JPH0949660A - 流体加熱ヒーターユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミックまたは合成樹脂の筒体の肉厚内に
発熱体を埋め込み、その筒体内と筒体外を流体を巡回さ
せて加熱する流体加熱ヒーターを提供する。 【構成】 セラミックまたは合成樹脂性の円筒体よりな
り、該円筒体内に発熱体４を埋め込み、一方の端部に発
熱体４に接続する端子５を設け両端が開口した円筒形ヒ
ーター２を、セラミック、合成樹脂または金属よりなる
有底筒体の開口円部に流体流出口８を設けた外装筒体３
に、同軸状に挿入し、かつ、円筒形ヒーター２の円筒体
の先端と外装筒体３の有底筒体の内底との間、および円
筒形ヒーター２の円筒外周面と有底筒体の内周面との間
に間隔を設け、流体を加熱された円筒形ヒーター２の内
部から外周に循環させて加熱するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、流体加熱ヒーターユ
ニットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、流体加熱ヒーターとしては、セラ
ミックの筒体内に螺旋状の電熱線を内蔵したものがあ
り、その筒体内は一方向に液体を通過させて加熱するも
のである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の流体加熱ヒータ
ーは、液体を筒体内を一方向にのみ通過させて加熱する
ので熱効率が悪く、加熱温度が変化しやすい欠点があ
る。従来の流体加熱ヒーターは、発熱した電熱線に直接
液体を接触させてその液体を加熱させるもので、液体が
漏れ身体と接触すると感電するおそれがあり危険であ
る。また、加熱した電熱線が直接液体と接触するために
電熱線が錆等で腐蝕され易く、切断するおそれがある。
更に、セラミックの筒体内を所定量の液体例えば１分間
に０. １５リットル以上の水を流さないと、電熱線が加
熱して切断するおそれがある。

【０００４】この発明は、セラミックまたは合成樹脂の
筒体の肉厚内に電熱線、発熱素子等の発熱体を埋め込
み、その筒体内と筒体外を空気、水、酒、薬液等流体を
循環させて加熱する構造であり、熱効率と温度安定に優
れ、発熱体の腐蝕のおそれがなく、感電のおそれのない
流体加熱ヒーターユニットを提供することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】合成樹脂、セラミックま
たは金属よりなる有底筒体の開口縁部に流体流出口を設
けた外装筒体と、セラミックまたは合成樹脂製の円筒体
よりなり、該円筒体内に電熱線、発電素子等発熱体を埋
め込み、一方の端部に前記発熱体に接続する端子を設
け、両端が開口した、円筒形ヒーターを設け、該円筒形
ヒーターの円筒体を前記有底筒体に同軸状に挿入し、か
つ、前記円筒形ヒーターの円筒体の先端と前記有底筒体
の内底面との間、および、円筒形ヒーターの円筒外周面
と有底筒体の内周面との間に間隔を設け、前記円筒形ヒ
ーターの端子附近と前記有底筒体の開口縁とを密封固定
し、流体を発熱した円筒形ヒーターの内面および外面に
接触し循環して流し加熱する。外装筒体の有底筒体の内
面に螺旋状の溝を設けると、流体が均一に加熱されて好
ましい。

【０００６】

【発明の実施の形態】この発明に係る流体加熱ヒーター
ユニットの実施の形態を、図面により説明する。流体加
熱ヒーターユニット１は円筒形ヒーター２と有底の外装
筒体３とよりなる。円筒形ヒーター１は、セラミックま
たは合成樹脂よりなり、肉厚内に電熱線または発熱素子
等の発熱体４を埋め込み、円筒形ヒーター２の一方の端
部に発熱体４を電源に接続するための二つの端子５、５
を設ける。円筒形ヒーター２の端子５、５の近くの外周
にフランジ６を設ける。

