JPH0963749A - ヒートローラー及びその製造方法 - Google Patents

ヒートローラー及びその製造方法

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JPH0963749A
JPH0963749A JP7218649A JP21864995A JPH0963749A JP H0963749 A JPH0963749 A JP H0963749A JP 7218649 A JP7218649 A JP 7218649A JP 21864995 A JP21864995 A JP 21864995A JP H0963749 A JPH0963749 A JP H0963749A
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heat roller
clay
direct heating
fixing
insulating
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JP7218649A
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Tetsuo Uchiyama
哲夫 内山
Kenichi Tsuji
健一 辻
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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    • C04B35/01Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics
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    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複写機等の静電記録方式装置においてトナー
を定着させるために用いられる自己発熱型ヒートローラ
ー、特に低温定着ヒートローラーに要求される均一な温
度分布及び短い立ち上がり時間を満足する導電性セラミ
ックスを提供する。 【構成】 絶縁性セラミックスに、純度90%以上のS
i粒子を全体に対して10〜40容量%添加してなる導
電性セラミックスをヒートローラー5に用い、また光学
顕微鏡組織内に存在することがある気孔を平均直径20
μm以下の等軸状独立孔とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の静電記録方式の装置において、記録
紙上に転写したトナー像を定着させる為に設けられた定
着装置に用いられる、あるいはインクジェット方式の印
刷装置においてはインクの乾燥を速めるために用いられ
る自己発熱型ヒートローラー、及びその製造方法に関
し、詳しくは改善された室温での機械的性質を持ち、且
つ使用時の温度分布特性に優れた導電性セラミックスを
用いた直接加熱型定着用ヒートローラー及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機、ファクシミリ、プリン
タ等の静電記録方式の装置においては、現像装置の感光
ドラムから記録紙上に転写したトナー像を、トナー粒子
を記録紙の繊維にからませることによって記録紙に熱定
着させる必要がある。
【0003】そこで、定着装置は、その一型式によると
図1に示すごとく、熱源により加熱されるヒートローラ
ーAと表面に耐熱性樹脂を被覆したバックアップローラ
ーBを対接して構成され、ヒートローラーAとバックア
ップローラーB間にトナー像を転写し記録した記録紙C
を通過させることによってトナーの定着を行っている。
【0004】上記のヒートローラーAには、赤外線ラン
プやハロゲンランプ等の熱源を熱伝導良好な金属製スリ
ーブの軸心位置に内接した間接加熱タイプが最も一般的
であるが、この間接加熱タイプの定着装置では、高価な
細管状ランプが必要となる上に金属製スリーブとしても
厚肉で且つ表面を高精度に平滑加工したものが必要とな
ることから極めて高価となる。またこのような間接加熱
タイプのヒートローラーは投入電力にもよるが電力投入
後3〜10分経過しないと使用できない為、使用しない
