JPH0972926A - カンチレバー及びその製造方法、並びに前記カンチレバーを用いた走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

カンチレバー及びその製造方法、並びに前記カンチレバーを用いた走査型プローブ顕微鏡

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JPH0972926A
JPH0972926A JP7228253A JP22825395A JPH0972926A JP H0972926 A JPH0972926 A JP H0972926A JP 7228253 A JP7228253 A JP 7228253A JP 22825395 A JP22825395 A JP 22825395A JP H0972926 A JPH0972926 A JP H0972926A
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cantilever
probe
film
silicon substrate
inorganic material
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JP7228253A
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Inventor
Takuma Yamamoto
▲琢▼磨 山本
Nobuyuki Nakagiri
伸行 中桐
Hiroyuki Sugimura
博之 杉村
Yoshihiko Suzuki
美彦 鈴木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検物表面の化学的性質の情報と形状の情報と
を高い解像度で独立して取得することができる走査型プ
ローブ顕微鏡用のカンチレバーを提供する。 【解決手段】薄膜状梁部1と、支持体2と、探針3とを
備え、薄膜状梁部1は、窒化珪素膜又は酸化珪素膜など
の絶縁性を有する無機材料膜6で構成され、支持体2
は、無機材料膜6と、シリコンの基板7と、窒化珪素膜
又は酸化珪素膜などの絶縁性を有する無機材料膜8とか
ら構成され、探針3は、導電性を有する突起4と、突起
4の先端部分を除いてその周囲を覆う酸化珪素膜5とか
ら構成されるもので、薄膜状梁部1と支持体2の上面側
は、配線パターン9を介して突起4と電気的に接続して
いる電極パターン10を除いて無機材料膜11により全
面を覆われ、その下面側全面は、絶縁性を有する無機材
料膜6、8と珪化窒素膜5とにより覆われている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子間力顕微鏡(AF
M)、走査型電気化学顕微鏡(SECM:Scanning Ele
ctrochemical Microscopy)、及び走査型トンネル顕微
鏡(STM)等の走査型プローブ顕微鏡のうち、1つま
たは複数の機能を有するものに用いることが出来るカン
チレバー、該カンチレバーを使用した走査型プローブ顕
微鏡、及び該カンチレバーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査型プローブ顕微鏡を利用する
ことにより、原子、分子オーダーの分解能で、物質表面
の形状、あるいは物理化学的性質に起因したイメージを
得ることが可能となった。
【0003】そのようなイメージを得る走査型プローブ
顕微鏡の代表的なものとしては、被検物の表面の凹凸像
を得る走査型トンネル顕微鏡(STM)および原子間力
顕微鏡(AFM)や、電解質溶液中の被検物表面での化
学反応の結果生じた生成物を、探針によって電気化学的
に検出することによって、被検物表面の化学的な性質の
分布を得る、走査型電気化学顕微鏡(SECM)が提供
されている。
【0004】これらの顕微鏡のうち、走査型トンネル顕
微鏡および走査型電気化学顕微鏡では、プローブに流れ
る電流を計測する動作原理上、プローブとして先端の鋭
利な導電性探針を用いているのにたいし、原子間力顕微
鏡では、一般的に、薄膜状梁部と、該薄膜状梁部の先端
