JPH0995654A - ガラス−軟質塩化ビニル系樹脂接着用接着剤 - Google Patents

ガラス−軟質塩化ビニル系樹脂接着用接着剤

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JPH0995654A
JPH0995654A JP25402795A JP25402795A JPH0995654A JP H0995654 A JPH0995654 A JP H0995654A JP 25402795 A JP25402795 A JP 25402795A JP 25402795 A JP25402795 A JP 25402795A JP H0995654 A JPH0995654 A JP H0995654A
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JP
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vinyl chloride
adhesive
polyisocyanate
chloride resin
polyester polyol
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JP25402795A
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Shogo Kodera
省吾 小寺
Hideki Nakagawa
秀樹 中川
Yoshitaka Matsuyama
祥孝 松山
Koji Koganezawa
光司 小金澤
Noriyuki Yoshihara
紀幸 吉原
Shigeyuki Ozawa
茂幸 小沢
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラスと軟質塩化ビニル系樹脂を接着するため
の、接着性に優れた接着剤を提供する。 【解決手段】軟質塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニル系重
合体や可塑剤に対して相溶性を有するポリイソシアネー
ト(ヌレート化トリレンジイソシアネートなど)と芳香
族系ポリエステルポリオールの組み合わせからなる、ガ
ラスと軟質塩化ビニル系樹脂を接着するための接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機ガラス−軟質
塩化ビニル系樹脂接着用の接着剤、およびその接着剤を
用いる接着方法に関するものである。なお、無機ガラス
を以下単にガラスという。
【0002】
【従来の技術】車両用窓ガラス周辺部や建築用窓ガラス
周辺部などにおいて、ガラスを車両あるいはサッシ等に
装着する際に、モールやビードと呼ばれる主として軟質
塩化ビニル系樹脂製の要素部品を介して装着される例が
多々見られる。近年、これらの要素部品を予めガラスに
接着することにより、従来商品と比較した際の高機能化
や組立性改良による組立メーカーでのコストダウン等が
図られている。これらの商品におけるガラス−軟質塩化
ビニル系樹脂間の接着力は商品の寿命を左右する重要な
要素技術となることは明白である。
【0003】従来、これらの用途で用いられてきた接着
剤としては、ウレタン系接着剤が代表例として挙げら
れ、主として塩化ビニル系樹脂との相溶性のよいポリエ
ステルポリオールを主剤とし、過剰量のポリイソシアネ
ートを硬化剤として配合したものからなる。特に、ポリ
エステルポリオールとしては、塩化ビニル系樹脂との相
溶性の観点からフタル酸残基を有するものが多く使用さ
れ、また、ポリイソシアネートとしては、耐熱性の観点
から架橋構造を有することが望ましいため、トリメチロ
ールプロパンのジイソシアネート3量アダクト体のよう
な多官能のものが広く使用されている。
【0004】上記接着剤の一般的な使用方法としては、
これらポリオールとポリイソシアネートを適当な溶剤に
溶解し、溶液状態でガラス面に塗布し、風乾後、軟質塩
化ビニル系樹脂を加熱圧着する方法が挙げられる。この
方法による接着力の発現は、ポリオールとポリイソシア
ネートの反応および過剰量のイソシアネートと空気中の
湿気との反応が、被接着体である軟質塩化ビニル系樹脂
と接着剤成分の混合を伴いながら進行することによるも
