JPH09316830A - 透光板 - Google Patents

透光板

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JPH09316830A
JPH09316830A JP8139895A JP13989596A JPH09316830A JP H09316830 A JPH09316830 A JP H09316830A JP 8139895 A JP8139895 A JP 8139895A JP 13989596 A JP13989596 A JP 13989596A JP H09316830 A JPH09316830 A JP H09316830A
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JP
Japan
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plate
resin
transparent
contact angle
thermoplastic resin
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Withdrawn
Application number
JP8139895A
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English (en)
Inventor
Masahiro Miyauchi
雅弘 宮内
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光板の汚れの原因でもある雨粒等による透
光板表面の濡れを防止する防濡性を透光板に付与し、汚
れない透光板を提供すること。 【解決手段】 水との接触角が90度以上の透光板で、
全光線透過率が70%以上である透光板とする。さらに
は透明熱可塑性樹脂板に水との接触角が90度以上であ
る高接触角樹脂が積層されてなる前記透光板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透光板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】防音板というと一般にコンクリートや金
属製の防音板が想像されるが、近年道路等に用いられて
いる防音板を、近隣住民の日照権確保や運転者や乗客か
らの景観確保のため、透明樹脂製に変更しようとする動
きが盛んである。現在この透明防音板いわゆる透光板に
最も多く用いられている材料は耐衝撃性に優れたポリカ
ーボネート樹脂板である。しかしポリカーボネート樹脂
は一般に耐候性が悪く、太陽光線に含まれる紫外線によ
って劣化し、黄変したり機械強度が低下する等の問題が
発生していた。そこでポリカーボネート樹脂板表面にア
クリル系樹脂を塗布したり、アクリル系樹脂フイルムを
貼り合わせたり、これらアクリル系樹脂に紫外線吸収剤
を多量に配合するなどの耐候性改良がなされてきた。
(例えば特公昭47−19119号公報、特開昭55−
59929号公報、特公平6−41162号公報。)
【0003】またポリカーボネート樹脂板表面は一般的
に水滴をはじきにくく、屋外などの環境下で使用する
と、雨粒などで板表面が濡れ、それが乾燥した際に雨粒
などに含まれる塵やほこりが板表面に残り、汚れるとい
った問題が市場で発生している。透光板の場合も同様の
問題が発生しており、このため汚れた透光板表面を拭き
上げる清掃作業が欠かせなかった。しかし一般にポリカ
ーボネート樹脂板表面は柔らかく傷が付きやすく、拭き
上げる際板表面に傷を付けてしまう。そこでポリカーボ
ネート樹脂板表面の硬度を高める表面硬化処理がよく行
われてきている。(例えば、特公昭60−53701号
公報、特公昭63−5155号公報、特公昭63−52
668号公報。)この表面硬化処理は確かに汚れたポリ
カーボネート樹脂板表面を拭き上げる際の傷防止には大
きな効果があったが、拭き上げなければならない原因で
ある板表面が汚れることについては何ら改善されておら
ず、市場では汚れない透光板が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、透光
板の汚れの原因でもある雨粒等による透光板表面の濡れ
を防止する防濡性を付与した透光板を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明者らは鋭意検討の結果、透光板表面の接触角をあ
る特定角度以上にすれば前記課題が解決されることを見
いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明
は、水との接触角が90度以上としたことを特徴とする
透光板である。さらには全光線透過率が70%以上であ
る前記透光板である。
【0006】また透明熱可塑性樹脂板に水との接触角が
90度以上である高接触角樹脂が積層されてなる前記透
光板であり、該透明熱可塑性樹脂板が押し出し成形法に
