JPH10101466A - 被覆粒状肥料及びその製造方法 - Google Patents

被覆粒状肥料及びその製造方法

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JPH10101466A
JPH10101466A JP9144657A JP14465797A JPH10101466A JP H10101466 A JPH10101466 A JP H10101466A JP 9144657 A JP9144657 A JP 9144657A JP 14465797 A JP14465797 A JP 14465797A JP H10101466 A JPH10101466 A JP H10101466A
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granular fertilizer
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JP9144657A
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Yoshitatsu Yamashita
下 ▲吉▼達 山
Seiichi Kashiwagi
木 精 一 柏
Michiyuki Ashihara
原 通 之 芦
Toshio Fujita
田 利 雄 藤
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    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G5/00Fertilisers characterised by their form
    • C05G5/30Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings
    • C05G5/37Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings layered or coated with a polymer

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の被覆粒状肥料は肥料成分からな
る芯材粒子と、この芯材粒子の表面に施された被覆とで
形成され、この被覆が芯材粒子からの肥料成分の溶出を
制御する構成において、この芯材粒子が肥料成分の圧縮
率0.93以上の圧縮成形物であって、その表面に好ま
しくは平滑化後に、肥料成分の溶出制御被覆が施された
もの。本発明の被覆粒状肥料の製造方法は肥料成分を好
ましくはロールコンパクティング又はブリケッティング
によって芯材粒子とし、次いでその表面に溶出制御被覆
層を形成させる。 【効果】 被覆粒状肥料は肥料成分の溶出を極めて高い
精度(溶出変動率:1/2.5〜1/4)で制御し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は肥料成分からなる芯材粒
子の表面に、芯材粒子を形成する肥料成分の溶出速度を
制御する被覆層を有する被覆粒状肥料、及びこの被覆粒
状肥料を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】植物の生育に不可欠な肥料
成分は窒素、リン酸及びカリウムであり、さらに土壌中
におけるイオンなどのバランスを調整するためにCa、
Mg、S、Fe、Clなどを含有する肥料を施肥する必要
がある。しかも、こうした肥料成分の施与は作物が生育
(「発芽、成長、開花及び結実」を総括する概念)する
全期間にわたって制御管理することが必要である。従っ
て、これらの肥料は植物の生育に合わせて適時に適量だ
け施肥する必要がある。しかしながら、こうした肥料成
分には水溶性のものが多い。それに起因して、施肥され
た肥料中の水溶性の肥料が施肥直後には迅速に非常に高
い肥料成分濃度に達するものの、比較的短時間で流出す
る結果として急速な濃度低下を来たす。それを補う為に
は、頻繁にこの種の肥料を施肥する必要を生ずる。
【0003】とはいえ、頻繁に施肥する場合の問題点と
しては、肥料成分量が例えば過剰である場合には施肥さ
れた作物が徒長又は枯死を生じることを挙げることがで
きる。この点から、水溶性肥料施肥のタイミング選定に
非常な困難を来たす。
【0004】この種の肥料は通常、粉体肥料、粒状肥
料、被覆粒状肥料などで提供されている。これらの中で
一般に粒状肥料は粉体肥料よりも長い期間にわたって肥
料成分を安定して供給する能力を備えている。さらに、
被覆粒状肥料は粒状肥料の表面に被覆層が形成されたも
のであって、この被覆層によって内包された肥料成分の
流出が制御される結果、粒状肥料よりもさらに長い期間
にわたって肥料成分を溶出させ続けることができる。し
かも、最近では肥料成分の溶出期間の長い点で優れた粒
状肥料又は被覆粒状肥料が多用される傾向になって来て
いる。
【0005】粒状肥料の製造方法としては例えば、転動
造粒法、混合造粒法、押出し造粒法、圧縮造粒法及び破
砕造粒法等を挙げることができる。ここで転動造粒法及
び混合造粒法は肥料成分を造粒する際に最も広く用いら
れている方法である。その理由は造粒に使用される機器
の構造が比較的簡単な点であることから大規模化容易
で、その結果として大量生産に適する点に求められる。
【0006】他方、押出し造粒法は造粒に際して肥料成
分に可塑性が求められることから、主に有機質肥料、低
度化成肥料等向けに採用されている。また、圧縮造粒法
及び破砕造粒法は硬度及び密度の高い粒状肥料を製造す
る為に多く採用されている。
【0007】こうした粒状肥料における肥料成分の溶出
は粒状肥料の表面に被膜(被覆;被覆層)を形成するこ
とによって制御することができる。その例として、本発
明者は下掲の改良方法を既に特許出願した: ◆被覆層にポリオレフィン樹脂を用いて均一に被覆層を
形成する方法(特公昭54−3104号公報参照)、◆
ポリオレフィン樹脂にエチレン−酢酸ビニル共重合体又
は界面活性剤を添加した被覆を肥料成分に装用して肥料
成分の溶出速度を制御する方法(特公昭60−3707
4号公報参照)、◆肥料成分の表面に鉱物粉添加のポリ
オレフィン被覆層を形成させて肥料成分の溶出速度の温
度依存性を改善する方法(特公昭60−3040号公報
参照)等。
【0008】上記の各改良方法は主として、肥料成分で
形成された芯材の表面に形成される被覆層の組成などを
改良することによって、肥料成分の芯材からの溶出を制
御する方法であり、上述のような手段を用いて被覆層の
特性を変えることによって、肥料成分の溶出を制御する
方法であると言える。
【0009】とはいえ、上記の被覆粒状肥料は何れも、
従来の粒状肥料の表面に被覆層を装用している結果とし
て、肥料成分の溶出速度は専ら被覆成分の特性に依存し
ている。従って、これらの方法においては、肥料成分で
形成されている肥料芯材自体は肥料成分の溶出の制御に
は何ら寄与していない。それに加えて、肥料芯材表面に
被覆層を形成させて肥料成分の溶出パターンを制御する
方法では、芯材粒子ができるだけ真球状であることが好
ましい。
【0010】しかし、上述の粒状肥料を製造する方法の
内で、圧縮造粒法及び破砕造粒法は硬度及び密度の高い
粒状肥料を製造する能力を備えてはいるが、それらの造
粒法によって得られる粒状体は被覆粒状体の芯材として
は適しないと考えられている。即ち、圧縮造粒法又は破
砕造粒法によって得られる粒状体の形状が不定形であ
る。その結果、圧縮造粒法又は破壊造粒法によって形成
される粒子は被覆粒状肥料の芯材としては今以て用いら
れていない。
【0011】他方、被覆粒状肥料について本発明者は上
掲の被覆層の改良とは別に、芯材についての改良も既に
提案している。例えば、本発明者の特公平1−3810
2号公報には、窒素肥料成分である尿素を溶融させて造
粒することによって芯材を形成させ、この芯材の表面に
被覆層を形成させた肥料が開示されている。即ち、この
溶融法による芯材の形成は肥料成分の溶出を抑制する為
に効果的である。
【0012】しかしながら、この方法は常に採用できる
訳ではない。この方法を採用することができる場合と
は、尿素のように比較的に低融点で、かつ溶融条件にお
いて熱分解を生じにくい物質を肥料成分として用いる場
合に限られ、実質的に尿素以外の肥料成分でこの方法を
採用するのは難しい。
【0013】そこで、本発明者は通称「硫安」(硫酸ア
ンモニウム)、通称「塩安」(塩化アンモニウム)、通