時でも電力を投入したままで待機させるとか、あるいは
一般にスリープモードと呼ばれているものの短時間で使
用できるよう100℃位に保持させたままで電力を無駄
に消費させることが多く、これらのことは特に近年、O
A機器の省エネルギーの観点から問題視されている。最
近では、一定時間使用しない時は自動的にヒートローラ
ーの電力を切るような制御方式が採用されているが、省
エネルギの問題は解決しても、再度電力投入後はやはり
3〜10分待たなければならないという使い勝手の悪さ
が残ってしまう。
【0005】この問題を解決するものとして、ヒーター
が薄いフィルムを介してトナーに接触するものや、円筒
状の絶縁体表面に導電性材料よりなる発熱層を塗布して
発熱体とするものや、図2に示すごとく全体が自己発熱
型の導電性セラミックスから形成されたパイプ5を使用
する直接加熱タイプのものが上市あるいは検討され始め
ている。図2において、1は電源と接続された導電端子
2を導電性パイプ5と導通させるための低抵抗部(アル
ミ溶射層),3は軸受、4は耐熱性樹脂である。
【0006】ところで導電性セラミックスとしては、多
種の組成が公知であって、例えば特開昭52−3259
6号公報に低熱膨張セラミックス相中に金属、カーボ
ン、金属の窒化物、ホウ化物、炭化物又はケイ化物等の
導電性物質を複合した材料が開示されている。
【0007】また特開昭63−307682号公報や特
開平1−226765号公報にはアルミノケイ酸塩を主
とする絶縁性セラミックマトリックスに導電材としてS
iまたはFeSiを複合した材料が開示されており、比
抵抗10- 2 〜101 Ωcm、600℃までの温度範囲
で3〜30μmの波長の遠赤外線を放射し、曲げ強度も
JIS−R160lによる曲げ試験で700〜1000
kg/cm2 であると記載されている。しかし、これら
は塗料の焼付や食品の熱処理、有機物の乾燥、焼付や水
分の除去等に有効に利用できることのみを扱っており、
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の静電記録方式の装
置におけるトナー定着用のヒートローラーに関しては全
く注意を向けていない。また、本明細書に述べるヒート
ローラーと密接な関係を有するものではない。というの
は前記公報ではヒートローラーに必要な厳密な温度分布
特性や適切な表面状態、必要な強度等について何等の記
載もなくもっぱら遠赤外線放射特性にのみ注意を向けて
いるからである。
【0008】ヒートローラーを用いた定着条件は、従来
は180℃程度で行われ、許容される温度分布も±20
℃程度であったが、最近では165℃、さらには145
℃へと低温定着指向のためトナーに改良が加えられてき
た。よって、トナーも温度に敏感になり、オフセットと
呼ばれるトナーのヒートローラーへの付着現象を防止す
るため±10℃、あるいはそれ以下の優れた温度分布特
性が要求されるようになってきた。またそのような低温
定着に加えて高画質化を目的にトナーの粒径も従来の1
1μmレベルから9μm、7μmへと小サイズの粒径の
トナーが使われるようになってきた。粒径の小さいトナ
ーを使った場合、僅かな過剰の熱によっても融けすぎて
オフセットの問題が生じるので、それだけヒートローラ
ーの温度分布特性が重要になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ヒートローラーの表面
状態という観点では、通常四弗化エチレンやシリコンゴ
ム等のオフセット防止用樹脂を被覆することにより表面
状態を改善できるが、樹脂被覆前の素材に直径50μm
以上のピンホールがあると、樹脂を被覆してもトナーが
入り込みオフセットの原因となるようなピンホールが樹
脂皮膜に残ってしまい問題となる。
【0010】直接加熱型ヒートローラーではその抵抗を
ある範囲にコントロールすることが必要になり、この観
点では絶縁性セラミックスに導電材を複合した材料系が
都合良い。しかしながら、そのような導電性複合セラミ
ックスでヒートローラーとしての要求特性を満足する材
料特性を持ち、特に、使い勝手の良い即ち立ち上げ時間
の短い直接加熱型のヒートローラー用導電性セラミック
スの開発は従来行われていなかった。したがって、本発
