JPH09294485A - 紙マルチシート - Google Patents

紙マルチシート

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JPH09294485A
JPH09294485A JP10881696A JP10881696A JPH09294485A JP H09294485 A JPH09294485 A JP H09294485A JP 10881696 A JP10881696 A JP 10881696A JP 10881696 A JP10881696 A JP 10881696A JP H09294485 A JPH09294485 A JP H09294485A
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JP
Japan
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paper
sheet
hydrotalcite
effect
pulp
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Pending
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JP10881696A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Uematsu
謙一郎 植松
Yoko Mizuguchi
陽子 水口
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の紙マルチシ−トにはない昼間の地温上
昇効果と夜間の地温保持効果とを有する農業用および園
芸用紙マルチシートを提供。 【構成】主として天然パルプからなり、ハイドロタルサ
イトを5〜30重量%を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は農業用および園芸
用紙マルチシートに関し、さらに詳しくは、従来の紙マ
ルチシートには期待できなかった昼間の地温の上昇効果
を有し、かつ夜間の地温保持効果を有する紙マルチシー
トを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来から野菜園芸を主とする農業にお
いては、目的とする植物を育成する際に、雑草の発生防
止、保温、土壌水分の保持等のためのマルチシートとし
て、ポリオレフィン系のプラスチックフィルムが使用さ
れている。しかし、これらフィルムマルチシートはほと
んど生分解性を有しないため、収穫後に使用済みのフィ
ルム回収処分が必要となり、この回収作業が農業従事者
の負担となっている。
【0003】一方、紙が土中で腐食、分解する特性を活
かした紙マルチシートに関し、特開昭55−92625
号公報や特開昭55−111734号公報には、伸張紙
にパラフィンワックスの水性懸濁液を含浸させたものが
開示され、また特開昭60−250949号公報には、
ポリ塩化ビニリデンとカーボンブラックでクレープ紙を
被覆したものが開示され、さらに特開平7−11585
4号公報には、ゼオライトとパルプとを混合抄紙した紙
マルチシートを用いる方法が開示されている。
【0004】しかし、このような紙マルチシートは、遮
光性、通気性および透湿性が高いため、フィルムマルチ
シートに比較した場合、地温上昇効果および夜間の地温
保持効果を有しておらず、用途が制限されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、地温上昇
効果を有し、かつ夜間の地温保持効果を有する紙マルチ
シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明者等は、紙マル
チシートの夜間の地温保持効果を向上させる手段につい
て鋭意研究した結果、原紙中にハイドロタルサイトを含
有することにより、紙マルチシートの夜間の地温保持効
果を飛躍的に向上させることを見出し、本発明を完成さ
せた。すなわち、本発明者等は、ハイドロタルサイトの
遠赤外線捕捉効果に着目し、ハイドロタルサイトを紙マ
ルチシートに含有せしめることにより、夜間に地中より
放出される赤外線を捕捉し、日中上昇した地温を効果的
に維持せしめることができ、また日中においても太陽熱
を受けて土中に遠赤外線を照射して土中深層部まで地温
を上昇させることにより、植え付け苗の成長を助長する
ことができることを見出した。
【0007】本発明に係る紙マルチシートは、ハイドロ
タルサイトを5〜30重量%含有することを特徴とする
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】 本発明の紙マルチシートに用い
られる繊維原料は主として木材パルプおよび/または古
