JPH0952153A - 表面性状の優れた普通鋼薄帯板の製造方法 - Google Patents
表面性状の優れた普通鋼薄帯板の製造方法Info
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- JPH0952153A JPH0952153A JP20550495A JP20550495A JPH0952153A JP H0952153 A JPH0952153 A JP H0952153A JP 20550495 A JP20550495 A JP 20550495A JP 20550495 A JP20550495 A JP 20550495A JP H0952153 A JPH0952153 A JP H0952153A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 双ドラム式連続鋳造法によって普通鋼の薄帯
鋳片を鋳造し、この薄帯鋳片を、続いてインラインで圧
延して薄帯板を製造する方法において、鋳造での割れを
防止するとともにインライン圧延でのスケール噛み込み
疵を防止する。 【解決手段】 周面に平均深さ７０μｍ以上、最大深さ
２００μｍ以下の窪みを加工した一対の冷却ドラム２
ａ，２ｂによって湯溜り部４を形成し、該湯溜り部４に
普通鋼の溶鋼を供給して該溶鋼に可溶な非酸化性ガス雰
囲気下で薄帯鋳片６を鋳造し、続いて薄帯鋳片６をイン
ライン圧延機９で圧下率５％〜６０％の圧延を行って薄
帯板１０を製造する。
鋳片を鋳造し、この薄帯鋳片を、続いてインラインで圧
延して薄帯板を製造する方法において、鋳造での割れを
防止するとともにインライン圧延でのスケール噛み込み
疵を防止する。 【解決手段】 周面に平均深さ７０μｍ以上、最大深さ
２００μｍ以下の窪みを加工した一対の冷却ドラム２
ａ，２ｂによって湯溜り部４を形成し、該湯溜り部４に
普通鋼の溶鋼を供給して該溶鋼に可溶な非酸化性ガス雰
囲気下で薄帯鋳片６を鋳造し、続いて薄帯鋳片６をイン
ライン圧延機９で圧下率５％〜６０％の圧延を行って薄
帯板１０を製造する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の冷却ドラム
によって形成された湯溜り部に普通鋼の溶鋼を供給して
薄帯鋳片に鋳造する双ドラム式連続鋳造法に関し、特に
薄帯鋳片をその周面に窪みを加えた冷却ドラムでかつ特
定の雰囲気で鋳造したのちインラインで圧延して薄帯板
を製造する方法に関する。
によって形成された湯溜り部に普通鋼の溶鋼を供給して
薄帯鋳片に鋳造する双ドラム式連続鋳造法に関し、特に
薄帯鋳片をその周面に窪みを加えた冷却ドラムでかつ特
定の雰囲気で鋳造したのちインラインで圧延して薄帯板
を製造する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】双ドラム式連続鋳造法において、冷却ド
ラムの周面に窪みを加工することによって鋳片の表面割
れ発生を防止する方法が、例えば特開平１−８３３４０
号公報、特開平２−２２４８５２号公報等によって知ら
れている。
ラムの周面に窪みを加工することによって鋳片の表面割
れ発生を防止する方法が、例えば特開平１−８３３４０
号公報、特開平２−２２４８５２号公報等によって知ら
れている。
【０００３】このような冷却ドラムを使用して、例えば
Ｎ2 等のように溶鋼に可溶な非酸化性ガス雰囲気下で普
通鋼を鋳造すると、鋳片の割れ発生は防止できるが、鋳
造に続いてインラインで圧下率５％〜６０％の圧延を行
うと、圧延後の薄帯板にスケール噛み込み疵が生じる。
Ｎ2 等のように溶鋼に可溶な非酸化性ガス雰囲気下で普
通鋼を鋳造すると、鋳片の割れ発生は防止できるが、鋳
造に続いてインラインで圧下率５％〜６０％の圧延を行
うと、圧延後の薄帯板にスケール噛み込み疵が生じる。
【０００４】この疵は、冷却ドラムの周面に加工した窪
みによって生じた鋳片表面の凸転写部が、圧延時に倒れ
込んで生じるものと考えられる。この疵は、内部にスケ
ールを噛み込んでいるため、その後に冷延して得られた
薄板製品でも残存する。
みによって生じた鋳片表面の凸転写部が、圧延時に倒れ
込んで生じるものと考えられる。この疵は、内部にスケ
ールを噛み込んでいるため、その後に冷延して得られた
薄板製品でも残存する。
【０００５】一方この疵は、鋳造に続いてインラインで