明は、十分な機械的強度を有し、表面ピンホールのない
又はあったとしてもその径が小さく、且つ温度分布特性
に優れた直接加熱型の導電性セラミックヒートローラ
ー、及びその製造方法を提供することにより、OA機器
の省エネルギーに貢献することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】先ず本発明者らはセラミ
ックスの機械的強度に付いて考察した。セラミックスの
強度σf は、一般に σf =KC /Y(a)1/2 で表される。ここで、KC は破壊靭性、aは破壊に導く
欠陥サイズ、Yは幾何学的定数である。したがって、破
壊靭性を高め、破壊に導く欠陥サイズを小さくすること
によって機械的強度を向上することができる。欠陥サイ
ズに影響するセラミックスの表面は、機械加工によっ
て、すなわち研削加工では使用する砥石の粒度、切込
量、研削速度によって様々なレベルにコントロールでき
るが、欠陥には表面に存在するものだけではなく、材料
バルクの組織に存在するものもあるので、欠陥サイズは
結晶粒径や気孔率等に依存する。よって材料の組織を微
細にすることは破壊に導く欠陥サイズを小さくすること
につながり、また材料組織に依存しない希望の表面状態
を研削条件のコントロールにより得られることになる。
【0012】次に、本発明者らはセラミックスを電気抵
抗加熱した場合についての温度上昇に付いて考察した。
無限長の導電性セラミックパイプに通電昇温した場合、
パイプの微小領域における温度は T=(i2 R−Q0 )/cw+T0 で表される。ここで、i、R、Q0 、c、w、T0 はそ
れぞれ微小領域における電流、抵抗、放熱量、比熱、重
量、室温である。すなわち均一な温度分布を得るために
はどの微小領域を取っても、電流、抵抗、放熱量、比
熱、重量が一定であることが必要条件である。したがっ
て、まずパイプの断面積が一定の偏肉のないこと、組織
が均一であることが第一に重要である。さらに導電性セ
ラミックスをミクロ的にみると導電性物質粒子の接触に
よって導通を得ていることから、微小領域の抵抗Rは導
電性物質同士の接触界面の状況によって大きく変化する
ことが考えられる。また、ポア(気孔)の存在が許され
るとすればその形態が導電性物質粒子同士の接触界面に
影響することも考えられる。即ち微細な気孔でも連続し
た形態であれば局部的に導通不良を起こし均一な温度分
布を阻害すると考えられるので、連続気孔は均一温度分
布の観点からは許されない。
【0013】以上の点を考慮して鋭意研究の結果、本発
明者らは、多種の導電性セラミックス材料系の中から絶
縁性セラミックスの中に導電材としてシリコンを複合す
る系を選択した上で、高い機械的強度と適切な表面状態
を可能とする微細な組織を持ち、ポア(気孔)が存在し
たとしても平均粒径20μm以下、好ましくは10μm
以下の等軸状の独立気孔として存在し、導電材であるシ
リコン粒子同士の接触界面に大きな影響を与えないよう
な組織とするか、あるいはシリコン粒子及び絶縁性セラ
ミックス原料の平均粒径を20μm以下としたものを焼
成すれば、十分な機械的強度を持ち、表面に有害なピン
ホールがなく、且つ温度分布特性に優れた直接加熱型導
電性セラミックヒートローラーを得ることができること
を発見し、本発明を提供するものである。なお等軸状と
は気孔がセラミックス体の任意の方向に長い方向性を実
質的にもたないことであり、また独立とはかかる等軸状
気孔が他の気孔と連続せず孤立していることである。
【0014】即ち、絶縁性セラミックス及びシリコン粒
子からなる本発明の複合セラミックスは、純度90質量
%(Siの純度に関する%は以下質量%を意味する)以
上のシリコン粒子を全体に対して10〜40容量%とな
るように絶縁性セラミックスに添加した複合セラミック
スであり、好ましくはシリコン粒子原料の平均粒径は2
0μm以下、絶縁性セラミックス原料の平均粒径の20
μm以下のものを焼成してなることを特徴とする。
【0015】ここで絶縁性セラミックスは、比抵抗が室
温で108 Ωcm以上のいわゆる絶縁体に属するあらゆる
セラミックスを使用することができるが、アルミナ(A
23 )、シリカ(SiO2 )、マグネシア(Mg
O)、ムライト(Al6 Si213)、スピネル(Mg
Al24 )、コーデイエライト(Mg2 Al4 Si5
