JPH09311031A - 打抜き加工品の品質検査方法および品質検査装置 - Google Patents

打抜き加工品の品質検査方法および品質検査装置

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JPH09311031A
JPH09311031A JP15185496A JP15185496A JPH09311031A JP H09311031 A JPH09311031 A JP H09311031A JP 15185496 A JP15185496 A JP 15185496A JP 15185496 A JP15185496 A JP 15185496A JP H09311031 A JPH09311031 A JP H09311031A
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JP15185496A
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Yoshitaka Hikami
好孝 氷上
Akihiko Isoo
明彦 磯尾
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DAKKU ENG KK
DATSUKU ENG KK
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DAKKU ENG KK
DATSUKU ENG KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 打抜き加工品の撮像背景に制約を受けないよ
うに検査作業能率を向上させ、欠陥箇所を高精度に検出
し、重要でない部分に欠陥があるだけでは全体を廃棄処
理する無駄をなくし、しかも、欠陥箇所の評価を柔軟に
行って廃棄対象を最小限に止め、経済性を向上させる。 【解決手段】 打抜き加工品2の被検査面を撮像して作
成した多階調エリア画像と基準多階調エリア画像との対
応部分の濃度レベルを比較し、この比較結果から許容値
をもとに欠陥箇所を判定する。比較に際し、被検査多階
調エリア画像における打抜き加工品2の外方部分をマス
ク処理し、打抜き加工品2における使用に際して重要で
ある部分と重要でない部分を異なる精度の判定レベルで
欠陥の有無について判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、枚葉印刷物等から
プレス機械により打抜かれ、包装箱等を構成するための
打抜き加工品(ブランク)の印刷汚れ、異物の付着等、
各種欠陥を検出するために用いる打抜き加工品の品質検
査方法および品質検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図11に示す枚葉印刷物1は厚
紙に複数個の包装箱構成体2が一組として繰返して印刷
された後、一組の包装箱構成体2ごとに方形に裁断され
る。上記一組の包装箱構成体2はなるべく材料の無駄を
生じないような予定配置により印刷される(図11では
4個の包装箱構成体2を一組として図示しているが、そ
の個数は任意である。)。各包装箱構成体2は、図12
に示すように、後にプレス機械で打抜かれるとともに、
折目やミシン目状切取線が形成されることにより得られ
るため、印刷された状態では打抜く外形線や折目、ミシ
ン目状切取線は表示されていないが、理解しやすくする
ため、図11においては予定の打抜外形線を一点鎖線で
示し、予定の折目およびミシン目状切取線を二点鎖線で
示している。
【0003】各包装箱構成体2は正面片3の長辺側の一
側縁と他側縁にそれぞれ折目4と折目5を介して側面片
6と7が連設され、側面片7には正面片3の反対側で折
目8を介して背面片9が連設され、背面片9には側面片
7の反対側で折目10を介して貼着片11が連設され
る。正面片3の短辺側の一側縁と他側縁にそれぞれ折目
12と折目13を介して頂面片14と底面片15が連設
され、頂面片14には正面片3の反対側で折目16を介
して差込片17が連設され、底面片15には正面片3の
反対側で折目18を介して差込片19が連設される。側
面片6の両側短辺縁にはそれぞれ折目20、21を介し
て折込片22、23が連設され、側面片7の両側短辺縁
にはそれぞれ折目24、25を介して折込片26、27
が連設される。背面片9の上部にはミシン目状切取線2
8により密封兼開封片29が形成される。
【0004】正面片3、側面片6、7、背面片10、頂
面片14、底面片15、密封兼開封片29には収納物の
説明用の文字、数字、記号30、バーコード31等が印
刷されている。
【0005】この枚葉印刷物1から上記のように予定外
形線に沿って打抜かれるとともに、折目4、5、8、1
0、12、13、16、18、20、21、24、25
およびミシン目状切取線28が形成されることにより包
装箱構成体、すなわち、打抜き加工品(ブランク)2が
得られる。
【0006】そして、図13に示すように、折目4、5
に沿って側面片6、7を直角方向に折曲げ、折目8に沿
って背面片9を直角方向に折曲げ、折目10に沿って貼
着片11を直角方向に折曲げ、貼着片11を側面片6の
内側面に貼着する。続いて、折目21、25に沿って折
込片23、27を直角方向に折曲げ、折目13に沿って
底面片15を直角方向に折曲げ、更に、折目18に沿っ
て差込片19を直角方向に折曲げて背面片9の内側に差
込むとともに貼着することにより包装箱底部を封じるこ
とができる。続いて、上部開放部から収納物を収納し、
折目20、24に沿って折込片22、26を直角方向に
折曲げ、折目12に沿って頂面片14を直角方向に折曲
げ、更に、折目16に沿って差込片17を直角方向に折
曲げて背面片9の内側に差込むとともに密封兼開封片2
9に貼着することにより、密封状態の包装箱32を構成
することができる。
【0007】従来、上記打抜き加工品2における印刷汚
れ、異物の付着等、各種欠陥を検出するには、線状のC
CDラインセンサ等を用いて走行する打抜き加工品2の
