JPH09283750A - 極薄ゲート酸化膜の形成方法 - Google Patents

極薄ゲート酸化膜の形成方法

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JPH09283750A
JPH09283750A JP8777896A JP8777896A JPH09283750A JP H09283750 A JPH09283750 A JP H09283750A JP 8777896 A JP8777896 A JP 8777896A JP 8777896 A JP8777896 A JP 8777896A JP H09283750 A JPH09283750 A JP H09283750A
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gas
oxide film
gate oxide
silicon substrate
reaction chamber
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Osamu Kato
理 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御性や均一性が良好であり、かつ絶縁性も
良好にし得る、厚さ10μm以下の極薄のゲート酸化膜
の形成方法の提供が望まれている。 【解決手段】 シリコン基体の表層部に極薄ゲート酸化
膜を形成する方法である。シリコン基体を反応室内に収
容し、反応室内に酸素ガスと水素ガスと窒素ガスとを、
その流量比が、H2 :O2 :N2 =2〜3:2:5〜5
0となるようにして流入しつつ、シリコン基板を熱酸化
処理して、厚さ10nm以下の極薄ゲート酸化膜をシリ
コン基板の表層部に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体プロセスに
おける熱酸化膜の形成方法、特に厚さが10nm以下の
極薄ゲート酸化膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゲート酸化膜を形成するにあたっ
ては、酸化雰囲気中にてシリコンウエハを加熱処理する
熱酸化法が採用されている。この熱酸化法としては、反
応菅内にシリコンウエハを収容し、この反応菅内を80
0〜900℃程度に加熱した後、該反応菅内に水素(H
2 )ガスと酸素(O2 )ガスとを流入して熱酸化を行う
ウエットO2 雰囲気での熱酸化法(パイロジェニック酸
化法)や、反応菅内を900〜1000℃程度に加熱し
た後、該反応菅内に酸素(O2 )ガスを流入して熱酸化
を行うドライO2 雰囲気での熱酸化法が知られている。
【0003】このような熱酸化法においては、通常、ボ
ートに載せてウエハを反応菅内に挿入し、処理した後こ
れを引き出すが、ボートによる挿入時および引出し時、
さらにウエハを収容(挿入)した後反応菅内が所定の酸
化温度に安定するまでの間、ドライO2 のみを菅内に流
入し、菅内をパージしている。これは、特に形成するゲ
ート酸化膜の厚さが20nm程度と比較的厚い場合に
は、熱酸化処理に比較的長い時間を要してしまうことか
ら、例えば挿入時、引出し時における酸化を見込むこと
により、熱酸化処理に要する時間を短くすることができ
るからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の方法
では、得られる熱酸化膜の膜厚や膜質の制御性、均一
性、さらには絶縁性の問題から、ゲート酸化膜を10n
m以下の膜厚に形成するのが困難であり、したがって、
通常形成されるゲート酸化膜は、10nmを越える膜厚
のものとなっている。しかして、より一層の高集積化が
要求される次世代のデバイスにおいては、微細化を進め
るうえでゲート酸化膜についても当然10nm以下の極
薄のものが必要となる。ところが、このような極薄のゲ
ート酸化膜については、前述したようにその膜厚や膜質
の制御性、均一性、絶縁性の問題を解消した形成方法が
確立されていないのが実状である。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、制御性や均一性が良好で
あり、かつ絶縁性も良好にし得る、厚さ10nm以下の