18)等の絶縁性酸化物、窒化珪素(Si34 )、窒
化アルミニウム(AlN)、窒化ボロン(BN)等の絶
縁性窒化物あるいはそれらの混合物、及び複合するシリ
コンの融点が1420℃である関係から、それ以下の温
度で焼結できるようにするためカオリンやベントナイト
等の粘土成分及び/またはホウケイ酸ガラス等のガラス
成分を加える。もちろんこれらの粘土成分及び/または
ガラス成分も絶縁性のものを用いる。
【0016】また、本発明の導電性セラミックヒートロ
ーラーの製造方法は、まずできるだけ緻密な複合セラミ
ックスに焼結するため、(a)平均粒径の20μm以下
で純度90%以上のSi粉末と(b)平均粒径の20μ
m以下の絶縁性セラミックスと(c)平均粒径の20μ
m以下の粘土成分及び/またはガラス成分とを含有する
原料粉末を調製する。それら原料粉末に水及び必要に応
じ適当な有機系バインダーを加えて混練し、押出等適宜
選択される成形方法により所望のサイズ、形状に成形、
乾燥後、窒素、アルゴンガス等の非酸化性雰囲気中かつ
1200〜1400℃で焼成を行うことを特徴とする。
ヒートローラーとするためには、さらに外周を研削加
工、両端部にアルミ溶射等により電極を形成し、加えて
記録紙への密着性を良くして熱定着効果を高める目的か
ら所定範囲にわたって四弗化エチレンやシリコンゴム等
の本材料と密着性に優れ且つ熱伝導性も良好で、トナー
の付着を防止する耐熱性樹脂を被覆することが必要であ
る。
【0017】以下本発明をより詳細に説明する。本発明
では平均粒径20μm以下で純度90%以上のSi粉末
を用いる。平均粒径20μmを超えると導入される欠
陥、気孔等が大きくなり強度、表面状態ともにヒートロ
ーラーとして十分とならない。またSi粉末の純度が9
0%以下であると融点が低下し、絶縁性セラミックスの
焼結に必要な1200〜1400℃の焼成温度で溶融し
てしまい、粗大な球状の独立したSi粒子が分散した組
織となって抵抗が高くなりヒートローラーとして適切な
導電性を持たなくなる。好ましくは平均粒径が10μm
以下で純度が95%以上のSi粉末を用いる。
【0018】また本発明では、マトリックスを構成する
絶縁性セラミックス、即ちAl23 、SiO2 、Mg
O、Al6 Si213、MgAl24 、Mg2 Al4
Si518、Si34 、AlN、BN等の原料粉末の
平均粒径は20μm以下とする。また1400℃以下の
焼成温度で緻密化を可能にするカオリン、ベントナイト
等の粘土成分及び/またはホウケイ酸ガラス等のガラス
成分の原料粉末の平均粒径も20μm以下とする。これ
らの平均粒径20μmを超えるとやはり導入される欠
陥、気孔が大きくなり強度、表面状態ともにヒートロー
ラーとして十分とならない。好ましくは、平均粒径10
μm以下の原料粉末を用いる。
【0019】各成分の配合は以下のとおりとする。即ち
Si粒子及び絶縁性セラミックスの合計を100容量%
としてSi粒子を10〜40容量%、残部を実質的に絶
縁性セラミックスとする。Si粒子の量が10容量%未
満では抵抗が高く、一方40容量%を越す量のSi粒子
を配合すると逆に抵抗が低くなりすぎてヒートローラー
としては適切な導電性を持たなくなる。
【0020】上記したSi粒子の純度及び粒径、絶縁性
セラミックスの種類、気孔の大きさ等を好ましい値に制
御することにより、導電性セラミックスの平均曲げ強度
が10kg/mm2 以上であり、表面上の最大ピンホー
ル径が50μm以下である導電性セラミックスを製造す
ることができる。また同様に、定着条件でのローラー表
面温度分布のバラツキ幅が所定定着仕様温度の±10
℃、好ましくは±5℃の範囲に入る導電性セラミックス
を製造することができる。
【0021】次に、導電性セラミックヒートローラーの
製造方法について説明する。まず、上述した規格の原料
となるSi粒子及び絶縁性セラミックスを所定量秤量
し、さらに水及び必要に応じ適当なバインダーを加えて
混練する。混練はニーダーなどにより十分に(例えば1
5分以上)行うのがよい。混練後、バインダー(粘土
類)に水が十分に吸収されるように一定時間(例えば、
48時間以上)乾燥を防いだ密閉雰囲気内で養生するこ
とが好ましい。
【0022】次に、得られた混練物を成形、乾燥後、窒
素、アルゴンガス等の非酸化性雰囲気中、1200〜1