【０００７】外装筒体３は、合成樹脂、セラミックまた
は金属よりなり、円筒形ヒーター２の径よりも大きい径
で、有底で、開口縁に、前記フランジ６に対応するフラ
ンジ７を設け、フランジ７の近くに開口８を設け、その
開口８に流体の流出用筒８ａを突出させる。外装筒体３
を、円筒形ヒーター２のフランジ６と外装筒体３のフラ
ンジ７とをシールパッキン９を挟んで当接させ、ビス１
０で密接固定する。

【０００８】円筒形ヒーター２および外装筒体３にフラ
ンジを設けないで、外装筒体３の開口縁と円筒形ヒータ
ー２の端子５附近をシールパッキンを挟んで密封固定し
てもよく、また、外装筒体３の開口縁と円筒形ヒーター
の端子附近を溶接して密封固定してもよい。

【０００９】その際に、円筒形ヒーター２と外装筒体３
とは同軸とし、円筒形ヒーター２の先端と外装筒体３の
底面間に間隔を有し、円筒形ヒーター２の外周面と外装
筒体３の内面間に間隔を設ける構造とする。

【００１０】この流体加熱ヒーターユニット１を使用す
る場合には、端子５を電源に接続すると、発熱体４が加
熱し、円筒形ヒーター２の筒体が加熱される。円筒形ヒ
ーター２の端子５側開口２ａより流体を円筒形ヒーター
２内へ送ると、流体は、円筒形ヒーター２内を通って外
装筒体３の底面に対向する開口２ｂより出て、円筒形ヒ
ーター２の外周面と外装筒体３の内面との間を通り、開
口８より流出用筒８ａを通って流出する。図１の矢印は
流体の流れの方向を示す。

【００１１】流体は上記の流れの過程で、先ず、加熱さ
れた円筒形ヒーター２の内面に接触して加熱され、次い
で円筒形ヒーター２の外周面に接触して加熱される。

【００１２】円筒形ヒーター２の内外面および外装筒体
３の内面のいずれか、または、すべてに、螺旋状の溝ま
たは凸条を設けるのが好ましい。この場合には、流体は
円筒形ヒーター２の内外を螺旋上に流れ、流体が均一に
円筒形ヒーター２の内外面に接触して均一に加熱され
る。

【００１３】流体の流れを円滑にするために、円筒形ヒ
ーター２の開口２ｂの縁部、外装筒体３の底部隅および
流出口８の縁部にアールをもたせるのが好ましい。

【００１４】図３は、流体加熱ヒーターユニット１を用
いた流体の瞬間加熱器２１の概略説明図である。瞬間加
熱器２１は、外部の流体源２２に接続できるパイプ２３
に、流体加熱ヒーター１の円筒形ヒーター２の開口２ａ
を接続し、流出用筒８ａの開口とポンプ２４とをパイプ
２５で連結する。ポンプ２４にパイプ２８を取付け、そ
の先端を瞬間加熱器２１外に出し、その先端に吐出口２
９を設ける。流体加熱ヒーターユニット１を、上記とは
逆にして、流体用筒８ａにパイプ２３を連結し、流体を
逆に流してもよい。

【００１５】開口２ａ付近に流入口温度センサー２６と
流出用筒８ａ側に流出口温度センサー２７を設け、パイ
プ２８のポンプ２４近くに流量センサー３０を設ける。

【００１６】流体加熱ヒーターユニット１、ポンプ２
４、流入口温度センサー２６、流出口温度センサー２
７、流量センサー３０を制御回路３１に接続し、制御回
路３１に、外部電源に接続するための電源コード３２を
取り付ける。

