JPH0930139A - 金属光沢熱転写記録材とそれを用いた記録方法及び記録物 - Google Patents

金属光沢熱転写記録材とそれを用いた記録方法及び記録物

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JPH0930139A
JPH0930139A JP7204074A JP20407495A JPH0930139A JP H0930139 A JPH0930139 A JP H0930139A JP 7204074 A JP7204074 A JP 7204074A JP 20407495 A JP20407495 A JP 20407495A JP H0930139 A JPH0930139 A JP H0930139A
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JP
Japan
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layer
metallic luster
thermal transfer
ink
color
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JP7204074A
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English (en)
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Shunichi Ebihara
俊一 海老原
Keiji Hirose
恵二 広瀬
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属光沢を有する文字や図柄等のカラーの画
像の記録物を得る。 【解決手段】 記録物を得るために利用する転写箔とし
ての金属光沢熱転写記録材は、基材の一方の面に、金属
蒸着層や金属光沢顔料を樹脂中に分散させてなる樹脂含
有層からなる金属光沢層と接着層とを少なくとも、更に
金属光沢層と基材との間に、昇華熱転写インク受容性や
溶融熱転写インク受容性を示すインク受容層を設ける。
記録方法は、この金属光沢転写記録材で金属光沢層を転
写した転写部の表面はインク受容層となり、この転写部
にYMCBk4色の昇華熱転写インクや溶融熱転写イン
クを熱転写して記録層を作れば、フルカラーの記録物が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に熱転写記録方
式を利用して、金属光沢を有する文字や図柄、階調画像
等のカラー画像を有する記録物を得るために利用する金
属光沢熱転写記録材と、それを用いた金属光沢を有する
カラーの記録物、及びその記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】旧来より、金属光沢を有する記録物等を
得る方法として金属蒸着膜等の金属膜層を有する転写箔
によるホットスタンピング法が良く知られている。この
転写箔は通常、基材フィルム上に剥離層、蒸着アンカー
層、金属膜層、接着層を順次積層した構成、若しくは剥
離層に蒸着アンカー層としての機能も持たせて蒸着アン
カー層を省略した構成となっている。そして、基材面側
から予め予熱されたホットスタンプを押し当てて印字
(記録)を行うものである。しかし、ホットスタンピン
グ法による印字(記録)では、印字する文字や図柄等と
同一形状の凸部を有する金属等からなるスタンプを作成
する必要があるため、少部数の印字には不経済で対応が
難しい。また、ホットスタンピング法による記録物の色
は、通常アンカー層中に含有させる染料又は顔料等の色
材を変更することによって変えることができるが、一つ
の記録物内で複数の色を表現させたメタリック調(金属
光沢)の多色記録物を得るには、所望の色の転写箔と所
望のスタンプとを一色毎にそろえる必要がある。
【0003】これに対し、近年、溶融熱転写リボン若し
くは昇華熱転写リボン等の熱転写リボンとサーマルヘッ
ドとを用いた熱転写記録方式が普及しており、当方式は
少部数の印字に適している。更に、任意の色のインクリ
ボンを用いてマルチカラー記録を行うか、もしくは、イ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のYMC
3色、それに必要に応じてブラック(Bk)も加えたY
MCBk4色を用いて、減法混色することにより、フル
カラー記録を行うこともできるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の転写箔
と同様の手法を用いて、金属光沢を有するマルチカラー
或いはフルカラーの記録物を得るべく、蒸着アンカー層
中に例えばYMCそれぞれの染料を含有させたYMCの
転写リボンを用いて記録を行っても、後から印字された
金属蒸着層が先に印字された色の上に重なる部分では、
下の色を完全に隠蔽してしまうので、そのままではフル
カラーを再現することはできず、所望の期待した色を表
現できない。
【0005】そこで、本発明の目的は、以上の如き問題
点を解決し、マルチカラーやフルカラー等で金属光沢を
有するカラー画像の記録に適した金属光沢熱転写記録材
と、それによる金属光沢を有するカラー表現可能な記録
物の記録方法、及びその結果得られる金属光沢を有する
カラー表現可能な記録物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
し目的を達成するために、本発明の金属光沢熱転写記録
材、記録方法及び記録物は、その記録方法として、金属
光沢を有する熱転写リボンによって先ず金属光沢層を有
する転写部を形成し、その転写部に熱転写リボンによる
熱転写等の印刷方式により所望の色の記録層を形成する
ことで、所望の色の金属光沢を有するメタリック調のカ
ラー記録物、或いはマルチカラー記録物を得る様にし
た。そして、印刷形成する色を、YMCの3色、又はY
