JPH09280267A - トルク伝達制御装置およびこの装置を用いた戸のロック制御装置 - Google Patents

トルク伝達制御装置およびこの装置を用いた戸のロック制御装置

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JPH09280267A
JPH09280267A JP9692396A JP9692396A JPH09280267A JP H09280267 A JPH09280267 A JP H09280267A JP 9692396 A JP9692396 A JP 9692396A JP 9692396 A JP9692396 A JP 9692396A JP H09280267 A JPH09280267 A JP H09280267A
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drive
side shaft
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clutch
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Yukihiro Uchida
幸博 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トルク伝達を安定して確実に行いかつ強度を高
くして耐久性を向上する。 【解決手段】駆動側の筒状の第2カップリング軸部28
aと従動側の第1カップリング軸部22bとの間に、ク
ラッチ部材29が配設されている。このクラッチ部材2
9は、第2カップリング軸部28aの筒状内に嵌合固定
されるアウタクラッチ29aと、弾性材からなり断面正
方形の筒状のインナクラッチ29bとから構成されてい
る。インナクラッチ29bの4角に形成された係合部2
9b1をアウタクラッチ29aに形成された軸方向の溝
29a2に軸方向に嵌合することにより、両クラッチ2
9a,29bは組み付けられる。伝達トルクが小さいと
きは、第2カップリング軸部28aの回動によりインナ
クラッチ29bが弾性変形しなく、第1カップリング軸
部22bが一緒に回動する。伝達トルクが大きいとき
は、インナクラッチ29bが弾性変形し、第2カップリ
ング軸部28aのみが回動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動側軸と従動側
軸との間の伝達トルクが所定値以下のときはこれら両軸
を一緒に回転させるとともに伝達トルクが所定値を超え
たときはこれら両軸の間に相対回転を許容するようにト
ルク伝達を制御するトルク伝達制御装置の技術分野、お
よび病院、学校、オフィスビル、住宅建築物あるいはそ
の他一般の建築物等の建物における戸のロック制御装置
の技術分野に属し、特に戸のロック制御を電動および手
動のいずれによっても行うことができるようになってい
る戸のロック制御装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】病院、学校、オフィスビル、住宅建築物
あるいはその他一般の建築物等の建物においては、人の
出入りや室内の換気等のために出入口や窓等の開口部が
設けられている。また、これらの開口部を開閉するため
に戸が設けられている。
【0003】ところで、このような戸のロックおよびロ
ック解除操作は、一般に手動で行われている場合が多
い。このように戸のロックが手動で行われるようになっ
ていると、例えば病院においては、病人が窓や入口を開
けたり閉めたりしたい場合に、病人はいちいちベッドか
ら起きて自ら窓の窓戸や入口の戸のロックあるいはロッ
ク解除を行うか、あるいは他人にこれらの戸のロックあ
るいはロック解除を依頼するかしなければならないとい
う問題がある。このため、戸のロック操作が煩わしいば
かりでなく、自分の希望するように戸のロックを行うこ
とができない場合があった。
【0004】そこで、戸のロック操作を電動モータによ
り行うようにして遠隔操作により離れた場所からでも戸
をロックまたはロック解除することができるようにする
戸のロック制御装置が従来から提案されている。このロ
ック制御装置によれば、戸のロック操作を手動で行わな
くて済むようになるとともに、離れた場所からも行うこ
とができるようになる。
【0005】しかしながら、このような戸のロック制御
装置においては、電動モータが故障するとロック操作が
行えなくなったり、その場ですぐロック操作したい場合
に、いちいち電動モータを駆動制御しなければならな
く、ロック操作が煩わしくなってりするという問題があ
る。
【0006】そこで、電動および手動のいずれによって
も、ロック操作を行うことができるようにしてこれらの
問題を解決した窓戸のロック制御装置が特公平4ー26
390号公報において提案されている。
【0007】この公報の戸のロック制御装置は、電動モ
ータのトルクが伝達される駆動軸の一端側を筒状に形成
し、ロック部材でありかつ手動で回動操作されるクレセ
ントの回転軸の端部をこの筒状部に挿入するとともに、
U字状の弾性クリップでこれらの駆動軸と回転軸とを連
結して構成されたトルク伝達制御装置を備えている。
【0008】そして、電動でロック操作を行う場合に
は、電動モータのトルクが駆動軸およびU字状の弾性ク
リップを介してクレセント軸に伝達され、クレセント軸
が回動することにより、クレセントをロック位置または
ロック解除位置に設定して、ロックまたはロック解除が
行われるようになっている。また、手動でロック操作を
行う場合には、手動でクレセントを単に回動させること
により、ロック位置またはロック解除位置に設定して、
ロックまたはロック解除が行われるようになっている。
この手動によるロック操作時には、駆動軸側の回転抵抗
が大きいため、弾性クリップが弾性変形することによ
り、駆動軸は回転しなく、クレセント軸のみが回動する
ようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報の窓戸のロック制御装置におけるトルク伝達制御装置