被検査面(表面の印刷面)を撮像し、撮像によって得ら
れた画像信号を微分して被検査面の濃度変化を検出し、
この微分波形を二値化処理して得られる信号パターンを
あらかじめ作成しておいたマスターパターンと記憶手段
内で比較対照することにより、打抜き加工品2の欠陥箇
所を検出するようにした方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の二値化処理による品質検査方法では、打抜き加工
品2の外方部分を検査対象から外すことができない。こ
のため、打抜き加工品2をその搬送手段であるローラコ
ンベヤ、若しくはコンベヤとコンベヤの間の空間でしか
撮像することができず、撮像箇所に制約を受け、タイミ
ング設定が煩わしいばかりでなく、検査の作業能率に劣
り、検査作業のスピードアップに限界がある。
【0009】また、上記のように包装箱構成体である打
抜き加工品2は包装箱32を構成する際、正面片3、背
面片9は特に目立ち、商品イメージに影響を与えるばか
りでなく、収納物が特に薬である場合には内容量表示等
の数値が汚れにより別の数値に変わるなどにより危険を
伴う場合があるため、厳格な精度で検出する必要があ
り、側面片6、7も正面片3、背面片9のように厳格な
精度で検出する必要はないが、比較的目立ち、商品イメ
ージに影響を与えるため、普通の精度で検出する必要が
ある。これに対し、正面片3、背面片9、側面片6、7
以外の各片は目立たなかったり、包装箱32として組み
立てた状態において隠れたりする箇所で、上記正面片3
等の各片ほど重要ではないので、緩やかな精度で検出す
ればよいことになる。しかしながら、上記従来例の二値
化処理による品質検査方法では、重要である部分と重量
でない部分とで精度の異なる判定レベルで検出するのが
困難であるため、重要でない部分に欠陥があっても打抜
き加工品2の全体を廃棄処分することになり、非経済的
である。
【0010】また、二値化処理による品質検査方法で
は、判定レベルの設定が微妙であり、この判定レベルの
設定の適、不適によって欠陥検出精度が大きく左右され
る。また、微分波形によって得られる濃度変化のみによ
って欠陥箇所を検出しているため、地色が濃色である場
合と、薄色である場合とでは検出精度が異なる。
【0011】また、上記のように微分波形によって得ら
れる濃度変化のみによって欠陥を検出すると、図14
(a)に示すようなJ−J線上における目立ちやすい比
較的広い面積で比較的淡い汚れ101については図14
(b)、(c)、(d)に示すJ−J線上の濃度、微分
処理(時間的変化量を電圧値に変換)、差分(二値化に
より一定電圧以上を「1」とする)からも明らかなよう
に緩やかな信号パターンになるため、欠陥箇所ではない
と判定する。一方、図15(a)に示すようなK−K線
上における比較的狭い面積で濃い汚れ102は勿論のこ
と、比較的狭い面積で比較的淡い汚れ、更には比較的狭
い面積で淡い汚れについても図15(b)、(c)、
(d)に示すK−K線上の濃度、微分処理(時間的変化
量を電圧値に変換)、差分(二値化により一定電圧以上
を「1」とする)からも明らかなように急激な信号パタ
ーンになるため、欠陥箇所であると判定することにな
る。
【0012】しかしながら、このような検出方法は必ず
しも人間の視覚による欠陥認識と一致しない。例えば、
被検査面における汚損範囲が極めて狭い範囲であって
も、汚損範囲内外での濃度差が大きい場合には、人間の
視覚では「目立つ汚損」として認識される。また、汚損
濃度が同じ程度であっても、汚損範囲の大、小によって
も「目立つ汚損」として認識され、若しくは「目立たな
い汚損」として認識される。そして、「目立つ汚損」は
製品から確実に排除する必要があるが、他方、「目立た
ない汚損」は排除する必要がない場合が多く、このよう
な人間の視覚感性を考慮した欠陥判定が極めて困難であ
った。
【0013】本発明は、上記のような従来の問題を解決
するものであり、打抜き加工品の撮像背景に制約を受け
ないようにし、したがって、容易に、かつ迅速に検査す
ることができて検査のスピードアップを図ることがで
き、また、被検査面の地色の濃淡等の条件に拘らず、欠
陥箇所を高精度に検出することができ、また、使用に際
して隠れるなどによる重要でない部分に欠陥があるだけ
では全体を廃棄処分する無駄をなくすことができ、しか
も、欠陥箇所の評価を柔軟に行うことができて廃棄対象
を最小限に止めることができ、したがって、経済性の向
上を図ることができるようにした打抜き加工品の品質検
査方法および品質検査装置を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の品質検査方法は、打抜き加工品を撮像手段に
より撮像し、上記撮像手段から出力される多階調の画像
データをもとに多階調エリア画像を作成し、この被検査
多階調エリア画像における上記打抜き加工品の外方部分
についてはマスク処理して検査対象から除去し、上記被
検査多階調エリア画像における検査必要部分の各部の濃
度レベルを、重要度に応じて精度の異なる判定レベルで
基準多階調エリア画像の対応する各部の濃度レベルと比
較し、この比較結果から各判定レベルにおける許容値を
もとに欠陥箇所を判定するようにしたものである。
【0015】上記目的を達成するための本発明の他の品
質検査方法は、上記品質検査方法において、打抜き加工
品の検査不要部分についてマスク処理して検査対象から
除去するようにしたものである。
【0016】そして、上記品質検査方法において、被検
査多階調エリア画像と基準多階調エリア画像との位置な
どのずれ量を考慮して欠陥箇所を判定し、また、撮像手
段により撮像する際の打抜き加工品の明るさを検出し、
この検出結果に対応して基準多階調エリア画像の濃度レ
ベルの明るさを変化させるのが好ましい。
【0017】また、被検査多階調エリア画像と基準多階
調エリア画像の濃度レベル差を所望方向に一定量累積加
算し、強調して比較し、または被検査多階調エリア画像
の濃度を所望方向に一定量累積加算して強調し、濃度を