MCBkの4色の中の少なくとも1色以上を適宜選択す
ることで、フルカラーのメタリック(金属光沢)調の記
録物を得る様にした。
【0007】そして、この記録方法に用い得る、本発明
の金属光沢熱転写記録材は大別すると2種類ある。その
第1の記録材は、基材の一方の面に、金属蒸着層又はメ
ッキ層等の金属膜層からなる金属光沢層と接着層とを少
なくとも有し、金属膜層と基材との間にインク受容層を
設けた構成とする。また、この金属光沢熱転写記録材に
おいて、金属光沢層と基材との間にアンカー層を設けた
構成とする。また、これら金属光沢熱転写記録材におい
て、インク受容層がアンカー層の機能を兼用する層であ
る構成とする。さらに、これら金属光沢熱転写記録材に
おいて、インク受容層が昇華熱転写インク受容性又は溶
融熱転写インク受容性である構成とする。
【0008】また、本発明の金属光沢熱転写記録材の第
2の記録材は、基材の一方の面に、金属光沢顔料を樹脂
中に分散させてなる金属光沢層と接着層とを少なくとも
有し、金属光沢層と基材との間にインク受容層がある構
成とする。また、この金属光沢熱転写記録材において、
インク受容層を構成する樹脂が昇華熱転写インク受容性
又は溶融熱転写インク受容性を有する構成とする。
【0009】次に、本発明の記録方法は、上記の金属光
沢熱転写記録材による金属光沢層の転写部の上に、昇華
熱転写インクや溶融熱転写インクとして、任意の色を少
なくとも1つ以上を更に転写することにより、金属光沢
調のカラー記録、或いはマルチカラー記録を行うか、も
しくは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラックインク(Bk)のうちの少なくと1つ
以上をさらに転写することにより、金属光沢調のフルカ
ラー記録を行う。また、上記YMC系のインクで得られ
る記録層の透明度は、イエローインク層の透明度を55
0〜780nmの範囲で70%以上、マゼンタインク層
の透明度を380〜450nm及び600〜780nm
の範囲において70%以上、シアンインク層の透明度を
380〜550nmの範囲において70%以上とする。
【0010】また、本発明の記録物は、上記記録方法に
よって得られた金属光沢を有するものとする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金属光沢熱転写記
録材を構成する層毎に順次詳述し、その後に本発明の記
録方法及び記録物を詳述する。図1は本発明の金属光沢
熱転写記録材の一実施例として、金属光沢層に金属膜層
を用いた場合の縦断面図である。図1に示す本発明の金
属光沢熱転写記録材1は、基材2の背面側に背面層7が
形成されており、基材2のおもて面側には、順に剥離層
3、インク受容層4、アンカー層8、金属光沢層5、接
着層6が順次形成された構成のものである。背面層7、
アンカー層8及び剥離層3は場合により省略することも
でき、また、インク受容層4とアンカー層8とは兼用す
ることもできる。このように、金属光沢層が金属膜層の
場合は、一般にそれ自身にインク受容性が乏しいのでイ
ンク受容層を設ける。そして、この金属光沢熱転写記録
材を熱転写すると、金属光沢層の上をインク受容層が覆
った構成の転写部が得られる。
【0012】また、図2は本発明の金属光沢熱転写記録
材の他の実施例として、金属光沢層に樹脂中に金属光沢
顔料を含有させた樹脂含有層を用いた場合の縦断面図を
示す。図2の金属光沢熱転写記録材1は、基材2の背面
側に背面層7が形成されており、基材2のおもて面側に
は、順に剥離層3、インク受容層4、金属光沢層5、接
着層6が順次形成された構成のものである。図1と同
様、背面層7及び剥離層3は場合により省略することも
できる。
【0013】本発明の金属光沢熱転写記録材は、転写さ
れた転写層がインク受容性を持つ様にしてある点がその
一つの特徴である。単なる金属光沢を有する転写層を形
成するだけが目的であれば、従来の転写箔による発想と
して、その金属光沢熱転写リボンの構成は、ワックス若
しくは樹脂中にアミニウムや銅或いは銅合金などの金属
粉末を分散させた塗液を基材フィルム上に塗布した構成
とするか、従来のホットスタンプに用いる転写箔と同様
に基材フィルム上に剥離層、蒸着アンカー層、金属蒸着
層、接着層を順次積層した構成とすれば充分目的を達成
できる。(なお、後者の変形として、剥離層に蒸着アン
カー層としての機能を持たせて蒸着アンカー層を省略し
て基材フィルム上に剥離層、金属蒸着層、接着層を順次
積層した構成もあり得る。) そして、金属光沢調のフルカラー若しくはマルチカラー
の記録物を得るには、上記2種類の構成のどちらのリボ
ンを用いてもできるが(転写させた金属光沢を持つ転写
部の上にフルカラーやマルチカラーの印刷を行う)、よ
り光沢がある記録物を得るには後者の金属蒸着層を用い
たリボンを用いた方が望ましい。
【0014】しかし、従来の転写箔では、耐擦過性、耐
溶剤性を向上させる目的で、転写部の最表層となる蒸着
アンカー層には熱硬化型の樹脂を用いる等するが、転写
層の上に更にインクを重ねることまでは考慮されていな
い。このため、このような構成からなる金属光沢熱転写
記録材から得た転写部の上に、フルカラー若しくはマル
チカラー記録を行う場合、樹脂タイプの溶融熱転写イン
クによって重ね印字するときは特に問題は無いが、ワッ
クス類を主成分とする溶融熱転写インクによって重ね印
字するときには、ワックス成分が転写層の最外層を形成
する樹脂類と相溶しにくい為に、転写が不充分で感度不
足となったり、印字時にワックスが流動して印字ムラが
生じてしまう等の問題が起こる。更に、昇華熱転写イン
クを用いて重ね印字するときも、転写層の最外層が染料
受容性を持たない場合には記録できなかったり、印字中
に昇華熱転写リボンと転写層とが熱融着してしまう等の
問題も発生する。
【0015】そこで、本発明では、図1及び図2に例示
したように、最外層がインク受容性を持つ転写部が得ら
れるような金属光沢熱転写記録材として、上記の溶融熱