では、電動モータのトルクを伝達するためにU字状の弾
性クリップを用いているが、この弾性クリップは形状が
比較的簡単に変形しやすく不安定であるため、トルク伝
達を安定して確実に行うことができない。このため、ロ
ック操作を長期的に常に滑らかにかつ安定して行うこと
が困難であるという問題がある。また、ロック操作は繰
り返し行われるが、この弾性クリップは強度がそれほど
高くなく、繰り返されるロック操作に長期的にかつ十分
に対応することができないという問題がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、トルク伝達を安定して確
実に行うことができるとともに、強度が高く耐久性のあ
るトルク伝達制御装置を提供することである。また、本
発明の他の目的は、ロック操作を長期的に常に滑らかに
かつ安定して行うことができる戸のロック制御装置を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明のトルク伝達制御装置は、駆動側
軸と、従動側軸と、前記駆動側軸および前記従動側軸間
に配設され、これらの両軸間の伝達トルクが所定値以下
のときはこれら両軸を一緒に回転させるとともに前記伝
達トルクが所定値を超えたときはこれら両軸の間に相対
回転を許容するクラッチ手段とを備え、前記クラッチ手
段は、前記駆動側軸および前記従動側軸のいずれか一方
の軸に設けられるとともに、前記駆動側軸および前記従
動側軸のいずれか他方の軸が係脱可能なクラッチ部材を
少なくとも有しており、前記クラッチ部材は前記駆動側
軸および前記従動側軸のいずれか一方の軸に取り付けら
れた筒状のアウタクラッチとこのアウタクラッチに組み
付けられ、前記駆動側軸および前記従動側軸のいずれか
他方の軸が係脱可能で弾性材からなる筒状のインナクラ
ッチとからなり、前記駆動側軸および前記従動側軸のい
ずれか他方の軸の一部が前記インナクラッチ内に配設さ
れていることを特徴としている。
【0012】また、請求項2の発明のトルク伝達制御装
置は、前記インナクラッチが多角形に形成されていると
ともに、多角形の角の少なくとも1つに、円形折返し部
と直線状重ね合わせ部とからなる係合部が形成されてお
り、前記駆動側軸および前記従動側軸のいずれか他方の
軸の一部が前記インナクラッチの形状と同形状または他
の形状の多角形に形成されており、また前記アウタクラ
ッチが円筒状に形成されているとともに、この円筒状の
内面に、前記係合部が周方向および径方向に係合可能で
ありかつ軸方向に摺動可能な軸方向の溝が形成されてお
り、更に前記駆動側軸および前記従動側軸のいずれか一
方の軸に前記アウタクラッチが嵌入固定される筒状部が
形成されていることを特徴としている。
【0013】更に請求項3の発明のトルク伝達制御装置
は、トルク発生源からのトルクがウォーム歯車機構を介
して前記駆動側軸に伝達されるようになっているととも
に、少なくとも前記ウォーム歯車機構のウォームホイー
ルが前記駆動側軸に設けられていることを特徴としてい
る。
【0014】更に請求項4の発明の戸のロック制御装置
は、請求項1ないし3のいずれか1記載のトルク伝達制
御装置を用いた戸のロック制御装置であって、戸の一側
に回動可能に設けられ、手動により回動操作されるロッ
ク部材と、相手側の戸あるいは枠等の前記戸の相手側に
固設された、前記ロック部材が係脱可能な係止部材と、
前記従動側軸であるとともに前記ロック部材が固定され
たロック回動軸と、トルクを発生する電動モータと、前
記ロック回動軸と同軸上に配設され、前記駆動側軸であ
り前記トルクが伝達される駆動軸とからなることを特徴
としている。
【0015】
【作用】このような構成をした請求項1ないし3のトル
ク伝達制御装置においては、インナクラッチが弾性材か
ら筒状に形成されるとともに、駆動側軸および従動側軸
のいずれか他方の軸の一部がこの筒状のインナクラッチ
内にこのインナクラッチと係脱可能に配設される。した
がって、駆動側軸および従動側軸間の伝達トルクが所定
値以下のときは、駆動側軸および従動側軸のいずれか他
方の軸の一部がこの筒状のインナクラッチに係合して
も、インナクラッチは弾性変形しなく、駆動側軸のトル
クが従動側軸に確実に伝達されて、これら両軸が一緒に
回転するようになる。また、駆動側軸および従動側軸間
の伝達トルクが所定値を超えたときは、駆動側軸および
従動側軸のいずれか他方の軸の一部がインナクラッチに
係合するとインナクラッチが弾性変形するので、これら
両軸の間に相対回転が生じるようになる。このため、駆
動側軸のみが回転するようになり、従動側軸は回転しな
い。
【0016】また、インナクラッチは筒状に形成されて
いるので、強度が大きくなり、耐久性が向上するものと
なる。
【0017】一方請求項4の戸のロック制御装置におい
ては、電動および手動のいずれによっても戸のロックお
よびロック解除を行うことができるようになる。その場
合、戸のロック制御装置は本発明のトルク伝達制御装置
を用いているので、ロック操作を長期的に常に滑らかに
かつ安定して行うことができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1ないし図4は、本発明によるト
ルク伝達制御装置および戸のロック制御装置の実施の形
態の一例が適用されている窓およびその窓戸の電動開閉
制御装置をについて示す図である。
【0019】図1に示すように本例における窓は、矩形
環状の外枠1とこの外枠1内に開閉移動可能に設けら
れ、それぞれ窓ガラス2a,3aを備えた引違い戸式の
左右の窓戸2,3を備えた窓4である。外枠1の上端の
室内側には帯板状のラック部材5が外枠1の左右両側部
にわたって設けられており、図2に示すようにこのラッ
ク部材5の窓戸2,3側にはラック歯5aを有するラッ
クレール5bが設けられている。
【0020】また、図1に示すように右側の窓戸3の窓
ガラス3aの上端部には、帯板状の太陽電池6が設けら
れている。この太陽電池6は受光面が窓4の外方に向く
ようにして配列されている。太陽電池としては、例えば
