JPH0987460A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
熱硬化性樹脂組成物Info
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- JPH0987460A JPH0987460A JP27051295A JP27051295A JPH0987460A JP H0987460 A JPH0987460 A JP H0987460A JP 27051295 A JP27051295 A JP 27051295A JP 27051295 A JP27051295 A JP 27051295A JP H0987460 A JPH0987460 A JP H0987460A
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Abstract
脂が有する優れた特性を損なうことなく、しかも高い強
靱性を有する熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物の提
供。 【解決手段】(A)芳香族ビスマレイミド100重量
部、(B)アルケニルフェノール58〜100重量部、
および、(C)ポリエーテルケトン5〜100重量部を
含有する熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物。
Description
スマレイミド樹脂に関する。さらに、本発明は、その熱
硬化性樹脂組成物を含有する硬化物に関する。
着剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹
脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコー
ン系樹脂、ビスマレイミド樹脂などを含む接着剤が挙げ
られる。中でも、エポキシ樹脂とビスマレイミド樹脂
は、耐熱性、機械的強度に優れた樹脂として挙げられる
が、脆いという問題がある。
強靱化を図る試みがなされている。例えば、エポキシ樹
脂を改質する方法として、例えば、ポリエステルをエポ
キシ樹脂に添加することによりエポキシ樹脂の耐熱性や
曲げ弾性率を損なうことなく強靱性化できることが友井
らの研究(Eur. Polym. J. 31, 275(1995))で報告され
ている。また、ポリフタロイルジフェニルエーテル(P
PDE)をエポキシ樹脂の改質剤として加えることが有
効であることが飯島らの研究(J.Appl.Polym.Sci., 43,
1685(1991))で報告されている。
びその硬化物は、エポキシ樹脂よりさらに耐熱性が高
く、エポキシ樹脂と同等の取扱作業性を有した優れた樹
脂であるが、ビスマレイミド樹脂の応用範囲が高性能複
合材料や電子材料などの先端技術分野に広がるにつれ、
より高性能なビスマレイミド樹脂、特に耐熱性や機械的
特性を維持し、かつ、強靱性に優れるビスマレイミド樹
脂が求められ、各種の改良が施されている。このような
ビスマレイミド樹脂の改質方法には、ジフェニルケトン
とビスフェノールとのポリエーテル、ポリエーテルスル
ホン(PES)、アルキルフタレートのポリエステル、
熱可塑性ポリイミドを改質剤として添加する方法が報告
されている。また、ビスマレイミド樹脂とアルケニルフ
ェノールとの組成物は、作業性に優れた組成物であるこ
とも知られている。しかし、高耐熱性や機械的強度の本
来のビスマレイミド樹脂が有する特性を損なうことな
く、しかも高い強靱性が得られる改質剤は知られていな
い。さらに、航空材料や電気・電子材料等の先端技術の
ように、より高い性能を要求される用途においては、ま
だ満足のいく性質を有するビスマレイミド樹脂は少な
く、優れた性能を有する硬化物を得ることができるビス
マレイミド樹脂組成物の出現がさらに望まれている。
は、ポリエーテルケトン製の熱可塑性繊維を基材として
用い物理的に強度を上げたビスマレイミド樹脂マトリッ
クスのプリプレグが報告されているが、ビスマレイミド
樹脂とポリエーテルケトン(PEK)のポリマーブレン
ドは報告されていない。
性や機械的強度等の本来ビスマレイミド樹脂の硬化物が
有する優れた特性を損なうことなく、しかも高い強靱性
を有する硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物およびそ
の硬化物を提供することにある。本発明は、上記目的の
少なくとも1つを達成するものである。
技術の問題点を解決するために鋭意努力した結果、ビス
マレイミドとポリエーテルケトンとのポリマーブレンド
により、溶媒を加えることなく、また硬化温度を300
℃以上の高温にせずに、耐熱性、機械特性を維持しなが
ら、強靱性を有する熱硬化性樹脂組成物を得ることを見
いだし、本発明に至った。
レイミド100重量部、(B)アルケニルフェノール5