よって成形された押出板とした前記透光板である。また
該透明熱可塑性樹脂板がアクリル系樹脂板やポリカーボ
ネート樹脂板である前記透光板であり、該透明熱可塑性
樹脂板の厚みが5〜20mmとした前記透光板である。
更に前述の高接触角樹脂がフッ素系樹脂やシリコン系樹
脂である前記透光板であり、該樹脂層の厚みが0.5〜
1000μmとした前記透光板である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる透明熱可塑性樹脂板としては例えばポリカー
ボネート樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル系樹
脂等からなる樹脂板が挙げられる。ポリカーボネート樹
脂としては、下記化1で表される繰り返し単位からなる
主鎖を有する。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、Arは二価の芳香族残基であり、
例えばフェニレン、ナフチレン、ビフィニレン、ピリジ
レンや、化2で表されるものが挙げられる。)
【0010】
【化2】
【0011】(式中Ar1 及びAr2 はそれぞれアリレ
ーン基である。例えばフェニレン、ナフチレン、ビフェ
ニレン、ピリジレン等の基を表し、Yは化3及び化4で
表されるアルキレン基または置換アルキレン基であ
る。)
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】(式中R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞ
れ水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基であって、場合によりハロゲン原
子、アルコシ基で置換されていてもよく、kは3〜11
の整数であり、化4の水素原子は、低級アルキル基、ア
リール基、ハロゲン等で置換されてもよい。) また化5で示される二価の芳香族残基を共重合体成分と
して含有していてもよい。
【0015】
【化5】
【0016】(式中Ar1 、Ar2 は化2と同じ。Zは
単なる結合、または、−O−、−CO−、−S−、−S
2 −、−CO2 −、−CON(R1 )−、(R1 は前
記と同様)等の二価の基である。) これら二価の芳香族残基の例としては、下記化6及び化
7で表されるもの等が挙げられる。
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】(式中R5 及びR6 はそれぞれ水素、ハロ
ゲン、C1 〜C10アルキル基、C1 〜C10アルコキシ
基、C1 〜C10シクロアルキル基またはフェニル基であ
る。m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には
各R5 はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい
し、nが2〜4の場合は各R6 はそれぞれ同一でも異な
るものであってもよい。) 中でも、下記化8で表されるものが好ましい一例であ
る。特に、上記化8をArとする繰り返しユニットを8
5モル%以上含むものが好ましい。
【0020】
【化8】
【0021】また、該ポリカーボネート樹脂は、三価以
上の芳香族残基を共重合成分として含有していてもよい
し、脂肪族または芳香族のエステル成分を共重合成分と
して含有してもよい。ポリマー末端の分子構造は特に限
定されないが、ヒドロキシ基、アリールカーボネート
基、アルキルカーボネート基から選ばれた1種以上の末
端基を結合することができる。アリールカーボネート末
端基は、下記化9で表され、具体例としては例えば化1
0が挙げられる。
【0022】
【化9】
【0023】(式中Ar3 は一価の芳香族残基であり、
芳香環は置換されていてもよい。)
【0024】
【化10】
【0025】アルキルカーボネート末端基は、下記化1
1で表され、具体例としては例えば下記化12等が挙げ
られる。
【0026】
【化11】
【0027】(式中R7 は炭素数1〜20の直鎖もしく
は分岐アルキル基)
【0028】
【化12】
【0029】これらの中で、フェニルカーボネート基、
p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフ
ェニルカーボネート基等が好ましく用いられる。またヒ
ドロキシ基末端と他の末端との比率は1:100以上で
あることが好ましく、更に好ましくは1:40以上であ
る。これらポリカーボネート樹脂の分子量は特に限定さ
れない。また該ポリカーボネート樹脂に含有される加水
分解可能な塩素は1ppm以下、更に好ましくは0.5
ppm以下であることが好ましい。1ppmを超える量
の塩素がポリカーボネート樹脂中に含有されていると、
成形加工時等長時間高温下にさらされることによって着
色してしまいポリカーボネート樹脂の特徴である透明感
が失われてしまう。
【0030】また該ポリカーボネート樹脂は公知の方法