紙パルプからなる天然パルプを用い、必要に応じてバイ
ンダー繊維としてポリオレフィン系の合成パルプ、ビニ
ロンバインダー繊維、ポリエステル繊維等が用いられ、
坪量に格別の限定はないが、30〜200g/m2のも
のが適宜用いられる。
【0009】木材パルプおよび古紙パルプの配合量は特
に限定はしないが、古紙パルプの配合率が高いとコスト
ダウンにはなるが、強度が下がるという問題がある。
【0010】ポリオレフィン系の合成パルプ、ビニロン
バインダー繊維、ポリエステル繊維等のバインダー繊維
は、天然パルプに比較して、生分解性が無いか著しく劣
る。このようなバインダー繊維を混合すると、天然パル
プ単独の場合より長期にわたって紙マルチシートの網目
構造が維持され、従ってバインダー繊維の配合量を多く
すると、生分解を遅くすることが可能となるが、過剰に
配合すると、紙マルチシートが崩壊しにくくなり、農作
業の後作の際に邪魔になる。従ってバインダー繊維の配
合量は、1〜20%が好ましく、さらに好ましくは1〜
10%である。
【0011】本発明において用いられるハイドロタルサ
イトは、次の一般式で表される合成粘土鉱物である。 [M1-x 2+・Mx 3+(OH)2x+[Ax/n n-・mH2O]x- ここでM2+は、Mg2+,Zn2+,Mn2+,Ni2+のよう
な2価の金属イオンであり、M3+は、Al3+,Fe3+
Cr3+のような3価の金属イオンであり、An-は、Cl
-,NO3 -,CO3 2-のようなn価のアニオンであり、0
<x<0.4の範囲にある。ただしnは1以上の整数で
ある。
【0012】代表的なものはMg4Al2(OH)12CO3
・3H2O(商標:キョ−ワ−ド500 協和化学工業
社製)や、Al(OH)3NaHCO3(商標:キョ−ワ−
ド400、別名ド−ソナイト 協和化学工業社製)など
があり、本発明において用いられるハイドロタルサイト
は特に上記のタイプに限定されない。ハイドロタルサイ
トは、波数400〜1800cm-1の範囲で高い赤外線
吸収能を示すため、高い保温効果を得ることができる。
【0013】前記ハイドロタルサイトの添加方法として
は、原料パルプ中に添加し、湿式抄紙時に紙中に抄き込
む方法、または抄紙した原紙に対してハイドロタルサイ
ト分散液を含浸処理する方法が挙げられるが、用途およ
び加工法などを考慮し、適宜どちらを選択しても良い。
ハイドロタルサイトの含浸設備としては、サイズプレ
ス、ゲ−トロ−ルコ−タ−、グラビアコ−タ−等から任
意に選択して含浸することができる。
【0014】本発明によって得られる紙マルチシート
は、遠赤外線の吸収/放射を行うハイドロタルサイトを
用いることにより、従来の紙マルチシートでは期待でき
なかった地温の上昇効果、および夜間の地温保持効果を
有する。
【0015】さらに本発明に係る紙マルチシートに、地
中埋没部分の耐生分解性を付与するため、オキシキノリ
ン、その誘導体、またはそれらの塩類を含有させてもよ
い。オキシキノリンは防菌効果が有るために紙マルチシ
ートに添加すると生分解を受けにくくなる。オキシキノ
リンとしては例えば、8ーオキシキノリン、2ーオキシ
キノリン、ジブロムー8ーオキシキノリン、ジクロルー
8ーオキシキノリンなどがあり、それらの塩類も使用さ
れるが、特に8ーオキシキノリン銅が好適に使用され
る。これらオキシキノリン類は、絶乾原紙重量当り0.
05〜5重量%を使用すればよい。添加方法としては、
原料スラリーにオキシキノリンの塩類またはオキシキノ
リン誘導体の塩類を添加して抄紙すればよい。
【0016】また本発明に係る紙マルチシートに、日
照、雨、風等による劣化に対する耐候性を付与するた
め、必要に応じてフミン酸およびフミン酸の2価以上の
陽イオンの塩を含有させても良い。フミン酸またはフミ
ン酸と2価以上の陽イオンとの塩は、絶乾原紙重量当り
0.05〜15重量%になるように添加すればよい。
【0017】
【実施例】 本発明をいっそう理解しやすくするため
に、以下に実施例を示すが、下記の実施例は本発明を制
限するものではない。文中の%は固形分重量%を示す。
【0018】実施例1 下記の配合のスラリー(紙料1)を調成後、長網抄紙機
によって抄紙し、坪量50g/m2の用の紙マルチシート
を得た。 (紙料1) 未晒針葉樹クラフトパルプ(350mlc.s.f) 45% 段ボール古紙 26% ハイドロタルサイト 20% (商標:キョ−ワ−ド500PL 協和化学工業社製) ビニロン繊維(繊度1d、繊維長3mm) 5% 内添用サイズ剤(商品名サイズパインE、荒川化学工業社製) 対繊維1.5% フミン酸ナトリウム(商品名CH−02、テルナイト社製) 4% 8−オキシキノリン銅 対繊維0.2% 硫酸バンド(添加によりpH4.5に調整)
【0019】得られたシートについて昼間の地温上昇効
果および夜間の地温維持効果を測定した。ここで昼間と
は6時から18時の間を指し、夜間とは18時から翌朝