の圧延を実施しない場合は、スケールの噛み込みはなく
問題とならない。また、インラインでの圧延を実施する
場合でも鋳造から圧延までを完全に無酸化雰囲気下で行
えば、スケールの生成およびスケールの噛み込みを防止
できると考えられるが、高温下で鋳片表面の酸化を完全
に防止する程の無酸化雰囲気を得ることはコストの面等
で実用的でない。
の圧延を実施しない場合は、スケールの噛み込みはなく
問題とならない。また、インラインでの圧延を実施する
場合でも鋳造から圧延までを完全に無酸化雰囲気下で行
えば、スケールの生成およびスケールの噛み込みを防止
できると考えられるが、高温下で鋳片表面の酸化を完全
に防止する程の無酸化雰囲気を得ることはコストの面等
で実用的でない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、双ドラム式
連続鋳造によって鋳造した普通鋼の薄帯鋳片を鋳造に続
いてインラインで圧延して薄帯板を製造する方法におい
て、鋳片の表面割れ発生を防止するとともに、圧延時に
発生するスケール噛み込み疵を防止し、表面性状の優れ
た薄帯板を製造することを課題とする。
連続鋳造によって鋳造した普通鋼の薄帯鋳片を鋳造に続
いてインラインで圧延して薄帯板を製造する方法におい
て、鋳片の表面割れ発生を防止するとともに、圧延時に
発生するスケール噛み込み疵を防止し、表面性状の優れ
た薄帯板を製造することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、一対の冷却ドラムによって形成された湯
溜り部に普通鋼の溶鋼を供給して薄帯鋳片に鋳造し、続
いて前記薄帯鋳片をインラインで圧下率５％〜６０％の
圧延を実施して薄帯板を製造する方法において、前記冷
却ドラムとしてその周面に平均深さ７０μｍ以上、最大
深さ２００μｍ以下の窪みをショットブラストによって
加工したものを用い、かつ溶鋼に可溶な非酸化性ガス雰
囲気下で鋳造することを特徴とする。
決するために、一対の冷却ドラムによって形成された湯
溜り部に普通鋼の溶鋼を供給して薄帯鋳片に鋳造し、続
いて前記薄帯鋳片をインラインで圧下率５％〜６０％の
圧延を実施して薄帯板を製造する方法において、前記冷
却ドラムとしてその周面に平均深さ７０μｍ以上、最大
深さ２００μｍ以下の窪みをショットブラストによって
加工したものを用い、かつ溶鋼に可溶な非酸化性ガス雰
囲気下で鋳造することを特徴とする。
【０００８】ここで溶鋼に可溶な非酸化性ガスとは、溶
鋼に可溶でかつ非酸化性のガス（たとえばＮ2 ）の単独
ガスか、または溶鋼に非可溶でかつ非酸化性のガス（例
えばＡｒ）との混合ガスである。混合ガスの場合は、溶
鋼に可溶でかつ非酸化性のガスが２０％以上含まれてい
れば、溶鋼に可溶でかつ非酸化性のガスが１００％の場
合と同等の効果を持ち、その効果に差は認められない。
鋼に可溶でかつ非酸化性のガス（たとえばＮ2 ）の単独
ガスか、または溶鋼に非可溶でかつ非酸化性のガス（例
えばＡｒ）との混合ガスである。混合ガスの場合は、溶
鋼に可溶でかつ非酸化性のガスが２０％以上含まれてい
れば、溶鋼に可溶でかつ非酸化性のガスが１００％の場
合と同等の効果を持ち、その効果に差は認められない。
【０００９】また、冷却ドラム周面の全域に窪みを加工
する方法としては、ショットブラスト法の他にフォトエ
ッチング法、レーザー加工法などがあるが、ショットブ
ラスト法が能率やコスト面で最も有利であり、鋳片の表
面割れ防止効果も他の方法と差が認められないため、窪
みの加工をショットブラスト加工とした。
する方法としては、ショットブラスト法の他にフォトエ
ッチング法、レーザー加工法などがあるが、ショットブ
ラスト法が能率やコスト面で最も有利であり、鋳片の表
面割れ防止効果も他の方法と差が認められないため、窪
みの加工をショットブラスト加工とした。
【００１０】冷却ドラム周面に加工した窪み深さの測定
方法は、例えば冷却ドラム周面よりレプリカを採取し、
そのレプリカを基に粗さ計を用いて測定し、平均値と最
大値等を求める。
方法は、例えば冷却ドラム周面よりレプリカを採取し、
そのレプリカを基に粗さ計を用いて測定し、平均値と最
大値等を求める。
【００１１】
【作用】図１に、本発明で使用する双ドラム式連続鋳造
装置の一部断面側面図を示している。溶鋼は取鍋からタ
