JPH0954515A - 定着保護装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、定着保護装置に関し、温度検出素
子とマイコンで定着器の電源のＯＮ／ＯＦＦ制御を行っ
て一定に保持する場合に、ハードウェア回路を追加して
マイコン暴走時に定着器への加熱信号を強制的にＯＦＦ
制御し、定着器の過熱や破損を防止することを目的とす
る。 【解決手段】 温度検出器によって検出した温度が所定
温度以上となったときに電源制御回路に電源ＯＦＦ信号
を通知して電源をＯＦＦにして加熱体の加熱を停止し、
一方、検出した温度が所定温度以下となったときに電源
制御回路に電源ＯＮ信号を通知して電源をＯＮにして加
熱体の加熱を行うマイコンと、温度検出器によって検出
した温度に対応する信号が所定加熱温度に対応する値以
上であると検出したときに、電源制御回路へ通知する信
号を強制的に電源ＯＦＦ信号にし加熱体の加熱を停止し
て定着器の過熱を防止するハードウェア回路とを備える
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
の定着器の温度を制御する定着保護装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真プロセスの熱定着方式を
使用したファクシミリ装置やプリンタ装置では、定着器
をハロゲンランプで加熱するときの温度制御を１チップ
マイコで行っている。通常の動作は、ハロゲンランプで
加熱した定着器の温度をサーミスタの抵抗変化を電圧変
化にして入力し、Ａ／Ｄ変換して１チップマイコンが所
定温度になるようにハロゲンランプのＯＮ／ＯＦＦ制御
を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、１チップマイ
コンに何らかの原因（例えば静電気、入力電源の過大ノ
イズなど）によって暴走した場合、サーミスタによって
定着器の電源をＯＮ／ＯＦＦする制御ができなくなり、
定着器が過熱されてしまい、引いては発火に至ったり、
発火に至らないうちに温度ヒューズが溶断して発火はし
ないまでも定着器などが破損してしまうという問題があ
った。

【０００４】本発明は、これらの問題を解決するため、
定着器の温度検出素子とマイコンで定着器の電源のＯＮ
／ＯＦＦ制御を行って一定に保持する場合に、ハードウ
ェア回路を追加してマイコン暴走時に定着器への加熱信
号を強制的にＯＦＦ制御し、温度制御用のマイコン暴走
時に定着器の加熱を防止し、定着器および装置の過熱に
よる破損を防止することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】図１を参照して課題を解
決するための手段を説明する。図１において、定着器１
は、電子写真プロセスの熱定着器であって、ここでは、
所定温度に加熱するハロゲンランプ１１などから構成さ
れるものである。

【０００６】電源制御回路２は、ヒータ制御信号に従っ
て定着器１に電源を供給したり、停止したりするもので
ある。サーミスタ３は、定着器１の温度を検出するもの
である。

【０００７】ＭＰＵ４１は、サーミスタ３からの信号を
もとにヒータ制御信号をＯＮ／ＯＦＦして電源制御回路
２から電源を定着器１に供給して当該定着器１の温度を
所定温度に保持させるものである。

【０００８】次に、動作を説明する。マイコンであるＭ
ＰＵ４１がサーミスタ３によって検出された定着器１の
温度に対応する信号をもとに、所定温度となるようにヒ
ータ制御信号のＯＮ／ＯＦＦを電源制御回路２に通知
し、電源を定着器１に供給したり、停止したりし、所定
温度に制御するようにしている。この際、ハードウェア
回路５がサーミスタ３によって検出した温度が所定温度
以上の信号となったときに、ＭＰＵ４１が暴走などして
正常に動作していないと見なして、強制的にヒータ制御
信号のＯＦＦ（電源ＯＦＦ信号）を電源制御回路２に通
知して電源を定着器１に供給するのを停止し、定着器１
の過熱を防止するようにしている。

【０００９】また、サーミスタ３によって定着器１の温
度に対応する信号をコンパレータＣＯＭＰに入力して基
準電圧を比較して所定温度に対応する信号よりも高い温
度と検出されたときに、強制的にヒータ制御信号をＯＦ
Ｆ（電源ＯＦＦ信号）を電源制御回路２に通知して電源
を定着器１に供給するのを停止するようにしている。

【００１０】従って、定着器１の温度検出素子であるサ
ーミスタ３とマイコンであるＭＰＵ４１で定着器１の電
源のＯＮ／ＯＦＦ制御を行って一定に保持する場合に、
ハードウェア回路５を追加してマイコン暴走時などに定
着器１への加熱信号を強制的にＯＦＦ制御することによ
り、温度制御用のマイコンであるＭＰＵ４１が暴走して
も定着器１の過熱を防止し、定着器１などの過熱による
破損を防止することが可能となる。

