JPH09324453A - 衛生洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 便検査手段と人体局部洗浄手段を兼備した衛
生洗浄装置において、便検査中に検出センサー部に洗浄
水が飛散し、便成分検出信頼性が低下するのを防止す
る。 【解決手段】 操作入力部１８に便検査手段３、７、２
２の作動を行う操作入力が与えられた場合に、制御器１
７の人体洗浄モードの作動を停止するとともに、便検査
モードが作動するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はトイレ室内で設置使
用する、便検査手段と人体局部洗浄手段を兼備した衛生
洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のトイレ室内で設置使用する便検査
装置は、特開昭５９―１３８６３０号公報に開示されて
いるように大便器等の衛生器具に検出センサーと表示装
置を設けて構成したものがあった。

【０００３】検出センサーは便中に含まれる成分を検出
する、酵素センサー、ＢＯＤセンサー、半導体センサー
等で、便またはボール部内の溜水に接触するように便器
ボール部内へ突出させて取り付けていた。また便器が人
体局部洗浄装置を有する場合は噴射ノズルへ直接固定し
ていた。そして検出センサーは、コントローラに設けた
スイッチ等の人為的操作手段によって電気的に連係して
操作手段の操作毎に作動するようになっていた。また表
示装置は検出センサーと電気的に連係し、中央制御装置
（以下ＣＰＵという）とランプ等の伝達手段から構成
し、ＣＰＵにより検出センサーから得た便成分検出値
と、予め記憶させた健康体における便成分値とを比較判
断した結果を伝達手段へ出力していた。このように検出
センサーが人為的スイッチ等の操作により作動していた
ので、使用者の必要に応じて便中の成分を検出し健康状
態を伝達することができた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
便検査装置、例えば人体局部洗浄手段を設けない構成の
ものは、便検査に際して局部洗浄刺激による排便促進、
または排便後の局部清浄が行えなかった。また人体局部
洗浄手段を設けた構成においては、検出センサー作動中
に人体局部洗浄手段の作動停止措置が図られていないた
め、検出センサー作動中に使用者が局部洗浄操作を行っ
た場合、洗浄水が検出センサー部に飛散し便の回収量が
不定となり便成分検出値の信頼性が低下する課題を有し
ていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、衛生洗浄装置本体と、便回収手段、便成分
分析手段、分析結果表示手段からなる便検査手段と、人
体局部洗浄手段と、前記便検査手段および前記人体局部
洗浄手段の操作を行う操作入力部と、前記便検査手段と
前記人体局部洗浄手段と前記操作入力部と電気的に接続
された制御器を備え、前記制御器は前記便検査手段を所
定のシーケンスで駆動制御する便検査モードと前記人体
局部洗浄手段を所定のシーケンスで駆動制御する人体洗
浄モードを有し、前記操作入力部に便検査手段を作動さ
せる操作入力が与えられた場合に、前記制御器の人体洗
浄モードの作動を停止し、便検査モードの作動を行うよ
うにしたものである。

【０００６】上記発明によれば、便検査に際し局部洗浄
刺激による排便促進、排便後の局部清浄が行えるととも
に、便検査モード作動時には人体局部洗浄手段の作動を
停止することで便回収手段への洗浄水飛散を防止し、便
回収量を定量化できるので信頼性の高い便成分分析結果
を得ることができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明は、衛生洗浄装置本体と、
便回収手段、便成分分析手段、分析結果表示手段からな
る便検査手段と、人体局部洗浄手段と、便検査手段およ
び人体局部洗浄手段の操作を行う操作入力部と、前記便
検査手段と前記人体局部洗浄手段と前記操作入力部と電
気的に接続された制御器を備え、前記制御器は前記便検
査手段を所定のシーケンスで駆動制御する便検査モード
と前記人体局部洗浄手段を所定のシーケンスで駆動制御
する人体洗浄モードを有し、前記操作入力部に便検査手
段を作動させる操作入力が与えられた場合に、前記制御
器の人体洗浄モードの作動を停止し、便検査モードの作
動を行うように構成してある。

【０００８】そして、便検査に際し局部洗浄刺激による
排便促進、排便後の局部清浄が行えるとともに、便検査
モード作動時には人体洗浄手段の作動を停止することで
便回収手段への洗浄水飛散を防止し、便回収量を定量化
できるので信頼性の高い便成分分析結果を得ることがで
きる。

【０００９】また、便回収手段は衛生洗浄装置本体から
着脱可能で、制御器と電気的に接続され前記便回収手段
の装着を検知する装着検知手段を備え、前記制御器は装
着検知結果に基づいて便検査モードの作動可否を設定す
るようにしてある。

【００１０】そして、便回収手段を着脱可能としたこと
により、便検査実施目的以外の通常排便使用における装
置の排泄物汚染を軽減できるとともに、便回収手段未装
着状態における装置の誤動作を防止できる。