に探針を備えたカンチレバーが用いられる。
【0005】また、原子間力顕微鏡と走査型トンネル顕
微鏡の機能を複合化させるために、原子間力顕微鏡に一
般に用いられるカンチレバーの下面の全面にわたって、
導電性被膜を施すことによって、電流計測を可能とした
カンチレバーが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】走査型電気化学顕微鏡
の動作原理は、被検物表面での化学反応の結果生じた反
応生成物がプローブ電極表面で起こす電気化学反応に伴
うファラデー電流を検出することにある。それによっ
て、被検物表面の化学反応性、ひいては化学的性質を評
価することができる。
【0007】プローブとして用いる電極の面積が大きく
なると、被検物のある特定の位置からの反応生成物だけ
でなく、比較的広い範囲からの反応生成物を検出してし
まうという問題点がある。また、電解質溶液中に存在す
る不純物等(例えば、大気中から溶液中に溶け込む酸素
等もこのような不純物となりうる)に起因する電気化学
反応に伴うファラデー電流(被検物表面からの反応生成
物に起因するファラデー電流に対するバックグランド・
ノイズとなる)の大きさは、電極面積に比例して大きく
なるため、反応生成物起因のファラデー電流がノイズに
隠れて計測できなくなってしまうという問題点が生じ
る。
【0008】そのため、走査型電気化学顕微鏡のプロー
ブ電極の大きさは直径10μm以下、好ましくは1μm
以下にする必要があった。そのため、走査型電気化学顕
微鏡では、通常、先端を尖らせた金属探針を絶縁被膜
し、その先端部だけを露出させたものが用いられてい
る。走査型原子間力/トンネル顕微鏡で用いられている
ような、カンチレバー下面全体に導電性被膜を施したプ
ローブは走査型電気化学顕微鏡に用いることができなか
った。
【0009】通常の絶縁被膜金属探針を用いた走査型電
気化学顕微鏡では、プローブと被検物表面の相対位置関
係を、検出するファラデー電流が一定になるように制御
するか、もしくは、被検物とプローブとの平均的な距離
を一定に保って、ファラデー電流を計測するかのいずれ
かの方法で、表面の化学的性質をマッピングしていた。
しかしながら、この方法では、得られる情報が、被検物
表面の形状と化学的性質の双方を同時に含んだものとな
るため、正確な化学情報を得ることができないという欠
点があった。
【0010】本発明は、以上の問題点を顧みたものであ
り、被検物表面の化学的性質の情報と形状の情報とを独
立して取得することができる、走査型プローブ顕微鏡及
びその走査型プローブ顕微鏡に使用するカンチレバーを
提供することを目的とする。
【0011】また、本発明の他の目的は、前記カンチレ
バーを製造するための製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、被検物表面
上に配置され測定を行う探針と、前記探針を支持する梁
部と、前記梁部を支持する支持体とを有するカンチレバ
ーにおいて、前記支持体に設けられた、外部との電気信
号の入出力を行う電極部とを有し、前記探針は、前記電
極部と電気的に接続された、導電性を有する突起を有す
るものであり、前記突起の先端部分及び前記電極部を除
き、当該カンチレバーに含まれている導電性を有する部
分は、すべて絶縁体で覆われていることを特徴とするカ
ンチレバーにより達成される。
【0013】上記目的は、また、上記カンチレバーと、
該カンチレバー及び前記被検物を相対的に移動させて、
該カンチレバーの探針を前記被検物に対してその表面上
を走査させる走査手段と、前記被検物表面の形状に応じ
て生じる該カンチレバーの撓みを検出する撓み検出手段
と、該カンチレバーの探針から突出している突起と前記
被検物との間に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記被検物及び該カンチレバーの探針をイオンを含む溶
液中に浸漬し、前記被検物表面を走査した場合に、前記
電流検出手段と撓み検出手段とを制御して、前記被検物
表面の複数の測定点のそれぞれにおける、前記被検物と
前記探針との間に流れる電流と、該カンチレバーの撓み