称「硝安」(硝酸アンモニウム)、通称「燐安」(リン
酸アンモニウム)、通称「塩加」(塩化カリウム)及び
通称「硫加」(硫酸カリウム)等の肥料成分を原料とし
て選び、これに造粒法として転動造粒法、混合造粒法又
は押出し造粒法等を適用して芯材を形成させ、この芯材
の表面に公知の被覆層形成技術を適用して被膜(被層)
を形成させることによって、肥料成分の溶出パターンを
制御しようと試みた。
【0014】残念ながら、こうして得られた被覆肥料は
特公平1−38102号公報に記載の方法で製造された
造粒尿素に被覆が装用された被覆粒状肥料とは異なっ
て、一定した溶出パターンを示さないことに加えて、製
造ロット間で溶出性能に大きなバラツキを生じた。その
結果として、一層高い溶出精度が要求されている現在及
び今後の状況下では上記の試作被覆肥料は使用に耐えな
い。
【0015】ところで、被覆粒状体としては従来の「単
に肥料成分の溶出速度を制御しようとするもの」以外
に、例えば下掲の特許公報に開示された被覆粒状体のよ
うに施肥後一定期間内には肥料成分を溶出しないが、一
定期間経過後には肥料成分の溶出を開始するという、い
わゆる時限溶出型の被覆粒状肥料も開発されている(特
開平6−87684号公報、特開平2−275792号
公報、特開平4−202078号公報及び特開平4−2
02079号公報参照)。
【0016】上掲のような被覆粒状肥料であって時限溶
出型のものを用いれば、特開平7−147819号公報
に開示されているように、施肥回数を極端に少なくして
も栽培可能であることから、育苗箱を用いた全量施肥栽
培法が可能になった。
【0017】この全量施肥栽培法は栽培期間中に必要な
肥料の全量又はその大部分を育苗開始時に育苗箱に予め
施肥する方法である。この栽培法で要求される肥料は肥
料成分の溶出は育苗期間中には極度に抑制されるが、育
苗期間が終了して作物が本圃に移植された後には安定し
て肥料成分が供給されるような肥料溶出パターンを有す
る被覆粒状肥料である。
【0018】この全量施肥栽培法は作業を省力化し、肥
料成分の吸収率を高めたものであるが、肥料成分の溶出
量が予定している量よりも許容限界を超えて多くなった
場合又は溶出が所定よりも早く始まった場合などには、
肥料成分が作物の生育状態に対して過剰に存在する場合
が生じた。このように肥料成分が所定量よりも過剰に存
在する場合には作物が徒長又は枯死などを生ずる。時限
溶出パターンを有する被覆肥料において生じ得る徒長又
は枯死を防止する為には、肥料成分の溶出制御機能に対
して特に厳重な品質管理が要求される。
【0019】しかしながら、例えば転動造粒法等によっ
て成形された従来の時限溶出型の被覆粒状肥料はその時
限溶出性能に変動(製品個体差又は製造ロット差)が頻
発し、しかもそれが比較的大幅であるという問題が生じ
ていた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は
被覆粒状肥料であって、それに内包されている肥料成分
の溶出を高精度で制御し得る被覆粒状肥料を提供するこ
とにある。本発明の第2の目的は上述の被覆粒状肥料を
製造する為に好適な方法を提供することにある。本発明
の第3の目的は芯材である粒状肥料の表面に、肥料成分
の溶出性(溶出パターン)を効果的に制御する被覆層が
装用された被覆粒状肥料であって、その溶出性の変動幅
が製造ロット間で極めて縮小化された被覆粒状肥料を提
供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の被覆粒状肥料は
肥料成分からなる芯材粒子と、該芯材粒子の表面に該芯
材粒子からの肥料成分の溶出パターンを制御する被覆層
とで形成された被覆粒状肥料であって、該芯材粒子が肥
料成分の圧縮成形物であることを特色としている。
【0022】この被覆粒状肥料は肥料成分を圧縮成形し
て芯材粒子を調製し、次いで該芯材粒子の表面に、該芯
材粒子からの肥料成分の溶出パターンを制御する被覆層
を形成することによって製造することができる。
【0023】本発明の被覆粒状肥料においては、下記の
関係式(1)で定義される圧縮率が、0.93以上、好ま
しくは0.95〜1.0にある芯材粒子を用いる:
【0024】
【数2】
【0025】また、本発明の被覆粒状肥料を製造するに
際しては、芯材粒子表面が平滑化処理されている粒子で
あることが好ましい。本発明の被覆粒状肥料は施肥後一
定期間内には芯材粒子からの肥料成分の溶出を所期の水
準に抑制し、かつ一定期間終了後には肥料成分の溶出を
開始する溶出パターンを有する被覆粒状肥料としての有
用性に特に優れる。
【0026】また、本発明の被覆粒状肥料の製造に際し
ては、芯材表面を平滑化処理した後に被覆層を装用する
ことが好ましい。また、肥料成分に実質的に水分を加え
ることなく芯材粒子を圧縮成形することが好ましい。
【0027】また、本発明の肥料成分を製造するに際し
ては、芯材粒子を圧縮成形によって製造する手段として
圧縮造粒法又は破砕造粒法の何れかの方法を採用するこ
とが好ましい。更に好ましくは、圧縮造粒法はタブレッ
ティング法又はロールプレス法の何れかの方法で実行さ
れ、破砕造粒法はブリケッティング法又はコンパクティ
ング法の何れかの方法で行なわれる。
【0028】本発明の被覆粒状肥料は肥料成分から形成
された芯材粒子とこの芯材粒子の表面に形成された被覆
層とからなり、この芯材粒子が肥料成分の圧縮成形物で
あることから、肥料成分の溶出が一層初期のパターンに
制御され得るものである。
【0029】
【発明の実施の形態】次に本発明の被覆粒状肥料及びこ
の被覆粒状肥料を製造する方法について具体的に説明す
る。即ち、本発明の被覆粒状肥料は圧縮成形によって製
造された芯材粒子とこの芯材粒子の表面に形成された被
覆層とからなる。本発明の被覆粒状肥料を形成する前記
の芯材粒子はその機能発現の為の中心として肥料成分か
ら形成されている。
【0030】ここで、植物の育成に必須の肥料成分は窒
素、リン酸及びカリ(カリウム)であり、窒素肥料とし
ては例えば、尿素、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、石灰窒素、リン酸アンモニウム及び硝酸カリウムを
挙げることができる。また、リン酸肥料としては例え
ば、リン酸アンモニウム、燐酸石灰及びトーマス燐肥を
挙げることができる。このトーマス燐肥は燐酸石灰では
あるが、転炉等の使用済み内張りである。また、カリ肥
料としては例えば、硝酸カリウム、塩化カリウム及び硫
酸カリウムを挙げることができる。
【0031】それに加えて、本発明で用いられる肥料成
分としては、上記のような肥料成分の他に、土壌中にお
ける各種イオンなどの間のバランスの調整あるいは土壌
改良などの為に使用されるCa、Mg、S、Fe及びClか
ら選ばれる1種以上などを含有する肥料であってもよ
い。本発明においては、これらの肥料成分は単独で用い
ることもできるし、また2種以上を組合わせて用いるこ
ともできる。
【0032】しかも、本発明で用いられる肥料成分は上
記のような肥料成分の他に、肥料成分の圧縮成形を容易
にする為に、シリカ(二酸化珪素)などの無機粉末と肥
料粒子とを相互に結合するバインダーなどを配合するこ
とも可能である。
【0033】なお、上記のような肥料成分から芯材粒子
を形成する際には、造粒後に除去される液状物質(例え
ば水等)を含有していないことが好ましく、水のような
液状物質を含む場合には、こうした液状物質を例えば乾
燥等によって除去した後に用いることが好ましい。
【0034】肥料成分から芯材粒子を製造する際には、
肥料粒子の粒度分布を広くするに伴って緻密な芯材粒子
を形成する為に有利となる傾向を認めることができる。
本発明の被覆粒状肥料を形成する芯材粒子は上記のよう
に、肥料成分の圧縮成形物である。この圧縮成形物は上
記のような肥料成分の集合物中に存在する空隙の少なく
とも一部分を消滅させる為の操作を加えたものである。
【0035】この肥料成分の圧縮成形物を製造する方法
として有力なものは圧縮造粒法及び破砕造粒法等であ
り、ここで圧縮造粒法としてはタブレッティング法及び
ロールプレス法等の手法を挙げることができ、また破砕
造粒法としてはブリケッティング法及びコンパクティン
グ法等の手法を挙げることができる。なお、本発明では
これらのいずれの造粒法手法をも採用することができ
る。
【0036】そして、上記のような圧縮成形において
は、その圧縮率を1に近づけるように圧縮することによ
って、得られる圧縮成形品の空隙率を限りなくゼロに近
づけ得る。そこで本発明においては、この圧縮率を0.