所望方向に一定量累積加算してある基準多階調エリア画
像の濃度レベルと比較するのが好ましい。
【0018】また、許容値に濃度レベル差を用い、この
濃度レベル差の許容値として、精度の異なる判定レベル
ごとに、基準多階調エリア画像の各行を構成する各多階
調ライン画像の濃度レベルに許容濃度レベルを加算して
明欠陥多階調ライン画像を作成し、他方、基準多階調エ
リア画像の多階調ライン画像の濃度レベルから許容濃度
レベルを減算して暗欠陥多階調ライン画像を作成し、こ
れら明欠陥多階調ライン画像および暗欠陥多階調ライン
画像を許容範囲の上限値および下限値として用いること
ができる。
【0019】また、上記濃度レベル差の許容値を、精度
の異なる判定レベルごとに、重欠陥レベルと軽欠陥レベ
ルに設定し、濃度レベル差が重欠陥レベルを超えた場合
には欠陥箇所であると判定し、濃度レベル差が軽欠陥レ
ベルと重欠陥レベルの間の場合には精度の異なる判定レ
ベルに共通するレベルで、若しくは精度の異なる判定レ
ベルごとに異なるレベルで軽欠陥レベルを逸脱している
部分の形状を解析することにより、この逸脱部分が広い
場合に欠陥箇所であると判定し、狭い場合には欠陥箇所
でないと判定するのが好ましい。また、軽欠陥レベルを
複数段階に設定することも可能である。
【0020】また、許容値は、濃度差と面積の総和、若
しくは横方向と縦方向のサイズの基準値によって区画す
ることもできる。
【0021】上記目的を達成するための本発明の品質検
査装置は、打抜き加工品を撮像する撮像手段と、この撮
像手段から出力される多階調の画像データをもとに作成
した被検査多階調エリア画像および基準多階調エリア画
像を記憶しておく記憶手段と、上記被検査多階調エリア
画像における上記打抜き加工品の外方部分についてはマ
スク処理して検査対象から除去し、上記被検査多階調エ
リア画像における検査必要部分の各部の濃度レベルを、
重要度に応じて精度の異なる判定レベルで上記基準多階
調エリア画像の対応する各部の濃度レベルと比較し、こ
の比較結果から各判定レベルにおける許容値をもとに欠
陥箇所を判定する判定手段とを備えたものである。
【0022】上記品質検査装置において、被検査多階調
エリア画像と基準多階調エリア画像との位置などのずれ
量を補正する補正手段を備え、更に、撮像手段により撮
像する際の打抜き加工品の明るさを検出し、この検出結
果に対応して基準多階調エリア画像の濃度レベルの明る
さを変化させる検出手段を備えることができる。
【0023】そして、判定手段が、上記のように被検査
多階調エリア画像における検査必要部分の各部の濃度レ
ベルの比較に際し、重要度に応じて精度の異なる判定レ
ベルで比較し、その判定の際の許容値に濃度レベル差を
用い、その許容値を、明欠陥多階調ライン画像と暗欠陥
多階調ライン画像とによって区画し、更に、形状を解析
して判定することができ、または判定に用いる許容値
を、濃度差と面積の総和の基準値によって区画すること
ができる。
【0024】本発明によれば、打抜き加工品の被検査面
を撮像して得られる多階調の画像データをもとに多階調
エリア画像を作成し、この被検査多階調エリア画像を基
準多階調エリア画像とパターンマッチングさせて両画像
の対応部分の濃度レベルを比較し、この比較結果から許
容値をもとに欠陥箇所を判定する。このように濃度レベ
ルの比較結果から許容値をもとに欠陥箇所を判定するの
で、欠陥箇所の評価を柔軟に行うことができる。また、
上記比較に際し、打抜き加工品の使用の際における部分
の重要度に応じて精度の異なる判定レベルで比較し、商
品価値に影響を及ぼさない重要でない部分の比較的軽い
欠陥については欠陥ではないと判定することにより、全
体を廃棄する無駄をなくすことができる。また、上記比
較に際し、打抜き加工品の外方部分についてはマスク処
理して検査対象から除去するので、打抜き加工品の撮像
背景に制約を受けないようにすることができる。
【0025】また、打抜き加工品の検査不要部分につい
てマスク処理して検査対象から除去することにより、同
様に全体を廃棄する無駄をなくすことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1の実
施形態について説明する。図1および図2は本発明の第
1の実施形態による品質検査装置の搬送機構部を示す概
略平面図および一部破断概略側面図、図3は同品質検査
装置の処理部を示すブロック図である。
【0027】まず、本発明の一実施形態による品質検査
装置について説明する。図1、図2において、41は打
抜き加工品2を積層状態でセットするセット部、42は
セット部41の打抜き加工品2を繰出す繰出し部、43
は繰出し部42から繰出される打抜き加工品2を搬送す
る搬送帯、44は搬送帯43の走行を案内するローラ
群、45は搬送される打抜き加工品2の検査部、46は
検査部45で検査された打抜き加工品2の良品、不良品
を仕分ける仕分け部、47は不良品の打抜き加工品2を
回収する回収箱、48は良品の打抜き加工品2をストッ
クするストック部、49は各部の制御盤である。
【0028】検査部45において、図1、図2に示すよ
うに、走行する打抜き加工品2の印刷面の上方に位置し
てCCDラインセンサカメラ(以下、単にカメラと称
す)50が配置されている。打抜き加工品2の走行方向
でカメラ50の両側に反射照明用光源51が配置され、
打抜き加工品2を挟んでカメラ50と対向するように透
過照明用光源52が配置されている。図示例では、反射
照明と透過照明とを併用しているが、被検査物の種類に
よってはいずれかのみを採用してもよい。また、これら
照明には、可視光、赤外線、紫外線、γ線、χ線などを
使用することができる。カメラ50は512、102
4、2048、5000ビット等の線状センサであり、
走行する打抜き加工品2の全幅が順次撮像されるように
なっている。
【0029】図3において、60は画像メモリであり、
カメラ50から出力された打抜き加工品2の印刷表示面
の被検査画像を多値化画像として記憶する。例えば、カ
メラ50から順次出力される256段階の多階調ライン