ンディッシュ１及びノズル３を介して、冷却ドラム２
ａ，２ｂと冷却ドラム２ａ，２ｂの両端面に押し当てら
れたサイド堰８，８（手前側は図示せず）によって形成
された湯溜り部４に連続して注湯される。湯溜り部４内
の溶鋼は、矢印方向へ回転する冷却ドラム２ａ，２ｂに
より冷却され凝固が進行し、キッシングポイント５にお
いて薄帯鋳片６が得られる。薄帯鋳片６は、ピンチロー
ル７によって送られ引続いてインライン圧延機９で圧延
されて薄帯板１０が得られる。湯溜り部４の上部空間は
シールチャンバー１１でカバーされており、この中は溶
鋼に可溶でかつ非酸化性のガスでシールされている。
装置の一部断面側面図を示している。溶鋼は取鍋からタ
ンディッシュ１及びノズル３を介して、冷却ドラム２
ａ，２ｂと冷却ドラム２ａ，２ｂの両端面に押し当てら
れたサイド堰８，８（手前側は図示せず）によって形成
された湯溜り部４に連続して注湯される。湯溜り部４内
の溶鋼は、矢印方向へ回転する冷却ドラム２ａ，２ｂに
より冷却され凝固が進行し、キッシングポイント５にお
いて薄帯鋳片６が得られる。薄帯鋳片６は、ピンチロー
ル７によって送られ引続いてインライン圧延機９で圧延
されて薄帯板１０が得られる。湯溜り部４の上部空間は
シールチャンバー１１でカバーされており、この中は溶
鋼に可溶でかつ非酸化性のガスでシールされている。
【００１２】本発明者は、前記のようにして製造された
薄帯鋳片、薄帯板および冷延後の薄板製品の表面性状と
冷却ドラムの窪みとの関係を種々研究した結果、薄帯鋳
片の表面割れ防止のためには、（１）冷却ドラムの周面
全域に窪みを加工して、冷却ドラムと凝固シェルとの間
に窪みによるガスギャップを形成させ、凝固シェルを緩
冷却させること、（２）鋳片表面に窪みによる凸転写を
形成させることによって、凸転写の周縁部から凝固を開
始させ、且つ凝固を鋳片幅方向で均一にすることが必要
であるとの知見を得た。
薄帯鋳片、薄帯板および冷延後の薄板製品の表面性状と
冷却ドラムの窪みとの関係を種々研究した結果、薄帯鋳
片の表面割れ防止のためには、（１）冷却ドラムの周面
全域に窪みを加工して、冷却ドラムと凝固シェルとの間
に窪みによるガスギャップを形成させ、凝固シェルを緩
冷却させること、（２）鋳片表面に窪みによる凸転写を
形成させることによって、凸転写の周縁部から凝固を開
始させ、且つ凝固を鋳片幅方向で均一にすることが必要
であるとの知見を得た。
【００１３】一方、インラインで圧延した後の薄帯板お
よび冷延後の薄板製品のスケール噛み込み疵防止のため
には、（３）スケール噛み込み疵は凸転写部のうち高い
凸転写の部分、すなわち冷却ドラム周面に加工した窪み
のうち深い窪みと対応する部分から優先的に発生するこ
とから、窪み深さを浅くする必要があることの知見も得
た。
よび冷延後の薄板製品のスケール噛み込み疵防止のため
には、（３）スケール噛み込み疵は凸転写部のうち高い
凸転写の部分、すなわち冷却ドラム周面に加工した窪み
のうち深い窪みと対応する部分から優先的に発生するこ
とから、窪み深さを浅くする必要があることの知見も得
た。
【００１４】普通鋼を薄帯鋳片に連続鋳造するとき、上
記（１）および（２）のガスギャップの形成及び凸転写
の形成の作用を得るためには、平均深さ７０μｍ以上
（好ましくは１００μｍ超）の窪みを設けた冷却ドラム
を用い、溶鋼に可溶でかつ非酸化性のガス雰囲気下での
鋳造が必要である。平均深さ７０μｍ未満の窪みでは、
ガスギャップの不十分により緩冷却効果が不足して割れ
が発生する。また、鋳造雰囲気が溶鋼に非可溶性なガス
の場合は、鋳片表面に凸転写が形成されず、凸転写の周
縁部から凝固を開始させるという凝固開始点の制御がで
きないため、凝固の均一化が十分でなく鋳片の割れを完
全に防止できない。また、鋳造雰囲気が酸化性のガスの
場合、溶鋼表面が酸化され、その酸化物が鋳片表面に巻
き込まれて割れの起点となるために、割れを完全に防止
できない。こゝで、平均深さは１００μｍ超の方が望ま
しい。７０〜１００μｍの深さの場合は、操業中の外乱
で、まれに割れが発生することがあるが、１００μｍ超
の深さの場合、操業外乱が生じても割れは発生せず、表
面性状の良好な鋳片が安定して得られるのである。
記（１）および（２）のガスギャップの形成及び凸転写
の形成の作用を得るためには、平均深さ７０μｍ以上
（好ましくは１００μｍ超）の窪みを設けた冷却ドラム