極薄のゲート酸化膜の形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の極薄ゲート酸化膜の形成方法では、シリコン基体
を反応室内に収容し、該反応室内に酸素ガスと水素ガス
と窒素ガスとを、その流量比が、H2 :O2 :N2 =2
〜3:2:5〜50となるようにして流入しつつ、前記
シリコン基体を熱酸化処理して、厚さ10nm以下の極
薄ゲート酸化膜を前記シリコン基体の表層部に形成する
ことを前記課題の解決手段とした。
【0007】この形成方法によれば、酸素ガスと水素ガ
スとからなる従来の酸化雰囲気に窒素ガスを加え、かつ
雰囲気中における酸素ガスの分圧が十分低くなるように
各ガスの流量比を前記所定範囲に設定したので、シリコ
ン基体表層部における酸化速度が遅くなって熱酸化処理
時間が所定範囲時間になり、これにより得られるゲート
酸化膜の膜厚制御が容易になるとともに、その膜質も均
一なものとなる。
【0008】請求項2記載の極薄ゲート酸化膜の形成方
法では、反応室内にシリコン基体を収容する工程と、収
容後、前記反応室内の温度を所定温度範囲に安定させる
工程と、温度安定後、前記反応室内に酸素ガスと水素ガ
スと窒素ガスとを、その流量比が、H2 :O2 :N2
2〜3:2:5〜50となるように流入しつつこれらガ
スからなる酸化雰囲気でシリコン基体を熱酸化処理し
て、厚さ10nm以下の極薄ゲート酸化膜を前記シリコ
ン基体の表層部に形成する工程と、熱酸化処理後、酸素
ガスの反応室内への流入を続行しつつ、その状態でシリ
コン基体を反応室から取り出す工程とを具備し、前記シ
リコン基体を収容する工程およびシリコン基体を反応室
から取り出す工程のうちの少なくとも一方の工程におけ
る処理を、窒素ガスを流入しつつ行うことを前記課題の
解決手段とした。
【0009】この形成方法によれば、酸素ガスと水素ガ
スとからなる従来の酸化雰囲気に窒素ガスを加え、かつ
各ガスの流量比を前記所定範囲に設定したので、前記請
求項1記載の発明と同様に得られるゲート酸化膜の膜厚
制御が容易になるとともに、その膜質も均一なものとな
る。また、シリコン基体を収容する工程およびシリコン
基体を反応室から取り出す工程のうちの少なくとも一方
の工程における処理を、窒素ガスを流入しつつ行うの
で、窒素ガスを流すことによって該工程における処理中
反応室内が陽圧になり、したがって反応室外から反応室
内への空気の流入が防がれ、該処理中におけるシリコン
基体の自然酸化が防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の極薄ゲート酸化膜の形成方法の、第1
実施形態例を説明するための図である。本発明は、シリ
コンウエハからなるシリコン基体(以下、ウエハと称す
る)の表層部に、厚さ10nm以下の極薄ゲート酸化膜
をパイロジェニック酸化法によって形成する方法であ
り、第1実施形態例では、図1に示したようにウエハを
反応菅(反応室)内に挿入(収容)する挿入工程と、反
応菅内を所定温度に安定させる放置工程と、ウエハを熱
酸化処理する処理工程と、反応菅内をパージ処理するパ
ージ工程と、反応菅内からウエハを引き出す引出し工程
とからなっている。
【0011】挿入工程では、まず、所定温度にまで昇温
した反応菅内に所定枚数のウエハをチャージ(セット)
したボートを挿入する。反応菅は、該反応菅内を所定温
度に加熱するための電気炉の中に配設されたもので、石
英菅によって形成され、その内部に温度検知センサを有
したものである。なお、この実施形態例では、反応菅と
してその内容積が約80000cm3 のものを用いてい
る。また、この反応菅には、その一方の側に水素
(H2 )ガス、酸素(O2 )ガス、窒素(N2 )ガスの
流入配管がそれぞれ連結され、他方の側に排気口が設け
られており、これら各配管から所望量のガスが反応菅内
に流入され、排気口から排気されるようになっている。
そして、この挿入に際しては、図1に示すように反応菅
内に高純度のドライO2 ガスを流入しつつ挿入を行う。
【0012】放置工程では、前記挿入によって反応菅内
の温度が降下しているので、元の所定温度に復帰させる
べく、10分〜20分程度その状態で放置し、反応菅内
を所定温度にまで昇温させ、さらにこの温度に安定させ
る。ここで、所定温度とは、後の熱酸化処理工程におけ
