JPH0959007A - セレンを含む溶液からのセレンの回収方法 - Google Patents
セレンを含む溶液からのセレンの回収方法Info
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- JPH0959007A JPH0959007A JP23479695A JP23479695A JPH0959007A JP H0959007 A JPH0959007 A JP H0959007A JP 23479695 A JP23479695 A JP 23479695A JP 23479695 A JP23479695 A JP 23479695A JP H0959007 A JPH0959007 A JP H0959007A
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Abstract
法は、設備にコストがかかったり、セレン濃度を基準値
以下にするには多量の凝集剤を必要としたり、或いはセ
レン濃度を基準値以下にするまでの処理に時間がかかる
という問題があった。本発明はこれら従来法の問題を解
決したセレンの回収方法を提供する。 【解決手段】 本発明方法は、セレンを含む溶液に還元
性の鉄化合物を添加した後、金属捕集剤を添加し、廃水
中のセレンを金属捕集剤によって捕集して回収すること
を特徴とするセレンを含有する溶液からセレンを回収す
る方法である。本発明方法において、pH=3以下にて
還元性の鉄化合物を添加し、pH=4〜9にて金属捕集
剤を添加することが好ましく、金属捕集剤によるセレン
の捕集効果をより高めるためには、pH=4〜7で金属
捕集剤を添加し、その後pH=8〜9に調整して残存す
る鉄を沈殿除去するようにすることが好ましい。
Description
らのセレンの回収方法に関する。
色剤、半導体材料、アルミニウム等の金属の電解着色
剤、電池材料等として広く利用されており、これらの製
造加工工場から排出される廃水や、銅等の金属の電解沈
殿物の処理工程において排出される廃水には比較的高濃
度のセレンが含有されることがある。
環境汚染物質であるため、廃水中のセレンに対する厳し
い規制が設けられており、その許容量は0.1mg/l
以下に規制されている。
して、セレンを酸化鉄とともに沈殿させるフェライト
法、廃水に塩化第二鉄等の凝集剤を添加した後、溶液の
pHを調整してセレンを水酸化鉄と共沈させて回収する
凝集沈殿法(特開平6−79286号)、廃水に鉄や鉄
系金属を添加し、鉄や鉄系金属表面にセレンを析出させ
る方法(特開平7−2502号)等が知られている。
イト法は特別な設備が必要であるため、設備コストが高
くつくという問題があり、またフェライト法も凝集沈殿
法も共に、廃水中のセレンを0.1mg/l以下までに
減少させるためには、大量の凝集剤を添加しなければな
らないという問題があった。更に、鉄や鉄系金属表面に
セレンを析出させる方法は、廃水中のセレンを規制値以
下にするまでに長時間を要するという問題があり、しか
もセレンを析出させた鉄や鉄系金属は重量が大きいた
め、これらを大量に後処理する場合には処理が容易では
ないという問題もあった。
意研究した結果、還元性の鉄化合物を金属捕集剤と併用
すると、セレンを短時間で効果的に金属捕集剤によって
捕集して回収できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
含む溶液からのセレンの回収方法は、セレンを含む溶液
に還元性の鉄化合物を添加した後、金属捕集剤を添加
し、廃水中のセレンを金属捕集剤によって捕集して回収
することを特徴とする。本発明において、セレンを含む
溶液に、pH=3以下にて還元性の鉄化合物を添加し、
次いで溶液のpHを4〜9に調整して金属捕集剤を添加
することが好ましく、更に、セレンを含む溶液に、pH
=3以下にて還元性の鉄化合物を添加し、次いで溶液の
pHを4〜7に調整して金属捕集剤を添加し、しかる
後、溶液のpHを8〜9に調整することが好ましい。
物としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、臭化第一鉄、水
酸化第一鉄、硝酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム等の
鉄(II)化合物が挙げられるが、硫酸塩以外の鉄(II)
化合物が好ましく、特に塩化第一鉄、硝酸第一鉄が好ま
しい。
素、窒素、硫黄、リン等の金属配位性の原子を含む官能