8〜100重量部、および、(C)ポリエーテルケトン
5〜100重量部を含有する熱硬化性樹脂組成物を提供
する。ポリエーテルケトンが、オルト位、メタ位および
パラ位からなる群から選ばれる少なくとも1種のフタレ
ート部分を有する重縮合体であるのが好ましい。さら
に、ポリエーテルケトンが、オルト位のフタレート部分
を有する重縮合体であるのが好ましい。そして、ポリエ
ーテルケトンが、オルト位とメタ位とのフタレート部分
を有する重縮合体であるのが好ましい。上述の熱硬化性
樹脂組成物を加熱硬化してなる硬化物を提供する。
詳細に説明する。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ポリ
エーテルケトンを改質剤としてビスマレイミド樹脂を強
靱化してなるものである。
族ビスマレイミド(A)は、対応する芳香族ジアミンと
無水マレイン酸とを反応させる公知の方法により得るこ
とができる。芳香族ビスマレイミド(A)としては、
N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−
p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイ
レンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ビフェニレ
ンビスマレイミド、N,N’−4,4’−(3,3’−
ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、2,2−ビス
[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパ
ンおよび下記一般式(1)で表されるビスマレイミドな
どを挙げることができる。
O2 −,−SO−または−O−を示す。)
ドとしては、例えば、N,N’−4,4’−(3,3’
−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,
N’−4,4’−(3,3’−ジエチルジフェニルメタ
ン)ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニル
メタンビスマレイミド、N,N’−4,4’−2,2−
ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,
4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−
3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,
N’−4,4’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、
N,N’−4,4’−ジフェニルスルホキシドビスマレ
イミド、N,N’−4,4’−ジフェニルスルフィドビ
スマレイミド、N,N’−4,4’−ベンゾフェノンビ
スマレイミド、等を挙げることができる。
−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(BD
M)、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマ
レイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、
2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェ
ニル]プロパン、N,N’−4,4’−ジフェニルスル
ホンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ベンゾフェ
ノンビスマレイミド等が硬化後の樹脂の耐熱性の点で好
ましい。特に、N,N’−4,4’−ジフェニルメタン
ビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルエー
テルビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマ
レイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノ
キシ)フェニル]プロパンが好ましい。具体的には、チ
バガイギー社製のマトリミド5292系の上述の式
(2)で表されるN,N’−4,4’−ジフェニルメタ
ンビスマレイミド等の市販品を使用することができる。
独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよ
い。アルケニルフェノールとの相溶性がよく、熱硬化性
樹脂組成物の溶融粘度を下げることができるなど樹脂の
反応性と機械的特性の点から、融点が170℃以下のも
のを用いることが好ましい。
のアリル基を有するアルケニルフェノール(B)は、下
