JPH0934470A - 適応フィルタ - Google Patents

適応フィルタ

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JPH0934470A
JPH0934470A JP7203762A JP20376295A JPH0934470A JP H0934470 A JPH0934470 A JP H0934470A JP 7203762 A JP7203762 A JP 7203762A JP 20376295 A JP20376295 A JP 20376295A JP H0934470 A JPH0934470 A JP H0934470A
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JP
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filter
filter coefficient
calculation
coefficient
adaptive
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JP7203762A
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English (en)
Inventor
Kazuo Fukuyama
和男 福山
Yoji Yasuda
陽治 安田
Toshiyuki Tachibana
敏幸 橘
Kiyohiro Kurisu
清浩 栗栖
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Toa Corp
Original Assignee
Toa Corp
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Publication date
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  • Exhaust Silencers (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルタ係数の発散を抑制しながら常に適応
動作を安定させる。 【構成】 排気ダクト1内を伝搬する騒音を1次マイク
ロホン2で収音し、その騒音信号を増幅器3で増幅しA
/Dコンバータ4でディジタル化した後、FIR適応型
ディジタルフィルタ5に供給する。このFIR適応型デ
ィジタルフィルタ5の出力信号は、D/Aコンバータ6
でアナログ化され増幅器7で増幅されてスピーカ8に供
給され、このスピーカ8の音波により騒音を打ち消す。
更に、この消音の誤差を2次マイクロホン9で収音し、
その誤差信号を増幅器10で増幅しA/Dコンバータ1
1でディジタル化した後、フィルタ係数演算部12に供
給する。フィルタ係数演算部12は、FIR適応型ディ
ジタルフィルタ5の出力信号が所定の基本値よりも小さ
いときは第1の演算に基づいて、また上記出力信号が上
記基本値以上のときは第2の演算に基づいてフィルタ係
数の更新を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時間的に特性の変
化する信号やこれに含まれる雑音等に対し、その変化分
に応じてフィルタ係数を更新しながらフィルタリング処
理を実行する適応フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような適応フィルタは、アクティ
ブ消音装置や、エコー・キャンセラ、ノイズ・キャンセ
ラ、ライン・エンハンサ等、多くの分野で応用されてい
る。図2に、この適応フィルタを、上記アクティブ消音
装置に応用した一例を示す。このアクティブ消音装置
は、騒音源、例えばエンジン等の騒音を減衰させるもの
で、その減衰の対象とする騒音は、同図に示すように、
排気ダクト1内を同図の左側から右側に向かって伝搬し
ているものとする。
【0003】このアクティブ消音装置は、上記騒音を1
次マイクロホン(センサマイクロホン)2によって収音
し、この騒音信号を増幅器3で増幅し、A/Dコンバー
タ4でA/D変換して得たディジタル騒音信号が入力さ
れるFIR適応型ディジタルフィルタ5を有している。
このFIR適応型ディジタルフィルタ5は、入力された
ディジタル騒音信号に対して、後述するLMSアルゴリ
ズム実行部120により設定されるフィルタ係数を用い
て所定のフィルタリング処理、例えば数1に示すような
畳み込み和の演算を施すもので、その演算結果y(k)
を出力する。
【0004】
【数1】
【0005】なお、上記数1において、kはタイム(サ
ンプリング)・インデックス、nはフィルタ・タップ・
インデックス、Nはフィルタ次数、w(n,k)はnタ
ップ目のフィルタ係数である。また、x(k−n)はデ
ィジタル騒音信号で、時刻(サンプリング番号)kから
n個前の信号を示す。
【0006】そして、このFIR適応型ディジタルフィ
ルタ5の出力信号y(k)は、D/Aコンバータ6によ