93以上にすることが好ましく、さらに好ましくは0.
95以上に設定する。このように肥料成分の圧縮成形物
を製造する際の圧縮率を高い側に設定すれば、得られる
芯材粒子中にほとんど空隙が残存しない状態が実現でき
る。
【0037】なお、本発明において圧縮成形品の「圧縮
率」とは、水銀ポロシオメーターを使用して水銀圧入法
によって芯材粒子の見掛け密度及び真密度を測定し、こ
の測定値を用いて前出の関係式(1)によって算出される
値である。
【0038】上記のような圧縮率を有する芯材粒子を製
造する方法について、図2に示された破砕造粒・コンパ
クティング法を例にして以下に具体的に説明する。な
お、図1は従来の粒状肥料を製造する為に用いられた製
造装置のフローシートである。この装置を用いた実験例
は比較例1〜5に説明されていることから、ここでは省
略する。
【0039】図2は本発明で用いられる芯材粒子を製造
する方法の1例である破砕造粒・コンパクティング法を
実施する際のフローシートである。図2に示されたよう
に破砕造粒・コンパクティング法では、供給管51から
ホッパーAに投入された肥料成分はこのホッパーAの底
部からスクリューフィーダーBに供給される。このスク
リューフィーダーBに供給された肥料成分はこのスクリ
ューフィーダーBでロールコンパクターCに送られて、
このロールコンパクターCで圧縮される。肥料成分はこ
のロールコンパクターCによって圧縮されてフレーク状
の圧縮成形物に賦形される。
【0040】次いで、このフレーク状の圧縮成形物は移
送管52で解砕機Dに移送され、この解砕機Dで5〜1
0メッシュ篩を用いて分級できる程度に解砕される。解
砕機Dからの解砕物は、移送管53で、振動篩Eに移送
され、この振動篩Eで分級される。
【0041】振動篩Eで捕捉される粒子の粒径を例えば
6〜8メッシュに設定した場合には、この粒径6〜8メ
ッシュの粒子が移送管56経由で貯蔵部(フレコン)F
に送られてここで貯蔵される。
【0042】一方、設定した粒径よりも大径の粒子(オ
ーバーサイズ品)は振動篩Eの上部から回収され、移送
管55を経由して解砕機Dに移送されて再び解砕され
る。他方、設定した粒径よりも小径の粒子(アンダーサ
イズ品)は振動篩Eの下端部に接続された移送管57を
経由してホッパーAに移送され、再び肥料原料として使
用される。
【0043】貯蔵部Fに貯蔵された肥料粒子はその侭で
本発明の被覆粒状肥料を製造する為の芯材粒子として使
用できる以外に、図2に示されたように移送管54経由
で更に高分級精度の振動篩Gに送られ、この振動篩Gで
再度分級することもでき、この振動篩Gで分級された二
次成形品粒子(粒径7〜8メッシュ)を本発明の被覆粒
状肥料の芯材粒子として用いることもできる。この高分
級精度の振動篩Gから取出し管58経由で取り出すこと
ができる。
【0044】なお、この振動篩Gにおいてもオーバーサ
イズ品及びアンダーサイズ品が生じ、これらはそれぞれ
移送管57又は59経由で取出されて上記振動篩Eにお
けるものと同様にそれぞれ再使用される。
【0045】上記に例示された破砕造粒・コンパクティ
ング法は上述のように、圧縮成形体を製造する為に水等
の液状成分の使用を特に必要としてはいないので、例え
ば転動造粒法のように水を使った造粒法と比較すると、
それよりも高圧縮率の芯材粒子を製造することができ
る。その原因は破砕造粒・コンパクティング法において
は粒状物中に含有された水が蒸発することによる間隙が
生じないことに求められる。
【0046】本発明では、上記のように例えば破砕造粒
・コンパクティング法によって製造された粒子をその侭
で芯材粒子として被覆粒状肥料の製造に供することがで
きるが、これらの破砕物粒子は破砕物であることに起因
して、その形状が部分的に尖鋭であると共に及び全体的
に角張っており、如何なる見方においても球状とは言え
ないものを多く含んでいる。この種の非球状粒子の表面
に被覆層を形成させると、得られる被覆層の厚さが往々
にして均一にならず、その被覆層の薄い部分から肥料成
分が溶出し易いことが影響して、期待される程には高い
精度で肥料成分の溶出を制御できない場合が間々生ず
る。
【0047】そこで本発明では、例えば上記のようにし
て製造された圧縮成形物の表面を平滑化処理(表面平滑
化処理)して、できるだけ球状に近い形状即ち、少なく
とも尖鋭部分及び角張った形状を面取りして曲面状に変
えることが好ましい。
【0048】表面平滑化処理を行なうには例えば、図3
に示されたような回転円盤式整粒機又は図4及び図5に
示されたようなパドル式造粒機を用いることができる。
これらの方法においては、上記のようにして図2におけ
る貯蔵部Fに貯蔵された圧縮成形物又は更に振動篩Gで
高度分級された圧縮成形物を、図3においては移送管3
1経由で回転円盤式整粒機Hに装入し、図4においては
移送管61、定量フィーダーL及び移送管62経由でパ
ドル式造粒機Mに装入する。
【0049】回転円盤整粒機Hは周速通常8〜25m/s
程度で回転する円盤上で被処理粒子(非球状粒子)を転
動させることによってその粒子に面取り及び角取り(尖
塔部、頂点部及び鋭い稜部等の鈍化)処理を施す装置で
あり、非球状粒子をこの円盤状で通常2〜10min程度
転動することによって、圧縮成形物の殆どの角部及び稜
部を削除して、球状に近い形態に整形することができ
る。
【0050】図5に例示されたパドル式造粒機Mは蓋体
71を有する槽72(例:長さ3.5m×幅1.5m×高
さ1.1m)と、この槽内に所定距離(例:0.62m)
だけ離間して平行に配設され、且つそれぞれ所定枚数
(例:各30枚)の攪拌羽根(例:幅10cm×長さ40cm)
73を備えた2本の攪拌棒74と、蓋体の一部に穿設さ
れ、移送管62及び水供給管63からの注入物を受入る
投入口75と、槽底部に設けられる槽内容物(球形圧縮
成形物)抜出し口76と、を備えている。このパドル式
造粒機Mでは、槽72内に配置されたこの2本の攪拌棒
74を槽内中央部で槽内容物(圧縮成形物)を掻上げる
ように所定速度(例:40rpm程度)で回転させて、槽
内容物を攪拌する(図5参照)。
【0051】このパドル式造粒機Mにおいては、被処理
物を通常、その流量が10〜20ton/hとなるような速
度で通過させることによって、圧縮成形物の殆どの角部
及び稜部を削除して、球状に近い形態に成形することが
できる。
【0052】何れの方法を用いても本発明の目的は達成
されるが、処理の効率の面からはパドル式造粒機を用い
ることが望ましい。上記のような面取り及び角取り処理
が施された圧縮成形物は図3に示されているような回転
円盤整粒機Hにおいては移送管32経由で振動篩Jに送
られて、そこで分級された後に所定粒径範囲の粒子が移
送管34経由で取り出され、芯材粒子として使用され
