JPH09299870A - 光硬化塗料を用いた隠蔽塗膜の形成方法 - Google Patents

光硬化塗料を用いた隠蔽塗膜の形成方法

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JPH09299870A
JPH09299870A JP11893196A JP11893196A JPH09299870A JP H09299870 A JPH09299870 A JP H09299870A JP 11893196 A JP11893196 A JP 11893196A JP 11893196 A JP11893196 A JP 11893196A JP H09299870 A JPH09299870 A JP H09299870A
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coating
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film thickness
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JP11893196A
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Kazuyuki Kuwano
一幸 桑野
Shuichi Sugita
修一 杉田
Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】着色顔料などを含む隠蔽力の高い塗料を用い
て、光硬化により隠蔽膜厚以上の膜厚で適切に硬化した
塗膜を形成する。 【解決手段】光硬化塗料を、光重合開始剤が励起される
所定波長の光の透過率が1%以上となる膜厚に塗布する
工程と、次いで所定波長の光を照射して硬化させる工程
を、複数回繰り返す。光照射で硬化した塗膜上に同様の
塗膜を硬化させながら積層するので、全体として厚膜と
することができ、光硬化塗装によっても隠蔽塗膜を容易
に形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線硬化塗料な
どの光硬化塗料を用いて、下地を隠蔽可能な塗膜を形成
する方法に関する。本発明の方法は自動車、家電、雑貨
などの製造工程における塗装工程、あるいは印刷分野な
どに利用できる。
【0002】
【従来の技術】光重合を利用して塗膜を硬化させる光硬
化塗料は、硬化時間が短いこと、硬化反応の温度依存性
が低いため低温でも硬化できること、モノマーの使用に
より無溶剤化が可能であり環境汚染が防止されること、
などの利点をもち、その応用が種々の分野で検討されて
いる。
【0003】ところが光硬化塗料は、光重合開始剤が励
起される所定波長の光が照射されて初めて硬化するもの
であり、光が届かない部分の硬化が困難であるという欠
点を有している。したがって従来の光硬化塗料として
は、塗膜内部まで光の透過が可能なクリア塗料や、若干
の体質顔料あるいは塗膜中では透明な染料を含む隠蔽力
の低い塗料は知られているが、塗膜を不透明にする着色
顔料などを含む塗料を下地を隠蔽するまで塗装し、それ
を完全に硬化させることは困難とされているため、隠蔽
力の高い光硬化塗料は用いられていない。
【0004】そのため従来の光硬化塗料を利用した塗装
は、木工家具などの透明又は半透明仕上げなどには用い
られているが、自動車や家電などの完全な隠蔽性を必要
とする塗装にはほとんど利用されていないのが現状であ
る。そこで特開平6−329711号公報には、着色顔
料を含んでも硬化しやすい光重合開始剤と光重合性組成
物の組み合わせが開示されている。また硬化に用いる光
として、紫外線より波長の長い近赤外線を用いることも
行われている。波長の長い光の方が透過率が高いので、
着色顔料などを含む不透明な塗料の硬化に関して有利で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで塗膜が下地を
隠蔽するということは、可視光が塗膜を下地まで透過し
ないということであるから、紫外線はもちろんのこと、
近赤外線でも隠蔽膜厚以上の高膜厚で不透明な塗膜を下
地まで透過することは困難であり、特開平6−3297
11号公報に開示された組成物を用いても、隠蔽膜厚以
上の塗膜を硬化させることは困難であった。