りアナログ信号に変換され、増幅器7で増幅された後、
スピーカ8へ供給される。このスピーカ8は、排気ダク
ト1の上記1次マイクロホン2よりも下流側に配置され
ており、供給された信号、つまり上記出力信号y(k)
をアナログ化した信号に応じた音波を排気ダクト1内に
放射し、排気ダクト1内を伝搬する騒音に干渉させる。
【0007】このアクティブ消音装置は、上記のよう
に、スピーカ8の出力する音波を騒音に干渉させること
によってこの騒音を打ち消すもので、即ち、排気ダクト
1内の上記スピーカ8の配置位置における騒音の伝搬音
と実質的に等大で逆位相の音波が、スピーカ8から出力
されるように構成されている。従って、上述のFIR適
応型ディジタルフィルタ5においては、その出力信号y
(k)によりスピーカ8から上記のような音波が出力さ
れるように、上記数1のフィルタ係数w(n,k)が設
定される。
【0008】更に、排気ダクト1におけるスピーカ8の
配置位置よりも下流側に、上記スピーカ8の放射する音
波によって打ち消された後の騒音、つまりはスピーカ8
が放射した音波と騒音との誤差成分を収音する2次マイ
クロホン(エラーマイクロホン)9が配置されている。
この2次マイクロホン9から出力される誤差信号は、増
幅器10で増幅され、A/Dコンバータ11でディジタ
ル化された後、LMSアルゴリズム実行部120に供給
されている。また、このLMSアルゴリズム実行部12
0には、上述のディジタル騒音信号も供給されている。
【0009】LMSアルゴリズム実行部120は、上記
ディジタル騒音信号に対するFIR適応型ディジタルフ
ィルタ5でのフィルタリング処理により、結果的に得ら
れる上記誤差信号が、極力小さくなるように、上記フィ
ルタリング処理、即ち数1におけるフィルタ係数w
(n,k)を更新するものである。つまり、上記フィル
タ係数w(n,k)に替えて、次回のフィルタリング処
理(例えばk+1)に用いる新たなフィルタ係数w
(n,k+1)を算出し、この算出したフィルタ係数w
(n,k+1)をFIR適応型ディジタルフィルタ5に
設定制御するものである。なお、このフィルタ係数w
(n,k+1)の算出は、適応フィルタのフィルタ係数
算出アルゴリズムとして一般に知られているLMSアル
ゴリズムに基づいて行われ、このLMSアルゴリズム
は、次の数2で表される。
【0010】
【数2】w(n,k+1)=w(n,k)+2・μ・e
(k)・x(k−n)
【0011】但し、w(n,k+1)は更新後のnタッ
プ目のフィルタ係数、w(n,k)は更新前のnタップ
目のフィルタ係数、μは収束係数、e(k)は時刻kに
おける誤差信号、x(k−n)は時刻kの騒音信号から
n個前の騒音信号である。
【0012】なお、この数2に示すLMSアルゴリズム
の演算により新たなフィルタ係数w(n,k+1)を算
出するためには、上記制御系の構成をFiltered
−x−LMSアルゴリズムの構成とする必要があり、こ
れを実現するためには、音響系伝搬路(排気ダクト1
内)とこれ以外の電気系伝搬路との伝達関数の整合を取
る必要がある。従って、このアクティブ消音装置におい
ては、スピーカ8の増幅器7の出力端子から1次マイク
ロホン2の増幅器3の入力端子までの間の伝達関数G1
(z)を補償するために、上記伝達関数G1 (z)を模
擬したFIRディジタルフィルタ14が設けられてい
る。このFIRディジタルフィルタ14は、FIR適応
型ディジタルフィルタ5の入出力端子間に設けられてお
り、即ちFIR適応型ディジタルフィルタ5には、加算
点15においてA/Dコンバータ4の出力するディジタ
ル騒音信号から上記FIRディジタルフィルタ14の出
力を減じた信号が入力されるように構成されている。
【0013】また、スピーカ8の増幅器7の出力端子か
ら2次マイクロホン9の増幅器10の入力端子までの間
の伝達関数G2 (z)についても、これを補償するため
に、上記1次マイクロホン2からの騒音信号をディジタ
ル化するA/Dコンバータ4とLMSアルゴリズム実行
部120との間に、上記伝達関数G2 (z)を模擬した
FIRディジタルフィルタ13を設けている。上記Fi
ltered−x−LMSアルゴリズムの構成を実現す
るためのこれらのFIRディジタルフィルタ13、14
については、公知の技術であるので、これ以上の詳しい
説明については省略する。
【0014】なお、上述したFIR適応型ディジタルフ
ィルタ5、LMSアルゴリズム実行部120、FIRデ
ィジタルフィルタ13、14、及び加算点15について
は、例えばDSP(ディジタル信号処理装置)やCPU
(中央演算処理総理)等によって構成されている。
【0015】上記のように、このアクティブ消音装置に
おいては、排気ダクト1内を伝搬する騒音と実質的に等
大で逆位相の音波がスピーカ8から放射されるように、
上記騒音を収音した1次マイクロホン2の騒音信号(詳
しくはディジタル騒音信号)に対してFIR適応型ディ
ジタルフィルタ5によりフィルタリング処理を施してい
る。更に、上記騒音を上記スピーカ8の音波で打ち消し
た後の騒音、即ち2次マイクロホン9から出力される誤
