JPH099661A - インバータ駆動誘導電動機の制動方法 - Google Patents

インバータ駆動誘導電動機の制動方法

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JPH099661A
JPH099661A JP7153292A JP15329295A JPH099661A JP H099661 A JPH099661 A JP H099661A JP 7153292 A JP7153292 A JP 7153292A JP 15329295 A JP15329295 A JP 15329295A JP H099661 A JPH099661 A JP H099661A
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Shuichi Fujii
秋一 藤井
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常生 久米
Kensho Iwabuchi
憲昭 岩渕
Takayuki Yamakawa
孝之 山川
Toshihiro Sawa
沢  俊裕
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘導機を駆動するインバータが電動機を制動
するときに発生する回生エネルギーを処理するための抵
抗器などを省くことができ、装置を小形化するのに適し
た制動方法を提供する。 【構成】 減速指令で入力されると、まず一旦、出力周
波数を下げて回転中の誘導電動機のすべりを発電側の負
符号とし大きくする。次に、直流母線電圧または直流母
線電流を監視しながら、下げた出力周波数を上昇させる
ことによりスリップの絶対値を低下させて、電気エネル
ギーとして回生される負荷側からの回生エネルギー全量
が電動機内の損失と等しくなる動作点を見出す。この動
作点を保持させながら電動機の減速速度に応じた下降率
で出力周波数を低下させて電動機を減速させることによ
り、回生エネルギーがインバータ側へ流入することを防
ぎ、直流母線電圧の上昇を抑制して、短期間に円滑に電
動機を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三相誘導電動機の速度
制御をPWM方式で行うインバータドライブ(サーボド
ライブを含む)の制動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータにより駆動中の誘導電動機を
制動する場合、誘導発電機として回転子および負荷の慣
性モーメントに蓄えられた機械エネルギーは電気エネル
ギーに変換されて、インバータ回路の直流母線側に回生
される。このとき、回生された電気エネルギーによって
図5(a)に示すように直流母線電圧が上昇し、過電圧
異常に至り、インバータ装置の保護回路が動作し、フリ
ーラン状態となる。このようにならないで減速しようと
すると図5(b)に示すように減速に要する時間が非常
に長くなる。これを防止するため、図6に示すように直
流母線間に抵抗器と半導体開閉素子とを設置し、直流電
圧検出回路により検出した電圧値が過電圧レベルを越え
ようとすると、半導体開閉素子をオンして回生電流を流
すことにより抵抗器でエネルギーを熱として消費させ、
過電圧レベルを越えないように制御している(従来例
1)。
【0003】また、負荷のエネルギーを回転子内で消費
してインバータ側へ返さないようにする方法として、誘
導電動機固定子に直流電流を流して制動する直流制動
や、印加電圧の相回転方向を逆にする逆相制動が古くか
ら用いられている(従来例2)。他方、特開平6−16
5582号は急速停止制御に係るインバータ装置を開示
している(従来例3)。すなわち、誘導電動機を駆動す
る電圧形インバータ装置において、誘導電動機の減速開
始後、インバータ出力電流の検出値が所定の電流制限値
を越えていないことを判定する電流値判定手段と、この
検出値が所定の電流制限値を越えていないと電流値判定
手段が判定すると、インバータ出力PWM電圧の位相の
進行を停止する位相制御手段と、検出値が所定の電流制
限値を越えていないと電流値判定手段が判定すると、イ
ンバータ出力アームを還流状態へ切換えるアーム切換手
段とを有することを特徴とするインバータ装置である。
さらに、誘導電動機の減速開始後、誘導電動機の回転速
度が所定の回転速度以下になったことを判定する速度判