のである。
【0005】従って、接着剤と被接着樹脂との間に両者
の混和層を形成させ得るには、ガラス面への塗布条件お
よび風乾後の加熱圧着条件が接着力に非常に大きな影響
を与えるものである。そのため、実用上必要な充分な接
着力を得ることのできる加熱圧着条件が非常に狭く、実
際の製造プロセスを制限するものである。具体例を挙げ
ると、特開昭57−158481公報記載のようにガラ
スを金型内にインサートするような射出成形では、被接
着樹脂の圧力が大きくガラスに塗布された接着剤との混
合が容易に確保できるため、充分な接着力を得ることが
できる。一方、特開平7−68620公報記載のような
押出成形と組合わせたような成形方法では、このような
混合がそれほど期待できないため、充分な接着力を得る
ことができないといった問題点があった。
【0006】これらの現象は、ガラスに加熱圧着する際
の条件が成形方法によって異なるためで、特に後者のよ
うな成形方法では、これまでの接着剤を用いた場合、実
際の接着条件として熱、圧力の両方において不足してい
ることを示している。これらは、逆に、使用される接着
剤の軟質塩化ビニル系樹脂に対する相溶性あるいは混和
性を改良することにより解消されることが予想される
が、前述にもあるように主剤となるポリエステルポリオ
ールの被着樹脂への相溶性という観点で種々の改良が加
えられてきたが、硬化剤の相溶性あるいは混和性につい
ては、特にこれまで何ら検討されておらず、必ずしも所
望の接着力が得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が有していた前述の欠点を解決しようとするもので
あり、その目的は、加熱圧着条件による接着力依存性を
改良し、より低圧力条件で、あるいは、より低温度条件
で接着できる接着剤を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前述の課題を
解決するために鋭意検討した結果、軟質塩化ビニル系樹
脂に対して良好な相溶性を示す硬化剤を含む接着剤を使
用することにより、従来では成し得なかった製造条件で
ガラス−軟質塩化ビニル系樹脂間の接着力が発現される
ことを見い出した。本発明はこれを要旨とする下記の発
明である。
【0009】軟質塩化ビニル系樹脂と無機ガラスを接着
するために用いられるポリイソシアネートとポリエステ
ルポリオールとの組み合わせからなる接着剤において、
ポリイソシアネートの少なくとも一部として、軟質塩化
ビニル系樹脂中の塩化ビニル系重合体および可塑化成分
の少なくとも一方に対して相溶性を有するポリイソシア
ネートを用いることを特徴とするガラス−軟質塩化ビニ
ル系樹脂接着用接着剤。
【0010】軟質塩化ビニル系樹脂と無機ガラスを上記
接着剤を用いて接着することを特徴とする接着方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の接着剤は、ポリエステル
ポリオールからなる主剤とポリイソシアネートからなる
硬化剤との組み合わせから構成される。
【0012】本発明の硬化剤の少なくとも一成分が、被
接着体を構成する軟質塩化ビニル系樹脂に対し、良相溶
性を示すことが必須である。相溶性の確認の方法として
は、学術的に種々の方法が提案されているが、その中で
キャスト膜による外観検査が最も簡便である。その方法
は、該当材料を共通溶媒に溶解、混合し、その後ガラス
板のような平板にキャスト製膜することにより判定する
ものである。本方法によれば、相溶性を示す材料の場合
は透明性を有するフィルムが得られ、また、非相溶性の
場合は白濁したフィルムが得られることが知られてお
り、これらは一般的に広く用いられている方法である。
混合比としては、重量的に等量混合することで両者の相
溶性は充分確認できる。また、キャスト後の乾燥条件に
より、フィルム表面が若干白濁することが見られるた
め、キャスト膜厚としては、200μm程度以上の膜厚
でキャストすることが望ましく、かつ、フィルム表層を
除いた内部の光線透過性より、透明性を有するかどうか
判断することがより望ましい。実際に使用し得る硬化剤
としては、使用する軟質塩化ビニル系樹脂の軟質化方法
により若干差異は見られるが、キャスト製膜法による相
溶性確認により、容易に選定することができる。
【0013】本発明における「相溶性を有する」とは上