る。この際にも生ずるオーバーサイズ品及びアンダーサ
イズ品の中で、オーバーサイズ品は移送管33経由で解
砕機へ送られ、アンダーサイズ品は移送管35経由でホ
ッパーに送られ、前記振動篩Eにおける分級後のそれぞ
れと同様に再使用される。
【0053】一方、パドル式造粒機Mにおいて撹拌処理
された粒子は図4に示された移送管64、乾燥機、移送
管65、バケットエレベーターP及び移送管66経由で
振動篩Qに送られ、そこで分級された後に所定粒径範囲
の粒子が68経由で取り出され、芯材粒子として使用さ
れる。オーバーサイズ品は移送管67経由で解砕機へ送
られ、アンダーサイズ品は移送管69経由でホッパーK
に送られ、前記振動篩Eにおける分級後のそれぞれと同
様に再使用される。
【0054】なお、上記の工程説明は芯材粒子を製造す
る方法が実施される工程の1例を示したものであり、勿
論他の方法を採用する場合には、その方法に適応した適
切な工程を組むことができる。
【0055】本発明の被覆粒状肥料には、上記のような
芯材粒子の表面に芯材からの肥料成分の溶出を所定の精
度で制御する能力を備えた被覆層が形成されている。こ
こで言う被覆粒状肥料には、下記の2種類のものが存在
する: ◆施肥直後から溶出終了まで略一定の速度で溶出する一
定速度溶出型肥料、◆施肥直後から一定期間は肥料成分
の溶出が抑制されるが、所定の期間経過後に速やかに肥
料成分を溶出させる時限溶出型肥料。
【0056】上記のように、肥料成分の溶出パターン相
互間に差異はあるものの、被覆粒状肥料では何れも、肥
料成分の溶出が制限されている期間内には、被覆粒状肥
料の全ての肥料粒子からの肥料成分の溶出が所定の水準
で制限される必要がある。
【0057】被覆粒状肥料の被覆層は通常、樹脂成分、
フィラー及びその他の成分から形成されており、以下に
それぞれについて説明する:ここで被覆層を形成する硫
黄又は樹脂成分は芯材粒子の表面に水に不溶又は難溶な
シェルを形成する。この種のシェルを形成する樹脂とし
ては熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の何れをも使用する
ことができる。ここで使用され得る熱可塑性樹脂として
は例えば、オレフィン重合体、オレフィン共重合体、塩
化ビニリデン重合体、塩化ビニリデン共重合体等を挙げ
ることができる。ここに例示されたオレフィン重合体と
しては、ポリエチレン(共重合体包含)及びポリプロピ
レン(共重合体包含)の1種以上を好適に使用すること
ができ、また、オレフィン共重合体としてはエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−一酸化炭素
(CO)共重合体(ECO)等を用いることができる。これ
らの重合体樹脂又は共重合体樹脂は単独で用いることも
でき、その2種以上の組合わせで用いることもできる。
【0058】上記の樹脂成分を形成し得る熱硬化性樹脂
としては、アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等を例示することがで
きる。これらの樹脂は単独でも又は2種以上の組合わせ
でも用いることができる。前記の樹脂例に加えて、熱可
塑性樹脂と熱硬化性樹脂との組合わせでも用いられ得
る。
【0059】上記のシェル形成材料となりえる硫黄とし
ては、通常の結晶性硫黄又は非晶性硫黄の何れをも用い
得る。しかしながら、本発明の被覆粒状肥料を形成する
被覆の材料としては、水に対して高度に溶解する樹脂は
一般には単独で使用され難い。その理由は本発明の被覆
粒状肥料が時限溶出型又は一定速度溶出型を目的性状と
するものであることに求められる。
【0060】上記の樹脂成分と共に用いられるフィラー
としては、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化アル
ミウニウム(アルミナ)、炭酸マグネシウム(炭マ
グ)、酸化チタン(チタニア)、珪酸マグネシウム(タ
ルク)、硫黄、炭酸カルシウム(炭カル)、二酸化珪素
(シリカ)等を挙げることができる。
【0061】これらのフィラーは被覆層であるシェルの
機械的強度を確保すると共にそれ自体が水に対して溶解
する場合には、時間の経過に伴って、被覆層であるシェ
ルに欠損を形成させる結果として、水分を迎え入れる為
の導入孔を生じさせることができる。一方、糖重合体及
びその誘導体、穀物粉(例えば、小麦粉、大麦粉、玉蜀
黍粉、そば粉)、澱粉、寒天末、コーンスターチ、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)を、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂又はポリ塩化ビニリデン樹脂の
様に非常に低い水蒸気透過性を示す樹脂相中に分散させ
た場合には、その溶出は時限溶出型となる。従って、目
的とする肥料の溶出型(溶出パターン)に応じてフィラ
ー(充填剤)の種類を選定することが重要である。
【0062】本発明の被覆粒状肥料を形成する被覆は上
記のような各種成分によって形成されており、その被覆
粒状肥料の特性が時限溶出型又は一定速度溶出型である
かに応じて、異なる組成を採用する。また、その被覆形
成に使用される成分の特性によっても異なる組成が採用
されるが、通常は被覆100重量部中に、樹脂成分10
〜80重量部、フィラー20〜89.9重量部及びその
他の成分0.1〜30重量部の量で配合して、被覆粒状
肥料からの肥料成分の溶出状態を調整する。ここで、一
定速度溶出型の被覆粒状肥料を作製する場合には、更に
界面活性剤好ましくは、ポリオキシアルキレンエーテル
を基体とするものであって、特に好ましくはポリオキシ
エチレン・ノニル・フェニルエーテル(略称「SA」)
を組成物基準で通常は1〜3重量%程度添加することが
できる。
【0063】時限溶出型の肥料を得るには、上記のよう
な極く低水蒸気透過度の樹脂相中に糖重合体及びその誘
導体を主成分とする粉体を分散させても目的を達成し得
るが、別法としては、下記の2種類を挙げることができ
る: ◆樹脂被膜の内側に膨潤性の吸水性樹脂を付着させて吸
水性樹脂の膨潤による圧力(膨圧)を生じさせ、それに
よって所定期間経過後に樹脂被膜に破損を生じさせて芯
材である肥料成分の溶出を開始させる方法又は◆粒状肥
料芯材の表面にアルカリ性物質を付着させ、次いでアル
カリ水可溶性樹脂の微粒子をその相中に分散させた熱可
塑性樹脂で粒状肥料芯材を被覆した後に、アルカリ水可
溶性樹脂を溶解させて所定期間経過後に、樹脂被膜に破
損を生じさせて溶出を開始させる方法。
【0064】また、本発明の被覆粒状肥料では、被覆と
芯材粒子との重量比を1/99〜50/ 0、好ましく