る熱酸化温度を言い、具体的には800℃以上、900
℃以下の温度範囲とされ、好ましくは850℃(ただ
し、正確には電気炉による温度制御に起因するバラツキ
を有した、すなわち850℃±数℃を指す)とされる。
熱酸化処理温度が800℃未満であると、得られるゲー
ト酸化膜の絶縁性が不十分になってしまい、一方、90
0℃を越えると、熱酸化速度が高くなってその膜厚の制
御が難しくなるからである。また、850℃が特に好ま
しいのは、絶縁性の確保、および膜厚の制御の点で、両
者共に十分満足できる結果となるからである。なお、こ
の放置工程においても、挿入時にて行っていたドライO
2 ガスの供給を続行して行う。
【0013】処理工程では、反応菅内に流入し続けてい
るドライO2 ガスに加え、高純度のH2 ガスとN2 ガス
とを流入し、特にH2 ガスを燃焼させることによってウ
エハを加湿酸化(ウエット酸化)する。このとき、反応
菅内にN2 ガスを流入しているので、O2 ガスとH2
スとからなる加湿酸化雰囲気中における、O2 の分圧が
低くなり、このためウエハ表層部の酸化速度が遅くな
る。したがって、ウエハ表層部に形成されるゲート酸化
膜は、その形成速度が遅いことによりその膜厚制御が容
易になり、かつその膜質も均一なものとなる。
【0014】ここで、反応菅内に流入して加湿酸化雰囲
気を形成するH2 ガス、O2 ガス、N2 ガスの各量につ
いては、ウエハ表層部に形成するゲート酸化膜の膜厚に
よって異なるものの、その流量比については以下の範囲
とされる。 H2 :O2 :N2 =2〜3:2:5〜50 H2 :O2 を2〜3:2の範囲にしたのは、プロセスの
安全性と得られるゲート酸化膜の絶縁特性とを考慮した
からである。すなわち、優れた絶縁特性を得るために
は、H2 :O2 =2:1にして、未反応O2 ガスをなく
すのが望ましいものの、トラブル等によりH2 が過剰に
なると爆発の危険性が生じる。したがって爆発の危険性
を避け、確実な安全性を確保するためには、O2 ガスに
対するH2ガスの流量比を2:3以下に抑える必要があ
り、一方、得られるゲート酸化膜が十分優れた絶縁特性
を有するものとするためには、O2 ガスに対するH2
スの流量比を2:2以上にする必要があるからである。
【0015】また、O2 :N2 を2:5〜50にしたの
は、O2 ガスに対するN2 ガスの流量比が2:5未満で
は、所望する膜厚のゲート絶縁膜を形成するための処理
時間が5分未満と短くなり過ぎ、その膜厚の制御が難し
くなるからである。すなわち、2:5未満でも所望する
膜厚を確保することはできるものの、処理を何十回ある
いは何百回と繰り返すと、処理毎で得られるゲート酸化
膜間で膜厚についての均一性が確保できず、ばらつきが
生じてしまうからである。また、O2 ガスに対するN2
ガスの流量比が2:50を越えると、所望する膜厚のゲ
ート絶縁膜を形成するための処理時間が20分を越える
時間になってしまい、スループットが小さくなって生産
性が低下してしまうからである。
【0016】なお、形成するゲート酸化膜の、膜厚毎の
条件(流量比)としては以下の条件が好適とされる。形
成するゲート酸化膜の膜厚を3〜5nmにしたい場合、
2 ガスを2〜3(l/min)、O2 ガスを2(l/
min)、N2 ガスを40〜50(l/min)、すな
わち各流量の比を、H2 :O2 :N2 =2〜3:2:4
0〜50とする。同様に、形成するゲート酸化膜の膜厚
を6〜8nmにしたい場合、各流量の比を、H2
2 :N2 =2〜3:2:10〜40とする。さらに、
形成するゲート酸化膜の膜厚を9〜10nmにしたい場
合、各流量の比を、H2 :O2 :N2 =2〜3:2:5
〜10とする。
【0017】このような条件で熱酸化処理を行えば、処
理温度や形成するゲート酸化膜の膜厚によっても異なる
ものの、処理時間を5分〜20分程度(例えば処理温度
を850℃とした場合10分程度)とすることができ
る。そして、このような処理時間で処理が行えることに
より、得られるゲート酸化膜を所望する膜厚となるよう
に正確に形成することができ、かつ得られるゲート酸化
膜の膜厚および膜質の均一性やその絶縁性を十分確保す
ることができる。
【0018】このような熱酸化処理を終了した後のパー
ジ工程では、反応菅内へのH2 ガスとN2 ガスとの流入