量とを共に検出する制御手段とを有することを特徴とす
る走査型プローブ顕微鏡により達成される。
【0014】また、上記他の目的は、膜状梁部及び該膜
状梁部の先端側に設けられた探針を有するカンチレバー
の製造方法において、シリコン基板の両面に絶縁性を有
する無機材料膜を形成する工程と、前記シリコン基板の
表面に形成された無機材料膜の所定箇所に前記シリコン
基板の表面を露出させる開口を形成する工程と、前記開
口から露出したシリコン基板の部分を錐状にエッチング
して、前記無機材料膜の前記開口に連続する錐状のトレ
ンチを前記シリコン基板に形成する工程と、前記シリコ
ン基板の前記トレンチ部分に熱酸化により酸化珪素膜を
成長させる工程と、膜状梁部に相当する部分の形状に応
じて、前記シリコン基板の両面に形成された前記無機材
料膜の形状をパターニングする工程と、前記シリコン基
板のトレンチ部分に成長された酸化珪素膜のトレンチ部
分と、該トレンチ部分に連続する前記シリコン基板の表
面とに、導電性材料を形成する工程と、前記形成された
導電性材料の上に、絶縁性を有する無機材料膜を形成す
る工程と、前記膜状梁部に相当する部分における、前記
シリコン基板の裏面に形成された前記無機材料膜及び前
記シリコン基板を除去する工程と、前記シリコン基板の
トレンチ部分に成長した酸化珪素膜をエッチングして、
前記酸化珪素膜のトレンチ部分に形成された導電性材料
の先端を突出させる工程とを有することを特徴とするカ
ンチレバーの製造方法により達成される。
【0015】
【作用】本発明によるカンチレバーは、その探針に導電
性を有する突起を有し、該突起先端部分と、該突起と電
気的に接続されている支持体に設けられた電極部とを除
き、絶縁体で覆われている。このため、イオンを含む溶
液中の被検物表面での化学反応等に伴い生じる電流の検
出に際しては、探針先端の極狭い領域でのみ電流が測定
され、高い空間分解能で被検物表面の化学的性質の分布
像を得ることが出来る。
【0016】また、被検物表面の形状に応じて生じる、
本発明によるカンチレバーの撓み量の検出を、上記電流
計測に並行して行うことにより、被検物表面の化学的性
質と共に、その形状を併せて検出することができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を適用したカンチレバー、該
カンチレバーの製造方法、及び、該カンチレバーを使用
した走査型プローブ顕微鏡の実施例をそれぞれ図面を参
照して説明する。
【0018】最初、本発明を適用したカンチレバーの一
実施例について、図1、図2を参照して説明する。ここ
で、図1は、本実施例のカンチレバーの概略断面図であ
る。また、図2は、図1に示すカンチレバーの平面図で
ある。
【0019】本実施例のカンチレバーは、図1及び図2
に示すように、薄膜状梁部1と、薄膜状梁部1を支持す
る支持体2と、薄膜状梁部1の先端側領域に形成された
探針3とを備えている。探針3は、導電性を有する突起
4と、突起4の先端部分を除いてその周囲を覆う酸化珪
素膜5とから構成されている。薄膜状梁部1は、窒化珪
素膜又は酸化珪素膜などの絶縁性を有する無機材料膜6
で構成されている。支持体2は、無機材料膜6と、シリ
コンの基板7と、窒化珪素膜又は酸化珪素膜などの絶縁
性を有する無機材料膜8とから構成されている。
【0020】さらに、本実施例のカンチレバーには、探
針3に含まれている導電性を有する突起4と電気的に接
続され、該突起4の位置する薄膜状梁部1の先端側領域
から支持体2の上面側へ延びた、配線パターン9が形成
されている。配線パターン9は、また、支持体2上に形
成されている、外部との電気的接続を実現するため電極
パターン10に接続される。なお、以下の説明では、図
1における上方向を上方向として定義する。
【0021】本実施例では、薄膜状梁部1と支持体2の
上面は、配線パターン9を介して突起4と電気的に接続
している電極パターン10を除いて、絶縁性を有する無
機材料膜11により全面を覆われている。また、薄膜状
梁部1と支持体2の下面側全面は、絶縁性を有する無機
材料膜6、8と珪化窒素膜5とにより覆われている。
【0022】ここで、突起4、配線パターン9、及び、