記の試験で透明性を有するフィルムが得られることを意
味する。通常軟質塩化ビニル系樹脂の主たる成分は塩化
ビニル系重合体と可塑化成分からなる。したがって、相
溶性を判定はこれら2種の成分の少なくとも一方、より
好ましくは両者の混合物を用いて行われることが好まし
い。塩化ビニル系重合体と可塑化成分の混合物を用いて
判定を行う場合両者のの等量混合物で判定するが、両者
の等量混合物が実際に使用する軟質塩化ビニル系樹脂中
の両者の割合と遠く離れている場合には対応する割合で
判定することが好ましい。なお、塩化ビニル系重合体と
可塑化成分の一方の相溶性の判定が塩化ビニル系重合体
と可塑化成分の混合物を用いた判定と矛盾する場合は、
実際に使用する軟質塩化ビニル系樹脂の性質により近い
後者の判定を優先するものとする。
【0014】相溶性を有するポリイソシアネートとして
は、公知のポリイソシアネートのうちで上記相溶性を有
するものを使用することができる。このポリイソシアネ
ートとしては、いわゆる黄変性のポリイソシアネートと
無黄変性のポリイソシアネートの何れも使用することが
でき、それらを併用することもできる。好ましくは反応
性の高い黄変性のポリイソシアネートが用いられる。官
能基数としては、何ら限定されないが、一分子当りの平
均官能基数が2を超えるものが、耐熱性の観点からより
好ましい。また、この相溶性を有するポリイソシアネー
トは相溶性を有しないポリイソシアネートと併用するこ
とができる。その場合相溶性を有するポリイソシアネー
トが相対的に少なくてもよい。好ましくは両ポリイソシ
アネート合計に対し、相溶性を有するポリイソシアネー
ト5重量%以上であることが好ましいが、必ずしもこれ
に限定されるものではない。ポリイソシアネートの種類
によってはこれよりも少ない場合であっても効果が発揮
される場合がある。より好ましい割合は10重量%以上
である。
【0015】具体的なポリイソシアネートとしては、例
えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、
イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート、それらの変性物(ヌレート化変性
物、プレポリマー変性物、カルボジイミド変性物)が挙
げられ、前述の方法により軟質塩化ビニル系樹脂と良好
な相溶性を有するものがこれらより選ばれる。トリレン
ジイソシアネートのヌレート化変性物およびポリメチレ
ンポリフェニルポリイソシアネートが相溶性が良好でか
つ耐熱性の点で特に好ましい。
【0016】本発明におけるポリエステルポリオールと
しては、公知のもの、特に接着剤の原料成分として公知
のものを使用することができる。またこのポリエステル
ポリオールとしては当該技術分野で公知の製造法によっ
て製造されたものを使用することができる。たとえば、
分子中に複数個以上のカルボン酸基を有するポリカルボ
ン酸化合物(またはその反応性誘導体)と分子中に複数
個以上の水酸基を有するポリオール化合物(またはその
反応性誘導体)との縮合反応による方法を用いて製造す
ることができる。特に、ジカルボン酸類とジオ−ル類と
の縮合で得られるポリエステルポリオールのような直鎖
状のポリエステルポリオールは溶液化可能であり、被接
着体への塗布が可能となり好ましい。
【0017】ポリエステルポリオールの分子量は、特に
限定されるものではないが、1000以上、特に500
0以上が好ましい。特に下記芳香族系ポリエステルポリ
オールの場合、分子量が8000以上のものが好まし
い。分子量の上限は、特に限定されるものではないが、
10万、好ましくは5万であることが好ましい。これら
ポリエステルポリオールは通常常温で固体の化合物であ
り、ポリイソシアネートとは溶剤を使用して混合される
か、加熱下で混合される。
【0018】本発明におけるポリエステルポリオールと
しては、特に芳香族系ポリエステルポリオールが好まし
い。芳香族系ポリエステルポリオールとは、ポリカルボ
ン酸残基とポリオール残基の少なくとも一方の少なくと
も一部に芳香環を有するポリエステルポリオールを意味
する。特に、芳香族ポリカルボン酸残基を全ポリカルボ
ン酸残基に対して数にして50%以上含む芳香族系ポリ
エステルポリオールが好ましい。芳香族ポリカルボン酸
としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など
のベンゼンジカルボン酸が好ましい。
【0019】具体的なポリカルボン酸としては、たとえ
ば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸が挙
げられ、特にフタル酸が軟質塩化ビニル系樹脂に対する
相溶性という観点から好ましい。また、耐熱接着性を要
求される用途においては、得られるポリエステルポリオ
−ルのガラス転移温度を上昇させることができる点でイ
ソフタル酸あるいはテレフタル酸の使用がより好まし
い。ポリオールとしては、たとえば、エチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−
プロパンジオールが挙げられる。これらポリカルボン酸
とポリオールはそれぞれ2種以上併用することができる
ことはいうまでもない。
【0020】本発明において、ポリイソシアネートとポ
リエステルポリオールは前記のように通常両者を混合し
た混合物を接着剤として使用する。また、両者をある程
度反応させたものを接着剤として使用することもでき
る。このような場合、被接着体に接着剤を適用した初期
の段階においてポリイソシアネートのイソシアネート基
の少なくとも一部が未反応で残っていることが接着性発
揮に好ましい。ポリイソシアネートとポリエステルポリ
オールの使用割合は特に制限されるものでないが、ポリ
エステルポリオールの水酸基に対するポリイソシアネー
ト中のイソシアネート基の当量は1.0以上であること
が好ましく、10以上がより好ましい。当量の上限は、
特に限定されるものではないが100程度が適当であ
る。
【0021】本発明の接着剤には、その接着性等物性を
阻害しない範囲で種々の添加剤を配合することができ
る。特に接着性向上に有効であるシランカップリング剤
を配合することが好ましい場合が少なくない。シランカ
ップリング剤としては、けい素原子に結合したアルコキ
シ基を2〜3個有し、かつエポキシ基、アミノ基、水酸
基、カルボキシ基、メタクリロイルオキシ基、イソシア
ネート基、メルカプト基、その他の官能基を有する有機
基がけい素原子に結合しているアルコキシシラン系シラ
ンカップリング剤が好ましい。このシランカップリング
剤を配合する場合のその配合量は、特に限定されるもの
ではないが、接着剤(ポリエステルポリオールとポリイ
ソシアネートの合計)100重量部に対して、0.1〜
100重量部が適当であり、特に1〜60重量部が好ま
しい。
【0022】具体的なシランカップリング剤としては、
たとえば以下のような化合物がある。3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタク
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカ
プトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネート
プロピルトリエトキシシラン。
【0023】本発明における無機ガラスは、ソーダーラ
イムガラスのような窓材等として広く使用されている無
機ガラスが好ましい。その組成や用途は特に制限はな
く、実際に車両用、建築用等に使用されているものすべ
てに適用される。
【0024】本発明における軟質塩化ビニル系樹脂と
は、単独で軟質の樹脂となる塩化ビニル系重合体はもち
ろん、塩化ビニルの単独重合体などの塩化ビニル系重合
体と可塑化成分の組成物を意味する。塩化ビニルの重合
体のみで軟質の塩化ビニル系樹脂となる共重合体よりも
それ自身のみでは軟質の樹脂とはならない重合体と可塑
剤などの可塑化成分との混合物である軟質塩化ビニル系
樹脂が好ましい。
【0025】本発明における軟質塩化ビニル系樹脂の成
分として使用できる塩化ビニルの重合体としては、塩化
ビニルの単独重合体、塩化ビニルと他の単量体との共重
合体、2種以上の塩化ビニル系重合体の混合物、塩化ビ
ニル系重合体と他の重合体との混合物、その他の塩化ビ
ニル系重合体を主たる成分とする重合体やその混合物な
どの通常の意味で使用されている塩化ビニル系重合体な
いしそれらの混合物を使用できる。たとえば、低重合
度、中重合度、あるいは高重合度の塩化ビニル単独重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体