定手段と、誘導電動機の回転速度が所定の回転速度以下
になったと速度判定手段が判定すると、誘導電動機に直
流を印加する直流制動手段を有している。
【0004】さらに、特公昭63−20116号ではイ
ンバータでエレベータを駆動する誘導電動機の重負荷下
降時、軽負荷上昇中または減速時の制動装置を開示して
いる(従来例4)。すなわち、これらの場合は負荷の有
する機械エネルギーが誘導電動機による発電作用のため
電気エネルギーに変換され、インバータを介して直流側
に返還されるので前述したように直流側電圧の過大上昇
を招く。そこで、この回生電力を電動機内部で消費させ
てインバータ直流側への返還を防止するため、上記の場
合に誘導電動機の滑りの絶対値がr2 /(r1 +g0
2 )で定まる値よりも大きくなるように、インバータの
出力周波を制御している(但し、誘導電動機の一次抵抗
値をr1 、二次抵抗値をr2 、励磁コンダクタンスをg
0 、および総合インダクタンスをZとする)。すなわ
ち、この滑り値に相当する周波数よりインバータ出力周
波数を低くすることにより電動機入力は正となり、直流
側への回生電力を抑えることができるものとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1においては、エネルギーを処理するための抵抗器とそ
の制御回路が、小形化の障害になっている。また、従来
例2の直流制動では、停止寸前の制動トルクは大きいも
のの、平均制動トルクが極めて小さいという欠点があ
る。また、逆相制動では、速度がゼロになった時点を何
らかの方法で検出する必要がある。従来例3は所定の電
流制限値を越えていないときにインバータ出力PWM電
圧の位相の進行を停止し、インバータ出力アームを還流
状態へ切換えるインバータ装置であり、さらには、誘導
電動機の回転速度が所定の回転速度以下になったとき直
流制動手段を有する装置であるから、直流母線電圧と負
荷電流のそれぞれの所定値を越えない制限値の論理積を
とるという条件での急速停止手段であって、制御回路が
複雑で装置の小形化の目的には適切ではない。
【0006】従来例4では、電動機の回転速度を得るた
めの速度検出器を必要としており、構造が簡単でかつ堅
牢であるという誘導電動機の特長が損われる。そこで本
発明は、これら各従来例の障害を全て払拭したインバー
タ駆動交流電動機の制動方法を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による誘導電動機
の制動方法は、誘導電動機の特性を利用して、制動時に
負荷および回転子の有する機械エネルギーが電気エネル
ギーとして回生される回生エネルギーの全量を電動機内
での損失として消費させ、駆動用インバータ側へ回生さ
せないことにより、インバータの直流母線電圧の上昇を
防止するものである。すなわち、減速に移る際に減速指
令を受けると、まず出力周波数を所定の周波数にまで一
旦下げ、次に直流母線電流または直流母線電圧を検出し
監視しながら出力周波数を所定の上昇率で上昇させてい
き、直流母線電流の流れる方向または直流母線電圧の上
昇から電動機からインバータへのエネルギーの回生が行
われ始めたことを検出したとき、出力周波数を所定の下
降率で低下させ、減速中、常に回生エネルギーをすべて
電動機内で消費させることによりインバータへの回生を
抑制しながら電動機の減速を行う手段を用いている。
【0008】
【作用】本発明の作用を図2を用いて説明する。図2は
公知の誘導電動機特性図であり、電動機のすべりsに対
するトルクT、出力Pout 、電動機内損失W、入力Pin
および線電流Iの関係を示している。横軸のすべりs=
0の左側は電動機側を、また、右側は回生側をそれぞれ
表しており、本発明は制動時に誘導発電機として回生側
の領域の特性を利用するものである。すなわち、インバ
ータで出力周波数を低下させながら減速する場合、動作
領域は図の回生側の領域となる。この回生側において
は、電動機は発電機となり機械的出力Pout は(−)符
号をとる。図中、すべりs=0の点より動作点aまでの
区間では、負荷および電動機回転子から返還される機械
的エネルギーPout から電動機内損失W(主として銅
損)を差引いた残りの入力Pinも(−)符号を示してお
り、電気エネルギーとしてインバータ側へ回生される。
動作点aよりもすべりの絶対値が大きい領域(右よりの
方向)では回生エネルギーよりもモータ内における損失
Wが大きくなり、インバータへのエネルギーの回生が行