光電子工業研究所製のSSB-4-210S(最適出力電圧:3.6
V)を用いることができるが、これに限定されるもので
はなく、使用される電動モータ(後述)の消費電流に応
じて種々の太陽電池を用いることができる。
【0021】更に、図2および図3に示すように右側の
窓戸3の左端側の中空の縦枠3b内には、開閉用電動モ
ータ7、この開閉用電動モータ7の出力軸7aに連結さ
れたユニバーサルジョイント8、およびこのユニバーサ
ルジョイント8の従動軸8aに連結された減速機9がそ
れぞれ同軸上に鉛直方向に配設されている。更に、縦枠
3bの上端から突出した減速機9の出力が伝達される回
転軸9aには、ラックレール5bのラック歯5aと噛み
合う歯10aを有するピニオンギヤ10がトルク過負荷
防止機構11を介して設けられている。開閉用電動モー
タ7および減速機9は、後述するように電動による窓戸
3の開閉時に手動でも逆方向に窓戸3の開閉を行うこと
ができるような出力トルクにするため、きわめて小型に
形成されていて縦枠3b内に収容可能となっている。
【0022】開閉用電動モータ7としては、例えば電源
電圧3.6V、回転数4500rpm、消費電流500
mA(無負荷時)、発生トルク25g・cm(作動時)
の電動モータを用いることができるが、これに限定され
るものではなく、必要なトルクに対応できる種々の電動
モータを用いることができる。
【0023】図4に詳細に示すように、ピニオンギヤ1
0は相対回動可能に嵌合され、かつ回転軸9aに一体に
設けられた受け板12に支持されている。また回転軸9
aには、更に従動側摩擦体13が回転軸9aに対して相
対回動可能に嵌合されているとともに、その下端部13
aはピニオンギヤ10に形成されている凹部10bに嵌
合されている。
【0024】更に従動側摩擦体13の上には、環状円板
状の駆動側摩擦体14が固定された押圧部材15が配設
されている。駆動側摩擦体14の従動側摩擦体13の端
面13bに対向する面14aはこの端面13bに摩擦的
に面接触する摩擦面として形成されている。この押圧部
材15は、円形フランジ状の頭部15aとその中央部か
ら下方に延設された筒状の軸部15bとからなってい
る。更に図5に詳細に示すように、頭部15aと軸部1
5bとを軸方向に貫通する軸方向孔15cが穿設されて
いるとともに、軸部15bの端には軸方向に突出する一
対の突出部15d,15dが設けられている。
【0025】一方、図5に明瞭に示すように回転軸9a
の端には、押圧部材15の突出部15d,15dが嵌合
される、突出部15d,15dと同数の凹嵌部9b,9b
が形成されている。その場合、突出部15d,15dが
凹嵌部9b,9bに嵌合された状態では、押圧部材15
の軸部15bと回転軸9aとは、互いに軸方向に相対摺
動可能となっているとともに相対回動不能となってい
る。
【0026】そして、図4に示すように駆動側摩擦体1
4が一体に固定された押圧部材15は、その軸部15b
が従動側摩擦体13の小径孔に嵌合されているととも
に、軸部15bの先端の突出部15dを回転軸9aの凹
嵌部9bに嵌合させ、かつ駆動側摩擦体14と従動側摩
擦体13とを面接触させた状態で、ボルト16を押圧部
材15の軸方向孔15cに挿通するとともに回転軸9a
の雌ねじに螺合することにより、回転軸9aに取り付け
られている。これにより、ピニオンギヤ10と従動側摩
擦体13とが所定の挟圧力で挟圧されるようになる。こ
の挟圧力により、従動側摩擦体13の部分13eがピニ
オンギヤ10の凹部10cに強く圧接されるので、ピニ
オンギヤ10と従動側摩擦体13とが実質的に一体に挙
動すなわち回転するようになる。また、駆動側摩擦体1
4の摩擦面14aと従動側摩擦体13の端面13fとの
間の摩擦力すなわち許容限界トルクが、前述の挟圧力、
従動側摩擦体13の摩擦係数および駆動側摩擦体14の
摩擦係数によって決定される。
【0027】駆動側摩擦体14の回転トルクによる力が
この摩擦力以下のときは、駆動側摩擦体14と従動側摩
擦体13とは互いに滑ることなく駆動側摩擦体14の回
転トルクが従動側摩擦体13に伝達され、駆動側摩擦体
14と従動側摩擦体13およびピニオンギヤ10とは一
体に回転するようになっている。また駆動側摩擦体14
の回転トルクによる力がこの摩擦力を超えたときは、駆
動側摩擦体14と従動側摩擦体13との間に滑りが生じ
て、この摩擦力を超える大きさの駆動側摩擦体14の回
転トルクは従動側摩擦体13に伝達されなく、駆動側摩
擦体14が回転しても従動側摩擦体13およびピニオン
ギヤ10はこの摩擦力を超える大きさの回転トルクでは
回転しないようになっている。
【0028】そしてこの摩擦力は、後述するように窓戸
3の閉時に窓戸3と外枠1との間に手や指等が挟まれた
とき、これらの手や指等が負傷しなくしかも窓戸の開閉
移動が可能な程度の大きさに設定されている。
【0029】図3に示すように、開閉用電動モータ7は
マイクロコンピュータを有するコントロール部17に電
気的に接続され、更にコントロール部17は電動ロック
装置18を介してバックアップ電源19に電気的に接続
されている。このバックアップ電源19は図示しないが
前述の太陽電池6に電気的に接続されており、太陽電池
6によって発電された電気がバックアップ電源19に蓄
電されるようになっている。バックアップ電源19とし
ては、充電時間3〜4時間(晴天時)のニッカド電池の
バッテリを用いることができるが、これに限定されるも
のではなく、電動モータの消費電流に対応できる種々の
バッテリーを用いることができる。これらコントロール
部17、電動ロック装置18およびバックアップ電源1
9は、ともに右側窓戸3の縦枠3b内に収容固定されて
いる。そして、バックアップ電源19に蓄電された電力
により開閉用電動モータ7および電動ロック装置18の
図示しない電動モータがそれぞれコントロール部17で
制御されながら駆動されるようになっている。
【0030】図6に示すように、電動ロック装置18
は、右側の窓戸3の縦枠3b外に配設された第1取付枠
20と、縦枠3b内に配設され、縦枠3bの側壁3b1
を挟んで第1取付枠20に取り付けられる第2取付枠2