【００１１】

【実施の形態】次に、図１から図５を用いて本発明の実
施の形態および動作を順次詳細に説明する。

【００１２】図１は、本発明の１実施例構成図を示す。
図１において、定着器１は、電子写真プロセスの熱定着
器であって、後述する図５に示す定着ユニットに対応す
るものである。この定着器１は、ハロゲンランプ１１に
よって所定温度に加熱し、所定温度以上にオーバヒート
したときに温度ヒューズ１２が溶断して火災の発生など
を防止するようにしたものである。

【００１３】電源制御回路２は、電源を定着器１のハロ
ゲンランプ１１に供給したり、停止したりして当該定着
器１の温度を所定範囲内に保持させるものである。この
電源制御回路２は、ここでは、トライアック２２によっ
て商用電源ＡＣ１００Ｖをチョッパしてハロゲンランプ
１１に供給し、定着器１が所定温度範囲になるようにし
ている。

【００１４】サーミスタ３は、定着器１の温度を検出す
るものであって、温度を抵抗値として検出するものであ
る。ここでは、基準電源＋５Ｖを抵抗Ｒ１と、サーミス
タ３の内部抵抗Ｒとで分圧した電圧信号として、定着器
１の温度を検出している。この分圧した電圧信号は、−
ＴＨＭＳ（サーミスタ）信号としてＭＰＵ４１のＡ／Ｄ
端子に入力し、アナログ／デジタル変換してデジタル値
の温度信号として取り込ませている。これにより、ＭＰ
Ｕ４１は、定着器１の温度を検出する。

【００１５】制御プリント板４は、ＭＰＵ４１、ハード
ウェア回路５および図示の各種回路を搭載したものであ
って、定着器１の温度を所定範囲内に制御するようにヒ
ータ制御信号＊ＨＴＯＮを電源制御回路２に通知し、定
着器１のハロゲンランプ１１に供給するＡＣ電源を制御
するためのものである。

【００１６】ハードウェア回路５は、ＭＰＵ４１が暴走
などして定着器１が過熱したときに強制的に電源をＯＦ
Ｆにし定着器１の過熱を防止するものであって、サーミ
スタ３によって分圧された電圧信号と、基準電圧とをコ
ンパレータＣＯＭＰで比較して所定温度以上と検出され
て定着器１が過熱と判明したときに、ＭＰＵ４１からの
信号に関係なく、ヒータ制御信号を強制的にＯＦＦにし
て電源制御回路２に通知し、定着器１への電源の供給を
停止するものである。ここでは、基準電圧＋５Ｖを抵抗
Ｒ１と定着器１の温度に対応するサーミスタ３の内部抵
抗Ｒとで分割した電圧信号をコンパレータＣＯＭＰの−
端子に入力し、＋１２Ｖを抵抗Ｒ３と抵抗２で分割した
電圧信号をコンパレータＣＯＭＰの＋端子に入力し、サ
ーミスタ３で検出した温度が閾値以上となったときに当
該コンパレータＣＯＭＰの出力、ここでは、Ｌレベルの
信号（＊ＨＴＯＦＦ）を出力する（正常時はＨレベルの
信号を出力している）。これにより、ＡＮＤ回路の出力
が強制的にＬレベルの信号にし、インバータ４２で反転
し、電源制御回路２のトライアック２２に供給し、定着
器１に供給する電源をＯＦＦにするようにしている。

【００１７】尚、通常時は、ＡＮＤ回路から、ＭＰＵ４
１の制御用の信号に対応したＨレベルあるいはＬレベル
の信号が出力され、インバータ４２によって反転された
ヒータ制御信号＊ＨＴＯＮを電源制御回路２に通知し、
定着器１に供給する電源をＯＮ／ＯＦＦ制御し、定着器
１の温度を所定範囲に制御するようにしている。

【００１８】以上のように、ハードウェア回路５によっ
てサーミスタ３により検出した定着器１の温度が所定値
以上と判明したときに、ＭＰＵ４１からのヒータ制御信
号に無関係に、強制的にヒータ制御信号をＯＦＦ（電源
ＯＦＦ）に設定し、定着器１に供給する電源をＯＦＦに
し、過熱を防止することが可能となる。以下順次詳細に
説明する。