われなくなって、逆にインバータ側から入力Pinが電動
機内に供給され消費される。本発明は電動機を減速させ
る際に直流母線電圧または直流母線電流を監視しながら
出力周波数、出力電圧を制御することにより、すべりを
動作点aの近傍に保持するようにして、回生エネルギー
を電動機内で消費させてインバータ側へ返還させず、直
流母線の電圧上昇とこれに伴う障害を防止するもので、
従来例に述べたような回生エネルギー処理用の抵抗器や
制御回路などを除去し、または小形化することができ
る。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明のインバータ駆動誘導電動機
の制動方法の一実施例を適用したPWM制御インバータ
の回路構成図である。実施例で使用している電動機は定
格電圧200V、60Hz、4極、3.7kWの誘導電
動機、負荷の慣性モーメントJL は電動機回転子の慣性
モーメントJ M の9倍の大きさとし、V/f一定制御で
駆動しており、インバータの直流母線電圧は定格運転時
で280V、過電圧検出レベルは400Vである。三相
電源からの入力をコンバータ1で直流に変換し、インバ
ータ3により可変電圧、可変周波数の出力を誘導電動機
4に与えている。電動機4には慣性モーメントJL を持
つ負荷9がつながれている。主回路コンデンサ5は直流
母線間に接続され電圧検出器10は直流母線電圧の検出
用である。電流検出器6は直流母線電流検出用、電流検
出器7、8は出力電流(=電動機線電流)の検出用であ
る。制御回路11は電圧検出器10より直流母線電圧値
を、また、電流検出器6および7から得た直流母線電流
値および出力電流値をそれぞれ入力して出力周波数値お
よび出力電圧値を演算し、ドライブ回路12を介してイ
ンバータ3の各パワー素子をPWM制御することにより
減速時における誘導電動機の速度制御を行う。
【0010】次に、図3のフローチャートを用いて本実
施例による動作を説明する。以下文中S番号は動作のス
テップ番号を示すものとする。まず、プログラムの開始
とともに、出力周波数を低下させるときの下降率を変化
させるための係数k1 を初期値として“1”に設定し、
下降率を増加するときに加算用として用いる係数k2
を、初期値として“0”に設定する(S1)。次に電源
周波数60Hzで電動機4を定速回転中に減速指令が入
力されると(S2)、制御回路11はまず、インバータ
3の各パワー素子にベースブロックをかけ、インバータ
出力を遮断する(S3)。一定時間(ここでは0.3m
s)経過後に、出力周波数を直流制動開始周波数である
5Hzとし、同時にインバータ3のV/f設定を定格2
00V/60Hzの1/4の50V/60Hzに下げて
出力する(S4)。すなわち出力電圧は(50V/60
Hz)×5Hz≒4.16Vとする。減速開始時にかけ
るベースブロックの時間は電動機の残留電圧の減少に応
じて設定する。ステップS4に示すV/f設定値は減速
中にインバータ出力電流がインバータの許容できる範囲
でなるべく大きくなるようにした値であり、計算もしく
は実測により決定する。インバータ出力電流を制限する
方法としては、出力電流を定格電流に一定に保つように
定電流制御とし、その他、出力電圧(V/f設定)は電
流を一定にするように制御する方法も有効である。次
に、vdc>310Vかつ(vdc−vdcn)>2V
(vdcは直流母線電圧、vdcnは10ms前の直流
母線電圧)の条件が成立しなければ(S5)、出力周波
数を予め設定しておいた上昇率(1Hz/10ms)で
上昇させる(S6,S7)。もし、ステップS5でこの
条件が成立しているときは直ちに直流制動をかける(S
19)。そして、出力周波数の上昇により、回生エネル
ギーのため直流母線電圧が上昇して上述の条件が成立す
ると(S7)、実際の電動機のすべりが図2の動作点a
を通過して動作点aの左側へ移ったと判断し(動作点検
出)、出力周波数を予め設定した下降率(60Hz/
1.5s)にしたがい低下させ、電動機を減速させる
(S8)。上述のステップS7では、周波数低下時の過
渡的な電圧変化およびノイズを考慮して、直流母線電圧
が上昇して310V以上になった状態を論理積条件とし
て導入し、両者が成立した時点で周波数の低下を開始す
るようにした。下降率は直流母線電圧の上昇率に所定の
係数を乗じるなどして演算することにより決定してもよ
く、このようにすれば負荷に応じて自動的に下降率を決
定できる。
【0011】もし、この減速途中で、エネルギーが回生