基を有する化合物が挙げられる。金属捕集剤の官能基と
して一般的なものは、カルボン酸基やその塩、アミド
基、スルホン酸基、次亜リン酸基、亜リン酸基、リン酸
基、第一アミン基、第二アミン基、第三アミン基、アゾ
基、オキシム基、アミドキシム基、イミン基、エナミン
基、チオアルコール基、チオエーテル基、チオアルデヒ
ド基、チオケトン基、チオカルボン酸基やその塩、ジチ
オカルボン酸基やその塩、チオアミド基、チオシアナー
ト基、イソチオシアナート基等である。本発明におい
て、金属捕集剤としては上記した官能基を有する金属捕
集剤に限らず、金属捕集性の官能基を有するものであれ
ばいかなるものであっても使用可能である。
官能基を1個有するものであっても、2個以上有するも
のであっても良く、また異なる2種類以上の官能基を有
するものであっても良い。金属捕集剤として現在多く使
用されている化合物は、アミン類の第一アミン基、第二
アミン基等の窒素原子に、ジチオカルボン酸基やその
塩、カルボン酸基やその塩、次亜リン酸基やその塩、亜
リン酸基やその塩、オキシム基、アミドキシム基等を導
入した構造の化合物であるが、最も一般的なものはジチ
オカルボン酸基やその塩を官能基として導入した化合物
である。
は、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジブチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、ジプロピレンジアミン、ジブチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレン
テトラミン、トリブチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、テトラブチ
レンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビ
スプロピルアミン、モノメチルアミノプロピルアミン、
メチルイミノビスプロピルアミン等の脂肪族ポリアミ
ン;フェニレンジアミン、o-,m-,p-キシリレンジアミ
ン、3,5-ジアミノクロロベンゼン等の芳香族ポリアミ
ン;1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等のシク
ロアルカン系ポリアミン;1-アミノエチルピペラジン、
ピペラジン等のピペラジン類;ポリエチレンイミン、ポ
リプロピレンイミン、ポリ−3−メチルプロピルイミ
ン、ポリ−2−エチルプロピルイミン等の環状イミンの
重合体;ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の不飽
和アミンの重合体が挙げられる。また、ビニルアミン、
アリルアミン等の不飽和アミンと、ジメチルアクリルア
ミド、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸等
及びその塩類等の、不飽和アミンと共重合可能な不飽和
結合を有する他のモノマーとの共重合体も挙げられる。
環状イミンの重合体、不飽和アミンの重合体及びその共
重合体の場合、平均分子量300〜200万のものが好
ましく、1000〜50万のものがより好ましい。
アシル基、アルキル基、フェニル基等をN−置換基とし
て有するものでも良い。N−ヒドロキシアルキル置換基
は、アルキル基の炭素数が2〜28であることが好まし
く、N−アシル置換基は炭素数2〜24であることが好
ましい。またN−アルキル置換基は炭素数2〜18であ
ることが好ましい。
重縮合した重縮合ポリアミンも使用できる。エピハロヒ
ドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒド
リン、エピヨードヒドリン、ブロモメチルオキシラン、
クロロメチルオキシラン、ヨードメチルオキシラン等が
挙げられる。更にまた、アミン類としては、上記した以
外のものであっても、アミノ基、イミノ基を有していれ
ば使用可能であるが、官能基を導入し得る活性水素を有
している必要がある。
酸基は、上記アミン類に二硫化炭素を反応させることに
より導入することができ、この反応をアルカリの存在下
で行うか、反応終了後にアルカリで処理することによ
り、官能基をジチオカルボン酸塩基とすることができ
る。
独又は2種以上を混合して用いることができる。
鉄化合物は、セレンの含有量に対して重量比で、5〜1
00倍量添加することが好ましく、特に30〜50倍量
添加することが好ましい。還元性を有する鉄化合物がそ