【００１７】外部電源に接続せずに、電池を収納し、電
池と制御回路３１とを接続してもよい。

【００１８】ポンプ２４は、外部の流体源２２と流体加
熱ヒーターユニット１との間に接続してもよい。

【００１９】この瞬間加熱器２１を使用する場合には、
ポンプ２４を作動させて流体源タンク２２内の流体を流
体加熱ヒーターユニット１内を通って吐出口２９側へ送
る。

【００２０】流入口温度センサー２６と流出口温度セン
サー２７は、流体の温度を感知して制御回路３１に信号
を送り、流入口温度センサー２６は、流入流体の温度を
検出し設定温度までに上昇させる電力量を算出して制御
する。また、流出口温度センサー２７は、流出流体の温
度を検出して設定温度との比較を行い、パネル（図示省
略せず）に表示する。

【００２１】流量センサー３０は、流体の存在および流
量を感知して制御回路３１へ信号を送り、制御回路３１
は、流量が所定の流量であることと流体の存在を確認す
るとともに、所定の流量を大幅に下回った場合、および
流体が存在しなかった場合には加熱を停止させる。

【００２２】この瞬間加熱器２１において、流体加熱ヒ
ーターユニット１が熱効率および温度安定度が優れてい
ることは前記のとおりで、流入口温度センサー２６およ
び流出口温度センサー２７は、制御回路３１に信号を送
って流体の加熱温度を適正なものとし、流出する流体温
度を常に測定してパネル（図示省略せず）に表示する。
流量センサー３０は、流体の存在の信号を制御回路３１
に送って流体加熱ヒーターユニット１の制御を行う。

【００２３】また、週間湯沸器２１において、加熱流体
の流量および温度を増加させるためには、この流体加熱
ヒーターユニット１の複数個を直列に用いればよい。ま
た、流量を増加させるためには、流体加熱ヒーターユニ
ット１の複数個を並列に用いればよい。これらの場合に
は、電源は、発熱体の定格電圧に合わせて直列、並列ま
たはデルタ結線をすればよい。

【００２４】

【発明の効果】この発明に係る流体加熱ヒーターユニッ
トは、発熱体がセラミックまたは合成樹脂製の円筒の肉
厚内に埋困れているので、発熱体が直接流体に触れない
ので、流体に通電して感電するおそれがなく、また、発
熱体が流体により腐蝕されることもない。

【００２５】流体が、発熱体を埋め込んだ円筒形ヒータ
ー内を通過した後に、同一円筒形ヒーターの外周面と有
底の外装筒体の内面との間を通過して、その際に流体が
加熱された円筒形ヒーターの内面に接触して加熱され、
更に円筒形ヒーターの外周面に接触して加熱されるの
で、短時間に流体の温度を高めることができ、熱効率お
よび温度安定度が優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】流体加熱ヒーターユニットの断面図である。

【図２】発熱体を埋設した円筒形ヒーターの側面図であ
る。

【図３】瞬間加熱器の構成説明図である。

【符号の説明】

１ 流体加熱ヒーターユニット ２ 円筒形ヒーター ３ 外装筒体 ４ 発熱体 ５ 端子 ６ フランジ ７ フランジ ８ 流出口 ８ａ 流出用筒 ９ シールパッキング １０ ビス

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂、セラミックまたは金属よりな
   る有底筒体の開口縁部に流体流出口を設けた外装筒体
   と、 セラミックまたは合成樹脂製円筒体よりなり、該円筒体
   内に電熱線、発電素子等発熱体を埋め込み、一方の端部
   に前記発熱体に接続する端子を設け、両端が開口した円
   筒形ヒーターを設け、 該円筒形ヒーターの円筒体を前記有底筒体に同軸状に挿
   入し、かつ、前記円筒形ヒーターの円筒体の先端と前記
   有底筒体の内底面との間、および、円筒形ヒーターの円
   筒外周面と有底筒体の内周面との間に間隔を設け、 前記円筒形ヒーターの端子附近と前記有底筒体の開口縁
   とを密封固定してなる流体加熱ヒーターユニット。
2. 【請求項２】 外装筒体の有底筒体の内面に螺旋状の溝
   を設けたことを特徴とする請求項１に記載の流体加熱ヒ
   ーターユニット。