400℃で焼成を行う。ここで有機系バインダーを添加
した場合には焼成前に非酸化性雰囲気中で脱脂を行う必
要がある。焼成雰囲気が酸化雰囲気であると、Siが酸
化し導電性が得られなくなり、また緻密化もしなくなる
ので、焼成は非酸化雰囲気で行う必要がある。一方、焼
成温度については、1200℃未満とすると複合セラミ
ックスの緻密化が達成できない。また1400℃を越す
と焼成中にSi粒子が溶融して粗大な球状の独立したS
i粒子が分散した組織となる結果、得られたセラミック
スは抵抗が高くなりヒートローラーとして適切な導電性
を持たなくなる。
【0023】さらに外周を研削加工、両端部にアルミ溶
射により電極を形成し、加えて四弗化エチレンやシリコ
ンゴム等のオフセット防止用樹脂を被覆してヒートロー
ラーとする。
【0024】
【実施例】以下の具体的実施例により、本発明を詳細に
説明する。実施例1(J1) 純度96%、平均粒径7.4μmのSi粉末が33容量
%、平均粒径5μmのAlz3 が37容量%、平均粒
径8μmの木節粘土が10容量%、平均粒径14μmの
ワイオミング産ベントナイトが10容量%、平均粒径4
μmのホウケイ酸ガラスが10容量%となるように配合
した混合粉をニーダーを用いて乾式で10分、水をこれ
ら粉末全量に対して20重量部加え20分混練した。
【0025】得られた混練物を3日間養生し、押出成形
機を用いパイプ状に成形し、乾燥後、Ar雰囲気中13
00℃で1時間焼成することによって外径31mm、内
径23mm、長さ720mmの焼結体を得た。さらに、
得られた焼結体の両端部の端面及び端部から10mmに
及ぶ内周面にAl溶射により電極を形成した。
【0026】次に得られたパイプ状焼結体を研削加工に
より外径30mmに仕上げ、さらに、四弗化エチレンを
中央部660mmにわたってコートしてヒートローラー
を得た。この時のヒートローラーの抵抗は8.5Ωであ
った。
【0027】このようにして得られた本発明品につい
て、1kwの電力投入後の温度立ち上がり時間を測定し
た結果、55秒で180℃まで昇温した。また30mm
間隔で測定した温度(温度分布)も図3(表1)に示
す。測定温度の内、最高温度と最低温度の差を温度分布
幅と定義すると、この場合6℃であった。これはヒート
ローラーとして十分に使用できるものであった。また、
本発明品から2.5×4×13mmの試験片を採取し、
スパン10mm、クロスヘッド速度0.5mm/min
の3点曲げ試験を行った。その結果、10.3〜15.
0kg/mm2 (平均強度12.5kg/mm2 、ワイ
ブル係数11.3)の強度を得た。顕微鏡組織内に存在
する気孔の大きさは平均粒径7μmで形状も独立した等
軸状であった。表面に存在するピンホール径の最大のも
のは15μmであった。
【0028】実施例2(J2) 絶縁性セラミックスとして、平均粒径12μmのムライ
トを15容量%とした以外は実施例1で用いた木節粘土
を35容量%、ワイオミング産ベントナイトを15容量
%、ホウケイ酸ガラスを10容量%、Si粉末を25容
量%として、実施例1と同様にして外径25mm、内径
19mm、長さ246mmのヒートローラーを作製し
た。このヒートローラーの抵抗は18Ωで、800wの
電力投入の温度立ち上がり時間を測定した結果、16秒
で160℃まで昇温した。同じく30mm間隔で測定し
た温度(温度分布)も図4(表2)に示す。また、光学
顕微鏡(倍率400倍)で認識される組織中に存在する
気孔の大きさは平均粒径10μmで形状も独立した等軸
状であった。最大のピンホールも直径13μmであっ
た。
【0029】比較例1(H1) 比較のために、純度75%、平均粒径7.5μmのSi
(Fe−Si)を用いた以外は、実施例1と同様にして
ヒートローラー素材を得た。抵抗が高過ぎて(〜MΩ)
ヒーターとして機能しなかった。
【0030】比較例2(H2) 比較のために、純度92%、平均粒径23μmのSiを
25容量%と、平均粒径68μmのムライトを15容量
%用いた以外は、実施例2と同様にしてヒートローラー
素材を得た。また実施例1と同様の曲げ試験を行った結
果、7.5〜8.4kg/mm2 (平均強度7.9kg
/mm2 )であった。表面粗さも粗く、四弗化エチレン
をコートした後にもピンホールが残りヒートローラーの