【００１９】図２は、本発明の動作説明図を示す。図２
の（ａ）は、通常時のフローチャートを示す。図２の
（ａ）において、Ｓ１は、サーミスタの内容抵抗Ｒと抵
抗Ｒ１の分圧電圧（温度）が、しきい値より上か判別す
る。ＹＥＳの場合には、所定温度よりも高いと判明した
ので、Ｓ２でＭＰＵ４１がヒータ通電をＯＦＦにし、定
着器１に電源の供給を停止し加熱を中止する。一方、Ｎ
Ｏの場合には、所定温度よりも低いと判明したので、Ｓ
３でＭＰＵ４１がヒータ通電をＯＮし、定着器１に電源
を供給して加熱する。

【００２０】以上の処理を繰り返すことにより、定着器
１の温度をサーミスタ３によって検出し、ＭＰＵ４１が
ヒータ通電のＯＮ／ＯＦＦを繰り返し、定着器１の温度
を所定範囲に保持するように加熱することが可能とな
る。

【００２１】図２の（ｂ）は、ＭＰＵの正常時のフロー
チャートを示す。図２の（ｂ）において、Ｓ１１は、サ
ーミスタの内容抵抗Ｒと抵抗Ｒ１の分圧電圧（温度）が
高温状態か判別する。ＹＥＳの場合には、定着器１の温
度が所定温度以上の高温状態と判明したので、Ｓ１２で
ハードウェア回路５を構成するコンパレータＣＯＭＰの
出力がＬレベル（オーバヒート）か判別し、ＹＥＳのと
きにＳ１３でヒータ通電をＯＦＦにして加熱を停止し、
一方、ＮＯのときにＳ１１を繰り返す。一方、Ｓ１１の
ＮＯの場合には、高温状態でないと判明したので、ＭＰ
Ｕ４１がヒータ通電をＯＮにし、電源を定着器１に供給
して加熱する。

【００２２】以上の処理を繰り返すことにより、ＭＰＵ
４１が正常時に、高温状態でないときはヒータ通電をＯ
Ｎにして定着器１に電源を供給して加熱し、一方、高温
状態でないとＭＰＵ４１が判定したときでも、ハードウ
ェア回路５のコンパレータＣＯＭＰがＬレベル（オーバ
ヒート）か判別し、ＹＥＳのときにＭＰＵと無関係にヒ
ータ通電のＯＦＦを出力して定着器１への電源の供給を
強制的に停止し過熱を防止する。これにより、ＭＰＵ４
１が正常であっても何らかの原因によって、ハードウェ
ア回路５によって検出された温度が所定温度以上となっ
たときに強制的にヒータ通電をＯＦＦにして定着器１の
過熱を防止することが可能となる。

【００２３】図３は、本発明のＭＰＵの暴走時のフロー
チャートを示す。図３において、Ｓ２１は、ＭＰＵが暴
走しているので、電源が定着器１に供給されたままとな
り、サーミスタ３の内部抵抗Ｒと抵抗Ｒ１の分圧電圧
（温度）が高温状態となってしまう。

【００２４】Ｓ２２は、コンパレータＣＯＭＰの出力が
Ｌレベル（オーバヒート）か判別する。これは、Ｓ２１
でＭＰＵ４１が暴走して定着器１の電源をＯＮ／ＯＦＦ
にする制御が行われず、電源が定着器１に供給されたま
まとなり、加熱が続き、過熱された高温状態となり、ハ
ードウェア回路５のコンパレータＣＯＭＰの出力がＬレ
ベルとって定着器１がオーバヒート（過熱）したことが
検出される。

【００２５】Ｓ２３は、ハードウェア回路５のコンパレ
ータＣＯＭＰがＬレベルの信号を出力し、ＡＮＤ回路に
入力し、当該ＡＮＤ回路の出力を強制的にＬレベルと
し、これをインバータで反転した信号をトライアック２
２に入力し、定着器１を構成するハロゲンランプ１１に
電源を供給するのを停止する。

【００２６】以上の処理によって、ＭＰＵ４１の暴走時
に、ハードウェア回路５を構成するコンパレータＣＯＭ
ＰがＬベルの信号出力し、強制的に電源ＯＦＦの信号を
電源制御回路２のトライアック２２に入力し、定着器１
に供給する電源をＯＦＦにする。これにより、ＭＰＵ４
１が例えば暴走しても、所定温度以上となったときにハ
ードウェア回路５が当該所定温度以上となったことを検
出して電源を強制的にＯＦＦにし、簡単な回路で確実に
定着器１の過熱を防止することが可能となる。

【００２７】図４は、本発明のＭＰＵ正常動作時及び暴
走動作時のハードウェア動作シーケンスを示す。 （１） 正常時のシーケンスと記載した部分は、サーミ
スタ３によって検出した温度がＴ２となったときにトラ
イアック２２をＯＦＦにしてヒータＯＦＦにし定着器１
の加熱を停止し、、温度がＴ０に下がったときにトライ
アック２２をＯＮにしてヒータＯＮにし定着器１の加熱
することを繰り返し、Ｔ１の規定値の温度に保持する。