転写インクでの感度不足や印字ムラ、昇華熱転写インク
での染料定着性や記録材の剥離性の問題を解決した。そ
して、溶融熱転写インクを用い場合には、溶融熱転写イ
ンクとの相溶性の良好なインク受容性を、昇華熱転写イ
ンクを用いる場合には、昇華熱転写インクに用いられる
昇華染料に対する染料受容性の良好なインク受容性を持
たせるようにした。すなわち、金属光沢層を転写する場
合に、被転写体に転写されて形成された転写層の最外層
となるインク受容層を構成する樹脂に適切なものを使用
することで上記インク受容性を持たせる様にした。
【0016】以上のような構成の金属光沢熱転写記録材
を用いることで、その転写印字された転写部の上に、極
めて良好な溶融熱転写もしくは昇華熱転写記録を行うこ
とが可能となり、フルカラー若しくはマルチカラーの良
好な金属光沢を持つ記録物が得られることとなる。
【0017】さらに、通常のモノカラー印字用のインク
リボンに使用されるカラーインクはインクの透明度が低
く、これをそのまま金属光沢熱転写記録材による転写部
の上に重ね印字すると、透明感や金属光沢感を充分に得
にくい。そこで、本発明の記録方法、およびその結果得
られる記録物では、この点を解決する為に、インクが転
写されて形成される記録層の透明度を特定のものとして
いる。
【0018】以下、図1及び図2に戻って、各層の材料
について詳説する。
【0019】次に、各層の材料を説明する。先ず、本発
明の金属光沢カラー熱転写記録材1の基材2としては、
熱転写記録時のサーマルヘッドの加熱に耐え且つ所望の
伝熱性、機械的強度等を有する材料であれば特に限定さ
れず、従来の熱転写リボン等に使用される公知の材料等
を使用できる。例えば、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、セロハン、酢酸セルロース、ポリカ
ーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リイミド等のプラスチックのフィルム、コンデンサー
紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、又、これ
らを複合したものであっても良い。
【0020】また、基材の厚さは、その機械的強度及び
熱伝導性等の点から適宜調整するが、通常、好ましくは
2〜25μm程度である。図1の一実施例の如く基材2
の背面にサーマルヘッドとの熱融着を防止する耐熱性の
背面層7を設けてもよい。また、背面層7には、耐熱性
の他に滑り性を良くする為の滑性機能を具備させても良
い。
【0021】なお、上記背面層としては、耐熱性を目的
とする際は、公知の、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂や
シリコーン樹脂、フッソ樹脂等の熱可塑性樹脂等の耐熱
性のある樹脂を使用し、また、滑性を得るには充填剤、
滑剤、帯電防止剤等の添加剤等を添加する。背面層の厚
みさは、融着防止や滑性等が果たせられる程度であれば
充分で、通常0.1〜3μm程度である。
【0022】剥離層3は、転写記録時に、金属光沢熱転
写記録材から被転写体側に、その厚み方向の全部又は凝
集破壊によって一部が転写移行し、記録物の最表面を形
成する層である。一部移行又は全部移行の場合は、印字
の切れが良い様に記録時の凝集力が低いものが良い。或
いは、全く転写移行しない層であってもよい。要は、剥
離層は該層或いは該層隣接面において金属光沢熱転写記
録材が剥離し、基材と他の層との分離を可能にする層で
ある。
【0023】剥離層3としては、例えば、カルナバワッ
クス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、エステルワックス、フィシャートロプシュワック
ス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、みつロウ、鯨
ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャ
ンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワック
ス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の種々のワックス
類が使用できる。
【0024】また、剥離層3としては基材との剥離性等
が適切であれば上記ワックス以外の樹脂も使用でき、樹
脂のみ、或いは上記ワックス類と樹脂との混合物等であ
ってもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリイ
ソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンア
クリロニトリルゴム等のゴム系樹脂、アクリル酸エステ
ル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル
系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体型樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリ塩素化オレフィン系樹脂、ポリカーボネート、
ポリビニルブチラール系樹脂等が挙げられる。さらに、
剥離層には必要に応じて、軟化剤、充填剤等も添加する
ことができる。
【0025】剥離層3の厚みは、塗工量で一般に0.1
〜10g/m2 の範囲である。0.1g/m2 未満であ
ると、剥離層としての機能をなさず、10g/m2 を超
えると、印字の切れが低下し特に階調記録が良好に出来
ず、また箔持ちの低下をもたらし使用できなくなること
もある。なお、上記剥離層の材料は、一般に溶融熱転写
インクとの相溶性が良好であるため、これらのインクが
インク受容層へ移行する際にさまたげとなることは無い
が、昇華熱転写インクの場合は、特にワックス系の剥離
層は昇華染料のインク受容層への移行の妨げとなった