1とを有している。第1取付枠20には、クレセント軸
22が回動可能に支持されており、その一端が外方へ突
出しているとともに、他端が側壁3b1に形成された貫
通孔3b2を貫通して第2取付枠21の凹嵌部21a内
に延設されている。このクレセント軸22の一端には従
来周知のクレセント23が取り付けられていて、このク
レセント23はクレセント軸22と一体に回動可能とさ
れている。このクレセント23にはロック部23aが設
けられており、このロック部23aは、左側の窓戸2の
縦枠2bの固定されたU字状のロック爪24に係脱可能
とされている。すなわち、ロック部23aは、図7
(a)および(c)に示すロック爪24に係合するロッ
ク位置と、回動位置がこのロック位置と180゜ずれ
た、図8(b)に示すロック爪24から脱出するロック
解除位置との間で回動されるようになっている。
【0031】図8に示すように、クレセント軸22は偏
心カム22aを有しているとともに、この偏心カム22
aに隣接して、4角が切り取られた断面正方形の第1カ
ップリング軸部22bを有している。また、図6に示す
ように偏心カム22aの外周近傍位置で相対向する位置
に一対の第1回動位置検知素子25と第2回動位置検知
素子26とが第1取付枠20の固定された基板27に取
り付けられている。更に基板27には、図示しないがハ
イブリッド集積回路等からなるパターン回路群が形成さ
れている。そして、第1および第2回動位置検知素子2
5,26はともにパターン回路群のなかの対覆うするパ
ターン回路を介してコントロール部17に電気的に接続
されている。
【0032】偏心カム22aはクレセント軸22の回動
位置を検知する第1および第2回動位置検知素子25,
26を選択的に作動制御するようになっている。すなわ
ち、図6および図7(a)に示すロック部23aがロッ
ク位置となる、クレセント軸22の回動位置では、偏心
カム22aにより第1回動検知素子25が作動されて第
1回動検知素子25の出力信号がコントロール部17に
出力され、図7(b)に示すロック部23aがロック解
除位置となる、クレセント軸22の回動位置では、偏心
カム22aにより第2回動検知素子26が作動されて第
2回動検知素子26の出力信号がコントロール部17に
出力される。
【0033】図6に示すように、第2取付枠21にはカ
ップリング軸28が、クレセント軸22と同軸上に回動
可能に支持されているとともに、図9(a)および
(b)に示すようにこのカップリング軸28は、有底筒
状に形成された第2カップリング軸部28aと歯車取付
軸部28bとから構成されている。図6に示すように、
第2カップリング軸部28aは第2取付枠21の凹嵌部
21a内に配置されており、この第2カップリング軸部
28a内に、クレセント軸22の第1カップリング軸部
22bが位置されている。
【0034】第1および第2カップリング軸部22b,
28a間には、クラッチ手段のクラッチ部材29が設け
られており、図10および図11に詳細に示すように、
このクラッチ部材29はアウタクラッチ29aとインナ
クラッチ29bとから構成されている。図12(a)お
よび(b)に示すように、アウタクラッチ29aは円筒
形に形成されており、第2カップリング軸部28a内に
嵌合固定され、この第2カップリング軸部28aと一体
に回動するようにされている。このアウタクラッチ29
aの内周面29a1には、断面が円形状部と直線状部と
からなる4個の溝29a2が、周方向に等間隔にかつ軸
方向に延設されている。
【0035】また図13(a)および(b)に示すよう
に、インナクラッチ29bは弾性板から正方形状の筒状
に形成されており、その4角にはそれぞれ円形折返し部
と直線状重ね合わせ部とからなる係合部29b1が形成
されている。そして図11に示すように、インナクラッ
チ29bの各係合部29b1がアウタクラッチ29aの
各溝29a2内に軸方向に嵌入固定されて、インナクラ
ッチ29bがアウタクラッチ29aの内周面29a1
組み付けられている。その場合、各係合部29b1は各
溝29a2に対して周方向にかつ径方向に係合し、軸方
向には摺動するようになる。また、第1カップリング軸
部22bがインナクラッチ29bの正方形断面内にイン
ナクラッチ29bの各辺から所定の間隙を置いて位置す
るようになる。
【0036】そして、図14に示すようにカップリング
軸28が例えば反時計方向に回動すると、インナクラッ
チ29bの各辺がクレセント軸22の第1カップリング
軸部22bの角部に当接するが、その後カップリング軸
28が更に反時計方向に回動したとき、クレセント軸2
2の回動に対する抵抗が小さい場合はカップリング軸2
8とクレセント軸22との間の伝達トルクが所定値以下
であるので、インナクラッチ29bの各辺は弾性変形し
ない。このため、インナクラッチ29bの各辺と第1カ
ップリング軸22bとの係合が確実に行われるので、ク
レセント軸22がクラッチ部材29を介してカップリン
グ軸28と一緒に反時計方向に回動するようになってい
る。
【0037】また、クレセント軸22の回動に対する抵
抗が大きい場合はカップリング軸28とクレセント軸2
2との間の伝達トルクが所定値を超えるので、図15に
示すようにインナクラッチ29bの各辺が弾性的に撓み
変形する。このため、インナクラッチ29bの各辺と第
1カップリング軸22bとが係合しないので、カップリ
ング軸28がクレセント軸22に対して反時計方向に相
対回動し、クレセント軸22は回動しないようになって
いる。その場合、カップリング軸28がクレセント軸2
2に対して45゜を超えて相対回動すると、インナクラ
ッチ29bの弾性力がカップリング軸28の回動方向に
加えられるようになるので、カップリング軸28の相対
回動がより確実に行われるようになっている。このイン
ナクラッチ29bの弾性力の作用は90゜回転毎に繰り
返し行われる。またカップリング軸28が逆の時計方向
に回動する場合も同様である。なお、クレセント軸22
が回動した場合も、カップリング軸28の回動に対する
抵抗が小さい場合あるいは大きい場合とも、同様であ
る。