などが挙げられる。
【0026】本発明の軟質塩化ビニル系樹脂の可塑化成
分としては、当該技術分野で公知の可塑化成分を使用で
きる。可塑化成分は通常の可塑剤はもちろんのこと、塩
化ビニル系樹脂にブレンドまたはアロイ化することによ
って可塑化し得る材料、例えばアクリルゴム等の広義の
意味での可塑化成分が含まれる。具体的な可塑剤として
は、たとえば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジデ
シルフタレートなどのフタル酸エステル類、トリオクチ
ルトリメートなどのトリメリット酸エステル類、ジオク
チルアジペート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族二
塩基酸エステル類、トリオクチルホスフェート、トリキ
シレニルホスフェートなどのりん酸エステル類等の低分
子可塑剤や、アジピン酸、フタル酸などのジカルボン酸
類とグリコール類とのポリエステル化によって得られる
ポリエステル系の高分子可塑剤などが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0027】その他軟質塩化ビニル系樹脂には、可塑剤
以外に、安定剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、老化防止
剤、充填材、発泡剤などの種々の必要に応じて使用し得
る。
【0028】以下に、本発明を実施例により具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるもので
はない。なお、量を表わす「部」は重量部をいう。
【0029】
【実施例】
[ポリエステルポリオールの製造]イソフタロイルクロ
リドおよびテレフタロイルクロリドを各々5.07部、
およびネオペンチルグリコールを5.311部を、脱水
したテトラヒドロフラン(THF)50gに溶解したも
のを、数mmHg減圧下、80℃で1時間加熱した。得
られたオイル状生成物にチタニウムテトラ−n−ブトキ
シドを0.01部加え、その後、1mmHg以下に減圧
しながら、180℃で1時間撹拌した。得られた生成物
は、両末端に水酸基を有するガラス状ポリマーであっ
た。DSCを用いた熱分析により、この生成物のガラス
転移点は55℃であり、末端基定量法による分子量は2
8000であった。以下この生成物をポリエステルポリ
オールAという。
【0030】[軟質塩化ビニル系樹脂シートの製造]重
合度800の塩化ビニル単独重合体100部、ジ−2−
エチルヘキシルフタレート(DOP)100部、Ba−
Zn系安定剤5部をロール混練機を用いて、160℃で
10分間混練することにより硬度60の軟質塩化ビニル
系樹脂を得た。次にこの樹脂を160℃でプレスするこ
とにより、3mm厚の接着試験用シートBを得た。
【0031】[相溶性確認試験]表1の配合による混合
物の混合溶液をガラス板上にキャストし、室温にて乾燥
して厚さ500μmの膜を製造した。得られた膜の外観
および硬さを定性評価した。なお、膜の硬さについては
イソシアネートの含まれないキャスト膜との相対比較に
より評価した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】*1;塩化ビニル単独重合体のTHF溶
液;固形分10% *2;トリレンジイソシアネートのヌレート化変性物の
酢酸エチル溶液(固形分50%、NCO含有率6%)、
商品名”コロネート 2031 ”日本ポリウレタン工業
(株)製。 *3;ポリメチレンポリフェニルイソシアネートの酢酸
エチル溶液(固形分99%以上、NCO含有率30
%)、商品名”ミリオネートMR400”日本ポリウレ
タン工業(株)製。 *4;トリメチロールプロパン−トリレンジイソシアネ
ート3量アダクト体の酢酸エチル溶液(固形分66%、
NCO含有率12%)、商品名”コロネートL”日本ポ
リウレタン工業(株)製。
【0034】(実施例1)ポリエステルポリオールA1
6部をメチルエチルケトン84部に溶解した溶液を10
0部とヌレート化TDIを15部混合し、これに3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業
(株)製、商品名”KBM−403”)を8.7部添加