差信号が極力小さくなるように、LMSアルゴリズム実
行部120(数2)により、上記FIR適応型ディジタ
ルフィルタ5(数1)に設定するフィルタ係数w(n,
k)を逐次、例えば1サンプリング(k=k+1)毎に
更新している。従って、排気ダクト1内の音響特性やス
ピーカ8の音波放射特性等に経時的な変化が生じても、
これらの変化に対応してフィルタ係数w(n,k)が更
新されるので、常に安定した消音効果が得られる。
【0016】ところで、排気ダクト1内に突然何らかの
高レベルの外乱ノイズが混入したり、また騒音源の発す
る騒音のレベルに何らかの原因による急激な変化が生じ
たとき、これに応じてフィルタ係数w(n,k)も急激
に変化する。しかし、この急激な変化の度合いが激し過
ぎると、上記外乱ノイズが無くなったり、また騒音レベ
ルが元の安定した状態に戻っても、フィルタ係数w
(n,k)は元の安定した状態に戻らず、そのまま発散
してしまうことがある。そして、この発散を始めると、
n個あるフィルタ係数w(n,k)のうちの一部又は全
部が次第に大きくなり、ひいてはフィルタ係数w(n,
k)としてDSPやCPUに設定され得る適正な値の範
囲を越えてしまうという所謂桁あふれを起こしてしま
う。この桁あふれの状態においては、フィルタ係数w
(n,k)を正常に制御することが不可能となり、これ
によってスピーカ8から放射される音波の出力レベルが
大きくなり、スピーカ8は上記騒音を消音するどころか
不要な雑音を出力し続けてしまう。
【0017】上記のような問題を回避するために、従
来、フィルタ係数w(n,k)が発散しそうになると、
例えばフィルタ係数w(n,k)の更新(k=k+1)
を停止するという対策が取られていた。また、例えば1
サンプリング(k=k+1)毎に行っていたフィルタ係
数w(n,k)の更新回数を、数サンプリング(k=k
+m;但し、mは複数)毎に行うなどにより間引いた
り、或いは、上記数2に示すLMSアルゴリズムの収束
係数μを小さくする等の対策も取られていた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記フィルタ
係数w(n,k)の更新(k=k+1)を停止する方法
においては、この更新停止により上記アクティブ消音装
置が適応フィルタとしての適応動作を実行しなくなり、
これによって適応フィルタとしての効果が得られなくな
ってしまうという問題がある。また、フィルタ係数w
(n,k)の更新回数を間引いたり、或いはLMSアル
ゴリズムの収束係数μを小さくする方法については、フ
ィルタ係数w(n,k)の発散速度を遅らせるだけでい
ずれは発散することになるので、フィルタ係数w(n,
k)の発散に対する本質的な解決には至らないという問
題がある。
【0019】本発明は、フィルタ係数w(n,k)が発
散しそうになると、このフィルタ係数w(n,k)を算
出するアルゴリズムを、上記発散を抑える作用を有する
アルゴリズムに変更し、これによってフィルタ係数w
(n,k)の発散を抑制しながら常に安定した適応動作
を行う適応フィルタを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明の適応フィル
タは、設定されたフィルタ係数を用いて入力信号に対し
所定のフィルタリング処理を実行するFIR適応型ディ
ジタルフィルタと、該FIR適応型ディジタルフィルタ
の出力信号を入力し、この出力信号の絶対値が予め定め
た基本値、例えば上記出力信号の絶対値を適正な信号レ
ベルとして見なすことのできる最大の値よりも小さい正
の値、に比べて小さいとき、上記設定済みのフィルタ係
数に対して第1の演算を施して得た値を上記FIR適応
型ディジタルフィルタの新たなフィルタ係数として設定
し、上記出力信号の絶対値が上記基本値以上のとき、上
記設定済みのフィルタ係数に対して第2の演算を施して
得た値を上記FIR適応型ディジタルフィルタの新たな
フィルタ係数として設定するフィルタ係数演算部と、を
具備し、上記第1及び第2の演算は、これらにより同一
のフィルタ係数に対して演算を施したとき、上記第1の
演算を施して得た値に比べて、上記第2の演算を施して
得た値の方が小さくなる状態に構成されたことを特徴と
するものである。
【0021】即ち、この第1の発明によれば、FIR適
応型ディジタルフィルタは、設定されたフィルタ係数に
基づいて入力信号に対し所定のフィルタリング処理を実
行する。そして、フィルタ係数演算部は、上記FIR適
応型ディジタルフィルタの出力信号の絶対値が、予め定
めた基本値、例えば上記出力信号の絶対値を適正な信号
レベルとして見なすことのできる最大の値よりも小さい
正の値、に比べて小さいとき、上記フィルタ係数に対し
て第1の演算を施して得た係数を上記FIR適応型ディ
ジタルフィルタの新たなフィルタ係数として設定する。
一方、上記出力信号の絶対値が、上記基本値以上のと
き、上記フィルタ係数に対して第2の演算を施して得た
係数を上記FIR適応型ディジタルフィルタの新たなフ
ィルタ係数として設定する。
【0022】なお、同一のフィルタ係数に対して上記第