【0038】このようにクラッチ部材29は、クレセン
ト軸22およびカップリング軸28の一方の軸が回動し
たとき、他方の軸の回動抵抗が所定値以下の場合はこの
他方の軸も一緒に回動させるが、他方の軸の回動抵抗が
所定値を超える場合は一方の軸のみを回動させて他方の
軸は回動させないようになっている。第1および第2カ
ップリング軸22b,28aおよびクラッチ部材29に
より、本発明のトルク伝達制御装置が構成されている。
【0039】図6に示すように、カップリング軸28の
第2カップリング軸部28bにはウォームホイール30
がピン46により固定されているとともに、ウォームホ
イール30にはウォーム31が噛み合わされている。こ
のウォーム31は第2取付枠21に回動可能に支持され
ている回動軸32に設けられている。また、回動軸32
には従動側歯車33が設けられているとともに、この従
動側歯車33には駆動側歯車34が噛み合わされてい
る。駆動側歯車34は、第2取付枠21に固定されてい
るロック用電動モータ35の出力軸36に固定されてい
る。したがって、ロック用電動モータ35として、前述
の開閉用電動モータ7と同じものが使用されている。更
に、図示しないがこのロック用電動モータ35はバック
アップ電源19に電気的に接続されているとともに、コ
ントロール部17に電気的に接続されていて、バックア
ップ電源19に蓄電された電気でかつコントロール部1
により駆動制御されるようになっている。
【0040】なお、前述の開閉用電動モータ7、減速機
9、支持部材17、コントロール部17、電動ロック装
置18の第2取付枠21に設けられるロック用電動モー
タ35等の各構成部材およびバックアップ電源19は、
ともに既存の窓戸の縦枠内にも収容できる大きさに設定
されている。
【0041】更に図1に示すように、この例の戸の電動
開閉制御装置には、右側の窓戸3の開閉および電動ロッ
ク装置18のロックおよびロック解除をリモートコント
ロールするためのリモコン発信器37が準備されている
とともに、縦枠3bにこのリモコン発信器37からの操
作指令信号を受信するリモコン受信器38が設けられて
いる。このリモコン受信器38は図示しないがコントロ
ール部17に電気的に接続されている。そして、リモコ
ン発信器37の開閉操作釦(不図示)を押すことにより
発せられる開閉操作指令信号により、コントロール部1
7が開閉用電動モータ7の駆動を制御するようになって
いるとともに、リモコン発信器37のロック操作釦(不
図示)を押すことにより発せられるロック操作指令信号
により、コントロール部17がロック用電動モータ35
の駆動を制御するようになっている。
【0042】更に図2に示すように、右側の窓戸3の縦
枠3b内には左右の窓戸2,3が完全に閉められたこと
を検知する窓戸閉検知素子39が設けられているととも
に、左側の窓戸2の縦枠2b内には、窓戸閉検知素子3
9を作動する作動部材40が設けられている。この窓戸
閉検知素子39は図示しないが基板27のパターン回路
群の中の対応するパターン回路を介してコントロール部
17に電気的に接続されている。また作動部材40は、
左右の窓戸2,3が完全に閉められたとき窓戸閉検知素
子39に対向するように配設されているとともに、対向
したときに窓戸閉検知素子39をオンするようになって
いる。このとき、窓戸閉検知素子39の出力信号がコン
トロール部17に出力されるようになる。
【0043】この窓戸閉検知素子39、前述の第1およ
び第2回動位置検知素子25,26としては、それぞれ
マイクロスイッチ、近接スイッチ等の公知の適宜のスイ
ッチを用いることができる。
【0044】更に図2および図16に示すように、外枠
1の上部3cには第1投光素子41と第1受光素子42
とが設けられているとともに、縦枠3b内には第2受光
素子43と第2投光素子44とが設けられている。その
場合、右側の窓戸3が完全に閉じられたとき、第1投光
素子41と第2受光素子43とが対向し、かつ第1受光
素子42と第2投光素子44とが対向するようになって
いる。第1投光素子41と第1受光素子42とはともに
窓4から離隔した位置に設けられた確認部45に例えば
電話回線等により電気的に接続されている。この確認部
45は、例えば1000セット等のビル全体の窓戸群の
確認装置と個々に接続されるとともに、確認すべき窓戸
番号、ロック状態または窓戸閉鎖状態の確認条件に基づ
いて、各検知素子25,26,39からパターン回路およ
びコントロール部17を通して送られてくる検知信号を
整理してそれぞれの確認状態、例えば窓戸の開閉状態あ
るいはロックの施錠、解錠状態を表示するホストコンピ
ュータとして構成されている。確認部45と窓戸群の個
々の確認装置との信号伝達は双方向性の信号のやりとり
で行われるようにしている。また第1投光素子41と第
1受光素子42とは図示しないがともにコントロール部
17に電気的に接続されている。
【0045】このように構成された本例の戸の電動ロッ
ク制御装置において、電動による窓戸2,3のロックお
よびロック解除について説明する。通常時には太陽の明
かりで太陽電池6が発電し、その電気がバックアップ電
源19に蓄電される。そして、左右の窓戸2,3が窓4
を閉めかつロックされている状態で窓4を開けたいとき
は、まずリモコン発信器37の電動ロック装置18のロ
ック操作釦のなかのロック解除釦を押すことにより、バ
ックアップ電源19の蓄電された電力でロック用電動モ
ータ35がロック解除方向に回転駆動される。このロッ
ク用電動モータ35の回転駆動力は、歯車34,33、
回動軸32、ウォーム31、およびウォームホイール3
0を介してカップリング軸28に伝達され、カップリン
グ軸28がロック解除方向に回動しようとする。
【0046】ところで、クレセント軸22およびクレセ
ント23は解除方向には何等拘束されていないので、こ
のカップリング軸28の回動力に対してクレセント軸2
2の回動抵抗が小さく、所定値以下となっている。この
ため、クラッチ部材29がカップリング軸28の回動力
をクレセント軸22に伝達してクレセント軸22をカッ