定着性能に悪影響を及ぼした。顕微鏡組織内に存在する
気孔は形状的には独立した等軸状であった。サイズ的に
は平均粒径が25μmであった。また最大の表面ピンホ
ール径は60μmであった。
【0031】実施例3〜9(J3〜J9) 絶縁性セラミックスとして、実施例1及び2のアルミ
ナ、ムライト以外に、シリカ、マグネシア、スピネル、
コーデイエライト、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化
ボロンを用い、図5(表3)に示す配合で、実施例1と
同様にしてヒートローラーを作製した。ここでは有機バ
インダーを使用しているので焼成前に450℃1時間の
脱脂処理を行った。特性値も実施例1と同様、抵抗、温
度分布(温度幅=Tmax −Tmin )、強度、表面のピン
ホール径、立ち上げ時間の測定を行った。結果を図6
(表4)に示す。また顕微鏡組織中に存在する気孔はい
ずれも独立した等軸状で平均粒径20μm以下であっ
た。最大の表面ピンホール径も30μm以下であった。
【0032】実施例10〜11(J10〜J11)及び
比較例3(H3) 実施例2における木節粘土の代わりに、笠岡粘土、蛙目
粘土を用い、図7(表5)に示す配合内容で実施例2と
同様にしてヒートローラーを作製した。ここで入手でき
た原料の平均粒径が20μm以上ある場合は20μm以
下となるように粉砕処理を行った。ヒートローラーとし
ての特性についても測定を行った。結果図7(表5)に
併せて示す。
【0033】実施例12〜13(J12〜J13)及び
比較例4〜6(H4〜H6) 図8(表6)に示す焼成条件とした以外は、実施例1と
同様にして(実施例1と同一の組成で)ヒートローラー
を作製した。ヒートローラーとしての特性についても測
定を行った。結果を表6に併せて示す。ここで、実施例
12、13の顕微鏡組織内の気孔は等軸状で20μm以
下であったが、比較例5の気孔は独立した等軸状の気孔
でなく連続した気孔として存在していた。
【0034】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明による直接
加熱型導電性セラミックヒートローラーは、十分な機械
的強度、適切な表面状態、温度分布幅の小さい優れた温
度特性を示し、且つ立ち上げ時間が短いため、OA機器
の省エネルギーに貢献する使い勝手の良いヒートローラ
ーとして使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定着装置の概略を構成を示す説明図である。
【図2】直接加熱型ヒートローラーの一例を示す軸方向
断面図である。
【図3】実施例1のヒートローラーの温度分布を示す図
表(表1)である。
【図4】実施例2のヒートローラーの温度分布を示す図
表(表2)である。
【図5】実施例3〜9におけるセラミックスの配合を示
す図表(表3)である。
【図6】実施例3〜9におけるセラミックスの特性を示
す図表(表4)である。
【図7】実施例10〜11、比較例3におけるセラミッ
クスの特性を示す図表(表5)である。
【図8】実施例12〜13、比較例4〜6におけるセラ
ミックスの特性を示す図表(表6)である。
【符号の説明】
A ヒートローラー B バックアップローラー C 記録紙 5 導電性パイプ(ヒートローラー)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性セラミックスに、純度90%以上
    のSi粒子を全体に対して10〜40容量%添加してな
    り、また光学顕微鏡組織内に存在することがある気孔が
    平均直径20μm以下の等軸状独立孔であることを特徴
    とする直接加熱型定着用ヒートローラー。
  2. 【請求項2】 絶縁性セラミックスに、純度90%以上
    のSi粒子を全体に対して10〜40容量%添加してな
    り、また前記Si粒子の原料の平均粒径及び前記絶縁性
    セラミックスの原料の平均粒径がいずれも20μm以下
    であるものを焼成したことを特徴とする導電性セラミッ
    クスを用いた直接加熱型定着用ヒートローラー。
  3. 【請求項3】 前記Si粒子の原料の平均粒径及び前記
    絶縁性セラミックスの原料の平均粒径がいずれも10μ