6時の間を指す。また地温上昇効果の測定は温度測定の
ため、畝の地中深さ5cmに熱電対を差し込み、温度を
10分毎に記録した。5月下旬に測定した昼間および夜
間の平均地温を表1に示す。
【0020】実施例2 ハイドロタルサイトの配合率を10%にし、未晒針葉樹
クラフトパルプの配合率を55%にした下記の配合のス
ラリー(紙料2)を調成後、長網抄紙機によって抄紙
し、坪量50g/m2の紙マルチシートを得た。 (紙料2) 未晒針葉樹クラフトパルプ(350mlc.s.f) 55% 段ボール古紙 26% ハイドロタルサイト 10% (商標:キョ−ワ−ド500PL 協和化学工業社製) ビニロン繊維(繊度1d、繊維長3mm) 5% 内添用サイズ剤(商品名サイズパインE、荒川化学工業社製) 対繊維1.5% フミン酸ナトリウム(商品名CH−02、テルナイト社製) 4% 8−オキシキノリン銅 対繊維0.2% 硫酸バンド(添加によりpH4.5に調整) ここで得た紙マルチシートは、実施例1と同様にして昼
間の地温上昇効果および夜間の地温維持効果を測定し
た。
【0021】比較例1 ハイドロタルサイトを配合せずに、段ボール古紙の配合
率を36%、未晒針葉樹クラフトパルプの配合率を55
%にした下記の配合のスラリー(紙料3)を調成後、長
網抄紙機によって抄紙し、坪量50g/m2の紙マルチシ
ートを得た。 (紙料3) 未晒針葉樹クラフトパルプ(350mlc.s.f) 55% 段ボール古紙 36% ビニロン繊維(繊度1d、繊維長3mm) 5% 内添用サイズ剤(商品名サイズパインE、荒川化学工業社製) 対繊維1.5% フミン酸ナトリウム(商品名CH−02、テルナイト社製) 4% 8−オキシキノリン銅 対繊維0.2% 硫酸バンド(添加によりpH4.5に調整) ここで得た紙マルチシートは、実施例1と同様にして昼
間の地温上昇効果および夜間の地温維持効果を測定し
た。
【0022】比較例2 実施例1のハイドロタルサイトの代わりに炭酸カルシウ
ム粉体を20%配合した下記の配合のスラリー(紙料
4)を調成後、長網抄紙機によって抄紙し、坪量50g/
2の紙マルチシートを得た。 (紙料4) 未晒針葉樹クラフトパルプ(350mlc.s.f) 45% 段ボール古紙 26% 炭酸カルシウム(商標:TP−121,奥多摩工業社製) 20% ビニロン繊維(繊度1d、繊維長3mm) 5% 内添用サイズ剤(商品名サイズパインE、荒川化学工業社製) 対繊維1.5% フミン酸ナトリウム(商品名CH−02、テルナイト社製) 4% 8−オキシキノリン銅 対繊維0.2% 硫酸バンド(添加によりpH4.5に調整) ここで得た紙マルチシートは、実施例1と同様にして昼
間の地温上昇効果および夜間の地温維持効果を測定し
た。
【0023】対照例1 厚さ30μmの黒フィルムマルチシートを使用し、実施
例1と同様にして昼間の地温上昇効果および夜間の地温
維持効果を測定した。
【0024】実施例1および2、比較例1および2、対
照例1で得られた紙マルチシート1を図1の断面図に示
す平高畝2に手張りでマルチングした。マルチングは平
成7年5月下旬に行った。
【0025】
【表1】
【0026】本発明の紙マルチシートは、ハイドロタル
サイトの配合により、比較例1および比較例2の通常の
紙マルチシートと比較し、夜間の地温維持効果があり、
昼間の地温上昇効果においても通常紙マルチシートに比
べ、向上がみられ、対照例1の黒フィルムマルチシート
並の昼間の地温上昇効果および夜間の地温維持効果が得
られた。
【0027】
【発明の効果】 本発明によって得られた紙マルチシー
トは、従来の紙マルチシートにはない昼間の地温上昇効
果および夜間の地温保持効果を得ることが出来、実用上
極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の平高畝の形状を示す断面図
である。
【符号の説明】 1:紙マルチシート 2:地表面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドロタルサイトを5〜30重量%含
    有することを特徴とする紙マルチシート。
JP10881696A 1996-04-30 1996-04-30 紙マルチシート Pending JPH09294485A (ja)

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JP10881696A JPH09294485A (ja) 1996-04-30 1996-04-30 紙マルチシート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018030521A1 (ja) * 2016-08-10 2018-02-15 日本製紙株式会社 ハイドロタルサイトと繊維の複合体
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