1及び第2の演算を施したとき、第1の演算を施して得
た値に比べて、第2の演算を施して得た値の方が小さく
なる。即ち、第2の演算は、第1の演算に比べて、より
小さいフィルタ係数を算出するように作用する。
【0023】ここで、上記FIR適応型ディジタルフィ
ルタの出力信号の絶対値は、設定されるフィルタ係数の
発散の程度に関連しており、即ち、フィルタ係数が発散
し始めると、上記出力信号の絶対値の時間平均は次第に
大きくなる。従って、上記出力信号の絶対値を監視する
ことは、間接的にフィルタ係数の発散の程度を監視する
ことになる。つまり、上記出力信号の絶対値が上記基本
値よりも小さいとき、フィルタ係数は安定状態にあり、
この状態においては、フィルタ係数演算部は、第1の演
算によりフィルタ係数を算出する。
【0024】一方、上記出力信号の絶対値が上記基本値
以上のとき、フィルタ係数は不安定状態、即ち発散傾向
にあり、この状態においては、フィルタ係数演算部は、
上記第1の演算よりも小さいフィルタ係数を算出するよ
う作用する第2の演算によりフィルタ係数を算出する。
従って、この第2の演算によって算出されたフィルタ係
数は、第1の演算によって算出される場合よりも小さく
なり、即ち上記発散傾向が抑制される。なお、この第2
の演算によって算出されたフィルタ係数を用いてフィル
タリング処理を実行したFIR適応型ディジタルフィル
タの出力信号の絶対値が、尚も上記基本値以上である場
合、即ち上記算出されたフィルタ係数が尚も不安定状態
にある場合は、上記フィルタ係数演算部は、この算出さ
れたフィルタ係数に対して再度第2の演算を施すので、
これにより再度算出されたフィルタ係数は上記よりも更
に小さくなる。この第2の演算によるフィルタ係数の算
出は、上記FIR適応型ディジタルフィルタの出力信号
の絶対値が上記基本値よりも小さくなるまで、即ちフィ
ルタ係数が安定状態に落ち着くまで(発散傾向が落ち着
くまで)続けられる。なお、フィルタ係数が安定状態に
落ち着いた後は、フィルタ係数演算部は、第1の演算に
よりフィルタ係数の算出を行う。
【0025】第2の発明の適応フィルタは、第1の発明
の適応フィルタにおいて、上記第2の演算が、上記第1
の演算の一部又は全部に対して1よりも小さい正の値の
補正係数を乗じる演算であることを特徴とするものであ
る。即ち、上記補正係数をBとすると、この補正係数B
は、〔0<B<1〕で表される。
【0026】即ち、この第2の発明によれば、第2の演
算が、第1の演算の一部又は全部に対して補正係数B
(0<B<1)を乗じた演算であり、上記第1の発明と
同様な作用を奏する。
【0027】第3の発明の適応フィルタは、第2の発明
の適応フィルタにおいて、上記FIR適応型ディジタル
フィルタの出力信号の絶対値から上記基本値を引いた値
が大きくなるほど、上記補正係数Bが小さくなるように
構成されたものである。
【0028】即ち、この第3の発明によれば、上記FI
R適応型ディジタルフィルタの出力信号がそれを適正な
信号レベルとして見なすことのできる範囲からどの程度
大きく逸脱しているかに応じて、上記補正係数B、つま
りは上記フィルタ係数を算出する演算の内容を変えてい
る。
【0029】第4の発明の適応フィルタは、第1、第2
又は第3の適応フィルタにおいて、上記基本値が、可変
可能であることを特徴とするものである。
【0030】即ち、この第4の発明によれば、上記基本
値を大きく設定するほど、第1の演算による演算の対象
範囲、つまりフィルタ係数が安定状態であると見なされ
る範囲は広くなる。従って、入力信号が比較的に大きく
変動した場合でも、第1の演算による演算によってフィ
ルタ係数の更新制御が行われる場合が多くなる。一方、
上記基本値を小さく設定するほど、第1のアルゴリズム
による演算の対象範囲、即ちフィルタ係数が安定状態と
見なされる範囲は狭くなり、つまりはフィルタ係数が発
散傾向にあると見なされる範囲が広くなる。従って、入
力信号の変動が比較的に小さな場合でも、第2の演算に
よる演算によってフィルタ係数の更新制御が行われる場
合が多くなる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明に係る適応フィルタをアク
ティブ消音装置に応用した場合の実施の形態について、
その一例を図1を参照して説明する。このアクティブ消
音装置は、同図に示すように、上述の図2に示す従来の
アクティブ消音装置のLMSアルゴリズム実行部120
に変えてフィルタ係数演算部12を設け、このフィルタ
係数演算部12に対してFIR適応型ディジタルフィル
タ5の出力信号も供給するように構成したものである。
なお、これ以外の構成については、上記図2の従来装置
と同様であり、同等部分には同一符号を付し、その構成
についての詳細な説明を省略する。
【0032】上記フィルタ係数演算部12は、上記図2
の従来装置におけるLMSアルゴリズム実行部120と
同様に、FIR適応型ディジタルフィルタ5に設定する
フィルタ係数w(n,k)を逐次、例えばサンプリング
周波数fをf=3kHzとすると、例えば1サンプリン
