JPH09324095A - ポリビニルアルコール系耐水性樹脂組成物 - Google Patents
ポリビニルアルコール系耐水性樹脂組成物Info
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- JPH09324095A JPH09324095A JP16246696A JP16246696A JPH09324095A JP H09324095 A JPH09324095 A JP H09324095A JP 16246696 A JP16246696 A JP 16246696A JP 16246696 A JP16246696 A JP 16246696A JP H09324095 A JPH09324095 A JP H09324095A
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Abstract
ビニルアルコール系耐水性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 側鎖にジアセトン基を0.1〜20モル
%含有するポリビニルアルコール系樹脂100重量部
と、数平均重合度が30以上であるNーアミノポリアク
リルアミド0.1〜20重量部とからなる。
Description
ール系耐水性樹脂組成物に関するものである。
を耐水化する方法として、ポリビニルアルコール系樹脂
に金属塩類、尿素、アルデヒド類等の架橋剤を反応させ
て耐水化する方法が知られている。しかしながら、金属
塩類を用いて架橋したポリビニルアルコール系樹脂は加
熱時の着色が著しく、熱安定性が極めて悪いという問題
があり、尿素、アルデヒド類を用いて耐水化したポリビ
ニルアルコール系樹脂は、樹脂中にホルムアルデヒドが
残留するなどの問題があった。また、これらの架橋剤は
架橋反応速度が低いため、接着剤として使用する場合、
圧締時間が長くかかるなど工業的に不利で、より反応性
の高い架橋剤が求められていた。
リビニルアルコール系樹脂にアセトアセチル基を導入し
たアセトアセチル化ポリビニルアルコールの水溶液にカ
ルボジヒドラジドやアジピン酸ジヒドラジドなどのヒド
ラジン類を反応させて耐水化する方法が特公平1−60
192号公報に開示されている。
アセチル基を導入したポリビニルアルコールにヒドラジ
ン類を反応させる従来の方法によるものは、常温架橋性
を有するものの耐水性が十分でないという問題がある。
消し、優れた耐水性を有するポリビニルアルコール系耐
水性樹脂組成物を提供することを目的とするものであ
る。
達成するものであって、側鎖にジアセトン基を0.1〜
20モル%含有するポリビニルアルコール系樹脂100
重量部と、数平均重合度が30以上であるNーアミノポ
リアクリルアミド0.1〜20重量部とからなることを
特徴とするポリビニルアルコール系耐水性樹脂組成物を
要旨とするものである。
基を含有するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニ
ル主鎖に結合する側鎖としてジアセトン基を有するポリ
ビニルアルコールであって、上記のジアセトン基は、主
鎖に直接結合するほか、さらにアミド基やカルボキシル
基などを介して結合するものであってもよい。
基を含有するポリビニルアルコール系樹脂は、共重合、
後変性などの方法により製造することができ、特に共重
合で製造する方法が望ましい。共重合により側鎖にジア
セトン基を含有するポリビニルアルコール系樹脂を製造
する方法としては、ジアセトン基を含有する単量体とビ
ニルエステルとの共重合体を鹸化する方法が採用され
る。
ルとして、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、バ−サチック酸ビニルなどが挙
げられ、中でも酢酸ビニルが工業的に好ましい。
基を有する単量体としては、例えばジアセトンアクリル
アミド、ジアセトンアクリレ−ト、ジアセトンメタクリ
レ−トなどが挙げられるが、工業的には、ジアセトンア
クリルアミドが好ましい。
る単量体との共重合方法としては、従来より公知のバル
ク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの各種の重
合方法が可能であり、中でもメタノ−ルを溶剤として用
いる溶液重合が工業的に好ましい。
量体との共重合体の鹸化方法としては、従来より公知で
あるアルカリ鹸化および酸鹸化を適用することができ、
中でもメタノ−ル中で水酸化アルカリを使用して加アル
コ−ル分解する方法が好ましい。
するポリビニルアルコール系樹脂としては、本発明の効
果を阻害しない範囲で、ビニルエステルまたはジアセト
ン基を有する単量体と共重合可能な、例えば、クロトン
酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボ
ン酸およびエステル・塩・無水物・アミド・ニトリル
類、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジ
カルボン酸およびその塩、マレイン酸モノメチル、イタ
コン酸モノメチル等の不飽和二塩基酸モノアルキルエス
テル類、炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキル
ビニルエ−テル類、ビニルピロリドン類とともに共重合
したものであっても良い。この他、得られたポリビニル