り、転写の際に融着してしまうことがある。このため、
昇華熱転写を目的とした場合、剥離層はこの点を充分に
考慮し、材料の選定を行う。
【0026】インク受容層4は、金属光沢熱転写記録材
で転写形成された転写部の最外層として、その上又はそ
れ自身の内部にインクを受け付けて良好なインク定着性
を有する記録層の形成を助ける層である。従って、イン
ク受容層の材料は、使用するインクに適合した材料を適
宜選択することが望ましい。
【0027】インクに溶融熱転写インクを用いる場合に
は、溶融熱転写インクに使用されるワックス類と相溶性
の良好な樹脂を選べば、良好なインクの転写性を与え、
良好な溶融熱転写インク受容性が得られる。溶融熱転写
インク受容性の良好な樹脂としては熱可塑性樹脂類であ
り、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリアル
キレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニ
ル、アイオノマー樹脂、エチレン−エチルアクリレート
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のアクリル
系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルアセタール、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエステル、ポリウタレン、ポリアミ
ド、エチルセルロース、ニトロセルース、酢酸セルロー
ス等の繊維系高分子、塩化ゴム、天然ゴム等のゴム系高
分子等の一種又は二種以上の組み合わせが有効である。
【0028】一方、インクに昇華熱転写インクを用いる
場合には、使用される昇華性染料に対して染着性の良好
な樹脂が良好な昇華熱転写インク受容性を与える。この
ような樹脂としは、例えば、ポリエステル、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体、ビニルトルエン
−アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリア
ミド、尿素樹脂、ポリカプロラクトン、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニ
トリル等が有効である。
【0029】また、上記昇華熱転写インク受容性の良好
な樹脂と前記溶融熱転写インク受容性の良好な樹脂と共
通の樹脂を用いれば、昇華熱転写インク受容性且つ溶融
熱転写インク受容性の良好な樹脂として用いることもで
きる。
【0030】更に、転写移行された染料の耐候性を高め
る目的でこれら樹脂中に紫外線吸収剤、光安定剤のどち
らか片方又は両方を添加しても良い。また、記録時の昇
華熱転写シートとの離型性を向上させる目的で、転写後
に最外層となるインク受容層を覆う新たな最外層とし
て、基材上の剥離層とインク受容層との間に(転写移行
する)離型層を形成しても良い。あるいはインク受容層
中に離型剤を含有させても良い。離型剤としては、ポリ
エチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー
等の固形ワックス類、フッソ系、リン酸エステル系の界
面活性剤、シリコーンオイル等が好ましい。離型層を形
成する場合は転写後に最外層となるので、厚みを0.1
〜1μm程度と薄くし、染料の移行を妨げないようにす
る。
【0031】なお、インク受容層の厚みは、0.1〜2
0g/m2 の範囲で塗工形成する。0.1g/m2 未満
では溶融熱転写インクのワックス類や昇華熱転写インク
の染料類の充分な定着効果が得られない。一方、20g
/m2 を越えると、印字感度(転写感度)を著しく低下
させる。
【0032】アンカー層8は、金属光沢層を金属蒸着層
から形成する場合には、金属蒸着時の下地を提供し且つ
基材やインク受容層等を蒸着時の熱から保護し、金属光
沢を実現するための蒸着アンカー層として作用する。ま
た、転写後は金属蒸着層と共に被転写体に転写移行し、
金属蒸着層の上層に位置して金属蒸着層に密着して転写
部の一構成要素となるのものであり、金属蒸着層を擦り
傷や腐食等の機械的及び化学的強度を向上させる保護層
としても機能し、また金属蒸着層の金属光沢を透視可能
な程度に透明性を有するものであれば、材料は特に限定
されない。このような材料としは、例えば、アルキッド
樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹
脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸アミド等
のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のビニル系樹脂、ポ
リオキシメチレン、ポリフェニレンオキシド等のポリエ
ーテル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセル
ロース樹脂、エチルセルロース樹脂等の熱可塑性樹脂が
挙げられる。
【0033】アンカー層の厚みは、金属蒸着或いは金属
メッキの下地層としての機能を果たす意味で、通常は、
塗工量で0.1〜20g/m2 の範囲で設ける。厚みが
0.1g/m2 未満ではアンカー層として機能せず、2
0g/m2 を超えると、印字の切れが悪くなる。
【0034】また、前記したインク受容層4とアンカー
層8とを兼用することもできる。この場合、ワックス類
では蒸着時の耐熱性に不足するので、耐熱性、基材側と
の離型性、金属膜層との密着性、印字切れ性等の点か
ら、上述の樹脂のうち比較的低分子量で凝集力の低いも
のを用いることができる。
【0035】金属光沢層5は、金属蒸着層やメッキ層等
の金属膜層、或いは、樹脂中に金属粉末等の金属光沢顔
料を分散させた樹脂含有層のいずれかから形成する。こ
れらの中でも、優れた光沢のあるメタリック調の記録物
が得られる点で金属膜層、特に金属蒸着層は好ましい。