を用い、溶鋼に可溶でかつ非酸化性のガス雰囲気下での
鋳造が必要である。平均深さ７０μｍ未満の窪みでは、
ガスギャップの不十分により緩冷却効果が不足して割れ
が発生する。また、鋳造雰囲気が溶鋼に非可溶性なガス
の場合は、鋳片表面に凸転写が形成されず、凸転写の周
縁部から凝固を開始させるという凝固開始点の制御がで
きないため、凝固の均一化が十分でなく鋳片の割れを完
全に防止できない。また、鋳造雰囲気が酸化性のガスの
場合、溶鋼表面が酸化され、その酸化物が鋳片表面に巻
き込まれて割れの起点となるために、割れを完全に防止
できない。こゝで、平均深さは１００μｍ超の方が望ま
しい。７０〜１００μｍの深さの場合は、操業中の外乱
で、まれに割れが発生することがあるが、１００μｍ超
の深さの場合、操業外乱が生じても割れは発生せず、表
面性状の良好な鋳片が安定して得られるのである。
【００１５】上記（３）の凸転写高さを低くし、インラ
インで圧延した鋳片および冷延後の製品表面でのスケー
ル噛み込み疵を防止するためには、冷却ドラム周面の窪
みの最大深さを２００μｍ以下にする必要がある。
インで圧延した鋳片および冷延後の製品表面でのスケー
ル噛み込み疵を防止するためには、冷却ドラム周面の窪
みの最大深さを２００μｍ以下にする必要がある。
【００１６】ここで、窪みの直径については、１００μ
ｍ〜３０００μｍ程度が好ましい。直径が小さすぎると
凸転写の形成が不安定になり、また直径が大きすぎると
凸転写の周縁部から凝固を開始させる凝固開始点の間隔
が広がりすぎて凝固開始点の制御が不安定になり、いず
れの場合も割れが発生し易くなる。
ｍ〜３０００μｍ程度が好ましい。直径が小さすぎると
凸転写の形成が不安定になり、また直径が大きすぎると
凸転写の周縁部から凝固を開始させる凝固開始点の間隔
が広がりすぎて凝固開始点の制御が不安定になり、いず
れの場合も割れが発生し易くなる。
【００１７】また、窪みの面積率については２５％〜７
５％程度が好ましい。面積率が小さいと窪み部が少なく
なるため、形成されるガスギャップが不十分になり緩冷
却効果が不足して割れが発生し易くなる。また、面積率
が大きくなりすぎると、冷却ドラムの大部分が窪み部と
なり、安定した窪みの加工及び加工後の冷却ドラム周面
の耐久性等の面で実用的でない。
５％程度が好ましい。面積率が小さいと窪み部が少なく
なるため、形成されるガスギャップが不十分になり緩冷
却効果が不足して割れが発生し易くなる。また、面積率
が大きくなりすぎると、冷却ドラムの大部分が窪み部と
なり、安定した窪みの加工及び加工後の冷却ドラム周面
の耐久性等の面で実用的でない。
【００１８】ショットブラスト法で冷却ドラム周面に窪
みを加工する場合、すべての窪み深さを全く同一深さに
加工することは困難であり、加工後の窪み深さはあるば
らつきをもったものとなる。そこで、上記平均深さ７０
μｍ以上、最大深さ２００μｍ以下の条件を満足するば
らつき範囲内の窪みを冷却ドラム周面に加工し、溶鋼に
可溶な非酸化性ガス雰囲気下で鋳造し、その後にインラ
インで圧延を実施して薄帯板を製造することにより、割
れ・スケール噛み込み疵を共に防止することが可能とな
る。
みを加工する場合、すべての窪み深さを全く同一深さに
加工することは困難であり、加工後の窪み深さはあるば
らつきをもったものとなる。そこで、上記平均深さ７０
μｍ以上、最大深さ２００μｍ以下の条件を満足するば
らつき範囲内の窪みを冷却ドラム周面に加工し、溶鋼に
可溶な非酸化性ガス雰囲気下で鋳造し、その後にインラ
インで圧延を実施して薄帯板を製造することにより、割
れ・スケール噛み込み疵を共に防止することが可能とな
る。
【００１９】
【実施例】図１に示す双ドラム式連続鋳造装置により、
板厚３．５mmの普通鋼薄帯鋳片に鋳造し、鋳造に引続い
てインラインで圧延を実施し、圧延後の板厚２．７mmの
薄帯板を製造し、その後に冷間圧延して板厚０．５mmの
薄板製品を製造した。
板厚３．５mmの普通鋼薄帯鋳片に鋳造し、鋳造に引続い
てインラインで圧延を実施し、圧延後の板厚２．７mmの
薄帯板を製造し、その後に冷間圧延して板厚０．５mmの
薄板製品を製造した。
【００２０】上記薄帯鋳片に鋳造する際、幅８００mm、
直径１２００mmの冷却ドラムの周面に表１に示す深さの
窪みをショットブラストによって加工した。
直径１２００mmの冷却ドラムの周面に表１に示す深さの