【００１１】また、光学センサー等により便回収量を計
量し、制御器と電気的に接続された便回収量計量手段を
備え、前記制御器は便回収量計量結果に基づいて、便検
査モードにおける便回収手段の便回収手段の回収動作試
行回と便成分分析手段の作動可否と分析結果出力値を設
定するようにしてある。

【００１２】そして、便回収量が便成分分析所要量を満
足したか判断可能となり、計量結果に基づいて便回収手
段の動作回数を複数回数に設定することで便回収確度の
向上を図るとともに、回収不成功時には便成分分析を中
止し、誤分析結果表示を防止し、さらに使用者に回収結
果を伝達できるので、未回収状態での分析実施による便
成分分析結果の信頼性を低下を防止できる。

【００１３】以下、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。 （実施例１）図１は本発明の実施例１の衛生洗浄装置の
構成図である。

【００１４】図１に示すよう、衛生洗浄装置本体１を便
器２上に載置固定する。便回収手段３は衛生洗浄装置本
体１から着脱可能で、先端部に便受け部５を有する外筒
４と外筒４に内装され軸方向に摺動可能な回収体６から
構成する。衛生洗浄装置本体１内部には、シリンダー
８、検出センサー９、これらそれぞれを連通させる搬送
チューブ１０、ポンプ１１から構成した便成分分析手段
７、人体局部洗浄手段１４、制御器１７を配設する。ま
た衛生洗浄装置本体１外殻部には操作入力部１８と便成
分分析結果を表示する分析結果表示手段２２を配設す
る。そして便回収手段３と便成分分析手段７と分析結果
表示手段２２とで便検査手段を構成している。

【００１５】また衛生洗浄装置１の外装に設けた開口部
よりシリンダー８の先端部に便回収手段３を装着する。
これにより回収体６がシリンダー８に設けた駆動部（図
示せず）と連結される。またシリンダー８には先端部近
傍に便回収手段３の有無を検出する装着検知手段１３が
あり装着信号を出力する。さらにシリンダ８内部には便
を所定倍率で希釈する希釈液を満たしたキャビティ（図
示せず）があり、希釈液はポンプ１１で注入される。

【００１６】便の回収は、外筒４の便受け部５に落下滞
留して回収体６に付着した便を、回収体６をシリンダ８
内部のキャビティまで駆動部で牽引することで行う。回
収された便はキャビティ内で希釈液と混合され、搬送チ
ューブ１０を介して検出センサー９に定量滴下される。
検出センサー９は便中の潜血成分検知等を行い、結果を
電気信号に変換して出力する。またシリンダー８には光
学センサーを用いた便回収量計量手段１２を一体に構成
している。便回収量計量手段１２は光学センサーにより
キャビティ内の便が混合した希釈液の濁度を測定するこ
とで便の回収量を相関定量し、結果を電気信号に変換し
て出力する。

【００１７】操作入力部１８は便検査スイッチ１９、洗
浄スイッチ２０、停止スイッチ２１を備え、分析結果表
示手段２２はランプ、液晶等の表示素子で構成し分析結
果信号に基づき所定の表示出力を行う。なお、この操作
入力部１８は衛生洗浄装置本体１から切り離してリモコ
ン方式とすることも可能である。

【００１８】また人体局部洗浄手段１４は熱交換器１
５、洗浄ノズル１６からなり、熱交換器１５で適温に加
温した水を水ポンプ（図示せず）により付勢して人体局
部に噴射し洗浄に供する。

【００１９】制御器１７はシリンダー８（駆動部）、検
出センサー９、ポンプ１１、便回収量計量手段１２、装
着検知手段１３、便検査スイッチ１９、洗浄スイッチ２
０、停止スイッチ２１、分析結果表示手段２２および人
体局部洗浄手段１４と電気的に接続され、各構成要素を
スイッチ入力に応じて、予め記憶された制御シーケンス
に基づき作動制御を行う。

【００２０】図２は本発明の実施例の衛生洗浄装置の作
動モード切り替えフローチャートである。

【００２１】図２に基いて制御器１７の作動モード切り
替え制御アルゴリズムを説明する。衛生洗浄装置本体１
に通電を開始すると待機状態になり操作入力部１８から
のスイッチ入力を受け付け可能となる。スイッチ入力が
発生すると、入力されたスイッチの種類を判断し、洗浄
スイッチ２０が入力された場合は、洗浄モードが作動
し、洗浄停止スイッチ２１が入力されるまで継続する。
洗浄モードでは熱交換器１５で予め適温に加温された水
を洗浄ノズル１５から人体局部に噴射するよう水ポンプ
（図示せず）を制御する。洗浄モード作動中は便検査ス
イッチ１９の割り込みを可能に設定しているので便検査
スイッチ１９の入力受け付けが可能となっている。

【００２２】また、待機状態および洗浄モード作動中に
便検査スイッチ１９が入力された場合には、洗浄モード
の作動確認を行い作動中であった場合は、洗浄モード停
止処理を行う。次に洗浄スイッチ２０の割り込み禁止設
定を行い、続いて便回収手段３の装着検知を行う。装着
検知手段１３の出力信号判定により便回収手段３の装着
が検知できない場合は分析結果表示手段２２に未装着エ
ラー表示を行い、便検査モードの作動は実施しない。一
方装着が確認された場合は、便検査モードを実施する。