画像のデータを記憶するとともに、多階調エリア画像を
作成する。61はX補正回路、62はY補正回路であ
り、カメラ50から出力された画像より検査基準となる
印刷表示位置を記憶し、検査対象の印刷表示位置と比較
することにより補正量を抽出し、画像メモリ60から多
階調エリア画像を読み出す際に補正量を加え、多階調エ
リア画像を移動させ、検査対象と検査対象基準の画像の
位置を同じにする。X補正回路61は打抜き加工品2の
走行方向に対して画像を垂直方向に補正し、Y補正回路
62は打抜き加工品2の走行方向に対して画像を同一方
向に補正する。
【0030】そして、上記補正を行うには、被検査画像
と基準画像のいずれか一方、若しくは両方を記憶手段の
内部で移動させることにより、被検査画像と基準画像を
重ね合わせた上、両画像を比較対象する。画像移動方法
としては公知の手段を適宜採用することができ、メモリ
上でのソフトウエア処理、専用論理回路を用いたハード
ウエア処理のいずれを用いることも任意である。ソフト
ウエア処理としては、例えば、画像の特徴点を認識さ
せ、この特徴点を基準にして画像を移動する手法や、概
略抽出した画像輪郭を基準にして画像を移動させる手法
を採用することができる。またはあらかじめ画像のずれ
を想定した多数の基準画像をメモリに記憶させておき、
被検査画像を基準画像と順次比較し、一致することによ
り補正量を抽出して被検査画像を移動させる手法を採用
することができる。
【0031】63は平均濃度検出回路であり、カメラ5
0から出力された印刷表示画像をもとに検査基準となる
印刷表示平均濃度を検出し、検査対象の印刷表示平均濃
度と比較することにより補正量を抽出する。64は画像
基準メモリであり、検査基準となる印刷表示画像を多値
化画像として記憶する。例えば、あらかじめ撮像した正
常な打抜き加工品2の基準(マスタ)画像の256段階
の多階調エリア画像を記憶する。65は許容値選択メモ
リであり、後述するように画像メモリ60から出力され
る被検査多階調エリア画像と基準画像メモリ64から出
力される基準多階調エリア画像とを画素ごとに比較する
ための複数の濃度許容値を記憶し、選択する。
【0032】上記のように包装箱構成体である打抜き加
工品2は包装箱32を構成する際、正面片3、背面片9
は特に目立つ箇所であるばかりでなく、内容表示、商品
イメージとして重要であるので、濃度レベルの許容値を
厳格に設定し、側面片6、7は正面片3、背面片9に次
いで目立つ箇所で商品イメージとして重量であるので、
濃度レベルの許容値を普通に設定し、その他の各片は目
立たなかったり、包装箱32として組み立てた際に隠れ
たりする箇所で上記各片ほど重要ではないので、濃度レ
ベルの許容値を緩和するように設定し、それぞれの判定
レベルでウインドウ処理できるようにする。すなわち、
濃度レベル差の許容値を、精度の異なる判定レベルごと
に、基準多階調ライン画像データの真値である基準濃度
レベルに一定の許容値を加算して得られる「明」側で軽
欠陥濃度レベルおよび重欠陥濃度レベルと、基準濃度レ
ベルから一定の許容値を減算して得られる「暗」側で軽
欠陥濃度レベルおよび重欠陥濃度レベルを設定する。ま
た、精度の異なる判定レベルごとに異なるレベルで軽欠
陥レベルを逸脱している部分におけるx方向(幅方向)
とy方向(流れ方向)の形状による判定レベルを設定す
る。この軽欠陥濃度レベルを逸脱している部分における
x方向とy方向の判定レベルについては精度の異なる判
定レベルに共通であってもよい。異なる場合の判定レベ
ルの一例について表1に示し、共通の場合の判定レベル
の一例について表2に示す。また、打抜き加工品2の外
方部分については判定に際してマスク処理することがで
きるように許容値が最大となるように設定しておく。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】66は画像演算回路であり、画像メモリ6
0から抽出した位置補正後で平均濃度検出回路63によ
り検出された補正量を加えた被検査多階調エリア画像の
各部の濃度を基準画像メモリ64から抽出した基準多階
調エリア画像の対応する各部の濃度レベルと比較し、こ
の比較結果について許容値選択メモリ65から抽出した
許容値をもとに欠陥箇所を判定する。すなわち、打抜き
加工品2の外方部分については許容値が最大となるの
で、マスク処理して比較対象から除外し、打抜き加工品
2において、比較して得られた濃度レベル差が許容値を
超えると欠陥であると判定し、許容値を超えなければ欠
陥がないと判定する。67は欠陥検出回路であり、画像
演算回路66で抽出された欠陥画像よりx方向とy方向
の欠陥寸法を計測し、許容値選択メモリ65に設定され
ているx方向とy方向の判定レベルを超えるものを欠陥
として検出し、検出した欠陥の位置、大きさの情報を記
憶する。上記各メモリ60、64、65、各回路61、
62、63、66、67はCPU(図示省略)によって
制御される。
【0036】次に、本発明の第1の実施形態による品質
検査方法について上記品質検査装置の動作と共に説明す
る。図4〜図8は本発明の第1の実施形態による品質検
査方法の原理説明図である。
【0037】図1、図2に示すようにセット部41に積
層している打抜き加工品2を繰出し部42の操作により
順次繰出し、ローラ群44の案内により走行する搬送帯
43により搬送する。この間、打抜き加工品2の欠陥の
有無について検査部45により検査し、この検査部45
からの指令による仕分け部46の操作により不良品の打
抜き加工品2を回収箱47に回収し、良品の打抜き加工
品2をストック部48にストックする。
【0038】上記検査部45における検査方法の詳細に
ついて説明すると、上記のように走行する打抜き加工品
2を照明用光源51、52により照射し、打抜き加工品
2の被検査面をその幅方向の全長にわたってカメラ50
により順次撮像する。画像メモリ60はカメラ50から
順次出力される256段階の多階調ライン画像のデータ
を記憶するとともに、多階調エリア画像を作成する。一
方、X補正回路61とY補正回路62はカメラ50から