を停止し、再度ドライO2 ガスのみの流入を数分間続行
して特に反応菅内のH2 ガスをドライO2 ガスで置換す
る。引出し工程では、反応菅内のH2 ガスが全て排気さ
れ、安全が確保された後、反応菅内からボートを引き出
してウエハを反応菅内から取り出し、所定の場所に保管
して次のプロセスに備える。このような極薄ゲート酸化
膜の形成方法にあっては、O2 ガスとH2 ガスとからな
る従来の酸化雰囲気にN2 ガスを加え、かつ雰囲気中に
おけるO2 ガスの分圧が十分低くなるように各ガスの流
量比を前記範囲に設定したので、ウエハ表層部における
酸化速度を遅くして熱酸化処理時間を所定範囲時間にす
ることができ、これにより得られるゲート酸化膜の膜厚
制御を容易にすることができるとともに、その膜厚およ
び膜質を均一にし、その絶縁性についても十分な特性を
確保することができる。
【0019】図2は、本実施形態例によって得られたゲ
ート酸化膜の、絶縁性を調べた結果を示す図である。こ
こでは、形成するゲート酸化膜の膜厚を5nmとし、各
ガスの流量を、H2 :O2 :N2 =2:2:40(l/
min)とした。また、熱酸化処理温度については75
0℃と800℃と850℃の三通りとし、比較のため酸
化雰囲気中にN2 ガスを流入しない、すなわち従来の熱
酸化処理条件でも行った。
【0020】図2に示したように、本発明品となる二種
類のゲート酸化膜では、Qbd(破壊に至るまでに注入
された総電荷量)が他の二種類に比べ高く、したがって
優れた絶縁性を有していることが確認された。なお、Q
bdについては、ある一定のストレス電流をサンプル
(MOSキャパシタ)に通じて該サンプルに絶縁破壊を
起こさせたときの、電流を通じてから絶縁破壊に至るま
での時間を測定し、すなわち定電流TDDB(Time Dep
ending Dielectric Breakdown )測定を行い、以下の式
より求めた。 Qbd(C/cm2 )=J(A/cm2 )×t(sec) …(1) 式中において、Jは測定時に通じた電流の密度、tは破
壊した時間であり、前記四種類のゲート酸化膜について
の測定では、J=100mA/cm2 で測定し、tとし
ては50%不良(t50)を用いた。
【0021】また、このような優れた絶縁性を有するゲ
ート酸化膜を形成するための熱酸化処理時間を調べたと
ころ、形成するゲート膜厚が5nmの場合では、各ガス
の流量比をH2 :O2 :N2 =1:1:20としたと
き、10分程度の熱酸化処理で十分な絶縁性を有するゲ
ート酸化膜が得られた。同様に、形成するゲート膜厚が
7nmの場合では、各ガスの流量比をH2 :O2 :N2
=1:1:7としたとき10分程度の熱酸化処理で、ま
た形成するゲート膜厚が9.6nmの場合では、各ガス
の流量比をH2 :O2 :N2 =1:1:3としたとき1
0分程度の熱酸化処理で、それぞれ十分な絶縁性を有す
るゲート酸化膜が得られた。このような各流量比と酸化
膜の膜厚との関係を図3に示す。ただし、図3中におい
て横軸は、H2 ガス、O2 ガス、N2 ガスからなる系に
おけるN2 ガスの分圧比とした。
【0022】図4は、本発明の極薄ゲート酸化膜の形成
方法の、第2実施形態例を説明するための図である。こ
の第2実施形態例が先に示した第1実施形態例と異なる
ところは、挿入工程、放置工程、パージ工程、引出し工
程にて、それぞれドライO2 ガスに代えてN 2 ガスを、
あるいはドライO2 ガスに加えてN2 ガスを流入するよ
うにした点である。
【0023】この実施形態例ではその挿入工程におい
て、ドライO2 ガスに代えてN2 ガスを10(l/mi
n)程度の流量で反応菅内に流入しつつ、ボートの挿入
を行う。すると、このように十分量のN2 ガスを流入す
ることによって該工程における処理中反応菅内が陽圧に
なり、したがって反応菅外、すなわちクリーンルーム内
の空気が反応菅内に流入するのが防がれ、これにより挿
入されるウエハはその自然酸化が防止される。放置工程
においては、反応菅内の迅速な温度安定を図るうえで、
挿入工程に引き続きN2 ガスのみを流入する。そして、
温度が安定したら、先の第1実施例と同様にして、反応
菅内にH2 ガス、O2 ガスを流入し、かつこれらガスと
2 ガスとの流量を形成するゲート酸化膜の膜厚に応じ
て調整し、ウエハを熱酸化処理する。