記一般式(3)で表される化合物である。
表し、Yは、nil(なし)、−C(CH3 )2 −、−
CH2 −、−C(CF3 )2 −を表し、nは1〜4の整
数を表す。)
にアリル基を表す。アリル基は、芳香環上の位置は特に
限定されないが、1〜4個が環上で左右対象の位置に存
在することが好ましい。この理由は、硬化後の樹脂のガ
ラス転移温度が高くなるからである。
2’−ジアリルビスフェノールA(DBA)、4,4’
−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニル、ビス
(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジアリルフェニ
ル)プロパン、2,2−ジアリルビスフェノールF等が
挙げられる。また、ポリフェノール類と、塩化アリルま
たは臭化アリルとの反応生成物のアリル化率がフェノー
ル性OH基に対して50%以上100%以下で、かつク
ライゼン転移したアリル基がフェノール性OH基に対し
て20%以上のアルケニルフェノールも使用することが
できる。より具体的には、チバガイギー社製のマトリミ
ド5292系の上述の式(4)で表される2,2’−ジ
アリルビスフェノールA等の市販品を使用することがで
きる。
独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。2,
2’−ジアリルビスフェノールA、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジアリルフェニル)プロパン、
2,2’−ジアリルビスフェノールF等が硬化後の樹脂
のガラス転移温度が高いため好ましく、特に、上述の式
(4)の2,2’−ジアリルビスフェノールA、2,
2’−ジアリルビスフェノールFが相溶性や硬化物の耐
熱温度が高いために好ましい。
(B)の配合量は、ビスマレイミド(A)100重量部
に対して58〜100重量部である。アルケニルフェノ
ール(B)の配合量をこの範囲としたのは、58重量部
未満では、混練性が低下し、100重量部を越えると機
械的強度が低下するためである。58〜93重量部であ
ることが好ましく、特に、58〜86重量部であること
が好ましい。
は、エーテル部分が、ジフェニルエーテルであって、フ
タレート部分のカルボニル基がオルト位、メタ位および
パラ位の少なくとも1種である共重合体であって、下記
式(5)で表される構造式を示す。
0、特に100/0〜20/80である。x/yのモル
比が、100/0の場合は、ポリエーテルケトンのフタ
レート部分がオルト位のみからなることを意味する。具
体的には、オルトフタロイルジフェニルエーテル重縮合
体(PPDE)、オルトフタロイルジフェニルエーテル
とメタフタロイルジフェニルエーテルとの共重縮合体
(PPIDE)、オルトフタロイルジフェニルエーテル
とパラフタロイルジフェニルエーテルとの共重縮合体、
オルトフタロイルジフェニルエーテルとメタフタロイル
ジフェニルエーテルとパラフタロイルジフェニルエーテ
ルとの三元共重縮合体等が挙げられる。中でも、オルト
フタロイルジフェニルエーテルとメタフタロイルジフェ
ニルエーテルの共重縮合体であるのが、硬化物の機械的
強度、ガラス転移温度の低下なしで強靱性化するという
点で好ましい。
含む共重縮合体である場合のモル比は、オルト位:メタ
位が、90:10〜10:90特に、70:30〜3
0:70であるのが、硬化物の耐熱性の維持、作業性の
向上の点で好ましい。さらに、フタレート部分が、オル
ト位とメタ位とパラ位とを含む三元共重縮合体である場
合、オルト位:メタ位:パラ位のモル比は、80:1
0:10〜20:40:40であるのが、硬化物の耐熱
性の向上の点で好ましい。
ート部分が、オルト位である重縮合体(PPDE)のみ
である場合、o−フタロイルジクロライドとジフェニル
エーテルをほぼ等モル、或いは過剰モルの割合で加え、
例えば、塩化アルミニウム、メチレンジクロライドの存
在下で、窒素雰囲気中−60℃で1時間攪拌してエーテ
ル化し、温度を徐々に高めて−20℃の温度で6時間
程、さらに室温で1日撹拌することで製造する。メタン
スルホン酸/五酸化二リン系触媒(上田らMacromolecul
es, 20, 2675(1987))を用いて、PPDEをカップリン
グさせて高分子量のPPDEにすることもできる。
である共重縮合体の場合は、ジフェニルエーテルに、o
−フタルロイルジクロライドとm−フタルロイルジクロ
ライドを加え、オルト位の重縮合体のみの場合と同様に
反応させて製造する。
ある共重縮合体の場合は、PPDEの場合と同様に製造
される。触媒を用いる場合は、フリーデル−クラフツ
(Friedel-Crafts)系触媒やメタンスルホン酸/五酸化
二リン系触媒等を用いて反応させて得ることができる。
量部を含んでいる。数平均分子量(Mn)は、この低分