は5/95〜40/60にするように被覆を形成させ
る。上記の重量比で被覆を形成させると、得られる被覆
の厚さは一般には10〜100μm、好ましくは40〜
100μm程度になる。
【0065】この様な被覆層を形成させるには、上記の
各成分に対する適当な溶媒又は分散媒であって、内包さ
れる芯材粒子を浸食しないものに溶解又は分散させて被
覆液を調製し、この被覆液で芯材粒子の表面を処理す
る。この被覆液を用いて被覆層を形成する際の被覆液中
における固形分の濃度は通常1〜50重量%、好ましく
は5〜15重量%に調整される。
【0066】本発明では、好ましくは図6に例示された
噴流塔1を用いて被覆層を形成させる。すなわち、図6
に示されたように、その側壁に芯材粒子供給口2を備え
ると共に、その上部に排気口3を備えた噴流塔1に、そ
の側壁に穿設された芯材粒子供給口2から芯材粒子を投
入する。
【0067】この噴流塔1の下端部には有底筒状体21
が接合されており、この有底筒状体21の底部には被覆
粒状肥料を取り出す為に開閉可能な肥料取り出し口7が
設けられている。
【0068】さらに、この有底筒状体21の底部近傍に
は、噴流ガスを送り込むブロアー10、ブロアー10か
らの噴流ガスの流量を測定して調整するオリフィス流量
計9、このオリフィス流量計9によって流量が調整され
た噴流ガスの温度を調整する熱交換器8からなる噴流ガ
ス供給部に連結した接続管22が連接されている。
【0069】一方、噴流塔1の底部であって有底筒状体
21との接合部近傍には、筒状体の横断面中央部に液体
供給ノズル4が配置されており、この液体供給ノズル4
は芯材粒子を被覆する為の被覆液を貯蔵すると共に供給
する被覆液タンク11及びこの被覆液を加圧下に前記液
体供給ノズル4から噴射させる為に圧力を印加する被覆
液給送ポンプ6が給送管5で連結されている。なお、被
覆液タンク11には通常、撹拌装置が備えられていて、
この被覆液を調製する際に又は調製した後に被覆液を均
一に保つに役立つ。
【0070】上記のような噴流塔1に例えば窒素ガス等
の不活性ガスからなる噴流ガスを被覆対象の粒状肥料芯
材の流動化及び被覆後の乾燥に十分な程度に供給する。
この噴流ガスは熱交換器8で被覆液中の有機媒体の沸点
付近の温度に加熱して置くことが好ましい。
【0071】この様にして噴流ガスを供給すると共に、
液体供給ノズル4から被覆液を塔内へ噴射させる。噴流
塔1の内部では、下から吹き上げる噴流ガスによって、
芯材粒子の少なくとも一部分が浮遊状態にあり、ここに
被覆液を噴霧することによって、芯材粒子の表面に被覆
液が付着する。しかも、噴流ガスが加熱されていること
から、芯材粒子の表面に付着した被覆液中の有機溶媒が
気化して噴流ガスと共に排気口3から排出される。
【0072】なお、被覆液を貯蔵するタンク11には通
常、撹拌機が備えられており、被覆液が例えばタルク、
穀物粉等のように有機溶媒に溶解しない成分を含む分散
液の場合であっても、被覆液を撹拌しながら噴流塔1内
に均一で安定した状態で供給することができる。また、
この被覆液は液体供給ノズル4から噴射される前に予め
加熱されていることが好ましい。例えば溶媒(又は分散
媒)としてトルエンを用いる場合について説明すれば、
被覆液を媒体であるトルエンの沸点以下である100℃
程度に加熱すると、噴流塔1内での有機溶媒の除去が容
易になる。
【0073】上記のようにして被覆液を噴射して、芯材
粒子に対して上記重量比の被覆層を形成させた後に被覆
液の供給を停止し、次に噴流ガスの供給も停止すること
により、噴流塔1の内部に浮遊していた被覆粒子は有底
筒状体21内に落下してその底部に堆積する。
【0074】最後に、有底筒状体21の下端部の肥料取
出し口7を開口して製造された本発明の被覆粒状肥料を
取出す。本発明の被覆粒状肥料は施肥した後に肥料成分
を長期間にわったり溶出させる一定速度溶出型性肥料と
して用いることもできる外に、一定期間肥料成分の溶出
を抑制し、一定期間経過後に肥料成分を溶出し始めると
いう時限溶出型肥料として用いることもできる。
【0075】これらの遅効継続性又は時限溶出型肥料を
構成する各肥料粒子において、肥料成分の溶出時期及び
溶出量の何れにおいても、バラツキ(製品差、ロット
差)が可能な限り少ないことが好ましい。すなわち、遅
効継続性肥料においては、各肥料粒子からの肥料成分の
溶出量にバラツキが可能な限り少ないことが好ましく、
時限溶出肥料においては、施肥後から肥料成分が溶出し
始めるまでの時期及び溶出し尽くすまでの期間及び溶出
速度の何れにもバラツキが可能な限り少ないことが好ま
しい。
【0076】本発明の被覆粒状肥料はその被覆の組成即
ち構成成分の量比及び被覆層の厚さなどを適宜に設定す
ることによって、時限溶出型肥料とすることもできるば
かりでなく、遅効継続性肥料とすることもできる。ここ
で重要な点は前記の何れの肥料の場合においても、各肥
料粒子からの肥料成分の溶出パターン間のバラツキ、す
なわち肥料成分の溶出量及び溶出日数の何れにおける標
準偏差(σ/χ)も、転動造粒などによって造粒された
芯材を用いた肥料のそれらに対して1/2以下、更には
1/3以下に抑制され得ることである。
【0077】従って、本発明の被覆粒状肥料を用いれ
ば、施肥回数を減らすことができることに加えて、これ
を時限溶出型肥料として使用すれば、本発明の被覆粒状
肥料を予め所定量だけ施肥して育苗を行なった場合に
も、発芽時期には溶出する肥料成分の量が所期通りに抑
制され、肥料成分が最も必要な苗の生育時期に充分な肥
料成分を供給することができる。この時限溶出型肥料は
芯材肥料をリン酸肥料又は加里肥料に変更しても勿論所
期の溶出パターンを発現させることができる。
【0078】
【発明の効果】本発明の被覆粒状肥料又はその製造方法
を用いれば下記の各種効果が奏される: (1)芯材粒子が肥料成分の圧縮成形物であることの寄与
で、極めて高い精度で肥料成分の溶出速度又はは溶出開
始時期を制御することが可能である; (2)肥料の製造ロット間における溶出速度及び溶出開始
時期のバラツキが著しく小さい; (3)極めて高い精度で溶出を制御できる時限溶出型肥料
又は一定速度溶出型肥料を製造することができる。処
が、従来行なわれていた溶融法によっては芯材粒子の製
造が困難であった。
【0079】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに何等限定されるものではな
い。
【0080】
【実施例1〜7】 [破砕造粒・コンパクティング法(ロールコンパクター)
による芯材粒子の調製]肥料成分としてリン酸アンモニ
ウム50kgを用い、ロールコンパクターを用いたコンパ
クティング法(破砕造粒法)によって、以下に示す手順
で平均粒径6〜8メッシュの芯材粒子(圧縮成形物)を