【００２８】（２） 異常時のシーケンスと記載した部
分は、ＭＰＵ４１が暴走し、サーミスタ３によって検し
た温度がＴ２となってもトライアック２２がＯＦＦにさ
れず、温度がＴ３となったときに、ハードウェア回路４
のコンパレータＣＯＭＰがＬレベル（オーバヒート）と
なり、トライアック２２を強制的にＯＦＦにしてヒータ
ＯＦＦにし定着器１の加熱を停止し、当該定着器１の過
熱を防止する。

【００２９】以上のように、簡単なハードウェア回路５
を設けＭＰＵ４１が暴走しても当該ハードウェア回路５
のコンパレータＣＯＭＰからのＬベルの出力によって強
制的に定着器１に供給する電源をＯＦＦにし、定着器１
の過熱を完全に防止することが可能となる。

【００３０】図５は、本発明の定着器を利用したプリン
タ例を示す。本発明の定着器１は、図中で定着ユニット
（８）に対応する。この定着ユニット（８）は、図示の
ように、ヒートローラ、バックアップローラ、イジェク
トローラから構成されている。ハロゲンランプ１１で加
熱するのはヒートローラであって、ヒートローラにハロ
ゲンランプ１１が内蔵されている。この内蔵されている
ハロゲンランプを点灯してヒートローラを所定温度にＭ
ＰＵ４１によって電源をＯＮ／ＯＦＦ制御して制御する
ようにしている。そして、既述したように、図１の構成
中の簡単なハードウェア回路５によって、ＭＰＵ４１が
暴走してヒートローラが所定温度以上になっても強制的
にハロンゲランプ１１に供給する電源をＯＦＦにし、過
熱を確実に防止することが可能となった。

【００３１】尚、図示のプリンタは、右から左りの方向
に用紙を搬送しつつ、感光ドラムで画像に対応したトナ
ーを用紙に転写し、定着ユニットで転写したトナーを用
紙に熱定着し、排出するようにしている。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
定着器１の温度検出素子であるサーミスタ３とマイコン
であるＭＰＵ４１で定着器１の電源のＯＮ／ＯＦＦ制御
を行って一定に制御する場合に、ハードウェア回路５を
追加してマイコン暴走時などに定着器１への加熱信号を
強制的にＯＦＦ制御する構成を採用しているため、簡単
なハードウェア回路の追加により、温度制御用のマイコ
ンであるＭＰＵ４１が暴走などしても定着器１の過熱を
確実に防止し、定着器１などの過熱による破損を完全に
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例構成図である。

【図２】本発明の動作説明フローチャートである。

【図３】本発明のＭＰＵの暴走時のフローチャートであ
る。

【図４】本発明のＭＰＵ正常動作時及び暴走動作時のハ
ードウェア動作シーケンスである。

【図５】本発明の定着器を利用したプリンタ例である。

【符号の説明】

１：定着器 １１：ハロゲンランプ １２：温度ヒューズ ２：電源制御回路 ２１：ヒューズ ２２：トライアック ３：サーミスタ ４：制御プリント板 ４１：ＭＰＵ（マイコン） ４２：インバータ ５：ハードェア回路 ＣＯＭＰ：コンパレータ ＡＮＤ：ＡＮＤ回路 Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３：抵抗

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子写真プロセスの定着器の加熱体の電源
   をＯＮ／ＯＦＦ制御する電源制御回路と、 上記定着器の温度を検出する温度検出器と、 この温度検出器によって検出した温度が所定温度以上と
   なったときに上記電源制御回路に電源ＯＦＦ信号を通知
   して電源をＯＦＦにして加熱体の加熱を停止し、一方、
   検出した温度が所定温度以下となったときに上記電源制
   御回路に電源ＯＮ信号を通知して電源をＯＮにして加熱
   体の加熱を行い、所定温度に制御するマイコンと、 上記温度検出器によって検出した温度に対応する信号が
   所定温度に対応する値以上であると検出したときに、上
   記電源制御回路へ通知する信号を強制的に電源ＯＦＦ信
   号にし、電源をＯＦＦにして加熱体の加熱を停止して定
   着器の過熱を防止するハードウェア回路とを備えたこと
   を特徴とする定着保護装置。
2. 【請求項２】上記温度検出器によって検出した信号と、
   基準電圧とをコンパレータに入力して所定温度以上とな
   ったことが検出されたときに、強制的に上記電源ＯＦＦ
   信号を上記電源制御回路に通知することを特徴とする請
   求項１記載の定着保護装置。