子量部の存在に敏感であり、分子量(Mw)としては、
MGPC (標準ポリスチレンを使用するゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーのピーク値)を用いるのが好ま
しい。ポリエーテルケトン(C)の平均分子量
(MGPC )は、3,000 〜100,000 特に、5,000 〜50,000
であるのが、靱性と耐熱性のバランスの点で好ましい。
の配合量は、芳香族ビスマレイミド(A)100重量部
に対して、5〜100重量部、特に10〜60重量部で
あるのが好ましい。5重量部未満では、靱性の向上が見
られず、100重量部超では、耐熱性が低下する。
を用いなくてもよいが、さらに硬化触媒を加えてもよ
い。硬化触媒には特に限定はないが、ジクミルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペル
オキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルペルオキシド等
が例示される。中でも特に、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3等は好適に
例示される。硬化触媒の使用量は、芳香族ビスマレイミ
ド(A)100重量部に対して、0.1〜5重量部、特
に0.5〜1重量部であるのが、貯蔵安定性と硬化速度
のバランスの点で好ましい。
ては、希望する物性、粘性的な性質等を付与するため
に、必要に応じて充填材、可塑剤、溶剤等を混合しても
よい。
製造および硬化方法は、通常のビスマレイミド樹脂と同
様でよい。例えば、所定量のビスマレイミドとアルケニ
ルビスフェノールとポリエーテルケトンと、さらに必要
により硬化触媒等の添加物を加えて撹拌・混合し、本発
明の熱硬化性樹脂組成物を得る。得られた組成物は、特
別な溶媒を用いなくてもアルケニルフェノールの液相に
混練され、均質である。その後、例えば所定形状のモー
ルドに充填し、ビスマレイミド樹脂(化合物)の種類等
に応じて必要に応じて、例えば、180〜250℃程度
に加熱して、硬化物を得る。得られた硬化物は、ミクロ
相分離構造を形成し、耐熱性や機械的特性を損なうこと
なく、靱性に優れている。
た耐熱性、強靱性を生かして、電気・電子材料、航空お
よび宇宙材料(あるいは複合材料)、各種接着剤、注型
材料、各種成型材料等の各種の用途に好適に使用可能で
ある。
をより具体的に説明する。 (実施例1〜11、および比較例1) 1.ポリエーテルケトン(PPDE1〜7)の合成 1:1〜1:1.2のモル比でジフェニルエーテルとフ
タロイルクロライドとを仕込み、触媒としてFriedel-Cr
afts系触媒(塩化アルミニウム)を加え、下記表1に示
すポリエーテルケトン(PPDE1〜4)を合成した。
また、メタンスルホン酸/五酸化二リン系触媒によるP
PDEのカップリング反応で高分子量のPPDE5〜7
を合成した。重合温度および時間、収率[%]、平均分
子量MGPC および数平均分子量Mn(いずれもGPCで
測定)、Mw/Mn、ガラス転移温度Tg([℃] D
SCで測定)を表1に示す。
よび2)の合成 1:0.49:0.49〜1:0.51:0.51のモ
ル比でジフェニルエーテルとo−フタロイルクロライド
とm−フタロイルクロライドとを仕込み、触媒としてFr
iedel-Crafts系触媒(塩化アルミニウム)を加え、下記
表1に示すフタレート部分の全量中のメタ位のモル%
を、50モル%(オルト位:メタ位=1:1)としたポ
リエーテルケトン(PPIDE1および2)の合成を行
った。
で得られた各PPDE1〜7、または2.で得られた各
PPIDEを改質剤とし表2に示す量加え、130℃に
加熱し、混合、攪拌してPPDEまたはPPIDEを溶
解した後、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン
100重量部を加えて混合、攪拌して、本発明の熱硬化
性樹脂組成物を作製した。
め160℃に加熱しておいた型(予め離型剤を薄く塗
布)に注型し、下記の条件によって硬化を行った。熱硬
化性樹脂組成物は、160℃で3時間加熱した後、18
0℃に昇温して1時間、さらに200℃に昇温して2時
間、次いで250℃に昇温して6時間加熱して硬化を行
った。さらに、室温までゆっくり冷却し、250℃から
50℃まで5時間を要した。
(3点曲げ試験片で測定)、曲げ強度(JIS K69
11に準拠)、曲げ弾性率(JIS K6911に準
拠)、およびガラス転移温度Tg(℃ DSCで測定)
を測定し、また、目視によって性状を観察した。結果を
下記表2に示す。なお、表2において、PPDEを添加
せず、ビスマレイミド化合物100重量部、ジアリルビ
スフェノール85重量部のみからなる組成物の例を「対
照」 (比較例1)とし、また表2中のnは試験サンプル
の数である。
