JPH0985554A - 直線案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 目盛付き帯状体を軌道レールの上面に平面性
を維持して密着させ、それにより、正確な測定が可能と
する。 【解決手段】 直線案内装置は、軌道レール（１２）
と、軌道レール（１２）にスライド自在に装着されるベ
アリングブロック（１４）と、軌道レール（１２）の上
面に配置された目盛付き金属テープ（１６）と、軌道レ
ール（１２）の片方の端又は両方の端に固定され、金属
テープ（１６）の少なくとも一方の端を長手方向に引っ
張ることにより該金属テープ（１６）に張力を付与し、
それによって、軌道レール（１２）の上面に密着させる
張力付与機構（２０）と、そして、ベアリングブロック
（１４）の外部に且つ金属テープ（１６）に向かい合う
位置に固定され、該金属テープ（１６）に付された目盛
りを非接触で光学的に読み取り、それにより、該ベアリ
ングブロック（１４）の位置を正確に測定することがで
きる走査ヘッド（１８）とを備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、軌道レールとこの
軌道レールに沿ってスライド自在に装着されるベアリン
グブロックとからなる直線案内装置に係り、特に、ベア
リングブロックが軌道レールに対してどれだけ移動した
かを精密に測定することができる直線案内装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】直線案内装置は、ＮＣ旋盤、ＸＹテーブ
ル等、種々の産業分野で使用されているが、移動位置を
精密に制御しなければならない使い方も多々ある。例え
ば、座標測定機及び座標試験機、自動アセンブリマシ
ン、プリント基板用ドリリングマシン、写植機、精密ハ
ンドリングロボットなどである。

【０００３】このような場合、直線案内装置を駆動する
ボールネジなどの駆動用モータを精密に制御するだけで
は、現実にベアリングブロックが軌道レールに対してど
れだけ移動したかを測定することはできない。そこで、
従来は、目盛りの付された金属テープを軌道レールやそ
れぞれの装置の取り付け基準面付近（機械ベッド）に固
定し、この金属テープに付された目盛りをベアリングブ
ロックに固定した走査ヘッドで非接触で光学的に読み取
り、それにより、該ベアリングブロックの位置を測定し
ていた。

【０００４】かかる長さ測定用金属テープとしては、例
えば、ハイデンハイン社製（＊＊＊国の△△△市）のＬ
ＩＤＡリニアベアリングが市販されている。このリニア
ベアリングでは、目盛り間隔１００μｍの金属テープを
スケール本体として直接、又は、これを鋼製のベースに
接着した上で、その両端をネジ等を用いて機械ベッドに
固定していた。一方、走査ヘッドをベアリングブロック
側に固定して、信号周期１１μｍの正弦波光を照射し、
その反射光を利用してベアリングブロックの位置を測定
していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来方法では、
金属テープ又はそれを接着した鋼製のベースの両端をネ
ジ等を用いて機械ベッドに固定しただけであるため金属
テープか、鋼製ベースの反りや捩じれにより金属テープ
に付された目盛が軌道レールに対して平面性を維持して
密着せず、正確な測定が不可能であった。

【０００６】かと言って金属テープを直接軌道レールに
接着剤を用いて接着することは、金属テープの交換を含
むメインテナンスが繁雑となり採用しずらいという問題
があった。

【０００７】さらに、軌道レールを機械ベッドに締結す
るボルトを収納している取付け穴に切粉や異物が詰まる
とベアリングブロック内部にそれらが混入し正常な作動
を阻害する虞があり、そのため、軌道レールの上面にプ
レートカバーと呼ばれる覆いを設置していた。これによ
り、コストの増大をきたしていた。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
方法の問題点に鑑みなされたもので、目盛付き帯状体を
軌道レールの上面に平面性を維持して密着させ、それに
より、正確な測定が可能となるようにした直線案内装置
を提供することを目的とする。

【０００９】本発明は、また、目盛付き帯状体を後付け
で軌道レールに取り付けることができ、従って、交換な
どのメインテナンスが楽となる直線案内装置を提供する
ことを目的とする。

【００１０】本発明は、また、プレートカバーとしての
役割を果たすことにより別途そのような部品を設置する
必要のないように構成した直線案内装置を提供すること
を目的とする。

【００１１】本発明に係る直線案内装置は、軌道レール
と、軌道レールにスライド自在に装着されるベアリング
ブロックと、軌道レールの上面に配置された目盛付き帯
状体と、軌道レールの片方の端又は両方の端に固定さ
れ、目盛付き帯状体の少なくとも一方の端を長手方向に
引っ張ることにより該目盛付き帯状体に張力を付与し、
それによって、軌道レールの上面に密着させる張力付与
機構と、そして、ベアリングブロックの外部に且つ目盛
付き帯状体に向かい合う位置に固定され、該目盛付き帯
状体に付された目盛りを非接触で光学的に読み取り、そ
れにより、該ベアリングブロックの位置を正確に測定す
ることができる走査ヘッドとを備えて構成されている。

【００１２】

【実施の形態】以下、図面を用いて本発明の直線案内装
置について詳細に説明する。

【００１３】図３に概略的に示したように、本発明に係
る直線案内装置１０は、軌道レール１２と、軌道レール
１２にスライド自在に装着されるベアリングブロック１
４と、軌道レール１２の上面に配置された目盛付きの金
属テープ１６と、軌道レール１２の片方の端に固定され
たテンショナ２０と、そして、ベアリングブロックの外
部に且つ金属テープ１６に向かい合う位置に固定された
走査ヘッド１８とから構成されている。

【００１４】このように、走査ヘッド１８が金属テープ
１６に付された目盛りを非接触で光学的に読み取るた
め、軌道レール１２に対するベアリングブロック１４の
位置を正確に測定することができる。