され、直流母線電圧が上昇したら、直流母線電圧の上昇
率に応じて一時的に周波数の低下を速める。つまり、実
際の回転速度が動作点a上かそれよりも右にあるように
しながら減速をしていく。ここでは、上述した方法によ
る周波数の低下が不十分でありエネルギーの回生が止ま
らない場合の対策として、直流母線電圧vdcが350
Vを越え(S9)、vdc−vdc2>2V(vdcn
2は1ms前の直流母線電圧)であれば(S10)、出
力周波数をさらに2Hz低下させるようにしている(S
11)。また、直流母線電圧vdcが350V以下の場
合でさらに310V以上であり、かつ、vdc−vdc
n>1Vであれば(S11)、下降率を〔k1 ={(v
dc−vdcn)/4V}+k2 〕倍して出力周波数の
低下を速くさせている(S13)。k1 は下降率を変化
させるための係数で、以下に示す過程を経て再びS8に
戻った時点で出力周波数の低下を速める。k2 はさらに
出力周波数の低下を速めるための係数で、上述した倍数
による下降率で回生が解消しないときは、さらにk 2
(k2 +4)として下降率を増加させ、同様に出力周波
数の低下を繰り返す。直流母線電圧vdcが310V以
下で、かつ、vdc−vdcnが1V以下であれば(S
12)、次のステップS14でk1 を初期値の“1”
に、また、k2を初期値の“0”に戻す。さらに、10
Hz以上もしくは直流母線電圧が310V以上の状態で
vdc−vdcn<1Vとなった場合には(S15)、
上記周波数低下により周波数が過剰に下がっているため
1 =0として(S16)周波数の低下を中断し、電動
機の回転速度が下がってくるのを待って、再び直流母線
電圧が上昇し始めたら周波数の低下を再開する。これに
より、インバータ周波数を電動機の実際の減速速度に追
従して低下させることが可能となる。
【0012】以上のようにして、出力周波数を10Hz
に下げるまではステップS8に戻って動作を繰り返す
(S17)。一方、回生エネルギーは負荷および回転子
の持つ回転エネルギーに相当し(J L +JM )ω2 (ω
は電動機の回転角速度)で表される。したがって、周波
数が低くなると回生エネルギーが減少するため、減速中
であっても直流母線電圧が低下し始める。したがって、
本実施例では、減速による出力周波数の低下開始後、イ
ンバータ出力周波数が10Hz以下になると(S1
7)、出力周波数低下(S8)の開始からの要した時間
と低下周波数とから平均下降率を演算し、この下降率で
減速するようにしている(S18)。出力周波数を直流
制動開始周波数である5Hzに低下させた段階で直流制
動をかけ(S20)、電動機を停止させて(S21)、
動作を終る。
【0013】本実施例は、以上の制動方法によりインバ
ータへのエネルギーの回生を生じないようにしながら電
動機の減速時間を短縮できる。図4は本実施例を用いた
インバータ駆動誘導電動機を減速させたときの、直流母
線電圧とインバータ出力周波数および電動機回転速度の
推移を示すグラフで、短時間に円滑に減速停止できるこ
とが分かる。以上、直流母線電圧の上昇および上昇率に
よる判断に基づいて電動機を減速させてゆく方法を示し
たが、直流母線電流を検出しその方向および大きさによ
りエネルギーの回生を判断した場合も同様である。本実
施例では、減速中にV/f設定を下げることにより出力
電圧を調整する場合を示したが、電流制限による場合、
出力電流が大きくなったとき出力電流を制限すれば電流
のピーク部分が抑制されることにより電流波形に歪みを
生じる。これに対して、出力電流が電流制限値に達した
ときは出力電圧を低下させて出力電流を電流制限値以内
に抑制することにより、電流波形の歪みをなくすことが
できる。
【0014】実施例では、動作点を見つける際に、一定
の率で周波数を上げる場合を説明したが、直流母線電流
の大きさに応じて率を変化させるようにしたり、周波数
を段階的に変化させ、そのときの直流母線電流値もしく
は直流母線電圧値の変化により周波数の上げ下げを決定
していく方法を利用すれば動作点の探索時間を短縮でき
る。実施例では、インバータ出力5Hz以下で直流制動
をかけたが、この周波数はシステムに応じて替えてよ
い。また、動作点を決定するまでの間はトルク変動など
の影響を抑えるためにV/f設定もしくは電流制限値を
減速中の値よりも小さくする方法も考えられる。インバ
ータの出力電流は定格電流以上にあっても過電流以下で
あれば電流の時間積分値が一定値(過負荷レベル)を越