【0006】なお、光照射時間を長くするなど光エネル
ギーを増大させれば、着色塗料であっても塗膜のある程
度内部まで硬化させることができる。しかしながらその
膜厚には限界があり、また塗膜表面がオーバーキュアと
なって内部応力が高まるため、それによる種々の不具合
が発生する場合がある。本発明はこのような事情に鑑み
てなされたものであり、着色顔料などを含む隠蔽力の高
い塗料を用いて、光硬化により隠蔽膜厚以上の膜厚で適
切に硬化した塗膜を形成することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の光硬化塗料を用いた隠蔽塗膜の形成方法の特徴は、
顔料と重合性不飽和化合物と光重合開始剤とを含む光硬
化塗料を光重合開始剤が励起される所定波長の光の透過
率が1%以上となる膜厚に塗布する工程と、次いで所定
波長の光を照射して硬化させる工程を、交互に複数回繰
り返すことにより下地を隠蔽可能な膜厚の塗膜を形成す
ることにある。
【0008】
【発明の実施の形態】顔料としては、カーボンブラッ
ク、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料、イソイ
ンドリノン系顔料アゾ顔料などの有機着色顔料、酸化
鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、クロム酸鉛、カドミウムレ
ッド、モリブデートオレンジ、群青などの無機着色顔
料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、リトポン
などの体質顔料を用いることができ、塗料の色調に制限
はない。またアルミニウム顔料、マイカ顔料などの光輝
顔料を併用することもできる。
【0009】この顔料の含有量も特に制限されず、塗膜
物性や色調などに応じて種々選択される。なお、塗料の
隠蔽力は一般に顔料濃度と正の相関関係があり、顔料の
種類によって隠蔽力が異なるから、隠蔽膜厚は顔料の種
類と濃度に応じて変化する。重合性不飽和化合物とは、
塗膜となったときに基体成分を構成するもので付加重合
可能な化合物をいい、分子内に不飽和二重結合を有する
各種ポリマー、オリゴマーあるいはモノマーを用いるこ
とができる。特にモノマーを用いれば塗料の粘度を低く
することができ、有機溶剤の使用量を低減又は皆無とす
ることができるので、資源の有効利用を図ることができ
るとともに環境汚染の防止につながる。
【0010】モノマーとしては、例えばアクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステルなどのエステル類、スチレ
ン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどのビニルベン
ゼン類、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテ
ル類、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルア
ミドなどのアクリル化合物類、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルなどのビニルエステル類、アリルアルコール、
酢酸アリル、フタル酸ジアリルなどのアリル基をもつも
の、ポリイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリ
レートなどの水酸基をもつモノマーとの付加物、リン酸
と水酸基をもつモノマーとの付加物、N−ビニルピロリ
ドン、ビニルピリジンなどの含窒素不飽和モノマーなど
が例示される。
【0011】またオリゴマー及びポリマーとしては、ポ
リエステルに(メタ)アクリル酸を縮合させたもの、エ
チレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、エチレン性不
飽和基含有エポキシ樹脂、エチレン性不飽和基含有アク
リル樹脂、エチレン性不飽和基含有シリコン樹脂、エチ
レン性不飽和基含有メラミン樹脂などが例示される。光
重合開始剤とは、用いられる所定波長の光により励起さ
れてラジカル、カチオン又はアニオンを発生して重合性
不飽和化合物の重合を開始する化合物をいい、アセトフ
ェノン系、ベンゾイン系などの紫外線により励起される
開始剤、特開平6−329711号公報に開示されたホ