グ(k=k+1)毎に更新するものである。即ち、供給
されたディジタル騒音信号x(k−n)及び誤差信号e
(k)を基に、この誤差信号e(k)を極力小さくする
よう新たなフィルタ係数w(n,k+1)を算出し、こ
れを上記FIR適応型ディジタルフィルタ5に設定(更
新)するものである。従って、このフィルタ係数演算部
12は、上記更新用のフィルタ係数w(n,k+1)の
算出アルゴリズムを実行する演算実行手段を有している
が、この演算実行手段は、その算出アルゴリズムとし
て、上記数2に示す1つのLMSアルゴリズムを有する
従来技術とは異なり、第1及び第2の2つのアルゴリズ
ムを有している。
【0033】第1のアルゴリズムとは、上記数2に示す
従来技術におけるLMSアルゴリズムと同様であり、即
ち次の数3で表される。
【0034】
【数3】w(n,k+1)=w(n,k)+2・μ・e
(k)・x(k−n)
【0035】一方、第2のアルゴリズムは、上記数3の
アルゴリズムに対して、1よりも小さい正の値B(0<
B<1)を乗じたもので、即ち次の数4で表される。
【0036】
【数4】w(n,k+1)=B{w(n,k)+2・μ
・e(k)・x(k−n)}
【0037】つまり、上記数4で表される第2のアルゴ
リズムは、数3に示す第1のアルゴリズムを係数Bで補
正したものであるので(以下、Bを補正係数と称す)、
第2のアルゴリズムは、第1のアルゴリズムに比べて、
より小さいフィルタ係数w(n,k+1)を算出するよ
う作用する。従って、例えば同一のフィルタ係数w
(n,k)に対して上記第1及び第2のアルゴリズムに
よる演算を各々施した場合、第2のアルゴリズムによっ
て算出されたフィルタ係数w(n,k+1)は、第1の
アルゴリズムによって算出されたフィルタ係数w(n,
k+1)に比べて小さい値となる。
【0038】また、フィルタ係数演算部12は、上記演
算実行手段の他に、供給されたFIR適応型ディジタル
フィルタ5の出力信号y(k)の絶対値|y(k)|
が、予め定めた基本値Aと比較して大きいか否かを比較
判定する判定手段をも有している。ここで、上記基本値
Aとは、例えば上記出力信号の絶対値|y(k)|を、
それが適正な信号レベルであると見なすことのできる最
大の値|y(k)|maxよりも小さい値で、例えばA=
0.7・|y(k)|max である。
【0039】フィルタ係数演算部12においては、上記
判定手段によって、上記出力信号の絶対値|y(k)|
が基本値Aよりも小さいと判定されたとき(|y(k)
|<A)、演算実行手段は、上記数3に示す第1のアル
ゴリズムにより新たなフィルタ係数w(n,k+1)を
算出するように構成されている。一方、上記出力信号の
絶対値|y(k)|が基本値A以上であると判定された
とき(|y(k)|≧A)、上記数4に示す第2のアル
ゴリズムにより新たなフィルタ係数w(n,k+1)を
算出するように構成されている。そして、上記のように
算出されたフィルタ係数w(n,k+1)が、FIR適
応型ディジタルフィルタ5に新たに設定され、即ちフィ
ルタ係数w(n,k)の更新(k=k+1)が行われ
る。
【0040】上記のように構成されたアクティブ消音装
置において、排気ダクト1内を伝搬する騒音が比較的に
安定しているとき、即ちFIR適応型ディジタルフィル
タ5に供給されるディジタル騒音信号x(k−n)が比
較的に安定しているときは、フィルタ係数w(n,k)
も安定状態にある。この状態においては、FIR適応型
ディジタルフィルタ5の出力信号の絶対値|y(k)|
も比較的に小さい値に落ち着くので、この絶対値|y
(k)|は、フィルタ係数演算部12の判定手段により
上記基本値Aよりも小さいと判定される(|y(k)|
<A)。そして、この判定により、演算実行手段は、上
記数3に示す第1のアルゴリズムにより上記フィルタ係
数w(n,k)に対して演算を施し、この演算によって
算出された新たなフィルタ係数w(n,k+1)をFI
R適応型ディジタルフィルタ5に設定する。即ち、上記
安定状態においては、フィルタ係数w(n,k)は、第
1のアルゴリズムに基づいて更新される。
【0041】ここで、今、排気ダクト1内に突然何らか
の高レベルの外乱ノイズが混入し、または騒音源の発す
る騒音のレベルに何らかの原因による急激な変化が生
じ、これによってディジタル騒音信号x(k−n)が大
きく変動したとする。この変動に応じて、フィルタ係数
w(n,k)も大きく変動し、ひいては発散傾向を示す
ようになると、これに伴い、FIR適応型ディジタルフ
ィルタ5の出力信号の絶対値|y(k)|も大きくな
り、ひいてはフィルタ係数演算部12の判定手段によっ
て上記基本値A以上であると判定される(|y(k)|
≧A)。つまり、上記のように|y(k)|≧Aと判定
されたときは、フィルタ係数w(n,k)が発散傾向に
あると見なされ、即ちFIR適応型ディジタルフィルタ
5の出力信号の絶対値|y(k)|を監視することによ
り、間接的にフィルタ係数w(n,k)の発散傾向を監
視することができる。
【0042】上記のように|y(k)|≧Aと判定され