電極パターン10は、単一あるいは複数の異なる種類の
金属層から構成される。複数の金属層から構成する場合
には、例えば、ニクロム又はクロムの層と、その上に形
成された金やアルミ等の配線材料として適した金属の層
とから構成する。このような構成によれば、ニクロム又
はクロムの層を介すことにより、酸化珪素膜や窒化珪素
膜等の無機材料膜6などに対する金やアルミニウム等の
密着性が高まるので好ましい。
【0023】また、測定しようとする試料の電気化学的
特性に応じて、使用する溶液に合わせて、突起4を構成
する金属などの部材を選択するようにしても良い。
【0024】また、光てこ方法によりカンチレバーの撓
みを検出する走査型プローブ顕微鏡で本実施例のカンチ
レバーを使用する際には、その撓み検出のために照射さ
れるレーザ光を反射するための反射層を、探針3の裏面
の一部に形成する。また、その他の方法によりカンチレ
バーの撓みが検出される場合には、前記反射層を形成す
る必要はない。
【0025】本実施例のカンチレバーは、突起4の先端
部分、及び、外部との電気的接続を行う電極パターン1
0を除いては、絶縁性を有する膜で覆われており、従来
のカンチレバーでは測定が困難な、溶液中での試料の電
気化学的測定を可能とする。
【0026】次に、上述したカンチレバーの製造方法の
一例について、図3を参照して説明する。図3は、図1
及び図2に示すカンチレバーの製造工程の一例を示す概
略断面図である。なお、図3において、図1中の各要素
に対応する要素には、同一符号を付している。
【0027】本例の製造方法においては、最初、わずか
に酸化膜(酸化珪素膜)で覆われた3インチ直径、厚さ
250μm、(100)面方位のn型シリコン基板7の
両面に、低圧気相成長法によりジクロロシランとアンモ
ニウムガスを原料として窒化珪素膜を700nm成膜す
る。ここで、上記酸化膜、窒化珪素膜が図1中の無機材
料膜6、8に相当する。
【0028】さらに、基板7の上面の無機材料膜6をフ
ォトリソグラフィ法及びドライエッチング法によりパタ
ーニングすることによって、基板7の上面の無機材料膜
6の所定箇所に、基板7の表面を露出させる一辺が約5
〜30μmの四角形状の開口6aを形成する。
【0029】その後、この基板を、水酸化カリウム(K
OH)水溶液等のシリコン用のエッチング液に浸し、前
記無機材料膜6、8をマスクとし、開口6aから露出し
た基板7の部分を四角錐状にエッチングして、無機材料
膜6の開口6aに連続する四角錐状のトレンチ7aを形
成する(図3(a))。なお、基板7として(100)
面方位のものが用いられているので、エッチングは(1
11)面で自動的に停止し、トレンチ7aの面は54.
7度のテーパ面となる。
【0030】その後、図3(a)に示す状態の基板を電
気炉に入れ、酸素と水蒸気雰囲気中で900℃に加熱
し、露出した基板7のトレンチ7aの部分に熱酸化によ
り酸化珪素膜5を成長させる(図3(b))。なお、熱
酸化の具体的な方法としては、ウエット酸化やドライ酸
化等いずれの形式でも構わない。酸化珪素膜の成長速度
は、平坦な部分では速いとともに角の部分では遅いとい
う性質を有しているので、トレンチ7aの部分に成長し
た酸化珪素膜5の断面形状は、底部の厚みが他の部分に
比べて極端に薄いことになる。
【0031】次に、基板7の両面の無機材料膜6、8に
対して、薄膜状梁部1の所望の形状及び支持体2の所望
の形状に合わせて、フォトリソグラフィ法及びドライエ
ッチング法によりパターニングを施す(図3(b))。
【0032】その後、図3(b)に示す状態の基板の上
面に、金、白金、ニクロム、クロム、ロジウム、ニッケ
ル、アルミニウム等のような金属から構成される金属層
をリフトオフ法によりパターニングすることにより、酸
化珪素膜5のトレンチ5aの部分に突起4を形成すると
ともに、該突起4に連続する配線パターン9及び該配線
パターン9に連続する電極パターン10を形成する(図
3(c))。本実施例では、密着性を高めるために、は
じめに5nmのニクロムを成膜した後に、金を30nm
成膜した。
【0033】さらに、スパッタリングにより酸化珪素を