メッキ層は、工程の煩雑さの点で問題となるが、金属蒸
着層と同様に良好な光沢感が得られる。
【0036】金属蒸着層としては、アルミニウム、亜
鉛、スズ、クロム、金、銀等の金属、或いは真ちゅう等
の合金等を真空蒸着法、スパッタリング法等の真空下に
よるメタライジング法、すなわち、物理蒸着法(PV
D:Physical Vapor Deposio
n)で形成した薄膜の金属膜層である。金属蒸着層の厚
みは、通常、100〜1000Å、好ましくは300〜
600Åの範囲とすれば、金属光沢を得るには充分であ
る。薄すぎると光沢感が得られる程に可視光線を反射せ
ず、厚すぎると印字切れが悪くなり、また不経済であ
る。
【0037】メッキ層としては、ニッケル、クロム、銅
やその他貴金属、合金等が使用できる。これらによるメ
ッキ層はメッキ用の前処理を施された樹脂フィルム上
に、無電解メッキ法によって形成することができ、その
厚みは100〜1000Å程度が好ましい。
【0038】樹脂含有層としては、アルミニウム粉、ブ
ロンズ粉、銅粉、錫粉、鉛粉、亜鉛粉等の金属粉末やパ
ール顔料等の金属光沢を有する金属光沢顔料を樹脂中に
分散させた層である。また、樹脂としては、熱可塑性樹
脂、例えば、エチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アク
リル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の従来公知の樹脂が
使用できる。樹脂含有層の厚みは、0.1〜20g/m
2 の範囲が好ましい。0.1g/m2 未満では充分な光
沢感が得られず、20g/m2 を超えると著しく感度が
低下する。
【0039】接着層6は、ワックス成分として、前記剥
離層に使用できる材料として挙げたマイクロクリスタリ
ンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等
のワックス類やエレチン−酢酸ビニル共重合体等の熱可
塑性樹脂等の単独もしくはこれらの適宜混合物が使用で
きる。接着層の厚みは、0.1〜10g/m2 である。
0.1g/m2 未満では、充分な接着力を得られず感度
不足となり、10g/m2 を超えると接着層を溶融させ
るのに過大なエネルギーが必要となり、又、箔切れも低
下し好ましくない。
【0040】なお、基材上に、剥離層、インク受容層、
アンカー層、金属光沢層(樹脂含有層)、接着層、或い
は 背面層等を形成するには、層の構成材料を有機溶剤
等の溶剤に溶解又は分散した塗液として、従来公知のグ
ラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコー
ト、ナイフコート、その他多くの公知の塗工手段によっ
て形成することができる。また、ワックスが主体となる
層の場合は、ホットメルトコート、ホットラッカーコー
ト等の塗工手段も使用できる。
【0041】上記のように構成された本発明の金属光沢
熱転写記録材は、それ自身のみの利用に止めて、従来の
ホットスタンピング法の転写箔としても使用できるし、
また従来公知の熱転写リボンに用いられる熱転写プリン
タのサーマルヘッドによる印字によって金属光沢のみに
よる文字等を記録する熱転写リボンとしても使用できる
が、その特徴が発揮されるのは、本熱転写記録材によっ
て金属光沢層を転写して、その転写部の上にさらにイン
ク(特に、昇華熱転写インクや溶融熱転写インク)によ
る記録層を形成した記録物を得る場合である。そして、
異なる色の複数のインクを用いれば、金属光沢を有する
マルチカラーの記録物や、フルカラーの記録物も得られ
る。なお、金属光沢熱転写記録材の形態は、リボン状の
他シート状等でも良い。
【0042】次に、上記金属光沢熱転写記録材を利用し
て、金属光沢を持つ記録物を得る本発明の記録方法を説
明する。本発明の記録方法では、先ず、上記金属光沢熱
転写記録材で金属光沢層を転写して転写部を形成した
後、金属光沢層を有する転写部の上にインクによる記録
層を形成する。ただし、記録層は、その下の金属光沢層
を隠蔽しない程度の透明度を持つことが、必要である。
なお、転写部と記録層との面的関係は、転写部上の全面
もしくは一部に記録層を形成し、更に必要に応じて転写
部以外の面にも記録層を形成してもよい。
【0043】転写部の上にインクによる記録層を形成す
る方法としては、転写部がインク受容性であるので、あ
とは得られる記録層が適度の透明度があればオフセッ
ト、グラビア、シルクスクリーン等の従来公知の各種印
刷手段でもよいが、本発明の金属光沢熱転写記録材は昇
華熱転写インクや溶融熱転写インクを考慮してあるの
で、サーマルヘッドを用いた公知の熱転写プリンタによ
る昇華転写又は溶融熱転写を行う熱転写印刷方法が良
い。プリンタを使用すれば、前記各印刷手段に比べて記
録物の一つ毎に異なる画像を容易に形成できる。
【0044】記録層の色は、特に有彩色の色に限定され
ず、黒の単色、或いは2色等と任意であり、フルカラー
表現に限定されるものでもない。いずれにしても、上記
金属光沢熱転写記録材を利用する本発明の記録方法の一
つの特徴である金属光沢層及びインク受容層の利点は充
分に発揮される。金属光沢調の記録物を得るために、イ
ンクの被印刷体として単なる金属箔等を用いれば、通常
は好ましいインク受容性を期待することは難しいが、本
金属光沢熱転写記録材によれば、紙等、被印刷体の材料
を選ばすに望みの材料をインク受容性を持った金属光沢
の被印刷体として準備することができる利点がある。し
かし、本発明の記録方法では、複数の色のインクによる
マルチカラー、フルカラー表現において、さらに従来に
ない利点を発揮する。
【0045】従来、ホットスタンピング用の転写箔で
は、金属蒸着層のアンカー層を着色して有彩色の転写箔
とした。したがって、アンカー層をプロセスカラーのイ
エロー、マゼンタ、シアン、ブラックとしたものを用意
し、これでオフセット等の一般的な印刷方法と同様にし
て、各色の濃度階調を網点の大小で表現できれば、金属