し、予め中性洗剤を用いて洗浄した25mm幅100m
m長6mm厚のガラス上に塗布し、室温条件で風乾させ
たところ、約5μm程度の厚みをもったキャスト膜が生
成された。次に130℃に加温したシートBをキャスト
膜上にのせ、10kg/cm2 で圧着して室温まで冷却
した。得られた試験体を23℃、湿度50%の環境下で
一週間養生後、室温および80℃の雰囲気下でピール試
験を行った。結果を表2に示す。
【0035】なお、ピール試験条件および評価は以下に
よる。 (1)ピール強度;(株)オリエンテック製テンシロン
を使用して、50mm/minの引剥がし速度にて測
定。 (2)破壊モード;破壊後の試験片を以下の基準にて目
視にて評価。 材料破壊;軟質塩化ビニル系樹脂材料が破壊。 界面破壊;接着剤−軟質塩化ビニル系樹脂間で剥離。
【0036】(実施例2)実施例1におけるポリイソシ
アネートをTMP変性TDI7.5部とヌレート化TD
I2.5部との合計10部とした以外は実施例1と同様
にして試験体を作製し、ピール試験を行った。結果を表
2に示す。
【0037】(実施例3)実施例1におけるポリイソシ
アネートをTMP変性TDI7.5部とPAPI0.5
部との合計8部とした以外は実施例1と同様にして試験
体を作製し、ピール試験を行った。結果を表2に示す。
【0038】(比較例1)実施例1におけるポリイソシ
アネート全量をTMP変性TDI7.5部とした以外は
実施例1と同様にして試験体を作製し、ピール試験を行
った。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】ガラス−軟質塩化ビニル系樹脂接着用の
接着剤において、塩化ビニル系樹脂および塩化ビニル系
樹脂の可塑化成分に対し、相溶性を有するポリイソシア
ネートを硬化剤の少なくとも一成分として使用すること
により、広い加熱圧着条件で、接着性、特に耐熱接着性
に優れた接着剤が得られた。これにより、生産プロセス
およびタクトの短縮、ならびにエネルギー消費量の低減
等様々な改善効果が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小金澤 光司 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 吉原 紀幸 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 小沢 茂幸 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟質塩化ビニル系樹脂と無機ガラスを接着
    するために用いられるポリイソシアネートとポリエステ
    ルポリオールとの組み合わせからなる接着剤において、
    ポリイソシアネートの少なくとも一部として、軟質塩化
    ビニル系樹脂中の塩化ビニル系重合体および可塑化成分
    の少なくとも一方に対して相溶性を有するポリイソシア
    ネートを用いることを特徴とするガラス−軟質塩化ビニ
    ル系樹脂接着用接着剤。
  2. 【請求項2】軟質塩化ビニル系樹脂に対して相溶性を有
    するポリイソシアネートが、トリレンジイソシアネート
    のヌレート化変性物である、請求項1の接着剤。
  3. 【請求項3】軟質塩化ビニル系樹脂に対して相溶性を有
    するポリイソシアネートが、ポリメチレンポリフェニル
    イソシアネートである請求項1の接着剤。
  4. 【請求項4】ポリエステルポリオールの少なくとも一部
    が、芳香族ジカルボン酸を少なくとも一成分とするジカ
    ルボン酸の残基とジオールの残基とからなるポリエステ
    ルポリオールである、請求項1、2、または3の接着
    剤。
  5. 【請求項5】接着剤がさらにシランカップリング剤を含
    有する、請求項1、2、3、または4の接着剤。
  6. 【請求項6】軟質塩化ビニル系樹脂と無機ガラスを請求
    項1、2、3、4、または5の接着剤を用いて接着する
    ことを特徴とするを接着方法。
JP25402795A 1995-09-29 1995-09-29 ガラス−軟質塩化ビニル系樹脂接着用接着剤 Pending JPH0995654A (ja)

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