えるまで出力可能である。したがって、減速時の制動ト
ルクを大きくするため、保護の働かない範囲内で電流制
限値を定格値よりも上げることが効果的である。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、減速指令
とともにまずインバータ出力周波数を所定の低い周波数
にまで下げ、次に出力周波数を上昇させて電動機側から
インバータへの回生エネルギーの流入が始まる動作点を
直流母線電圧の上昇または直流母線電流の方向を監視す
ることにより探索し、この動作点を保持しながら出力周
波数を低下させて電動機を減速させるため、インバータ
回路の直流母線へのエネルギーの回生を無くすことがで
き直流母線の電圧上昇を防止できるので、このエネルギ
ーを処理するための抵抗器、制御回路などを除去または
小形化することができるとともに、高速域において直流
制動以上の制動トルクを得ることができるので、減速に
要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインバータ駆動誘導電動機の制動方法
の一実施例を適用したインバータ回路の構成を示す図で
ある。
【図2】公知の誘導電動機特性図である。
【図3】本発明のインバータ駆動誘導電動機の制動方法
の一実施例の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例を適用した誘導電動機の減速
時の電動機回転速度とインバータの直流母線電圧および
出力周波数の推移を示す図である。
【図5】(a)図および(b)図はいずれも従来の制動
方法による場合の図4に対応する図である。
【図6】直流母線に接続された抵抗器による従来の制動
回路を有する誘導電動機駆動インバータの回路構成図で
ある。
【符号の説明】
1 コンバータ 3 インバータ 4 電動機 5 主回路コンデンサ 6 直流母線電流検出器 7,8 出力電流検出器 9 負荷 10 直流母線電圧検出器 11 制御回路 12 ドライブ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 孝之 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内 (72)発明者 沢 俊裕 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータにより駆動する誘導電動機を
    インバータ出力周波数を制御することにより制動する方
    法において、 減速に移る際に減速指令を受けると、まず出力周波数を
    所定の周波数にまで一旦下げ、次に直流母線電流または
    直流母線電圧を検出し監視しながら出力周波数を所定の
    上昇率で上昇させていき、直流母線電流の流れる方向ま
    たは直流母線電圧の上昇から、電動機からインバータへ
    のエネルギーの回生が行われ始めたことを検出したと
    き、出力周波数を所定の下降率で低下させ、減速中、常
    に回生エネルギーをすべて電動機内で消費させることに
    よりインバータ側への回生を抑制しながら電動機の減速
    を行うことを特徴とするインバータ駆動誘導電動機の制
    動方法。
  2. 【請求項2】 減速開始から減速終了までの期間中、イ
    ンバータのV/f設定を出力電流が過電流または過負荷
    とならないように小さくする請求項1記載のインバータ
    駆動誘導電動機の制動方法。
  3. 【請求項3】 減速開始から減速終了までの期間中、前
    記インバータの出力電流を過電流または過負荷とならな
    いように一定に保ち定電流制御を行う請求項1記載のイ
    ンバータ駆動誘導電動機の制動方法。
  4. 【請求項4】 一旦下げる前記所定周波数を減速開始前
    の運転周波数の90%以下の範囲とする請求項1記載の
    インバータ駆動誘導電動機の制動方法。
  5. 【請求項5】 一旦下げる前記所定周波数を直流制動開
    始周波数とし、周波数を下げたときに直流母線電圧が上
    昇するか直流母線電流の方向がエネルギーの回生される
    方向であれば直ちに直流制動をかける請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載のインバータ駆動誘導電動機の制
    動方法。
  6. 【請求項6】 インバータへのエネルギーの回生が行わ
