
JPH10317119A (ja) 溶融金属用ロールおよびその製造方法
JP3178465B2 (ja) 連続溶融金属メッキ装置,連続溶融金属メッキ装置用軸受、及び連続溶融金属メッキ装置用ロール
JPH06142893A (ja) 複合カレンダーロールの製造方法
KR101194459B1 (ko) 용융 아연도금 욕조 부재용 코팅조성물의 코팅방법 및 코팅부재
CN101614241A (zh) 软合金层形成装置和软合金层形成方法
JP6379802B2 (ja) 溶融金属めっき用浴中ロール