上面に50nm厚成膜し、無機材料膜11を形成する。
この無機材料膜11は、図2に示されているように電極
パターン10付近を除き、他の金属部分を上面から完全
に覆っている。
【0034】その後、この基板を20〜25wt%の濃
度で80°Cに加熱したテトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド水溶液(TMAH)に浸し、前記パター
ニングにより露出した不要なシリコン部分のみを溶出す
る。
【0035】最後に、上記処理の終えたカンチレバー
を、40wt%の濃度で85℃に加熱された水酸化カリ
ウム水溶液に浸し、酸化珪素を等方的にわずかにエッチ
ング除去し、酸化珪素膜5の頂点部から突起4をわずか
に突出させる。これにより、図1及び図2に示すカンチ
レバーが完成する。
【0036】次に、以上説明した図1及び図2のカンチ
レバーを用いた、走査型プローブ顕微鏡の一実施例につ
いて図4を用いて説明する。図4は、この走査型プロー
ブ顕微鏡の概略構成図である。
【0037】この走査型プローブ顕微鏡は、図1及び図
2に示す構造を備えたカンチレバ−21と、該カンチレ
バー21を支持するカンチレバーホルダー22と、カン
チレバー21の薄膜状梁部の撓みを検出する撓み検出部
23と、該カンチレバーホルダー22及び撓み検出部2
3をX、Y、Z方向に移動させる移動機構24と、該移
動機構24を駆動する駆動回路25と、試料30ならび
に試料ホルダー31と、イオンを含む溶液を入れるため
の水槽32ならびにその支え33と、カンチレバー21
と試料30の電気化学的電位を制御しカンチレバー21
及び試料30に流れる電流を測定するためのバイポテン
ショスタット(電圧印加及び電流測定装置)34と、参
照電極(例えば銀塩化銀電極や飽和カロメル電極)36
と、対向電極(例えば白金や炭素製)37と、該撓み検
出部23ならびに該電圧印加及び電流測定装置34から
のデータを取り込む機能と該駆動回路25を制御する機
能を有するコンピュータ35とを有する。なお、図4に
おいて、Xは左右方向、Yは紙面に垂直な方向、Zは上
下方向である。本実施例では、参照電極36及び対向電
極37を同じ水槽32内に設置したが、ソルトブリッジ
で水槽32と接続された別の水槽内に参照電極を設置す
ることも可能である。
【0038】本実施例においては、撓み検出部23には
周知の光てこ方式を用いるが、カンチレバー21は溶液
中に配置されるため、該溶液表面と接触するようにガラ
ス窓を配置し、該ガラス窓を通して、撓み検出用のレー
ザ光を照射すると共に、カンチレバー21で反射された
反射光を検出して、撓みを検出する。
【0039】バイポテンショスタット34は、一定ある
いは所定のプログラムに従い変化させた電圧を試料30
と突起4に印加し、その時、試料30と突起4に流れる
電流を検出する。
【0040】本実施例の走査型プローブ顕微鏡による測
定を行う場合には、カンチレバー21の探針3が水槽3
2中に溜められた溶液に浸漬された試料30の表面に接
触し、かつ、少なくとも探針3から突出している突起4
全体が該溶液中に沈んでいるように、該溶液中の試料3
0とカンチレバー21との位置を調整する。この状態
で、コンピュータ35の制御により、カンチレバー21
の薄膜状梁部1の撓みが一定になるように、移動機構2
4のZ方向での変位を制御することでカンチレバー21
のZ位置を制御しながら、試料30表面上(XY方向)
で走査させる。
【0041】コンピュータ35は、さらに、例えば、予
め定めた領域中の複数の測定点のそれぞれにおいて、カ
ンチレバー21の撓みが一定となる移動機構24のZ方
向の位置の値を試料30の表面形状の情報として、該測
定点でのXY座標と共に、順次取り込む。さらに、各測
定点においては、バイポテンショスタット34により試
料30とカンチレバー21との間に印加される電圧、及
び、該電圧印加時に両者の間に流れる電流の測定値も、
試料30表面の電気化学的性質の情報として、同時にコ
ンピュータ35に取り込まれる。
【0042】本実施例の走査型プローブ顕微鏡によれ
ば、試料30の表面における構造的特性及び電気化学的
特性を同時に、高い解像度で計測することが可能とな
る。