ウ素化合物系の近赤外線により励起される開始剤などが
例示される。
【0012】この光重合開始剤の含有量としては、重合
性不飽和化合物に対して0.1〜10重量%の範囲が望
ましいが、顔料濃度や顔料の種類によって異なり、塗料
の隠蔽力が高い場合には光開始剤の量も多めにするとよ
い。光重合開始剤の量が0.1重量%より少ないと塗膜
の硬化が困難となり、10重量%を超えて含有すると硬
化塗膜の分子量が低くなって塗膜物性が低下する場合が
ある。また用いる光の波長によっても光重合開始剤の含
有量が異なり、紫外線硬化の場合には1〜5重量%の範
囲が特に好ましく、近赤外線硬化の場合には0.1〜1
重量%の範囲が特に好ましい。
【0013】本発明に用いられる光硬化塗料には、上記
の主要成分の他に各種有機溶剤、酸化防止剤、レベリン
グ剤などの添加剤、可塑剤、あるいはポリイソシアネー
トやアクリル樹脂など他の樹脂成分などを混合すること
もできる。また本発明にいう所定波長の光としては、紫
外線、近赤外線など従来の光硬化システムに用いられて
いる波長の光を用いることができる。単一波長の光のみ
を用いてもよいし、複数種類の波長の光を組み合わせて
同時に、あるいは別々に照射することもできる。
【0014】本発明の隠蔽塗膜の形成方法の概念を図1
に示す。本発明の隠蔽塗膜の形成方法では、先ず光重合
開始剤が励起される所定波長の光の透過率が1%以上と
なる膜厚に光硬化塗料が塗布され、次いで所定波長の光
が照射される。したがって所定波長の光は未硬化塗膜を
透過して下地との界面にまで到達するので、未硬化塗膜
中の厚さ方向で開始剤が励起されない部分が生じず、未
硬化塗膜は硬化不良が生じることなく硬化して第1層の
塗膜が形成される。
【0015】そして硬化した第1層の塗膜の表面に同様
にして光硬化塗料が塗布され、同様に所定波長の光が照
射されるので、第1層上の未硬化塗膜は同様に全体が硬
化し、第2層の塗膜が形成される。このとき第1層に到
達する光の量が十分少なくなるように、つまり透過率が
1%以上のできるだけ低い値となるように第2層の未硬
化塗膜の膜厚を調整すれば、第1層がさらに硬化する程
度が小さくなり、第1層がオーバーキュアとなるのを防
止することができる。また本発明の形成方法によれば、
第2層が硬化する際に第1層表面との重合反応が生じる
ので、第1層と第2層は互いに強固に付着し一体化した
塗膜が形成される。
【0016】そしてまだ下地が隠蔽されていない場合に
は、隠蔽膜厚となるまで上記塗布工程と照射工程を交互
に繰り返す。このようにして隠蔽膜厚まで塗膜を積層形
成することにより、各層の塗膜はそれぞれ硬化している
ので、塗膜全体としても硬化して一体化した塗膜が形成
される。なお、所定波長の光を照射して未硬化塗膜を硬
化させる場合に、空気の存在により重合が阻害されて表
面のみが未硬化となる場合がある。このような場合に
は、雰囲気を窒素雰囲気などとすることで未硬化となる
のを防止することができる。しかしながら、下層の塗膜
表面が未硬化であっても、上層の塗膜の硬化時には下層
の塗膜表面は空気と接触していないので、下層の塗膜表
面を上層の塗膜とともに硬化させることができる。した
がって雰囲気の調整は最上層の塗膜の硬化時のみでよい
ので、工数は従来の光硬化塗装と何ら変わりがない。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 (実施例1)ウレタンアクリレートオリゴマー(「AT
−600」共栄社化学(株)製)60重量部と、ポリエ
ーテルジアクリレート(「9EG−A」共栄社化学
(株)製)40重量部と、カーボンブラックペースト
(「FPGK100」大日精化(株)製)10重量部
と、レベリング剤1重量部と、酢酸ブチル10重量部、
キシレン10重量部及びメチルエチルケトン6.7重量
部を混合し、黒色塗料を調製した。
【0018】一方、1,1,5,5-テトラキス[4-(ジエチル
アミノ)フェニル]ペンタジエニリウムブチルトリフェ
ニルボレートを1重量部と、テトラブチルアンモニウム
n-ブチルトリフェニルホウ素を5重量部と、(2,2'-ビス
(O-クロロフェニル)-4,4',5,5'- テトラフェニル-1,
2'-ビイミダゾールを5重量部と、2-メルカプトベンゾ
チアゾール5重量部及びメチルエチルケトン84重量部
を混合し、開始剤を調製した。
【0019】上記黒色塗料と上記開始剤を、137.