た場合(図1中○で表示)、およびイソフタロイルを5
0モル%含有するPPIDEを10wt%添加した場合
(図1中□で表示)の、ポリエーテルケトンの分子量
と、硬化物の破壊靱性値KIC、曲げ弾性率、曲げ強さ、
ガラス転移温度との関係を示す。図1中●は未改質の硬
化物の値である。そして、図2にPPDEの分子量が8,
300 (PPDE2 図2中○で表示)およびPPIDE
の分子量が21,800(PPIDE1 図2中□で表示)の
ポリエーテルケトン添加量と、硬化物の破壊靱性値
KIC、曲げ弾性率、曲げ強さ、ガラス転移温度との関係
をそれぞれ示す。図2中●は未改質硬化物の値である。
なように、ポリエーテルケトンの分子量に対する硬化物
の特性は、分子量の増大と共に破壊靱性値KICが増加
し、曲げ弾性率は、分子量の増加とともにやや低下する
傾向が見られたものの、曲げ強度、ガラス転移点ともに
優れた機械特性を示している。
明らかなように、ポリエーテルケトンの添加量に対する
硬化物の特性は、ポリエーテルケトンの添加量の増加と
共に破壊靱性値KICは増加する。曲げ弾性率はやや低下
する傾向が見られたものの、曲げ強度、ガラス転移点と
ともに優れた機械特性を示している。特にPPIDEは
曲げ強度、曲げ弾性率の低下を抑えて、破壊靱性値KIC
を著しく増加させている。また、添加量が増加するにつ
れて硬化物は不透明になった。なお、各硬化物のTg測
定時のDSC曲線において不明確な吸熱ピークは、観測
されなかった。
%添加したビスマレイミド樹脂から得られた組成物の温
度と動的(貯蔵)粘度、損失正接Tanδの関係を示す
グラフを示した。図4に、改質剤としてPPIDEを1
0重量%または15重量%添加したビスマレイミド樹脂
から得られた組成物の温度と動的(貯蔵)粘度、損失正
接Tanδの関係を示すグラフを示した。図3、4いず
れもポリエーテルケトンに基づくα’−緩和ピークが出
現し、硬化物中に相分離構造が存在することを示してい
る。さらに、硬化物の断面のモルホロジーを、走査型電
子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。結果を図5〜図
7に示す。図5〜図6から、本発明のPPDE改質硬化
物のモルホロジーは、ビスマレイミドマトリックス中に
分散したPPDE粒子を持つ海島構造であり、PPDE
の分子量増加と共に粒径は大きくなっている。図7から
PPIDE改質硬化物のモルホロジーは共連続相構造で
あり、ポリエーテルケトンによる改質では共連続相構造
による強靱な硬化物が得られていることがわかる。以上
の結果より、本発明の効果は明らかである。
れば、耐熱性や機械的強度等の本来ビスマレイミド樹脂
が有する優れた特性を損なうことなく、しかも高い強靱
性を有する熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物を得る
ことができる。本発明は、これらの効果の内少なくとも
1つを有するものである。
硬化性樹脂組成物の硬化物の破壊靱性値KIC、曲げ弾性
率、曲げ強度およびTgとの関係を示すグラフである。
硬化性樹脂組成物の硬化物の破壊靱性値KIC、曲げ弾性
率、曲げ強度およびTgとの関係を示すグラフである。
ビスマレイミド樹脂から得られた組成物の温度と貯蔵粘
度、Tanδの関係を示すグラフである。
50モル%)を10重量%または15重量%添加したビ
スマレイミド樹脂から得られた組成物の温度と貯蔵粘
度、Tanδの関係を示すグラフである。
断面を示す図面代用写真である。
断面を示す図面代用写真である。
る断面を示す図面代用写真である。
Claims (5)
- 【請求項1】(A)芳香族ビスマレイミド100重量
部、(B)アルケニルフェノール58〜100重量部、
および、(C)ポリエーテルケトン5〜100重量部を
含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項2】前記ポリエーテルケトンが、オルト位、メ
タ位およびパラ位からなる群から選ばれる少なくとも1
種のフタレート部分を有する重縮合体である請求項1に
記載の熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項3】前記ポリエーテルケトンが、オルト位のフ
タレート部分を有する重縮合体である請求項1または2
に記載の熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項4】前記ポリエーテルケトンが、オルト位とメ
タ位とのフタレート部分を有する重縮合体である請求項
1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性
樹脂組成物を加熱硬化してなることを特徴とする硬化
物。
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