光沢を有する記録物をフルカラーで表現できそうでもあ
る。しかし、この場合、先に印刷した色の上に他の色が
積層されると、上の色の形成時に同時に形成される金属
蒸着層で下の色は遮蔽されて見えなくなり、期待した減
法混色が起こらず、インクフルカラー表現ができない。
【0046】ところが、本発明の記録方法では、必要と
する所に先に一括して金属光沢層を転写させてしまって
から、各色のインクを配置していくので、上記のような
先に形成した色が後の色形成時に遮蔽されることがな
く、プロセスカラーによるフルカラー表現や、任意の色
によるマルチカラー表現ができることとなる。したがっ
て、従来の熱転写記録材が利用する、減法混色の三原色
である、イエロー、マゼンタ及びシアンに、さらに必要
に応じてブラックを加えたプロセスカラーの4色を、従
来公知の印刷によるフルカラー表現と同様の方法にて、
金属光沢のフルカラー表現が得られる。
【0047】また、カラーインクによる記録層は、その
下方に積層される金属光沢層による金属光沢感を損なわ
ない程度の透明度を備えていることが望ましい。この点
で、記録層の透明度は、そして特に、記録層を減法混色
の三原色YMC、或いはYMCBkによるフルカラーの
記録物を得る際は、各色の透明度を以下の様にすると良
い。イエローの場合には透明度が550〜780nmの
範囲において70%以上、マゼンタの場合は透明度が3
80〜450nm及び600〜780nmの範囲におい
て70%以上、シアンの場合は透明度が380〜550
nmの範囲において70%以上であることが好ましい。
各色において、透明度が70%未満であると、光沢感の
損なわれた曇りのある記録物となってしまい、良好な減
法混色ができず、色の再現域が狭くなってしまう。な
お、記録層が黒色の場合の透明度は、光沢感のある黒の
再現を特に必要とする場合には、ある程度(30〜50
%程度)の透明度は必要であるが、フルカラー再現を目
的とする場合においては、光沢感が無くても充分な再現
を得ることができるため、透明度が0%でも支障はな
い。透明度が0%ならば、下方の金属光沢層は不可視の
ため有っても用を成さず、不要であり省略しても良い。
【0048】なお、完全な自然色を表現する目的では、
上記YMCBkのインクが好ましいが、別の色彩効果等
を持つカラーの記録物を得る目的では、これら色に限定
されない。
【0049】そして、上記の様にして本発明の金属光沢
を有するカラーの記録物は得ることができる。なお、該
記録物には、記録部分において少なくともおもて側から
インクによる記録層、インク受容層、アンカー層、金属
光沢層、接着層が紙等の被転写体に積層された構成であ
り(インク受容層とアンカー層とは兼用されることもあ
る)、さらに金属光沢熱転写記録材の剥離層の有無、或
いは前記した該剥離層の剥離形態により、剥離層の厚み
方向の一部又は全部がインク受容層とインクの記録層と
の間に介在したものである。
【0050】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明の金属光
沢熱転写記録材、また記録方法及びそれから得られる記
録物について更に具体的に説明する。なお、文中にて
「部」とあるのは特に断りの無い限り重量基準である。
【0051】※金属光沢熱転写記録材の製造:
【0052】《実施例1》厚さ9μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムを基材とし、その一方の面にシリ
コーン変性ポリエステルからなる厚さ(乾燥時塗工量、
以下同様)0.2g/m2 の背面層を、他方の面にカル
ナバワックスからなる厚さ0.5g/m2の剥離層、下
記組成のインク受容層専用のインク受容層(厚さ0.5
g/m2 )、及びアンカー層(厚さ0.5g/m2 )を
塗工形成し、更にアンカー層上に厚さ500Åのアルミ
ニウムの金属蒸着層からなる金属光沢層を真空蒸着法に
より形成し、金属光沢層上に、下記組成で厚さ2g/m
2 の接着層を塗工して本発明の金属光沢熱転写記録材を
得た。
【0053】インク受容層(専用) エチレン−酢酸ビニル共重合体 100部アンカー層 ニトロセルロース 80部 トリレンジイソシアネート 20部接着層 カルナバワックス 60部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 40部
【0054】《実施例2〜4》インク受容層の厚みを、
それぞれ順に0.05g/m2 、15g/m2 、30g
/m2 とした他は、実施例1と同様にして形成して、本
発明の金属光沢熱転写記録材を得た。
【0055】《実施例5》実施例1において、インク受
容層を以下の組成の厚み1g/m2 の層を塗工形成した
ものとし、アンカー層を省略し、金属光沢層を無電解メ
ッキ法で形成した厚み500Åの銀の金属膜層に変更し
た以外は、実施例1と同様にして本発明の金属光沢熱転
写記録材を得た。
【0056】インク受容層(専用) エチレン−アクリル酸共重合体 100部
【0057】《実施例6》金属光沢層を以下の組成から
なる厚み7g/m2 の樹脂含有層に変更し、インク受容
層を省略した以外は実施例5と同様に形成して、本発明
の金属光沢熱転写記録材を得た。
【0058】金属光沢層(樹脂含有層) アルミペースト 70部 ポリエステル系樹脂 30部
【0059】《実施例7》実施例1において、インク受
容層を省略し、アンカー層を厚み2g/m2 の以下の組
成のアンカー層(兼インク受容層)に変更した他は実施
例1と同様にして、本発明の金属光沢熱転写記録材を得
た。
【0060】アンカー層(兼インク受容層) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
【0061】《実施例8》実施例7において、基材とア
ンカー層(兼インク受容層)との間に、以下の組成のイ
ンク受容専用のインク受容層(厚み3g/m2 )を塗工
形成した他は、実施例7と同様にして、本発明の金属光
沢熱転写記録材を得た。