【００１５】軌道レール１２及びベアリングブロック１
４は、従来周知の種々の形式を採り得る。また、金属テ
ープ１６には、エッチングその他の手段により所定間隔
の目盛り１６ａが付される。

【００１６】図示された好ましい実施例においては、金
属テープ１６の一方の端は、軌道レール１２の一端に固
定されたテンショナ２０によって張力が掛けられ、他方
の端は軌道レール１２の他端に固定されるプレート１９
によって固定されている。もちろん、金属テープ１６の
両端にテンショナ２０によって張力を掛けることができ
る。

【００１７】テンショナ２０は、図１に詳細に示されて
いるように、軌道レール１２の端面に形成された雌ネジ
１２ａ、１２ｂに係合する一対のケース固定用ボルト２
２ａによってその端部に固定されるケース２２と、ケー
ス２２の内部にスライド自在に装着されたスライド部材
２４と、スライド部材２４を軌道レール１２の端面に近
付く方向及び遠ざかる方向に移動させる張力付与用ネジ
２６と、そして、スライド部材２４の上面に金属テープ
１６の一端部を捩子２８ａを用いて固定するための固定
プレート２８とから構成されている。

【００１８】図示されていないが、固定プレート２８の
下面に断面Ｖ字形の突起を、そして、対応するスライド
部材２４の上面に断面Ｖ字形の溝を形成することができ
る。これにより、金属テープ１６の一端部をスライド部
材２４と固定プレート２８との間に挟んで捩子２８ａで
強固に締結すると、金属テープ１６がＶ字形に曲り金属
テープ１６に張力を掛けた場合に抜け出てしまうのを防
止することができる。

【００１９】張力付与用ネジ２６は、軌道レール１２の
端面に形成された雌ネジ１２ｂと螺合する雄ネジ２６ａ
が切られており、その頭部側の端面には、六角レンチが
嵌合する六角穴２６ｂが形成されている。六角レンチを
六角穴２６ｂに嵌合して、張力付与用ネジ２６を回転さ
せると、スライド部材２４は軌道レール１２に対して遠
近方向にスライドする。スライド部材２４が軌道レール
１２に近づくと、金属テープ１６はケース２２の湾曲面
２２ｂ上に沿ってＵ字状に折り返えされているため長手
方向に引っ張られ、金属テープ１６に張力がかけられ
る。それによって、軌道レール１２の上面に金属テープ
１６は密着させられることとなる。

【００２０】図１を参照すると、軌道レール１２には機
械ベッド３０に軌道レール１２を固定するボルト３２を
収納する取付け孔１２ｃが所定間隔で形成されている。
本発明の直線案内装置１０では、金属テープ１６が、こ
れら取付け孔１２ｃの上を覆っているため、別途、プレ
ートカバーを設ける必要がなくコストダウンに寄与す
る。

【００２１】図示された好ましい実施例においては、ケ
ース２２には、軌道レール１２のボール転走溝に合わせ
て溝２２ｃが形成されるているが、この部分に図示され
ていない突起を設けておけば、直線案内装置１０を持ち
運ぶ時のベアリングブロック１４の抜け止め部材として
も使用することができる。

【００２２】図示されたテンショナ２０は、一例であ
り、金属テープ１６に張力を掛けられるかぎりどのよう
な構成をとっても良いことはもちろんである。

【００２３】

【発明の効果】本発明の直線案内装置では、目盛付き帯
状体の少なくとも一方の端が張力付与機構によって長手
方向に引っ張られるようになっており、これによって、
目盛付き帯状体に張力が付与され反りや捩じれが矯正さ
れて軌道レールの上面に密着させられる。これにより、
走査ヘッドは目盛付き帯状体の目盛りを正確に読み取る
ことができ、これによって、軌道レールに対するベアリ
ングブロックの位置を光学的に正確に測定することがで
きる。

【００２４】また、目盛付き帯状体への張力の付与は軌
道レールの端部に固定される張力付与機構によって行わ
れるため、目盛付き帯状体を後付けすることができ、従
って、交換などのメインテナンスが楽となる利点を有す
る。

【００２５】さらに、目盛付き帯状体が軌道レールの取
付け穴を完全に覆う構成であるため、別途、プレートカ
バーと呼ばれる覆いを設置する必要がなくコストダウン
に寄与する効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る直線案内装置の一実施例の要部
分解斜視図である。

【図２】 図１の直線案内装置の組立状態の斜視図であ
る。

【図３】 本発明に係る直線案内装置の一実施例の斜視
図である。

【符号の説明】

１０ 直線案内装置 １２ 軌道レール １４ ベアリングブロック １６ 目盛付き金属テープ １８ 走査ヘッド ２０ テンショナ ２２ ケース ２４ スライド部材 ２６ 張力付与用ネジ ２８ 固定プレート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軌道レールと、 前記軌道レールにスライド自在に装着されるベアリング
   ブロックと、 前記軌道レールの上面に配置された目盛付き帯状体と、 前記軌道レールの片方の端又は両方の端に固定され、前
   記目盛付き帯状体の少なくとも一方の端を長手方向に引
   っ張ることにより該目盛付き帯状体に張力を付与し、そ
   れによって、軌道レールの上面に密着させる張力付与機
   構と、そして、 前記ベアリングブロックの外部に且つ前記目盛付き帯状
   体に向かい合う位置に固定され、該目盛付き帯状体に付
   された目盛りを非接触で光学的に読み取り、それによ
   り、該ベアリングブロックの位置を正確に測定すること
   ができる走査ヘッドと、 を備えて構成されてなる直線案内装置。