JPH0984516A - 脱水シートの製造方法 - Google Patents

脱水シートの製造方法

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JPH0984516A
JPH0984516A JP7249910A JP24991095A JPH0984516A JP H0984516 A JPH0984516 A JP H0984516A JP 7249910 A JP7249910 A JP 7249910A JP 24991095 A JP24991095 A JP 24991095A JP H0984516 A JPH0984516 A JP H0984516A
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cutting
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利則 齋藤
Masayuki Koe
正幸 向江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストが低く、周縁部が確実にシールさ
れ、歩留まりが高い脱水シートの製造方法を提供する。 【解決手段】 互いに溶着可能で、少なくとも一方が透
水性である2枚のフィルムの間に高浸透圧層を配して重
ね合わせたシートの周縁部を溶着、切断する脱水シート
の製造方法であって、前記シートをホーンとホーン受け
治具とを備えるシームレスタイプの超音波溶断機23を
用いて溶着、切断することを特徴とする脱水シートの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、食肉や鮮魚などの
生鮮食料品の接触脱水に用いられる脱水シートの製造方
法に関し、特に製造コストが低く、歩留まりの高い脱水
シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食肉や鮮魚などの生鮮食品は、チルド温
度帯で保存したり、冷凍保存した後に解凍した場合など
に肉汁が浸出し、そのまま放置するとこの肉汁によって
食品が変色して商品価値が損なわれたり、保存性が低下
する場合がある。そこでこれらの生鮮食品などから予め
余剰水分を抜いたり、浸出液を吸収するために脱水シー
トが用いられる場合がある。
【0003】この脱水シートは、例えば特公平4−33
491号公報、特開平6−238163号公報に記載さ
れており、互いに溶着可能で、少なくとも一方が透水性
を持つ2枚のフィルムの間に高浸透圧層を配して構成さ
れている。この高浸透圧層は、水溶性化合物と水溶性糊
料とを含む高浸透圧組成物からなる。この脱水シートの
透水性を持った面を生鮮食品に接触させると、食品から
の浸出液は脱水シートを通して高浸透圧層に吸収される
ため、生鮮食品の変色や、保存性の低下を未然に防ぐこ
とができる。
【0004】上記脱水シートは、その製造工程におい
て、上記の2枚のフィルムの間に高浸透圧層を配した状
態で、所望の大きさに切断されることにより作製され
る。その際、脱水シート周縁部から該高浸透圧組成物が
漏出しないように該周縁部をシールする必要がある。こ
のシール作業には、通常はヒートシール、即ち熱によっ
て該フィルムを互いに溶着させる方法が採用されてい
る。
【0005】図8は従来の脱水シートの製造方法を示し
たもので、(A)は側面図,(B)は平面図を示す.図
中符号1は脱水シート製造装置であり,高浸透圧組成物
塗布機構2と、溶着機構3と、切断機構4とによって概
略構成されている。高浸透圧組成物塗布機構2は、脱水
シートの上面を形成するフィルムを巻回し、送り出す上
側フィルム送り出しロール(以下、上側ロールという)
5a、脱水シートの下面を形成するフィルムを巻回し、
送り出す下側フィルム送り出しロール(以下、下側ロー
ルという。)5b、およびコーター6を具備し、上側ロ
ール5aと下側ロール5bにはそれぞれ、フィルム7
a、7bが巻回されている。フィルム7a、7bは少な
くともどちらか一方が透水性膜であり、互いに溶着可能
である。コーター6内には高浸透圧組成物8が保持され