の還元作用を充分に発揮し得るようにするため、セレン
を含有する溶液のpHを3以下とするが、特にpH=
0.5〜2とすることが好ましい。セレン含有水溶液の
pHを上記の値に調整するために用いる酸としては、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸が用いられるが、特に
塩酸が好ましい。
元性の鉄化合物を添加した後、金属捕集剤を添加する
が、金属捕集剤の添加量はセレンの含有量に対して重量
比で、0.5〜50倍量が好ましい。また金属捕集剤に
よるセレンの捕集効率を高める上で、金属捕集剤を添加
する際に、アルカリを添加して溶液のpHを4〜9とす
ることが好ましい。アルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の1族、2族
元素の水酸化物等が用いられるが、特に水酸化ナトリウ
ム、水酸化カルシウムが好ましい。
液中のセレンが反応して不溶性のフロックが形成され
る。金属捕集剤がセレンに対する捕集能を充分に発揮す
るためには、金属捕集剤を添加する際に溶液のpHを4
〜7とすることが特に好ましい。金属捕集剤を添加する
際の溶液のpHを4〜7とした場合には、金属捕集剤に
よってセレンを捕集した後に、アルカリを添加して溶液
のpHを8〜9に調整し、溶液中に残存する過剰の鉄を
沈殿除去するようにすることが好ましい。
を捕集して生成したフロックの大きさを大きくし、フロ
ックが沈殿し易くするために、金属捕集剤添加後に必要
に応じて凝集剤を添加することができる。この凝集剤と
してはアニオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集
剤、無機系凝集剤等が用いられる。沈殿したフロックは
ろ過することにより溶液から分離回収されるが、分離回
収したフロックは廃棄する場合に限らず、フロックを焙
焼し、揮発したセレンを水に溶解して亜セレン酸水溶液
とし、この水溶液に亜硫酸ガスを通じて処理することに
より、セレンを回収して再利用することもできる。
明する。
色工程廃水に、塩酸を添加してpH=2に調整した後、
20%塩化第1鉄水溶液を、1000mg/lとなるよ
うに添加して10分間攪拌した後、水酸化ナトリウムを
添加してpH=8に調整した。次に、ジエチルアミンの
窒素原子にジチオカルボン酸ナトリウムを官能基として
導入した金属捕集剤を表1に示す量添加して10分間攪
拌した。次いで高分子凝集剤(弱アニオン系高分子凝集
剤)を2mg/lとなるように添加して攪拌した後、1
0分間静置し、沈殿したフロックをろ過した。フロック
ろ過後の溶液中に残存するセレン濃度を原子吸光法によ
って測定した。結果を表1にあわせて示した。
鉄水溶液を表2に示す濃度となるように添加して10分
間攪拌した後、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加し
てpH=9に調整して10分間攪拌し、次いで実施例1
〜3で用いたと同じ凝集剤を2mg/lとなるように添
加して攪拌した後、10分間静置した。沈殿をろ過した
後に溶液中に残存するセレンの濃度を実施例1〜3と同
様にして測定した。結果を表2に示す。
に、塩酸を添加してpH=0.5に調整した後、20%
塩化第一鉄水溶液を、1200mg/lとなるように添
加して10分間攪拌した後、10%水酸化ナトリウム水
溶液を添加してpH=6に調整した。次いで、ジエチレ
ントリアミンの窒素原子にジチオカルボン酸ナトリウム
塩を官能基として導入した金属捕集剤を表3に示す量添
加して20分間攪拌した後、10分間静置した。この
後、水酸化ナトリウムを添加してpH=9に調整し、高
分子凝集剤(アニオン系高分子凝集剤)を3mg/lと
なるように添加して攪拌した後、10分間静置し、沈殿
したフロックをろ過した。フロックろ過後の溶液中に残
存するセレン濃度を原子吸光法によって測定した。結果
を表3にあわせて示した。
用いたと同じ金属捕集剤を表4に示す濃度となるように
添加して10分間攪拌した後、10%水酸化ナトリウム
を添加してpH=9に調整して10分間静置し、次いで
実施例4〜6で用いたと同じ凝集剤を3mg/lとなる
ように添加して攪拌した後、10分間静置した。沈殿を
ろ過した後に溶液中に残存するセレンの濃度を実施例4
〜6と同様にして測定した。結果を表4に示す。
に、塩酸を添加してpH=1に調整した後、20%塩化
第一鉄水溶液を、3000mg/lとなるように添加し
て10分間攪拌した後、10%水酸化カルシウム水溶液