【0062】インク受容層(専用) ポリエステル系樹脂 40部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 59部 アミノ変性シリコーン 0.3部 エポキシ変性シリコーン 0.7部
【0063】《実施例9》金属光沢層を以下の組成から
なる厚み7g/m2 の樹脂含有層に変更した他は、実施
例7と同様に形成して、本発明の金属光沢熱転写記録材
を得た(なお、アンカ層兼インク受容層はインク受容層
として作用する)。
【0064】金属光沢層(樹脂含有層) アルミペースト 70部 ポリアクリル酸エステル 30部
【0065】※記録物の製造:実施例の金属光沢熱転写
記録材と、カラーの熱転写リボンとをを用いて記録物を
製造した。
【0066】《実施例10〜15》被転写体として(白
色の)熱転写紙を用い、サーマルヘッドによる通常のフ
ルカラープリンターによって、先ず実施例1〜6までの
金属光沢熱転写記録材を転写して転写部を形成し、次い
で下記溶融熱転写リボンを用いて該転写部上にマルチカ
ラー記録を行い、実施例1〜6に対応した順に実施例1
0〜16の本発明の記録物を得た。
【0067】溶融熱転写リボン:背面にスリップ層を設
けた厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
のおもて面に下記組成の厚み2g/m2 の溶融熱転写イ
ンク層を塗布形成したもの。
【0068】
【0069】《実施例16》実施例10と同様にして
(すなわち、金属光沢熱転写記録材は実施例1のものを
用いる)金属光沢熱転写記録材を転写して転写部を形成
し、更に下記の溶融熱転写リボンを用いて該転写部上に
フルカラー記録を行い、本発明の記録物を得た。
【0070】
【0071】《実施例17》溶融熱転写リボンのインク
層を下記に代えた他は、実施例16と同様にして本発明
の記録物を得た。
【0072】
【0073】《実施例18〜20》実施例7〜9までの
金属光沢熱転写記録材を用い、下記昇華熱転写リボンを
用いてフルカラー記録を行った以外は、実施例16と同
様にして、実施例7〜9に対応した順に実施例18〜2
0の本発明の記録物を得た。
【0074】昇華熱転写リボン:背面にスリップ層を設
けた厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
のおもて面に下記組成の厚み1g/m2 の昇華熱転写イ
ンク層を塗布形成したもの。
【0075】
【0076】《比較例1》実施例1のインク受容層を省
略した以外は実施例1と同様に形成し、金属光沢熱転写
記録材を得た。次に、実施例16と同様にしてフルカラ
ー画像の印字を行い、記録物を得た。
【0077】《比較例2》インクリボンとして実施例1
8の昇華熱転写リボンを用いた以外は比較例1と同様に
してフルカラー画像の印字を行い、記録物を得た。
【0078】《比較例3》比較例1のアンカー層を下記
の組成の着色したアンカー層に変更して、YMC3色の
金属光沢調のカラー熱転写記録材を作製した。そして、
このカラー熱転写記録材を用いて、熱転写紙上に、通常
のフルカラープリンターと同様の手法にてフルカラー画
像の印字を行って記録物を得た。
【0079】アンカー層 ニトロセルロース 70部 トリレンジイソシアネート 20部 色材:分散染料 10部 (色:イエロー、マゼンタ、シアンの各色)
【0080】《比較例4》実施例6の金属光沢層を以下
の組成からなる厚み7g/m2 の着色した樹脂含有層に
変更した以外は実施例6と同様にして、YMC3色の金
属光沢調のカラー熱転写記録材を得た。そして、このカ
ラー熱転写記録材を用いて、比較例3と同様にして記録
物を得た。
【0081】金属光沢層(樹脂含有層) アルミペースト 60部 ポリエステル系樹脂 20部 色材:着色顔料 20部 (色:イエロー、マゼンタ、シアンの各色)
【0082】《性能評価》上記実施例及び比較例の性能
評価は以下の基準で行った。
【0083】金属光沢層の転写感度(転写性):被転
写体として熱転写紙にべタの転写を行った際に、転写抜
けが全く無いものは◎、問題にならない程度の転写抜け
があるものは○、転写抜けが非常に目立つものは△、と
した。
【0084】カラーインクの転写感度(転写性):金
属光沢層が転写された転写部に、べタ印字を行った際に
印字抜けが全く無いものは◎、問題にならない程度の印
字抜けがあるものは○、印字抜けが非常に目立つものは
△、印字がほぼ不可能なものは×、とした。
【0085】カラーインクの記録層の透明度:イエロ
ーについては550nm、665nm、780nmの各
点、マゼンタは380nm、415nm、450nmの
各点を380〜450nmの領域のものとして、600
nm、690nm、780nmの各点を600〜780
nmの領域のものとして、シアンは380nm、465
nm、550nmの各点、のそれぞれの透過率の平均値
を、ブラックについては上記12点(うち重複点は除
く)の透過率の平均値を記録層の透明度とした。
【0086】色再現性:イエロー、マゼンタ、シア
ン、及びマゼンタ+イエロー(両色の重ね合わせ、以下
同様)にてレッド、シアン+イエローにてグリーン、シ
アン+マゼンタにてブルー、3色重ねてブラックの7色
のベタ及び階調表現を行うことで、フルカラーの色再現
性を評価した。各色とも良好に色再現できるものは◎、
色が薄くなる、ヌケる、黒っぽくなる等の個所があるが
問題とならない程度のものは○、色が薄い、ヌケる、黒
っぽくなる等の個所が目立つものは△、ヌケる、色再現
できないものは×とした。
【0087】光沢感:鏡面の光沢感が得られるものは
○、曇りのあるものは△、鏡面とならないものは×とし
た。
【0088】以上の実施例及び比較例の評価結果を表1
に示す。表中の透明度の欄で「Y85,M80/85,C85」等とあ
るのは、イエローが85%、マゼンタが380〜450
nmで80%であり600〜780nmで85%であ
り、シアンが85%であることを意味する。
【0089】
【表1】
【0090】表1に示す様に、本発明の金属光沢熱転写