ている。
【0006】溶着機構3は流れ方向溶着機構3−1と、
クロス方向溶着機構3−2とから構成されている。この
流れ方向溶着機構3−1とクロス方向溶着機構3−2は
それぞれフィルムに熱を加えて溶着させるための流れ方
向ヒートシール手段3−1aと、クロス方向ヒートシー
ル手段3−2aを有する。切断機構4は流れ方向切断機
構4−1と、クロス方向切断機構4−2とから構成され
ている。この流れ方向切断機構4−1とクロス方向切断
機構4−2はそれぞれシートを切断するための流れ方向
切断手段4−1aと、クロス方向切断手段4−2aが設
けられている。ここで、流れ方向とは、矢印(イ)方向
のことをいい、クロス方向とはこれに直行する方向をい
う。
【0007】上側ロール5aと下側ロール5bに巻回さ
れたフィルム7a、7bは図8中矢印(イ)方向に送り
出され、その際、高浸透圧組成物塗布機構2のコーター
6内の高浸透圧組成物8がフィルム7bの上に塗布さ
れ、その上にフィルム7aが被せられる。次に溶着機構
3に送り込まれたフィルム7a、7bは、まず流れ方向
溶着機構3−1に導入され、流れ方向ヒートシール手段
3−1aによって脱水シートの周縁部の流れ方向の辺と
なるべき位置が加熱され、2枚のフィルム7a、7bが
溶着される。
【0008】続いて、フィルム7a、7bはさらに矢印
(イ)方向へ送り出され、流れ方向切断機構4−1によ
ってフィルム7a、7bの溶着部分(以下、シール部と
いう)を切断される。次いでフィルム7a、7bはクロ
ス方向溶着機構3−2のクロス方向ヒートシール手段3
−2aによって脱水シートの周縁部のクロス方向の辺と
なるべき位置が溶着される。さらに、クロス方向切断機
構4−2のクロス方向切断手段4−2aによってシール
部のクロス方向の辺が切断される。以上のようにして、
四辺を溶着、切断された脱水シートが製造される。
【0009】このとき、シール部に高浸透圧組成物8が
入ると、シール不良が起きるので、高浸透圧組成物塗布
機構2においては、高浸透圧組成物8はシール部となる
べき位置を避けて塗布される。
【0010】従来法によって作製された脱水シート10
を図9、10に示す。図10は図9に示した脱水シート
の断面図である。図9中符号8aは高浸透圧組成物8に
よって形成される高浸透圧層である。符号10aはシー
ル部を示し、その幅aは2mm以上とされる。この幅a
が2mmより小さいと、シール強度が低くなる、あるい
は誤ってシール部以外の部分を切断してしまうなどの不
具合が生ずる。符号10bはシール部以外の高浸透圧組
成物8の塗布が行われない部分(以下、非塗布部とい
う)を示し、その幅bは2mm以上とされる。この非塗
布部10bはシール部10aに高浸透圧物質8が及ばな
いように、シール部10aと高浸透圧層8aとを分離す
るために設けられている。幅bが2mmより小さいと、
高浸透圧組成物8がシール部に及び、溶着不良が起きや
すくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ここに示した従来の脱
水シートの製造方法においては、フィルム7a、7b
を、ポリビニルアルコールなどの溶融温度が高い、また
は溶融温度と熱分解温度との差が小さい物質で形成した
場合には、厳密な温度管理を行わないと、過熱によるシ
ートの熱分解や、加熱不足による溶融不良によってシー
ル不良が起こる場合があった。また、従来法において
は、高浸透圧組成物8の塗布によるフィルム7a、7b
の伸びや、溶着を施す際に加えられる熱によるフィルム
7a、7bの縮みが発生する場合があり、これらの伸び
縮みによって溶着位置や切断位置がずれる場合があっ
た。
【0012】このずれに対応するため、シール部10a
や非塗布部10bのような高浸透圧組成物8の塗布を行
わない部分を広く設けなければならないため、脱水シー
トの高浸透圧組成物8が充填された部分の面積(以下、
有効面積という)に対して大きな面積のフィルムが必要
となり、原材料費が高くなるという問題があった。
【0013】また、フィルムの伸縮による溶着位置、切
断位置のずれを原因として脱水シートの製造時の歩留ま