ると、フィルタ係数演算部12の演算実行手段は、数4
に示す第2のアルゴリズムにより上記フィルタ係数w
(n,k)に対して演算を施し、この演算によって算出
された新たなフィルタ係数w(n,k+1)をFIR適
応型ディジタルフィルタ5に設定する。この第2のアル
ゴリズムにより算出されたフィルタ係数w(n,k+
1)は、第1のアルゴリズムにより算出された値に比べ
て小さい値となり、例えば上記数4における補正係数B
をB=0.99とすると0.01(1%)だけ小さくな
る。従って、上記フィルタ係数w(n,k)の増大、即
ち発散が抑制される。
【0043】そして、FIR適応型ディジタルフィルタ
5は、この第2のアルゴリズムによって算出されたフィ
ルタ係数w(n,k+1)を数1におけるフィルタ係数
w(n,k)に置き換えて再度フィルタリング処理を実
行する。ここで、フィルタ係数演算部12の判定手段
が、上記FIR適応型ディジタルフィルタ5の出力信号
の絶対値|y(k)|が尚も上記基本値A以上であると
判定した場合(|y(k)|≦A)、即ち新たに更新さ
れたフィルタ係数w(n,k)が尚も発散傾向にある場
合は、フィルタ係数演算部12の演算実行手段は、上記
フィルタ係数w(n,k)に対して再度第2のアルゴリ
ズムによる演算を施す。従って、上記フィルタ係数w
(n,k)に対して、再度上記補正係数B(B=0.9
9)が乗じられることになるので、これにより再度算出
された新たなフィルタ係数w(n,k+1)は上記より
も更に小さくなる。よって、上記第2のアルゴリズムに
よるフィルタ係数w(n,k)の更新を続けることによ
り、フィルタ係数w(n,k)の発散は抑制され続け
る。
【0044】上記第2のアルゴリズムによるフィルタ係
数w(n,k)の更新は、上記FIR適応型ディジタル
フィルタ5の出力信号の絶対値|y(k)|が上記基本
値Aよりも小さくなるまで、即ちフィルタ係数w(n,
k)が安定状態に落ち着くまで(発散が収束するまで)
続けられる。そして、フィルタ係数w(n,k)が安定
状態に落ち着き、即ちFIR適応型ディジタルフィルタ
5の出力信号の絶対値|y(k)|が基本値Aよりも小
さくなると、フィルタ係数w(n,k)は、再び第1の
アルゴリズムに基づいて更新される。
【0045】上記のように、本実施の形態を示すアクテ
ィブ消音装置においては、フィルタ係数w(n,k)が
安定状態にあるときは、上述の従来技術におけるLMS
アルゴリズムと同様の第1のアルゴリズムに基づいてそ
の更新が行われる。そして、フィルタ係数w(n,k)
が不安定状態にあり、即ち発散しそうになると、上記第
1のアルゴリズムに対して補正係数B=0.99を乗じ
た第2のアルゴリズムに基づいてフィルタ係数w(n,
k)の更新が行われるように構成されている。従って、
フィルタ係数w(n,k)の発散を抑制することができ
る。
【0046】また、上記第2のアルゴリズムは、第1の
アルゴリズム(LMSアルゴリズム)に対して補正係数
Bを乗じたアルゴリズムであるので、第2のアルゴリズ
ムによりフィルタ係数w(n,k)の更新が行われてい
るときも、その適応動作は確保される。従って、上記フ
ィルタ係数w(n,k)の発散を抑制しながらも、常に
安定した適応動作を確保することができる。
【0047】そして、上記フィルタ係数w(n,k)が
安定状態にあるのか又は不安定状態にあるのかの判定に
ついては、このフィルタ係数w(n,k)を直接監視す
るのではなく、FIR適応型ディジタルフィルタ5の出
力信号の絶対値|y(k)|を監視することによって行
っている。即ち、全てのフィルタ係数w(n,k)を監
視するのではなく、上記出力信号の絶対値|y(k)|
だけを監視しているので、上記判定のための演算量が非
常に少なくて済む。従って、上記判定を実行する判定手
段、即ちフィルタ係数演算部12を構成するDSPやC
PU等に対する演算負担が極めて少ない。
【0048】また、上記第2のアルゴリズムについて
は、第1のアルゴリズムに対して補正係数Bを乗じるだ
けである。従って、上記と同様に、この第2のアルゴリ
ズムを実行する演算実行手段、即ちフィルタ係数演算部
12を構成するDSPやCPUに対する演算の負担が非
常に少ない。
【0049】なお、本実施の形態を示すアクティブ消音
装置においては、上記のように、第2のアルゴリズム
を、数3に示す第1のアルゴリズム全体に対して補正係
数Bを乗じたアルゴリズムとしたが、例えば次の数5に
示すように、数3における更新前のフィルタ係数w
(n,k)の項のみに上記補正係数Bを乗じるようなア
ルゴリズムとしてもよい。
【0050】
【数5】w(n,k+1)=B・w(n,k)
【0051】また、次の数6に示すように、数3におけ
る更新前のフィルタ係数w(n,k)の項に上記補正係
数Bを乗じ、かつ、更新するアルゴリズムとしてもよ
い。
【数6】w(n,k+1)=B・w(n,k)+2・μ
・e(k)・x(k−n)
【0052】また、第1のアルゴリズム、即ちフィルタ
係数w(n,k)の更新アルゴリズムとして、数3に示
すようなLMSアルゴリズムを用いたが、これに限ら
ず、他のアルゴリズム、例えば最急降下法や学習同定