    m以下であるものを焼成したことを特徴とする請求項2
    記載の導電性セラミックスを用いた直接加熱型定着用ヒ
    ートローラー。
  4. 【請求項4】 前記絶縁性セラミックスが、(1)Al
    23 、SiO2 、MgO、Al6 Si213、MgA
    24 、Mg2 Al4 Si518等の絶縁性酸化物、
    Si34 、AlN、BN等の絶縁性窒化物の中から選
    択される1種の化合物あるいはそれらの化合物の混合
    物、及び(2)カオリン、ベントナイト等の粘土成分及
    びホウケイ酸ガラス等のガラス成分から選択される1種
    の化合物あるいはそれらの化合物の混合物を焼成したも
    のであることを特徴とする請求項1から3までの何れか
    1項記載の導電性セラミックスを用いた直接加熱型定着
    用ヒートローラー。
  5. 【請求項5】 前記粘土成分が、木節粘土、蛙目粘土、
    笠岡粘土、ベントナイトの中から選択される1種類の粘
    土あるいはそれらの粘土の混合物であることを特徴とす
    る請求項4記載の導電性セラミックスを用いた直接加熱
    型定着用ヒートローラー。
  6. 【請求項6】 光学顕微鏡組織内に存在することがある
    気孔が平均直径20μm以下の等軸状独立孔であること
    を特徴とする請求項2から5までの何れか1項記載の導
    電性セラミックスを用いた直接加熱型定着用ヒートロー
    ラー。
  7. 【請求項7】 光学顕微鏡組織内に存在することがある
    気孔が平均直径10μm以下の等軸状独立孔であること
    を特徴とする請求項1から5までの何れか1項記載の導
    電性セラミックスを用いた直接加熱型定着用ヒートロー
    ラー。
  8. 【請求項8】 前記導電性セラミックスの平均曲げ強度
    が10kg/mm2以上であり、表面上の最大ピンホー
    ル径が50μm以下であることを特徴とする請求項1か
    ら7までの何れか1項記載の導電性セラミックスを用い
    た直接加熱型定着用ヒートローラー。
  9. 【請求項9】 定着条件でのローラー表面温度分布のバ
    ラツキ幅が所定定着仕様温度の±10℃の範囲に入るこ
    とを特徴とする請求項1から8までの何れか1項記載の
    導電性セラミックスを用いた直接加熱型定着用ヒートロ
    ーラー。
  10. 【請求項10】 定着条件でのローラー表面温度分布の
    バラツキ幅が所定定着仕様温度の±5℃の範囲に入るこ
    とを特徴とする請求項1から8までの何れか1項記載の
    導電性セラミックスを用いた直接加熱型定着用ヒートロ
    ーラー。
  11. 【請求項11】 (a)平均粒径20μm以下で純度9
    0%以上のSi粉末と、(b)平均粒径20μm以下の
    絶縁性セラミックス粉末と、(c)平均粒径20μm以
    下の粘土成分及びガラス成分から選択された1種または
    2種を含有する原料粉末を成形後、非酸化性雰囲気中で
    1200〜1400℃で焼成することを特徴とする導電
    性セラミックスを用いた直接加熱型定着用ヒートローラ
    ーの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記絶縁性セラミックスがAl2
    3 、SiO2 、MgO、Al6 Si213、MgAl2
    4 、Mg2 Al4 Si518等の絶縁性酸化物、Si
    34 、AlN、BN等の絶縁性窒化物の中から選択さ
    れる1種類の化合物あるいはそれらの化合物の混合物で
    あることを特徴とする請求項11記載の導電性セラミッ
    クスを用いた直接加熱型定着用ヒートローラーの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記粘土成分が、木節粘土、蛙目粘
    土、笠岡粘土、ベントナイトの中から選択される1種類
    の粘土あるいはそれらの粘土の混合物であることを特徴
    とする請求項11記載の導電性セラミックスを用いた直
    接加熱型定着用ヒートローラーの製造方法。
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