で製造できる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物
とカーボネート前駆体とを反応せしめる公知の方法、例
えば芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンを水酸化ナト
リウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させ
る界面重合法(ホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合
物とジフェニルカーボネートを反応させるエステル交換
法(溶融法)、結晶化カーボネートプレポリマーを固相
重合する方法(特開平1−158033号、特開平1−
271426号、特開平3−68627号)等の方法に
より製造できる。
【0031】アクリル系樹脂としては炭素数1〜4のア
ルキル基を有するアルキルメタクリレート単位を有する
メタクリル樹脂であり、熱加工時の安定性の点から炭素
数1〜4のアルキル基を有するアルキルアクリレートを
20重量%以内で共重合させたものが好ましい。上記の
炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレ
ートとしては、例えばメチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタク
リレート等が挙げられるが、物性上メチルメタアクリレ
ート、エチルメタアクリレートが最も好ましい。
【0032】また炭素数1〜4のアルキル基を有するア
ルキルアクリレートとしては、例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート等が挙げられる。また、上記メタクリル
樹脂中に常温でゴム状を示す弾性体を粒子状で不連続的
に5〜70重量%分散させた耐衝撃性メタクリル樹脂も
好ましい。
【0033】ここで、常温でゴム状を示す弾性体として
は、例えばアクリル酸エステル系重合体及びエチレン−
酢酸ビニル共重合体のゴム状弾性体等をいう。アクリル
酸エステル系重合体としては、例えばブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等を主成分とする
ものがあり、その代表例としてはブチルアクリレート等
のアルキルアクリレートとスチレンのグラフト化ゴム弾
性成分とメチルメタクリレート及び又はメチルメタクリ
レートとアルキルアクリレートの共重合体からなる硬質
樹脂層とがコア−シェル構造で多層を形成している粒子
状の弾性体がある。
【0034】またスチレン系樹脂としてはポリスチレン
(PS)、ゴム強化ポリスチレン(HIPS)、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体(AS)、スチレン−ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS)などが
挙げられる。さらにポリオレフィン系樹脂としては低密
度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(H
DPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポ
リプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エ
チレン−プロピレン共重合体(EPR)、アイオノマー
等が挙げられる。
【0035】またポリエステル系樹脂としてはポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポ
リペンタメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレン
テレフタレート等を挙げることができる。これらの樹脂
は一種、または二種以上用いてもよく共重合体あるいは
混合体であってもよい。これら熱可塑性樹脂のうち好ま
しくはポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。さらに好
ましくはポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂が挙げ
られる。
【0036】これら熱可塑性樹脂には必要に応じて紫外
線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定
剤、難燃剤、離型剤、界面活性剤、分散剤、滑剤、アン
チブロッキング剤、光拡散剤、着色剤、無機フィラー、
ガラス繊維、架橋剤、発泡剤、可塑剤、有機架橋体等の
添加剤等を含有させることもできる。上記熱可塑性樹脂
を板状に成形する方法としては押出法、キャスト法、連
続キャスト法、溶融プレス法等が挙げられるが、板厚精
度がよくしかも連続して成形できる押出法が好ましい。
またこの透明熱可塑性樹脂板は単独の樹脂からなる板で
あっても複数の樹脂を積み重ねた積層板であってもよ
い。積層することによって複数の機能を板にあらかじめ