りが低下するという問題点をも有していた。また、上記
従来法においてはシール作業と切断作業を分けて行う必
要があり、脱水シートの製造に使用する装置の設置面積
や作業時間などの観点から、溶着と切断を同時に行うこ
とができる方法が望まれていた。本発明は上記課題を解
決するためになされたものであり、その目的は製造コス
トが低く、周縁部が確実にシールされ、歩留まりが高い
脱水シートの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の脱水シート製造方法は、互いに溶着可能
で、少なくとも一方が透水性である2枚のフィルムの間
に高浸透圧層を配して重ね合わせたシートの周縁部を、
ホーンおよびホーン受け治具を備えるシームレスタイプ
の超音波溶断機を用いて溶着、切断することを特徴とす
る。また、該超音波溶断機において、該フィルムとの接
触部分におけるホーン下端、およびホーン受け治具のう
ち少なくとも一方の曲率が0.1〜10mmRとして良
い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る脱水シートの
製造方法を図面に基づいて説明する。図1、図2は本発
明の脱水シートの製造方法の一例に用いられる脱水シー
ト製造装置を示す概略構成図で、図1は側面図、図2は
平面図を示す。図1中符号21は脱水シート製造装置で
ある。該脱水シート製造装置21は高浸透圧組成物塗布
機構22と、超音波溶断機構23とを具備して構成され
ている。また、フィルムを図1中矢印(ロ)方向に送り
出すフィルム送り出し手段(図示略)を備えている。
【0016】高透圧組成物塗布機構22は、脱水シート
の上面を形成するフィルムを巻回し、送り出す上側フィ
ルム送り出しロール(以下、上側ロールという)25a
と、脱水シートの下面を形成するフィルムを巻回し、送
り出す下側フィルム送り出しロール(以下、下側ロール
という)25bと、コーター26とを具備し、上側ロー
ル25aと下側ロール25bにはそれぞれ、互いに溶着
可能なフィルム27a、半透膜27bが巻回されてい
る。
【0017】半透膜27bは水は通過できるが、高浸透
圧組成物に含まれる水溶性化合物は通過できない性質を
持ち、ポリビニルアルコール、コロジオン、エチレン酢
酸ビニル共重合鹸化物、ポリアミドなどの軟質樹脂で形
成されている。フィルム27aは半透膜27bと溶着可
能であれば半透膜27bと同じものでも良く、あるいは
ポリビニルアルコールなどの半透膜性をもつポリビニル
アルコール系の樹脂、または無水マレイン酸や無水コハ
ク酸等の不飽和カルボン酸無水物をポリオレフィン樹脂
にグラフト変性した樹脂などの非透水性材料で形成され
る。また、フィルム27aと半透膜27bを入れ替えて
も良い。
【0018】コーター26内には高浸透圧組成物28が
保持されている。高浸透圧組成物28は水溶性化合物と
水溶性糊料との水溶液であり、水溶性化合物として蔗糖
などの糖類が、水溶性糊料としてアルギン酸ナトリウ
ム、キサンタンガム、タラガム、アラビアゴムなどの高
分子化合物が用いられる。
【0019】超音波溶断機構23はフィルム27aの両
側に一台ずつ設けられた第1および第2の流れ方向超音
波溶断機23a、23bと、フィルム27aのクロス方
向に走行自在に設けられたクロス方向超音波溶断機23
cとから構成されている。図3は第1の流れ方向超音波
溶断機23aを示す概略構成図であり、流れ方向超音波
溶断機23aは圧力シリンダー29と、超音波発信子3
0と、ホーン31と、ホーン受け治具32とを具備す
る。
【0020】図4、5は第1の流れ方向超音波溶断機2
3aのホーン31とホーン受け治具32とを示す要部拡
大図であり、図4は正面図、図5は側面図である。ホー
ン31は頂部を下方に向けた略円錐形に形成され、その
下端31aは略半球状に形成されている。ホーン受け治
具32は円板状に形成されており、回転軸32aに軸止
され、その周方向に回動自在に設けられている。径方向
から見たホーン受け治具32の周縁部は図4に示される
ように略半円状に形成されている。ホーン31の下端3
1aはホーン受け治具32に圧接されている。