窪みをショットブラストによって加工した。
【００２１】
【表１】
【００２２】なお、本実施例での鋳造雰囲気は、溶鋼に
可溶な非酸化性のガスとしてはＮ2を使用し、溶鋼に非
可溶な非酸化性のガスとしてはＡｒを使用した。表１に
鋳造条件および表面性状を示し、図２、図３に代表的な
窪みの深さ分布を示す。図２は比較例 No.２、図３は本
発明の実施例 No.１２の例である。薄帯板および薄板製
品の表面品質は次のとおりであった。
可溶な非酸化性のガスとしてはＮ2を使用し、溶鋼に非
可溶な非酸化性のガスとしてはＡｒを使用した。表１に
鋳造条件および表面性状を示し、図２、図３に代表的な
窪みの深さ分布を示す。図２は比較例 No.２、図３は本
発明の実施例 No.１２の例である。薄帯板および薄板製
品の表面品質は次のとおりであった。
【００２３】比較例 No.１〜４の場合：Ｎ2 ガス雰囲気
下での鋳造であり凸転写は得られているが、 No.１，２
では窪みの平均深さが不足しているため割れが発生し、
さらに No.１，３，４では窪みの最大深さが大きいの
で、インライン圧延後にスケール噛み込み疵も発生し、
表面品質は不良であった。
下での鋳造であり凸転写は得られているが、 No.１，２
では窪みの平均深さが不足しているため割れが発生し、
さらに No.１，３，４では窪みの最大深さが大きいの
で、インライン圧延後にスケール噛み込み疵も発生し、
表面品質は不良であった。
【００２４】比較例 No.５〜９の場合：Ａｒガス雰囲気
下での鋳造のため、凸転写が得られず、窪み深さに関係
なくスケール噛み込み疵は発生しないが割れが発生し
た。
下での鋳造のため、凸転写が得られず、窪み深さに関係
なくスケール噛み込み疵は発生しないが割れが発生し
た。
【００２５】比較例 No.１０の場合：窪みの最大深さが
条件を満足しているので、スケール疵は発生しなかった
が、大気雰囲気下での鋳造であるので、湯溜り部の表面
に発生した酸化物の巻込みに起因する割れが発生し、表
面品質は不良であった。
条件を満足しているので、スケール疵は発生しなかった
が、大気雰囲気下での鋳造であるので、湯溜り部の表面
に発生した酸化物の巻込みに起因する割れが発生し、表
面品質は不良であった。
【００２６】本発明例 No.１１，１２の場合：窪みの平
均深さが条件を満足しており、Ｎ2ガス雰囲気下での鋳
造により凸転写も得られているので割れは発生せず、窪
みの最大深さも条件を満足しているのでインライン圧延
後のスケール噛み込み疵も発生せず表面品質は良好であ
った。但し、 No.１１の場合、窪みの平均深さが下限に
近いため、操業外乱が発生したとき、割れが生じた。ま
た、 No.１２では No.１１の場合と同様の操業外乱が発
生したとき僅かに割れが生じた。
均深さが条件を満足しており、Ｎ2ガス雰囲気下での鋳
造により凸転写も得られているので割れは発生せず、窪
みの最大深さも条件を満足しているのでインライン圧延
後のスケール噛み込み疵も発生せず表面品質は良好であ
った。但し、 No.１１の場合、窪みの平均深さが下限に
近いため、操業外乱が発生したとき、割れが生じた。ま
た、 No.１２では No.１１の場合と同様の操業外乱が発
生したとき僅かに割れが生じた。
【００２７】本発明例 No.１３の場合：窪みの平均深さ
が条件を満足しており、２０％Ｎ2＋８０％Ａｒガス雰
囲気下での鋳造により凸転写も得られているので、割れ
は発生せず、窪みの最大深さも条件を満足しているの
で、インライン圧延後のスケール噛み込み疵も発生せず
表面品質は良好であった。
が条件を満足しており、２０％Ｎ2＋８０％Ａｒガス雰
囲気下での鋳造により凸転写も得られているので、割れ
は発生せず、窪みの最大深さも条件を満足しているの
で、インライン圧延後のスケール噛み込み疵も発生せず
表面品質は良好であった。
【００２８】なお、表１の凸転写有無はインライン圧延
を実施しない部位の鋳片を酸洗後、肉眼観察により判定
した。また、割れ・スケール噛み込み疵は得られた薄帯
板を酸洗した後、肉眼観察し、さらに冷間圧延後も肉眼
観察により再度判定した。
を実施しない部位の鋳片を酸洗後、肉眼観察により判定
した。また、割れ・スケール噛み込み疵は得られた薄帯
板を酸洗した後、肉眼観察し、さらに冷間圧延後も肉眼
観察により再度判定した。
【００２９】
【発明の効果】本発明によれば、連続鋳造した製品厚さ