【0024】熱酸化処理が終了したら、パージ工程で
は、O2 ガスおよびN2 ガスの流入を続行し、反応菅内
からH2 ガスをパージする。そして、引出し工程では、
2 ガスおよびN2 ガスの流入をさらに続行しつつ、ボ
ートを引出してウエハを反応菅内から取り出す。このと
き、N2 ガスの流入は10(l/min)程度の流量で
行い、先の挿入工程のときと同様に該工程における処理
中反応菅内を陽圧とする。すると、この工程において
も、反応菅外、例えばクリーンルーム内の空気が反応菅
内に流入するのが防がれ、これにより挿入されるウエハ
の自然酸化を防止することができる。
【0025】したがって、この第2実施形態例の形成方
法にあっては、特に挿入工程、引出し工程で反応菅内に
2 ガスを流入しつつ処理を行い、これによってこれら
処理中に反応室内を陽圧にしたので、反応室外から反応
室内への空気の流入を防ぐことができ、これにより該処
理中におけるウエハの自然酸化を防止してゲート酸化膜
をその膜厚が所定の厚さとなるよう確実に形成すること
ができ、かつその膜厚や膜質を均一にして優れた絶縁性
を有するものにすることができる。すなわち、本発明の
ごとく厚さ10nm以下の極薄のゲート酸化膜を形成す
る場合では、従来のごとく厚さ20nm程度のゲート酸
化膜を形成する場合と異なり、挿入時、引出し時にO2
雰囲気による酸化が起こると、この分を予め見込んで熱
酸化処理を行うのでは熱酸化処理時間が短くなり過ぎて
しまい、得られる酸化膜の絶縁特性や膜の均一性に悪影
響が及ぶ可能性が高くなってしまうからである。
【0026】なお、この第2実施形態例では、挿入工程
および引出し工程の両方でドライO 2 ガスに代えてN2
ガスを流入するようにしたが、本発明はこれに限定され
ることなく、これら工程のうちのいずれか一方のみでN
2 ガスを流入させるようにしてもよい。図5は、挿入工
程のみN2 ガスを用い、引出し工程ではO2 ガスを用い
てゲート酸化膜を形成した場合と、逆に挿入工程のみO
2 ガスを用い、引出し工程ではN2 ガスを用いてゲート
酸化膜を形成した場合と、第1実施形態例のごとく両方
の工程共O2 ガスを用いてゲート酸化膜を形成した場合
とで、得られたゲート絶縁膜のQbdを調べた結果を示
す図である。ここで、Qbdの測定については、図2に
示した例と同様にして行った。なお、比較のため、酸化
雰囲気中にN2 ガスを流入しない従来法によって得られ
たゲート酸化膜についても、同様にしてQbdを調べ、
その結果を図5に併記した。また、この例では、ゲート
酸化膜の膜厚として、それぞれ10nmのものを形成し
た。
【0027】図5より、挿入工程のみN2 ガスを用いて
形成したゲート酸化膜と、引出し工程のみN2 ガスを用
いて形成したゲート酸化膜とは、共にO2 ガスを用いて
形成したゲート酸化膜に比べ絶縁性に優れていることが
確認された。また、従来法によるゲート酸化膜と比較す
ると、いずれの処理雰囲気のものでも、N2 ガスを流入
した本発明品の方が優れた絶縁性を示すことが判明し
た。
【0028】また、このようにして形成した本発明方法
による各ゲート酸化膜の、膜厚の均一性についても調べ
た。得られた結果を図6に示す。なお、図6中において
σは、膜厚を多数点で測定し、これら測定結果から算出
した標準偏差である。図6より、挿入工程のみN2 ガス
を用いて形成したゲート酸化膜と、引出し工程のみN2
ガスを用いて形成したゲート酸化膜とは、共にO2 ガス
を用いて形成したゲート酸化膜に比べσの値が小さく、
したがって膜厚のバラツキが少ないことから膜厚の均一
性に優れていることが確認された。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明における請求
項1記載の極薄ゲート酸化膜の形成方法は、酸素ガスと
水素ガスとからなる従来の酸化雰囲気に窒素ガスを加
え、かつ雰囲気中における酸素ガスの分圧が十分低くな
るように各ガスの流量比を前記所定範囲に設定したこと
により、シリコン基体表層部における酸化速度を遅くし
て熱酸化処理時間を所定範囲時間となるようにしたもの
であるから、得られるゲート酸化膜の膜厚制御を容易に
することができるとともに、その膜厚、膜質を均一にし
て優れた絶縁性を確保することができる。
【0030】請求項2記載の極薄ゲート酸化膜の形成方