記録材を利用して、カラーの記録物を得れば、光沢感に
優れる上、カラーの再現性にも優れたものが得られる。
【0091】
【発明の効果】 本発明の金属光沢熱転写記録材は、金属光沢層とイン
ク受容層のために、転写された転写部を金属光沢感があ
り且つインク受容性を持つものとすることができる。転
写部は昇華熱転写インクや溶融熱転写インク等の熱転写
インク等の被印刷体として適している。 金属光沢層が金属蒸着層等の金属膜層の場合は、アン
カー層により金属光沢層の密着性や光沢感等を良好にで
きる。アンカー層とインク受容層とを兼用すれば層構成
が単純化しコスス低減に寄与する。 本発明の記録方法では、上記金属光沢熱転写記録材の
転写で得られた転写部が昇華熱転写インクや溶融熱転写
インク等の熱転写インク等の印刷に好適である点を利用
して、通常の熱転写プリントにて、任意色のカラーの金
属光沢の記録物、或いは複数の任意色によるマルチカラ
ーの金属光沢の記録物、更には、YMC及びBkのプロ
セスカラーによるフルカラーの金属光沢の記録物が容易
に得られる。 また、プロセスカラーのインクの場合は、各インクに
よる記録層の透明度を70%以上とすることで、良好な
金属光沢感を有し、また良好な減法混色による色再現も
可能となる。 そして、本発明の記録物では、良好な金属光沢の画
像、さらに、フルカラー、マルチカラー等の良好なカラ
ー表現の記録物とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属光沢熱転写記録材の一実施例の縦
断面図。
【図2】本発明の金属光沢熱転写記録材の他の実施例の
縦断面図。
【符号の説明】
1 金属光沢熱転写記録材 2 基材 3 剥離層 4 インク受容層 5 金属光沢層(金属膜層又は樹脂含有層) 6 接着層 7 背面層 8 アンカー層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に、少なくとも金属光沢
    層及び接着層が設けられている金属光沢熱転写記録材に
    おいて、金属光沢層と基材との間にインク受容層を有す
    ることを特徴とする金属光沢熱転写記録材。
  2. 【請求項2】 インク受容層が昇華熱転写インク受容性
    であることを特徴とする請求項1記載の金属光沢熱転写
    記録材。
  3. 【請求項3】 インク受容層が溶融熱転写インク受容性
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属光沢
    熱転写記録材。
  4. 【請求項4】 金属光沢層が金属膜層であることを特徴
    とする請求項1,2又は3記載の金属光沢熱転写記録
    材。
  5. 【請求項5】 金属膜層が金属蒸着層で形成されてなる
    ことを特徴とする請求項4記載の金属光沢熱転写記録
    材。
  6. 【請求項6】 金属膜層がメッキ層で形成されてなるこ
    とを特徴とする請求項4記載の金属光沢熱転写記録材。
  7. 【請求項7】 金属膜層とインク受容層との間にアンカ
    ー層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の金属光沢熱転写記録材。
  8. 【請求項8】 インク受容層がアンカー層の機能を兼用
    する層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の金属光沢熱転写記録材。
  9. 【請求項9】 金属光沢層が、金属光沢顔料を樹脂中に
    分散させてなることを特徴とする請求項1,2又は3記
    載の金属光沢熱転写記録材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    金属光沢熱転写記録材による転写部の上に、溶融熱転写
    又は昇華熱転写記録方式によりカラーインク層をさらに
    転写することにより、金属光沢調のカラー記録を行うこ
    とを特徴とする記録方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    金属光沢熱転写記録材による転写部の上に、溶融熱転写
    又は昇華熱転写記録方式により、2色以上のカラーイン
    ク層をさらに転写することにより、金属光沢調のマルチ
    カラー記録を行うことを特徴とする記録方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    金属光沢熱転写記録材による転写部の上に、溶融熱転写
    又は昇華熱転写記録方式により、イエロー、マゼンタ、
    シアン、ブラックのうちの1つ以上のインク層をさらに
    転写することにより、金属光沢調のフルカラー記録を行
    うことを特徴とする記録方法。
  13. 【請求項13】 イエローインク層の透明度を550〜
    780nmの範囲において70%以上、マゼンタインク
    層の透明度を380〜450nm及び600〜780n
    mの範囲において70%以上、シアンインク層の透明度
    を380〜550nmの範囲において70%以上とする
    ことを特徴とする請求項12記載の記録方法。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13のいずれか1項に記
    載の記録方法によって得られた金属光沢を有する記録
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007264630A (ja) * 2007-03-12 2007-10-11 Make Softwear:Kk 写真自動販売装置
JP2015085596A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 フジコピアン株式会社 金属光沢熱転写記録媒体

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