に近い厚さのステンレス薄帯鋳片をインラインで圧延
し、その後冷間圧延して薄板製品を製造するに際し、該
薄板製品の主な表面欠陥である表面割れを防止、かつイ
ンライン圧延・冷間圧延後に残存するスケール噛み込み
疵も同時に防止したものであるから工業的効果は極めて
大きい。
に近い厚さのステンレス薄帯鋳片をインラインで圧延
し、その後冷間圧延して薄板製品を製造するに際し、該
薄板製品の主な表面欠陥である表面割れを防止、かつイ
ンライン圧延・冷間圧延後に残存するスケール噛み込み
疵も同時に防止したものであるから工業的効果は極めて
大きい。
【図１】本発明を実施するための双ドラム式連続鋳造装
置を示す一部断面の側面図である。
置を示す一部断面の側面図である。
【図２】冷却ドラムに加工した窪み深さ分布の一例（比
較例 No.２）を示す図である。
較例 No.２）を示す図である。
【図３】冷却ドラムに加工した窪み深さ分布の他の例
（本発明例 No.１２）を示す図である。
（本発明例 No.１２）を示す図である。
１…タンディッシュ ２ａ，２ｂ…冷却ドラム ３…ノズル ４…湯溜り部 ５…キッシングポイント ６…薄帯鋳片（インライン圧延前） ７…ピンチロール ８…サイド堰（手前側は図示せず） ９…インライン圧延機 １０…薄帯板（インライン圧延後） １１…シールチャンバー
Claims (1)
- 【請求項１】 一対の冷却ドラムによって形成された湯
溜り部に普通鋼の溶鋼を供給して薄帯鋳片に鋳造し、続
いて前記薄帯鋳片をインラインで圧下率５％〜６０％の
圧延を実施して薄帯板を製造する方法において、前記冷
却ドラムとしてその周面に平均深さ７０μｍ以上、最大
深さ２００μｍ以下の窪みをショットブラスト法で加工
したものを用い、かつ溶鋼に可溶な非酸化性ガス雰囲気
下で鋳造することを特徴とする表面性状の優れた普通鋼
薄帯板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20550495A JPH0952153A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 表面性状の優れた普通鋼薄帯板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20550495A JPH0952153A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 表面性状の優れた普通鋼薄帯板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0952153A true JPH0952153A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16507963
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20550495A Withdrawn JPH0952153A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 表面性状の優れた普通鋼薄帯板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0952153A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4734496B2 (ja) * | 1999-02-05 | 2011-07-27 | キャストリップ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 鋼ストリップ連続鋳造方法 |
-
1995
- 1995-08-11 JP JP20550495A patent/JPH0952153A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4734496B2 (ja) * | 1999-02-05 | 2011-07-27 | キャストリップ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー | 鋼ストリップ連続鋳造方法 |
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