【0021】第2の流れ方向超音波溶断機23bは第1
の流れ方向超音波溶断機23aと同一の構成を持つ。ク
ロス方向超音波溶断機23cは、第1および第2の流れ
方向超音波溶断機23a、23bよりやや矢印(ロ)方
向に設けられており、第1の流れ方向超音波溶断機23
aの構成に加えて、ホーン受け治具23に、クロス方向
走行手段(図示略)を具備しており、クロス方向に走行
しながらフィルムの溶着、切断を行うことができる。
【0022】第1および第2の流れ方向超音波溶断機2
3a、23b、およびクロス方向超音波溶断機23cは
シームレスタイプのものを用い、その出力は、50〜5
00W、好ましくは100〜300Wとされる。この出
力が50W未満の場合、または出力が500Wを越える
場合には溶着不良が起きやすくなる。また、発振周波数
は10〜600kHzとされる。この発振周波数が10
kHz未満の場合、または600kHzを越える場合に
は溶着不良が起きやすくなる。
【0023】第1および第2の流れ方向超音波溶断機2
3a、23b、およびクロス方向超音波溶断機23cの
ホーン31下端の曲率、即ち図4に示す長さc(以下、
ホーン31の曲率という)、およびホーン受け治具32
の径方向から見た周縁部の曲率、即ち、図4に示す長さ
d(以下、ホーン受け治具32の曲率という)につい
て、ホーン31およびホーン受け治具32のうち少なく
とも一方の曲率は0.1〜10mmR、好ましくは0.
2〜5mmRとされる。この曲率が0.1mmRより小
さいと溶着不良が起きやすくなり、10mmRより大き
いと切断不良が起きやすくなる。
【0024】次に、上記のように構成された脱水シート
製造装置21の動作について説明する。下側ロール25
bに巻回された半透膜27bは矢印(ロ)方向に送り出
される。その際、コーター26内の高浸透圧組成物28
が半透膜27bの上に一定の厚さとなるようにスプレー
方式で塗布される。さらに、上側ロール25aに巻回さ
れたフィルム27aも送り出され、塗布された高浸透圧
組成物28の上に被せられる。
【0025】次に、間に高浸透圧組成物28を保持した
フィルム27a、半透膜27bはさらに矢印(ロ)方向
に送られ、その両側縁部は、それぞれ第1および第2の
流れ方向超音波溶断機23a、23bのホーン31とホ
ーン受け治具32との間に導入される。ここで、第1、
第2の流れ方向超音波溶断機23a、23bの超音波発
信子30によって超音波振動が発生し、この振動はホー
ン31を通じて、フィルム27aと半透膜27bの間に
与えられる。この振動によって摩擦熱が発生し、この摩
擦熱によりフィルム27aと半透膜27bは溶融、溶着
すると共に切断され、端縁部は細いテープ状に分離され
る。このようにして、フィルム27aと半透膜27bは
矢印(ロ)方向に移動しながら第1および第2の流れ方
向超音波溶断機23a、23bによって両側縁部を溶着
される。
【0026】このとき、フィルム27aと半透膜27b
の溶着を受ける部分には高浸透圧組成物28が存在して
いるが、ホーン31によって超音波振動が与えられた段
階で、振動によってシール部から排除されるため、溶着
に悪影響を及ぼさない。従って予め高浸透圧組成物28
の塗布を行わない部分を設ける必要がない。
【0027】続いて、上記のように両側縁部を溶着され
たフィルム27a、半透膜27bは矢印(ロ)方向へ一
定距離走行した後、一旦停止される。この状態で、フィ
ルム27a、半透膜27bの側端部に配置されたクロス
方向超音波溶断機23cが、フィルムを横断するように
してクロス方向に走行しながら溶着、切断を行う。この
クロス方向超音波溶断機23cによる溶着、切断が終了
した後、フィルム27a、半透膜27bは矢印(ロ)方
向へさらに一定距離送り出され、一旦停止した後、同様
にクロス方向超音波溶断機23cによるクロス方向の溶
着、切断を受ける。
【0028】以上のようにして、フィルム27a、半透
膜27bは流れ方向とクロス方向の溶着、切断を受け、
周縁の4辺がシールされ、高浸透圧組成物28よりなる
高浸透圧層を有する一枚の脱水シートが作製される。以
上の動作を繰り返すことによって脱水シートを連続的に
製造することができる。