プリング軸28と一緒にロック解除方向に回動する。ク
レセント23が図7(b)に示すロック解除位置にくる
と、クレセント軸22のカム22aが第2回動位置検知
素子26を作動する。すると、第2回動位置検知素子2
6が出力信号をコントロール部17に出力するので、コ
ントロール部17はロック用電動モータ35の駆動を停
止する。こうして、クレセント23はロック解除位置に
保持され、窓戸2,3のロックが解除される。
【0047】その後、リモコン発信器37の窓開き操作
釦を押すことにより、バックアップ電源19の電力で開
閉用電動モータ7が開き方向に回転駆動される。この開
閉用電動モータ7の回転駆動力がユニバーサルジョイン
ト8を介して減速機9に伝達されるとともに、この減速
機9により開閉用電動モータ7の回転駆動力が所定の速
度に減速されて駆動側摩擦体14に伝達される。更に駆
動側摩擦体14に伝達された回転駆動力は、駆動側摩擦
体14と摩擦係合している従動側摩擦体13を介してピ
ニオンギヤ10に伝達されるので、ピニオンギヤ10が
同速度で回転する。
【0048】すると、ピニオンギヤ10の歯10aとラ
ックレール5bの歯5aとが互いに噛み合っているの
で、このピニオンギヤ10の回転により、ピニオンギヤ
10がラックレール5bに沿って開き方向に移動するよ
うになる。これにより、右側の窓戸3が開き方向に移動
し、窓4が開けられる。そして、窓4の所望の開閉量に
なったとき、リモコン発信器37の窓開き操作釦を離す
と、開閉用電動モータ7の駆動が停止し、窓戸3はその
ときの移動位置に停止する。こうして、電動により窓戸
3を開方向に移動させることにより、窓4は所望の開閉
量に確実に開けられるようになる。
【0049】また窓4を閉めるときは、リモコン発信器
37の窓閉じ操作釦を押すことにより、開閉用電動モー
タ7を逆の閉じ方向に回転駆動する。この開閉用電動モ
ータ7の回転駆動力が前述の窓開き時の場合と同様にし
てピニオンギヤ10に伝達され、ピニオンギヤ10が閉
じ方向に回転する。これにより、前述と同様にしてピニ
オンギヤ10がラックレール5bに沿って閉じ方向に移
動するので、窓戸3が閉じ方向に移動する。窓戸3の端
が外枠1に当たって窓4が完全に閉まったとき、リモコ
ン発信器37の窓閉じ操作釦を離すと、開閉用電動モー
タ7の駆動が停止する。なおこの場合、窓戸閉検知素子
39が作動するので、この窓戸閉検知素子39の出力信
号によりコントロール部17が開閉用電動モータ7の駆
動が自動的に停止するようにしてもよい。
【0050】次に、リモコン発信器37のロック操作釦
のなかのロック釦を押すことにより、ロック用電動モー
タ35がロック方向に回転駆動される。このロック用電
動モータ35の回転駆動力は、前述と同様にカップリン
グ軸28に伝達され、カップリング軸28がロック方向
に回動しようとする。
【0051】ところで、クレセント軸22およびクレセ
ント23はロック方向には何等拘束されていないので、
このカップリング軸28の回動力に対してクレセント軸
22の回動抵抗が小さく、所定値以下となっている。こ
のため、クラッチ部材29がカップリング軸28の回動
力をクレセント軸22に伝達してクレセント軸22をカ
ップリング軸28と一緒にロック方向に回動する。クレ
セント23が図7(a)に示すロック位置にくると、ク
レセント軸22のカム22aが第1回動位置検知素子2
5を作動する。すると、第1回動位置検知素子25が出
力信号をコントロール部17に出力するので、コントロ
ール部17はロック用電動モータ35の駆動を停止す
る。こうして、クレセント23はロック位置に保持さ
れ、窓戸2,3が確実にロックされる。
【0052】次に、窓戸2,3のロックおよびロック解
除を手動で行う場合について説明する。
【0053】例えば図7(a)および(c)に示すロッ
ク状態から手動によりロック解除する場合は、従来の窓
戸2,3のロック解除操作と同様にクレセント23を手
動によりロック解除方向に回動する。すると、クレセン
ト軸22がロック解除方向に回動する。ところで、ウォ
ームホイール30がウォーム31に噛み合っているため
に、回転がウォームホイール30からウォーム31に伝
達される場合はカップリング軸28の回動が困難になっ
ている。したがって、このクレセント軸22の回動力に
対してカップリング軸28の回動抵抗が大きく、伝達ト
ルクが所定値を超えるものとなっている。このため、図
15に示すようにクラッチ部材29のインナクラッチ2
9bの各辺が弾性的に撓み、クラッチ部材29はクレセ
ント軸22の回動力をカップリング軸28に伝達しな
い。すなわち、カップリング軸28は回動しなく、クレ
セント軸22のみがロック解除方向に回動する。その場
合、クレセント軸22がカップリング軸28に対して4
5゜を超えて相対回動すると、インナクラッチ29bの
弾性力がクレセント軸22の回動方向に加えられるの
で、クレセント軸22を回動する手動操作力が軽減され
る。そして、クレセント軸22がカップリング軸28に
対する相対回動が90゜近くになると、クレセント軸2
2はほとんどインナクラッチ29bの弾性力のみで自己
回転するようになる。こうして、手動によりクレセント
23が図7(b)に示すロック解除位置に設定され、窓
戸2,3のロックが解除される。
【0054】また、図7(b)に示すロック解除状態か
ら手動によりロックする場合は、同様にクレセント23
を手動によりロック方向に回動すると、クレセント軸2
2がロック解除方向に回動する。前述のようにウォーム
ホイール30とウォーム31との噛み合いによりカップ
リング軸28の回動が困難になっているため、カップリ
ング軸28の回動抵抗が所定値を超えている。このた
め、クラッチ部材29はカップリング軸28を回動させ
なく、クレセント軸22のみがロック方向に回動する。
こうして、手動によりクレセント23が図7(a)およ
び(c)に示すロック位置に設定され、窓戸2,3がロ
ックされる。
【0055】このように本例のトルク伝達制御装置によ
れば、クラッチ部材29のインナクラッチ29bを断面
正方形の筒状に形成するとともに、その4角にはそれぞ