法、RLS法、高速RLS法等を用いてもよい。
【0053】そして、本実施の形態を示す一例では、適
応フィルタをアクティブ消音装置に用いる場合について
説明したが、アクティブ消音装置に限らず、例えばエコ
ー・キャンセラやノイズ・キャンセラ、ライン・エンハ
ンサ等、FIR適応型ディジタルフィルタを用いて制御
される全てのシステムについて上記適応フィルタを適用
することができる。
【0054】更に、上記補正係数Bについては、全ての
タップnのフィルタ係数w(n,k)に対して補正係数
Bが乗じたが、一部のタップnのフィルタ係数w(n,
k)のみに上記補正係数Bを乗じるように構成してもよ
い。例えばタップ数nが512個あるとき、フィルタ係
数w(n,k)の数も512になるが、このうち、例え
ば前半(0乃至255番目)のフィルタ係数w(n,
k)のみが発散し易いのであれば、この前半のフィルタ
係数w(n,k)のみを上記数4に示す第2のアルゴリ
ズムに基づいて演算する。そして、上記以外の後半(2
56乃至511番目)のフィルタ係数w(n,k)につ
いては、上記数3に示す第1のアルゴリズム基づいて演
算するように構成してもよい。このように、第2のアル
ゴリズムによる演算の対象となるフィルタ係数w(n,
k)の数を少なくすることによって、上記演算を実行す
る演算実行手段、即ちフィルタ係数演算部12を構成す
るDSPやCPUに対する演算負担を小さくすることが
できる。
【0055】そして、上記補正係数Bについては、B=
0.99としたが、これ以外の値でもよい。特にフィル
タ係数w(n,k)の発散傾向が強い場合には、上記補
正係数Bをより小さい値とすることによって、上記発散
をより強く抑制することができる。
【0056】また、この補正係数Bを、B=一定とする
のではなく、変化させてもよい。例えば、FIR適応型
ディジタルフィルタ5の出力信号の絶対値|y(k)|
と上記基本値Aとの差(|y(k)|−A)に応じて、
上記補正係数Bが小さくなるように構成してもよい。こ
のように構成することによって、上記出力信号y(k)
がそれを適正な信号レベルとして見なすことのできる範
囲からどの程度大きく逸脱しているかに応じて、フィル
タ係数w(n,k)を算出する演算内容を変化させるこ
とができる。従って、上記出力信号y(k)の逸脱範囲
に応じた適応動作を実現することができる。
【0057】更に、上記基本値Aは、A=0.7|y
(k)|max としたが、A<|y(k)|max を満足す
るのであれば上記に限らない。また、この基本値AをA
=一定とするのではなく、例えばオペレータのツマミ操
作等により可変可能としてもよい。このように基本値A
を変化させることによって、フィルタ係数w(n,k)
が安定状態である(又は不安定状態である)と見なされ
る範囲を変化させることができる。従って、この適応フ
ィルタを応用するシステム(この一例においてはアクテ
ィブ消音装置)の安定度に応じて、第1及び第2のアル
ゴリズムのうちどちらの演算による適応動作を実行する
のかを、即ちこの適応フィルタの適応能力を設定するこ
とができる。
【0058】
【発明の効果】第1の発明の適応フィルタは、フィルタ
係数が安定状態にあるときは、第1の演算によって新た
なフィルタ係数を算出し、一方、フィルタ係数が不安定
状態にあるときは、第2の演算によって新たなフィルタ
係数を算出し、これによって、フィルタ係数の発散を抑
制するように構成されている。このように構成されてい
るので、入力信号に急激な変動が生じ、この変動に応じ
てフィルタ係数が急激に変動し発散しようとしても、適
応動作を停止したりフィルタ係数の発散速度を遅らせた
りするだけの上述の従来とは異なり、常に適応動作を確
保しながら上記フィルタ係数の発散を抑制することがで
きるという効果がある。
【0059】そして、上記フィルタ係数が安定状態にあ
るのか又は不安定状態にあるのかの判定については、こ
のフィルタ係数を直接監視するのではなく、FIR適応
型ディジタルフィルタの出力信号を監視することによっ
て上記判定を行っている。即ち、全てのフィルタ係数を
監視するのではなく、FIR適応型ディジタルフィルタ
の出力信号だけを監視することによって上記判定を行っ
ているので、この判定のための演算量が非常に少なくて
済む。従って、上記判定を実行するフィルタ係数演算部
を構成しているDSPやCPU等に対する演算負担が極
めて少ない。
【0060】第2の発明の適応フィルタは、第2のアル
ゴリズムによる演算において、第1のアルゴリズムの一
部又は全部に対して補正係数B(0<B<1)を乗じる
ことによって、上記第1の発明と同様な作用を奏するよ
うに構成されている。このように、上記第2の演算は、
第1の演算の一部又は全部に対して補正係数Bを乗じる
だけの演算なので、この演算を実行するフィルタ係数演
算部を構成しているDSPやCPU等に対する演算負担
がより少なくなるという効果がある。
【0061】第3の発明の適応フィルタは、FIR適応
型ディジタルフィルタの出力信号の絶対値と上記基本値
との差に応じて、上記補正係数Bが小さくなるように構