アルコール系樹脂をアセタ−ル化、ウレタン化、エ−テ
ル化、グラフト化、リン酸エステル化などの反応によっ
て後変性したものを使用することも可能である。
系樹脂中のジアセトン基を有する変性基の含有量は、
0.1〜20モル%の範囲であり、好ましくは0.5〜
15モル%である。変性基の含有量が0.1モル%未満
であると、耐水化の目的を達成することができない。ま
た、変性基の含有量が20モル%を超えても、耐水化効
果は飽和状態になるだけでなく、反応を均一に行うこと
が難しいという問題が生じる。
コール系樹脂の重合度、鹸化度は特に制限されないが、
数平均重合度300〜3,000、鹸化度85モル%以
上が工業的に好ましい。
ノポリアクリルアミドは次の化学式で示されるものであ
る。
リアクリルアミドにヒドラジンヒドラ−トを反応させる
ことにより製造することができる。この場合において、
ポリアクリルアミドのアミド基のすべてがヒドラジンヒ
ドラートと反応していても、未反応のアミド基が残存し
ていてもよい。すなわち、本発明のNーアミノポリアク
リルアミドは、次の化学式に示すようなものであっても
よい。
〜100モル%、m=0〜99.9モル%であることが
望ましい。すなわち、この場合のN−アミノポリアクリ
ルアミドにおけるヒドラジノ基の含有量は、0.1モル
%以上であることが望ましく、さらに好ましくは1モル
%以上である。
合度は30〜300,000であり、好ましくは50〜
100,000である。数平均重合度が30未満では耐
水化効果が低く、また300,000を超える場合には
N−アミノポリアクリルアミドの分子鎖が立体障害とな
って、架橋反応が十分に起こらない。
加量は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対
して、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜
15重量部である。N−アミノポリアクリルアミドの添
加量が0.1重量部未満の場合には、耐水化が達成され
ず、また20重量部を超える場合には耐水化効果が飽和
状態になる。
ルアルコール系樹脂とN−アミノポリアクリルアミドと
の組成物は、その混合水溶液を乾燥することなどにより
両者が反応する。その際、常温でも、加熱乾燥してもポ
リビニルアルコールの耐水化の目的を達成することがで
きる。また、ポリビニルアルコール系樹脂とN−アミノ
ポリアクリルアミドの混合物を水に投入して溶解して
も、あらかじめポリビニルアルコール系樹脂とN−アミ
ノポリアクリルアミドを別々に溶解したものを混合して
も、また、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液にN−
アミノポリアクリルアミドを添加して溶解しても良い。
そのほかに、ポリビニルアルコール系樹脂をあらかじめ
各種の形状に成形した成形物にN−アミノポリアクリル
アミドの溶液を噴霧、塗布、浸漬した後に乾燥する方法
などが挙げられる。
ド中のヒドラジノ基がポリビニルアルコール系樹脂中の
ジアセトン基のカルボニル基と架橋反応することによ
り、水溶性のポリビニルアルコール系樹脂が耐水化され
ることとなる。本発明において架橋剤として使用するN
−アミノポリアクリルアミドは高分子であるため、低分
子の架橋剤に比べ安全性が高く、架橋した場合、分子鎖
同士の相互作用が大きいため耐水化効果が高くなると考
えられる。
する。
W1 )を95℃の熱水に1時間浸漬して可溶成分を溶解
させ、不溶残留物を105℃で乾燥し、その重量W2 を
測定して下記の式(1)により算出した。 水不溶分率(%)=(W2 /W1 )×100 (1)
アルコール系樹脂の合成例 合成例1 攪拌機、温度計、および滴下ロ−ト還流冷却器を取り付
けたフラスコ中に、酢酸ビニル672重量部、ジアセト
ンアクリルアミド10重量部、およびメタノ−ル178
重量部を仕込み、系内の窒素置換を行った後、内温を6
0℃まで昇温した。この系に2,2−アゾビスイソブチ
リロニトリル1重量部をメタノール50重量部に溶解し
た溶液を添加し、重合を開始した。重合開始後、5時間
かけてジアセトンアクリルアミド55重量部をメタノー
ル35重量部に溶解した溶液を一定速度で滴下し、6時
間後に重合禁止剤としてm−ジニトロベンゼンを添加
し、重合を停止した。重合収率は78%であった。得ら
れた反応混合物にメタノ−ル蒸気を加えながら残存する
酢酸ビニルを留出し、ジアセトンアクリルアミド共重合
成分を含有する酢酸ビニル系共重合体の50%メタノ−
ル溶液を得た。この混合物500重量部にメタノ−ル5
0重量部と水酸化ナトリウムの4%メタノ−ル溶液10
重量部とを加えてよく混合し、40℃で鹸化反応を行っ
た。得られたゲル状物を粉砕し、メタノ−ルでよく洗浄
した後に乾燥して、ジアセトンアクリルアミド共重合変
性ポリビニルアルコール系樹脂を得た。また、元素分析
測定により、この樹脂中のジアセトンアクリルアミド成
分の含有率は5.0モル%であることが判明した。この
樹脂の重合度は1780、鹸化度は98.4モル%であ
った。
表1のようなポリビニルアルコール系樹脂を得た。
性ポリビニルアルコール(重合度1,780、鹸化度9
8.4モル%、変性度5.0モル%)100重量部を9
00重量部の水に溶解した水溶液と、N−アミノポリア
クリルアミド(大塚化学社製、ポリアクリル酸ヒドラジ
ドLタイプ、重合度100、ヒドラジノ基変性度10.