調製した。
【0081】すなわち、図2に示されたように肥料成分
であるリン酸アンモニウムをホッパーAからスクリュー
フィーダーBに供給した。このスクリューフィーダーB
に供給されたリン酸アンモニウムを、このスクリューフ
ィーダーBに連結されたロールコンパクターC[商品
名:アレクサンダー乾式造粒機WP−400×330V型(タ
ーボ工業社製)]に供給した。
【0082】ロールコンパクターCに供給されたリン酸
アンモニウムを圧縮(ピストン圧120kgf/cm2・G)し
て、フレーク状の圧縮成形物を得た。このフレーク状の
リン酸アンモニウム圧縮成形物を移送管52経由で解砕
機Dに供給して解砕し、次にこの解砕物を移送管53経
由で振動篩Eに移送して、振動篩(6〜8メッシュ)E
で3群に分級した。即ち、粒径6メッシュ以上の圧縮成
形物(オーバーサイズ品)、粒径6〜8メッシュの圧縮
成形物(以下「一次成形品」ということがある)及び粒
径8メッシュ以下の圧縮成形物(アンダーサイズ品)が
得られた。
【0083】こうして分級された破砕物のうちでオーバ
ーサイズ品を移送管57経由で再び解砕機Dに戻して再
解砕した。一方、アンダーサイズ品を移送管59経由で
ホッパーに戻して原料として再利用した。他方、上記に
おいて得られた一次成形品を一旦、貯蔵部(別名:フレ
コン)Fに収納した。
【0084】次いで、貯蔵部(フレコン)F中に収容さ
れた一次成形品の一部を取り出して移送管54経由で振
動篩(7〜8mesh)Gに供給して高度分級することによ
って、粒径7〜8meshの圧縮成形物(以下「二次成形
品」ということがある)を得た。得られた二次成形品は
その侭で被覆粒状肥料の芯材粒子として用いた。
【0085】以上の芯材粒子の調製操作を30回行い、
一次成形品及び二次成形品のサンプル(「試料」と称す
ることがある)をそれぞれ30個作製した。得られたサ
ンプル(芯材粒子)を-1と称する。
【0086】肥料成分として、硫酸アンモニウムを使用
した以外には-1におけると同様にして芯材粒子を作
製した。得られたサンプル(芯材粒子)を-2と称す
る。肥料成分として硫酸アンモニウムを使用し、圧縮ピ
ストン圧を200kgf/cm2・Gに変えた以外には同様にし
て芯材粒子を作製した。得られたサンプル(芯材粒子)
を-3と称する。
【0087】肥料成分として硫酸アンモニウムを使用
し、圧縮ピストン圧を270kgf/cm2・Gに変えた以外に
は同様にして芯材粒子を作製した。得られたサンプル
(芯材粒子)を-4と称する。
【0088】肥料成分として硫酸カリウムを使用し、圧
縮ピストン圧を170kgf/cm2・Gに変えた以外には同様
にして芯材粒子を作製した。得られたサンプル(芯材粒
子)を-5と称する。
【0089】上記のようにして芯材粒子(サンプル)を
作製する際の肥料成分、圧縮ピストン圧及び得られた粒
子の圧縮率を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】上記の表1において、χは各30回造粒し
て得られたサンプルの平均値であり、σはそれぞれ30
回造粒して得られたサンプルの測定値の標準偏差を表わ
す。 [圧縮率の測定]造粒サンプル-1〜-5について、
以下に記載された方法でそれぞれの圧縮率を測定した。 ◇造粒サンプルの粒子密度(見掛け密度)測定:水銀ポ
ロシオメータ[商品名:オートスキャン33(ユアサア
イオニクス社製)]を用いた水銀圧入法により測定し
た。
【0092】各造粒サンプルをカッターで切断して、そ
れぞれ8〜12メッシュの粒度に整え、それらの真密度
及び粒子密度(見掛け密度)をそれぞれ30回測定した
結果を下の関係式(1)に代入して圧縮率を算出した。
【0093】
【数3】
【0094】なお、本発明の肥料芯材の造粒サンプルに
おける圧縮率は上記の測定装置及び測定方法によって測
定した。 [被覆粒状肥料の調製]上記によって得られた芯材粒子
の表面に、図6に示された噴流塔1(噴流カプセル装置)
を用いて本発明の被覆粒状肥料における被覆層を作製し
た。すなわち、図6に示されたように噴流塔1(塔径2
50mm×高さ2000mm)の側壁には芯材粒子供給口2
が設けられている。この噴流塔1の下端部には上方向に
延出した有底筒状体21(口径50mm)が接合されてお
り、この有底筒状体21の底部は開口可能で、被覆粒状
肥料を製造する際には密閉できる肥料取り出し口7が設
けられている。
【0095】この有底筒状体21の下端域には、噴流ガ
スを送り込むブロアー10、ブロアー10からの噴流ガ
スの流量を測定すると共に調整するオリフィス流量計
9、このオリフィス流量計9によって流量が測定及び調
整された噴流ガスの温度T1を調整する熱交換器8から
なる噴流ガス供給部に連結した接続管22が接合されて
いる。
【0096】一方、噴流塔1の底部であって有底筒状体
21との接合部近傍には、有底筒状体21の横断面中央
部に液体供給ノズル(開口0.8mmのフルコン型)4が
液体を上方へ噴出するように配置されており、この液体
供給ノズル4は芯材粒子を被覆する成分を含有する被覆
液を貯蔵して供給する被覆液タンク11及び、この被覆
液を加圧下に前記液体供給ノズル4から噴射させるため
に圧力を印加する被覆液給送ポンプ6に給送管で連結さ
れている。なお、被覆液タンク11には撹拌装置が備え
られており、この被覆液を調製する際に又は調製した後
に被覆液を均一に保つ為に役立つ。
【0097】また、噴流塔1の上部にはブロアー10に
より圧送されて、有底筒状体21の下端部経由で噴流塔
1の下端部から吹き上げる噴流ガスを噴流塔1から排気
する為の排気口3が設けられている。
【0098】上記の噴流塔1に噴流ガスとして窒素ガス
を用い、オリフィス流量計9でこの窒素ガスの流量を4
m3/minに調節し、更に熱交換器8で120±2℃に昇
温及び保持した窒素ガスを有底筒状体21の下端付近か
ら噴流塔1に供給した。加熱された噴流ガスを供給する
ことによって、有底筒状体21の下端域の温度T1を1
00℃、噴流塔下段域の温度T2を70℃、噴流塔上段
域の温度T3を68℃に保つように調整した。
【0099】肥料投入口2から噴流塔1内に10kgの芯
材粒子を投入し、有底筒状体21から吹き上げられる窒
素ガスによって、芯材粒子の少なくとも一部分は噴流塔
1内部に浮遊又は流動させられている。
【0100】一方、表3に示された被覆層の組成に従っ
て、実施例1〜7における被覆層用の被覆液(被覆材)
を調製して被覆液タンク11に収容した。各実施例にお
ける被覆液の組成を下記に示す: <実施例1>エチレン−一酸化炭素共重合体[CO単位
含有量=0.95重量%、MI(190℃;21.2N)=0.75g
/10min、以下「ECO」と略称することがある]57.