    れない最大の周波数を決定するため、一旦下げた出力周
    波数を上昇させる際に、直流母線電流の大きさまたは直
    流母線電圧の変化率に応じて出力周波数の上昇率を決定
    する請求項1記載のインバータ駆動誘導電動機の制動方
    法。
  7. 【請求項7】 インバータへのエネルギーの回生が行わ
    れない最大の周波数を決定する方法として、一旦下げた
    前記所定周波数における直流母線電流の方向および大き
    さまたは直流母線電圧の変化率から推測した目的の周波
    数に出力周波数をステップ状に移行させ、その周波数か
    ら同様に次の周波数へ移行させることを繰り返し、目的
    とする前記最大周波数を決定する請求項1記載のインバ
    ータ駆動誘導電動機の制動方法。
  8. 【請求項8】 出力周波数を上昇させる期間中、電流制
    限値を定格電流値よりも小さくする請求項1,6または
    7に記載のインバータ駆動誘導電動機の制動方法。
  9. 【請求項9】 直流母線電流の方向および大きさまたは
    直流母線電圧の上昇率からインバータへのエネルギーの
    回生がない下降率を演算して出力周波数を低下させるこ
    とにより、回生エネルギーと電動機損失との平衡状態を
    保ちながら減速する請求項1記載のインバータ駆動誘導
    電動機の制動方法。
  10. 【請求項10】 減速中にインバータへのエネルギーの
    回生を検出した場合に、直流母線電流の大きさまたは直
    流母線電圧の上昇率に応じて一時的に出力周波数の低下
    を速める請求項1記載のインバータ駆動誘導電動機の制
    動方法。
  11. 【請求項11】 減速中に上昇した直流母線電圧が低下
    するかまたは直流母線電流の方向がエネルギーを供給す
    る方向に変わったときは周波数の低下を一時的に停止さ
    せ、周波数低下の停止後、直流母線電圧が上昇し始める
    か直流母線電流の方向がエネルギーの回生される方向に
    なったら、周波数の低下を再開する請求項1,2,3ま
    たは10に記載のインバータ駆動誘導電動機の制動方
    法。
  12. 【請求項12】 定速運転から任意の周波数まで減速す
    る場合、減速途中に任意の時間間隔で出力周波数を減速
    による到達目標周波数に切り換え、その周波数において
    直流母線電流の方向がエネルギーが電動機に供給される
    方向であるか、任意のサンプリング時間中に直流母線電
    圧が上昇しない場合は前記目標周波数に達したと判断し
    て減速を完了し、定常運転に入り、そうでない場合は出
    力周波数を前記の周波数切り換え前の周波数に戻して減
    速を継続する請求項1ないし11のいずれか1項に記載
    のインバータ駆動誘導電動機の制動方法。
  13. 【請求項13】 減速開始前の直流母線電圧レベルと過
    電圧検出レベルとの間に減速再開電圧レベルを設定し、
    減速により電動機の回転速度が減少し回生エネルギーが
    小さくなり、直流母線電圧が前記減速再開レベル以下に
    なったと判断したら、減速開始から前記判断までに要し
    た時間およびその間の周波数差から平均下降率を演算し
    てその下降率により減速を行う請求項1ないし12のい
    ずれか1項に記載のインバータ駆動誘導電動機の制動方
    法。
  14. 【請求項14】 減速開始前の直流母線電圧レベルと過
    電圧検出レベルとの間に減速再開電圧レベルを設定し、
    減速により電動機の回転速度が減少し回生エネルギーが
    小さくなり、直流母線電圧が前記減速再開レベル以下に
    なったと判断したら、あらかじめ設定された周波数の下
    降率により減速する請求項1ないし12のいずれか1項
    に記載のインバータ駆動誘導電動機の制動方法。
  15. 【請求項15】 インバータが過電流、過負荷保護を有
    しており、減速時のみ過電流、過負荷保護が機能しない
    範囲で電流制限レベルを定格値以上に上げて設定し、か
    つ、前記保護に対する電流検出器により検出した電流値
    または電流の積分値に応じて電流制限レベルを可変させ
    る請求項1ないし14のいずれか1項に記載のインバー
    タ駆動誘導電動機の制動方法。
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