成されている。即ち、上記出力信号がそれを適正な信号
レベルとして見なすことのできる範囲からどの程度大き
く逸脱しているかに応じて、フィルタ係数を算出する演
算の内容を変化させていることになるので、上記出力信
号の逸脱範囲に応じた適応動作を実現することができる
という効果がある。
【0062】第4の発明の適応フィルタは、上記基本値
を変化させることによって、フィルタ係数が安定状態で
ある(又は不安定状態である)と見なされる範囲を変化
させることができるように構成されている。このように
構成されているので、この適応フィルタを応用するシス
テムの安定度に応じて、第1及び第2の演算のうちどち
らの演算による適応動作を実行するのかを、即ちこの適
応フィルタの適応能力を設定することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る適応フィルタをアクティブ消音装
置に応用した実施の形態の一例を示す概略構成図であ
る。
【図2】従来の適応フィルタを応用したアクティブ消音
装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 排気ダクト 2 1次マイクロホン(センサマイクロホン) 3、7、10 増幅器 4、11 A/Dコンバータ 5 FIR適応型ディジタルフィルタ 6 D/Aコンバータ 8 スピーカ 9 2次マイクロホン(エラーマイクロホン) 12 フィルタ係数演算部 13、14 FIRディジタルフィルタ
フロントページの続き (72)発明者 栗栖 清浩 兵庫県神戸市中央区港島中町7丁目2番1 号 ティーオーエー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設定されたフィルタ係数を用いて入力信
    号に対し所定のフィルタリング処理を実行するFIR適
    応型ディジタルフィルタと、 該FIR適応型ディジタルフィルタの出力信号を入力
    し、この出力信号の絶対値が予め定めた基本値よりも小
    さいとき、上記設定済みのフィルタ係数に対して第1の
    演算を施して得た値を上記FIR適応型ディジタルフィ
    ルタの新たなフィルタ係数として設定し、上記出力信号
    の絶対値が上記基本値以上のとき、上記設定済みのフィ
    ルタ係数に対して第2の演算を施して得た値を上記FI
    R適応型ディジタルフィルタの新たなフィルタ係数とし
    て設定するフィルタ係数演算部と、を具備し、 上記第1及び第2の演算は、これらにより同一のフィル
    タ係数に対して演算を施したとき、上記第1の演算を施
    して得た値に比べて、上記第2の演算を施して得た値の
    方が絶対値が小さくなる状態に構成されたことを特徴と
    する適応フィルタ。
  2. 【請求項2】 上記第2の演算が、上記第1の演算の一
    部又は全部に対して1よりも小さい正の値の補正係数を
    乗じる演算であることを特徴とする請求項1に記載の適
    応フィルタ。
  3. 【請求項3】 上記FIR適応型ディジタルフィルタの
    出力信号の絶対値から上記基本値を引いた値が大きくな
    るほど、上記補正係数が小さくなる状態に構成された請
    求項2に記載の適応フィルタ。
  4. 【請求項4】 上記基本値が、可変可能であることを特
    徴とする請求項1、2又は3に記載の適応フィルタ。
JP7203762A 1995-07-17 1995-07-17 適応フィルタ Pending JPH0934470A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000112483A (ja) * 1998-10-07 2000-04-21 Fujitsu Ltd 能動雑音制御方法及び受話装置
JP2008060759A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Audio Technica Corp ノイズキャンセルヘッドフォンおよびそのノイズキャンセル方法
JP2015169836A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 信号処理装置、プログラム、レンジフード装置

Cited By (3)

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JP2008060759A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Audio Technica Corp ノイズキャンセルヘッドフォンおよびそのノイズキャンセル方法
JP2015169836A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 信号処理装置、プログラム、レンジフード装置

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Effective date: 20031118