【0029】上記例において、フィルムの送り出し速度
は2〜3000cm/sとされる。このフィルムの送り
出し速度が2cm/s未満の場合、生産性が悪くなり、
フィルムの送り出し速度が3000cm/sを越える場
合には第1および第2の流れ方向超音波溶断機23a、
23bによる溶着が不良となりやすくなる。また、クロ
ス方向超音波溶断機23cの走行速度は2〜3000c
m/sとされる。この走行速度が2cm/s未満の場合
には生産性が悪くなり、3000cm/sを越える場合
には溶着不良が起こりやすくなる。
【0030】図6、7は上述した製造方法で作製した脱
水シートを示す図である。図7は図6に示した脱水シー
トの断面図を示す。超音波溶断機を用いた脱水シートの
製造方法を用いたことにより、予め高浸透圧組成物28
を塗布しない部分を設けなくても、接着強度の高いフィ
ルムの溶着、切断が可能となるため、上記製造法によっ
て作製した脱水シートは、その全面にわたって高浸透圧
組成物28が充填されている。
【0031】なお、上記例では、フィルムを一旦停止さ
せた状態でクロス方向超音波溶断機23cがクロス方向
に走行しながらフィルムを溶着、切断するものとした
が、クロス方向超音波溶断機23cがフィルムの送り出
し速度に合わせてクロス方向よりやや矢印(ロ)側に傾
斜した方向に走行しながら溶着、切断を行うように設定
すれば、フィルムの走行を一旦停止させることなくクロ
ス方向の溶着、切断を行うことが出来る。また、高浸透
圧組成物塗布機構22において、半透膜27bの上に高
浸透圧組成物28を塗布する方法としてスプレー法を用
いたが、他にローラー法、T−ダイ法を用いてもよい。
【0032】
【実施例】次に、実験例を挙げて本発明の効果を実証す
る。 (実験例1)図1に示す脱水シート製造装置21を用い
た脱水シートの製造方法によって、有効面積が25×3
5cmの脱水シートを作製した。このとき、使用した第
1、第2の流れ方向超音波溶断機23a、23b、およ
びクロス方向超音波溶断機23cのホーン31の曲率は
2mmR、ホーン受け治具32の曲率は無限大(即ち、
平坦である。以下、曲率なしという)とした。フィルム
27a、半透膜27bをいずれもポリビニルアルコール
製とし、高浸透圧組成物28として蔗糖とアルギン酸ナ
トリウムの水溶液を用いた。以上の条件で製造された脱
水シートを試料Aとする。
【0033】(実験例2)図1に示す脱水シート製造装
置21を用いた脱水シートの製造方法によって、実験例
1と同一の有効面積の脱水シートを作製した。このと
き、使用した第1、第2の流れ方向超音波溶断機23
a、23b、およびクロス方向超音波溶断機23cのホ
ーン31の曲率なし、かつホーン受け治具32の曲率が
2mmRとした。その他の条件は実験例1と同一とし
た。この条件で製造された脱水シートを試料Bとする。
【0034】(比較例1)図8に示す従来の脱水シート
製造装置1を用いた脱水シートの製造方法によって、実
験例1と同一の有効面積の脱水シートを作製した。その
他の条件は実験例1と同一とした。この条件で製造され
た脱水シートを試料Cとする。 (比較例2)溶着方法として熱板法を採用し、実験例1
と同一の有効面積の脱水シートを作製した。その他の条
件は実験例1と同一とした。この条件で製造された脱水
シートを試料Dとする。
【0035】(比較例3)図1に示す脱水シート製造装
置21を用いた脱水シートの製造方法によって、実験例
1と同一の有効面積の脱水シートを作製した。このと
き、使用した第1、第2の流れ方向超音波溶断機23
a、23b、およびクロス方向超音波溶断機23cのホ
ーン31の曲率を0.05mmR、かつホーン受け治具
32の曲率をなしとした。その他の条件は実験例1と同
一とした。この条件で製造された脱水シートを試料Eと
する。
【0036】(比較例4)図1に示す脱水シート製造装
置21を用いた脱水シートの製造方法によって、実験例
1と同一の有効面積の脱水シートを作製した。このと
き、使用した第1、第2の流れ方向超音波溶断機23
a、23b、およびクロス方向超音波溶断機23cのホ
ーン31の曲率を30mmR、かつホーン受け治具32