付与することができる。例えば透明熱可塑性樹脂として
ポリカーボネート樹脂を用いる場合、耐候性改良のため
紫外線吸収剤を多量に配合したアクリル系樹脂やポリカ
ーボネート樹脂などの樹脂層を表面にあらかじめ積層し
ておくことが好ましい。このときの紫外線吸収剤として
はフェノール系、トリアゾール系、トリアジン系紫外線
吸収剤が挙げられ、配合量としては0.5〜20重量%
が好ましい。積層する方法についても例えば共押出法や
フイルムを貼り合わせる方法、熱圧着、接着、コーティ
ング等を挙げることができる。
【0037】該透明熱可塑性樹脂シートの板厚みは5〜
20mm、好ましくは6〜19mm、更に好ましくは8
〜18mmである。5mm未満の場合、本来の目的であ
る防音性能が低く、逆に20mmを越えると防音板とし
ては重くなり、施工時の作業性が悪くなるばかりではな
く透明性が低下する。透光板として必要な透明性は全光
線透過率で70%以上、好ましくは80%以上である。
この全光線透過率が70%未満では透光板の目的である
近隣住民の日照権確保や運転者や乗客からの景観確保が
できない。
【0038】本発明の課題でもある雨粒等による濡れを
防止するためには、透光板表面の接触角が90度以上、
好ましくは95度以上、更に好ましくは100度以上で
あることが必要である。90度未満の場合、板表面が雨
粒等の水滴によって濡れてしまい、乾燥した際に雨粒な
どに含まれる塵やほこりが板表面に残り汚れてしまう。
ここでいう接触角とは雨粒など水滴の自由表面が透光板
表面に接する場所で液面と板表面とのなす角をいい、こ
の角度が鋭角になるほど水滴が板表面を濡らす、つまり
水滴と板表面の付着力が強いことを表す。
【0039】本発明で透光板表面の接触角を90度以上
にする方法としては、透明熱可塑性樹脂板に接触角が大
きく、水との接触角が90度以上である樹脂層つまり高
接触角樹脂層を積層させる方法が挙げられる。この場
合、該高接触角樹脂層の厚みは0.5〜1000μmが
好ましく、更に好ましくは1〜500μmである。該厚
みが0.5μm未満の場合、均一な厚みの高接触角樹脂
層が得られず外観が悪くなり、逆に1000μmを越え
ると透明性や物性が低下する。
【0040】上記高接触角樹脂としてはフッ素系樹脂や
シリコン系樹脂が挙げられる。フッ素系樹脂としては、
例えばポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンプ
ロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレ
ンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
ルなどが挙げられ、これらフッ素系樹脂を配合した樹脂
でもよい。フッ素系樹脂の水との接触角は、例えば液滴
直接測定法による測定の結果約120度のものがある。
【0041】シリコン系樹脂は、シロキサン結合をもっ
た樹脂で例えばトリアルコキシシラン及びテトラアルコ
キシシランまたはそれらのアルキル化物の部分加水分解
物、メチルトリアルコキシシラン及びフェニルトリアル
コキシシランの混合物を加水分解したもの、コロイド状
シリカ充填オルガノトリアルコキシシランの部分加水分
解縮合物などが挙げられる。これらは縮合反応時に発生
するアルコール等が含まれているが、更に必要に応じて
任意の有機溶剤、水、あるいはこれらの混合物に溶解な
いしは分散させてもよく、そのための有機溶剤としては
低級脂肪酸アルコール類、多価アルコールとそのエーテ
ル、エステル類などが挙げられる。シリコーン系樹脂の
水との接触角は、例えば液滴直接測定法による測定の結
果約105度のものがある。
【0042】これら高接触角樹脂を透明熱可塑性樹脂板
表面に積層させる方法としては、コーティング法、フイ
ルムラミネート法、熱圧着法、共押出等の方法が挙げら
れる。このうちコーティング法は高接触角樹脂を溶かし
込んだ溶剤等を透明熱可塑性樹脂板表面に浸漬、スプレ
ー、ロールコーティング等の方法で塗布し、紫外線など
の活性エネルギー線や熱、風などによって乾燥させ板表
面に定着させる方法である。このとき高接触角樹脂と透
明熱可塑性樹脂板表面の接着力を高めるため、接合層、
接着層、プライマー層等といわれる中間層を設けること
が好ましい。またこの中間層には必要に応じて紫外線吸
収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、
難燃剤、離型剤、界面活性剤、分散剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤、光拡散剤、着色剤、無機フィラー、ガラ
ス繊維、架橋剤、発泡剤、可塑剤、有機架橋体等の添加
剤等を含有させることもできる。
【0043】またフイルムラミネート法は、フイルム状
にあらかじめ形成した高接触角樹脂を透明熱可塑性樹脂
板表面に熱や圧力、接着剤などによって貼り付ける方法
である。フイルム状になりにくい高接触角樹脂は、透明
熱可塑性樹脂フイルム表面にコーティング法を用いて高