出力された画像データから検査基準となる印刷表示位置
を記憶し、検査対象の印刷表示位置と比較することによ
り補正量を抽出する。また、平均濃度検出回路63はカ
メラ50から出力された画像データから検査基準となる
印刷表示平均濃度を検出し、検査対象の印刷表示平均濃
度と比較することにより補正量を抽出する。
【0039】基準画像メモリ64は画像メモリ60の被
検査多階調エリア画像をX補正回路62、Y補正回路6
3の補正量で移動させ、検査基準である基準多階調エリ
ア画像と印刷表示位置を一致させて記憶する。そして、
画像演算回路66が被検査多階調エリア画像の不要部
分、すなわち、打抜き加工品2の外側部分をマスク処理
し、それ以外の各部の濃度レベルを基準多階調エリア画
像の対応する各部の濃度レベルと比較する。そして、両
画像の対応部分の濃度レベル差の許容値をもとに欠陥箇
所を判定する。画像演算回路66で軽欠陥であると判定
された被検査多階調エリア画像における欠陥箇所の形状
を欠陥検出回路67により解析して欠陥であるか否かに
ついて判定する。この間、上記のように作成された被検
査面の多階調エリア画像をモニタTV(図示省略)に映
し出し、検査員による目視が可能となる。
【0040】これらの判定作業を更に詳細に説明する
と、上記のように打抜き加工品2の外方の不要部分は許
容値を最大にすることにより、図4に斜線で示すよう
に、マスク処理70を施して検査対象から除外している
ので、搬送手段が撮像されてもこれを欠陥として検出と
せず、検出に支障はない。
【0041】図5(a)、(b)および図6(a)、
(b)は画像の濃淡検出原理を示している。図5(a)
と図6(a)に示す基準画像72と被検査画像73にお
ける二つの文字Vのうち、一方の斜線で示す文字「V」
が「暗」側であり、他方の白抜きで示す文字「V」が
「明」側であるとすれば、L−L線における波形は図5
(b)、図6(b)に示すようになる。ここで、図6
(a)に示す被検査画像73における汚れ等の欠陥71
が基準画像72における波形形状とは異なる波形形状部
分74として現われる。そして、この濃淡差が設定した
判定レベルにおける重欠陥濃度レベルを超え、若しくは
軽欠陥濃度レベルと重欠陥濃度レベルの間でサイズの条
件も同時に満たせば被検査物である打抜き加工品2に欠
陥があると見なすことになるので、上記X補正回路6
1、Y補正回路62の位置補正により文字等30、バー
コード31の膨脹を防止し、平均濃度検出回路63で自
動濃度補正することが重要となる。
【0042】図7および図8(a)〜(e)は便宜的に
打抜き加工品2における表面片3の欠陥の有無を判定す
る場合について示している。図8(a)〜(e)におい
て、打抜き加工品2の被検査多階調ライン画像と基準多
階調ライン画像データの濃度レベル(印刷されている文
字等30、バーコード31の波形形状については便宜
上、削除して平坦上に図示している)81が一致してお
り、厳密に言えば、これらの多階調ライン画像データの
濃度レベル(以下、基準濃度レベルと称す)81に対し
て「暗」側、若しくは「明」側のいずれかに波形形状の
変化として現われれば打抜き加工品2そのものとしては
欠陥となるが、上記のように目立たない欠陥を欠陥とし
て認識しないように基準画像の多階調ライン画像データ
に対し、濃度レベル差に一定の許容値を設定してある。
【0043】上記許容値としては、多階調ライン画像デ
ータの真値である基準濃度レベル81に一定の許容値を
加算して得られる「明」側で軽欠陥濃度レベル82aお
よび重欠陥濃度レベル82bと、基準濃度レベル81か
ら一定の許容値を減算して得られる「暗」側で軽欠陥濃
度レベル83aおよび重欠陥濃度レベル83bを作成し
てある。そして、原則的にはこの軽欠陥濃度レベル82
aと83aとによって区画される領域内に被検査多階調
ライン画像データが収まっている場合には、欠陥ではな
いと判断し、上記領域からの逸脱部分があれば、この部
分は軽度、若しくは重度の欠陥であると判断する(各濃
度レベル81、82、83は光源51、52による照度
が両外側部で弱くなるので、湾曲形状となってい
る。)。
【0044】この判断基準によれば、図7のA−A線上
にある比較的狭い面積で比較的淡い汚れ75の部分は、
図8(a)に示すように、その波形形状の変化が「暗」
側の軽欠陥濃度レベル83a内であるので、欠陥ではな
いと検出する。図7のB−B線上にある比較的狭い面積
で濃い汚れ76は、図8(b)に示すように、その波形
形状の変化が「暗」側の重欠陥濃度レベル83bを逸脱
しているので、重欠陥であると検出する。図7のC−C
線上にある比較的大きい面積で比較的淡い汚れ77は、
図8(c)に示すように、その波形形状の変化が「暗」
側の軽欠陥濃度レベル83aを逸脱しているので、軽欠
陥であると検出する。図7のD−D線上にある比較的狭
い面積で比較的淡い汚れ78は、図8(d)に示すよう
に、その波形形状の変化が「暗」側の軽欠陥濃度レベル
83aを逸脱しているので、軽欠陥であると検出する。
図7のE−E線上にある光反射性の汚れ(若しくは穴)
79は、図8(e)に示すように、その波形形状の変化
が「明」側の重欠陥濃度レベル82bを逸脱しているの
で、重欠陥であると検出することになる。
【0045】上記判定方法によれば、ある程度現実的な
欠陥検出が可能となるが、この判定方法だけでは不十分
な場合もある。例えば、汚損範囲や汚損の色と地色との
濃度差等によっては人間の視覚上では比較的目立たない
場合や比較的目立ちやすい場合があり、したがって、こ
のような汚損を除去対象とするか、若しくは除去対象か
ら外すかという問題に対処するために次のように判定す
る。
【0046】図8(c)に示すように、「明」側の軽欠
陥濃度レベル82aと「暗」側の軽欠陥濃度レベル83
aとによって区画される領域からの逸脱部分の形状、す
なわち、x、y(図7参照)の寸法が、比較的大きい場
合には、その汚損状態は軽欠陥であると認識させ、他
方、図8(d)に示すように、逸脱部分の形状、すなわ
ち、x、y(図7参照)の寸法が比較的小さい場合に
は、その汚損状態は欠陥ではないと認識させて仕分ける