7:10の重量比で混合して光硬化塗料を調製した。こ
の光硬化塗料の隠蔽膜厚をJIS−K−5400に規定
された方法で測定したところ、隠蔽膜厚は40μmであ
った。この光硬化塗料を、予め中塗り塗膜が形成された
試験板表面に膜厚20μmとなるようにスプレー塗装で
塗装して未硬化塗膜を形成し、窒素雰囲気下で波長80
0〜950nmの範囲に分光分布を有する出力1500
Wのハロゲンランプを未硬化塗膜表面より250mmの
距離から約10分間照射した。これにより未硬化塗膜は
全体が硬化し、第1層の硬化塗膜が形成された。
【0020】なお、別に測定されたこの光硬化塗料に対
する近赤外線の透過率は、膜厚20μmの場合に約5%
であり、膜厚30μmの場合に1%であった。したがっ
て試験板上に形成された20μmの未硬化塗膜は、厚さ
方向に十分に近赤外線が照射されることにより全体が硬
化する。上記により形成された第1層の硬化塗膜表面に
対し、上記塗装工程と照射工程をその後2回同様に交互
に繰り返し、合計で60μmの塗膜を形成した。得られ
た塗膜の硬化程度を指触、ゲル分率により調査したとこ
ろ、厚さ方向全体が良好に硬化していた。また下地の隠
蔽性、外観、物性ともに良好であった。
【0021】(実施例2)実施例1で調製した光硬化塗
料を、同様の試験板に30μmの膜厚に塗布して未硬化
塗膜を形成し、同様に窒素雰囲気下で波長800〜95
0nmの範囲に分光分布を有する出力1500Wのハロ
ゲンランプを未硬化塗膜表面より250mmの距離から
約10分間照射した。これにより未硬化塗膜は全体が硬
化し、第1層の硬化塗膜が形成された。
【0022】次に、形成された第1層の硬化塗膜表面に
対し、同様の光硬化塗料を30μmの膜厚に塗布した
後、同様に近赤外線を照射して第2層の硬化塗膜を形成
した。得られた塗膜は厚さ方向全体が良好に硬化し、下
地の隠蔽性、外観、物性ともに良好であった。 (比較例1)実施例1で調製した光硬化塗料を、同様の
試験板に60μmの膜厚に塗布して未硬化塗膜を形成
し、同様に窒素雰囲気下で波長800〜950nmの範
囲に分光分布を有する出力1500Wのハロゲンランプ
を未硬化塗膜表面より250mmの距離から約10分間
照射した。その結果、表面からある程度の深さまでは硬
化していたが、下地との界面付近は全く硬化していなか
った。
【0023】(実施例3)実施例1と同様の黒色塗料と
紫外線開始剤(「ダロキュア1173」チバガイギ
(株)製)を、137.7:4の重量比で混合して光硬
化塗料を調製した。この光硬化塗料の隠蔽膜厚をJIS
−K−5400に規定された方法で測定したところ、隠
蔽膜厚は40μmであった。
【0024】この光硬化塗料を、実施例1と同様の予め
中塗り塗膜が形成された試験板表面に膜厚20μmとな
るようにスプレー塗装で塗装して未硬化塗膜を形成し、
空気中で波長300〜400nmの範囲に分光分布を有
する出力4000Wの高圧水銀ランプを未硬化塗膜表面
より150mmの距離から約2秒間照射した。これによ
り未硬化塗膜は全体が硬化し、第1層の硬化塗膜が形成
された。
【0025】なお、別に測定されたこの光硬化塗料に対
する紫外線の透過率は、膜厚20μmの場合に約5%で
あり、膜厚30μmの場合に1%であった。したがって
試験板上に形成された20μmの未硬化塗膜は、厚さ方
向に十分に紫外線が照射されることにより全体が硬化し
た。上記により形成された第1層の硬化塗膜表面に対
し、上記塗装工程と照射工程をその後2回同様に交互に
繰り返し、合計で60μmの塗膜を形成した。得られた
塗膜の硬化程度を指触、ゲル分率により調査したとこ
ろ、厚さ方向全体が良好に硬化していた。また下地の隠
蔽性、外観、物性ともに良好であった。
【0026】(実施例4)実施例3で調製した光硬化塗
料を、同様の試験板に30μmの膜厚に塗布して未硬化
塗膜を形成し、同様に空気中で波長300〜400nm
の範囲に分光分布を有する出力4000Wの高圧水銀ラ
ンプを未硬化塗膜表面より150mmの距離から約2秒
間照射した。これにより未硬化塗膜は全体が硬化し、第
1層の硬化塗膜が形成された。
【0027】次に、形成された第1層の硬化塗膜表面に
対し、同様の光硬化塗料を30μmの膜厚に塗布した
後、同様に紫外線を照射して第2層の硬化塗膜を形成し
た。得られた塗膜は厚さ方向全体が良好に硬化し、下地
の隠蔽性、外観、物性ともに良好であった。 (比較例2)実施例3で調製した光硬化塗料を、同様の
試験板に60μmの膜厚に塗布して未硬化塗膜を形成