接触角樹脂層を形成したうえで、透明熱可塑性樹脂板表
面にラミネートすることによって積層すればよい。フイ
ルムラミネート法においても透明熱可塑性樹脂板表面と
該フイルムの接着力を高めるため、接合層、接着層等と
いわれる中間層を設けてもよい。前述のフイルム状にな
りにくい高接触角樹脂を用いる場合の透明熱可塑性樹脂
フイルムは、この中間層の役割もはたす。
【0044】この中間層にも必要に応じて紫外線吸収
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、光安定剤、難
燃剤、離型剤、界面活性剤、分散剤、滑剤、アンチブロ
ッキング剤、光拡散剤、着色剤、無機フィラー、ガラス
繊維、架橋剤、発泡剤、可塑剤、有機架橋体等の添加剤
等を含有させることもできる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に実施例、比較例を用いて本
発明の効果をさらに具体的に説明する。なお、実施例及
び比較例で用いた評価項目と試験方法を以下に示す。 (1)全光線透過率 JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方
法)に準拠し測定した。 (2)遮音性 JIS A1416(実験室における音響透過損失測定
方法)に準拠し、中心周波数400Hzでの透過損失を
測定した。現在の透光板基準では400Hzでの透過損
失は25dB以上が求められている。
【0046】(3)防濡性 平置きした透光板に噴霧器で20分間水を吹き付けた
後、透光板を45度の傾斜がつくように傾けたとき、透
光板表面に残る水滴の状態を下記の判定に従って評価し
た。 ○:傾けるとすぐに水滴は全て粒となって落ち、透光板
表面はすぐに乾いた状態になった。 ×:傾けた直後は透光板表面が濡れた状態である。透光
板表面が現れるのに時間がかかる、もしくは濡れたまま
残る。 (4)防汚性 スガ試験機製のサンシャインウエザーメーターでサンシ
ャインスーパーロングライフカーボンを使用し、温度6
3℃一定下、降雨無し2時間と降雨18分のサイクルを
繰り返す条件で透光板を600時間暴露した。暴露前後
の表面状態を以下の判定に従って目視で評価した。 ○:透光板表面はすっきりとしており、汚れその他不良
はない。 ×:透光板表面に水垢のような模様がある。汚れてい
る。 (5)透過像歪み 透光板を通して見た像の歪みの状況を目視で判定した。
判定は次の通り。 ○:歪みなし ×:透過してきた像が変形している、二重に見える。
【0047】
【実施例1】メチルメタアクリレートとメチルアクリレ
ートの共重合体からなるメタクリル樹脂製押出板(旭化
成工業(株)製 商品名:デラグラスA、板厚10m
m)表面に、エチレンテトラフルオロエチレンからなる
フッ素系樹脂フイルム(ダイキン工業(株)製 商品
名:ネオフロン、フィルム厚み100μm)をエチレン
ビニルアルコールを主成分とする接着剤を介して貼り合
わせることによって外観良好な透光板を得た。
【0048】このようにして得られた表1に示す透光板
を前述の試験方法に従って評価を行った結果、防濡性、
防汚性ともに良好な結果が得られた。評価結果を表1に
示す。
【0049】
【実施例2】メチルメタアクリレートとメチルアクリレ
ートの共重合体からなるメタクリル樹脂製押出板(旭化
成工業(株)製 商品名:デラグラスA、板厚10m
m)表面に、コロイド状シリカ含有シリコーン系表面硬
化剤(東芝シリコーン社製 トスガード510)を浸漬
法によって塗布し、風乾した後80℃オーブン中で2時
間加熱することによって熱硬化させシリコン樹脂層を設
けた外観良好な透光板を得た。シリコン樹脂層の厚みは
断面拡大観察の結果、約10μmであった。このように
して得られた表1に示す透光板を前述の試験方法に従っ
て評価を行った結果、防濡性、防汚性ともに良好な結果
が得られた。評価結果を表1に示す。
【0050】
【実施例3】メタクリル樹脂製押出板の板厚を3mmに
変更した以外は実施例1と同様に行った。このようにし
て得られた表1に示す透光板を前述の試験方法に従って
評価を行った結果、防濡性、防汚性ともに良好な結果が
得られた。しかし板厚が薄くなった影響で遮音性が実施
例1と比べて劣る。評価結果を表1に示す。
【0051】
【実施例4】板厚15mmのメタクリル樹脂製押出板2
枚を熱圧着によって接着し、板厚30mmのメタクリル
樹脂板を用いた以外は実施例1と同様に行った。このよ
うにして得られた表1に示す透光板を前述の試験方法に
従って評価を行った結果、防濡性、防汚性ともに良好な
結果が得られた。しかし板厚が厚くなった影響で遮透過
像に歪みやゆがみが生じている。評価結果を表1に示
す。
【0052】
【実施例5】フイルム厚み200μmのエチレンテトラ
フルオロエチレンからなるフッ素系樹脂フイルム(ダイ
キン工業(株)製 商品名:ネオフロン)10枚を積み
重ねた以外は実施例1と同様に行った。このようにして
得られた表1に示す透光板を前述の試験方法に従って評
価を行った結果、防濡性、防汚性ともに良好な結果が得