れ円形折返し部と直線状重ね合わせ部とからなる係合部
29b1を形成しているので、インナクラッチ29bを
きわめて高い強度にすることができる。したがって、イ
ンナクラッチ29bの耐久性が向上し、手動によるロッ
ク操作が繰り返し行われても、長期的に安定したロック
作動を行うことができるようになる。
【0056】しかも、筒状のインナクラッチ29bの断
面正方形の内面とクレセント軸22の第1カップリング
部22bの断面正方形の外面とが面接触により係合する
ようにしているので、クラッチの接続または切断が確実
に行われ、安定したクラッチ作用を行うことができる。
【0057】更に、アウタクラッチ29aに形成され
た、断面が円形状部と直線状部とからなる4個の溝29
2に、インナクラッチ29bの係合部29b1を軸方向
に単に嵌入するだけで、インナクラッチ29bをアウタ
クラッチ29aに組み付けることができるようになり、
組付がきわめて簡単になる。すなわち、組付作業性が良
好なものとなる。
【0058】また、本例の窓戸の電動ロック制御装置に
よれば、電動による窓戸2,3のロックおよびロック解
除を行うことができるばかりでなく、手動によっても窓
戸2,3のロックおよびロック解除を行うことができる
ようになる。
【0059】更に、窓戸の電動ロック制御装置は本例の
トルク伝達制御装置を用いているので、ロック操作を長
期的に常に滑らかにかつ安定して行うことができるよう
になる。
【0060】一方、確認部45において各窓4毎に開閉
状態およびロック状態を確認する場合においては、確認
部45から予め設定された窓戸確認項目別の確認信号が
出力される。この確認信号により、第1発光素子41か
ら光信号が発せられるとともに、この光信号が第2受光
素子43により受光され、コントロール部17に出力さ
れる。コントロール部17によりパターン回路群からこ
の確認信号に基づくパターン回路が選択されるととも
に、各検知素子25,26,39のうち、選択したパター
ン回路に対応する検知素子が作動される。作動された検
知素子により、その検知素子が検知することになってい
る、例えば窓戸3の開閉状態、窓戸2,3のロック状態
等の検知事項が検知され、その検知信号がパターン回路
を介してコントロール部17に出力される。次いで、コ
ントロール部17からこの検知信号に基づく検知内容を
表す出力信号が第2発光素子44に出力される。この出
力信号により、第2発光素子44から光信号が発せられ
るとともに、この光信号が第1受光素子42により受光
されて電気信号に変えられて、確認部45に送られる。
確認部45によりこの電気信号に基づいた検知内容が表
示され、窓戸3の開閉状態、窓戸2,3のロック状態が
確認される。
【0061】また確認部45により窓戸3の開閉状態、
窓戸2,3のロック状態が確認された結果に基づいて、
窓戸3の開閉、あるいはクレセント23のロック・ロッ
ク解除を行う場合には、確認部4から窓戸別にこれらの
制御信号が出力される。この制御信号が前述と同様にし
てコントロール部17に送られる。コントロール部17
は前述の電動による窓戸3の開閉制御あるいは電動によ
るロック制御を行うため、それぞれ開閉用電動モータ7
あるいはロック用電動モータ35を駆動制御し、窓戸3
の開閉あるいはロックが所望のように制御される。そし
て、確認部4からの確認信号により、制御結果すなわち
窓戸3の開閉状態あるいはロック状態が再び確認され
る。こうして、遠隔地で全窓戸等の状態の確認および全
窓戸等の作動制御を集中的に行うことができるようにな
る。
【0062】なお、前述の実施の形態の例ではいずれも
引き違い窓戸2,3の窓4に本発明を適用するものとし
ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、窓
以外の例えば出入口等の建物の他の開口部にも適用する
ことができるとともに、引き違い戸以外に片引き戸、開
き戸あるいはアコーディオンドア等の戸にも適用するこ
とができる。
【0063】また、電動による窓戸3の開閉およびロッ
クを行うための固定スイッチを外枠あるいは室内の壁等
に設け、リモコンスイッチの他に固定スイッチによって
も窓戸3の開閉を行うことができるようにすることもで
きる。
【0064】更に、コントロール部17のマイクロコン
ピュータに、第1および第2回動位置検知素子25,2
6および窓戸閉検知素子39からの検知信号に基づい
て、窓戸3の開操作時に、最初にクレセント軸22がロ
ック状態にあるか否かすなわちクレセント23のロック
部23aがロック爪24に係合しているか否かを判断
し、クレセント軸22がロック状態にあるときは、まず
ロック用電動モータ35を駆動してクレセント軸22の
ロック状態を完全に解除し、その後で開閉用電動モータ
7を駆動して窓戸3を開けるようにするとともに、窓戸
3の開操作時に、最初に開閉用電動モータ7を駆動して
窓戸3を完全に閉めた後、ロック用電動モータ35を駆
動してクレセント軸22を完全にロック状態にする制御
のためプログラムを内蔵させるようにすることもでき
る。このようにすれば、窓戸3の開閉制御およびロック
制御を一連の制御として行うことができるようになる。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1ないし3の発明のトルク伝達制御装置によれば、トル
ク伝達を行うインナクラッチを筒状に形成しているの
で、強度を増大させることができ、トルク伝達制御装置
の耐久性を向上することができる。
【0066】また筒状のインナクラッチの内面によりト
ルク伝達を行うようにしているので、クラッチの接続ま
たは切断が確実に行われ、安定したトルク伝達制御を行
うことができる。
【0067】特に請求項2の発明によれば、インナクラ
ッチの係合部をアウタクラッチの軸方向溝に軸方向に単
に嵌入するだけで、インナクラッチをアウタクラッチに
組み付けるようにしているので、組付がきわめて簡単に
なり、組付作業性を向上させることができる。しかも、
インナクラッチの係合部を円形折返し部と直線状重ね合
わせ部とから構成しているので、インナクラッチの係合