し、同様に空気中で波長300〜400nmの範囲に分
光分布を有する出力4000Wの高圧水銀ランプを未硬
化塗膜表面より150mmの距離から約2秒間照射し
た。その結果、表面からある程度の深さまでは硬化して
いたが、下地との界面付近は全く硬化していなかった。
【0028】(実施例4)ウレタンアクリレートオリゴ
マー(「AT−600」共栄社化学(株)製)33重量
部と、ポリエーテルジアクリレート(「9EG−A」共
栄社化学(株)製)22重量部と、酸化チタン45重量
部と、酢酸ブチルを35重量部と、ソルベッソ#100
を8重量部と、メチルエチルケトンを3.7重量部及び
添加剤2.5重量部を混合し、白色塗料を調製した。
【0029】上記白色塗料と実施例1と同様の開始剤
を、149.2:5.5の重量比で混合して光硬化塗料
を調製した。この光硬化塗料の隠蔽膜厚をJIS−K−
5400に規定された方法で測定したところ、隠蔽膜厚
は80μmであった。この光硬化塗料を、予め中塗り塗
膜が形成された試験板表面に膜厚50μmとなるように
スプレー塗装で塗装して未硬化塗膜を形成し、窒素雰囲
気下で波長800〜950nmの範囲に分光分布を有す
る出力1500Wのハロゲンランプを未硬化塗膜表面よ
り250mmの距離から約10分間照射した。これによ
り未硬化塗膜は全体が硬化し、第1層の硬化塗膜が形成
された。
【0030】なお、別に測定されたこの光硬化塗料に対
する近赤外線の透過率は、膜厚20μmの場合に約15
%であり、膜厚70μmの場合に1%であった。したが
って試験板上に形成された50μmの未硬化塗膜は、厚
さ方向に十分に近赤外線が照射されることにより全体が
硬化した。次に、形成された第1層の硬化塗膜表面に対
し、同様の光硬化塗料を50μmの膜厚に塗布した後、
同様に近赤外線を照射して第2層の硬化塗膜を形成し
た。得られた塗膜は厚さ方向全体が良好に硬化し、下地
の隠蔽性、外観、物性ともに良好であった。
【0031】(比較例3)実施例5で調製した光硬化塗
料を、同様の試験板に100μmの膜厚に塗布して未硬
化塗膜を形成し、同様に窒素雰囲気下で波長800〜9
50nmの範囲に分光分布を有する出力1500Wのハ
ロゲンランプを未硬化塗膜表面より250mmのの距離
から約10分間照射した。その結果、表面からある程度
の深さまでは硬化していたが、下地との界面付近は全く
硬化していなかった。
【0032】
【発明の効果】すなわち本発明の光硬化塗料を用いた隠
蔽塗膜の形成方法によれば、光硬化法により隠蔽膜厚の
硬化塗膜を形成することができる。したがって、下地を
確実に隠蔽して外観品質に優れた着色塗膜を短時間に形
成することができ、工数を大幅に低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の隠蔽塗膜の形成方法の概念を示す説明
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 博稔 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料と重合性不飽和化合物と光重合開始
    剤とを含む光硬化塗料を該光重合開始剤が励起される所
    定波長の光の透過率が1%以上となる膜厚に塗布する工
    程と、次いで該所定波長の光を照射して硬化させる工程
    を、交互に複数回繰り返すことにより下地を隠蔽可能な
    膜厚の塗膜を形成することを特徴とする光硬化塗料を用
    いた隠蔽塗膜の形成方法。
JP11893196A 1996-05-14 1996-05-14 光硬化塗料を用いた隠蔽塗膜の形成方法 Pending JPH09299870A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014236169A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 住友重機械工業株式会社 薄膜形成方法及び薄膜形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014236169A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 住友重機械工業株式会社 薄膜形成方法及び薄膜形成装置

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