られた。しかしフィルム厚みが厚くなった影響で遮透過
像に歪みやゆがみが生じ、全光線透過率も低下してい
る。評価結果を表1に示す。
【0053】
【実施例6】シリコン樹脂層の厚みが0.1μmになる
よう塗布厚みを変えた以外は実施例2と同様に行った。
このようにして得られた表1に示す透光板を前述の試験
方法に従って評価を行った結果、防濡性、防汚性ともに
良好な結果が得られた。しかし均一にコーティングされ
ておらずコートムラによって遮透過像に歪みやゆがみが
生じている。評価結果を表1に示す。
【0054】
【実施例7】メタクリル樹脂製押出板にかわって、ポリ
カーボネート樹脂製押出板を用いた以外は実施例1と同
様に行った。このようにして得られた表1に示す透光板
を前述の試験方法に従って評価を行った結果、防濡性、
防汚性ともに良好な結果が得られた。評価結果を表1に
示す。
【0055】
【比較例1】メチルメタアクリレートとメチルアクリレ
ートの共重合体からなるメタクリル樹脂製押出板(旭化
成工業(株)製 商品名:デラグラスA、板厚10m
m)そのもので透光板を得た。このようにして得られた
表1に示す透光板を前述の試験方法に従って評価を行っ
た結果、いつまでも板表面が濡れたままで、かつ水滴が
乾燥した後は透光板表面に水垢が残り汚れていた。評価
結果を表1に示す。
【0056】
【比較例2】フッ素系フイルムを厚み100μmのポリ
エチレンフイルムに変更した以外は実施例1と同様に行
った。このようにして得られた表1に示す透光板を前述
の試験方法に従って評価を行った結果、比較例1同様に
いつまでも板表面が濡れたままで、かつ水滴が乾燥した
後は透光板表面に水垢が残り汚れていた。評価結果を表
1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によって、透光板の汚れの原因で
もある雨粒等による透光板表面の濡れを防止する防濡性
を付与し、汚れない透光板を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/36 102 C08J 7/04 CEYS C08J 7/04 CEY CFDS CFD

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水との接触角が90度以上である透光
    板。
  2. 【請求項2】 全光線透過率が70%以上である請求項
    1記載の透光板。
  3. 【請求項3】 透明熱可塑性樹脂板表面に水との接触角
    が90度以上である高接触角樹脂が積層されてなる請求
    項1、2記載の透光板。
  4. 【請求項4】 透明熱可塑性樹脂板が押し出し成形法に
    よって成形された押出板である請求項3記載の透光板。
  5. 【請求項5】 透明熱可塑性樹脂板がアクリル系樹脂板
    である請求項3、4記載の透光板。
  6. 【請求項6】 透明熱可塑性樹脂板がポリカーボネート
    樹脂板である請求項3、4記載の透光板。
  7. 【請求項7】 透明熱可塑性樹脂板の厚みが5〜20m
    mである請求項3〜6記載の透光板。
  8. 【請求項8】 高接触角樹脂がフッ素系樹脂である請求
    項3〜7記載の透光板。
  9. 【請求項9】 高接触角樹脂がシリコン系樹脂である請
    求項3〜7記載の透光板。
  10. 【請求項10】 高接触角樹脂層の厚みが0.5〜10
    00μmである請求項3〜9記載の透光板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006150970A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Huhtamaki Forchheim Zweigniederlassung Der Huhtamaki Deutschland Gmbh & Co Kg シリコーン薄膜の製造方法、シリコーン薄膜及びその使用

Cited By (2)

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JP2006150970A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Huhtamaki Forchheim Zweigniederlassung Der Huhtamaki Deutschland Gmbh & Co Kg シリコーン薄膜の製造方法、シリコーン薄膜及びその使用
US8603378B2 (en) 2004-11-26 2013-12-10 Huhtamaki Forchheim Zweigniederlassung der Huhtamaki Deutschlang GmbH & Co. KG Process for the production of thin layers of silicone, thin silicone and use

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