部の強度を更に一層増大させることができる。
【0068】一方請求項4の戸のロック制御装置によれ
ば、電動および手動のいずれによっても戸のロックおよ
びロック解除を行うことができるようになる。その場
合、戸のロック制御装置は本発明のトルク伝達制御装置
を用いているので、ロック操作を長期的に常に滑らかに
かつ安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるトルク伝達制御装置および戸の
ロック制御装置が適用されている窓の斜視図である。
【図2】 図1におけるII-II線に沿う断面図である。
【図3】 図1に示す窓に適用されている戸の電動開閉
制御装置および戸のロック制御装置の基本構成を模式的
に示す図である。
【図4】 図3に示す戸の電動開閉制御装置に用いられ
ているトルク伝達制御装置の拡大断面図である。
【図5】 電動モータ出力側の回転軸と駆動側摩擦体と
の間の係合関係を説明する部分斜視図である。
【図6】 本発明のトルク伝達制御装置および戸のロッ
ク制御装置の実施の態様の一例を示す部分断面図であ
る。
【図7】 図6に示す戸のロック制御装置のロック作用
を説明し、(a)はロック状態を示す図、(b)はロッ
ク解除状態を示す図、(c)は(a)におけるVIIIB-VI
IIB線に沿う断面図である。実施の態様の一例を示す部
分断面図である。
【図8】 クレセント軸を示す図である。
【図9】 カップリング軸を示す図である。
【図10】クレセント軸とカップリング軸との連結状態
を示す部分断面図である。
【図11】図10におけるXI-XI線に沿う断面図であ
る。
【図12】アウタクラッチを示し、(a)は側面図、
(b)は正面図である。
【図13】インナクラッチを示し、(a)は側面図、
(b)は正面図である。
【図14】伝達トルクが所定値以下のときのクラッチ部
材の作用を説明する図である。
【図15】伝達トルクが所定値以下のときのクラッチ部
材の作用を説明する図である。
【図16】遠隔地からの戸の状態を確認するための手段
の一部を示す図である。
【符号の説明】
1…外枠、2…左側の窓戸、3…右側の窓戸、3b…右
側の窓戸の縦枠、6…太陽電池、17…コントロール
部、18…電動ロック装置、19…バックアップ電源、
22…クレセント軸、22b…第1カップリング軸部、
23…クレセント(ロック部材)、24…係止爪(係止
部材)、28…カップリング軸、28a…第2カップリ
ング軸部、29…クラッチ部材、29a…アウタクラッ
チ、29a2…溝、29b…インナクラッチ、29b1
係合部、30…ウォームホイール、31…ウォーム、3
5…ロック用電動モータ、37…リモコン発信器、38
…リモコン受信器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側軸と、従動側軸と、前記駆動側軸
    および前記従動側軸間に配設され、これらの両軸間の伝
    達トルクが所定値以下のときはこれら両軸を一緒に回転
    させるとともに前記伝達トルクが所定値を超えたときは
    これら両軸の間に相対回転を許容するクラッチ手段とを
    備え、前記クラッチ手段は、前記駆動側軸および前記従
    動側軸のいずれか一方の軸に設けられるとともに、前記
    駆動側軸および前記従動側軸のいずれか他方の軸が係脱
    可能なクラッチ部材を少なくとも有しており、前記クラ
    ッチ部材は前記駆動側軸および前記従動側軸のいずれか
    一方の軸に取り付けられた筒状のアウタクラッチとこの
    アウタクラッチに組み付けられ、前記駆動側軸および前
    記従動側軸のいずれか他方の軸が係脱可能で弾性材から
    なる筒状のインナクラッチとからなり、前記駆動側軸お
    よび前記従動側軸のいずれか他方の軸の一部が前記イン
    ナクラッチ内に配設されていることを特徴とするトルク
    伝達制御装置。
  2. 【請求項2】 前記インナクラッチは多角形に形成され
    ているとともに、多角形の角の少なくとも1つに、円形
    折返し部と直線状重ね合わせ部とからなる係合部が形成
    されており、前記駆動側軸および前記従動側軸のいずれ
    か他方の軸の一部が前記インナクラッチの形状と同形状
    または他の形状の多角形に形成されており、また前記ア
    ウタクラッチが円筒状に形成されているとともに、この
    円筒状の内面に、前記係合部が周方向および径方向に係
    合可能でありかつ軸方向に摺動可能な軸方向の溝が形成
    されており、更に前記駆動側軸および前記従動側軸のい
    ずれか一方の軸に前記アウタクラッチが嵌入固定される
    筒状部が形成されていることを特徴とする請求項1記載
    のトルク伝達制御装置。
  3. 【請求項3】 トルク発生源からのトルクがウォーム歯
    車機構を介して前記駆動側軸に伝達されるようになって
    いるとともに、少なくとも前記ウォーム歯車機構のウォ
    ームホイールが前記駆動側軸に設けられていることを特
    徴とする請求項1または2記載のトルク伝達制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1記載のト
    ルク伝達制御装置を用いた戸のロック制御装置であっ
    て、戸の一側に回動可能に設けられ、手動により回動操
    作されるロック部材と、相手側の戸あるいは枠等の前記
    戸の相手側に固設された、前記ロック部材が係脱可能な
    係止部材と、前記従動側軸であるとともに前記ロック部
    材が固定されたロック回動軸と、トルクを発生する電動
    モータと、前記ロック回動軸と同軸上に配設され、前記
    駆動側軸であり前記トルクが伝達される駆動軸とからな
    ることを特徴とする戸のロック制御装置。
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Cited By (5)

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