を添加してpH=5に調整し、ポリエチレンイミン(M
W=10万)にジチオカルボン酸ナトリウム塩と酢酸ナ
トリウム塩とを官能基として8:2の比で導入した金属
捕集剤を表5に示す量添加して15分間攪拌した。次い
で、10%水酸化カルシウム水溶液を添加してpH=8
に調整した後、10分間静置して沈殿したフロックをろ
過した。フロックろ過後の溶液中に残存するセレン濃度
を原子吸光法によって測定した。結果を表5にあわせて
示した。
pH=1に調整した後、20%亜硫酸ナトリウム水溶液
を2000mg/lとなるように添加して10分間攪拌
して還元処理を行い、次いで38%塩化第二鉄水溶液を
表6に示す濃度となるように添加して10分間攪拌した
後、10%水酸化カルシウム水溶液を添加してpH=8
に調整して10分間静置した。沈殿をろ過した後に溶液
中に残存するセレンの濃度を測定した結果を表6に示
す。
ば金属捕集剤によって溶液中のセレンを短時間で効率良
く回収できる。また本発明方法では、従来の凝集沈殿法
のように多量の凝集剤を使用しなくても、溶液中の残存
セレン濃度を、容易にセレンの規制値である0.1mg
/l以下にすることが可能である。しかも煩雑な処理作
業や設置に多大な費用を要する特別な処理設備も必要と
しないため、低コストで効率の良い処理を行うことがで
きる等の効果を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】 セレンを含む溶液に還元性の鉄化合物を
添加した後、金属捕集剤を添加し、廃水中のセレンを金
属捕集剤によって捕集して回収することを特徴とする、
セレンを含む溶液からのセレンの回収方法。 - 【請求項2】 セレンを含む溶液に、pH=3以下にて
還元性の鉄化合物を添加し、次いで溶液のpHを4〜9
に調整して金属捕集剤を添加する請求項1記載のセレン
を含む溶液からのセレンの回収方法。 - 【請求項3】 セレンを含む溶液に、pH=3以下にて
還元性の鉄化合物を添加し、次いで溶液のpHを4〜7
に調整して金属捕集剤を添加し、しかる後、溶液のpH
を8〜9に調整することを特徴とする請求項1記載のセ
レンを含む溶液からのセレンの回収方法。
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---|---|---|---|
JP23479695A JP3786293B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | セレンを含む溶液からのセレンの回収方法 |
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JPH0959007A true JPH0959007A (ja) | 1997-03-04 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998050304A1 (fr) * | 1997-05-08 | 1998-11-12 | Mitsubishi Chemical Corporation | Procede de traitement d'une solution contenant du selenium |
CN100431947C (zh) * | 2006-12-07 | 2008-11-12 | 青岛大学 | 一种从海水中提取碲的方法 |
JP2009101359A (ja) * | 2009-02-03 | 2009-05-14 | Ube Ind Ltd | セメントキルン抽気ダストの処理方法 |
CN102363522A (zh) * | 2011-11-21 | 2012-02-29 | 郴州雄风稀贵金属材料股份有限公司 | 一种从低品位含硒物料中提取硒的工艺 |
JP2021023851A (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-22 | Jx金属株式会社 | セレノ硫酸を含有する溶液の処理方法 |
CN113788462A (zh) * | 2021-09-29 | 2021-12-14 | 桂林市农业科学研究中心 | 一种化学还原法制备硒纳米颗粒的制备方法 |
-
1995
- 1995-08-21 JP JP23479695A patent/JP3786293B2/ja not_active Expired - Fee Related
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