5重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(VAc単位
含有量=7.5重量%、MI(190℃;21.2N)=20g/10m
in、以下「EVA」と略称することがある)7.5重量
部、タルク(平均粒径10μm)35.0重量部、ポリオ
キシエチレン・ノニルフェニルエーテル(界面活性剤、
以下、「SA」と略称することがある)2.0重量部の
割合でそれらを混合し、溶媒としてトルエンを用いた被
覆剤(固形分濃度1.5重量%)を調製した。
【0101】<実施例2>「ECO」15.0重量部、
「EVA」15.0重量部、タルク(平均粒径10μm)
70.0重量部、「SA」2.0重量部の割合でそれらを
混合し、溶媒としてトルエンを用いた被覆剤(固形分濃
度1.5重量%)を調製した。
【0102】<実施例3>「ECO」40.0重量部、
「EVA」無添加、タルク(平均粒径10μm)60.0
重量部、小麦粉(薄力粉;粒度200mesh pass;以下、
単に「小麦粉」と称することがある)8.0重量部の割
合でそれらを混合し、溶媒としてトルエンを用いた被覆
剤(固形分濃度1.5重量%)を調製した。
【0103】<実施例4〜6>「ECO」40.0重量
部、「EVA」無添加、タルク(平均粒径10μm)6
0.0重量部、「小麦粉」6.0重量部の割合でそれらを
混合し、溶媒としてトルエンを用いた被覆剤(固形分濃
度1.5重量%)を調製した。
【0104】<実施例7>「ECO」25.0重量部、
「EVA」5.0重量部、タルク(平均粒径10μm)5
5.0重量部、「小麦粉」15.0重量部の割合でそれら
を混合し、溶媒としてトルエンを用いた被覆剤(固形分
濃度1.5重量%)を調製した。
【0105】上記の被覆液タンク11には撹拌装置が備
え付けられており、この撹拌装置によって被覆液を撹拌
し続けることによって被覆液が均一に維持される。この
被覆液を被覆液タンク11から被覆液給送ポンプ6で液
体供給ノズル4に圧送し、液体供給ノズル4から霧状に
して被覆液を噴流塔1内に0.1kg/minの量で供給し
た。この被覆液は担持ガスである窒素ガスの噴流によっ
て霧化されて噴流塔1内に給送され、霧滴はこの噴流塔
1内で浮遊している芯材粒子の表面に付着した。なお、
被覆液を液体供給ノズルに供給する移送管は二重管構造
になっており、被覆液の液温が80℃以下に降下しない
ように外管内に水蒸気を流通させて加熱した。
【0106】上記被覆条件を保持しながら、芯材粒子の
表面にその重量に対して15重量%に達するまで被覆を
行なった。被覆液の供給を停止した後に更に窒素ガスを
20min流して被覆層中のトルエンを蒸発除去した。窒
素ガスの供給を停止し、有底円筒状体21の底部の肥料
取出し口7から被覆粒状肥料を取出した。
【0107】被覆剤の種類、芯材粒子の種類を表3に記
載の通りに変えた以外には、上記におけると同様にして
被覆粒状肥料を製造した。得られた被覆粒状肥料につい
て以下に記載されたようにして肥料成分の溶出試験を行
なった。その結果を表4に示す。
【0108】[肥料成分の溶出試験]上記において得ら
れた被覆粒状肥料10gを水(200ml)に浸漬して2
5℃で静置した。所定期間経過後に被覆粒状肥料と水と
を分離し、水中に溶出した肥料成分の量を定量分析によ
って求めた。水から溶出分離された肥料の量を精確に求
める目的で、は新たに200mlの水を加えて再び25℃
に静置し、上記と同様にして所定期間経過後に被覆肥料
と水とを分離して溶出肥料の量を定量分析によって求め
るという操作を繰り返した。
【0109】この操作を繰り返して水中に溶出した肥料
の量(累積量)と日数との関係をグラフ化して溶出速度
曲線を作成した。この溶出速度曲線から肥料成分の80
%が溶出するのに要する日数を求めた。溶出試験は被覆
したロット毎(各30サンプル)に行い、各被覆粒状肥
料における溶出日数の平均値(χ)と変動係数(σ/
χ)とを求めた。結果を表4に示す。
【0110】なお、上記の溶出試験は肥料成分が均一に
溶出する肥料について行なった溶出試験であるが、水中
に浸漬した被覆粒状肥料から一定期間は肥料成分の溶出
が抑制され、一定期間経過後に溶出が開始される所謂時
限溶出型の溶出パターを示す被覆粒状肥料については、
浸漬開始後に肥料成分の10%が溶出に到るまでの日数
をD1とし、それ以降で肥料成分の80%が溶出に到る
までの日数をD2として表記した。
【0111】
【比較例1〜5】 [芯材粒子の調製] [転動造粒法による造粒サンプルの調製]図1に示され
た手順に則って、予め32メッシュ全量通過の粒度に粉
砕された原料(リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム
又は、硫酸カリウム)を少量ずつ傾斜回転軸に支えられ
た皿型造粒機A0(皿径1050mm;回転数15rpm)
に、水を散布しながら供給した。
【0112】皿型造粒機A0で得られた造粒物を回転式
熱風乾燥機B0(胴径650mm×長さ2000mm;回転数
10rpm;リフター付;図の右側から熱風導入)で乾燥し
た後に取出し、振動篩C0(目開き7〜8メッシュ)で
オーバーサイズ粒子、7〜8メッシュ粒子及びアンダー
サイズ粒子の3群に分級した。
【0113】各原料につき1回当たりに原料50kgを用
いて30回造粒し、それぞれの製品をサンプルとした。
上記で得られたサンプルについて以下に記載の方法に従
って圧縮率を測定した。その結果を表2に示す。
【0114】
【表2】
【0115】上記の表2において、χは各サンプル当た
り30回造粒したものの平均値であり、σはそれぞれを
30回造粒した平均値の標準偏差を表わす。 [被覆粒子の製造]表3に示された通りに芯材粒子の種
類及び被覆剤の種類を変えた以外には実施例1〜7と同
様にして被覆粒状肥料を製造した。
【0116】得られた被覆粒状肥料について、実施例1
と同様にして溶出試験を行なった。その結果を表4に示
す。
【0117】
【実施例8〜12】 [芯材粒子の調製]実施例1で得られた一次成形品(6
〜8メッシュの圧縮成形物)を移送管31経由で回転円
盤式整粒機[商品名:マルメライザーQJ230(不二
パウダル社製)]に供して、回分式で芯材粒子表面の平
滑化処理(面取り及び角取り処理)を行なった。この操
作を図3に基づいて以下に説明する。
【0118】一次成形品(6〜8メッシュの圧縮成形
物)2kgを略鉛直回転軸に支えられた回転円盤式整粒機
H(目皿ピッチ4mm、周速8.0m/s)に供給し、この
円盤の上で一次成形品を3min回動させてその粒子表面
の平滑化処理(面取り及び角取り等)を行なった。
【0119】芯材粒子表面に平滑化処理が施された一次
成形品を移送管32経由で振動篩Jに供給して分級し、
表面平滑化処理された圧縮成形物(粒径7〜8メッシ
ュ)を得た。実施例1で製造された芯材粒子−1〜
−5のそれぞれ30サンプルずつに対してこの表面平滑
化処理操作を行なった。
【0120】[被覆粒状肥料の調製]表3に示された被
覆材を用いて、実施例1〜7におけると同様の操作を行
なって、被覆粒状肥料をそれぞれ30サンプルずつ作製
した。
【0121】[溶出試験]実施例1におけると同様にし
てサンプルの溶出試験を行なった。その結果を表4に示
す。
【0122】
【実施例13〜17】 [芯材粒子の調製]実施例1で得られた一次成形品(6
〜8メッシュの圧縮成形物)を、移送管62経由でパド
ル式造粒機(形状等の詳細を図5に示す)に供して、連
続式で芯材粒子表面の平滑化処理(面取り及び角取り処
理)を行なった。この操作を図4に基づいて以下に説明