ようにする。このように逸脱した部分の濃度レベルと形
状を監視することによって判定することも可能である
が、逸脱部分の濃度レベルと面積を認識させることによ
り判定することも可能である。
【0047】裏面片9についても表面片3と同様に厳格
レベルで欠陥の有無を検出し、側面片6、7については
表1における普通レベルで上記と同様に欠陥の有無を検
出し、その他の各片については表1における緩和レベル
で上記と同様に欠陥の有無を検出する。
【0048】上記検出例では、濃度レベル差が軽欠陥レ
ベルと重欠陥レベルの間の場合には精度の異なる判定レ
ベルごとに異なるレベルで軽欠陥レベルを逸脱している
部分の形状を解析することにより、この逸脱部分が広い
場合に欠陥箇所であると判定し、狭い場合には欠陥箇所
でないと判定しているが、表2で示すように、精度の異
なる判定レベルに共通するレベルで軽欠陥レベルを逸脱
している部分の形状を解析することにより、この逸脱部
分が広い場合に欠陥箇所であると判定し、狭い場合には
欠陥箇所でないと判定することもできる。
【0049】本実施形態によれば、比較的狭い面積で濃
い汚れ76、比較的広い面積で比較的淡い汚れ77、光
反射性の汚れ(若しくは穴)79については欠陥箇所で
あると判定し、比較的狭い面積で淡い汚れ75、比較的
狭い面積で比較的淡い汚れ78については欠陥箇所では
ないと判定することになる。これに対し、上記従来例の
微分二値化処理を利用した検査方法では、目立ちやすい
比較的広い面積で比較的淡い汚れ77については図14
に示すような緩やかな信号パターンになるため、欠陥箇
所ではないと判定し、光反射性(若しくは穴)79、比
較的狭い面積で濃い汚れ76は勿論のこと、比較的狭い
面積で比較的淡い汚れ76、更には比較的狭い面積で淡
い汚れ75についても図15に示すような急激な信号パ
ターンになるため、欠陥箇所であると判定することにな
る。これからも本実施形態によれば、欠陥箇所を高精度
に検出することができ、また、欠陥箇所の評価を柔軟に
行うことができることが明らかである。また、被検査画
像の基準画像に対する位置ずれを修正するので、打抜き
加工品2に印刷した文字30、バーコード31等を明瞭
に識別することができ、修正しない場合の膨脹による欠
陥であるとの誤認識を防止することができる。
【0050】次に、本発明の第2の実施形態による品質
検査方法について説明する。図9(a)〜(f)は本発
明の第2の実施形態による品質検査方法を示す原理説明
図である。
【0051】図9(a)は基準多階調エリア画像91、
図9(b)は被検査多階調エリア画像92を示し、被検
査多階調エリア画像92には送り方向Yに沿って不連続
線状の欠陥93が存在しているものとする。図9(c)
は上記被検査多階調エリア画像92を基準多階調エリア
画像91とパターンマッチングした多階調エリア画像9
4を示し、この多階調エリア画像94には上記不連続線
状の欠陥93とランダムノイズ95が存在する。
【0052】パターンマッチング後の多階調エリア画像
94のF−F線上における信号波形は図9(d)に示す
ようになり、欠陥93をノイズ95と識別することがで
きない。そこで、被検査多階調エリア画像92と基準多
階調エリア画像91のパターンマッチング後の濃度レベ
ル差を図9(a)に示すように、Y方向に一定量YLに
ついて累積加算し、強調画像とする。この強調画像にお
ける長さYLについて累積加算信号波形は図9(f)に
示すようになり、不連続線状の欠陥93が一本の連続線
状になり、ランダムノイズ95と明瞭に識別して検出す
ることができる。そして、検出した濃度レベルを上記第
1の実施形態と同様に許容値に基づいて欠陥であるか否
かについて判定する。
【0053】次に、本発明の第3の実施形態による品質
検査方法について説明する。図10(a)〜(e)は本
発明の第3の実施形態による品質検査方法を示す原理説
明図である。
【0054】図10(a)は入力多階調エリア画像にY
方向で一定量YLについて累積加算した基準多階調エリ
ア画像97を示し、図10(b)は上記基準多階調エリ
ア画像97と同様の処理をした被検査多階調エリア画像
98を示す、各画像97、98における文字Vのエッジ
部の横線は累積加算によりシャープさがなくなるのを示
している。上記処理により上記第2の実施形態と同様に
被検査多階調エリア画像98に不連続線状の欠陥93が
あった場合、一本の連続線状になる。図10(c)は基
準多階調エリア画像97のG−G線上における信号波形
を示し、図10(d)は被検査多階調エリア画像98の
H−H線上における信号波形を示している。図10
(e)は一例として、被検査多階調エリア画像98のH
−H線上における信号波形の32000レベルから35
000レベルの波形を示している。
【0055】本実施形態においては、上記のようにパタ
ーンマッチング前に濃度を累積加算した被検査多階調エ
リア画像98を同様の処理をしてある基準多階調エリア
画像97とパターンマッチングし、濃度レベル差を検出
する。そして、検出した濃度レベルを上記第1の実施形
態と同様に許容値に基づいて欠陥であるか否かについて
判定する。
【0056】上記第2、第3の実施形態においては、打
抜き加工品2の送り方向Yについて濃度の累積加算を行
う場合について説明したが、横方向Xについて濃度の累
積加算を行うようにしてもよく、またはX、Yの両方向
に濃度の累積加算を行うようにしてもよい。
【0057】本発明の更に他の実施形態として、濃度レ
ベル差の許容値を「明」側と「暗」側における濃度差と
面積の総和(体積)、若しくは横方向Xと縦方向(送り
方向)Yのサイズの基準値により区画するにより欠陥箇
所を更に一層確実に検出することができる。
【0058】上記実施形態においては、白地に黒色で印
刷された場合に限らず、カラー印刷においても同様に許
容値をもとに欠陥箇所を判定することができる。
【0059】なお、上記各実施形態において、例えば、
包装箱構成体である打抜き加工品2の貼着片11は包装
箱32の組立後においては外部に露出しないので、検査