の曲率をなしとした。その他の条件は実験例1と同一と
した。この条件で製造された脱水シートを試料Fとす
る。
【0037】上記各実験例、および各比較例において作
製された脱水シートのシール部の接着強度、および比較
例1の脱水シート製造原価を1.0としたときの各例の
脱水シート製造原価の比率を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から、溶着法として超音波溶着
法を用いて作製された試料A、Bは、従来法であるイン
パルス法による製造法で作製された試料Cと比べて原材
料費が低くなることがわかる。この結果は、半透膜の原
価が原材料費全体に占める割合が50%以上と大きく、
かつ試料A、Bは試料Cに比べて有効面積に対する半透
膜の使用量が少ないことによるものである。また、超音
波溶着法はエネルギー効率が高いため、光熱費の削減が
可能となる。
【0040】また、実験例1、2に示した超音波溶着法
による脱水シートの製造法は、溶着、切断位置を選ばな
いため、フィルムの伸び縮みによる溶着位置や切断位置
などのずれを原因とする歩留まりの低下を防止すること
ができる。これら原材料費の低減と歩留まりの向上とか
ら、上記実験例1、2に示した脱水シート製造装置21
を用いた脱水シートの製造方法を用いることによって、
従来法に比べて1割の製造コスト低減が可能となった。
【0041】さらに、局所的に振動を起こして熱を発生
させるため、フィルムに余分な熱履歴を与えないため、
溶融温度と熱分解温度とが近い材料、あるいは溶融温度
が高い材料でも安定的に溶着することができ、シール不
良を防ぐことができる。
【0042】また、上記実験例1、2に示した脱水シー
トの製造方法においては、切断と溶着の2工程を同時に
行うことができる。また、前述のように、従来法におい
ては高浸透圧組成物28を塗布する際に、高浸透圧組成
物28の部分的な塗布あるいは除去を行なう手段が必要
であったが、実験例1、2に示した脱水シートの製造方
法においては、該手段は不要である。以上から、上記例
で用いられる脱水シート製造装置は構造がより簡単とな
るため、装置の設置面積は、従来例で用いられる装置に
比べておよそ2分の1と大幅に小さくなった。また、装
置の設備費も低く抑えることが可能となる。加えて、前
記のように2工程を同時に行うことができるため、作業
に要する時間を短縮することができる。
【0043】次に、ホーン31の曲率が0.05mmR
と小さい比較例3において作製された試料Eにおいて
は、フィルム27a、半透膜27bの溶着不良が起き
た。一方、ホーン31の曲率が30mmRと大きい比較
例4において作製された試料Fにおいては、切断が不十
分で、部分的に切れ残りが見られた。
【0044】これらの結果から、ホーンまたはホーン受
け治具の曲率が過大あるいは過小であると、シートの溶
着不良あるいは切断不良が起こりやすくなることが示唆
された。従って、ホーンまたはホーン受け治具の曲率は
0.1〜10mmR、好ましくは0.2〜5mmRとさ
れるのが望ましい。この曲率が0.1mmRより小さい
と、シートが溶着される前に切断されてしまい、溶着不
良が起こる場合がある。また、この曲率が10mmRよ
り大きいとエネルギーが分散されて切断不良や溶着不良
が起こりやすくなる。
【0045】なお、熱板溶着法を用いた製造法によって
作成された試料Dは部分劣化による溶着不良やシール部
の反りが大きく、実用的な脱水シートを作製することは
できなかった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の脱水シー
トの製造方法は、互いに溶着可能で、少なくとも一方が
透水性である2枚のフィルムの間に水溶性化合物を含む
高浸透圧層を配して形成したシートをシームレスタイプ
の超音波溶断機を用いて溶着、切断することを特徴とす
るので、高浸透圧組成物を脱水シート全体に充填するこ
とが可能となるため、有効面積に対するフィルムの使用
量が少なく、原材料費を削減することができる。
【0047】また、本発明の脱水シートの製造方法は、
予め高浸透圧組成物を塗布しない部分を設ける必要がな