する。
【0123】一次成形品(平均粒径6〜8メッシュの圧
縮成形物)をパドル式造粒機Mに供給し、更に造粒機内
固形物中の水分が2%となるように水供給管63から水
を供給しつつ、通過量が15ton/hとなるようにスクリ
ュー(羽根付き攪拌棒74)を回転させて運転を行な
い、その粒子表面の平滑化処理(面取り及び角取り処
理)を行なった。平滑化処理された該粒子を移送管64
を経由してロータリードライヤーNに供給し、ここで出
口における粒子温度が100〜110℃となる加熱条件
で乾燥処理を行なった。次いで、乾燥処理した該粒子を
移送管65、バケットエレベーターP、更に移送管66
を経て振動篩Qに供給して分級し、表面平滑化処理され
た圧縮成形物(平均粒径7〜8メッシュ)を得た。実施
例1で製造された芯材粒子−1〜−5のそれぞれ3
0サンプルずつに対してこの表面平滑化処理を行なっ
た。
【0124】[被覆粒状肥料の調製]表3に示された被
覆材を用いて、実施例1〜7におけると同様の操作を行
なって、被覆粒状肥料をそれぞれ30サンプルずつ作製
した。
【0125】[溶出試験]実施例1におけると同様にし
てサンプルの溶出試験を行なった。その結果を表4に示
す。
【0126】
【表3】
【0127】註)上記表3においては、*付きの表示は
下記の内容を示す: 「ECO」:エチレン−一酸化炭素共重合体[CO単位
含有量0.95重量%、MI(190℃;21.2N)0.75g/10
min]、 「EVA」:エチレン−酢酸ビニル共重合体(VAc単
位含有量45重量%、MI(190℃;21.2N)20g/10mi
n)、 「タルク」:平均粒子径10μm、 「SA」:界面活性剤であるポリオキシノニルフェニル
エーテルの略称、 「小麦粉」:は薄力粉(200メッシュパス)。
【0128】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は転動造粒による従来技術の芯材粒子の製
造を示すフローシートである。
【図2】図2は本発明で使用される芯材粒子を圧縮造粒
法によって製造する方法の1例である破砕造粒・コンパ
クティング法を実施する際のフローシートである。
【図3】図3は本発明で使用される芯材粒子を製造する
際に採用される面取り及び角取り工程の例を示すフロー
シートである。
【図4】図4は本発明で使用される芯材粒子を製造する
際に採用される面取り及び角取り工程の他の例(化成肥
料設備)を示すフローシートである。
【図5】図5は図4に示すパドル式造粒機Mの1例を一
部切欠き状態で示す模式的斜視図である。
【図6】図6は噴流塔を用いて本発明の被覆粒状肥料の
芯材粒子を製造する方法の1例を示すプロセスのフロー
シートである。
【符号の説明】
1 噴流塔 2 芯材粒子投入口 3 噴流塔からの排気口 4 被覆液の噴射ノズル 5 被覆液を被覆液タンクから噴流塔へ移送する移送
管 6 被覆液の加圧ポンプ 7 被覆粒状肥料の取出し口 8 熱交換器 9 オリフィス流量計 10 ブロアー 11 被覆液タンク 21 有底筒状体 22 有底筒状体下端域への接続管 31 一次製品の移送管 32 面取り及び角取り品の移送管 33 オーバーサイズ品の解砕機への移送管 34 所定品の移送管 35 アンダーサイズ品のホッパーへの移送管 51 芯材粒子原料の移送管 52 ロールコンパクターから解砕機への移送管 53 解砕機から振動篩いへの移送管 54 貯蔵部から振動篩いへの移送管 55 オーバーサイズ品の解砕機への移送管 56 貯蔵部への移送管 57 オーバーサイズ品の解砕機への移送管 58 二次製品の取出し管 59 アンダーサイズ品のホッパーへの移送管 61 ホッパーから定量フィーダーへの移送管 62 定量フィーダーからパドル式造粒機への移送管 63 パドル式造粒機内の固形物の水分含有量調整用
水供給管 64 パドル式造粒機からロータリードライヤーへの
移送管 65 ロータリードライヤーからバケットエレベータ
ーへの移送管 66 バケットエレベーターから振動篩への移送管 67 オーバーサイズ品の解砕機への移送管(抜き出
し管) 68 適正サイズ品(所定品)の移送管(抜き出し
管) 69 アンダーサイズ品のホッパーへの移送管(抜き
出し管) 71 蓋体 72 パドル造粒機の外郭を形成する槽 73 パドル造粒機の撹拌羽根 74 パドル造粒機の撹拌棒 75 パドル造粒機の蓋体に穿設された投入口 76 パドル造粒機の底板に穿設された抜出し口 A ホッパー B スクリューフィーダー C ロールコンパクター D 解砕機 E 振動篩 F 貯蔵部(フレコン) G 振動篩 H 回転円盤式整粒機 J 振動篩 K ホッパー L 定量フィーダー M ブランジャー(パドル造粒機;混練機) N 乾燥機 P バッケトエレベーター Q 振動篩 A0 皿型造粒機 B0 回転式熱風乾燥機 C0 振動篩
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C05B 7:00 C05C 3:00)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肥料成分からなる芯材粒子と該芯材粒子
    の表面に該芯材粒子からの肥料成分の溶出を制御する被
    覆層とを有する被覆粒状肥料であって、該芯材粒子が肥
    料成分の圧縮成形物であることを特徴とする被覆粒状肥
    料。
  2. 【請求項2】 芯材粒子の下記の関係式(1)によって定
    義される圧縮率が0.93以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の被覆粒状肥料: 【数1】
  3. 【請求項3】 芯材粒子表面が平滑化処理されている粒
    子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆
    粒状肥料。
  4. 【請求項4】 被覆粒状肥料が施肥後の所定期間内はそ
    の芯材粒子からの肥料成分の溶出に制約を受け、かつ該
    所定期間終了後には該肥料成分の溶出を開始する溶出パ
    ターンを示すものである請求項1〜3の何れかに記載の
    被覆粒状肥料。
  5. 【請求項5】 肥料成分を圧縮成形して芯材粒子を調製
    し、次いで該芯材粒子の表面に、該芯材粒子からの肥料
    成分の溶出を制御する被覆層を形成することを特徴とす
    る被覆粒状肥料の製造方法。
  6. 【請求項6】 芯材粒子の圧縮率(圧縮成形物の粒子密
    度/該圧縮成形物の真密度)が0.93以上になるよう
    に肥料成分を圧縮成形することを特徴とする請求項5に
    記載の被覆粒状肥料の製造方法。
  7. 【請求項7】 芯材粒子表面を平滑化処理した後に、被
    覆層を形成することを特徴とする請求項5又は6に記載
    の被覆粒状肥料の製造方法。
  8. 【請求項8】 肥料成分を圧縮造粒法又は破砕造粒法の
    何れかの方法で圧縮成形することを特徴とする請求項5
    〜7の何れかに記載の被覆粒状肥料の製造方法。
  9. 【請求項9】 圧縮造粒法がタブレッティング法又はロ
    ールプレス法の何れかの方法であることを特徴とする請
    求項8に記載の被覆粒状肥料の製造方法。
  10. 【請求項10】破砕造粒法がブリケッティング法又はコ
    ンパクティング法の何れかの方法であることを特徴とす
    る請求項8に記載の被覆粒状肥料の製造方法。
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