【0043】本実施例では、カンチレバー21の撓みを
一定にするようにZ方向の変位量を制御して走査した
が、代わりに、バイポテンショスタット34で測定され
るカンチレバー21に流れる電流値を一定に保つよう
に、Z方向の変位量あるいは印加電圧量を制御しつつ、
カンチレバー21を走査することも可能である。
【0044】また、本実施例では、カンチレバー21と
試料30との間に流れる電流を測定したが、溶液中に別
に独立した電極を設け、この独立電極とカンチレバー2
1との間の電流を測定し、試料30がカンチレバー21
の探針先端に近づくことにより測定される電流値に与え
る影響を知ることも可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、被検物表面の化学的性
質の情報と形状の情報とを、高い解像度で独立して取得
することができる、走査型プローブ顕微鏡及びその走査
型プローブ顕微鏡に使用するカンチレバーを提供するこ
とができる。
【0046】また、本発明の製造方法によれば、前記カ
ンチレバーを製造するための製造方法を提供するができ
る。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカンチレバーの一実施例の概略構
造を示す断面図。
【図2】図1のカンチレバーを上方から見た平面図。
【図3】図3(a):本発明によるカンチレバーの製造
方法の一実施例の一工程処理を説明するための基板の断
面図。 図3(b):本発明によるカンチレバーの製造方法の一
実施例の他の工程処理を説明するための基板の断面図。 図3(c):本発明によるカンチレバーの製造方法の一
実施例の他の工程処理を説明するための基板の断面図。
【図4】本発明による走査型プローブ顕微鏡の一実施例
の概略構成を示す説明図。
【符号の説明】
1・・・薄膜状梁部、 2・・・支持体、 3・・・探針、 4・・・突起、 5・・・酸化珪素膜、 5a・・トレンチ、 6・・・無機材料膜、 6a・・開口、 7・・・基板、 7a・・トレンチ、 8・・・無機材料膜、 9・・・配線パターン、 10・・・電極パターン、 11・・・無機材料膜、 21・・・カンチレバー、 22・・・カンチレバーホルダー、 23・・・撓み検出部、 24・・・移動機構、 25・・・駆動回路、 30・・・試料、 31・・・試料ホルダー、 32・・・水槽、 33・・・支え、 34・・・電圧印加及び電流測定装置、 35・・・コンピュータ、 36・・・参照電極、 37・・・対向電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 37/28 H01J 37/28 Z (72)発明者 鈴木 美彦 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検物表面上に配置され測定を行う探針
    と、前記探針を支持する梁部と、前記梁部を支持する支
    持体とを有するカンチレバーにおいて、 前記支持体に設けられた、外部との電気信号の入出力を
    行う電極部とを有し、 前記探針は、前記電極部と電気的に接続された、導電性
    を有する突起を有するものであり、 前記突起の先端部分及び前記電極部を除き、当該カンチ
    レバーに含まれている導電性を有する部分は、すべて絶
    縁体で覆われていることを特徴とするカンチレバー。
  2. 【請求項2】請求項1記載のカンチレバーにおいて、 前記梁部と前記支持体とに渡って配置される、前記突起
    の先端部分と前記電極部とを電気的に接続する配線部材
    をさらに有することを特徴とするカンチレバー。
  3. 【請求項3】請求項2記載のカンチレバーにおいて、 前記探針は、前記導電性を有する突起の先端部分が突出
    するように、前記突起の周囲を覆う酸化珪素膜をさらに
    有することを特徴とするカンチレバー。
  4. 【請求項4】請求項3記載のカンチレバーにおいて、 前記梁部は、自立性を備えた膜状の絶縁性を有する無機
    材料で構成されることを特徴とするカンチレバー。
  5. 【請求項5】請求項4記載のカンチレバーにおいて、 前記膜状の無機材料は、酸化珪素または窒化珪素で構成