に際してマスク処理することもできる。また、ラインセ
ンサカメラ50を首振り移動させるなどして撮像対象部
位を連続的に変化させるようにしてもよく、要するに打
抜き加工品2の被検査面とラインセンサカメラ50を相
対的に移動させるようにすればよい。また、上記実施形
態では256段階の多階調ライン画像データを得るよう
にしているが、512段階、若しくは1024段階等の
多階調ライン画像データを得るようにすることもでき
る。また、撮像手段は上記CCDラインセンサカメラ5
0に限定されるものではなく、打抜き加工品2を撮像し
て多階調画像データを得ることができれば、いかなる手
段でもよい。また、上記実施形態においては、被検査多
階調エリア画像をX方向とY方向に位置補正する場合に
ついて説明したが、あらかじめ回転角度の異なる基準多
階調エリア画像を記憶しておき、これら基準多階調エリ
ア画像と被検査多階調エリア画像のパターンマッチング
を行うことなどにより回転方向(θ方向)の位置補正を
も行うことができる。更に、このほか、本発明は、その
基本的技術思想を逸脱しない範囲で変更することができ
る。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、打
抜き加工品の被検査面を撮像して得られる多階調の画像
データをもとに多階調エリア画像を作成し、この被検査
多階調エリア画像を基準多階調エリア画像とパターンマ
ッチングさせて両画像の対応部分の濃度レベルを比較
し、この比較結果から許容値をもとに欠陥箇所を判定す
る。このように濃度レベルの比較結果から許容値をもと
に欠陥箇所を判定するので、被検査面の地色の濃淡や凹
凸形状等の条件に左右されることなく、欠陥箇所を検出
することができ、また、欠陥箇所の評価を柔軟に行うこ
とができる。また、上記比較に際し、打抜き加工品の使
用の際における部分の重要度に応じて精度の異なる判定
レベルで比較し、商品価値に影響を及ぼさない部分の比
較的軽い欠陥については欠陥ではないと判定することに
より、全体を廃棄する無駄をなくすことができる。した
がって、経済性の向上を図り、資源の有効利用に貢献す
ることができる。また、上記比較に際し、打抜き加工品
の外方部分についてはマスク処理して検査対象から除外
するので、打抜き加工品の撮像背景に制約を受けないよ
うにすることができ、したがって、打抜き加工品を容易
に、かつ迅速に検査することができて検査のスピードア
ップを図ることができる。
【0061】また、打抜き加工品の検査不要部分につい
てマスク処理して検査対象から除去することにより、上
記と同様に全体を廃棄する無駄をなくすことができ、し
たがって、経済性を向上させることができ、資源の有効
利用に貢献することができる。
【0062】また、被検査多階調エリア画像と基準多階
調エリア画像の濃度レベル差を所望方向に一定量累積加
算し、強調して比較し、または被検査多階調エリア画像
の濃度を所望方向に一定量累積加算して強調し、濃度を
所望方向に一定量累積加算してある基準多階調エリア画
像の濃度レベルと比較することにより、淡い欠陥やかす
れた欠陥に対して有効であり、また、前者においては部
分レベルマスク機能を有効に利用することができ、後者
においてはより高い感度で検出することができる。
【0063】また、許容値に濃度レベル差を用い、濃度
レベル差の許容値を重欠陥濃度レベルと軽欠陥濃度レベ
ルに設定し、濃度レベル差が重欠陥濃度レベルを超えた
場合には欠陥箇所であると判定し、濃度レベル差が軽欠
陥濃度レベルと重欠陥濃度レベルの間の場合には軽欠陥
濃度レベルを逸脱している部分の形状を解析し、その逸
脱部分が広い場合には欠陥箇所であると判定し、狭い場
合には欠陥箇所ではないと判定することにより、目視判
定に近い判定結果を得ることができる。
【0064】また、許容値として、濃度差と面積の総和
の基準値によって区画することにより、欠陥箇所を更に
一層確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による品質検査装置の搬送
機構部を示す概略平面図である。
【図2】同品質検査装置の搬送機構部を示す一部破断概
略側面図である。
【図3】同品質検査装置の処理部を示すブロック図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施形態による品質検査方法を
示し、打抜き加工品の外方部分にマスク処理した状態の
説明図である。
【図5】(a)と(b)は同品質検査方法における画像
の濃淡検出原理を説明するための基準画像とその濃度分
布波形図である。
【図6】(a)と(b)は同品質検査方法における画像
の濃淡検出原理を説明するための被検査画像とその濃度
分布波形図である。
【図7】同品質検査方法を示し、打抜き加工品の表面片
の汚れの説明図である。
【図8】(a)〜(e)は同品質検査方法を示し、汚れ
の検出原理説明図である。
【図9】(a)〜(f)は本発明の第2の実施形態によ
る品質検査方法を示す原理説明図である。
【図10】(a)〜(e)は本発明の第3の実施形態に
よる品質検査方法を示す原理説明図である。
【図11】打抜き加工品を打抜く前の状態の枚葉印刷物
を示す平面図である。
【図12】同枚葉印刷物から打抜いた打抜き加工品を示
す平面図である。
【図13】同枚葉印刷物から打抜いた打抜き加工品によ
り組み立てた包装箱の概略斜視図である。
【図14】(a)〜(d)は従来の微分二値化処理を用
いた品質検査方法により目立ちやすい比較的広い面積で
比較的淡い汚れについて欠陥を検出する場合の原理説明
図である。
【図15】(a)〜(d)は従来の微分二値化処理を用
いた品質検査方法により比較的狭い面積で濃い汚れにつ
いて欠陥を検出する場合の原理説明図である。
【符号の説明】