0モル%)5重量部を45重量部の水に溶解した水溶液
とを混合し、ポリエチレンテレフタレート製のシ−ト上
に流延して20℃で乾燥し、厚み100μの透明なキャ
ストフィルムを作製した。このフィルムの水不溶分率を
測定したところ、98.6%という良好な値であった。
て、重合度40,000のN−アミノポリアクリルアミ
ドを用いた以外は実施例1と同様にして、キャストフィ
ルムを作製し、水不溶分率を測定したところ、96.8
%という良好な値であった。
ール(重合度1,780、鹸化度98.4モル%、変性
度5.0モル%)にかえて、合成例2で得られたジアセ
トンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコール
(重合度1,710、鹸化度98.4モル%、変性度
0.5モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、
キャストフィルムを作製し、水不溶分率を測定したとこ
ろ、90.4%という良好な値であった。
ール(重合度1,780、鹸化度98.4モル%、変性
度5.0モル%)にかえて、合成例3で得られたジアセ
トンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコール
(重合度1,730、鹸化度98.5モル%、変性度1
5.0モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、
キャストフィルムを作製し、水不溶分率を測定したとこ
ろ、98.9%という良好な値であった。
0.5重量部に変更した以外は実施例1と同様にしてキ
ャストフィルムを作製し、水不溶分率を測定したとこ
ろ、95.5%という良好な値であった。
15重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、キ
ャストフィルムを作製し、水不溶分率を測定したとこ
ろ、98.7%という良好な値であった。
性ポリビニルアルコール(重合度1,780、鹸化度9
8.4モル%、変性度5.0モル%)100重量部を9
00重量部の水に溶解した水溶液と、アジピン酸ジヒド
ラジド5重量部を45重量部の水に溶解した水溶液とを
混合し、ポリエチレンテレフタレート製のシ−ト上に流
延して20℃で乾燥し、厚み100μの透明なキャスト
フィルムを作製した。このフィルムの水不溶分率を測定
したところ、86.3%という不良の値であった。
て、重合度10のN−アミノポリアクリルアミドを用い
た以外は実施例1と同様にして、キャストフィルムを作
製し、水不溶分率を測定したところ、87.4%という
不良の値であった。
例1と同様にして、キャストフィルムを作製し、水不溶
分率を測定したところ、0%(すべて溶解)という極め
て不良の値であった。
25重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、キ
ャストフィルムを作製しようとしたが、水溶液が一部ゲ
ル化し、均一なキャストフィルムを作製することができ
なかった。
ール(重合度1,780、鹸化度98.4モル%、変性
度5.0モル%)にかえて、合成例4で得られたジアセ
トンアクリルアミド共重合変性ポリビニルアルコール
(重合度1,690、鹸化度98.9モル%、変性度2
5.0モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、
キャストフィルムを作製しようしたが、水溶液が一部ゲ
ル化し、均一なキャストフィルムを作製することができ
なかった。
ール(重合度1,780、鹸化度98.4モル%、変性
度5.0モル%)にかえて、未変性のポリビニルアルコ
ール(重合度1,740、鹸化度98.6モル%)を用
いた以外は実施例1と同様にして、キャストフィルムを
作製し、水不溶分率を測定したところ、0%(すべて溶
解)という極めて不良の値であった。
のポリビニルアルコール系耐水性樹脂組成物は、従来の
ものに比べてポリビニルアルコール系樹脂の耐水化効果
が大きく、またN−アミノポリアクリルアミドが高分子
であるため、安全性が高く、接着剤、紙コ−ト剤、包装
用フィルム等の広い用途で有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 側鎖にジアセトン基を0.1〜20モル
%含有するポリビニルアルコール系樹脂100重量部
と、数平均重合度が30以上であるNーアミノポリアク
リルアミド0.1〜20重量部とからなることを特徴と
するポリビニルアルコール系耐水性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16246696A JP3357887B2 (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | ポリビニルアルコール系耐水性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
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JPH09324095A true JPH09324095A (ja) | 1997-12-16 |
JP3357887B2 JP3357887B2 (ja) | 2002-12-16 |
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ID=15755163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16246696A Expired - Lifetime JP3357887B2 (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | ポリビニルアルコール系耐水性樹脂組成物 |
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1996
- 1996-06-04 JP JP16246696A patent/JP3357887B2/ja not_active Expired - Lifetime
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