法は、酸素ガスと水素ガスとからなる従来の酸化雰囲気
に窒素ガスを加え、かつ各ガスの流量比を前記所定範囲
に設定したものであるので、前記請求項1記載の発明と
同様の効果を得ることができる。さらに、シリコン基体
を収容する工程およびシリコン基体を反応室から取り出
す工程のうちの少なくとも一方の工程における処理を、
窒素ガスを流入しつつ行うものであるから、窒素ガスを
流すことによって該工程における処理中反応室内を陽圧
にし、反応室外から反応室内への空気の流入を防いで該
処理中におけるシリコン基体の自然酸化を防止すること
ができ、これにより熱酸化処理時間を所定範囲時間とす
ることができ、したがって得られるゲート酸化膜をその
膜厚が所定の厚さとなるよう確実に形成することがで
き、かつその膜厚、膜質を均一にして優れた絶縁性を有
するものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例の工程説明図である。
【図2】処理温度と絶縁性との関係を示すグラフ図であ
る。
【図3】H2 ガス、O2 ガス、N2 ガスからなる系にお
けるN2 ガスの分圧比と、酸化膜の膜厚との関係を示す
グラフ図である。
【図4】本発明の第2実施形態例の工程説明図である。
【図5】処理雰囲気と絶縁性との関係を示すグラフ図で
ある。
【図6】処理雰囲気と標準偏差との関係を示すグラフ図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基体の表層部に極薄ゲート酸化
    膜を形成する方法であって、 シリコン基体を反応室内に収容し、該反応室内に酸素ガ
    スと水素ガスと窒素ガスとを、その流量比が、 H2 :O2 :N2 =2〜3:2:5〜50 となるようにして流入しつつ、前記シリコン基板を熱酸
    化処理して、厚さ10nm以下の極薄ゲート酸化膜を前
    記シリコン基板の表層部に形成することを特徴とする極
    薄ゲート酸化膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 シリコン基体の表層部に極薄ゲート酸化
    膜を形成する方法であって、 反応室内にシリコン基体を収容する工程と、 収容後、前記反応室内の温度を所定温度範囲に安定させ
    る工程と、 温度安定後、前記反応室内に酸素ガスと水素ガスと窒素
    ガスとを、その流量比が、 H2 :O2 :N2 =2〜3:2:5〜50 となるように流入しつつこれらガスからなる酸化雰囲気
    でシリコン基体を熱酸化処理して、厚さ10nm以下の
    極薄ゲート酸化膜を前記シリコン基体の表層部に形成す
    る工程と、 熱酸化処理後、酸素ガスの反応室内への流入を続行しつ
    つ、その状態でシリコン基体を反応室から取り出す工程
    とを具備し、 前記シリコン基体を収容する工程およびシリコン基体を
    反応室から取り出す工程のうちの少なくとも一方の工程
    における処理を、窒素ガスを流入しつつ行うことを特徴
    とする極薄ゲート酸化膜の形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001223213A (ja) * 1999-11-25 2001-08-17 Asm Internatl Nv 半導体のウェハ上に酸化物層を形成するための方法および装置
JPWO2006106859A1 (ja) * 2005-03-31 2008-09-11 株式会社日立国際電気 半導体装置の製造方法、基板の製造方法および基板処理装置
JP2022531583A (ja) * 2019-04-30 2022-07-07 マトソン テクノロジー インコーポレイテッド 水素を用いた大気中でのラジカル酸化

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US12014920B2 (en) 2019-04-30 2024-06-18 Mattson Technology, Inc. Apparatus for hydrogen assisted atmospheric radical oxidation

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