いため、フィルムの伸び縮みによる溶着位置や切断位置
などのずれを原因とする歩留まりの低下を防止すること
ができる。さらに、局所的に振動を起こして熱を発生さ
せるため、フィルムに余分な熱履歴を与えず、溶融温度
と熱分解温度とが近い材料、あるいは溶融温度が高い材
料でも安定的に溶着することができ、シール不良を防ぐ
ことができる。加えて、用いられる装置の構造が簡単で
あることから、装置の設置面積、設備費を小さくするこ
と、また作業時間を短縮することが可能である。
【0048】また、本発明の脱水シートの製造方法に用
いる超音波溶断機において、ホーン、およびホーン受け
治具のうち少なくとも一方の曲率が0.1〜10mm
R、好ましくは0.2〜5mmRとすることによって脱
水シート製造時の溶着不良、および切断不良を防ぐこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る脱水シートの製造方法に用いら
れる脱水シート製造装置を示す概略構成図である。
【図2】 図1に示す脱水シート製造装置の平面図を示
す概略構成図である。
【図3】 図1に示す脱水シート製造装置の第1の流れ
方向超音波溶断機を示す概略構成図である。
【図4】 図3に示す流れ方向超音波溶断機の要部の正
面図である。
【図5】 図3に示す流れ方向超音波溶断機の要部の側
面図である。
【図6】 本発明に係る脱水シートの製造方法によって
作成された脱水シートを示す図である。
【図7】 図6に示す脱水シートの断面図である。
【図8】 従来の脱水シートの製造方法に用いられる脱
水シート製造装置を示す概略構成図である。(A)は側
面図,(B)は平面図である.
【図9】 従来の脱水シートの製造方法によって作製さ
れた脱水シートを示す図である。
【図10】 図9に示す脱水シートの断面図である。
【符号の説明】
1・・・従来法に用いられる脱水シートの製造装置 2・・・高浸透圧組成物塗布機構 3・・・溶着機構 3−1・・・流れ方向溶着機構 3−2・・・クロス方向溶着機構 4・・・切断機構 4−1・・・流れ方向切断機構 4−2・・・クロス方向切断機構 5a・・・上側フィルム送り出しロール 5b・・・下側フィルム送り出しロール 6・・・コーター 7a,7b・・・フィルム 8・・・高浸透圧組成物 10a・・・シール部 10b・・・非塗布部 21・・・本発明に用いられる脱水シートの製造装置 22・・・高浸透圧組成物塗布機構 23・・・超音波溶断機 26・・・コーター 29・・・圧力シリンダー 31・・・ホーン 31a・・・ホーン下端 32・・・ホーン受け治具 32a・・・回転軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに溶着可能で、少なくとも一方が透
    水性である2枚のフィルムの間に高浸透圧層を配して重
    ね合わせたシートの周縁部を溶着、切断する脱水シート
    の製造方法であって、 該シートをホーンとホーン受け治具とを備えるシームレ
    スタイプの超音波溶断機を用いて溶着、切断することを
    特徴とする脱水シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 該超音波溶断機において、該フィルムと
    の接触部分におけるホーン下端、およびホーン受け治具
    のうち少なくとも一方の曲率が0.1〜10mmRであ
    ることを特徴とする請求項1記載の脱水シートの製造方
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2003076272A1 (fr) * 2002-03-13 2003-09-18 Showa Denko Plastic Products Co., Ltd. Stratifie scelle aux ultrasons, procede de production correspondant, et machine de soudage aux ultrasons correspondante
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