【００２３】以上の作動モード切り替え制御により便検
査スイッチ１９が入力された場合には、ただちに洗浄モ
ードが作動停止し、さらに便検査モード作動中に誤って
洗浄スイッチ２０が入力されても洗浄モードが作動する
ことはない。また、便回収手段３未装着の場合は使用者
に誤使用状態であることを伝達できる。

【００２４】図３は本発明の実施例の衛生洗浄装置の便
検査モードフローチャートである。図３に基いて制御器
１７の便検査モード制御アルゴリズムを説明する。便検
査モードが起動すると、便回収手段３の回収体６がシリ
ンダ８へ牽引回収され、さらにその作動回数がカウント
される。つぎに便回収量計量手段１２により希釈液濁度
を測定し計量結果判定を行う。計量結果が成分分析に必
要な所定値Ａに満たないときには、回収量不足であるの
で外筒４の便受け部５に滞留した便の再回収を実施す
る。ただし作動回数が所定値Ｂを超えた場合は、便受け
部５に便が滞留していないことによる回収量不足と判断
し分析結果表示手段２２に回収エラー表示を出力し便検
査モードを終了する。一方、計量結果が所定値Ａを満た
した場合は便成分分析を実施する。検出センサー９の検
出結果を分析結果表示手段２２に出力して便検査モード
を終了する。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
衛生洗浄装置によれば次の効果が得られる。

【００２６】（１）操作入力部に便検査手段を作動させ
る操作入力が与えられた場合に、制御器の人体洗浄モー
ドの作動を停止し、便検査モードの作動を行うようにす
ることにより、便検査モード作動中の便回収手段への洗
浄水飛散を防止し、便回収量を定量化できるので信頼性
の高い便成分分析結果が得られる効果がある。

【００２７】（２）便回収手段を衛生洗浄装置本体から
着脱可能とし、さらに装着検知手段を備え、装着検知結
果に基づいて便検査モードの作動可否を設定すること
で、便検査実施目的以外の通常排便使用における装置の
排泄物汚染を軽減できるとともに、便回収手段未装着状
態における装置の誤動作を防止できる。

【００２８】（３）光学センサー等により便回収量を計
量する便回収量計量手段を備え、便回収量計量結果に基
づいて、便検査モードにおける便回収手段の回収動作の
試行回数と便成分分析手段の作動可否と分析結果出力値
を設定することで、便回収量が便成分分析所要量を満足
したか判断可能となり、回収量不足の場合は便回収動作
を複数回実施し便回収確度の向上を図るとともに、希釈
液中の便量を所定量に設定できるので便成分分析精度を
必要水準にすることができる。また、回収不成功時には
便成分分析を中止し、誤分析結果表示を防止し、さらに
使用者に回収結果を伝達できるので、未回収状態での分
析実施による便成分分析結果の信頼性低下を防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における衛生洗浄装置の構成
図

【図２】同装置の作動モード切り替えフローチャート

【図３】同装置の便検査モードフローチャート

【符号の説明】

１ 衛生洗浄装置本体 ３ 便回収手段 ７ 便成分分析手段 １２ 便回収量計量手段 １３ 装着検知手段 １４ 人体局部洗浄手段 １５ 操作入力部 １７ 制御器 １８ 操作入力部 ２２ 分析結果表示手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 栄一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 河栗 正明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松中 雅彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中西 圭子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】衛生洗浄装置本体と、便回収手段、便成分
   分析手段、分析結果表示手段から構成した便検査手段
   と、人体局部洗浄手段と、前記便検査手段および前記人
   体局部洗浄手段の操作入力をする操作入力部と、前記便
   検査手段と前記人体局部洗浄手段と前記操作入力部と電
   気的に接続された制御器を備え、前記制御器は前記便検
   査手段を所定のシーケンスで駆動制御する便検査モード
   と前記人体局部洗浄手段を所定のシーケンスで駆動制御
   する人体洗浄モードを有し、前記操作入力部に前記便検
   査手段の作動を行う操作入力が与えられた場合に、制御
   器の人体洗浄モードの作動を停止するとともに、便検査
   モードが作動する衛生洗浄装置。
2. 【請求項２】便回収手段は衛生洗浄装置本体から着脱可
   能で、制御器と電気的に接続され前記便回収手段の装着
   を検知する装着検知手段を備え、前記制御器は装着検知
   結果に基づいて便検査モードの作動可否を設定する請求
   項１記載の衛生洗浄装置。
3. 【請求項３】便回収量を計量し、制御器と電気的に接続
   された便回収量計量手段を備え、前記制御器は便回収量
   計量結果に基づいて、便検査モードにおける便回収手段
   の回収動作試行回数と便成分分析手段の作動可否と分析
   結果出力値を設定する請求項１または２記載の衛生洗浄
   装置。