1 枚葉印刷物 2 打抜き加工品 50 CCDラインセンサカメラ 60 画像メモリ 61 X補正回路 62 Y補正回路 63 平均濃度検出回路 64 基準画像メモリ 65 許容値選択メモリ 66 画像演算回路 67 欠陥検出回路 70 マスク処理部 71 汚れ 72 基準画像 73 被検査画像 75 比較的狭い面積で比較的淡い汚れ 76 比較的狭い面積で濃い汚れ 77 比較的広い面積で比較的淡い汚れ 78 比較的狭い面積で比較的淡い汚れ 79 光反射性の汚れ 81 基準濃度レベル 82a 「明」側の軽欠陥濃度レベル 82b 「明」側の重欠陥濃度レベル 83a 「暗」側の軽欠陥濃度レベル 83b 「暗」側の重欠陥濃度レベル

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 打抜き加工品を撮像手段により撮像し、
    上記撮像手段から出力される多階調の画像データをもと
    に多階調エリア画像を作成し、この被検査多階調エリア
    画像における上記打抜き加工品の外方部分についてはマ
    スク処理して検査対象から除去し、上記被検査多階調エ
    リア画像における検査必要部分の各部の濃度レベルを、
    重要度に応じて精度の異なる判定レベルで基準多階調エ
    リア画像の対応する各部の濃度レベルと比較し、この比
    較結果から各判定レベルにおける許容値をもとに欠陥箇
    所を判定する打抜き加工品の品質検査方法。
  2. 【請求項2】 打抜き加工品の検査不要部分についてマ
    スク処理して検査対象から除去する請求項1記載の打抜
    き加工品の品質検査方法。
  3. 【請求項3】 被検査多階調エリア画像と基準多階調エ
    リア画像との位置などのずれ量を考慮して欠陥箇所を判
    定する請求項1または2のいずれかに記載の打抜き加工
    品の品質検査方法。
  4. 【請求項4】 撮像手段により撮像する際の打抜き加工
    品の明るさを検出し、この検出結果に対応して基準多階
    調エリア画像の濃度レベルの明るさを変化させる請求項
    1ないし3のいずれかに記載の打抜き加工品の品質検査
    方法。
  5. 【請求項5】 被検査多階調エリア画像と基準多階調エ
    リア画像の濃度レベル差を所望方向に一定量累積加算
    し、強調して比較する請求項1ないし4のいずれかに記
    載の打抜き加工品の品質検査方法。
  6. 【請求項6】 被検査多階調エリア画像の濃度を所望方
    向に一定量累積加算して強調し、濃度を所望方向に一定
    量累積加算してある基準多階調エリア画像の濃度レベル
    と比較する請求項1ないし4のいずれかに記載の打抜き
    加工品の品質検査方法。
  7. 【請求項7】 許容値に濃度レベル差を用いる請求項1
    ないし6のいずれかに記載の打抜き加工品の品質検査方
    法。
  8. 【請求項8】 濃度レベル差の許容値が、精度の異なる
    判定レベルごとに、基準多階調エリア画像の多階調ライ
    ン画像の濃度レベルに許容濃度レベルを加算して作成し
    た明欠陥多階調ライン画像と、基準多階調エリア画像の
    多階調ライン画像の濃度レベルから許容濃度レベルを減
    算して作成した暗欠陥多階調ライン画像とによって区画
    される請求項7記載の打抜き加工品の品質検査方法。
  9. 【請求項9】 濃度レベル差の許容値が、精度の異なる
    判定レベルごとに、重欠陥レベルと軽欠陥レベルに設定
    され、濃度レベル差が重欠陥レベルを超えた場合には欠
    陥箇所であると判定し、濃度レベル差が軽欠陥レベルと
    重欠陥レベルの間の場合には精度の異なる判定レベルに
    共通するレベルで軽欠陥レベルを逸脱している部分の形
    状を解析することにより、この逸脱部分が広い場合に欠
    陥箇所であると判定し、狭い場合には欠陥箇所でないと
    判定する請求項8記載の打抜き加工品の品質検査方法。
  10. 【請求項10】 濃度レベル差の許容値が、精度の異な
    る判定レベルごとに、重欠陥レベルと軽欠陥レベルに設
    定され、濃度レベル差が重欠陥レベルを超えた場合には
    欠陥箇所であると判定し、濃度レベル差が軽欠陥レベル
    と重欠陥レベルの間の場合には精度の異なる判定レベル
    ごとに異なるレベルで軽欠陥レベルを逸脱している部分
    の形状を解析することにより、この逸脱部分が広い場合
    に欠陥箇所であると判定し、狭い場合には欠陥箇所でな
    いと判定する請求項8記載の打抜き加工品の品質検査方
    法。
  11. 【請求項11】 許容値が、濃度差と面積の総和、若し
    くは横方向と縦方向のサイズの基準値によって区画され
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の打抜き加工品の
    品質検査方法。
  12. 【請求項12】 打抜き加工品を撮像する撮像手段と、
    この撮像手段から出力される多階調の画像データをもと
    に作成した被検査多階調エリア画像および基準多階調エ
    リア画像を記憶しておく記憶手段と、上記被検査多階調
    エリア画像における上記打抜き加工品の外方部分につい
    てはマスク処理して検査対象から除去し、上記被検査多
    階調エリア画像における検査必要部分の各部の濃度レベ
    ルを、重要度に応じて精度の異なる判定レベルで上記基
    準多階調エリア画像の対応する各部の濃度レベルと比較
    し、この比較結果から各判定レベルにおける許容値をも
    とに欠陥箇所を判定する判定手段とを備えた打抜き加工
    品の品質検査装置。
  13. 【請求項13】 被検査多階調エリア画像と基準多階調
    エリア画像との位置などのずれ量を補正する補正手段を
    備えた請求項12記載の打抜き加工品の品質検査装置。
  14. 【請求項14】 撮像手段により撮像する際の打抜き加
    工品の明るさを検出し、この検出結果に対応して基準多
    階調エリア画像の濃度レベルの明るさを変化させる検出
    手段を備えた請求項12または13記載の打抜き加工品
    の品質検査装置。
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