    されることを特徴とするカンチレバー。
  6. 【請求項6】被検物表面を走査する、請求項1〜5のい
    ずれかに記載のカンチレバーと、 前記カンチレバー及び前記被検物を相対的に移動させ
    て、前記カンチレバーの探針を前記被検物に対してその
    表面上を走査させる走査手段と、 前記被検物表面の形状に応じて生じる前記カンチレバー
    の撓みを検出する撓み検出手段と、 前記カンチレバーの探針から突出している突起に流れる
    電流を検出する電流検出手段と、 前記被検物及び前記カンチレバーの探針を溶液中に浸漬
    し、前記被検物表面を走査した場合に、前記電流検出手
    段と撓み検出手段とを制御して、前記被検物表面の複数
    の測定点のそれぞれにおける、前記探針に流れる電流
    と、前記カンチレバーの撓みの量とを、共に検出する制
    御手段とを有することを特徴とする走査型プローブ顕微
    鏡。
  7. 【請求項7】請求項6記載の走査型プローブ顕微鏡にお
    いて、 参照電極並びに対向電極と、 前記突起と前記被検物の電位を、前記参照電極電位に対
    して独立に制御しうる電位制御手段とをさらに有するこ
    とを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  8. 【請求項8】膜状梁部、及び、該膜状梁部の先端側に設
    けられた探針を有するカンチレバーの製造方法におい
    て、 シリコン基板の両面に絶縁性を有する無機材料膜を形成
    する工程と、 前記シリコン基板の表面に形成された無機材料膜の所定
    箇所に前記シリコン基板の表面を露出させる開口を形成
    する工程と、 前記開口から露出したシリコン基板の部分を錐状にエッ
    チングして、前記無機材料膜の前記開口に連続する錐状
    のトレンチを前記シリコン基板に形成する工程と、 前記シリコン基板の前記トレンチ部分に熱酸化により酸
    化珪素膜を成長させる工程と、 膜状梁部に相当する部分の形状に応じて、前記シリコン
    基板の両面に形成された前記無機材料膜の形状をパター
    ニングする工程と、 前記シリコン基板のトレンチ部分に成長された酸化珪素
    膜のトレンチ部分と、該トレンチ部分に連続する前記シ
    リコン基板の表面とに、導電性材料を形成する工程と、 前記形成された導電性材料の上に、絶縁性を有する無機
    材料膜を形成する工程と、 前記膜状梁部に相当する部分における、前記シリコン基
    板の裏面に形成された前記無機材料膜及び前記シリコン
    基板を除去する工程と、 前記シリコン基板のトレンチ部分に成長した酸化珪素膜
    をエッチングして、前記酸化珪素膜のトレンチ部分に形
    成された導電性材料の先端を突出させる工程とを有する
    ことを特徴とするカンチレバーの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載のカンチレバーの製造方法に
    おいて、 前記形成された導電性材料の上に絶縁性を有する無機材
    料膜を形成する工程では、前記導電性材料を一部露出さ
    せ、外部との信号の入出力のための電極部を形成するこ
    とを特徴とするカンチレバーの製造方法。
JP7228253A 1995-09-05 1995-09-05 カンチレバー及びその製造方法、並びに前記カンチレバーを用いた走査型プローブ顕微鏡 Pending JPH0972926A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011525689A (ja) * 2008-06-27 2011-09-22 パウル・シェラー・インスティトゥート 先端の尖鋭度が制御される電界放出エミッタアレイの製造方法
JP2015502521A (ja) * 2011-10-24 2015-01-22 ポステック アカデミー−インダストリー ファンデーション ナノ電極及びその製造方法

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